JPH08243482A - 模様付き塗装金属板の製造方法 - Google Patents
模様付き塗装金属板の製造方法Info
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- JPH08243482A JPH08243482A JP7826095A JP7826095A JPH08243482A JP H08243482 A JPH08243482 A JP H08243482A JP 7826095 A JP7826095 A JP 7826095A JP 7826095 A JP7826095 A JP 7826095A JP H08243482 A JPH08243482 A JP H08243482A
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- poles
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塗膜に分散している磁性粒子を磁力によって
配向・移動させ、磁極に対応したパターンをもち意匠性
及び識別性に優れた模様付き塗装鋼板を得る。 【構成】 塗料パン10,20からピックアップロール
12,22で汲み上げられた塗料11,21をアプリケ
ータロール13,23で被塗装金属板1に塗布する際、
複数のS極及びN極が交互に配置されたマグネットロー
ルをロールコータのピックアップロール12,22及び
/又はアプリケータロール13,23として使用し、塗
料に分散している磁性粒子をS極及びN極による磁場作
用で移動又は配向させ、磁性粒子が磁場安定状態にある
塗膜を焼付け硬化する。 【効果】 S極及びN極の配列に対応したパターンで磁
性粒子が硬化後の塗膜中に固定され、偏光,干渉作用の
ある模様付き塗膜面が形成される。
配向・移動させ、磁極に対応したパターンをもち意匠性
及び識別性に優れた模様付き塗装鋼板を得る。 【構成】 塗料パン10,20からピックアップロール
12,22で汲み上げられた塗料11,21をアプリケ
ータロール13,23で被塗装金属板1に塗布する際、
複数のS極及びN極が交互に配置されたマグネットロー
ルをロールコータのピックアップロール12,22及び
/又はアプリケータロール13,23として使用し、塗
料に分散している磁性粒子をS極及びN極による磁場作
用で移動又は配向させ、磁性粒子が磁場安定状態にある
塗膜を焼付け硬化する。 【効果】 S極及びN極の配列に対応したパターンで磁
性粒子が硬化後の塗膜中に固定され、偏光,干渉作用の
ある模様付き塗膜面が形成される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜に含まれている磁
性粒子の移動又は配向を制御することにより意匠模様を
発現させた模様付き塗装金属板を製造する方法に関す
る。
性粒子の移動又は配向を制御することにより意匠模様を
発現させた模様付き塗装金属板を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内装材,外装材,家電製品の外板等に
は、着色亜鉛鉄板が従来から使用されている。しかし、
着色亜鉛鉄板は、単一色で意匠性に乏しく、光沢があ
り、冷たい印象を与える。そのため、高級感が必要とさ
れる内装材や器物等の外板としては不向きである。高級
感をもつ表面状態を得る手法としては、金属板に塗装を
施した後、模様を印刷したフィルムを張り付けて意匠性
を改善している。また、意匠性のある塗膜を形成するた
め、炭酸カルシウム,シリコン化合物,ガラス繊維,雲
母状酸化鉄,着色ビーズ,他の無機顔料等の固体添加材
を添加した塗料を使用することも知られている。
は、着色亜鉛鉄板が従来から使用されている。しかし、
着色亜鉛鉄板は、単一色で意匠性に乏しく、光沢があ
り、冷たい印象を与える。そのため、高級感が必要とさ
れる内装材や器物等の外板としては不向きである。高級
感をもつ表面状態を得る手法としては、金属板に塗装を
施した後、模様を印刷したフィルムを張り付けて意匠性
を改善している。また、意匠性のある塗膜を形成するた
め、炭酸カルシウム,シリコン化合物,ガラス繊維,雲
