JPH05187109A - 軒天井パネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ユニット住宅等のバルコニー，庇な
どの下面側を覆う軒天井パネルを、その下面側に取り付
けるための構造に関し、軒天井パネルのフレーム部材へ
の取付，位置決めを、容易，迅速かつ精度よく行なえる
ようにして、作業性および安全性の向上をはかることを
目的とする。 【構成】そこで、軒天井パネル９の一縁側に、フレーム
部材８ａの下面一縁側に係止される係止金具１１を取り
付けるとともに、軒天井パネル９の他縁側に、フレーム
部材１１の下面他縁側に外側から一縁側へ向かって当接
して固定される固定金具１２を取り付けたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ユニット住宅等のバル
コニー，庇などの下面側を覆う軒天井パネルを、その下
面側に取り付けるための構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ユニット住宅等のバルコニ
ー，庇，屋根ユニット軒先に軒天井パネルを取り付ける
際には、軒天井パネルの外側縁部および内側縁部を、そ
れぞれ軒先側および建物側にリベット止めもしくはボル
ト締めにより固定して取り付けるなど、種々の構造が提
案されている(例えば、実開昭６１−３８２０号公報，
実開昭５７−２９３０号公報，実公昭５６−２８２５０
号公報等参照)。

【０００３】例えば、図４に示すように、バルコニーユ
ニット１のバルコニーフレーム１ａの下面側に、軒天井
パネル２を取付・固定する際には、バルコニーフレーム
１ａと略同等寸法の軒天井パネル２を準備する。この軒
天井パネル２の左右両側には、バルコニーフレーム１ａ
の左右両側にそれぞれ引っ掛けられて係止される係止金
具３が２個ずつ取り付けられている。

【０００４】そして、このような軒天井パネル２を、バ
ルコニーフレーム１ａの下方に配置してから引っ張り上
げて、各係止金具３をバルコニーフレーム１ａに係止さ
せた後、ボルト４とナット５とを締め付けることによ
り、軒天井パネル２が、バルコニーフレーム１ａの下面
に、この下面を覆うように取り付けられる。

【０００５】また、図４に示すような取付手段のほか、
図５に示すように、軒天井パネル２Ａを取り付けるべき
フレーム６を、上下反転し下面を上にして配置した後、
フレーム６に対して、分割された軒天井パネル２Ａをタ
ッピンねじ７等により締付・固定して取り付けてから、
そのフレーム６を建物の所定位置に取り付けるような手
段も従来より用いられている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図４に
示した取付構造では、バルコニーフレーム１ａと略同等
寸法のかなり大きな軒天井パネル２を用いるため、引き
上げ作業や軒天井パネル２の係止作業が行ない難く作業
性が悪く、作業中に軒天井パネル２を落すおそれがあり
作業安全上問題がある。

【０００７】また、図５に示した取付構造では、フレー
ム６を一旦裏返して軒天井パネル２Ａを取り付けてか
ら、もう一度反転させる必要があるため、作業能率が悪
いなどの課題がある。

【０００８】さらに、軒天井パネル２，２Ａの通り，位
置決めは、作業者の目視により決定されているため、品
質にバラツキが生じるなどの課題もある。特に、図５に
示すように軒天井パネル２Ａを分割している場合には、
軒天井パネル２Ａを扱う際の作業性はよくなるが、軒天
井パネル２Ａの通りを正確に出すことが難しくなる。

【０００９】本発明は、このような課題を解決しようと
するもので、軒天井パネルのフレーム部材への取付，位
置決めを、容易，迅速かつ精度よく行なえるようにし
て、作業性および安全性の向上をはかった軒天井パネル
の取付構造を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の軒天井パネルの取付構造は、軒天井パネル
を、建物のフレーム部材の下面に該下面を覆うように取
り付けるための構造において、前記軒天井パネルの一縁
側に、前記フレーム部材の下面一縁側に係止される係止
金具を取り付けるとともに、前記軒天井パネルの他縁側
に、前記フレーム部材の下面他縁側に外側から前記一縁
側へ向かって当接して固定される固定金具を取り付けた
ことを特徴としている。

