JPH0518034A - 屋根パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋根パネルの滑落の危険性を回避し、作業者
の転落の危険性を少なくし、工業化をより一層図ること
が可能となるように構成された屋根パネルを提供する。 【構成】 屋根パネル１は、建物の躯体上に設置されて
屋根を構成するもので、枠体１１上に野地板１２が取り
付けられ、その上に防水シートなどによる防水層を介し
て瓦１３が敷設されて構成されている。そして、屋根パ
ネル１の設置時に躯体上から屋根パネル１が滑落するの
を防ぐ屋根パネルストッパーであると共に、屋根パネル
１を躯体に取り付けるための止着部となる軒桁側ストッ
パー部１４および母屋側ストッパー部１５が屋根パネル
１の下側に突出して設けられている。 【効果】 屋根パネルの滑落の危険性が回避され、屋根
上での作業が減って作業者の転落の危険性が減り、瓦付
屋根パネルを用いて工業化をより一層図ることが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建物の屋根部分に設置さ
れる屋根パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、建物の建築技術として、現場での
作業の簡便化を図り工業化を推進するために、図３に示
すように、工場で方形状の枠体１１に野地板１２を取り
付けることによりパネル状に作った屋根パネル１０を建
物の躯体上に設置して建物の屋根部分を作るというもの
が知られている。

【０００３】この屋根パネル１０は、クレーンで吊り上
げられて躯体上に降ろされた後、その上面１０ａより屋
根パネル１０を貫通して躯体上の一部である軒桁２や母
屋３に達するように打ち込まれた屋根パネル取付金物９
１や釘９２などを介して躯体に取り付けられていた。な
お、屋根パネル取付金物９１は釘９３により壁パネル４
の壁パネル芯材４１に固定されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した屋根
パネル１０では、屋根パネル取付金物９１や釘９２など
により躯体に取り付けられるまでは屋根勾配により軒側
に屋根パネル１０が滑落する危険性がある、という問題
点があった。

【０００５】また、屋根パネル１０の取付作業を屋根上
で行うので、作業者が転落する危険性がある、という問
題点があった。

【０００６】さらに、屋根パネル１０の上面１０ａより
屋根パネル取付金物９１や釘９２などを打ち込んでから
瓦を敷設することになり、工場で瓦が敷設された瓦付屋
根パネルを用いることができず、工業化をより一層図る
ことができない、という問題点があった。

【０００７】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、屋根パネルの滑落の危険性を回避し、
作業者の転落の危険性を少なくし、工業化をより一層図
ることが可能となるように構成された屋根パネルを提供
することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の屋根パネ
ルは、建物の躯体上の一部に棟側から当接される滑落防
止用の屋根パネルストッパーが屋根パネルの下側に突出
して設けられている構成としたものである。

【０００９】請求項２記載の屋根パネルは、請求項１記
載の屋根パネルにおいて、屋根パネルストッパーが前記
屋根パネルを躯体に取り付けるための止着部を兼ねてい
る構成としたものである。

【００１０】

【作用】請求項１記載の屋根パネルによれば、滑落防止
用の屋根パネルストッパーが前記屋根パネルの下側に突
出して設けられているため、この屋根パネルを棟側から
軒側に向かって滑らせるように建物の屋根部分に降ろせ
ば、屋根パネルストッパーが躯体上の一部に棟側から当
接して屋根パネルの滑落が防止される。

【００１１】請求項２記載の屋根パネルによれば、屋根
パネルストッパーが前記屋根パネルを躯体に取り付ける
ための止着部を兼ねているため、この屋根パネルを用い
れば、屋根パネルをその下側で躯体に取り付けることが
でき屋根上での作業が減ると共に、屋根パネルの上面よ
り打ち込む屋根パネル取付金物や釘などが不要となる。

【００１２】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図１は本実施例における屋根パネル１を下側から見
上げた斜視図、図２は本実施例における屋根パネル１が
建物の屋根部分に取り付けられた状態の要部側断面図で
ある。

