JPH08243483A - 模様付き塗装金属板の製造方法 - Google Patents
模様付き塗装金属板の製造方法Info
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- JPH08243483A JPH08243483A JP7826195A JP7826195A JPH08243483A JP H08243483 A JPH08243483 A JP H08243483A JP 7826195 A JP7826195 A JP 7826195A JP 7826195 A JP7826195 A JP 7826195A JP H08243483 A JPH08243483 A JP H08243483A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塗膜に分散している磁性粒子を磁力で移動又
は配向させ、磁極分布に対応したパターンをもち意匠性
及び識別性に優れた模様付き塗装鋼板を得る。 【構成】 磁性粒子を分散させた塗料を金属板４又は金
属帯に塗布し、塗膜５が流動性を保持しているうちに、
マグネット２からの磁力を磁性模様シート１又は磁性模
様ブロックで分布制御して作用させ、塗料に分散してい
る磁性粒子を磁力分布に応じて移動又は配向させ模様
（図１ｃ）を発現させ、磁性粒子が磁場安定状態にある
塗膜を焼付け硬化する。磁性模様シート１としては、打
抜き加工により磁性材料に複数の孔部を所定パターンで
形成したパンチングメタル，磁性粉末を所定パターンで
印刷した非磁性シート等が使用される。 【効果】 磁力分布に対応したパターンで磁性粒子が硬
化後の塗膜中に固定され、偏光，干渉作用のある模様付
き塗膜面が形成される。
は配向させ、磁極分布に対応したパターンをもち意匠性
及び識別性に優れた模様付き塗装鋼板を得る。 【構成】 磁性粒子を分散させた塗料を金属板４又は金
属帯に塗布し、塗膜５が流動性を保持しているうちに、
マグネット２からの磁力を磁性模様シート１又は磁性模
様ブロックで分布制御して作用させ、塗料に分散してい
る磁性粒子を磁力分布に応じて移動又は配向させ模様
（図１ｃ）を発現させ、磁性粒子が磁場安定状態にある
塗膜を焼付け硬化する。磁性模様シート１としては、打
抜き加工により磁性材料に複数の孔部を所定パターンで
形成したパンチングメタル，磁性粉末を所定パターンで
印刷した非磁性シート等が使用される。 【効果】 磁力分布に対応したパターンで磁性粒子が硬
化後の塗膜中に固定され、偏光，干渉作用のある模様付
き塗膜面が形成される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜に含まれている磁
性粒子の移動又は配向を制御することにより意匠模様を
発現させた模様付き塗装金属板を製造する方法に関す
る。
性粒子の移動又は配向を制御することにより意匠模様を
発現させた模様付き塗装金属板を製造する方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】内装材，外装材，家電製品の外板等に
は、着色亜鉛鉄板が従来から使用されている。しかし、
着色亜鉛鉄板は、単一色で意匠性に乏しく、光沢があ
り、冷たい印象を与える。そのため、高級感が必要とさ
れる内装材や器物等の外板としては不向きである。高級
感をもつ表面状態を得る手法としては、金属板に塗装を
施した後、模様を印刷したフィルムを張り付けて意匠性
を改善している。また、意匠性のある塗膜を形成するた
め、炭酸カルシウム，シリコン化合物，ガラス繊維，雲
母状酸化鉄，着色ビーズ，他の無機顔料等の固体添加材
を添加した塗料を使用することも知られている。
は、着色亜鉛鉄板が従来から使用されている。しかし、
着色亜鉛鉄板は、単一色で意匠性に乏しく、光沢があ
り、冷たい印象を与える。そのため、高級感が必要とさ
れる内装材や器物等の外板としては不向きである。高級
感をもつ表面状態を得る手法としては、金属板に塗装を
施した後、模様を印刷したフィルムを張り付けて意匠性
を改善している。また、意匠性のある塗膜を形成するた
め、炭酸カルシウム，シリコン化合物，ガラス繊維，雲
