JPH0838992A - 模様付き塗装金属板の製造方法 - Google Patents
模様付き塗装金属板の製造方法Info
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- JPH0838992A JPH0838992A JP6240689A JP24068994A JPH0838992A JP H0838992 A JPH0838992 A JP H0838992A JP 6240689 A JP6240689 A JP 6240689A JP 24068994 A JP24068994 A JP 24068994A JP H0838992 A JPH0838992 A JP H0838992A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塗膜に分散している磁性粉末を磁力によって
配向・移動させ、意匠性及び識別性に優れた模様付き塗
装鋼板を得る。 【構成】 Ni,Co,Fe等の磁性粉末を含む塗料を
金属板に塗布し、塗料が流動性を維持している間に塗膜
に接近した位置又は裏面から100〜1000ガウスの
磁場を0.01〜30秒作用させることにより磁場に対
応する模様を発現させた後、塗膜を焼き付ける。 【効果】 塗膜に分散している磁性粉末が磁力によって
配向・移動するので、深みのある意匠性に優れた模様を
付けることができる。
配向・移動させ、意匠性及び識別性に優れた模様付き塗
装鋼板を得る。 【構成】 Ni,Co,Fe等の磁性粉末を含む塗料を
金属板に塗布し、塗料が流動性を維持している間に塗膜
に接近した位置又は裏面から100〜1000ガウスの
磁場を0.01〜30秒作用させることにより磁場に対
応する模様を発現させた後、塗膜を焼き付ける。 【効果】 塗膜に分散している磁性粉末が磁力によって
配向・移動するので、深みのある意匠性に優れた模様を
付けることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内装材,外装材,家電
製品の外板等に使用され、深みのある模様が付けられた
塗装金属板を製造する方法に関する。
製品の外板等に使用され、深みのある模様が付けられた
塗装金属板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内装材,外装材,家電製品の外板等に
は、着色亜鉛鉄板が従来から使用されている。しかし、
着色亜鉛鉄板は、単一色で意匠性に乏しく、光沢があ
り、冷たい印象を与える。そのため、高級感が必要とさ
れる内装材や器物等の外板としては不向きである。高級
感をもつ表面状態を得る手法としては、金属板に塗装を
施した後、模様を印刷したフィルムを張り付けて意匠性
を改善している。また、意匠性のある塗膜を形成するた
め、炭酸カルシウム,シリコン化合物,ガラス繊維,雲
母状酸化鉄,着色ビーズ,他の無機顔料等の固体添加材
を添加した塗料を使用することも知られている。
は、着色亜鉛鉄板が従来から使用されている。しかし、
着色亜鉛鉄板は、単一色で意匠性に乏しく、光沢があ
り、冷たい印象を与える。そのため、高級感が必要とさ
れる内装材や器物等の外板としては不向きである。高級
感をもつ表面状態を得る手法としては、金属板に塗装を
施した後、模様を印刷したフィルムを張り付けて意匠性
を改善している。また、意匠性のある塗膜を形成するた
め、炭酸カルシウム,シリコン化合物,ガラス繊維,雲
母状酸化鉄,着色ビーズ,他の無機顔料等の固体添加材
を添加した塗料を使用することも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】模様付きフィルムを張
り付ける方法は、製造コストが高くつく欠点がある。品
質的にもフィルムの密着性及び経時変化等に問題があ
り、たとえば直射日光に長時間曝される環境では樹脂の
変質に起因して表面が黄変する場合もある。他方、固体
添加材を含む塗料を使用する方法では、均一な艶消し面
が得られるものの、単調な表面状態になり易い。そのた