母状酸化鉄,着色ビーズ,他の無機顔料等の固体添加材
を添加した塗料を使用することも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】模様付きフィルムを張
り付ける方法は、製造コストが高くつく欠点がある。品
質的にもフィルムの密着性及び経時変化等に問題があ
り、たとえば直射日光に長時間曝される環境では樹脂の
変質に起因して表面が黄変する場合もある。他方、固体
添加材を含む塗料を使用する方法では、均一な艶消し面
が得られるものの、単調な表面状態になり易い。そのた
め、外観が与える印象が弱く、意匠性及び識別性に改善
の余地がある。本発明者等は、このような従来の模様付
き塗装鋼板の欠点に鑑み、塗膜に分散させた磁性粒子の
配向性を制御することにより、印象性の高い模様を付け
た塗装鋼板を製造する方法を開発し、その一部を特願平
6−135068号として出願した。この方法では、磁
性粒子を分散させた塗膜を鋼板表面に形成し、塗膜が流
動性を保持している間に磁場を作用させ、磁性粒子を特
定方向に移動又は配向させる。その結果、深みのある独
特な模様を付けた塗装鋼板が得られる。本発明は、先願
で提案した方法を更に発展させたものであり、複雑模様
の生成に適した磁場を働かせることにより、趣向に応じ
て種々の複雑パターンに作成でき、深みのある独特な模
様をつけた塗装金属板を得ることを目的とする。
り付ける方法は、製造コストが高くつく欠点がある。品
質的にもフィルムの密着性及び経時変化等に問題があ
り、たとえば直射日光に長時間曝される環境では樹脂の
変質に起因して表面が黄変する場合もある。他方、固体
添加材を含む塗料を使用する方法では、均一な艶消し面
が得られるものの、単調な表面状態になり易い。そのた
め、外観が与える印象が弱く、意匠性及び識別性に改善
の余地がある。本発明者等は、このような従来の模様付
き塗装鋼板の欠点に鑑み、塗膜に分散させた磁性粒子の
配向性を制御することにより、印象性の高い模様を付け
た塗装鋼板を製造する方法を開発し、その一部を特願平
6−135068号として出願した。この方法では、磁
性粒子を分散させた塗膜を鋼板表面に形成し、塗膜が流
動性を保持している間に磁場を作用させ、磁性粒子を特
定方向に移動又は配向させる。その結果、深みのある独
特な模様を付けた塗装鋼板が得られる。本発明は、先願
で提案した方法を更に発展させたものであり、複雑模様
の生成に適した磁場を働かせることにより、趣向に応じ
て種々の複雑パターンに作成でき、深みのある独特な模
様をつけた塗装金属板を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の模様付き塗装金
属板製造方法は、その目的を達成するため、塗料パンか
らピックアップロールで汲み上げられた塗料をアプリケ
ータロールで被塗装金属板に塗布する際、複数のS極及
びN極が交互に配置されたマグネットロールをロールコ
ータのピックアップロール及び/又はアプリケータロー
ルとして使用し、塗料に分散している磁性粒子をS極及
びN極による磁場作用で移動又は配向させ、磁性粒子が
磁場安定状態にある塗膜を焼付け硬化することを特徴と
する。磁性粒子は、塗装面側にあるピックアップロール
及び/又はアプリケータロールのS極及びN極による磁
場作用、塗装面とは反対側にあるピックアップロール及
び/又はアプリケータロールのS極及びN極による磁場
作用、或いはこれら磁場作用の組合せで移動又は配向さ
れる。塗装面側にあるピックアップロール及び/又はア
プリケータロールと反対側にあるピックアップロール及
び/又はアプリケータロール双方のS極及びN極による
磁場作用で磁性粒子を移動又は配向させるとき、塗装面
側及び反対面側でS極及びN極が異なる配列形態をとる
ピックアップロール及び/又はアプリケータロールを使
用することができる。
属板製造方法は、その目的を達成するため、塗料パンか
らピックアップロールで汲み上げられた塗料をアプリケ
ータロールで被塗装金属板に塗布する際、複数のS極及
びN極が交互に配置されたマグネットロールをロールコ
ータのピックアップロール及び/又はアプリケータロー
