JPH0520829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は上下の外壁パネル間を塞ぐ幕板の取付
構造に関する。

【従来の技術】

従来より階上の外壁パネルと階下の外壁パネル
との間に形成される隙間は、幕板を取付けること
により塞がれている。 外壁パネルの取付け施工は高所での重量物の取
付け作業であるため、上棟工事業者（いわゆる鳶
職）が行うのが一般的であり、一方、幕板の取付
けには釘打ちやビス打ちなどの作業が必要である
ため、これら作業を行なわない上棟工事業者は幕
板の取付けは行なわず、幕板の取付けは上棟工事
が終わつた後に大工工事により行なわれる。

【考案が解決しようとする課題】

しかし、幕板の取付けを大工工事で行なうよう
にすると、上棟工事のあと幕板が取付けられるま
での間は上下の外壁パネル間の隙間はあいたまま
になつており、この隙間から風雨が流入してしま
うという問題があつた。 このため、本考案者は既に、第７図及び第８図
に示すように釘打ちやビス打ちを必要とすること
なく、仮止めで幕板１を取付けることができ、上
棟工事で上下の外壁パネル４，４ａ，４ｂ間の隙
間を幕板１により塞ぐことができるができる幕板
の取付け構造を開発している（実願昭63−100478
号）。 この幕板の取付け構造にあつては、上部金物
２′の逆Ｕ字状の固定片２b′が幕板１の上端部に
被嵌され、幕板１の上端部の表面で固定されてお
り、上部金物２′が外部に露出して外観の納まり
が見苦しくなつてしまつていた。 本考案は上記課題を解決するために為されたも
のであり、その目的とするところは、ワンタツチ
で取付けることができ、上棟工事においても取付
け施工できるのはもちろんのこと、外観の納まり
も良好な幕板の取付け構造を提供することにあ
る。

【課題を解決するための手段】 本考案は、幕板１の上下両端部にそれぞれ上部
金物２と下部金物３を取付け、上下の外壁パネル
４間に幕板１を配置して幕板１の上部金物２と下
部金物３をそれぞれ上位の外壁パネル４ａの下端
面と下位の外壁パネル４ｂの上端面に係合させた
幕板の取付け構造であつて、略逆Ｌ字状の金物本
体の縦片２ａに略Ｕ字状の引掛片２ｂを突設して
上部金物２を形成し、上部金物２の横片２ｃを幕
板１の上端面に載置して縦片２ａを幕板１の上端
部の裏面に固定し、上部金物２の幕板１の上端部
の裏面側に突出する引掛片２ｂを上位の外壁パネ
ル４ａの下端面から突出している垂下片５に係合
させて成るものであり、この構成により上記課題
が解決されたものである。 ［作用］ 幕板１の上部金物２と下部金物３をそれぞれ上
位の外壁パネル４ａの下端面と下位の外壁パネル
４ｂの上端面に係合させることにより釘打ちやビ
ス打ちすることなく、幕板１を上下の外壁パネル
４ａ，４ｂ間に取付けることができるのはもちろ
んのこと、上部金物２の横片２ｃを幕板１の上端
面に載置して縦片２ａを幕板１の上端部の裏面に
固定しているので、上部金物２が外部に露出しな
く、納まりが良好となるものである。 ［実施例］ 幕板１は無機質系の外装材６の背面に発泡スチ
ロールなどの断熱材７が貼られて形成されてお
り、外装材６の上下両端部の裏面にはそれぞれ上
部金物２と下部金物３が固定されている。 上部金物２は、一枚の板状体から形成されてお
り、第４図に示すように略逆Ｌ字状の金物本体の
縦片２ａの上部から横片２ａにまで切り起こされ
て縦片２ａから横片２ａと逆の方向に略Ｕ字状の
引掛片２ｂを突出させて形成されたものである。
この上部金物２は、第１図及び第３図に示すよう
に横片２ｃが幕板１の外装材６の上端面に載置さ
れ縦片２ａが幕板１の上端部の裏面に釘のような
固着具８により固着され、引掛片２ｂが幕板１の
上端部の裏面側に突出している。 下部金物３は、一枚の板状体から形成されてお
り、第６図に示すように略横Ｔ字状の金物本体の
横片３ｂの先端部を逆ヘ字状に屈曲させて係止突
部３ｂが設けられ、縦片３ｃの下部が横片３ｂと
逆の方向に切り起こされ支持片３ｄが突出されて
形成されている。この下部金物３は、第１図及び
第５図に示すように幕板１の外装材６の下端部の
裏面に縦片３ｃの上部が固着具８により固着さ
れ、支持片３ｄが外装材６の下端面に当接され、
横片３ｂが幕板１の下端部の裏面側に突出してい
る。 外壁パネル４は枠体１０の屋外側及び屋内側に
それぞれ外壁材１１と内壁材１２がそれぞれ取着
されて形成されたものであり、家屋の階上に上位
の外壁パネル４ａが取付けられ、階下に下位の外
壁パネル４ｂが取付けられる。上下の外壁パネル
４ａ，４ｂ間には隙間が形成されている。上位の
外壁パネル４ａの枠体１０の下枠１３が屈曲され
て屋外側端部から垂下片５が垂下しており、外壁
パネル４ｂの枠体１０の上枠１４の上面には係止
孔１５が穿孔されている。 幕板１が上下の外壁パネル４ａ，４ｂ間に配置
され、上位の外壁パネル４ａの垂下片５に下側か
ら上部金物２の引掛片２ｂが引つ掛けられて係合
され、下位の外壁パネル４ｂの係止孔１５に下部
金物３の係止突部３ｂが弾性的に挿入係止され、
幕板１が上下の外壁パネル４ａ，４ｂ間に仮止め
状態で取付けられる。 幕板１同士の接続部には第２図に示すように目
地材１６が取付けられている。目地材１６は長尺
板状体により形成されており、長尺板状体の上端
に二本の切り込みを入れて、中央片を両側片との
間に隙間が形成されるように前方に折り曲げて係
合片１６ａが設けられており、下端に二本の切り
込みを入れて中央片を後方に直角に折り曲げて載
置片１６ｂが設けられている。この目地材１６
は、その載置片１６ｂが下位の外壁パネル４ｂの
上端面に載置され、上端の係合片１６ａが垂下片
５に差し込まれて係合されて釘打ちやビス打ちす
ることなく、上下の外壁パネル４ａ，４ｂ間に取
付けられており、この目地材１６の両側部に幕板
１の両側端部の裏面が当接している。 このように、幕板１及び目地材１６が釘打ちや
ビス打ちなどすることなく取付けることができる
ので、外壁パネル４の取付け施工が上棟工事業者
によつて行なわれた後に、さらに上棟工事業者に
より幕板１及び目地材の取付け作業を行なうこと
ができる。 幕板１の本固定は、大工工事により第２図に示
すように下部金物３の横片３ｂの下部の屋外面か
ら下位の外壁パネル４ｂの上枠１４に釘やビスな
どの固着具１７を打入することにより大工工事で
行なわれる。 幕板１の外装材６と外壁パネル４の下枠１３や
上枠１４との間にはEPDMのような水密材１８
が介装されており、幕板１の外装材６の端面と外
壁パネル４の外壁材１１の端面の間にはバツクア
ツプ材１９とシーラント２０が充填されている。
隣接する外壁パネル４間には柱カバー２１が取着
されている。柱カバー２１は枠体１０に形成され
た仮止め孔２２に仮止め金物２３が係合されて上
棟工事の際に仮止めされ、柱カバー２１の外周フ
ランジ２１ａから外壁パネル４の枠体１０に釘や
ビスなどの固着具２４を打入することにより、大
工工事で本固定される。