め、外観が与える印象が弱く、意匠性及び識別性に改善
の余地がある。本発明は、このような問題を解消すべく
案出されたものであり、塗膜内部に分散している磁性粒
子を磁場作用によって特定方向に配向させることによ
り、深みのある独特な模様をつけた塗装金属板を得るこ
とを目的とする。
り付ける方法は、製造コストが高くつく欠点がある。品
質的にもフィルムの密着性及び経時変化等に問題があ
り、たとえば直射日光に長時間曝される環境では樹脂の
変質に起因して表面が黄変する場合もある。他方、固体
添加材を含む塗料を使用する方法では、均一な艶消し面
が得られるものの、単調な表面状態になり易い。そのた
め、外観が与える印象が弱く、意匠性及び識別性に改善
の余地がある。本発明は、このような問題を解消すべく
案出されたものであり、塗膜内部に分散している磁性粒
子を磁場作用によって特定方向に配向させることによ
り、深みのある独特な模様をつけた塗装金属板を得るこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の模様付き塗装金
属板製造方法は、その目的を達成するため、磁性粉末を
含む塗料を金属板に塗布し、塗料が流動性を維持してい
る段階で塗膜に接近した位置又は裏面から100〜10
00ガウスの磁場を0.01〜30秒作用させることに
より磁場に対応する模様を発現させた後、塗膜を焼き付
けることを特徴とする。磁性粉末としては、Ni,C
o,Fe又はCr系の金属でコーティングされた鱗片
状,フレーク状又は粒状等のマイカ粉やベンガラ,フェ
ライト等の酸化鉄粉が使用される。磁性粉末は、任意の
割合で塗料に分散される。磁性粉末を含む塗料は、乾燥
塗膜厚が5〜30μmとなるように金属板に塗布され
る。金属板の表面には、同種又は異種の塗膜を多層に形
成することができる。たとえば、磁性粉末を分散させた
塗料を通常の磁性粉末を含まない塗料と併用し、磁性粉
末を分散させた塗料で少なくとも1層以上の塗膜を形成
する。このとき、下層の塗膜が乾燥する前に、上層の塗
膜となる塗料を塗布することが好ましい。
属板製造方法は、その目的を達成するため、磁性粉末を
含む塗料を金属板に塗布し、塗料が流動性を維持してい
る段階で塗膜に接近した位置又は裏面から100〜10
00ガウスの磁場を0.01〜30秒作用させることに
より磁場に対応する模様を発現させた後、塗膜を焼き付
けることを特徴とする。磁性粉末としては、Ni,C
o,Fe又はCr系の金属でコーティングされた鱗片
状,フレーク状又は粒状等のマイカ粉やベンガラ,フェ
ライト等の酸化鉄粉が使用される。磁性粉末は、任意の
割合で塗料に分散される。磁性粉末を含む塗料は、乾燥
塗膜厚が5〜30μmとなるように金属板に塗布され
る。金属板の表面には、同種又は異種の塗膜を多層に形
成することができる。たとえば、磁性粉末を分散させた
塗料を通常の磁性粉末を含まない塗料と併用し、磁性粉
末を分散させた塗料で少なくとも1層以上の塗膜を形成
する。このとき、下層の塗膜が乾燥する前に、上層の塗
膜となる塗料を塗布することが好ましい。
【0005】
【作用】本発明は、磁性粉末が磁力線に沿って配向する
性質を利用し、塗装金属板に独特な深みのある模様を付
ける。すなわち、磁性粉末は、塗料を金属板に塗布した
状態では形成された塗膜内で安定した状態を維持する
が、塗料が未だ流動状態にあるとき磁場を作用させると
磁場に対して安定な状態に移動又は配向する。このと
き、塗装後の安定状態と磁場安定状態との差が大きいほ
ど、磁場によって付与される模様が顕著に表れる。たと
えば、Fe,Ni,Co等のコーティングした鱗片状マ
イカは、金属板表面に対し鱗片がほぼ平行になった塗装
後の安定状態をとるが、磁場を作用させると、磁力線に
沿って鱗片が傾斜する。中には、磁力線に沿って流動性
のある塗膜内を移動する鱗片もある。磁性粉末が配向又
は移動した塗膜を磁場を作用させたまま、或いは磁場を
消去した後で焼き付けるとき、磁性粉末は、磁場に対し
て安定な状態のまま塗膜内で固定される。
性質を利用し、塗装金属板に独特な深みのある模様を付