ルとして使用し、塗料に分散している磁性粒子をS極及
びN極による磁場作用で移動又は配向させ、磁性粒子が
磁場安定状態にある塗膜を焼付け硬化することを特徴と
する。磁性粒子は、塗装面側にあるピックアップロール
及び/又はアプリケータロールのS極及びN極による磁
場作用、塗装面とは反対側にあるピックアップロール及
び/又はアプリケータロールのS極及びN極による磁場
作用、或いはこれら磁場作用の組合せで移動又は配向さ
れる。塗装面側にあるピックアップロール及び/又はア
プリケータロールと反対側にあるピックアップロール及
び/又はアプリケータロール双方のS極及びN極による
磁場作用で磁性粒子を移動又は配向させるとき、塗装面
側及び反対面側でS極及びN極が異なる配列形態をとる
ピックアップロール及び/又はアプリケータロールを使
用することができる。
【0005】本発明の模様付き塗装金属板製造方法で
は、たとえば図1に示すように、被塗装金属板1の通板
ラインに沿って上面側塗料パン10及び下面側塗料パン
20を配置したロールコータが使用される。上面側及び
下面側ロールコータの何れか一方を必要に応じて省略す
ることも可能である。各塗料パン10,20は、磁性粒
子を分散させた塗料11,21を収容している。塗料1
1,21は、それぞれピックアップロール12,22で
塗料パン10,20から汲み上げられ、アプリケータロ
ール13,23で被塗装金属板1の表面及び裏面に塗布
される。なお、上面側のアプリケータロール13に対向
する位置には、被塗装金属板1を介してバックアップロ
ール14が配置されている。ピックアップロール12,
22やアプリケータロール13,23として、図2に示
すように、複数のS極31及びN極32が所定のパター
ンで配列されているマグネットロールを使用する。ピッ
クアップロール12,22やアプリケータロール13,
23は、被塗装金属板1の板幅全域をカバーできる着磁
幅で複数のS極31及びN極32を設けることが好まし
い。
は、たとえば図1に示すように、被塗装金属板1の通板
ラインに沿って上面側塗料パン10及び下面側塗料パン
20を配置したロールコータが使用される。上面側及び
下面側ロールコータの何れか一方を必要に応じて省略す
ることも可能である。各塗料パン10,20は、磁性粒
子を分散させた塗料11,21を収容している。塗料1
1,21は、それぞれピックアップロール12,22で
塗料パン10,20から汲み上げられ、アプリケータロ
ール13,23で被塗装金属板1の表面及び裏面に塗布
される。なお、上面側のアプリケータロール13に対向
する位置には、被塗装金属板1を介してバックアップロ
ール14が配置されている。ピックアップロール12,
22やアプリケータロール13,23として、図2に示
すように、複数のS極31及びN極32が所定のパター
ンで配列されているマグネットロールを使用する。ピッ
クアップロール12,22やアプリケータロール13,
23は、被塗装金属板1の板幅全域をカバーできる着磁
幅で複数のS極31及びN極32を設けることが好まし
い。
【0006】塗料パン10,20から汲み上げられた塗
料11,21は、S極31及びN極32によって生じた
磁力に応じて磁性粒子が移動又は配向し、図3に示すよ
うに所定のパターンを持った模様5として被塗装金属板
1の両面及び裏面に転写される。すなわち、磁性粒子を
含む塗料を被塗装金属板1に塗布したままの状態では、
磁性粒子は、塗膜内で安定した状態を維持する。依然と
して流動状態にある塗膜に磁場を作用させると、磁性粒
子は、磁場方向に関して平行になるように移動又は配向
する。このとき、塗装後の安定状態と磁場安定状態との
差が大きいほど、磁場によって付与された磁性模様5の
鮮映度が向上する。たとえば、Fe,Ni,Co等の磁
性コーティングを施した鱗片状マイカは、塗装したまま
では被塗装金属板1の表面に対して鱗片がほぼ平行にな
った安定状態をとるが、磁場を作用させると磁力線に沿
って鱗片が傾斜する。なかには、磁力線に沿って塗膜中
を移動する鱗片もある。
料11,21は、S極31及びN極32によって生じた
磁力に応じて磁性粒子が移動又は配向し、図3に示すよ
