JPH0518582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は石油ストーブ・石油フアンヒーター
等の石油燃焼器具に用いるカートリツジ式給油タ
ンクに関するものである。

〈従来の技術〉 従来この種のカートリツジ式給油タンクは第６
図に示す如く、タンク本体Ａの一壁面に突出して
設けた注油口Ｂに螺子Ｃを形成し、一方注油口キ
ヤツプＤに給油装置Ｅを備えて注油口Ｂに着脱自
在に螺合させていた。その為コスト面に於いても
又構造面でも簡便で給油も取扱便利なものであつ
た。

〈考案が解決しようとする問題点〉 ところで、燃焼中に燃油が少なくなつてくると
タンク本体Ａに燃油を補給するが、この補給後第
６図のような螺子込式の方法の注油口キヤツプＤ
は注油口Ｂへの締付力が弱かつたり、又手が燃油
で滑り最後まで充分にできない時、しかもタンク
本体Ａは注油口キヤツプＤ側を上にして持ち運び
燃焼器具のタンク室に装着する際に注油口キヤツ
プＤ側を下方にする為、その勢いにより燃油が注
油口キヤツプＤと注油口Ｂの隙間から漏れ出し燃
焼器具本体の残火又は高熱によつて引火し火災に
至る事故が非常に多い。

その為JIS規格では、注油口Ｂの開口径を20〜
30mmとし、又螺子Ｃも注油口キヤツプＤの一回転
以上で完全に結合すること、と規定し安全性を義
務付けている。

しかし残念乍ら、上記の如く注油口キヤツプＤ
の締付方が充分でない事による火災は減少してお
らずむしろ増大気味なのが現状で有る。

その為に従来からも安全性については種々提案
が成されており、例えば注油口キヤツプＤに穴を
設け、この穴は通常時は内側より弁又は板部材で
弾設して開口しておき、タンク本体Ａに給油する
時この穴に給油ホースの先端を挿入する方法であ
るが、タンク本体Ａは比較的小さく且つ縦長状で
ある為に安定性に欠け、従つてタンク本体Ａと給
油ホースの先端の両方を手で支えてやらなければ
ならず、給油が面倒で且つ結果的にタンク本体Ａ
を倒したり或いは手を燃油で汚したりすることに
なり現実的でない。

又手が燃油で滑らないとの事でタンク本体Ａの
注油口Ｂ側の壁面と反対側の壁面（吊手を備えて
いる側）に給油用の口と且つ給油栓を設けること
も考えられる。

この場合給油用の口と給油栓の密閉度が問題と
なり、これ又締付力が弱かつたり、あるいはパツ
キン材が劣化するとタンク本体Ａ内のすべての燃
油が溢れ出し、燃焼中の燃焼器具自体から引火し
火災に至るものでカートリツジタンクの最も利点
である所の燃油の自動補給機能が失われてしまい
非常に危険な方法でもある。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案は上記欠点に対する安全性を向上する
べく考案されたもので、その構成を油受皿上に倒
立させて載置し燃油を供給するタンク本体の注油
口に軸を支点として注油口キヤツプを起伏自在に
密接させると共に、前記軸を支持する基部側の支
持部とタンク本体側の支持部のいずれか一方の内
径を他の内径より大径とした事を特徴とするカー
トリツジ式給油タンクに関するものである。

〈作用〉 第５図に示す如く、タンク本体１の燃油自体の
自重が負荷されて基部６は油受皿２５との間で押
し付けられる。

従つて各支持部１５，１６のいずれか一方の内
径は他より大径としているので、この大径の分だ
け軸１４が移動され、この移動した分注油口３が
パツキン１３に圧着させられ密閉性をより確実に
することができ、よつて燃油漏れを防止する。

〈実施例〉 １は縦長状で周知の石油ストーブや石油フアン
ヒーター等の石油燃焼器具２に用いるカートリツ
ジ式のタンク本体で、一壁面に注油口３を突出開
口している。

前記注油口３を設けた側の壁面に板状の固定板
４を固定している。

５は基部６のほぼ中央より突設した逆凹状の注
油口キヤツプで、該注油口キヤツプ５の外径は注
油口３の外径より大と成し、且つその高さは注油
口３より低くしている。

７は燃油を自動的に供給する給油装置で注油口
キヤツプ５にカシメられて取り付けられ、開閉弁
８と心棒９と該開閉弁８を常に弾設するスプリン
グ１０と連通口１１を有した弁ケース１２とから
構成されている。