ける。すなわち、磁性粉末は、塗料を金属板に塗布した
状態では形成された塗膜内で安定した状態を維持する
が、塗料が未だ流動状態にあるとき磁場を作用させると
磁場に対して安定な状態に移動又は配向する。このと
き、塗装後の安定状態と磁場安定状態との差が大きいほ
ど、磁場によって付与される模様が顕著に表れる。たと
えば、Fe,Ni,Co等のコーティングした鱗片状マ
イカは、金属板表面に対し鱗片がほぼ平行になった塗装
後の安定状態をとるが、磁場を作用させると、磁力線に
沿って鱗片が傾斜する。中には、磁力線に沿って流動性
のある塗膜内を移動する鱗片もある。磁性粉末が配向又
は移動した塗膜を磁場を作用させたまま、或いは磁場を
消去した後で焼き付けるとき、磁性粉末は、磁場に対し
て安定な状態のまま塗膜内で固定される。
【0006】このようにして得られた塗膜面は、磁性粉
末の配向状態,塗膜内での不均一分布,微細な凹凸等に
起因した偏光,干渉作用があり、深みのある表面状態を
呈する。また、微細な凹凸があり、従来にない意匠性及
び識別性に優れた塗装金属板が得られる。本発明では、
磁性金属板又は非磁性金属板の何れをも使用できる。た
とえば、溶融Znめっき鋼板,電気Znめっき鋼板,ア
ルミめっき鋼板等のめっき鋼板、冷延鋼板等の磁性金属
板、オーステナイトステンレス鋼板,アルミニウム板,
アルミニウム合金板等の非磁性金属板等がある。オース
テナイトステンレス鋼等の非磁性材料を塗装原板として
使用すると、比較的弱い地場でも模様発現性が高くな
る。他方、磁性材料を塗装原板とするとき、比較的強い
磁場を作用させる。磁性粉末を分散させる塗料として
は、種類に制約を受けるものでないが、たとえばアクリ
ル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂,ポリエステル
樹脂,ビニル樹脂等が使用される。
末の配向状態,塗膜内での不均一分布,微細な凹凸等に
起因した偏光,干渉作用があり、深みのある表面状態を
呈する。また、微細な凹凸があり、従来にない意匠性及
び識別性に優れた塗装金属板が得られる。本発明では、
磁性金属板又は非磁性金属板の何れをも使用できる。た
とえば、溶融Znめっき鋼板,電気Znめっき鋼板,ア
ルミめっき鋼板等のめっき鋼板、冷延鋼板等の磁性金属
板、オーステナイトステンレス鋼板,アルミニウム板,
アルミニウム合金板等の非磁性金属板等がある。オース
テナイトステンレス鋼等の非磁性材料を塗装原板として
使用すると、比較的弱い地場でも模様発現性が高くな
る。他方、磁性材料を塗装原板とするとき、比較的強い
磁場を作用させる。磁性粉末を分散させる塗料として
は、種類に制約を受けるものでないが、たとえばアクリ
ル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂,ポリエステル
樹脂,ビニル樹脂等が使用される。
【0007】磁性粉末としては、たとえばNiめっき,
Crめっき,Fe2 O3 コーティング等を施したマイカ
粉が使用される。また、フェライト系ステンレス鋼の粉
末やベンガラ,フェライト等を、磁性粉末として使用す
ることも可能である。磁性粉末は、通常塗料用として使
用されている直径が100μm以下で厚みが数μmのフ
レークが好ましい。磁性粉末は、過剰に塗料に添加する
と塗膜性能に悪影響を与えるので、樹脂100重量部に
対して1〜50重量部の割合で添加することが好まし
い。塗料は、適宜の方法で金属板に塗布される。たとえ
ば、金属板の形状やサイズ等に応じて、ロールコータ,
バーコータ,スプレー等が使用される。また、スクリー
ン印刷,グラビア印刷等の方法によっても、塗料を塗布
できる。
Crめっき,Fe2 O3 コーティング等を施したマイカ
粉が使用される。また、フェライト系ステンレス鋼の粉
末やベンガラ,フェライト等を、磁性粉末として使用す
ることも可能である。磁性粉末は、通常塗料用として使
用されている直径が100μm以下で厚みが数μmのフ
レークが好ましい。磁性粉末は、過剰に塗料に添加する
と塗膜性能に悪影響を与えるので、樹脂100重量部に