うに所定のパターンを持った模様5として被塗装金属板
1の両面及び裏面に転写される。すなわち、磁性粒子を
含む塗料を被塗装金属板1に塗布したままの状態では、
磁性粒子は、塗膜内で安定した状態を維持する。依然と
して流動状態にある塗膜に磁場を作用させると、磁性粒
子は、磁場方向に関して平行になるように移動又は配向
する。このとき、塗装後の安定状態と磁場安定状態との
差が大きいほど、磁場によって付与された磁性模様5の
鮮映度が向上する。たとえば、Fe,Ni,Co等の磁
性コーティングを施した鱗片状マイカは、塗装したまま
では被塗装金属板1の表面に対して鱗片がほぼ平行にな
った安定状態をとるが、磁場を作用させると磁力線に沿
って鱗片が傾斜する。なかには、磁力線に沿って塗膜中
を移動する鱗片もある。
【0007】模様5は、被塗装金属板1の磁性或いは非
磁性に拘らず、作用させる磁場の強さを調整することに
より形成できる。たとえば、塗装金属板1に塗布した塗
料が流動性を維持している段階で、塗膜に接近した位置
又は裏面から50〜1000ガウスの磁場を0.01〜
30秒作用させることにより磁場に対応する模様を発現
させた後、塗膜を焼き付ける。磁場強度が50ガウスに
満たないと、所定の磁性模様5が発現せず、また発現し
たとしても鮮映度に劣る磁性模様となる。逆に1000
ガウスを超える磁場強度では、磁性模様5の発現性は良
好であるものの、磁力によって磁性粒子の凝集が促進
し、塗布ムラや磁性粒子の濃度変化が生じて均一な塗膜
面が得られ難くなる。磁場印加時間は、磁場の影響を確
保する上から0.01〜30秒の範囲が必要であり、生
産性を考慮するとき短いほうが好ましい。
磁性に拘らず、作用させる磁場の強さを調整することに
より形成できる。たとえば、塗装金属板1に塗布した塗
料が流動性を維持している段階で、塗膜に接近した位置
又は裏面から50〜1000ガウスの磁場を0.01〜
30秒作用させることにより磁場に対応する模様を発現
させた後、塗膜を焼き付ける。磁場強度が50ガウスに
満たないと、所定の磁性模様5が発現せず、また発現し
たとしても鮮映度に劣る磁性模様となる。逆に1000
ガウスを超える磁場強度では、磁性模様5の発現性は良
好であるものの、磁力によって磁性粒子の凝集が促進
し、塗布ムラや磁性粒子の濃度変化が生じて均一な塗膜
面が得られ難くなる。磁場印加時間は、磁場の影響を確
保する上から0.01〜30秒の範囲が必要であり、生
産性を考慮するとき短いほうが好ましい。
【0008】被塗装金属板1に塗布された塗料11,2
1に分散している磁性粒子が磁力に応じた配向性を保持
している間に塗料11,21を焼付け硬化すると、磁性
粒子の配向状態が固定され、深みのある模様5を付けた
塗膜が形成される。塗膜の焼き付けは、磁性粒子が配向
又は移動した塗膜に磁場を作用させたまま、或いは磁場
を消去した後の何れでも良い。S極31及びN極32を
もつピックアップロール12,22やアプリケータロー
ル13,23としては、永久磁石又は電磁石を同一面上
に配置したマグネットロールが使用される。また、加工
等によってS極31及びN極32それぞれの面積を自由
に替えることができるロールが好ましい。小さなパター
ンでS極31及びN極32が配置されたロールや、S極
31及びN極32が複雑なパターンで配置されたロール
を使用するとき、被塗装金属板1の表面に複雑な磁性模
様5が発現される。
1に分散している磁性粒子が磁力に応じた配向性を保持
している間に塗料11,21を焼付け硬化すると、磁性
粒子の配向状態が固定され、深みのある模様5を付けた
塗膜が形成される。塗膜の焼き付けは、磁性粒子が配向
又は移動した塗膜に磁場を作用させたまま、或いは磁場
を消去した後の何れでも良い。S極31及びN極32を
もつピックアップロール12,22やアプリケータロー
ル13,23としては、永久磁石又は電磁石を同一面上
に配置したマグネットロールが使用される。また、加工
等によってS極31及びN極32それぞれの面積を自由
に替えることができるロールが好ましい。小さなパター
ンでS極31及びN極32が配置されたロールや、S極
31及びN極32が複雑なパターンで配置されたロール
を使用するとき、被塗装金属板1の表面に複雑な磁性模
