JP2007054820A - 意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来にない、新規な色調を実現する意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体を提供する。
【解決手段】意匠性を有する媒体を形成する意匠性媒体形成方法であって、質量磁化率が10-63/kg以下の磁気異方性を有する顔料を樹脂に分散させた塗料を基材に塗布して塗工層を設けた媒体に0.3テスラ以上の磁場をかけ、磁場をかけたまま、又は、磁場をかけて顔料を配向させた後に、塗料を硬化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材に顔料を含む塗料を塗布し、磁場における顔料の配向によって意匠性を有する意匠性媒体を形成する意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体に関する。
従来、基材に顔料を含む塗料を塗布して意匠性を有する意匠性媒体を形成する方法として、下塗り及び/又は中塗り塗膜を直接着磁して磁化させて磁石を形成することにより、被塗物の材料や形状等に左右されることなく、様々な模様を塗膜上に現出させることができる「模様塗膜形成方法」(例えば、特許文献1参照)、塗膜に分散している磁性粉末を磁力によって配向・移動させることにより、意匠性及び識別性に優れた模様を付けることができる「模様付き塗装金属板の製造方法」(例えば、特許文献2参照)、入射光を分散させて出射する光分散層の光出射側に、磁性を有する光輝性顔料を地場印加により配向させて含有する樹脂層を設けることにより、観察方向によって異なる模様を表すことができる「意匠性フィルム」(例えば、特許文献3参照)、等が開示されている。
特開平6−114332号公報 特開平8−38992号公報 特開平9−94529号公報
上述した従来技術では、強磁性を持つ光輝性顔料を用いることにより顔料の配向を制御している。この強磁性を持つ光輝性顔料は、鱗片状、針状の強磁性材料単独や、それらに二酸化チタンや酸化鉄を被覆したもの、マイカ・シリカ・アルミナなどに酸化鉄やニッケル(Ni)等の強磁性体を被覆したものが挙げられる。しかしながら、これらのいずれも強磁性体全般に適用できるものではないので、従来技術の方法は限定的であり、輝度の変化のみしか実現されず、バリエーションに富んだ意匠性の実現は困難であった。
一方、従来の磁場配向方法では、マイカ・シリカ・アルミナなどの非強磁性体材料を主成分とし、質量磁化率が10-63/kg(SI unit)以下となる光輝性顔料を使用した場合、顔料を動かすことができなかったため、非強磁性光輝性顔料(非強磁性パール顔料)を配向させた媒体はなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、非強磁性光輝性顔料の配向制御を行うことにより、従来にない色調を実現できる意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、意匠性を有する媒体を形成する意匠性媒体形成方法であって、質量磁化率が10-63/kg以下の磁気異方性を有する顔料を樹脂に分散させた塗料を基材に塗工し、塗工層を設けた媒体に0.3テスラ以上の磁場をかけ、磁場をかけたまま、又は、磁場をかけて顔料を配向させた後に、塗料を硬化させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、磁気異方性を有する顔料が光輝性顔料であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、媒体の塗工層にほぼ直線状の磁力線が通るように磁場をかけて顔料を配向させたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、媒体の塗工層に曲線状の磁力線が通るように磁場をかけて顔料を配向させたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、塗料として、無溶媒系の樹脂を用いたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、基材として、光を透過する透明基材を用いたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の意匠性媒体形成方法で形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、非強磁性光輝性顔料の配向制御を行うことにより、従来にない新しい色調の意匠性媒体を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。
本実施形態の意匠性媒体形成方法は、質量磁化率が10-63/kg以下の磁気異方性を有する顔料を樹脂に分散させた塗料を基材に塗布(塗工)して塗工層を設けた媒体に0.3テスラ以上の磁場をかけ、磁場をかけたまま、又は、磁場をかけて顔料を配向させた後に、塗料を硬化させる。