対して1〜50重量部の割合で添加することが好まし
い。塗料は、適宜の方法で金属板に塗布される。たとえ
ば、金属板の形状やサイズ等に応じて、ロールコータ,
バーコータ,スプレー等が使用される。また、スクリー
ン印刷,グラビア印刷等の方法によっても、塗料を塗布
できる。
【0008】ロールコータ方式の連続塗装ラインで模様
付き塗装鋼板を製造する場合、ロールコータの出側で塗
装された裏面から塗装金属板と接触しない位置又は接触
する位置に、ラインスピードに連動する回転磁気ドラム
又は磁力可変型のプレートを取り付ける。そして、磁場
を作用させながら塗装金属板を走行させ乾燥・焼付けを
施すことにより、連続的に模様が形成される。塗膜に作
用させる磁場は、鮮明度のある模様に必要な磁性粉末の
配向又は移動を行わせるため、100ガウス以上の強度
をもつことが要求される。しかし、3000ガウスを超
える磁場強度では、模様の発現性は良いが、3000ガ
ウスの磁場強度を得るために電磁石のコア部が大きくな
り、結果的に実用的でない。また、細かな部分の磁化が
困難で、隣接する部分にも目的とする部分以外に磁場を
発生させ、模様に乱れが生じやすくなる問題がある。通
常は、通板速度が高くなるに従って強力な磁場を作用さ
せるように、100〜3000ガウスの範囲で選定され
る。磁場印加時間は、磁場の影響を確保する上から0.
01〜30秒の範囲が必要であり、生産性を考慮すると
き短いほうが好ましい。印加時間と通板速度と磁場強度
との積が一定になるように印加時間を定めると、通板速
度が変わってもほぼ同様な模様が得られる。
付き塗装鋼板を製造する場合、ロールコータの出側で塗
装された裏面から塗装金属板と接触しない位置又は接触
する位置に、ラインスピードに連動する回転磁気ドラム
又は磁力可変型のプレートを取り付ける。そして、磁場
を作用させながら塗装金属板を走行させ乾燥・焼付けを
施すことにより、連続的に模様が形成される。塗膜に作
用させる磁場は、鮮明度のある模様に必要な磁性粉末の
配向又は移動を行わせるため、100ガウス以上の強度
をもつことが要求される。しかし、3000ガウスを超
える磁場強度では、模様の発現性は良いが、3000ガ
ウスの磁場強度を得るために電磁石のコア部が大きくな
り、結果的に実用的でない。また、細かな部分の磁化が
困難で、隣接する部分にも目的とする部分以外に磁場を
発生させ、模様に乱れが生じやすくなる問題がある。通
常は、通板速度が高くなるに従って強力な磁場を作用さ
せるように、100〜3000ガウスの範囲で選定され
る。磁場印加時間は、磁場の影響を確保する上から0.
01〜30秒の範囲が必要であり、生産性を考慮すると
き短いほうが好ましい。印加時間と通板速度と磁場強度
との積が一定になるように印加時間を定めると、通板速
度が変わってもほぼ同様な模様が得られる。
【0009】
実施例1:直径1〜32μm(平均粒径12μm)の鱗
片状雲母及び直径20〜96μm(平均粒径50μm)
の鱗片状雲母に、蒸着によって平均厚み0.01〜0.
1μmのNi層を粉末コーティングし、磁性粉末を用意
した。高分子ポリエステル系樹脂100重量部に対し磁
性粉末を5〜15重量部配合して塗料を調製し、溶剤で
希釈した。塗料の粘度をNo.4フォードカップで100
〜120秒(25℃)に調整した後、乾燥塗膜厚が10
〜20μmとなるように、クロム酸処理した板厚0.5
mmの溶融Znめっき鋼板上にバーコータで塗布した。
次いで、塗装面を上面に維持して、塗装鋼板を市販の電
磁チャック盤の上に置いた。電磁チャック盤としては、
面積が300mm×500mmで、極ピッチ20mm及
び極間隔2mmのものを使用した。電磁チャック盤のス
イッチを入れ、100〜300ガウスの磁場を5〜10
秒加えた。磁性粉末は、磁場作用により直ちに磁化さ
れ、磁極に対応する塗膜面上に微細で鮮やかな模様が発
現した。模様の発現後に電磁チャック盤の電源を切って
も、模様の濃淡は残存していた。
片状雲母及び直径20〜96μm(平均粒径50μm)
の鱗片状雲母に、蒸着によって平均厚み0.01〜0.
