JPH08108293A - フラックス含有Al合金ろう材およびその製造方法 - Google Patents

フラックス含有Al合金ろう材およびその製造方法

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JPH08108293A
JPH08108293A JP6245185A JP24518594A JPH08108293A JP H08108293 A JPH08108293 A JP H08108293A JP 6245185 A JP6245185 A JP 6245185A JP 24518594 A JP24518594 A JP 24518594A JP H08108293 A JPH08108293 A JP H08108293A
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康弘 納
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昭一 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろう付性および耐食性に優れ、あるいは低融
点のフラックス含有Al合金ろう材、および該ろう材を
低コストで製造する方法を目的とする。 【構成】 ろう材成分およびフラックス成分を含有する
フラックス含有Al合金ろう材であって、前記ろう材成
分は、Siを含有し、さらにBi,Be,Sr,Mg,Li,Sb,Ba,In,Z
n,Cu のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAl
および不可避不純物からなり、かつ該ろう材成分中のSi
含有量が3〜15wt%,Bi,Be,Sr,Mg,Li,Sb,Baの合計の含有
量が0.01〜0.5wt%, In含有量が0.01〜0.5wt%, Zn含有量
が0.1 〜20wt%,Cu含有量が5〜10wt% となされていると
ともに、前記ろう材成分とフラックス成分との重量比が
99.9:0.1 〜70:30 となされていることを特徴とする。
前記ろう材は、ろう材成分粉末およびフラックス成分粉
末の混合粉末を冷間で加圧することにより圧粉体に成形
固形化し、次いで該圧粉体を非酸化性雰囲気中で加熱し
たのち、所要形状に二次成形することにより製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウムまたは
その合金材のろう付に用いられるフラックス含有Al合
金ろう材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウムまたはその合金材の
ろう付は、接合部にろう材を供給するとともに、フラッ
クス懸濁液を接合部に塗布しこの状態で加熱するか、ま
たはフラックスをガス状にしてろう付炉の雰囲気中に供
給しつつ加熱することにより行われていた。しかしなが
ら、このようなフラックスろう付では、ろう材とフラッ
クスとを別々に接合部に供給しなければならないため
に、ろう付作業が面倒であること、フラックス供給量の
均一化が困難であること、過剰量のフラックスがろう付
品やろう付炉を汚染すること等の問題点があった。
【0003】そこで、これらの問題点を解決するため
に、Si含有量が3〜15wt%のAl−Si合金系ろう
材であって、該ろう材に対してフラックスを70:30
以下の割合で含有させたAl合金ろう材が本出願人によ
って開発された(例えば、特願平3−346994号、
特願平3−347010号に記載のろう材)。
【0004】このようなフラックス含有Al合金ろう材
は、例えば本出願人によって開発された次のような方法
で製造されている。即ち、先ず、ろう材成分およびフラ
ックス成分であるAl粉末、Si粉末、Al−Si合金
粉末、KF−AlF共晶粉末等を粒度調整して良く乾
燥させ、これらを所定割合にて室温で良く混合攪拌す
る。次いで、この混合粉末を円筒形の缶体等からなる容
器に充填し、480〜500℃程度の熱間で容器内を1
Torr以下で真空脱ガス後、容器を密封し、プレス等によ
り加熱圧粉すると粉末粒子が軟化接着するとともに圧粉
体と容器とが圧着されて一体化する。次いで、この圧粉
成形体の容器部分を切削除去し、大気中で加熱するとと
もに板状等の所要形状に押出成形してフラックス含有A
l合金ろう材を得るというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多様な
アルミニウム材を用いてより良いろう付品の製造をする
ために、なお一層ろう付性や耐食性に優れ、かつ低融点
