JPH0517709A - 模様形成塗料組成物及び模様塗膜の形成方法 - Google Patents

模様形成塗料組成物及び模様塗膜の形成方法

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JPH0517709A
JPH0517709A JP26425491A JP26425491A JPH0517709A JP H0517709 A JPH0517709 A JP H0517709A JP 26425491 A JP26425491 A JP 26425491A JP 26425491 A JP26425491 A JP 26425491A JP H0517709 A JPH0517709 A JP H0517709A
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JP
Japan
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pattern
magnet
coating film
poles
coating
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JP26425491A
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Inventor
Koichi Hagiwara
興一 萩原
Toru Kawai
河合  徹
Nobuhiko Momose
信彦 百瀬
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、塗装面に表面段差がなく任意の模
様を簡単に形成するFe及び/又はFe
持物質を含んだ塗料組成物及び形成方法に関する。 【構成】 複数の磁石集合体を被塗物の裏面に貼着する
又は、塗膜面に接近させる等の方法により、Fe
及び/又はFe担持物質を必須成分とする模様形
成塗料を塗布し、Fe及び/又はFe担持
物質に磁力を作用させて移動,配向せしめることによ
り、模様を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜面に模様形状を付
与する塗料組成及び方法に関し、特に被塗物の表面に周
囲と異なる色調で各種文字や図形等の模様形状を簡便に
形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗装面の一部に各種文字や図形等からな
る模様形状を付与する方法として、塗装面全体を地色で
塗装した後、一部をマスキングして別の塗料で塗り分け
る2トーン仕上げ方法、着色シートや着色テープを任意
の位置のみに貼り付ける多色仕上げ方法、被塗物に凹凸
を加工することにより単色塗装でも陰影による立体的,
光学的異色反射させる仕上げ方法等が利用されている。
しかしながら、これらの方法では、マスキングテープを
貼り付ける作業が面倒であり、塗装を繰り返すために余
分な時間が必要になる、また模様部分に段差を生じて見
苦しくなり、着色テープや着色シートでは、はがれやす
く、凹凸加工では、凹凸部分に当たる光の性質によって
陰影が明瞭に模様として表現されない等の難点があっ
た。磁石を用いて模様を形成する技術は、特開昭51−
137733号に、アルミ粒子を含有したメタリック塗
料を塗布することにより絵又は文字等の模様を、また特
開昭57−10376号に、酸化鉄を含有する塗料を用
いることにより模様つき塗装金属板を製造する方法の中
で、前記酸化鉄としてはMIO,ベンガラ等が用いられ
ること、さらに特開昭57−135071号には、金属
又は金属酸化物の粉体磁性材料により模様つき被膜の形
成方法の中で、雲母状酸化鉄(MIO),その他通常の
酸化鉄等を挙げている。
【0003】特開昭63−175670号「模様塗膜の
形成法」には、粉末状磁性材料を含有せしめた液状塗膜
を被塗物もしくは着色塗膜の表面に形成し、該塗膜が流
動状態にあるうちに、該塗膜の目的とする部分の磁性材
