JPH05185287A - フラックス含有Al合金ろう材 - Google Patents
フラックス含有Al合金ろう材Info
- Publication number
- JPH05185287A JPH05185287A JP4005031A JP503192A JPH05185287A JP H05185287 A JPH05185287 A JP H05185287A JP 4005031 A JP4005031 A JP 4005031A JP 503192 A JP503192 A JP 503192A JP H05185287 A JPH05185287 A JP H05185287A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flux
- brazing
- content
- fluoride
- filler metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Nonmetallic Welding Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】アルミニウムまたはその合金材のフラックスろ
う付において、フラックス塗布量のバラツキや塗布量が
多い場合のフラックスの垂れを防止するとともに、バイ
ンダーによるろう付不良の発生を防止すること、さらに
ろう付け品の耐食性を向上することを目的とし、そのた
めのフラックス含有ろう材を提供する。 【構成】ろう材は、所定量のSiとフッ化物系フラック
スを含み、さらに犠牲陽極効果を付与するためのZn、
Sn、Inの1種又は2種以上を含み、残部アルミニウ
ム及び不可避不純物からなる。フッ化物系フラックスを
除く元素の合計とフッ化物系フラックスとが重量比で9
9.9:0.1〜70:30の割合で配合され、かつ密
度が理論値の90%以上である。
う付において、フラックス塗布量のバラツキや塗布量が
多い場合のフラックスの垂れを防止するとともに、バイ
ンダーによるろう付不良の発生を防止すること、さらに
ろう付け品の耐食性を向上することを目的とし、そのた
めのフラックス含有ろう材を提供する。 【構成】ろう材は、所定量のSiとフッ化物系フラック
スを含み、さらに犠牲陽極効果を付与するためのZn、
Sn、Inの1種又は2種以上を含み、残部アルミニウ
ム及び不可避不純物からなる。フッ化物系フラックスを
除く元素の合計とフッ化物系フラックスとが重量比で9
9.9:0.1〜70:30の割合で配合され、かつ密
度が理論値の90%以上である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウムまたは
その合金材のフラックスろう付に用いられるAl合金ろ
う材、特にフラックスを含有した新規なAl合金ろう材
に関する。
その合金材のフラックスろう付に用いられるAl合金ろ
う材、特にフラックスを含有した新規なAl合金ろう材
に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】従来、アルミニウムまたはそ
の合金材のフラックスろう付は、接合部にろう材を供給
するとともにフラックスを懸濁液の塗布等により付着せ
しめ、この状態で加熱することにより行われていた。
の合金材のフラックスろう付は、接合部にろう材を供給
するとともにフラックスを懸濁液の塗布等により付着せ
しめ、この状態で加熱することにより行われていた。
【0003】しかしながら、かかる従来のフラックスろ
う付けでは、ろう材とフラックスとを接合部に別々に供
給しなければならないため、作業が面倒であった。しか
も、塗布したフラックス量にバラツキを生じるうえ、塗
布量が多い場合にはろう付中にフラックスの垂れを生じ
てろう付炉を汚染する等の問題があった。
う付けでは、ろう材とフラックスとを接合部に別々に供
給しなければならないため、作業が面倒であった。しか
も、塗布したフラックス量にバラツキを生じるうえ、塗
布量が多い場合にはろう付中にフラックスの垂れを生じ
てろう付炉を汚染する等の問題があった。
【0004】一方また、フラックスとろう材の接合部へ
の別供給をなくすため、ろう材を構成するAl−Si粉
末とフラックス粉末とをアクリル等のバインダーに混入
して液状とし、これを接合部材に塗布することで作業の
簡素化を図ることも行われている。
の別供給をなくすため、ろう材を構成するAl−Si粉
末とフラックス粉末とをアクリル等のバインダーに混入
して液状とし、これを接合部材に塗布することで作業の
簡素化を図ることも行われている。