【００１１】また、前記係止金具を、前記一縁側から前
記他縁側への方向に直交する方向について位置を規制し
ながら、前記フレーム部材の下面一縁側に係止してもよ
い。

【００１２】

【作用】上述した本発明の軒天井パネルの取付構造で
は、軒天井パネルの一縁側に取り付けられた係止金具を
フレーム部材の下面一縁側に係止した後、軒天井パネル
の他縁側に取り付けられた固定金具を、フレーム部材の
下面他縁側に外側から一縁側へ向かって当接させて固定
することにより、軒天井パネルが、フレーム部材の下面
にこの下面を覆うように取り付けられる。このとき、係
止金具の係止位置により、軒天井パネルのフレーム部材
に対する高さ位置が決められるとともに、固定金具の当
接位置により、軒天井パネルのフレーム部材に対する、
一縁側から他縁側への方向(パネル幅方向)についての位
置が決められる。

【００１３】また、係止金具を、前記幅方向に直交する
方向(パネル長手方向)について位置を規制しながらフレ
ーム部材の下面一縁側に係止することにより、係止金具
をフレーム部材に対して係止することにより、軒天井パ
ネルのフレーム部材に対する高さ位置と同時に、軒天井
パネルのフレーム部材に対するパネル長手方向について
の位置も決定されることになる。

【００１４】

【実施例】以下、図面により本発明の一実施例としての
軒天井パネルの取付構造について説明すると、図１(ａ)
はその分解斜視図、図１(ｂ)はその取付状態を説明する
ための側面図、図２は図１(ｂ)のII部の取付状態を拡大
して示す側面図、図３は図１(ｂ)のIII部の取付状態を
拡大して示す斜視図である。

【００１５】本実施例では、図１(ａ)，(ｂ)に示すよう
に、バルコニーユニット８底部におけるバルコニー床フ
レーム(フレーム部材)８ａの下面に、軒天井パネル９を
取り付ける場合について説明する。ここで、バルコニー
床フレーム８ａは、枠を成す大梁８ｂと、この大梁８ｂ
による枠組内においてパネル幅方向(図中のＸ方向)に配
材される複数の小梁８ｃとから構成されるほか、軒天井
パネル９は、フレームおよび化粧材によって予めサブ組
されて構成されている。

【００１６】そして、本実施例においては、図１(ｂ)お
よび図３に示すように、建物側の大梁８ｂと各小梁８ｃ
との連結部で小梁８ｃの両側には、外側へ向け水平に板
状の受けプレート１０が大梁８ｂから突設されている。

【００１７】また、軒天井パネル９の建物側には、バル
コニー床フレーム８ａの建物側大梁８ｂから突設された
受けプレート１０に、その上面側から係止される係止金
具１１が取り付けられている。この係止金具１１は、バ
ルコニー床フレーム８ａを構成する小梁８ｃごとに設け
られ、各係止金具１１には、図１(ａ)および図３に示す
ように、小梁８ｃに嵌合してＹ方向(軒天井パネル９の
長手方向)の位置を規制しうる切欠き部１１ａが形成さ
れている。

【００１８】一方、軒天井パネル９の外側には、図１お
よび図２に示すように、バルコニー床フレーム８ａの外
側大梁８ｂに外側から建物側へ向かって当接するととも
に下面側から当接してタッピンビス１３により固定され
る固定金具１２が、係止金具１１に対応して取り付けら
れている。

【００１９】次に、上述のごとく構成された構造による
軒天井パネル９の取付手順を説明すると、本実施例で
は、まず、図３に示すように、軒天井パネル９の建物側
に取り付けられた各係止金具１１を、バルコニー床フレ
ーム８ａの建物側大梁８ｂから突設された受けプレート
１０に係止すると同時に、各係止金具１１の切欠き部１
１ａを小梁８ｃに嵌合させる。

【００２０】この後、図３に示すように、軒天井パネル
９の外側に取り付けられた各固定金具１２を、バルコニ
ー床フレーム８ａの外側大梁８ｂにその外側から建物側
へ向かって当接させた状態で、タッピンビス１３により
固定する。これにより、軒天井パネル９が、バルコニー
床フレーム９ａの下面にこの下面を覆うように取り付け
られる。

【００２１】このとき、係止金具１１と受けプレート１
０との係止位置により、軒天井パネル９のバルコニー床
フレーム８ａに対する高さ位置(Ｚ方向位置)が決められ
ると同時に、係止金具１１の切欠き部１１ａと小梁８ｃ
とが嵌合することにより、パネル長手方向つまりＹ方向
について位置が規制され、軒天井パネル９のバルコニー
床フレーム８ａに対するＹ方向位置が決められる。

【００２２】また、固定金具１２が、バルコニー床フレ
ーム８ａの外側大梁８ｂの外側および下面側から当接す
る位置により、軒天井パネル９のバルコニー床フレーム
８ａに対するパネル幅方向つまりＸ方向についての位置
が決められる。