のろう材が望まれており、前述のろう材は組成の点でこ
れらの要望を十分に満たすものではなかった。
【0006】また、ろう材は接合部に適した形状のもの
が必要であり、前述のフラックス含有Al合金ろう材の
製造方法においては、圧粉成形体を二次成形することに
より所要形状を得ている。圧粉成形体を二次成形するた
めにはある程度の強度を必要とし、前述の製造方法で
は、480〜500℃の高温下で圧粉することにより、
粉末粒子表面を十分に軟化させて粒子を互いに接着さ
せ、二次成形に耐えうる固い圧粉成形体としている。
【0007】しかし、高温下では材料粉末が酸化してろ
う付性が悪化しやすく、したがってこれを防止するた
め、まず真空脱ガスにより水分や空気を除去して、非酸
化性雰囲気下で熱間圧粉する必要があった。そのため、
熱間で真空脱ガスし、かつ熱間圧粉するための大掛かり
な設備が必要となり、かつ多くの工程を経なければなら
ないため、ろう材の製造コストが増大するという問題点
があった。さらに、真空脱ガスして熱間圧粉するために
は材料粉末を充填する容器が必要となるが、この容器は
押出等の二次成形時には除去しなければならず、このこ
とも工程数を増やす原因となっていた。しかも、前記容
器は繰り返して使用できず、容器除去の際にろう材が目
減りすることも、材料歩留りを低下させて、製造コスト
をさらに増大させていた。また、温度や真空度等の好適
範囲が狭いために工程管理が難しく、材料が高温にさら
される時間も長いことも相俟って、これらの条件の好適
範囲を外れるとろう材の流れ性やろう付部の外観が悪く
なるという問題点もあった。
【0008】この発明は、前述されたような問題点を解
消することを目的として、ろう付性および耐食性に優
れ、あるいは低融点のフラックス含有Al合金ろう材、
およびこのようなろう材を低コストで製造する方法を提
供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のフラックス含
有Al合金ろう材は、前記目的を達成するために、ろう
材成分およびフラックス成分を含有するフラックス含有
Al合金ろう材であって、前記ろう材成分は、Siを含
有し、さらにBi、Be、Sr、Mg、Li、Sb、B
a、In、ZnおよびCuのうちの1種または2種以上
を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、か
つ該ろう材成分中のSi含有量が3〜15wt%、Bi、
Be、Sr、Mg、Li、SbおよびBaの合計の含有
量が0.01〜0.5wt%、In含有量が0.01〜
0.5wt%、Zn含有量が0.1〜20wt%、Cu含有
量が5〜10wt%となされているとともに、前記ろう材
成分とフラックス成分との重量比が99.9:0.1〜
70:30となされていることを特徴とするものであ
る。
【0010】また、この発明のフラックス含有Al合金
ろう材の製造方法は前記ろう材を好適に製造できる方法
であり、ろう材成分粉末およびフラックス成分粉末の混
合粉末を冷間で加圧することにより圧粉体に成形固形化
し、次いで該圧粉体を非酸化性雰囲気中で加熱したの
ち、所要形状に二次成形するフラックス含有Al合金ろ
う材の製造方法であって、前記ろう材成分粉末は、Si
を含有し、さらにBi、Be、Sr、Mg、Li、S
b、Ba、In、ZnおよびCuのうちの1種または2
種以上を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からな
り、かつ該ろう材成分粉末中のSi含有量が3〜15wt
%、Bi、Be、Sr、Mg、Li、SbおよびBaの
合計の含有量が0.01〜0.5wt%、In含有量が
0.01〜0.5wt%、Zn含有量が0.1〜20wt
%、Cu含有量が5〜10wt%となされているともに、
前記混合粉末は、ろう材成分粉末とフラックス成分粉末
との重量比が99.9:0.1〜70:30となされて
いる、ことを特徴とするものである。
【0011】この発明のフラックス含有Al合金ろう材
のろう材成分において、AlおよびSiを基本元素とし
て、これらにBi、Be、Sr、Mg、Li、Sb、B
a、In、ZnおよびCuのうちから1種または2種以
上を選択して添加したものである。基本元素であるSi
は、ろう材としての適正な液相線温度を確保して良好な
ろう付を実現するため、含有量は3〜15wt%とする必
要があり、特に下限値を7wt%、上限値を12wt%とす
るのが好ましい。
【0012】前記添加元素は、添加意義に基づいて次の
3つの元素群に大別できる。
【0013】第1元素群は、ろうの流れを良くしてろう