【0005】しかし、この場合にはバインダーによりろ
う付性が低下する危険があった。
う付性が低下する危険があった。
【0006】この発明は係る技術的背景に鑑みてなされ
たものであって、アルミニウムまたはその合金材のフラ
ックスろう付において、フラックス塗布量のバラツキや
塗布量が多い場合のフラックスの垂れを防止するととも
に、バインダーを用いた場合のろう付不良の発生を防止
することを目的とし、さらに併せてろう付品の耐食性を
向上することをも目的とし、そのためのフラックス含有
Al合金ろう材を提供するものである。
たものであって、アルミニウムまたはその合金材のフラ
ックスろう付において、フラックス塗布量のバラツキや
塗布量が多い場合のフラックスの垂れを防止するととも
に、バインダーを用いた場合のろう付不良の発生を防止
することを目的とし、さらに併せてろう付品の耐食性を
向上することをも目的とし、そのためのフラックス含有
Al合金ろう材を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、Siとフッ化物系フラックスを含み、
さらにZn、Sn、Inの1種又は2種以上を含み、残
部アルミニウム及び不可避不純物からなり、フッ化物系
フラックスを除く元素の合計含有量に対してSi含有量
が3〜15wt%、Zn含有量が0.1〜5wt%、Sn含
有量が0.01〜0.5wt%、In含有量が0.01〜
0.5wt%であり、かつフラックスを除く元素の合計と
フッ化物系フラックスとが重量比で99.9:0.1〜
70:30の割合で配合され、かつ密度が理論値の90
%以上であることを特徴とするフラックス含有Al合金
ろう材を要旨とするものである。
に、この発明は、Siとフッ化物系フラックスを含み、
さらにZn、Sn、Inの1種又は2種以上を含み、残
部アルミニウム及び不可避不純物からなり、フッ化物系
フラックスを除く元素の合計含有量に対してSi含有量
が3〜15wt%、Zn含有量が0.1〜5wt%、Sn含
有量が0.01〜0.5wt%、In含有量が0.01〜
0.5wt%であり、かつフラックスを除く元素の合計と
フッ化物系フラックスとが重量比で99.9:0.1〜
70:30の割合で配合され、かつ密度が理論値の90
%以上であることを特徴とするフラックス含有Al合金
ろう材を要旨とするものである。
【0008】上記において、AlとSiとは、アルミニ
ウムまたはその合金接合用のろう材として機能するもの
であるが、フッ化物系フラックスを除く元素の合計含有
量に対してSi含有量が3wt%未満の場合、あるいは1
5wt%を越える場合には液相線温度が高くなりろう付が
困難となる。従って、Si含有量はフラックスを除く元
素の合計値に対して3〜15wt%の範囲に規定されなけ
ればならない。特に好ましいSiの含有量は6〜12wt
%である。
ウムまたはその合金接合用のろう材として機能するもの
であるが、フッ化物系フラックスを除く元素の合計含有
量に対してSi含有量が3wt%未満の場合、あるいは1
5wt%を越える場合には液相線温度が高くなりろう付が
困難となる。従って、Si含有量はフラックスを除く元
素の合計値に対して3〜15wt%の範囲に規定されなけ
ればならない。特に好ましいSiの含有量は6〜12wt
%である。
【0009】Zn、Sn、Inはろう材の電位を卑とし
てその犠牲陽極効果によりアルミニウムろう付品の耐食
性を向上させる役割を果たす。かかる効果の点でZn、
Sn、Inは共に均等物として評価されるものであり、
少なくともそのうちの1種が含有されれば足りる。而し
て、フッ化物系フラックスを除く元素の合計含有量に対
して、Zn含有量が0.1wt%未満、Sn含有量が0.
01wt%未満、In含有量が0.01wt%未満では上記
効果に乏しい。一方、Zn含有量が5wt%を越え、Sn
含有量が0.5wt%を越え、In含有量が0.5wt%を
越えても犠牲陽極効果が飽和する。従って、フラックス
を除く元素の合計含有量に対して、Zn含有量が0.1
〜5wt%、Sn含有量が0.01〜0.5wt%、In含
有量が0.01〜0.5wt%に規定されなければならな
い。特に好ましい含有量は、Zn:0.5〜2.0wt
%、Sn:0.05〜0.3wt%、In:0.03〜
0.1wt%である。
てその犠牲陽極効果によりアルミニウムろう付品の耐食
性を向上させる役割を果たす。かかる効果の点でZn、
Sn、Inは共に均等物として評価されるものであり、
少なくともそのうちの1種が含有されれば足りる。而し
て、フッ化物系フラックスを除く元素の合計含有量に対
して、Zn含有量が0.1wt%未満、Sn含有量が0.