様5が発現される。
【0009】図1では、ピックアップロール12,22
やアプリケータロール13,23により、塗料11,2
1に分散している磁性粒子の配向性を制御し、塗膜に磁
性模様を発現させている。しかし、これに拘束されるこ
となく、たとえばピックアップロール12及びアプリケ
ータロール13として通常のロールを使用し、裏面側に
配置したバックアップロール14にS極31及びN極3
2を分散配置し、このバックアップロール14で磁性模
様5を付けることも可能である。或いは、上流側、たと
えば上面側ロールコータに通常のロールを使用し、下流
側に位置するアプリケータロール23のS極31及びN
極32により生じた磁力で、被塗装金属板1の表面に施
した塗膜に磁性模様5を付けることもできる。更には、
上流側及び下流側双方のピックアップロール12,22
やアプリケータロール13,23による磁場を組合せて
作用させることもできる。また、ロールコータとは別個
に、ロールコータの出側で塗装された裏面から塗装金属
板と接触しない位置又は接触する位置に、ラインスピー
ドに連動する回転磁気ドラム又は磁力可変型のプレート
を取り付け、磁場を作用させながら塗装金属板を走行さ
せて乾燥・焼付けを施すことによっても、磁性模様5が
連続的に形成される。
やアプリケータロール13,23により、塗料11,2
1に分散している磁性粒子の配向性を制御し、塗膜に磁
性模様を発現させている。しかし、これに拘束されるこ
となく、たとえばピックアップロール12及びアプリケ
ータロール13として通常のロールを使用し、裏面側に
配置したバックアップロール14にS極31及びN極3
2を分散配置し、このバックアップロール14で磁性模
様5を付けることも可能である。或いは、上流側、たと
えば上面側ロールコータに通常のロールを使用し、下流
側に位置するアプリケータロール23のS極31及びN
極32により生じた磁力で、被塗装金属板1の表面に施
した塗膜に磁性模様5を付けることもできる。更には、
上流側及び下流側双方のピックアップロール12,22
やアプリケータロール13,23による磁場を組合せて
作用させることもできる。また、ロールコータとは別個
に、ロールコータの出側で塗装された裏面から塗装金属
板と接触しない位置又は接触する位置に、ラインスピー
ドに連動する回転磁気ドラム又は磁力可変型のプレート
を取り付け、磁場を作用させながら塗装金属板を走行さ
せて乾燥・焼付けを施すことによっても、磁性模様5が
連続的に形成される。
【0010】本発明では、磁性金属板又は非磁性金属板
の何れをも使用できる。たとえば、溶融Znめっき鋼
板,電気Znめっき鋼板,アルミめっき鋼板等のめっき
鋼板、冷延鋼板等の磁性金属板、オーステナイトステン
レス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム合金板等の非
磁性金属板等がある。オーステナイトステンレス鋼等の
非磁性材料を塗装原板として使用すると、比較的弱い地
場でも模様発現性が高くなる。他方、磁性材料を塗装原
板とするとき、比較的強い磁場を作用させる。磁性粉末
を分散させる塗料としては、種類に制約を受けるもので
ないが、たとえばアクリル樹脂,エポキシ樹脂,フェノ
ール樹脂,ポリエステル樹脂,ビニル樹脂,フッ素樹脂
等が使用される。
の何れをも使用できる。たとえば、溶融Znめっき鋼
板,電気Znめっき鋼板,アルミめっき鋼板等のめっき
鋼板、冷延鋼板等の磁性金属板、オーステナイトステン
レス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム合金板等の非
磁性金属板等がある。オーステナイトステンレス鋼等の
非磁性材料を塗装原板として使用すると、比較的弱い地
場でも模様発現性が高くなる。他方、磁性材料を塗装原
板とするとき、比較的強い磁場を作用させる。磁性粉末
を分散させる塗料としては、種類に制約を受けるもので
ないが、たとえばアクリル樹脂,エポキシ樹脂,フェノ
ール樹脂,ポリエステル樹脂,ビニル樹脂,フッ素樹脂
等が使用される。
【0011】塗料に分散させる磁性粒子としては、たと