付性を向上させるために添加される元素であり、Bi、
Be、Sr、Mg、Li、SbおよびBaがこの元素群
に属する。これらの元素の添加効果は均等であるため、
ろう材成分中の含有量は合計量として扱う。合計含有量
が0.01wt%未満ではろう付性を向上させる効果に乏
しく、また0.5wt%を超えて多量に添加しても効果が
飽和するため経済的に不利である。従って、第1元素群
の合計の含有量は、0.01〜0.5wt%とする必要が
あり、好ましい下限値は0.05wt%、好ましい上限値
は0.3wt%である。
【0014】第2元素群は、ろう材の耐食性を向上さ
せ、ひいてはろう付品のろう付部位の耐食性を向上させ
るために添加される元素であり、InおよびZnがこの
元素群に属する。なお、Znはその含有量によって主た
る添加意義が異なり、この元素群と後述の第3元素群の
両者に属する。In含有量が0.01wt%未満では耐食
性を向上させる効果に乏しく、一方0.5wt%を超えて
多量に添加しても効果が飽和するため経済的に不利であ
る。従って、In含有量は0.01〜0.5wt%とする
必要があり、好ましい下限値は0.05wt%、好ましい
上限値は0.3wt%である。また、Zn含有量が0.1
wt%では耐食性を向上させる効果に乏しく、一方Zn含
有量が5wt%を超えて多量に添加しても耐食性向上効果
が飽和する。従って、耐食性向上を目的とする場合のZ
n含有量は0.1〜5wt%とする必要があり、好ましい
下限値は0.5wt%、好ましい上限値は3wt%である。
【0015】第3元素群は、ろう材の融点を降下させる
ために添加される元素であり、ZnおよびCuがこの元
素群に属する。なお、Znは、含有量が5%以上になる
と前述の耐食性を向上させる効果よりも融点を降下させ
る効果が大となるため、含有量が5wt%以上の場合はこ
の群に分類する。Zn含有量が5wt%未満では融点を効
果させる効果に乏しく、一方20wt%を超えて多量に添
加しても効果が飽和するため経済的に不利である。従っ
て、融点降下を目的とする場合のZn含有量は5〜20
wt%とする必要があり、好ましい下限値は10wt%、好
ましい上限値は18wt%である。また、Cu含有量が5
wt%未満では融点を降下させる効果に乏しく、一方10
wt%を超えて多量に添加しても効果が飽和するため経済
的に不利である。従って、Cu含有量は5〜10wt%と
する必要があり、好ましい下限値は7wt%、好ましい上
限値は9wt%である。
【0016】前記ろう材成分において、Siおよび添加
元素の残部はAlであり、不可避不純物の含有が許容さ
れる。
【0017】また、この発明に使用するフラックスは、
その種類が特に限定されるものではなく、弗化物系でも
塩化物系でも使用できる。弗化物系フラックスとして
は、ろう材の融点との関係で605℃以下で溶融するも
のが好ましく、一般式;KαAlα+3(αは1以上の
整数)で表されるKAlF,KAlFおよびK
AlF、KFとAlFとの混合物または共晶組成
物、フルオロアルミン酸カリウム錯体等を例示でき、こ
れらを1種または2種以上を混合して用いれば良い。ま
た、塩化物系フラックスとしては、595℃以下で溶融
し、ろう付部位の腐食を抑制する意味で吸湿性が小さい
ものが好ましく、具体的には、BaCl、NaCl、
KCl、ZnClを主成分とするものが良く、これら
を1種または2種以上を混合して用いれば良い。
【0018】前記フラックス含有Al合金ろう材におけ
るフラックス成分の含有量は、少なすぎると良好なろう
付を行えず、また多すぎると後に詳述する製造工程にお
ける圧粉固形化、あるいは二次成形が困難となり、フラ
ックス含有Al合金ろう材そのものの製造が困難とな
る。従って、前記ろう材成分とフラックス成分との比率
は、重量比で99.9:0.1〜70:30とする必要
がある。また、弗化物系フラックスを使用する場合の比
率は95:5〜70:30が好ましく、特に好ましいフ
ラックス量の下限値は90:10、上限値は80:20
である。また塩化物系フラックスを使用する場合の比率
は97:3〜80:20が好ましく、特に好ましいフラ
ックス量の下限値は90:10、上限値は85:15で
ある。
【0019】この発明のフラックス含有Al合金ろう材
の製造方法においては、ろう材成分粉末およびフラック
ス成分粉末の混合粉末を圧粉固形化することによって該
ろう材を製造する。ろう材成分粉末とは前述の金属元素
の粉末であり、各元素の単体粉末を所定割合で混合して
使用しても良く、また合金粉末を使用しても良い。ま
た、基本元素であるAl、SiについてはAl−Si合
金粉末を用い、添加元素は単体粉末を用いるというよう