01wt%未満、In含有量が0.01wt%未満では上記
効果に乏しい。一方、Zn含有量が5wt%を越え、Sn
含有量が0.5wt%を越え、In含有量が0.5wt%を
越えても犠牲陽極効果が飽和する。従って、フラックス
を除く元素の合計含有量に対して、Zn含有量が0.1
〜5wt%、Sn含有量が0.01〜0.5wt%、In含
有量が0.01〜0.5wt%に規定されなければならな
い。特に好ましい含有量は、Zn:0.5〜2.0wt
%、Sn:0.05〜0.3wt%、In:0.03〜
0.1wt%である。
【0010】また、上記各元素のほかにろう材の強度向
上のためにCuを含有せしめても良い。Cuの含有量は
フラックスを除く元素の合計値に対して0.05〜5wt
%とするのが良い。
上のためにCuを含有せしめても良い。Cuの含有量は
フラックスを除く元素の合計値に対して0.05〜5wt
%とするのが良い。
【0011】前記フッ化物系フラックスの種類は特に限
定されるものではなく、例えばフッ化カリウム(KF)
とフッ化アルミニウム(AlF3 )とを45.8〜5
4.2の共晶組成ないしはそれに近い組成範囲に含んで
実質的に錯体化された錯体混合物、KAlF4 、K2 A
lF5 、K3 AlF6 等の錯体化物を用いれば良い。
定されるものではなく、例えばフッ化カリウム(KF)
とフッ化アルミニウム(AlF3 )とを45.8〜5
4.2の共晶組成ないしはそれに近い組成範囲に含んで
実質的に錯体化された錯体混合物、KAlF4 、K2 A
lF5 、K3 AlF6 等の錯体化物を用いれば良い。
【0012】ろう材中のフラックスの配合比率は、フラ
ックスを除く元素即ちAlとSiとさらにZn、Sn、
Inの1種又は2種以上の合計に対して、これとフッ化
物系フラックスとが重量比で99.9:0.1〜70:
30となるように設定されなければならない。フラック
ス量が重量比で99.9:0.1よりも少なくなると、
十分なフラックス作用を発揮できずろう付が困難となる
からである。一方、70:30を越えてフラックス量が
多くなると、フラックスとAl、Si等とを配合しての
固形化が困難となり、フラックス含有ろう材そのものの
製造が困難となる。フッ化物系フラックスを除く元素の
合計とフラックスとの好ましい配合比率は、重量比で9
9.9:0.1〜85:15であり、特に好ましくは重
量比で98:2〜90:10である。
ックスを除く元素即ちAlとSiとさらにZn、Sn、
Inの1種又は2種以上の合計に対して、これとフッ化
物系フラックスとが重量比で99.9:0.1〜70:
30となるように設定されなければならない。フラック
ス量が重量比で99.9:0.1よりも少なくなると、
十分なフラックス作用を発揮できずろう付が困難となる
からである。一方、70:30を越えてフラックス量が
多くなると、フラックスとAl、Si等とを配合しての
固形化が困難となり、フラックス含有ろう材そのものの
製造が困難となる。フッ化物系フラックスを除く元素の
合計とフラックスとの好ましい配合比率は、重量比で9
9.9:0.1〜85:15であり、特に好ましくは重
量比で98:2〜90:10である。
【0013】この発明に係るフラックス含有Al合金ろ
う材は、一般には、Al粉末とSi粉末とさらにZn、
Zn、In各粉末の1種以上とフラックス粉末とを混合
し、熱間プレス等により圧粉固化して製作されるが、内
部空気の残留によりフラックス含有ろう材の密度は、A
l、Si、Zn、Zn、In、フラックス単体のそれぞ
れの密度から計算される理論値よりも一般には小さくな
る。而してこの発明では、ろう材の密度が理論値に対し
て90%以上でなければならない。ろう材の密度が理論
値の90%未満では、Al、Si等とフラックスとが固
化しているものの内部までポアが連通して脆いものとな
っている危険が有り、その後の二次加工も困難で実際上
ろう材としての機能にも劣るものとなる。特に好ましく
は、ろう材の密度はこれを理論値の95%以上とするの
が良い。
う材は、一般には、Al粉末とSi粉末とさらにZn、
Zn、In各粉末の1種以上とフラックス粉末とを混合
し、熱間プレス等により圧粉固化して製作されるが、内
部空気の残留によりフラックス含有ろう材の密度は、A
l、Si、Zn、Zn、In、フラックス単体のそれぞ
れの密度から計算される理論値よりも一般には小さくな
る。而してこの発明では、ろう材の密度が理論値に対し
て90%以上でなければならない。ろう材の密度が理論
値の90%未満では、Al、Si等とフラックスとが固
化しているものの内部までポアが連通して脆いものとな
っている危険が有り、その後の二次加工も困難で実際上
ろう材としての機能にも劣るものとなる。特に好ましく
は、ろう材の密度はこれを理論値の95%以上とするの
が良い。