料に磁石を作用させることによって模様を形成せしめる
方法が記載されている。粉末状磁性材料としては、例え
ばニッケル,鉄含有率の高いステンレス,鉄などの粉末
が挙げられている。この方法によれば、塗膜内の全体に
均一に分散している粉末状磁性材料のうち、磁力の作用
を受けた部分の磁性材料のみの配向が他の部分と異なる
ことによって、磁石の形状・大きさに合致した模様が現
出されることになっている。しかしながら、この方法を
用いて実際に塗装を行ってみると、磁石の形状に合致し
た鮮明な模様を得るには不十分であることが判明した。
【0004】その理由は、例えば2個の直線型棒磁石を
T字形に交差させた組磁石を流動状態の塗膜面に接近さ
せると、磁性材料の一部が塗膜内を移動して周囲と異な
る色調部分を生じるが、棒磁石の両端で磁力が強い部分
では磁性材料を多く移動させてその配向を変化させる
が、中間部分では磁力が弱いため磁性材料の配向が変化
せず、模様を形成する力が弱いからである。すなわち、
単に磁石を作用させるだけでは、目的とする模様(磁石
を作用させない部分と区別される輪郭)は得られないこ
とが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁石
を作用させて模様を形成する従来の方法を改良し、輪郭
の鮮明な模様を形成することができる塗料組成物と模様
の形成方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、磁石自体の形状や被塗物の材質に制限されることな
く、任意の形状で模様を磁性被塗物上にも形成すること
を可能にする方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の模様形成塗料組
成物は、塗料固形分に対して(a)Fe及び/又
はFe担持物質1〜80重量%、必要に応じて
(b)メタリック顔料及び/又はマイカ顔料を含有する
ものである。
【0007】(a)Fe及び/又はFe
持物質は、酸化鉄の中で自発磁化作用を持つものであ
り、他の酸化鉄に比べて模様の形成が鮮明である。Fe
は、酸化鉄顔料として用いられるものであり、形
状も粉末状,針状,箔片状,板状,球状,粒状等のいず
れも用いることができるが、模様形成時における配向の
点からは箔片状,板状が好ましい。Fe担持物質
としては、粒子や繊維状物の表面にマグネタイト膜を生
成されたもので、例えば、特開昭63−65085号に
よって得ることができる。塗料に対する(a)成分の含
有量は、磁化作用を受けたときに明確な模様形状が現出
できる程度であればよく、具体的には塗料の固形分中1
〜80重量%含有させておく。1重量%未満では模様形
成の効果が少なく、80重量%を超えても模様形成の寄
与に効果が少なく、好ましい配合量は5〜40重量%程
度である。その他、前記の(a)成分と同様に磁力によ
り配向することのできる粉末、あるいは光輝剤であれば
同じように用いることができる。これらの形状は、粉末
状,針状,箔片状,球状,粒状等のいずれでも良い。こ
れらの磁性材料を適宜の量配合した塗料は、被塗物へ塗
装し、磁力を作用させた際に磁性材料が磁化作用によっ
て塗膜中で位置を移動したり、向きを変え(配向)たり
する。
【0008】また(b)成分として、メタリック顔料及
び/又はマイカ顔料を加えることにより、模様形成が一
層鮮明となる。メタリック顔料としては、例えば東洋ア
ルミ,旭化成,古河アルミ,シルバーライン,エッカル
トなどから市販のアルミ箔,ブロンズ箔,スズ箔,金
箔,銀箔,チタン金属箔,ステンレススチール箔,Ni
−Cu等の合金箔,プラスチックで被覆した金属箔〔例
えばアストロフレーク(福田金属)〕,箔状フタロシア
ニンブルー等を用いることができる。マイカ顔料として
は、例えばメルク,マール,日本光研工業,帝国加工,
EMケミカル等から市販のマイカ顔料を使用することが
できる。マイカ顔料の種類としては、いわゆるマイカを
チタンの薄層でコーティングした真珠色のホワイトマイ
カ,チタンのコーティング層が比較的厚い干渉色を発す