母状酸化鉄，着色ビーズ，他の無機顔料等の固体添加材
を添加した塗料を使用することも知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】模様付きフィルムを張
り付ける方法は、製造コストが高くつく欠点がある。品
質的にもフィルムの密着性及び経時変化等に問題があ
り、たとえば直射日光に長時間曝される環境では樹脂の
変質に起因して表面が黄変する場合もある。他方、固体
添加材を含む塗料を使用する方法では、均一な艶消し面
が得られるものの、単調な表面状態になり易い。そのた
め、外観が与える印象が弱く、意匠性及び識別性に改善
の余地がある。本発明者等は、このような従来の模様付
き塗装鋼板の欠点に鑑み、塗膜に分散させた磁性粒子の
配向性を制御することにより、印象性の高い模様を付け
た塗装鋼板を製造する方法を開発し、その一部を特願平
６−１３５０６８号として出願した。この方法では、磁
性粒子を分散させた塗膜を鋼板表面に形成し、塗膜が流
動性を保持している間に磁場を作用させ、磁性粒子を特
定方向に移動又は配向させる。その結果、深みのある独
特な模様を付けた塗装鋼板が得られる。本発明は、先願
で提案した方法を更に発展させたものであり、磁性模様
シートを使用して分布制御された磁力を働かせることに
より、趣向に応じて種々の複雑パターンに作成でき、深
みのある独特な模様をつけた塗装金属板を得ることを目
的とする。
り付ける方法は、製造コストが高くつく欠点がある。品
質的にもフィルムの密着性及び経時変化等に問題があ
り、たとえば直射日光に長時間曝される環境では樹脂の
変質に起因して表面が黄変する場合もある。他方、固体
添加材を含む塗料を使用する方法では、均一な艶消し面
が得られるものの、単調な表面状態になり易い。そのた
め、外観が与える印象が弱く、意匠性及び識別性に改善
の余地がある。本発明者等は、このような従来の模様付
き塗装鋼板の欠点に鑑み、塗膜に分散させた磁性粒子の
配向性を制御することにより、印象性の高い模様を付け
た塗装鋼板を製造する方法を開発し、その一部を特願平
６−１３５０６８号として出願した。この方法では、磁
性粒子を分散させた塗膜を鋼板表面に形成し、塗膜が流
動性を保持している間に磁場を作用させ、磁性粒子を特
定方向に移動又は配向させる。その結果、深みのある独
特な模様を付けた塗装鋼板が得られる。本発明は、先願
で提案した方法を更に発展させたものであり、磁性模様
シートを使用して分布制御された磁力を働かせることに
より、趣向に応じて種々の複雑パターンに作成でき、深
みのある独特な模様をつけた塗装金属板を得ることを目
的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の模様付き塗装金
属板製造方法は、その目的を達成するため、磁性粒子を
分散させた塗料を金属板又は金属帯に塗布し、塗膜が流
動性を保持しているうちに、マグネットからの磁力を磁
性模様シート又は磁性模様ブロックで分布制御して作用
させ、塗料に分散している磁性粒子を磁力分布に応じて
移動又は配向させ、磁性粒子が磁場安定状態にある塗膜
を焼付け硬化することを特徴とする。磁性模様シートと
しては、打抜き加工により磁性材料に複数の孔部を所定
パターンで形成したパンチングメタル，磁性粉末を所定
パターンで印刷した磁性シート等が使用される。また、
ニッケル，鉄等の磁性材料の小片を所定の配列パターン
でマグネットと被塗装金属板との間に介在させても良
い。
属板製造方法は、その目的を達成するため、磁性粒子を
分散させた塗料を金属板又は金属帯に塗布し、塗膜が流
動性を保持しているうちに、マグネットからの磁力を磁
性模様シート又は磁性模様ブロックで分布制御して作用
させ、塗料に分散している磁性粒子を磁力分布に応じて
移動又は配向させ、磁性粒子が磁場安定状態にある塗膜
を焼付け硬化することを特徴とする。磁性模様シートと
しては、打抜き加工により磁性材料に複数の孔部を所定
パターンで形成したパンチングメタル，磁性粉末を所定
パターンで印刷した磁性シート等が使用される。また、
ニッケル，鉄等の磁性材料の小片を所定の配列パターン
でマグネットと被塗装金属板との間に介在させても良
い。