【0014】この発明に係るフラックス含有ろう材の好
ましい具体的な製法を述べると次のとおりである。即
ち、まず出発材料としてAl粉末とSi粉末とZn、S
n、Inの1種又は2種以上の粉末とフラックス粉末を
用意する。これら粉末は、その均一混合を図るべくAl
粉末は平均粒径44μm以下に、Si粉末は平均粒径5
μm以下に、Zn、Sn、In粉末は平均粒径44μm
以下に、フラックス粉末は平均粒径30μm以下にそれ
ぞれ微粉砕しておくのが好ましい。なお、出発材料とし
て必ずしもAl、Si、Zn、Sn、Inを単体で用い
なければならないものではなく、Al−Si合金の粉
末、あるいはさらにZn等を含んだ合金の形で用いても
良い。
ましい具体的な製法を述べると次のとおりである。即
ち、まず出発材料としてAl粉末とSi粉末とZn、S
n、Inの1種又は2種以上の粉末とフラックス粉末を
用意する。これら粉末は、その均一混合を図るべくAl
粉末は平均粒径44μm以下に、Si粉末は平均粒径5
μm以下に、Zn、Sn、In粉末は平均粒径44μm
以下に、フラックス粉末は平均粒径30μm以下にそれ
ぞれ微粉砕しておくのが好ましい。なお、出発材料とし
て必ずしもAl、Si、Zn、Sn、Inを単体で用い
なければならないものではなく、Al−Si合金の粉
末、あるいはさらにZn等を含んだ合金の形で用いても
良い。
【0015】次に、上記各粉末を、前述した所定の配合
比率になるように混合した後、Al缶等の容器に充填し
たのち、容器内を1mmHg以下に脱ガスし、次いで熱
間プレス等により加熱圧粉する。
比率になるように混合した後、Al缶等の容器に充填し
たのち、容器内を1mmHg以下に脱ガスし、次いで熱
間プレス等により加熱圧粉する。
【0016】次に、得られた熱圧成形体の外側の缶体を
切削除去した後、成形体に押出等の二次加工を施して所
期するろう材を得る。
切削除去した後、成形体に押出等の二次加工を施して所
期するろう材を得る。
【0017】
【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。
【0018】純度99.5%のアルミニウム粉末(平均
粒径44μm)、Si粉末(平均粒径5μm)、Zn粉
末(平均粒径44μm)、Sn粉末(平均粒径40μ
m)、In粉末(平均粒径40μm)、フッ化物系フラ
ックス粉末(平均粒径30μm)を用意した。なお、フ
ラックスとしてはKFとAlF3 の共晶組成物を用い
た。 次に、上記の各粉末を、後掲の表1に示すような
各比率となるように混合比率を変えて室温で均一に混合
した後、各混合物を直径3インチ×長さ200mmのA
l缶にそれぞれ大気中にて充填した。
粒径44μm)、Si粉末(平均粒径5μm)、Zn粉
末(平均粒径44μm)、Sn粉末(平均粒径40μ
m)、In粉末(平均粒径40μm)、フッ化物系フラ
ックス粉末(平均粒径30μm)を用意した。なお、フ
ラックスとしてはKFとAlF3 の共晶組成物を用い
た。 次に、上記の各粉末を、後掲の表1に示すような
各比率となるように混合比率を変えて室温で均一に混合
した後、各混合物を直径3インチ×長さ200mmのA
l缶にそれぞれ大気中にて充填した。
【0019】次に、上気各Al缶を500℃の炉中に配
置してAl缶内を1mmHg以下に真空脱ガスした。
置してAl缶内を1mmHg以下に真空脱ガスした。
【0020】その後、上記Al缶を480℃に加熱した
のち、熱間プレスを用いて最大圧力400トンにて熱圧
成形したところ、成形体の長さは110mmとなった。
のち、熱間プレスを用いて最大圧力400トンにて熱圧
成形したところ、成形体の長さは110mmとなった。
【0021】その後、成形体の外側に付着しているAl
缶体を切削で除去した後、熱間押出機により温度500
℃の温度で厚さ3mm×幅30mmの平板に押出した。
そのときの押出成形の可否を表1に示す。
缶体を切削で除去した後、熱間押出機により温度500
℃の温度で厚さ3mm×幅30mmの平板に押出した。
そのときの押出成形の可否を表1に示す。
【0022】上記により押出が可能であった平板状フラ
ックス含有ろう材については、その密度を求め、出発材
料を基に計算された理論密度と比較した。その結果を表
1に示す。
ックス含有ろう材については、その密度を求め、出発材
料を基に計算された理論密度と比較した。その結果を表
1に示す。
【0023】
【表1】 続いて、上記ろう材を長さ10mm×幅10mm×厚さ
3mmに切り出した。そしてこれら切出し片を、長さ1
00mm×幅50mm×厚さ2mmのA3003Al合
金板上に配置し、N2 雰囲気中及び大気中の両方にて6
00〜620℃×10分加熱してろう付を行い、ろう付
性を評価した。その結果を表2に示す。また、No2、
4、5、7、10に示す各ろう付品につき、JISZ2