に、合金粉末と単体粉末とを併用しても良い。なお、上
記のようなろう材成分粉末は、圧粉体の密度を可及的に
高めるために、アトマイズ粉等の球状粉を使用するのが
好ましい。
【0020】また、前記混合粉末から高密度で元素分布
が均一な圧粉体を得るには、粒度調整した材料粉末を使
用することが好ましい。ろう材成分粉末の粒径は、単体
粉末の場合は1〜200μm程度、合金粉末の粒径は1
〜300μm程度が好ましい。特に、単体粉末を用いる
場合は、Si粉末はAl粉末よりも小径で、その他の添
加元素粉末はSi粉末と同程度あるいはSi粉末よりも
小径のものを使用するのが好ましい。また、フラックス
成分粉末は1〜100μm程度が好ましい。
【0021】圧粉体の形成は、前記混合粉末を成形用金
型内に充填してこれを加圧することにより行う。圧粉は
冷間で行うため、ろう材成分粉末が酸化するおそれがな
いから非酸化雰囲気中で行う必要はなく、大気中で行え
ば良い。冷間で成形固形化した圧粉体は、多数の気孔を
含有する脆い状態でも良く、圧粉体を金型から離型可能
で次工程へのハンドリングができる程度に固形化してい
れば良い。
【0022】成形用金型から離型した圧粉体は非酸化性
雰囲気中で加熱して軟化させたのち、二次成形を行って
所要形状のフラックス含有Al合金ろう材とする。加熱
温度は、二次成形が可能な程度に粒子が軟化すれば良く
完全に溶融させる必要はないので、300〜575℃が
好ましい。ただし、塩化物系フラックスを使用する場合
は該ろう材のフラックスの溶融防止のため、500℃以
下が好ましい。加熱の際に非酸化性雰囲気とするのは、
前工程で冷間圧粉した圧粉体は内部に多数の気孔を有し
ているため、大気中で加熱するとろう材成分粉末が酸化
しやすくろう付性の低下を招くからである。加熱雰囲気
は、非酸化性雰囲気であれば真空あるいはN、Ar等
の不活性ガス雰囲気のいずれでも良いが、真空の場合は
2Torr以下の高真空が好ましく、不活性ガス雰囲気の場
合はHO濃度が100ppm 以下、O濃度が500pp
m 以下に規制にされていることが好ましい。
【0023】加熱後の二次成形の方法は特に限定され
ず、押出成形、あるいは押出後にさらに引抜くなどの成
形法を例示できる。
【0024】
【作用】この発明にかかるフラックス含有Al合金ろう
材は、ろう材成分として、基本元素であるAlおよびS
iに、Bi、Be、Sr、Mg、Li、Sb、Ba、I
n、ZnおよびCuのうちの1種または2種以上が選択
的に添加されているために、ろう材としての諸機能が向
上する。即ち、Bi、Be、Sr、Mg、Li、Sb、
Baのいずれかが添加されているときはろう付性が向上
し、Inまたは少量のZnが添加されているときは耐食
性が向上する。また、多量のZnまたはCuが添加され
ているときは、ろう材の融点が降下する。
【0025】また、この発明のフラックス含有Al合金
ろう材の製造方法において、ろう材成分粉末およびフラ
ックス成分粉末の混合粉末は、圧粉体に成形固形化する
ことにより、所要形状への二次成形に供することができ
る。圧粉体はハンドリングできる程度に固形化できれば
良いから、冷間圧粉でも十分に固形化でき、また冷間で
あるからろう材成分粉末が酸化するおそれもないため、
特に非酸化性雰囲気中で行う必要もない。続いて、前記
圧粉体は加熱により軟化させたのちに二次成形される
が、非酸化性雰囲気中で加熱されるために、圧粉体が多
数の気孔を有するものであってもろう材成分粉末が酸化
するおそれはなく、ろう付性の良いフラックス含有Al
合金ろう材が得られる。
【0026】
【実施例】次に、この発明のフラックス含有Al合金ろ
う材およびその製造方法の具体的実施例について説明す
る。
【0027】各実施例および比較例のフラックス含有A
l合金ろう材の製造に際して、材料粉末として、後掲の
表1に示すAl、Si等の単体粉末、各種合金粉末、弗
化物系および塩化物系の2種類のフラックス粉末を用意
した。これらの材料粉末の平均粒径は、表1に示すとお
りである。
【0028】
【表1】
【0029】前記各材料粉末を表2に示す割合で配合し
て混合粉末を調製した。そして、各混合粉末を用い、次
に詳述する2種類の方法によりフラックス含有Al合金
ろう材を製造した。
【0030】[製造方法A(本発明に基づく方法)]ま
ず、前記混合粉末を直径3インチ×高さ150mmの円筒
形の金型内に充填し、常温、大気中でプレスを用いて最
大圧力60トンにて圧粉成形したところ、前記混合粉末
は高さが120mmの圧粉体となって固形化した。圧粉体
を金型から取り出したところ、内部に多数の気孔を含み
やや脆いものであったが、離型等のハンドリングには十