本実施形態の意匠性媒体形成方法は、上記構成に加え、磁気異方性を有する顔料が光輝性顔料である。
本実施形態の意匠性媒体形成方法は、上記構成に加え、媒体の塗工層にほぼ直線状の磁力線が通るように磁場をかけて顔料を配向させる。
本実施形態の意匠性媒体形成方法は、上記構成に加え、媒体の塗工層に曲線状の磁力線が通るように磁場をかけて顔料を配向させる。
本実施形態の意匠性媒体形成方法は、上記構成に加え、塗料として、無溶媒系の樹脂を用いる。
本実施形態の意匠性媒体形成方法は、上記構成に加え、基材として、光を透過する透明基材を用いる。
よって、本実施形態の意匠性媒体形成方法によれば、従来にない、新規な色調の意匠性媒体を形成することができる。
〔第1の実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1(a)は本発明の一実施形態に係る媒体の側面を模式的に示す図であり、図1(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係る意匠性媒体形成方法を適用した装置の概念図である。また、図2(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る媒体の顔料の配向状態を模式的に示す側断面図である。
媒体5は、図1(a)に示すように、基材(例えば、樹脂、紙、セラミック等の非磁性体)5bの一方の面に対し、塗料を塗布して塗膜5aが形成された媒体である。この塗料は、マイカ・シリカ・アルミナなどの反磁性体材料を主成分とする光輝性顔料を無溶媒低粘度硬化型樹脂に均一に分散させた塗料であり、反磁性光輝性顔料は、質量磁化率が10-63/kg以下の磁化率と磁気異方性を有する。質量磁化率が10-63/kg以下のものとしては、常磁性体や反磁性体がある。また、光輝性顔料であることによって、高い意匠性媒体を得ることができる。
上記光輝性顔料に含まれる反磁性体材料は、鉄やニッケルなどの強磁性体材料に比べ磁化率が非常に小さいものではあるが、その物質の結晶構造が非対称である場合、結晶軸の方位により磁化率に僅かな差が生じる。これを結晶磁気異方性と呼び、強磁場に置くと磁化率の大きな結晶軸方位が磁場方向と平行になるように結晶が回転・配向する。
また、溶媒を用いると、溶媒が蒸発する時に塗料の体積が減るため、直立した顔料が倒れてしまう場合がある。これを防止するために無溶媒系の樹脂を用いることが好ましい。さらには、無溶媒低粘度硬化型樹脂を使用するのが望ましく、例えば、紫外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂の中で粘度の低いものが鱗片状光輝性顔料を配向させやすいため好ましい。
図1(b)及び(c)において、1、2は電磁石のヨークを示している。これらのヨーク1,2はコの字(もしくはCの字)形状に形成された一個のヨークの一部であり、図示しない部分にコイルが巻き付けられている。ヨーク1、2間には一部の磁力線3a、3b、3c、…、3lが形成されている。電磁石の磁場の強さは、0.3T(Tはテスラ)以上である。
図1(a)に示す媒体5において、磁場印加前の顔料の配向状態は、図2(a)に示すようにほぼ水平となっている。この状態においては、媒体表面からの入射光を当てると、0°〜150°の範囲で媒体表面に干渉色、光沢が発現する。本実施形態では、図1(b)に示すように、媒体5を、磁力線3a〜3lのうちほぼ直線状の磁力線3gに対して水平に配置する(横磁場、水平磁場)。又は、図1(c)に示すように、媒体5を、磁力線3a〜3iの磁力線に対して垂直に配置する(縦磁場、垂直磁場)。
異方性磁化率が正の値であるか負の値であるかにかかわらず、顔料が楕円形、鱗片状であれば、図2(a)に示すように、顔料の長軸は基材に対してほぼ水平に並ぶ(エネルギー的に安定なため)。顔料の異方性磁化率が負(−)の値の場合、媒体を水平磁場で印加することによって、図2(b)に示すように、塗膜5a中の顔料成分14は、元々の水平状態から垂直状態に配向が変化する。よって、顔料を配向させたい角度に直交した磁力線の中に媒体を配置することによって、顔料の配向制御が可能となる。また、顔料の異方性磁化率が正(+)の値の場合、媒体を垂直磁場で印加することによって、図2(b)に示すように、塗膜5a中の顔料成分14は、元々の水平状態から垂直状態に配向が変化する。また、水平状態に顔料を配向させたい場合は、図2(c)に示すように図2(a)よりも均一に並べることが可能となる。よって、顔料を配向させたい角度に沿った磁力線の中に媒体を配置することによって、顔料の配向制御が可能となる。
このように、直線上の磁力線の中に媒体を配置させることによって、磁気異方性を有する顔料が均一に配向するため、鱗片状光輝性顔料を基材に対して垂直に配向させた場合は、通常得られる色調とは大きく異なる色調の意匠性媒体を得ることができる。また、鱗片状光輝性顔料を基材に対して水平に配向させた場合は、通常塗布しただけの磁気異方性を有する顔料の配向に比べ、より均一に顔料が並ぶため、より鮮やかな色調の意匠性媒体を得ることができる。