【０００５】本発明に従って磁性材料に模様を付ける場
合、図１（ａ）に示すように、磁性模様シート１をマグ
ネット２上に接触配置する。磁性模様シート１は、たと
えば図１（ｂ）に示すように、所定のパターンで磁性模
様３が付けられている。或いは、ニッケル，鉄等の小ブ
ロックを所定の配列パターンで設けても良い。磁性模様
３は、強磁性材料や軟磁性材料の打抜き加工部後に残っ
ている部分や焼結部分のみにマグネット２の磁力を伝達
することにより形成される。被塗装材である磁性金属板
４には、磁性粒子を分散させた塗料を塗布することによ
って塗膜５が形成されている。磁性模様シート１を磁性
金属板４に背面から接触するように配置すると、磁性模
様３の部分で磁力線６が優先的に作用し、塗膜５に分散
している磁性粒子を移動又は配向させる。磁性粒子の移
動又は配向により、図１（ｃ）に示すような模様が発現
する。このとき、マグネット２と磁性金属板４との間に
磁性模様シート１を介在させているので、磁力線６が低
下することなく、磁性模様３に対応した模様が塗膜に付
けられる。他方、磁性模様３のない部分では、空気層部
やシート１でマグネット２の磁力が弱められ、塗膜５に
分散している磁性粒子は、塗布されたままの状態を維持
する。
合、図１（ａ）に示すように、磁性模様シート１をマグ
ネット２上に接触配置する。磁性模様シート１は、たと
えば図１（ｂ）に示すように、所定のパターンで磁性模
様３が付けられている。或いは、ニッケル，鉄等の小ブ
ロックを所定の配列パターンで設けても良い。磁性模様
３は、強磁性材料や軟磁性材料の打抜き加工部後に残っ
ている部分や焼結部分のみにマグネット２の磁力を伝達
することにより形成される。被塗装材である磁性金属板
４には、磁性粒子を分散させた塗料を塗布することによ
って塗膜５が形成されている。磁性模様シート１を磁性
金属板４に背面から接触するように配置すると、磁性模
様３の部分で磁力線６が優先的に作用し、塗膜５に分散
している磁性粒子を移動又は配向させる。磁性粒子の移
動又は配向により、図１（ｃ）に示すような模様が発現
する。このとき、マグネット２と磁性金属板４との間に
磁性模様シート１を介在させているので、磁力線６が低
下することなく、磁性模様３に対応した模様が塗膜に付
けられる。他方、磁性模様３のない部分では、空気層部
やシート１でマグネット２の磁力が弱められ、塗膜５に
分散している磁性粒子は、塗布されたままの状態を維持
する。
【０００６】模様が発現した塗膜５を焼付け硬化すると
き、塗膜５に分散している磁性粒子は、磁力線６によっ
て移動又は配向されたままの状態で固定される。このよ
うにして、所定の模様が付けられた塗装金属板が製造さ
れる。非磁性材料に模様を付ける場合、図２（ａ）に示
すように、磁性模様シート１をマグネット２上に接触又
は非接触で配置する。磁性模様シート１には、たとえば
図１（ｂ）に示すパターンで磁性模様３が付けられたも
のを使用する。被塗装材である非磁性金属板７には、磁
性粒子を分散させた塗料を塗布することによって塗膜５
が形成されている。磁性模様シート１を非磁性金属板７
の背面側に配置すると、空気層で磁力が伝達され、磁性
模様シート１で磁力が減衰する。この磁力分布に応じ
て、図２（ｃ）に示すような所定の模様が非磁性金属板
７に付けられる。この場合、磁性シート１をマグネット
２と非接触で配置することが好ましい。磁性シート１を
マグネット２に接触させると、磁性シート１による磁力
の減衰がなくなり、非磁性材料７の全体に磁力が作用
し、鮮明な模様が得られ難い。
き、塗膜５に分散している磁性粒子は、磁力線６によっ
て移動又は配向されたままの状態で固定される。このよ
うにして、所定の模様が付けられた塗装金属板が製造さ
れる。非磁性材料に模様を付ける場合、図２（ａ）に示
すように、磁性模様シート１をマグネット２上に接触又
は非接触で配置する。磁性模様シート１には、たとえば
図１（ｂ）に示すパターンで磁性模様３が付けられたも
のを使用する。被塗装材である非磁性金属板７には、磁
性粒子を分散させた塗料を塗布することによって塗膜５
が形成されている。磁性模様シート１を非磁性金属板７
の背面側に配置すると、空気層で磁力が伝達され、磁性