分に耐える強度を有するものであった。次いで、前記圧
粉体を、0.1Torrの真空中、450℃で120分間加
熱した。続いて、この圧粉体を直径2mmの線状に押出し
た。
【0031】[製造方法B(特願平3−346994号
に記載の方法)]まず、前記混合粉末をA1100から
なる直径3インチ×高さ200mmの円筒形の缶に充填し
て封缶し、前記容器を500℃の炉中に配置し、缶の上
部に設けた配管ピンチから脱ガスして1Torr以下の真空
下で加熱した。次いで、前記配管ピンチを溶接して缶を
密封し、480℃に保持して熱間プレスを用いて最大圧
力400トンにて熱圧成形したところ、混合粉末の圧粉
体は固形化されるとともに容器と実質的に一体化されて
いた。このとき、プレスにより固形化された容器は高さ
110mmとなった。次いで、前記缶を切削除去したの
ち、前記圧粉体を大気中で500℃に加熱して直径2mm
の線状に押出した。
【0032】
【表2】
【0033】前述の方法により製作した各フラックス含
有Al合金ろう材について、ろう付性、ろう付品の耐食
性、外観状態、表面処理性について、次の方法により評
価するとともに、材料歩留りおよび工程コストについて
比較した。これらの評価結果を表3に示す。
【0034】(ろう付性)JISA3003合金からな
る管状継手をクリアランス0.2mmで組み立て、接合部
に前記フラックス含有Al合金ろう材を配置し、融点の
低い実施例10、11については大気中で570℃×3
分、その他については大気中で600℃×3分加熱して
ろう付した。接合部におけるろうの充填率により、次の
ように評価した。 ◎;100% ○;90%以上100%未満 △;
90%未満 (耐食性−CASS−)JIS H8681に準ずるC
ASS試験(pH3.0に調整した5%NaCl+0.
26g/lCuCl・2HO水溶液を50℃で連続
噴霧)により、洩れを生じるまでの時間で評価した。 ○;700時間以上洩れなし △;600時間以上700時間未満で洩れあり ×;600時間未満で洩れあり (耐食性−SST−)JIS H2371に準ずるSS
T試験(5%NaCl水溶液を35℃で連続噴霧)に基
づいて、洩れを生じるまでの時間で評価した。 ○;700時間以上洩れなし △;600時間以上700時間未満で洩れあり ×;600時間未満で洩れあり (外観状態)前記各ろう付品を目視観察して次のように
評価した。 ○;フラックスの残留はなく、清浄である。 ×;フラックスの残留が認められ、茶色または黒色のし
みが生じた。 (表面処理性)前記各ろう付品にスプレー塗装したの
ち、塗膜面の碁盤目試験を行い、100のマス目のうち
残ったマス目で評価した。ただし、塩化物系フラックス
を用いた実施例18については、ろう付後湯洗および水
洗したのち塗装した。 ○;90以上 △;90未満 (歩留り)混合粉末の重量に対する押出後のフラックス
含有Al合金ろう材の重量の割合を%で表した。 (工程コスト)比較例1の工程コストを100としたと
きのコスト率である。
【0035】
【表3】
【0036】表3の結果から、各実施例のフラックス含
有Al合金ろう材の組成に関して、選択的に添加する元
素によって、ろう付性、耐食性が向上し、また融点が降
下して低温においても良好なろう付が可能であることを
確認できた。
【0037】また、製造方法においては、実施例では、
圧粉体を成形用金型から離型でき、圧粉体全体を二次成
形に供することができるために材料歩留りが良く、しか
も少ない工程でフラックス含有Al合金ろう材を製造す
ることができた。また、圧粉時の温度が低いために、こ
の点からもろう付性の良いフラックス含有Al合金ろう
材を安定して製造することができるとともに、ろう付品
の外観状態や表面処理性も良好であった。一方、比較例
では、缶を除去する際に若干量の圧粉体も切削されるた
めに歩留りが悪く、工程数が多いだけでなく缶は使い捨
てとなるために工程コストも高くなった。
【0038】
【発明の効果】以上のように、この発明のフラックス含
有Al合金ろう材は、ろう材成分およびフラックス成分
を含有するフラックス含有Al合金ろう材であって、前
記ろう材成分は、Siを含有し、さらにBi、Be、S
r、Mg、Li、Sb、Ba、In、ZnおよびCuの
うちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび
不可避不純物からなり、かつ該ろう材成分中のSi含有
量が3〜15wt%、Bi、Be、Sr、Mg、Li、S
bおよびBaの合計の含有量が0.01〜0.5wt%、
In含有量が0.01〜0.5wt%、Zn含有量が0.