371に準じる塩水噴霧を1000時間施した場合の相
手材の腐食状態を調べたところ、表2に示すとおりであ
った。
3mmに切り出した。そしてこれら切出し片を、長さ1
00mm×幅50mm×厚さ2mmのA3003Al合
金板上に配置し、N2 雰囲気中及び大気中の両方にて6
00〜620℃×10分加熱してろう付を行い、ろう付
性を評価した。その結果を表2に示す。また、No2、
4、5、7、10に示す各ろう付品につき、JISZ2
371に準じる塩水噴霧を1000時間施した場合の相
手材の腐食状態を調べたところ、表2に示すとおりであ
った。
【0024】
【表2】 表2の結果から、この発明に係るフラックス含有Al合
金ろう材によれば、フラックスを別途塗布しなくても優
れたろう付性を発揮しえ、しかもろう付品の耐食性を向
上しうることを確認し得た。
金ろう材によれば、フラックスを別途塗布しなくても優
れたろう付性を発揮しえ、しかもろう付品の耐食性を向
上しうることを確認し得た。
【0025】
【作用】ろう付時には、ろう付内部に配合されたフラッ
クスにより接合部の表面酸化膜が除去され、ろう材が濡
れ拡がって、フラックスを別途塗布した場合と同様に良
好かつ強固なろう付接合が達成される。従って、フラッ
クスを別途塗布する必要はもはやなくなる。加えて、ろ
う材に添加されたZn、Sn、Inの1種又は2種以上
の犠牲陰極効果により、ろう付品の耐食性が向上され
る。
クスにより接合部の表面酸化膜が除去され、ろう材が濡
れ拡がって、フラックスを別途塗布した場合と同様に良
好かつ強固なろう付接合が達成される。従って、フラッ
クスを別途塗布する必要はもはやなくなる。加えて、ろ
う材に添加されたZn、Sn、Inの1種又は2種以上
の犠牲陰極効果により、ろう付品の耐食性が向上され
る。
【0026】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、Siとフッ化
物系フラックスを含み、さらにZn、Sn、Inの1種
又は2種以上を含み、残部アルミニウム及び不可避不純
物からなり、フッ化物系フラックスを除く元素の合計含
有量に対してSi含有量が3〜15wt%、Zn含有量が
0.1〜5wt%、Sn含有量が0.01〜0.5wt%、
In含有量が0.01〜0.5wt%であり、かつフラッ
クスを除く元素の合計とフッ化物系フラックスとが重量
比で99.9:0.1〜70:30の割合で配合され、
かつ密度が理論値の90%以上であることを特徴とする
ものであるから、このろう材のみを接合部に供給するだ
けで良好なろう付を行うことができ、フラックスを別途
供給する必要はなくなる。このため、フラックスの塗布
工程を不要となしえ、接合作業効率を向上しえ、ひいて
はアルミニウムろう付品の生産性を向上し得る。
物系フラックスを含み、さらにZn、Sn、Inの1種
又は2種以上を含み、残部アルミニウム及び不可避不純
物からなり、フッ化物系フラックスを除く元素の合計含
有量に対してSi含有量が3〜15wt%、Zn含有量が
0.1〜5wt%、Sn含有量が0.01〜0.5wt%、
In含有量が0.01〜0.5wt%であり、かつフラッ
クスを除く元素の合計とフッ化物系フラックスとが重量
比で99.9:0.1〜70:30の割合で配合され、
かつ密度が理論値の90%以上であることを特徴とする
ものであるから、このろう材のみを接合部に供給するだ
けで良好なろう付を行うことができ、フラックスを別途
供給する必要はなくなる。このため、フラックスの塗布
工程を不要となしえ、接合作業効率を向上しえ、ひいて
はアルミニウムろう付品の生産性を向上し得る。
【0027】しかも、ろう材中に配合されたフラックス
量は一定範囲内に規定されているから、フラックスを塗
布する場合のようなフラックス量のバラツキが生じる恐
れはなく、確実にフラックス作用を発揮させることがで
きるとともに、フラックス塗布量が多すぎてろう付炉内
が汚染される等の不都合を解消し得る。
量は一定範囲内に規定されているから、フラックスを塗
布する場合のようなフラックス量のバラツキが生じる恐
れはなく、確実にフラックス作用を発揮させることがで
きるとともに、フラックス塗布量が多すぎてろう付炉内
が汚染される等の不都合を解消し得る。
【0028】しかもまた、不活性ガス雰囲気中はもとよ
り、大気中においても良好なろう付を行うことができ、
ろう付設備も簡易となし得る。
り、大気中においても良好なろう付を行うことができ、
ろう付設備も簡易となし得る。
【0029】また、ろう材には所定量のZn、Sn、I
nの1種又は2種以上が添加されているから、その犠牲
陽極効果によりアルミニウムろう付品の耐食性を向上す
ることができる。
nの1種又は2種以上が添加されているから、その犠牲
陽極効果によりアルミニウムろう付品の耐食性を向上す