る干渉マイカ,酸化鉄で被覆された着色マイカ等が用い
られる。これらの(b)成分は、塗料固形分中に好まし
くは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜15重量%
使用される。(b)成分の量が20重量%より多いと、
(a)成分の模様形成を阻害する傾向があり、逆に1重
量%より少ないと模様形成の一層の鮮明さが不足する傾
向となる。これらのメタリック顔料とマイカ顔料を任意
の割合で併用することも可能である。
【0009】本発明において、塗料としては液状すなわ
ち流動状態で塗装された後、焼付や乾燥等の適当な手段
で硬化させて塗膜を形成するものであれば、通常の各種
塗料が使用できる。本発明において用いられる塗料用樹
脂としては、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもよく、
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂,ポリエステル樹
脂,アルキド樹脂等のベースレジンを挙げることがで
き、メラミン樹脂やベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹
脂,イソシアネート又はブロックイソシアネート等の少
なくとも1種の硬化剤と一緒に用いられる。熱可塑性樹
脂としては、塗料分野で通常用いることのできる塩素化
ポリエチレン・塩素化ポリプロピレン等の塩素化オレフ
ィン系樹脂,塩化ビニル樹脂,酢酸ビニル,塩化ビニリ
デン及びこれらを共重合したビニル樹脂,セルロース系
樹脂,アセタール樹脂,アルキド樹脂,塩化ゴム系樹脂
等を挙げることができる。
【0010】本発明の模様形成塗料組成物の塗料化に当
たっては、塗料用樹脂に(a)成分さらに必要に応じて
(b)成分や、塗料に通常用いられる有機・無機の着色
顔料,体質顔料,防錆顔料等の顔料・染料・添加剤(例
えば分散安定剤,タレ止め剤,レベリング剤,ゲル化防
止剤,紫外線吸収剤,光安定剤など)などを加え、通常
の塗料化に用いられる機器、例えばボールミル,ペイン
トシェーカー,サンドミル,三本ロール,ニーダーなど
を用いることができる。
【0011】本発明の模様塗膜の形成方法は、Fe
及び/又はFe担持物質を含有する塗料を
(1)塗布する前、磁石片を模様形成配置し、被塗物の
裏面に接近位置決めし、又は(2)磁石片を模様形成配
置を準備し、塗布後で塗膜が流動状態にあるうちに、前
記磁石片を塗膜に接近させ、塗布した塗膜面に、前記模
様形成配置に対応した模様を現出させる方法である。
【0012】この方法による第1の態様は、模様形成し
た磁石片の間に磁力線が形成されている状態で被塗物上
にFe及び/又はFe担持物質(以後「強
磁性体」という)入りの塗料が塗布されるので、被塗物
に塗布されていく過程で強磁性体は磁力線に沿って移動
を開始し、塗膜が流動性を失うにつれてその移動速度が
遅くなり、完全に硬化するとその位置に固定される。従
って、その磁力線の方向に沿って強磁性体が移動又は配
向し、複数の磁石片から成る散点模様の磁石集合体に対
応した模様が形成される。ただし、この模様は必ずしも
磁石の形状に合致したものではなく、磁石片の向きを変
化させることによって磁力線の方向が変化するから、磁
石の形状と多少異なった微妙な色調の変化に基づく色の
濃淡、反射色相の異なった模様を実現することができる
という特殊な作用効果が得られることになる。
【0013】第2の態様において、模様形成配置した磁
石片を準備し、強磁性体を含有する強磁性体入り塗料を
被塗物上に塗布して塗膜を形成し、前記塗膜が流動状態
にあるうちに前記磁石片を前記塗膜に接近させ、次いで
前記塗膜を硬化させて前記模様に対応する模様を塗膜面
に現出させる方法を提供する。
【0014】この態様では、あらかじめ模様形成配置し
た磁石片の間に磁力線が形成されている磁石を準備し、
被塗物上に強磁性体入り塗料を塗布した後で塗膜が流動
状態を保っているうちに、磁石片を塗膜の表面又は裏面