1〜10wt%、Cu含有量が5〜10wt%となされてい
るとともに、前記ろう材成分とフラックス成分との重量
比が99.9:0.1〜70:30となされているため
に、接合部に適正量のフラックスを供給できることはも
とより、選択的に添加する元素によって、ろう付性、耐
食性が向上し、あるいは融点が降下して低温においても
良好なろう付が可能となる。
【0039】また、前記フラックス含有ろう材の製造方
法は、前記組成のろう材成分粉末およびフラックス成分
粉末を前記割合で配合した混合粉末を冷間で加圧するこ
とにより圧粉体に成形固形化し、次いで該圧粉体を非酸
化性雰囲気中で加熱したのち、所要形状に二次成形する
から、従来の熱間圧粉による方法で必要であった使い捨
ての圧粉用容器が不要となり、それに伴って圧粉前の脱
ガスや容器の除去等の作業も不要となる。また、圧粉を
冷間で行うことにより、製造設備を簡略化でき、材料と
工程の両面からフラックス含有Al合金ろう材の製造コ
ストを下げることができる。さらに、圧粉を冷間で行う
ことにより、工程管理が容易になり高品質のフラックス
含有Al合金ろう材を安定して製造できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろう材成分およびフラックス成分を含有
    するフラックス含有Al合金ろう材であって、 前記ろう材成分は、Siを含有し、さらにBi、Be、
    Sr、Mg、Li、Sb、Ba、In、ZnおよびCu
    のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよ
    び不可避不純物からなり、かつ該ろう材成分中のSi含
    有量が3〜15wt%、Bi、Be、Sr、Mg、Li、
    SbおよびBaの合計の含有量が0.01〜0.5wt
    %、In含有量が0.01〜0.5wt%、Zn含有量が
    0.1〜20wt%、Cu含有量が5〜10wt%となされ
    ているとともに、 前記ろう材成分とフラックス成分との重量比が99.
    9:0.1〜70:30となされていることを特徴とす
    るフラックス含有Al合金ろう材。
  2. 【請求項2】 ろう材成分粉末およびフラックス成分粉
    末の混合粉末を冷間で加圧することにより圧粉体に成形
    固形化し、次いで該圧粉体を非酸化性雰囲気中で加熱し
    たのち、所要形状に二次成形するフラックス含有Al合
    金ろう材の製造方法であって、 前記ろう材成分粉末は、Siを含有し、さらにBi、B
    e、Sr、Mg、Li、Sb、Ba、In、Znおよび
    Cuのうちの1種または2種以上を含有し、残部がAl
    および不可避不純物からなり、かつ該ろう材成分粉末中
    のSi含有量が3〜15wt%、Bi、Be、Sr、M
    g、Li、SbおよびBaの合計の含有量が0.01〜
    0.5wt%、In含有量が0.01〜0.5wt%、Zn
    含有量が0.1〜20wt%、Cu含有量が5〜10wt%
    となされているともに、 前記混合粉末は、ろう材成分粉末とフラックス成分粉末
    との重量比が99.9:0.1〜70:30となされて
    いる、 ことを特徴とするフラックス含有Al合金ろう材の製造
    方法。
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