模様シート１で磁力が減衰する。この磁力分布に応じ
て、図２（ｃ）に示すような所定の模様が非磁性金属板
７に付けられる。この場合、磁性シート１をマグネット
２と非接触で配置することが好ましい。磁性シート１を
マグネット２に接触させると、磁性シート１による磁力
の減衰がなくなり、非磁性材料７の全体に磁力が作用
し、鮮明な模様が得られ難い。
【０００７】模様が発現した塗膜５を焼付け硬化すると
き、塗膜５に分散している磁性粒子は、磁力線６によっ
て移動又は配向されたままの状態で固定される。このよ
うにして、所定の模様が付けられた塗装金属板が製造さ
れる。磁力を利用した模様付けは、たとえば図３に示す
ように、既存のロールコータ等の塗装ラインに組み込ま
れる。磁性粒子を分散させた塗料８は、塗料パン９から
ピックアップロール１０で汲み上げられ、アプリケータ
ロール１１によりバックアップロール１２で支持されて
いる金属帯１３の表面に塗布される。ロールコータより
下流側の位置で、マグネットロール１４が金属帯１３の
背面に対向している。マグネットロール１４とサポート
ロール１５との間に、磁性模様シート１６が捲回されて
いる。マグネットロール１４の磁力を磁性模様シート１
６を介して金属帯１３に作用させることにより、磁性模
様シート１６の磁性模様に対応した模様が金属帯１３の
塗膜に付けられる。この方式によるとき、連続的に模様
を付けた塗装鋼板が製造される。
き、塗膜５に分散している磁性粒子は、磁力線６によっ
て移動又は配向されたままの状態で固定される。このよ
うにして、所定の模様が付けられた塗装金属板が製造さ
れる。磁力を利用した模様付けは、たとえば図３に示す
ように、既存のロールコータ等の塗装ラインに組み込ま
れる。磁性粒子を分散させた塗料８は、塗料パン９から
ピックアップロール１０で汲み上げられ、アプリケータ
ロール１１によりバックアップロール１２で支持されて
いる金属帯１３の表面に塗布される。ロールコータより
下流側の位置で、マグネットロール１４が金属帯１３の
背面に対向している。マグネットロール１４とサポート
ロール１５との間に、磁性模様シート１６が捲回されて
いる。マグネットロール１４の磁力を磁性模様シート１
６を介して金属帯１３に作用させることにより、磁性模
様シート１６の磁性模様に対応した模様が金属帯１３の
塗膜に付けられる。この方式によるとき、連続的に模様
を付けた塗装鋼板が製造される。
【０００８】磁性模様シート１としては、図４に示すよ
うに軟鋼板等に複数のパンチ部１７を開けたパンチング
メタル１８を使用することができる。パンチングメタル
１８を円筒状に成形し、図５に示すようにマグネットロ
ール１４に嵌挿させることもできる。本発明では、磁性
金属板又は非磁性金属板の何れをも使用できる。たとえ
ば、溶融Ｚｎめっき鋼板，電気Ｚｎめっき鋼板，アルミ
めっき鋼板等のめっき鋼板、冷延鋼板等の磁性金属板、
オーステナイトステンレス鋼板，アルミニウム板，アル
ミニウム合金板等の非磁性金属板等がある。オーステナ
イトステンレス鋼等の非磁性材料を塗装原板として使用
すると、比較的弱い地場でも模様発現性が高くなる。他
方、磁性材料を塗装原板とするとき、比較的強い磁場を
作用させる。磁性粉末を分散させる塗料としては、種類
に制約を受けるものでないが、たとえばアクリル樹脂，
エポキシ樹脂，フェノール樹脂，ポリエステル樹脂，ビ
ニル樹脂，フッ素樹脂等が使用される。
うに軟鋼板等に複数のパンチ部１７を開けたパンチング
メタル１８を使用することができる。パンチングメタル
１８を円筒状に成形し、図５に示すようにマグネットロ
ール１４に嵌挿させることもできる。本発明では、磁性
金属板又は非磁性金属板の何れをも使用できる。たとえ
ば、溶融Ｚｎめっき鋼板，電気Ｚｎめっき鋼板，アルミ
めっき鋼板等のめっき鋼板、冷延鋼板等の磁性金属板、
オーステナイトステンレス鋼板，アルミニウム板，アル
ミニウム合金板等の非磁性金属板等がある。オーステナ
イトステンレス鋼等の非磁性材料を塗装原板として使用
すると、比較的弱い地場でも模様発現性が高くなる。他
方、磁性材料を塗装原板とするとき、比較的強い磁場を
作用させる。磁性粉末を分散させる塗料としては、種類
に制約を受けるものでないが、たとえばアクリル樹脂，