1μmのNi層を粉末コーティングし、磁性粉末を用意
した。高分子ポリエステル系樹脂100重量部に対し磁
性粉末を5〜15重量部配合して塗料を調製し、溶剤で
希釈した。塗料の粘度をNo.4フォードカップで100
〜120秒(25℃)に調整した後、乾燥塗膜厚が10
〜20μmとなるように、クロム酸処理した板厚0.5
mmの溶融Znめっき鋼板上にバーコータで塗布した。
次いで、塗装面を上面に維持して、塗装鋼板を市販の電
磁チャック盤の上に置いた。電磁チャック盤としては、
面積が300mm×500mmで、極ピッチ20mm及
び極間隔2mmのものを使用した。電磁チャック盤のス
イッチを入れ、100〜300ガウスの磁場を5〜10
秒加えた。磁性粉末は、磁場作用により直ちに磁化さ
れ、磁極に対応する塗膜面上に微細で鮮やかな模様が発
現した。模様の発現後に電磁チャック盤の電源を切って
も、模様の濃淡は残存していた。
【0010】磁場作用を受けた塗装鋼板を電磁チャック
盤から取り出し、そのまま焼き付けた。その結果、磁極
に対向した部分に濃淡模様が発現し、深みのある模様が
付けられた。得られた塗装鋼板は、図1(a)に示すよ
うに、電磁チャック盤の仕切り部に対応するスジ状模様
をもっていた。また、表面粗度は、図1(b)に示すよ
うに、磁極に対応する部分Aが粗く、磁極間の仕切りに
対応する部分Bが滑らかになっている。表1は、このと
きの操業諸元及び模様発現性を示す。なお、模様発現性
は、磁力分布の対応性と塗膜中に磁性粉末の濃度や角度
によって偏光や干渉した深み感の発現性の良否を肉眼で
判定した。磁力分布の対応性と深み感の良好なものを1
とし、その度合いが低いものを2として、2段階評価し
た。
盤から取り出し、そのまま焼き付けた。その結果、磁極
に対向した部分に濃淡模様が発現し、深みのある模様が
付けられた。得られた塗装鋼板は、図1(a)に示すよ
うに、電磁チャック盤の仕切り部に対応するスジ状模様
をもっていた。また、表面粗度は、図1(b)に示すよ
うに、磁極に対応する部分Aが粗く、磁極間の仕切りに
対応する部分Bが滑らかになっている。表1は、このと
きの操業諸元及び模様発現性を示す。なお、模様発現性
は、磁力分布の対応性と塗膜中に磁性粉末の濃度や角度
によって偏光や干渉した深み感の発現性の良否を肉眼で
判定した。磁力分布の対応性と深み感の良好なものを1
とし、その度合いが低いものを2として、2段階評価し
た。
【0011】
【表1】
【0012】実施例2:試験番号1と同じ塗料,塗装条
件で作製した塗装鋼板に対し、2段階の磁場作用を加え
た。先ず、塗装鋼板を置いた電磁チャック盤のスイッチ
を入れて磁極に対応した模様を発現させ、スイッチを切
った。次いで、塗装鋼板を90度回転させ、電磁チャッ
ク盤上に再び配置し、同様にスイッチを入れることによ
り模様を発現させた。その後、焼付けを施したところ、
図2に示すように、外観,意匠性及び深み感のある市松
模様をもつ塗装鋼板が得られた。 実施例3:試験番号1と同じ塗料,塗装条件で作製した
塗装鋼板の塗装面を電磁チャック盤に対向させ、両者の
間隙を4〜6mmに設定した。この状態で電磁チャック
盤のスイッチを入れ、磁場を作用させた。そして、磁場