に接近させるので、流動状態にある塗膜の中の強磁性体
が磁力線に沿って移動すると同時に、潜伏の強磁性体に
あっては配向をも起り、塗膜が流動性を失うにつれてそ
の移動速度が遅くなり、完全に硬化するとその位置に固
定される。従って、その磁力線の方向に沿って強磁性体
の集合状態に粗/密が起り、さらに配向され、多数の磁
石片から成る散点模様の磁石集合体に対応した模様が形
成されることになる。さらに、磁石片の接近を表面と裏
面の両方から行うことにより、磁力差による微妙な模様
や、両面から異なった配置を行うことにより、複雑な模
様が形成できる。この場合、裏面からの接近は、あらか
じめ被塗物裏面に配置しておいてもよい。
【0015】また第3の態様としては、第1又は第2の
態様における模様形成を、複数の分離した磁石片を相互
に接触しないように近接配置して散点模様の磁石集合体
を形成し、前記散点模様に対応した模様を塗膜面に現出
させる模様塗膜の形成方法を提供する。
【0016】磁石片としては、金属磁石やフェライト磁
石、焼結磁石や可撓性磁石など、各種の性質や形状を有
するものを多数利用することができ、これらを小さく分
離した形状に組み合わせた後に、接着テープや支持部材
を用いて磁石集合体を構成させることができる。また、
磁石片の形状は小さな四角形や円形のほか、三角形,多
角形など自由に選定することができ、これらを組み合わ
せることによって任意の模様を現出させることが可能に
なる。
【0017】本発明において「複数の磁石片の磁石集合
体」とは、一個の磁石片がそれぞれ2個以上のN極とS
極を有している場合(多極)は、一つの線を構成する磁
石集合体は磁石片2個以上、好ましくは3個以上程度の
集合でよいが、一個の磁石片にN極とS極が1つだけの
場合(2極)は、一つの線を構成する磁石集合体は線の
構成と長さにもよるが、磁石片3個以上、好ましくは5
個以上で構成されることになる。特に好適な例として、
各磁石片を磁極が左右両端に位置するように着磁させた
四角形又は円形で構成し、隣接する磁石片をそれらのN
極とS極及びS極とN極が互いに近接するような向き、
すなわち、N−S−N−S−−の繰り返し、又はN−
S,S−Nが交互になるよう位置決めしておけば、磁石
相互間に強力な磁力線が発生させられて模様が一段と鮮
明に形成されることになる。あるいは、各磁石片を磁極
が両端に位置するように着磁させた棒磁石又はU字形磁
石で構成し、隣接する磁石片をそれらのN極とS極が互
いに近接するような向き、すなわち、複数個の磁石のN
極が上端又は左端に、また複数個の磁石のS極が下端又
は右端となるよう位置決めしても良い。これらの磁石
は、電磁石であっても良い。
【0018】模様形成塗料は、塗装後に焼付によって硬
化させる焼付型塗料のほか、常乾型の塗料も使用でき
る。また、前記強磁性体を含有する塗料を1層塗るだけ
で仕上がる1コート仕上げ塗料や、強磁性体を含有する
ベース塗料を塗装した後、ベース塗料を硬化させずに表
面にクリヤー塗料を塗装し、その後ベース塗料及びクリ
ヤー塗料を同時に硬化させる、いわゆる2コート/1ベ
ーク型の塗装等が自由に使用できる。少なくとも、模様
形成塗膜層が外観的に現れる状態で塗膜が形成されれ
ば、任意の塗装工程を持つ塗膜の形成方法にも適用でき
る。例えば、模様形成塗膜の下地に、通常の各種の着色
した下塗り又は中塗り用塗料を塗装しておけば、強磁性
体の移動や配向によって、下部の塗料層の着色が部分的
に見えたり隠れたりして、模様形状を良好に浮き上がら
せることができる。また、模様形成塗料の上に、模様形
成塗料を隠蔽してしまわない程度の実質的に透明な上塗
り塗料等を塗装して、模様形成塗膜層を保護することも
できる。
【0019】塗装を施される被塗物としては、鉄又は鉄
系の鋼板等の磁性被塗物や合成樹脂,ゴム,セラミッ
ク、あるいはアルミニウム等の非磁性金属その他の非磁
性材料等の被塗物をも対象とすることができる。磁性被
塗物であっても模様形成が可能なのは、磁石集合体の模
様形状部分のみに磁化作用を与えることができるためで
ある。特にFeには、自発磁化作用を持っている