えばNiめっき,Crめっき,Fe2 O3 コーティング
等を施したマイカ粉が使用される。また、フェライト系
ステンレス鋼の粉末やベンガラ,フェライト等を、磁性
粒子として使用することも可能である。磁性粒子は、通
常塗料用として使用されている直径が100μm以下で
厚みが数μmのフレークが好ましい。磁性粒子は、過剰
に塗料に添加すると塗膜性能に悪影響を与えるので、樹
脂100重量部に対して1〜50重量部の割合で添加す
ることが好ましい。磁性粒子を含む塗料は、乾燥塗膜厚
が5〜30μmとなるように金属板に塗布される。被塗
装金属板1の表面には、同種又は異種の塗膜を多層に形
成することができる。たとえば、磁性粒子を分散させた
塗料を通常の磁性粒子を含まない塗料と併用し、磁性粒
子を分散させた塗料で少なくとも1層以上の塗膜を形成
する。このとき、下層の塗膜が乾燥する前に、上層の塗
膜となる塗料を塗布することが好ましい。
えばNiめっき,Crめっき,Fe2 O3 コーティング
等を施したマイカ粉が使用される。また、フェライト系
ステンレス鋼の粉末やベンガラ,フェライト等を、磁性
粒子として使用することも可能である。磁性粒子は、通
常塗料用として使用されている直径が100μm以下で
厚みが数μmのフレークが好ましい。磁性粒子は、過剰
に塗料に添加すると塗膜性能に悪影響を与えるので、樹
脂100重量部に対して1〜50重量部の割合で添加す
ることが好ましい。磁性粒子を含む塗料は、乾燥塗膜厚
が5〜30μmとなるように金属板に塗布される。被塗
装金属板1の表面には、同種又は異種の塗膜を多層に形
成することができる。たとえば、磁性粒子を分散させた
塗料を通常の磁性粒子を含まない塗料と併用し、磁性粒
子を分散させた塗料で少なくとも1層以上の塗膜を形成
する。このとき、下層の塗膜が乾燥する前に、上層の塗
膜となる塗料を塗布することが好ましい。
【0012】
【作用】本発明は、磁性粒子が磁力線に沿って配向する
性質を利用し、複数のS極31及びN極32が所定パタ
ーンで配置されたピックアップロール12,22やアプ
リケータロール13,23等を使用して、S極31及び
N極32に応じたパターンをもち独特な深みのある模様
を塗装金属板に付ける。このように磁性模様が付けられ
た塗膜面は、磁性粒子の配向状態,塗膜内での不均一分
布,微細な凹凸等に起因した偏光,干渉作用があり、深
みのある表面状態を呈する。また、微細な凹凸があり、
従来にない意匠性及び識別性に優れた塗装金属板が得ら
れる。
性質を利用し、複数のS極31及びN極32が所定パタ
ーンで配置されたピックアップロール12,22やアプ
リケータロール13,23等を使用して、S極31及び
N極32に応じたパターンをもち独特な深みのある模様
を塗装金属板に付ける。このように磁性模様が付けられ
た塗膜面は、磁性粒子の配向状態,塗膜内での不均一分
布,微細な凹凸等に起因した偏光,干渉作用があり、深
みのある表面状態を呈する。また、微細な凹凸があり、
従来にない意匠性及び識別性に優れた塗装金属板が得ら
れる。
【0013】
実施例1:高分子ポリエステル系樹脂100重量部に、
蒸着法でNiコーティングした平均粒径50μmの鱗片
状雲母20重量部を添加した。混練後、溶剤で希釈し、
粘度がNo.4フォードカップで120秒(25℃)の塗
料を調製した。また、幅方向及び円周方向に関する着磁
部が直径20mmとなるように直径20mmのS極31
及びN極32を交互に配置したピックアップロール12
を備え、図1に示す設備構成のロールコータを使用し
た。ピックアップロール12による磁場作用を受けた塗
料をアプリケータロール13で普通鋼鋼板(被塗装金属
板1)に塗布し、そのまま焼き付けた。その結果、磁極
に対応した部分に濃淡模様が発現し、深みのある模様が
付けられた。得られた塗装鋼板は、S極31及びN極3
2に対応したパターンで直径20mmの水玉模様が付け
られていた。
蒸着法でNiコーティングした平均粒径50μmの鱗片
状雲母20重量部を添加した。混練後、溶剤で希釈し、
粘度がNo.4フォードカップで120秒(25℃)の塗
料を調製した。また、幅方向及び円周方向に関する着磁
部が直径20mmとなるように直径20mmのS極31