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 Siとフッ化物系フラックスを含み、さ
らにZn、Sn、Inの1種又は2種以上を含み、残部
アルミニウム及び不可避不純物からなり、フッ化物系フ
ラックスを除く元素の合計含有量に対してSi含有量が
3〜15wt%、Zn含有量が0.1〜5wt%、Sn含有
量が0.01〜0.5wt%、In含有量が0.01〜
0.5wt%であり、かつフラックスを除く元素の合計と
フッ化物系フラックスとが重量比で99.9:0.1〜
70:30の割合で配合され、かつ密度が理論値の90
%以上であることを特徴とするフラックス含有Al合金
ろう材。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4005031A JPH05185287A (ja) | 1991-12-27 | 1992-01-14 | フラックス含有Al合金ろう材 |
US07/994,556 US5330090A (en) | 1991-12-27 | 1992-12-21 | Brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux |
ES92311729T ES2108734T3 (es) | 1991-12-27 | 1992-12-22 | Agente de soldadura y hoja de soldadura comprendiendo ambos una aleacion de aluminio y un fundente. |
AT92311729T ATE158972T1 (de) | 1991-12-27 | 1992-12-22 | Hartlotmittel und hartlotfolie bestehend aus einer ein flussmittel enthaltender aluminiumlegierung |
EP92311729A EP0552567B1 (en) | 1991-12-27 | 1992-12-22 | A brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux |
DE69222624T DE69222624T2 (de) | 1991-12-27 | 1992-12-22 | Hartlotmittel und Hartlotfolie bestehend aus einer ein Flussmittel enthaltender Aluminiumlegierung |
AU32198/93A AU650194B1 (en) | 1991-12-27 | 1993-02-03 | A brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux |
CA002088707A CA2088707C (en) | 1991-12-27 | 1993-02-03 | Brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux |
TW82101554A TW209187B (ja) | 1991-12-27 | 1993-03-03 | |
US08/276,544 US5547517A (en) | 1991-12-27 | 1994-07-18 | Brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3347010A JP2504657B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | フラックス含有Alブレ―ジングシ―ト及びその製造方法 |
JP4005031A JPH05185287A (ja) | 1991-12-27 | 1992-01-14 | フラックス含有Al合金ろう材 |
AU32198/93A AU650194B1 (en) | 1991-12-27 | 1993-02-03 | A brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux |
CA002088707A CA2088707C (en) | 1991-12-27 | 1993-02-03 | Brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux |
US08/276,544 US5547517A (en) | 1991-12-27 | 1994-07-18 | Brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05185287A true JPH05185287A (ja) | 1993-07-27 |