エポキシ樹脂，フェノール樹脂，ポリエステル樹脂，ビ
ニル樹脂，フッ素樹脂等が使用される。
【０００９】塗料に分散させる磁性粒子としては、たと
えばＮｉめっき，Ｃｒめっき，Ｆｅ2 Ｏ3 コーティング
等を施したマイカ粉が使用される。また、フェライト系
ステンレス鋼の粉末やベンガラ，フェライト等を、磁性
粒子として使用することも可能である。磁性粒子は、通
常塗料用として使用されている直径が１００μｍ以下で
厚みが数μｍのフレークが好ましい。磁性粒子は、過剰
に塗料に添加すると塗膜性能に悪影響を与えるので、樹
脂１００重量部に対して１〜５０重量部の割合で添加す
ることが好ましい。磁性粒子を含む塗料は、乾燥塗膜厚
が５〜３０μｍとなるように金属板に塗布される。被塗
装金属板１の表面には、同種又は異種の塗膜を多層に形
成することができる。たとえば、磁性粒子を分散させた
塗料を通常の磁性粒子を含まない塗料と併用し、磁性粒
子を分散させた塗料で少なくとも１層以上の塗膜を形成
する。このとき、下層の塗膜が乾燥する前に、上層の塗
膜となる塗料を塗布することが好ましい。
えばＮｉめっき，Ｃｒめっき，Ｆｅ2 Ｏ3 コーティング
等を施したマイカ粉が使用される。また、フェライト系
ステンレス鋼の粉末やベンガラ，フェライト等を、磁性
粒子として使用することも可能である。磁性粒子は、通
常塗料用として使用されている直径が１００μｍ以下で
厚みが数μｍのフレークが好ましい。磁性粒子は、過剰
に塗料に添加すると塗膜性能に悪影響を与えるので、樹
脂１００重量部に対して１〜５０重量部の割合で添加す
ることが好ましい。磁性粒子を含む塗料は、乾燥塗膜厚
が５〜３０μｍとなるように金属板に塗布される。被塗
装金属板１の表面には、同種又は異種の塗膜を多層に形
成することができる。たとえば、磁性粒子を分散させた
塗料を通常の磁性粒子を含まない塗料と併用し、磁性粒
子を分散させた塗料で少なくとも１層以上の塗膜を形成
する。このとき、下層の塗膜が乾燥する前に、上層の塗
膜となる塗料を塗布することが好ましい。
【００１０】磁性粒子を含む塗料を被塗装金属板４，７
に塗布したままの状態では、磁性粒子は、塗膜内で安定
した状態を維持する。依然として流動状態にある塗膜に
磁場を作用させると、磁性粒子は、磁場方向に関して平
行になるように移動又は配向する。このとき、塗装後の
安定状態と磁場安定状態との差が大きいほど、磁場によ
って付与された磁性模様の鮮映度が向上する。たとえ
ば、Ｆｅ，Ｎｉ，Ｃｏ等の磁性コーティングを施した鱗
片状マイカは、塗装したままでは被塗装金属板４，７の
表面に対して鱗片がほぼ平行になった安定状態をとる
が、磁場を作用させると磁力線に沿って鱗片が傾斜す
る。なかには、磁力線に沿って塗膜中を移動する鱗片も
ある。
に塗布したままの状態では、磁性粒子は、塗膜内で安定
した状態を維持する。依然として流動状態にある塗膜に
磁場を作用させると、磁性粒子は、磁場方向に関して平
行になるように移動又は配向する。このとき、塗装後の
安定状態と磁場安定状態との差が大きいほど、磁場によ
って付与された磁性模様の鮮映度が向上する。たとえ
ば、Ｆｅ，Ｎｉ，Ｃｏ等の磁性コーティングを施した鱗
片状マイカは、塗装したままでは被塗装金属板４，７の
表面に対して鱗片がほぼ平行になった安定状態をとる
が、磁場を作用させると磁力線に沿って鱗片が傾斜す
る。なかには、磁力線に沿って塗膜中を移動する鱗片も
ある。
【００１１】模様は、被塗装金属板４，７の磁性或いは
非磁性に拘らず、作用させる磁場の強さを調整すること
により形成できる。たとえば、塗装金属板４，７に塗布
した塗料が流動性を維持している段階で、塗膜に接近し
た位置又は裏面から５０〜１０００ガウスの磁場を０．
０１〜３０秒作用させることにより磁場に対応する模様
を発現させた後、塗膜を焼き付ける。磁場強度が５０ガ
ウスに満たないと、所定の磁性模様５が発現せず、また
発現したとしても鮮映度に劣る磁性模様となる。逆に１
０００ガウスを超える磁場強度では、磁性模様５の発現
性は良好であるものの、磁力による磁性粒子の凝集が促
進し、塗布ムラや磁性粒子の濃度変化が生じて均一な塗
膜面が得られ難くなる。磁場印加時間は、磁場の影響を