【００１３】本実施例における屋根パネル１は、図１お
よび図２に示すように、建物の躯体上に設置されて屋根
を構成するもので、枠体１１上に野地板１２が取り付け
られ、その上に防水シートなどによる防水層（図示省
略）を介して瓦１３が敷設されて構成されている。この
屋根パネル１は通常工場で作られる。屋根パネル１の枠
体１１は、枠組縦芯材１１１，１１１および枠組横芯材
１１２，１１２によって方形状に作られ、格子状に組ま
れた補強材（図示省略）により補強されている。この枠
組縦芯材１１１，１１１間には軒桁側ストッパー部１４
および母屋側ストッパー部１５が屋根パネル１の下側に
突出して設けられている。

【００１４】軒桁側ストッパー部１４は、屋根パネル１
の設置時に躯体上から屋根パネル１が滑落するのを防ぐ
屋根パネルストッパーであると共に、屋根パネル１を躯
体に取り付けるための止着部となっているものである。
軒桁側ストッパー部１４は、例えば鉄製のもので、屋根
パネル１が躯体上に設置された際に鉛直下向きに突出す
る軒桁止着片１４１の両端に取付片１４２，１４２が設
けられて構成されている。軒桁止着片１４１は躯体上の
一部である軒桁２に棟側から丁度当接するような位置に
設けられている。取付片１４２は屋根パネル１の枠組縦
芯材１１１の内側面１１１ａにねじ１６，１６，…など
により取り付けられている。

【００１５】母屋側ストッパー部１５は、屋根パネル１
の設置時に躯体上から屋根パネル１が滑落するのを防ぐ
屋根パネルストッパーであると共に、屋根パネル１を躯
体に取り付けるための止着部となっているものである。
母屋側ストッパー部１５は、例えば鉄製のもので、枠組
縦芯材１１１に対して略垂直に突出する母屋止着片１５
１の両端に取付片１５２，１５２が設けられて構成され
ている。母屋止着片１５１は躯体上の一部である母屋３
に棟側から丁度当接するような位置に設けられている。
取付片１５２は屋根パネル１の枠組縦芯材１１１の内側
面１１１ａにねじ１７，１７，…などにより取り付けら
れている。

【００１６】次に、上述のように構成された屋根パネル
１が躯体に取り付けられた構造に付いて説明する。図２
に示すように、母屋側ストッパー部１５の母屋止着片１
５１が母屋３に棟側から当接された状態で、該母屋止着
片１５１に設けられたボルト通し孔１５３および母屋３
のボルト通し孔３１（ボルト通し孔１５３に対応する個
所に設けられている）に通されたボルト５にナット５０
が螺合されている。また、軒桁側ストッパー部１４の軒
桁止着片１４１が軒桁２に棟側から当接された状態で、
該軒桁止着片１４１に設けられたねじ通し孔１４３より
壁パネル４（軒桁２の下側に立設され上端が軒桁２に取
り付けられている）の壁パネル芯材４１に達するように
ねじ６が螺入されている。このように、屋根パネル１は
軒桁２と母屋３の２個所で固定されている。

【００１７】上述のように構成された屋根パネル１は以
下のようにして躯体上に設置される。先ず、クレーンで
吊り上げた屋根パネル１を、軒桁側ストッパー部１４お
よび母屋側ストッパー部１５が夫々を軒桁２および母屋
３に当接するまで、棟側から軒側にスライドさせるよう
に躯体上に降ろす。この際、屋根パネル１の壁パネル４
からの出入りは適正になり、調節する必要がない。次
に、母屋側ストッパー部１５のボルト通し孔１５３およ
び母屋３のボルト通し孔３１に通したボルト５にナット
５０を螺合させて、母屋側ストッパー部１５を固定す
る。また、軒桁側ストッパー部１４のねじ通し孔１４３
よりねじ６などを螺入させて、軒桁側ストッパー部１４
を固定する。そうすれば、屋根パネル１の設置が終了す
ることになる。なお、軒桁側ストッパー部１４および／
または母屋側ストッパー部１５にクレーンの先端から垂
下するフックを係止させる貫通孔などの係止部が設けら
れており、軒桁側ストッパー部１４および／または母屋
側ストッパー部１５がフック係止具を兼ねていても良
い。

【００１８】上記実施例によれば、躯体上から屋根パネ
ル１の滑落を防ぐ軒桁側ストッパー部１４および母屋側
ストッパー部１５が屋根パネル１の下側に突出して設け
られているため、軒桁側ストッパー部１４および母屋側
ストッパー部１５が夫々軒桁２および母屋３に棟側から
当接することにより屋根パネル１の滑落が有効に防止さ
れ、滑落の危険性が回避される。