なお、本実施形態では、媒体5をほぼ直線状の磁力線の中に配置したが、図1(b)及び(c)において、曲線状の磁力線の中(例えば3a〜3c部分)に配置してもよい。これにより、鱗片状光輝性顔料は磁力線に沿って配向され、媒体の部分によって鱗片状光輝性顔料の配向が異なるため、媒体の表面において、媒体を傾けた際の光の反射の仕方が部分によって異なり、従来にない色調変化を得ることできる。よって、例えば図2(d)に示すような顔料の配向も可能となり、媒体の表面からの光だけでなく媒体の横からの光(入射光L)も反射することができ、媒体の表面において、媒体の横からの光の反射による色調変化も得ることできる。
以上のことから、本発明の第1の実施形態と上記特許文献1〜3との違いについて以下に述べる。
特許文献1では、使用する粒子として5〜100emu/gと明示しており、明らかに強磁性体であるといえる。
特許文献2では、Ni、Co、Feを含む金属又は合金でコーティングされた磁性粉末とあり、磁場としては100〜3000ガウス(0.01T〜0.3T)を使用するが、本実施形態で使用する質量磁化率が10-63/kg以下の鱗片状光輝性顔料は、0.3T以上、好ましくは1T以上の強磁場を使用することで配向する。
特許文献3では、使用する光輝性顔料は、単体の材料としてγ−Fe2O3、Fe3O4、Ni箔など、非磁性体にコーティングする材料としてCo、Ni、Fe3O4など、いずれも強磁性体であり、顔料の質量磁化率として10-63/kgを大きく超える。
本実施形態の磁場の強度は、0.3T以上、好ましくは1T以上であるが、特許文献1〜3に記載されている強磁性体の顔料を含む塗液を0.3T以上の強磁場に近づけると、顔料が磁場に吸い寄せられ均一な塗膜が得られない。
以下、上述した第1の実施形態の意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体の実施例及び比較例について説明する。なお、以下の実施例1〜4及び比較例1〜4で使用したパール顔料(Merck製)は、いずれも−の異方性磁化率を有するものである。
実施例1では、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Color Code)を10重量部添加した塗料を用いてPETフィルム上に塗膜を形成し、5Tの水平磁場(横磁場)中に5分間静置し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
実施例2では、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Color Code)を10重量部添加した塗料を用いてPETフィルム上に塗膜を形成し、5Tの垂直磁場(縦磁場)中に5分間静置し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
実施例3では、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Xillaric T60-21)を10重量部添加した塗料を用いてPETフィルム上に塗膜を形成し、5Tの水平磁場(横磁場)中に5分間静置し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
実施例4では、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Xillaric T60-21)を10重量部添加した塗料を用いてPETフィルム上に塗膜を形成し、5Tの垂直磁場(縦磁場)中に5分間静置し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
〈比較例1〉
比較例1は、実施例1及び2の比較例であり、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Color Code)を10重量部添加した塗料を用いてPETフィルム上に塗膜を形成し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
〈比較例2〉
比較例2は、実施例3及び4の比較例であり、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Xillaric T60-21)を10重量部添加した塗料を用いてPETフィルム上に塗膜を形成し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
〈比較例3〉
比較例3は、実施例1及び2の比較例であり、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Color Code)を10重量部添加した塗料を用いてPETフィルム上に塗膜を形成し、0.05T(500ガウス)の水平磁場(横磁場)中に5分間静置し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