確保する上から０．０１〜３０秒の範囲が必要であり、
生産性を考慮するとき短いほうが好ましい。
非磁性に拘らず、作用させる磁場の強さを調整すること
により形成できる。たとえば、塗装金属板４，７に塗布
した塗料が流動性を維持している段階で、塗膜に接近し
た位置又は裏面から５０〜１０００ガウスの磁場を０．
０１〜３０秒作用させることにより磁場に対応する模様
を発現させた後、塗膜を焼き付ける。磁場強度が５０ガ
ウスに満たないと、所定の磁性模様５が発現せず、また
発現したとしても鮮映度に劣る磁性模様となる。逆に１
０００ガウスを超える磁場強度では、磁性模様５の発現
性は良好であるものの、磁力による磁性粒子の凝集が促
進し、塗布ムラや磁性粒子の濃度変化が生じて均一な塗
膜面が得られ難くなる。磁場印加時間は、磁場の影響を
確保する上から０．０１〜３０秒の範囲が必要であり、
生産性を考慮するとき短いほうが好ましい。
【００１２】
【作用】本発明は、磁性粒子が磁力線に沿って配向する
性質を利用し、磁性模様シート１で制御した磁力分布に
応じて塗膜５中の磁性粒子を移動又は配向させる。その
結果、磁性模様シート１の模様３に対応した模様が塗膜
５に発現する。この状態の塗膜５を焼付け硬化すると、
磁性粒子の移動又は配向状態が固定され、独特な深みの
ある模様が塗装金属板に付けられる。このように磁性模
様が付けられた塗膜面は、磁性粒子の配向状態，塗膜内
での不均一分布，微細な凹凸等に起因した偏光，干渉作
用があり、深みのある表面状態を呈する。また、微細な
凹凸があり、従来にない意匠性及び識別性に優れた塗装
金属板が得られる。
性質を利用し、磁性模様シート１で制御した磁力分布に
応じて塗膜５中の磁性粒子を移動又は配向させる。その
結果、磁性模様シート１の模様３に対応した模様が塗膜
５に発現する。この状態の塗膜５を焼付け硬化すると、
磁性粒子の移動又は配向状態が固定され、独特な深みの
ある模様が塗装金属板に付けられる。このように磁性模
様が付けられた塗膜面は、磁性粒子の配向状態，塗膜内
での不均一分布，微細な凹凸等に起因した偏光，干渉作
用があり、深みのある表面状態を呈する。また、微細な
凹凸があり、従来にない意匠性及び識別性に優れた塗装
金属板が得られる。
【００１３】
実施例１：直径１〜３２μｍ（平均粒径１２μｍ）の鱗
片状雲母及び直径２０〜９６μｍ（平均粒径５０μｍ）
の鱗片状に、蒸着法で平均厚み０．０１〜０．１μｍの
Ｎｉコーティングを施すことにより、磁性粒子を用意し
た。この磁性粒子１５重量部を高分子ポリエステル系樹
脂１００重量部に添加し、混練後、溶剤で希釈し、粘度
がＮo.４フォードカップで１２０秒（２５℃）の塗料を
調製した。磁性模様ブロック１として直径１２ｍｍ及び
厚み５ｍｍのニッケルディスクを使用し、磁力４００ガ
ウスのマグネット２に載置した。クロメート処理した板
厚０．５ｍｍの溶融Ｚｎめっき鋼板を磁性金属板４とし
て使用し、乾燥塗膜厚が１５μｍとなるように塗料を金
属板４に塗布した。そして、磁性模様ブロック１を介し
マグネット２の磁力を作用させた。模様を発現させた
後、塗膜を焼き付けたところ、磁性模様ブロック１と同
じ模様（図１ｃ）をもつ塗装金属板が得られた。
片状雲母及び直径２０〜９６μｍ（平均粒径５０μｍ）
の鱗片状に、蒸着法で平均厚み０．０１〜０．１μｍの
Ｎｉコーティングを施すことにより、磁性粒子を用意し
た。この磁性粒子１５重量部を高分子ポリエステル系樹
脂１００重量部に添加し、混練後、溶剤で希釈し、粘度
がＮo.４フォードカップで１２０秒（２５℃）の塗料を
調製した。磁性模様ブロック１として直径１２ｍｍ及び
厚み５ｍｍのニッケルディスクを使用し、磁力４００ガ
ウスのマグネット２に載置した。クロメート処理した板
厚０．５ｍｍの溶融Ｚｎめっき鋼板を磁性金属板４とし
て使用し、乾燥塗膜厚が１５μｍとなるように塗料を金
属板４に塗布した。そして、磁性模様ブロック１を介し
マグネット２の磁力を作用させた。模様を発現させた
後、塗膜を焼き付けたところ、磁性模様ブロック１と同
じ模様（図１ｃ）をもつ塗装金属板が得られた。
【００１４】実施例２：クロメート処理した板厚０．５
ｍｍのオーステナイト系ステンレス鋼ＳＵＳ３０４を非