を作用させた状態で焼き付けたところ、実施例1と同様
に外観,意匠性及び深み感に優れた模様をもつ塗装鋼板
が得られた。
件で作製した塗装鋼板に対し、2段階の磁場作用を加え
た。先ず、塗装鋼板を置いた電磁チャック盤のスイッチ
を入れて磁極に対応した模様を発現させ、スイッチを切
った。次いで、塗装鋼板を90度回転させ、電磁チャッ
ク盤上に再び配置し、同様にスイッチを入れることによ
り模様を発現させた。その後、焼付けを施したところ、
図2に示すように、外観,意匠性及び深み感のある市松
模様をもつ塗装鋼板が得られた。 実施例3:試験番号1と同じ塗料,塗装条件で作製した
塗装鋼板の塗装面を電磁チャック盤に対向させ、両者の
間隙を4〜6mmに設定した。この状態で電磁チャック
盤のスイッチを入れ、磁場を作用させた。そして、磁場
を作用させた状態で焼き付けたところ、実施例1と同様
に外観,意匠性及び深み感に優れた模様をもつ塗装鋼板
が得られた。
【0013】実施例4:高分子ポリエステル系樹脂塗料
をバーコータで塗布している間に、試験番号1と同じ塗
料を部分的に滴下し、実施例1と同様に着磁した。焼付
け後の塗装鋼板は、磁性粉末の分散によって斑点状の模
様をもっていた。 実施例5:樹脂100重量部に対し粒径10μm未満の
ベンガラを10重量部分散させたポリエステル系塗料を
使用した。No.4フォードカップで粘度120秒(25
℃)に調製した塗料を、乾燥塗膜厚が15μmとなるよ
うに、板厚0.5mmの溶融Znめっき鋼板にバーコー
タで塗布した。得られた塗装鋼板の塗装面を上にして実
施例1と同じ電磁チャック盤に置き、スイッチを入れた
ところ、電極に対応した模様が発現した。スイッチを切
ると模様の鮮明度が若干低下したものの、焼付け後では
実施例1と同様なスジ状模様が付けられた。得られた塗
装鋼板は、図3に示すように、磁極に対応する部分Aが
粗く、磁極間の仕切りに対応する部分Bが滑らかな表面
粗さをもっていた。
をバーコータで塗布している間に、試験番号1と同じ塗
料を部分的に滴下し、実施例1と同様に着磁した。焼付
け後の塗装鋼板は、磁性粉末の分散によって斑点状の模
様をもっていた。 実施例5:樹脂100重量部に対し粒径10μm未満の
ベンガラを10重量部分散させたポリエステル系塗料を
使用した。No.4フォードカップで粘度120秒(25
℃)に調製した塗料を、乾燥塗膜厚が15μmとなるよ
うに、板厚0.5mmの溶融Znめっき鋼板にバーコー
タで塗布した。得られた塗装鋼板の塗装面を上にして実
施例1と同じ電磁チャック盤に置き、スイッチを入れた
ところ、電極に対応した模様が発現した。スイッチを切
ると模様の鮮明度が若干低下したものの、焼付け後では
実施例1と同様なスジ状模様が付けられた。得られた塗
装鋼板は、図3に示すように、磁極に対応する部分Aが
粗く、磁極間の仕切りに対応する部分Bが滑らかな表面
粗さをもっていた。
【0014】比較例1:(磁性粉末を含まない塗料) 磁性粉末を添加していない高分子ポリエステル系塗料を
溶剤で希釈し、粘度をNo.4フォードカップで100〜
120秒(25℃)に調製した。この塗料を、乾燥塗膜
厚が15μmとなるように、クロム酸処理した板厚0.