【００２３】このように、本実施例の軒天井パネルの取
付構造によれば、軒天井パネル９の取付・固定方向が建
物側へのＸ方向の一方向のみになり、また、係止金具１
１，切欠き部１１ａおよび固定金具１２により、Ｘ，
Ｙ，Ｚの３方向についての位置決めが正確に行なわれ、
軒天井パネル９のバルコニー床フレーム８ａへの取付作
業が容易，迅速かつ精度よく行なえ作業性が大幅に向上
する。

【００２４】また、軒天井パネルを分割してバルコニー
床フレーム８ａに取り付ける場合にも、各軒天井パネル
の精度よい位置決めを容易に行なえるため、隣接する軒
天井パネルの通りを正確に出すことができる。このよう
に軒天井パネルを分割すると、軒天井パネルの大きさを
小さくでき、軒天井パネルを扱う際の作業性を向上でき
るとともに、安全性の向上をも実現できるのである。

【００２５】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ことなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更
等があっても、本発明の範囲に含まれる。例えば、上記
実施例では、バルコニーユニット８のバルコニー床フレ
ーム８ａの下面に軒天井パネル９を取り付ける場合につ
いて説明したが、本発明の構造は、これに限定されるも
のではなく、庇などの下面側を軒天井パネルにより覆う
場合にも同様に適用され、上記実施例と同様の作用効果
が得られる。

【００２６】また、上記実施例では、係止金具１１を係
止させるために建物側大梁８ｂに受けプレート１０を設
けているが、このような受けプレート１０を設けず、大
梁８ｂを成すコ字形状のフレーム材等に係止金具１１を
直接係止させるように構成してもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の軒天井パ
ネルの取付構造によれば、軒天井パネルの一縁側に取り
付けられた係止金具をフレーム部材の下面一縁側に係止
した後、軒天井パネルの他縁側に取り付けられた固定金
具を、フレーム部材の下面他縁側に外側から一縁側へ向
かって当接させて固定することにより、軒天井パネルの
取付が一方向のみで行なわれ、係止金具の係止位置によ
り軒天井パネルのフレーム部材に対する高さ位置が決め
られるとともに、固定金具の当接位置により軒天井パネ
ルのフレーム部材に対するパネル幅方向についての位置
が決められ、軒天井パネルのフレーム部材への取付作業
を、容易，迅速かつ精度よく行なえ、作業性や安全性が
大幅に向上するなどの効果がある。

【００２８】また、係止金具を、パネル長手方向につい
て位置を規制しながらフレーム部材の下面一縁側に係止
することにより、軒天井パネルのフレーム部材に対する
高さ位置と同時に、軒天井パネルのフレーム部材に対す
るパネル長手方向についての位置も決定され、軒天井パ
ネルのフレーム部材に対する空間３方向についての位置
決めを精度よく行なえるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としての軒天井パネルの取付
構造を示すもので、(ａ)はその分解斜視図、(ｂ)はその
取付状態を説明するための側面図である。

【図２】図１(ｂ)のII部の取付状態を拡大して示す側面
図である。

【図３】図１(ｂ)のIII部の取付状態を拡大して示す斜
視図である。

【図４】従来の軒天井パネルの取付構造を示す分解斜視
図である。

【図５】従来の他の軒天井パネルの取付構造を示す分解
斜視図である。

【符号の説明】

８ バルコニーユニット ８ａ バルコニー床フレーム(フレーム部材) ８ｂ 大梁 ８ｃ 小梁 ９ 軒天井パネル １０ 受けプレート １１ 係止金具 １１ａ 切欠き部 １２ 固定金具 １３ タッピンビス

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軒天井パネルを、建物のフレーム部材の
   下面に該下面を覆うように取り付けるための取付構造に
   おいて、 前記軒天井パネルの一縁側に、前記フレーム部材の下面
   一縁側に係止される係止金具が取り付けられるととも
   に、 前記軒天井パネルの他縁側に、前記フレーム部材の下面
   他縁側に外側から前記一縁側へ向かって当接して固定さ
   れる固定金具が取り付けられていることを特徴とする軒
   天井パネルの取付構造。
2. 【請求項２】 前記係止金具が、前記一縁側から前記他
   縁側への方向に直交する方向について位置を規制されな
   がら、前記フレーム部材の下面一縁側に係止されること
   を特徴とする請求項１記載の軒天井パネルの取付構造。