磁性金属板７として使用した。実施例１と同じ塗料を、
乾燥塗膜厚が２０μｍとなるように金属板７に塗布し
た。塗膜が流動性を維持したいるうちに、パンチングメ
タル１８を介して塗膜背面から２００ガウスの磁力をマ
グネット２により作用させた。その結果、パンチングメ
タル１８と同様な模様（図２ｃ）を持った塗装金属板が
得られた。 実施例３：板厚０．５ｍｍのパンチングメタル１８を、
図３のマグネットロール１４とサポートロール１５に渡
した磁性模様シート１６として使用した。実施例１と同
じ塗料をロールコータで金属帯１３の表面に塗布した
後、金属帯１３の背面から４００ガウスの磁力をマグネ
ットロール１４により作用させた。その結果、パンチン
グメタル１８と同様な模様（図２ｃ）を持った塗装金属
板が得られた。
ｍｍのオーステナイト系ステンレス鋼ＳＵＳ３０４を非
磁性金属板７として使用した。実施例１と同じ塗料を、
乾燥塗膜厚が２０μｍとなるように金属板７に塗布し
た。塗膜が流動性を維持したいるうちに、パンチングメ
タル１８を介して塗膜背面から２００ガウスの磁力をマ
グネット２により作用させた。その結果、パンチングメ
タル１８と同様な模様（図２ｃ）を持った塗装金属板が
得られた。 実施例３：板厚０．５ｍｍのパンチングメタル１８を、
図３のマグネットロール１４とサポートロール１５に渡
した磁性模様シート１６として使用した。実施例１と同
じ塗料をロールコータで金属帯１３の表面に塗布した
後、金属帯１３の背面から４００ガウスの磁力をマグネ
ットロール１４により作用させた。その結果、パンチン
グメタル１８と同様な模様（図２ｃ）を持った塗装金属
板が得られた。
【００１５】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、磁性粒子を分散させた塗料を金属板に塗布し、磁性
模様シートで分布が制御された磁力を作用させることに
より、磁力分布に対応した模様を塗装金属板に付けてい
る。形成された塗膜は、密着性，経時変化等に関しては
従来の着色亜鉛鉄板と変わるものではなく、磁力線に沿
って配向又は移動した磁性粒子がそのままの状態で塗膜
中に固定されることから偏光，干渉作用のある塗膜面と
なり、意匠性及び識別性に優れた塗装鋼板が得られる。
このようにして得られた塗装鋼板は、深み感に富む模様
が付けられており、内装材，外装材，表層材等として各
種分野に使用される。
は、磁性粒子を分散させた塗料を金属板に塗布し、磁性
模様シートで分布が制御された磁力を作用させることに
より、磁力分布に対応した模様を塗装金属板に付けてい
る。形成された塗膜は、密着性，経時変化等に関しては
従来の着色亜鉛鉄板と変わるものではなく、磁力線に沿
って配向又は移動した磁性粒子がそのままの状態で塗膜
中に固定されることから偏光，干渉作用のある塗膜面と
なり、意匠性及び識別性に優れた塗装鋼板が得られる。
このようにして得られた塗装鋼板は、深み感に富む模様
が付けられており、内装材，外装材，表層材等として各
種分野に使用される。
【図１】 磁性金属板に模様を付けている状態（ａ），
使用した磁性模様シート（ｂ）及び発現した模様（ｃ）
を示す。
使用した磁性模様シート（ｂ）及び発現した模様（ｃ）
を示す。
【図２】 非磁性金属板に模様を付けている状態
（ａ），使用した磁性模様シート（ｂ）及び発現した模
様（ｃ）を示す。
（ａ），使用した磁性模様シート（ｂ）及び発現した模
様（ｃ）を示す。
【図３】 ロールコータの下流側に配置した磁性模様付
与機構
与機構
【図４】 パンチングメタルでできた磁性模様シート
【図５】 磁性も様シートを装着したマグネットロール
１：磁性模様シート又は磁性模様ブロック ２：マグ
ネット ３：磁性模様シート又は磁性模様ブロックの
模様 ４：磁性金属板（被塗装材） ５：塗膜
６：磁力線 ７：非磁性金属板（被塗装材） ８塗
料 ９：塗料パン １０：ピックアップロール
１１：アプリケータロール １２：バックアップロー
ル １３：金属帯 １４：マグネットロール １
５：サポートロール １６：磁性模様シート １
７：パンチ部 １８：パンチングメタル
ネット ３：磁性模様シート又は磁性模様ブロックの
模様 ４：磁性金属板（被塗装材） ５：塗膜