ため模様形成が容易である。
【0020】被塗物に対し、裏面側に磁石片を貼着して
模様形成塗膜層に接近させておく場合には、被塗物の厚
みが薄い程、磁石片による磁化作用が良好に行われる。
従って、この方法は、被塗物の厚みに対応して、磁石片
の強さを設定しておくことが望ましい。
【0021】模様形成は、強磁性体の移動及び/又は配
向を終った状態で固定され、硬化塗膜が形成された後
は、被塗物から磁石集合体を離しても、被塗物には模様
形状が形成されたままになる。この被塗物は、そのまま
製品として使用することもできるし、塗装面に更に適当
な仕上げ処理を施したりすることもできる。
【0022】本発明に係る模様塗膜の形成方法は、各種
の文字や図形のように、塗装面の一部のみに周囲と異な
る模様形状を付する場合のほか、塗装面全体に一定の繰
り返しパターンを有する模様形状を形成する場合にも適
用することができる。
【0023】
【実施例】実施例1 被塗物として、鋼板SPCC−SD(JIS−G−31
41)0.8mmtを脱脂、リン酸亜鉛系化成処理、電
着塗料パワートップU−600(日本ペイント社製カチ
オン電着塗料)、中塗り塗料オルガP−41N−2グレ
ー(日本ペイント社製アルキド系塗料)をそれぞれ処
理、塗装,熱硬化させた後、その裏面に複数の分離した
磁石片を相互に接触しないように近接配置して、ストラ
イプ模様を形成させた磁石集合体を接着テープによって
貼り付けた。各磁石片は、両端にN極とS極の磁極を有
する四角形の薄板から成り、隣接する磁石片は、そのN
−S,N−S極とが近接して強力な磁力線が発生するよ
うに位置決めされている。前述したように、裏面に磁石
集合体を密着固定した被塗物の上に、次に示す模様形成
塗料Aを塗布した。
【0024】 模様形成塗料Aの配合 熱硬化型アクリル樹脂 19.5 重量部(固形分) (HR−587三菱レイヨン(株)製) メラミン樹脂 4.3 (ユーバン20N60三井サイアナミッド(株)製) FOB *1 6.3 シンナー 残部 計 100.0 重量部 *1 大日精化工業(株)製 板状Fe(板厚0.04μm,平均 粒径2.5μm)
【0025】塗布された模様形成塗料が流動性を保って
いる間に、板状Feは塗膜内で磁石集合体の磁力
線の方向に沿って移動し、その結果塗膜上に色調の変化
した部分が現れる。この模様は、横線の連続模様であっ
て、磁石集合体の模様とほぼ完全に対応し、塗料中の箔
片が配向したことにより、磁石集合体の部分は黒味が強
い色調であり、磁石集合体を1〜3mm離れた部分は下
地色の色調が強い塗膜が形成され、その色調の対比は模
様にほぼ対応する明瞭なコントラストとなった。続い
て、この塗膜に焼付処理を行って塗膜を硬化させると、
ストライプ状の模様が固定され、その周縁部分がぼやけ
ることなく鮮明な形状で塗膜面に現出するようになる。
この模様は、塗膜の表面に色調の変化として現れるが、
表面上に凹凸を生じることはなく、従来のように模様の
周縁部分に段差を生じることもない。かくして、塗膜内
に所定の模様が現出され、この模様は容易に消えること
がなく、光の変化によって陰影が変化することもない。
【0026】実施例2及び3 模様形成塗料Aを実施例2では模様形成塗料Bに、実施
例3では模様形成塗料Cに代えた以外は、実施例1と同
様に行った。 模様形成塗料Bの配合 熱硬化型アクリル樹脂 19.5 重量部(固形分) (HR−587三菱レイヨン(株)製) メラミン樹脂 4.3 (ユーバン20N60三井サイアナミッド(株)製) FOB 6.3 イリオジン130W2 *2 3.0 シンナー 残部 計 100.0 重量部 *2 メルク社製 シルバー光沢白色系パールマイカ顔料 模様形成塗料Cの配合 熱硬化型アクリル樹脂 19.5 重量部(固形分) (HR−587三菱レイヨン(株)製) メラミン樹脂 4.3 (ユーバン20N60三井サイアナミッド(株)製) FOB 6.3 アルペースト60−600 *3 3.0 シンナー 残部 計 100.0 重量部 *3 東洋アルミニウム(株)製 アルミ箔顔料