5mmの溶融Znめっき鋼板にバーコータで塗布した。
得られた塗装鋼板の塗装面を上側にして電磁チャック盤
に配置し、電磁チャック盤のスイッチを入れても、模様
の発現が確認されなかった。 比較例2:フレークの大きさが1〜32μm(平均粒径
12μm)の磁性粉末を樹脂100重量部に対して20
0重量部分散させた高分子ポリエステル系塗料を溶剤で
希釈し、粘度をNo.4フォードカップで100〜120
秒(25℃)に調製した。この塗料を、乾燥塗膜厚が1
5μmとなるように、クロム酸処理した板厚0.5μm
の溶融Znめっき鋼板にバーコータで塗布した。得られ
た塗装鋼板の塗装面を上側にして電磁チャック盤に置
き、スイッチをいれた。この場合、電極に対応した模様
が発現するものの、鮮やかな模様をもち外観,意匠性及
び深み感のある塗膜面が得られなかった。これは、磁性
粉末の添加量が多すぎ、磁性粉末による塗膜中の濃淡が
出にくくなり、偏光や干渉による深み感が低下したこと
に起因する。 比較例3:試験番号1と同じ塗料,塗装条件で作製した
塗装鋼板を電磁チャック盤の上に置き、50ガウスの磁
場を10秒間加えた。この場合、磁場強度が弱いことか
ら、極く僅かに模様が発現したにとどまり、意匠性及び
深み感のある塗膜面が得られなかった。
溶剤で希釈し、粘度をNo.4フォードカップで100〜
120秒(25℃)に調製した。この塗料を、乾燥塗膜
厚が15μmとなるように、クロム酸処理した板厚0.
5mmの溶融Znめっき鋼板にバーコータで塗布した。
得られた塗装鋼板の塗装面を上側にして電磁チャック盤
に配置し、電磁チャック盤のスイッチを入れても、模様
の発現が確認されなかった。 比較例2:フレークの大きさが1〜32μm(平均粒径
12μm)の磁性粉末を樹脂100重量部に対して20
0重量部分散させた高分子ポリエステル系塗料を溶剤で
希釈し、粘度をNo.4フォードカップで100〜120
秒(25℃)に調製した。この塗料を、乾燥塗膜厚が1
5μmとなるように、クロム酸処理した板厚0.5μm
の溶融Znめっき鋼板にバーコータで塗布した。得られ
た塗装鋼板の塗装面を上側にして電磁チャック盤に置
き、スイッチをいれた。この場合、電極に対応した模様
が発現するものの、鮮やかな模様をもち外観,意匠性及
び深み感のある塗膜面が得られなかった。これは、磁性
粉末の添加量が多すぎ、磁性粉末による塗膜中の濃淡が
出にくくなり、偏光や干渉による深み感が低下したこと
に起因する。 比較例3:試験番号1と同じ塗料,塗装条件で作製した
塗装鋼板を電磁チャック盤の上に置き、50ガウスの磁
場を10秒間加えた。この場合、磁場強度が弱いことか
ら、極く僅かに模様が発現したにとどまり、意匠性及び
深み感のある塗膜面が得られなかった。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、磁性粉末を分散させた塗料を金属板に塗布し、塗膜
中の磁性粉末に磁場を作用させることにより、磁極に対
応した模様を塗装金属板に付けている。形成された塗膜
は、密着性,経時変化等に関しては従来の着色亜鉛鉄板
と変わるものではなく、磁力線に沿って配向又は移動し
た磁性粉末がそのままの状態で塗膜中に固定されること
から偏光,干渉作用のある塗膜面となり、意匠性及び識
別性に優れた塗装鋼板が得られる。しかも、磁極の配置
や強弱を変更することにより、任意の模様を付けること
ができる。また、磁性材料をコーティングしたマイカや
ベンガラ等は従来から含量として使用されていたもので
あり、模様フィルムを使用する方法に比較して製造コス
トを著しく下げることができると共に、作業性も改善さ
れる。
は、磁性粉末を分散させた塗料を金属板に塗布し、塗膜
中の磁性粉末に磁場を作用させることにより、磁極に対
応した模様を塗装金属板に付けている。形成された塗膜
は、密着性,経時変化等に関しては従来の着色亜鉛鉄板
と変わるものではなく、磁力線に沿って配向又は移動し
た磁性粉末がそのままの状態で塗膜中に固定されること
から偏光,干渉作用のある塗膜面となり、意匠性及び識
別性に優れた塗装鋼板が得られる。しかも、磁極の配置
や強弱を変更することにより、任意の模様を付けること
ができる。また、磁性材料をコーティングしたマイカや
ベンガラ等は従来から含量として使用されていたもので
あり、模様フィルムを使用する方法に比較して製造コス
トを著しく下げることができると共に、作業性も改善さ
れる。
【図1】 実施例1における試験番号1の塗装鋼板につ
けた模様(a)及び塗膜の表面粗さ(b)
けた模様(a)及び塗膜の表面粗さ(b)
【図2】 市松模様をつけた塗装鋼板
【図3】 実施例4で得られた塗装鋼板の表面粗さ
A:電磁チャックの磁極に対応した部分に形成された塗
膜の粗さ B:電磁チャックの磁極間の仕切り部に対応した部分に
形成された塗膜の粗さ
膜の粗さ B:電磁チャックの磁極間の仕切り部に対応した部分に
形成された塗膜の粗さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 博光 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社鉄鋼研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 磁性粉末を含む塗料を金属板に塗布し、
塗料が流動性を維持している間に塗膜に接近した位置又
は裏面から100〜3000ガウスの磁場を0.01〜
30秒作用させることにより磁場に対応する模様を発現
させた後、塗膜を焼き付けることを特徴とする模様付き
塗装金属板の製造方法。 - 【請求項2】 磁性粉末として、Ni,Co又はFeを
含む金属又は合金でコーティングされた鱗片状,フレー
ク状又は粒状等のマイカ粉及び/又はフェライト,ベン
ガラ等の酸化鉄粉末を使用する請求項1記載の模様付き
塗装金属板の製造方法。 - 【請求項3】 乾燥塗膜厚が5〜30μmとなるように
磁性粉末を分散させた塗料を塗布する請求項1〜3の何
れかに記載の模様付き塗装金属板の製造方法。 - 【請求項4】 金属板の表面に複数の塗膜を多層に設け