〈比較例4〉
比較例4は、実施例3及び4の比較例であり、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Xillaric T60-21)を10重量部添加した塗料を用いてPETフィルム上に塗膜を形成し、0.05T(500ガウス)の水平磁場(横磁場)中に5分間静置し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
上記実施例1〜4及び比較例1〜4で形成した媒体の評価結果を図3に示す。
実施例1の媒体は、比較例1の媒体と比べると、顔料が垂直に配向され(図2(b)参照)、色調が淡い水色〜淡い赤色となった。実施例2の媒体は、比較例1と比べ、変化はなかった。
実施例3の媒体は、比較例2の媒体と比べると、顔料が垂直に配向され(図2(b)参照)、色調が淡い赤色となった。実施例4の媒体は、比較例2と比べ、変化はなかった。
また、比較例3の媒体は、顔料の配向に変化は見られず、ほぼ水平に配向された状態であり(図2(a)参照)、色調は水色〜赤色のままであった。
比較例4の媒体も、顔料の配向に変化は見られず、ほぼ水平に配向された状態であり(図2(a)参照)、色調は赤色のままであった。
よって、上記実施例1〜4及び比較例1〜4によれば、異方性磁化率が−の値の顔料(Color Code及びXillaric T60-21)は元々水平に配向されているので、実施例1及び3のように水平磁場に配置し、磁場印加することによって、顔料の配向状態を垂直に制御することができる。また、形成された媒体は元々の色調とは違った色調になる。また、0.05Tの弱い磁場では顔料の配向に変化は起きない。
本発明に適用できる顔料として、上記実施例1〜4においてColor Code及びXillaric T60-21を用いたが、その他の顔料の例を図4に示す。
上記Color Code及びXillaric T60-21と同様に、異方性磁化率が−の顔料としてIridodin302(Merck製)が挙げられる。この顔料を用いて上記実施例と同じ方法で媒体を形成したところ、磁場無しの形成又は垂直磁場での形成では金色の色調であったが、水平磁場での形成では黄土色の色調となった。
また、異方性磁化率が+の顔料として、Xillaric T60-23(Merck製)、SECURE SHIFT(Flex Product製)やInfinite R-08(資生堂製)が挙げられる。これらの顔料を用いて上記実施例と同じ方法で媒体をそれぞれ形成したところ、磁場無しの形成と水平磁場での形成とでは同じ色調であったが、垂直磁場での形成では違った色調となった。すなわち、Xillaric T60-23では、元々の青色の色調から淡い青色の色調に変化し、SECURE SHIFTでは、元々のローズ〜緑の色調から黒のみの色調に変化し、Infinite R-08では、元々の小豆色〜青紫色の色調から小豆色のみの色調に変化した。
なお、図4において、マイカ(Mica)に強磁性体(Fe2O3)を被覆した顔料(Iriodin302、Iriodin524、Infinite R-08)は、赤銅色を得ることを目的としてごく弱い強磁性を持つα−Fe2O3を被覆したものであり、顔料としての質量磁化率は10-63/kg以下である(従来の磁場配向技術では強磁性体としてγ−Fe2O3、Fe3O4を使用していたが、これは磁化率を高めるためであり、磁化率の低いα−Fe2O3は従来使用されていなかった)。一方、図4において、反磁性体だけで組成された顔料(SECURE SHIFT、Color Code)は、1T以上の磁場が必要である。
〔第2の実施形態〕
以上、本発明の第1の実施形態について説明したが、第1の実施形態では、光を透過しない基材を用いて意匠性媒体を形成した。よって、第1の実施形態の意匠性媒体では、媒体の表面及び横から入射する光を反射して色調が変化するが、媒体の裏面から入射する光は基材で遮断されてしまう。以下、本発明の第2の実施形態として、媒体の裏面からの入射光を反射することが可能な意匠性媒体について説明する。
第2の実施形態の意匠性媒体の基本構成は上記第1の実施形態と同様であるが、基材として、透明基材を用いる点が異なる。本実施形態の意匠性媒体は、図5に示すように、光を透過する透明基材(例えば、プラスチック、フィルム、ガラス等)5cの一方の面に対し、塗料を塗布して塗膜5aが形成された媒体である。この塗料は、マイカ・シリカ・アルミナなどの反磁性体材料を主成分とする光輝性顔料を無溶媒低粘度硬化型樹脂(紫外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂の中で粘度の低いもの)に均一に分散させた塗料であり、反磁性光輝性顔料は、質量磁化率が10-63/kg以下の磁化率と磁気異方性を有する。