Family
ID=27506776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4005031A Pending JPH05185287A (ja) | 1991-12-27 | 1992-01-14 | フラックス含有Al合金ろう材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05185287A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0890286A (ja) * | 1994-07-22 | 1996-04-09 | Showa Alum Corp | フラックス含有Al合金ろう材の製造方法 |
JPH08108293A (ja) * | 1994-10-11 | 1996-04-30 | Showa Alum Corp | フラックス含有Al合金ろう材およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-01-14 JP JP4005031A patent/JPH05185287A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0890286A (ja) * | 1994-07-22 | 1996-04-09 | Showa Alum Corp | フラックス含有Al合金ろう材の製造方法 |
JPH08108293A (ja) * | 1994-10-11 | 1996-04-30 | Showa Alum Corp | フラックス含有Al合金ろう材およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0552567B1 (en) | A brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux | |
US5547517A (en) | Brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux | |
US4301211A (en) | Brazing rod comprising an alloy core coated with a layer of elastomer containing a flux | |
JP2714361B2 (ja) | フラックス含有Al合金ろう材の製造方法 | |
JPH06344179A (ja) | フラックス含有Al合金ろう材 | |
JP2504657B2 (ja) | フラックス含有Alブレ―ジングシ―ト及びその製造方法 | |
JP3636823B2 (ja) | フラックス含有アルミニウムろう材およびその製造方法、アルミニウム材のろう付方法、ならびにアルミニウムろう付品 | |
JPH05185287A (ja) | フラックス含有Al合金ろう材 | |
JPH05177386A (ja) | フラックス含有Al合金ろう材 | |
JPH06339790A (ja) | フラックス含有Al合金ろう材およびフラックス含有Alブレージングシートの製造方法 | |
JPH071177A (ja) | フラックス含有Al合金ろう材 | |
JP2714358B2 (ja) | フラックス含有Al合金ろう材およびその製造方法 | |
JP2755917B2 (ja) | フラックス含有Al合金ろう材の製造方法 | |
JPH05185276A (ja) | フラックス含有Alブレージングシート | |
KR100308727B1 (ko) | 플럭스함유알루미늄합금납재및플럭스함유알루미늄브레이징시이트 | |
JP2504686B2 (ja) | ト―チろう付用フラックス含有Al合金ろう材 | |
JP2755875B2 (ja) | フラックス含有Alろう材の製造方法 | |
JP2504684B2 (ja) | フラックス含有アルミニウム合金ろう材 | |
JPH07155990A (ja) | フラックス含有Al合金ろう材の製造方法 | |
JPH06304784A (ja) | フラックス含有Al合金ろう材の製造方法 | |
JPH05208294A (ja) | 外面にフラックス含有ろう材層を有するAl押出材 | |
JPH06344177A (ja) | 低温ろう付用フラックス含有ろう材 | |
JPH06304778A (ja) | 異種金属ろう付用フラックス含有Al合金ろう材 | |
JPH0691393A (ja) | フラックス含有Al合金ろう材 | |
JPH067927A (ja) | フラックス入りろう材を用いたMg含有アルミニウム合金材のろう付方法 |