る際、磁性粉末を分散させた塗料で少なくとも1層以上
の塗膜を形成する請求項1〜4の何れかに記載の模様付
き塗装金属板の製造方法。 - 【請求項5】 下層の塗膜が乾燥する前に、上層の塗膜
となる塗料を所定パターンで塗布する請求項4記載の模
様付き塗装金属板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6240689A JPH0838992A (ja) | 1994-05-25 | 1994-09-08 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-135068 | 1994-05-25 | ||
JP13506894 | 1994-05-25 | ||
JP6240689A JPH0838992A (ja) | 1994-05-25 | 1994-09-08 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0838992A true JPH0838992A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=26469014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6240689A Withdrawn JPH0838992A (ja) | 1994-05-25 | 1994-09-08 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0838992A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006271964A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-10-12 | L'oreal Sa | 皮膚、爪、毛髪又はつけ爪に固着する製品 |
JP2007030413A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-02-08 | Kyodo Printing Co Ltd | 意匠性媒体 |
JP2007054820A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-03-08 | Kyodo Printing Co Ltd | 意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体 |
JP2008142690A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-26 | Kyodo Printing Co Ltd | 意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体 |
JP2009500391A (ja) * | 2005-07-08 | 2009-01-08 | ロレアル | 液体ファンデーション、メイクアップ法およびそのような方法を行うためのキット |
US9609934B2 (en) | 2004-10-05 | 2017-04-04 | L'oreal | Method of applying makeup by means of a magnetic composition including at least one interferential pigment |
US9649261B2 (en) | 2004-10-05 | 2017-05-16 | L'oreal | Method of applying makeup to a surface and a kit for implementing such a method |
-
1994
- 1994-09-08 JP JP6240689A patent/JPH0838992A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9609934B2 (en) | 2004-10-05 | 2017-04-04 | L'oreal | Method of applying makeup by means of a magnetic composition including at least one interferential pigment |
US9649261B2 (en) | 2004-10-05 | 2017-05-16 | L'oreal | Method of applying makeup to a surface and a kit for implementing such a method |
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JP2007030413A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-02-08 | Kyodo Printing Co Ltd | 意匠性媒体 |
JP2007054820A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-03-08 | Kyodo Printing Co Ltd | 意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体 |
JP4646303B2 (ja) * | 2005-07-28 | 2011-03-09 | 共同印刷株式会社 | 意匠性媒体 |
JP2008142690A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-26 | Kyodo Printing Co Ltd | 意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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