【００１９】また、軒桁側ストッパー部１４および母屋
側ストッパー部１５が止着部を兼ねており、屋根パネル
１をその下側で軒桁２および母屋３に止着することがで
きるため、屋根上での作業が減り作業者の転落の危険性
が減ると共に、瓦１３を傷つけることなく屋根パネル１
を取り付けることができる。

【００２０】なお、本明細書中、瓦とは屋根の上面に敷
設される仕上用の屋根葺材を指し、例えば彩色石綿屋根
葺材なども含まれる。

【００２１】また、上記実施例においては、屋根パネル
１の野地板１２の上には防水層を介して瓦１３が敷設さ
れているとしたが、これに限定されるものではなく、防
水層や瓦１３が設けられていなくても良いのは言うまで
もない。

【００２２】さらに、上記実施例においては、屋根パネ
ル１には軒桁側ストッパー部１４および母屋側ストッパ
ー部１５が設けられているとしたが、これに限定される
ものではなく、軒桁側ストッパー部１４または母屋側ス
トッパー部１５が夫々屋根パネル１の滑落防止および止
着の機能を有しているので何れか一方だけでも良い。

【００２３】さらにまた、上記実施例においては、軒桁
側ストッパー部１４の軒桁止着片１４１はねじ６により
壁パネル４の壁パネル芯材４１に固定されているとした
が、これに限定されるものではなく、軒桁止着片１４１
が固定されれば如何なる手段によっても良い。

【００２４】また、上記実施例においては、母屋側スト
ッパー部１５の母屋止着片１５１はボルト５およびナッ
ト５０により母屋３に固定されているとしたが、これに
限定されるものではなく、母屋止着片１５１が固定され
ればねじ止めなど如何なる手段によっても良い。

【００２５】さらに、上記実施例においては、軒桁側ス
トッパー部１４の取付片１４２および母屋側ストッパー
部１５の取付片１５２は屋根パネル１の枠組縦芯材１１
１の内側面１１１ａに取り付けられているとしたが、こ
れに限定されるものではなく、例えば屋根パネル１の枠
体１１に格子状に組まれた補強材など屋根パネル１の下
側であれば如何なる所に取り付けられていても良い。

【００２６】

【発明の効果】請求項１記載の屋根パネルによれば、滑
落防止用の屋根パネルストッパーが前記屋根パネルの下
側に突出して設けられているため、この屋根パネルを棟
側から軒側に向かって滑らせるように建物の屋根部分に
降ろせば、屋根パネルストッパーが躯体上の一部に棟側
から当接することになる。従って、屋根パネルの滑落が
有効に防止され、滑落の危険性が回避される。

【００２７】請求項２記載の屋根パネルによれば、屋根
パネルストッパーが前記屋根パネルを躯体に取り付ける
ための止着部を兼ねているため、この屋根パネルを用い
れば、屋根パネルをその下側で躯体に取り付けることが
でき屋根上での作業が減ると共に、屋根パネルの上面よ
り打ち込む屋根パネル取付金物や釘などが不要となる。
従って、作業者の転落の危険性が減ると共に、瓦を傷つ
けることなく瓦付屋根パネルを取り付けることができ工
業化をより一層図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例における屋根パネルを下側から見上げ
た斜視図である。

【図２】本実施例における屋根パネルが建物の屋根部分
に取り付けられた状態の要部側断面図である。

【図３】従来の屋根パネルが建物の屋根部分に取り付け
られた状態の要部側断面図である。

【符号の説明】

１ 屋根パネル ２ 軒桁（躯体上の一部） ３ 母屋（躯体上の一部） １４ 軒桁側ストッパー部（屋根パネルストッパー） １５ 母屋側ストッパー部（屋根パネルストッパー）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の躯体上に設置される屋根パネルで
   あって、前記躯体上の一部に棟側から当接される滑落防
   止用の屋根パネルストッパーが前記屋根パネルの下側に
   突出して設けられていることを特徴とする屋根パネル。
2. 【請求項２】 前記屋根パネルストッパーが前記屋根パ
   ネルを前記躯体に取り付けるための止着部を兼ねている
   ことを特徴とする請求項１記載の屋根パネル。