及びN極32を交互に配置したピックアップロール12
を備え、図1に示す設備構成のロールコータを使用し
た。ピックアップロール12による磁場作用を受けた塗
料をアプリケータロール13で普通鋼鋼板(被塗装金属
板1)に塗布し、そのまま焼き付けた。その結果、磁極
に対応した部分に濃淡模様が発現し、深みのある模様が
付けられた。得られた塗装鋼板は、S極31及びN極3
2に対応したパターンで直径20mmの水玉模様が付け
られていた。
【0014】実施例2:長さ方向に20mmの間隔でS
極31及びN極32を交互に配置したピックアップロー
ル12を使用し、磁場強度400ガウスの磁場を作用さ
せながら、アプリケータロール13を介して実施例1と
同じ塗料を普通鋼鋼板に塗布した。次いで、円周方向に
20mmの間隔でS極31及びN極32を交互に配置し
た裏面側アプリケータロール23で磁場強度400ガウ
スの磁場を作用させた。磁場作用を受けた塗料を焼き付
けたところ、ピックアップロール12及びアプリケータ
ロール23の磁極に対応して市松模様が付けられた塗装
鋼板が得られた。
極31及びN極32を交互に配置したピックアップロー
ル12を使用し、磁場強度400ガウスの磁場を作用さ
せながら、アプリケータロール13を介して実施例1と
同じ塗料を普通鋼鋼板に塗布した。次いで、円周方向に
20mmの間隔でS極31及びN極32を交互に配置し
た裏面側アプリケータロール23で磁場強度400ガウ
スの磁場を作用させた。磁場作用を受けた塗料を焼き付
けたところ、ピックアップロール12及びアプリケータ
ロール23の磁極に対応して市松模様が付けられた塗装
鋼板が得られた。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、磁性粒子を分散させた塗料を金属板に塗布し、複数
のS極及びN極が所定パターンで配置されたロールを使
用して塗膜中の磁性粒子に磁場を作用させることによ
り、磁極に対応した模様を塗装金属板に付けている。形
成された塗膜は、密着性,経時変化等に関しては従来の
着色亜鉛鉄板と変わるものではなく、磁力線に沿って配
向又は移動した磁性粒子がそのままの状態で塗膜中に固
定されることから偏光,干渉作用のある塗膜面となり、
意匠性及び識別性に優れた塗装鋼板が得られる。また、
S極及びN極の配置を変えることや、S極及びN極の配
列が異なる複数のロールを組み合わせて使用することに
より、塗膜模様を容易に変更することができる。このよ
うにして得られた塗装鋼板は、深み感に富む模様が付け
られており、内装材,外装材,表層材等として各種分野
に使用される。
は、磁性粒子を分散させた塗料を金属板に塗布し、複数
のS極及びN極が所定パターンで配置されたロールを使
用して塗膜中の磁性粒子に磁場を作用させることによ
り、磁極に対応した模様を塗装金属板に付けている。形
成された塗膜は、密着性,経時変化等に関しては従来の
着色亜鉛鉄板と変わるものではなく、磁力線に沿って配
向又は移動した磁性粒子がそのままの状態で塗膜中に固
定されることから偏光,干渉作用のある塗膜面となり、
意匠性及び識別性に優れた塗装鋼板が得られる。また、
S極及びN極の配置を変えることや、S極及びN極の配
列が異なる複数のロールを組み合わせて使用することに
より、塗膜模様を容易に変更することができる。このよ
うにして得られた塗装鋼板は、深み感に富む模様が付け
られており、内装材,外装材,表層材等として各種分野
に使用される。
【図1】 本発明で使用するロールコータを備えた塗装
ライン
ライン
【図2】 複数のS極及びN極を交互に配置したピック
アップロール又はアプリケータロール
アップロール又はアプリケータロール
【図3】 S極及びN極の配置に対応した模様をもつ塗
膜が形成されている状態
膜が形成されている状態
1:被塗装金属板 5:磁性模様 10:上面側の塗料パン 20:下面側の塗料パン
11,21:磁性粒子を分散させた塗料 12,2
2:ピックアップロール 13,23:アプリケータ
ロール 14:バックアップロール 31:S極
32:N極
11,21:磁性粒子を分散させた塗料 12,2
2:ピックアップロール 13,23:アプリケータ