【考案の効果】

本考案にあつては、幕板の上部金物と下部金物
をそれぞれ上位の外壁パネルの下端面と下位の外
壁パネルの上端面に係合させることにより釘打ち
やビス打ちすることなく、幕板を上下の外壁パネ
ル間に取付けることができ、従つて、上棟工事に
おいて幕板を簡単に取付け施工できるのはもちろ
んのこと、上部金物の横片を幕板の上端面に載置
して縦片を幕板の上端部の裏面に固定しているの
で、上部金物が横片により幕板にがたつきなく固
定されるにも拘わらず、外部に露出しなく、納ま
りが良好となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は同上の分解斜視図、第３図は同上における上
部金物の取付けを示す断面図、第４図は同上にお
ける上部金物を示す斜視図、第５図は同上におけ
る下部金物の取付けを示す断面図、第６図は同上
における下部金物を示す斜視図、第７図は従来例
を示す断面図、第８図は同上の上部金物の取付け
を示す断面図であつて、１は幕板、２は上部金
物、２ａは縦片、２ｂは引掛片、２ｃは横片、３
は下部金物、４は外壁パネル、５は垂下片であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 幕板の上下両端部にそれぞれ上部金物と下部金
   物を取付け、上下の外壁パネル間に幕板を配置し
   て幕板の上部金物と下部金物をそれぞれ上位の外
   壁パネルの下端面と下位の外壁パネルの上端面に
   係合させた幕板の取付け構造であつて、略逆Ｌ字
   状の金物本体の縦片に略Ｕ字状の引掛片を突設し
   て上部金物を形成し、上部金物の横片を幕板の上
   端面に載置して縦片を幕板の上端部の裏面に固定
   し、上部金物の幕板の上端部の裏面側に突出する
   引掛片を上位の外壁パネルの下端面から突出して
   いる垂下片に係合させて成る幕板の取付け構造。