前記給油装置７はこの実施例では注油口キヤツ
プ５に取り付けたが注油口３側の開口部に取り付
けても良いことはもちろんである。

１３は注油口キヤツプ５の内面底部に取り付け
られた耐油性で反発係数の大きいパツキンで、注
油口３の先端と燃油が漏洩しないように密接させ
る。

又前記パツキン１３はこの実施例では注油口キ
ヤツプ５に取り付けたが、注油口３の先端に嵌合
しても良い事はもちろんである。

前記基部６はその周縁を下方に屈曲させると共
に、一方は軸１４を支持するカーリング状の支持
部１５を設け、対応する固定板４の端部にも軸１
４を支持するカーリング状の支持部１６を設け、
更に各支持部１５，１６のいずれか一方の内径は
他の内径より大径として遊びをもたせている。

又前記軸１４には基部６をタンク本体１の反対
方向に持ち上げるように作用する弾性部材１７が
設けられ、基部６全体が軸１４を中心にして注油
口キヤツプ５が注油口３を覆い、パツキン１３に
密接するよう起伏自在に成す。

又これと反対側の基部６他方は引張ボタン１８
と係止ロツト１９と該係止ロツト１９を常に内側
方向に弾設するスプリング２０とから成る係止手
段２１を設け、該係止手段２１と対応する固定板
４上にフツク状の係部２２を軸着させ、且つスプ
リング２３とから成る止部２４を設け、前記係止
手段２１と着脱自在に係止させる。

２５は石油燃焼器具２の一側方に設けたタンク
室２６下方に位置した油受皿で、そのほぼ中央よ
り押上ピン２７を立設し、タンク本体１を倒立し
て載置させ、燃焼に必要な燃油を供給し燃焼筒２
８で燃焼させる。

次にタンク本体１に燃油を補給する際には、第
１図の状態から第２図の如く係止手段２１を止部
２４と離別すると、弾性部材１７の反発作用で基
部６が軸１４を支点として起立させられ、注油口
キヤツプ５は注油口３を開口し、この時給油手段
で注油口３へ燃油を補給すれば良い。

燃油の補給が終えたら基部６を下方側に弾性部
材１７の反発力に抗して回動させ、やや強く押す
ことにより係止ロツト１９が係部２２を押圧し、
該係部２２はスプリング２３に抗して後方にやや
回動し、この状態で係部２２に係止ロツト１９が
係止され、これと同時に注油口３と注油口キヤツ
プ５はパツキン１３を介して確実に密接され燃油
漏れはない。

この状態でタンク本体１を逆にしてタンク室２
６の油受皿２５上に載置すればよい。

この時第５図に示す如く、タンク本体１内の燃
油自体の自重が負荷されて基部６は油受皿２５と
の間で押し付けられる。

従つて各支持部１５，１６のいずれか一方の内
径は他より大径としているので、この大径の分だ
け軸１４が移動され、この移動した分注油口３が
パツキン１３に圧着させられ密閉性をより確実に
することができ、よつて燃油漏れを防止する。

もちろんタンク本体１内の燃油が減少してくれ
ば、軸１４は序々に元の位置に復帰させられ、又
燃油量が少なければパツキン１３自体の反発力で
充分密接させられる。

又係止手段２１と止部２４との寸法的誤差を生
じても、上記と同様各支持部１５，１６で吸収さ
せられ燃油漏れを確実に防止できる。

〈考案の効果〉 以上の如くこの考案は、油受皿上に倒立させて
載置し燃油を供給するタンク本体の注油口に軸を
支点として注油口キヤツプを起伏自在に密接させ
ると共に、前記軸を支持する基部側の支持部とタ
ンク本体側の支持部のいずれか一方の内径を他の
内径より大径としたものであるから、手を燃油で
汚すことなく注油口キヤツプの開閉ができ、又螺
子込式の締付力加減や滑りによる燃油漏れ防止は
もちろんの事、簡単な構成で注油口とパツキンと
の密接性をより向上させられ、従つてタンク本体
自体の自重や係止手段等の寸法的誤差による燃油
漏れも確実に防止され、安全性をより向上させら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の閉蓋状態の斜面
図。第２図は同開蓋状態の斜面図。第３図は同各
支持部と軸との関係を示した斜面図、第４図は同
一部切欠いた石油燃焼器具の正面図、第５図は同
第４図の要部拡大断面図、第６図は従来のタンク
本体の要部斜面図。 １……タンク本体、３……注油口、５……注油
口キヤツプ、６……基部、１４……軸、１５，１
６……支持部、２５……油受皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油受皿２５上に倒立させて載置し燃油を供給す
   るタンク本体１の注油口３に軸１４を支点として
   注油口キヤツプ５を起伏自在に密接させると共
   に、前記軸１４を支持する基部６側の支持部１５
   とタンク本体１側の支持部１６のいずれか一方の
   内径を他の内径より大径とした事を特徴とするカ
   ートリツジ式給油タンク。