ロール 14:バックアップロール 31:S極
32:N極
Claims (5)
- 【請求項1】 塗料パンからピックアップロールで汲み
上げられた塗料をアプリケータロールで被塗装金属板に
塗布する際、複数のS極及びN極が交互に配置されたマ
グネットロールをロールコータのピックアップロール及
び/又はアプリケータロールとして使用し、塗料に分散
している磁性粒子をS極及びN極による磁場作用で移動
又は配向させ、磁性粒子が磁場安定状態にある塗膜を焼
付け硬化する模様付き塗装金属板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載された磁性粒子の移動又は
配向が塗装面側にあるピックアップロール及び/又はア
プリケータロールのS極及びN極による磁場作用で行わ
れる模様付き塗装金属板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載された磁性粒子の移動又は
配向が塗装面とは反対側にあるアプリケータロールのS
極及びN極による磁場作用で行われる模様付き塗装金属
板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載された磁性粒子の移動又は
配向が塗装面側にあるピックアップロール及び/又はア
プリケータロールと反対側にあるピックアップロール及
び/又はアプリケータロール双方のS極及びN極による
磁場作用で行われる模様付き塗装金属板の製造方法。 - 【請求項5】 塗装面側及び反対面側でS極及びN極が
異なる配列形態をとるピックアップロール及び/又はア
プリケータロールを使用して磁性粒子を移動又は配向さ
せる請求項3記載の模様付き塗装金属板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7826095A JPH08243482A (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7826095A JPH08243482A (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08243482A true JPH08243482A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=13657023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7826095A Withdrawn JPH08243482A (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08243482A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9903022B2 (en) | 2009-10-26 | 2018-02-27 | Nippon Steel 7 Sumitomo Metal Corporation | Production method of galvannealed steel sheet having excellent formability and exfoliation resistance after adhesion |
-
1995
- 1995-03-09 JP JP7826095A patent/JPH08243482A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9903022B2 (en) | 2009-10-26 | 2018-02-27 | Nippon Steel 7 Sumitomo Metal Corporation | Production method of galvannealed steel sheet having excellent formability and exfoliation resistance after adhesion |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020604 |