【0027】塗布された模様形成塗料が流動性を保って
いる間に、板状Feは塗膜内で磁石集合体の磁力
線の方向に沿って移動し、その結果塗膜上に色調の変化
した部分が現れる。この模様は、横線の連続模様であっ
て、磁石集合体の模様とほぼ完全に対応し、塗料中の箔
片が配向したことにより、磁石集合体の部分は黒味が強
い色調であり、磁石集合体を1〜3mm離れた部分は、
箔片の光輝剤によりパール調(実施例2)又はメタリッ
ク感(実施例3)が強い塗膜が形成され、その色調の対
比は模様にほぼ対応する非常に明瞭なコントラストとな
った。続いて、この塗膜に焼付処理を行って塗膜を硬化
させると、ストライプ状の模様が固定され、その周縁部
分がぼやけることなく鮮明な形状で塗膜面に現出するよ
うになる。この模様は、塗膜の表面に色調の変化として
現れるが、表面上に凹凸を生じることはなく、従来のよ
うに模様の周縁部分に段差を生じることもない。かくし
て、塗膜内に所定の模様が現出され、この模様は容易に
消えることがなく、光の変化によって陰影が変化するこ
ともない。
【0028】実施例4及び5 実施例4では実施例1のFOBの代わりに、実施例5で
は実施例2のFOBの代わりに、それぞれ下記で得られ
たマグネタイトメッキスチレン粒子を20重量部に代え
た以外は、実施例1又は実施例2と同様に行った。結果
は、実施例4では実施例1と同じ、実施例5では実施例
2と同じであった。
【0029】〔Fe担持物質(マグネタイトメッ
キスチレン粒子)の製造例〕反応容器にイオン交換水
0.9lを仕込んだ。これに、あらかじめ6μmのポリ
スチレン粒子(住友化学社製ファインパール300F)
10gを分散したイオン交換水100gを投入し、N
ガスにより脱酸素を行った。十分脱酸素を行った後、F
eCl10g投入し、0.1N−NaOHでpH6.
9に調整した。この後、容器内の温度を70℃に加温し
た。このものに、あらかじめ脱酸素を行ったイオン交換
水1lに亜硝酸ナトリウム20g溶解した溶液を5cc
/minの割合で供給した。この間、pHは一定に維持
した。約20分後、ポリスチレン粒子にマグネタイトが
カプセル化されたポリスチレン粒子が生成した。副生マ
グネタイト粒子は殆ど生じなかった。これを濾過,水洗
してマグネタイトメッキポリスチレン粒子を得た。得ら
れたマグネタイトメッキポリスチレン粒子は、黒色をし
ていた。
【0030】実施例6 実施例1の模様形成塗料A中に実施例4で用いたマグネ
タイトメッキスチレン粒子を5重量部添加した以外は、
実施例1と同様に行った。結果は、実施例1と同じであ
った。
【0031】実施例7 実施例2の被塗物を1mm厚のアクリル板に代え、模様
形成塗料Bを裏面に磁石集合体を密着固定したアクリル
板に塗布した以外は、実施例2と同様に行った。結果
は、実施例2と同じ結果であった。
【0032】実施例8 実施例1の磁石集合体をあらかじめ準備しておき、磁性
塗料Aを塗布後、塗膜の流動性があるうちに磁石集合体
を塗膜表面に接近させ、板状Feを移動,配向し
た模様を形成した。実施例1と同様、良好な模様が形成
できた。
【0033】実施例9 実施例8の磁石集合体による塗膜表面の接近を、塗膜表
面と被塗物裏面の両面から、ストライプが約90゜にク
ロスするよう接近させた以外は、実施例8と同様に行っ
た。裏面は、接近後被塗物に密着させたため、裏面から
の磁力作用が強く働き、裏面に対応するストライプが強
く発現し、強弱のあるクロスしたストライプ樹脂が形成
できた。
【0034】実施例10 塗装方法の他の例としては、実施例2と同様、中塗り塗
膜まで形成し、N極とS極が交互に多数配置されている
左右多極と呼ばれる磁石片を近接配置し、磁石集合体を
構成する。ここでは、隣接する磁石片は、そのN極とS
極が接近して対向するように交互に反対向きに配置され
ている。次いで、中塗り塗膜層の上に模様形成塗料Bを
塗布する。かかる配置によれば、磁力線は磁石集合体の
長手方向に沿って整列するから、ストライプ状の模様が
現出されることになる。本発明に基づく模様を現出させ
た後で、表面にクリヤー塗料〔スーパーラックO−80