６：磁力線 ７：非磁性金属板（被塗装材） ８塗
料 ９：塗料パン １０：ピックアップロール
１１：アプリケータロール １２：バックアップロー
ル １３：金属帯 １４：マグネットロール １
５：サポートロール １６：磁性模様シート １
７：パンチ部 １８：パンチングメタル
Claims (4)
- 【請求項１】 磁性粒子を分散させた塗料を金属板又は
金属帯に塗布し、塗膜が流動性を保持しているうちに、
マグネットからの磁力を磁性模様シート又は磁性模様ブ
ロックで分布制御して作用させ、塗料に分散している磁
性粒子を磁力分布に応じて移動又は配向させ、磁性粒子
が磁場安定状態にある塗膜を焼付け硬化する模様付き塗
装金属板の製造方法。 - 【請求項２】 打抜き加工により磁性材料に複数の孔部
を所定パターンで形成したパンチングメタルを請求項１
記載の磁性模様シートとして使用する模様付き塗装金属
板の製造方法。 - 【請求項３】 磁性粉末を所定パターンで印刷した非磁
性シートを請求項１記載の磁性模様シートとして使用す
る模様付き塗装金属板の製造方法。 - 【請求項４】 磁性材料の小ブロックを所定パターンで
配置した磁性材料の小ブロックを請求項１記載の磁性模
様ブロックとして使用する模様付き塗装金属板の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7826195A JPH08243483A (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7826195A JPH08243483A (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08243483A true JPH08243483A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=13657050
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7826195A Withdrawn JPH08243483A (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | 模様付き塗装金属板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08243483A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1452242A2 (en) * | 1997-09-08 | 2004-09-01 | E.I. du Pont de Nemours and Company | Patterned release finish |
| KR101300030B1 (ko) * | 2005-04-06 | 2013-08-29 | 제이디에스 유니페이즈 코포레이션 | 인쇄가능한 프레스넬 구조를 포함하는 성형된 자기장에인쇄된 동적 외관 변화 광학 장치 |
-
1995
- 1995-03-09 JP JP7826195A patent/JPH08243483A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1452242A2 (en) * | 1997-09-08 | 2004-09-01 | E.I. du Pont de Nemours and Company | Patterned release finish |
| EP1452242A3 (en) * | 1997-09-08 | 2006-01-18 | E.I. du Pont de Nemours and Company | Patterned release finish |
| KR101300030B1 (ko) * | 2005-04-06 | 2013-08-29 | 제이디에스 유니페이즈 코포레이션 | 인쇄가능한 프레스넬 구조를 포함하는 성형된 자기장에인쇄된 동적 외관 변화 광학 장치 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020604 |