クリヤー(日本ペイント社製熱硬化型アクリル樹脂系塗
料)〕を塗布して、セッティング後に磁石集合体を取り
除き、その後で2層を同時に焼付けて硬化させる。結果
は、ストライプ状の鮮明な模様が形成された。
【0035】実施例11 実施例1と同様のプロセスの中で、磁石を円柱体の左右
にN極とS極が位置する円柱2極と呼ばれる磁石片を近
接配置して磁石集合体を構成し、被塗物上にC字形の模
様を形成させた。隣接する磁石片は、それらのN極とS
極が接近して対向するように配列する。磁石集合体は、
円柱が並んだドット状の散点模様を呈しているが、磁力
線は各円柱体の中心付近を通過しており、被塗物上には
連続したC字形の模様が現出されるようになる。磁石集
合体の磁極配列を行う場合、隣接する磁極間では反発力
が働くため、磁力線は弱められて散逸するが、交差方向
にあるN極とS極との間には弱い磁力線が形成され、塗
膜の中にある磁性体に磁力を及ぼすことができる。実施
例11の場合、磁力線は各円柱体の中央付近をジグザグ
状に通過しており、被塗物上にはおおむね連続した弓形
の模様が現出されるようになる。U字形の磁石片と棒形
磁石片による磁性集合体の場合、被塗物上に格子状の模
様を形成させる例である。各磁石の末端にはN極又はS
極が単独で現れているから、前後左右に隣接する磁石と
極性が反対になるように交互に配置すれば、格子状に延
伸する磁力線が得られて、飛び石状ではなく格子状の模
様が被塗物上に描かれることになる。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば、Fe,Fe担持物質を磁性材料とし、
多数の分離した磁石集合体を用いることによって、塗膜
上に鮮明な模様を形成することができ、この模様は凹凸
がなく、はがれたり消えたりすることがない永久的な模
様となる。この模様は、磁石自体の形状に制限されるこ
とがなく、任意の形状の模様を形成することができる。
本発明では、磁性被塗物でも非磁性被塗物でも、塗料中
のFe成分を有する材質であれば、十分に模様を
形成させることができることを見出したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料固形分に対して(a)Fe
    び/又はFe担持物質1〜80重量%、必要に応
    じて(b)メタリック顔料及び/又はマイカ顔料を含有
    することを特徴とする模様形成塗料組成物。
  2. 【請求項2】 Fe及び/又はFe担持物
    質を含有する塗料を(1)塗布する前、磁石片を模様形
    成配置し、被塗物の裏面に接近位置決めし、又は(2)
    磁石片を模様形成配置を準備し、塗布後で塗膜が流動状
    態にあるうちに、前記磁石片を塗膜に接近させ、塗布し
    た塗膜面に、前記模様形成配置に対応した模様を現出さ
    せることを特徴とする模様塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記磁石片は、複数に分離し、相互に接
    触しないように近接配置して、散点模様の磁石集合体を
    形成されている請求項2項記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記各磁石片は、磁極が左右両端に位置
    するように着磁された四角形又は円形から成り、隣接す
    る磁石片はそれらのN極とS極及びS極とN極が互いに
    近接するような向きに位置決めされている請求項2又は
    3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記各磁石片は、磁極が両端に位置する
    ように着磁された棒磁石又はU字形磁石から成り、隣接
    する磁石片はそれらのN極とS極及びS極とN極が互い
    に近接するような向きに位置決めされている請求項2又
    は3記載の方法。
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