磁場印加の方法は第1の実施形態の方法と同様である。すなわち、透明基材5cを用いて形成した意匠性媒体を図1(b)又は図1(c)の磁場の所定の位置に配置し、0.3T以上の磁場を印加する。これにより、鱗片状光輝性顔料は、例えば図2(b)〜(d)のように配向される。
例えば、顔料が図2(b)に示す配向となった場合、図5に示すように、媒体の裏面から入射する入射光Lは、透明基材5cを透過し、鱗片状光輝性顔料14に当たって反射する(なお、媒体の表面からの入射光は媒体を透過する)。よって、本実施形態の意匠性媒体は、透明基材を用いて形成することにより、媒体の裏面からの入射光を反射することができ、従来にはない色調変化を得ることができる。
以下、上述した第2の実施形態の意匠性媒体形成方法及び意匠性媒体の実施例及び比較例について説明する。なお、以下の実施例5及び比較例5で使用したパール顔料(Merck製、Iriodin302)は、−の異方性磁化率を有するものであり、図4に示すように、元々は金色であり、光を当てると黄土色の光輝性を示す顔料である。
実施例5では、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Iriodin302)を10重量部添加した塗料を用いて透明PETフィルム上に塗膜を形成し、5Tの水平磁場(横磁場)中に5分間静置し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
〈比較例5〉
比較例5は、実施例5の比較例であり、紫外線硬化型樹脂100重量部にパール顔料(Merck製、Iriodin302)を10重量部添加した塗料を用いて透明PETフィルム上に塗膜を形成し、その後紫外線照射して塗膜を硬化させ、媒体を形成した。
そして、実施例5の媒体及び比較例5の媒体において、表面及び裏面に対して光を当て、媒体を45°傾け、各媒体の表面の塗膜の様子を目視で観察した。観察結果を図6に示す。
図6に示すように、比較例5の媒体は、顔料が水平に配向された状態(図2(a)参照)であるので、表面から光を当てた場合には黄土色の光輝性が認められたが、裏面から光を当てた場合には元の金色のままであり、光輝性は認められなかった。一方、実施例5の媒体は、顔料が垂直に配向された状態(図2(b)及び図5参照)であるので、表面から光を当てた場合は元の金色のままであり、光輝性は認められなかったが、裏面から光を当てた場合は黄土色の光輝性が認められた。
よって、上記実施例5によれば、透明基材を用いて媒体を形成することにより媒体の裏面からの光を入射することができ、その入射光を垂直に配向された顔料が反射するので(図5参照)、媒体の表面にて干渉色、光沢を得ることができる。
本発明は、塗膜面に周囲と異なる微細な色調あるいは模様、図形、文字等のパターンの形成を行うことに利用が可能である。
(a)は本発明の一実施形態に係る媒体の側面を模式的に示す図であり、(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係る意匠性媒体形成方法を適用した装置の概念図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る顔料の磁場印加前における配向状態を模式的に示す側断面図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る顔料の水平磁場における配向状態を模式的に示す側断面図であり、(c)は、本発明の一実施形態に係る顔料の垂直磁場における配向状態を模式的に示す側断面図であり、(d)は、本発明の一実施形態に係る顔料の水平磁場の曲線部分における配向状態を模式的に示す側断面図である。 本発明の実施例1〜4及び比較例1〜4における色調の一覧を示す表である。 本発明の実施例における色調の一覧を示す表である。 本発明の一実施形態に係る顔料の水平磁場における配向状態を模式的に示す側断面図である。 本発明の実施例5及び比較例5における色調の一覧を示す表である。
符号の説明
1、2 ヨーク
3a〜3l 磁力線
5 媒体
5a 塗膜
5b 基材
5c 透明基材
14 顔料成分

Claims (7)

  1. 意匠性を有する媒体を形成する意匠性媒体形成方法であって、
    質量磁化率が10-63/kg以下の磁気異方性を有する顔料を樹脂に分散させた塗料を基材に塗工し、塗工層を設けた媒体に0.3テスラ以上の磁場をかけ、前記磁場をかけたまま、又は、前記磁場をかけて前記顔料を配向させた後に、前記塗料を硬化させることを特徴とする意匠性媒体形成方法。
  2. 前記磁気異方性を有する顔料が光輝性顔料であることを特徴とする請求項1記載の意匠性媒体形成方法。
  3. 前記媒体の塗工層にほぼ直線状の磁力線が通るように磁場をかけて前記顔料を配向させたことを特徴とする請求項1又は2記載の意匠性媒体形成方法。
  4. 前記媒体の塗工層に曲線状の磁力線が通るように磁場をかけて前記顔料を配向させたことを特徴とする請求項1又は2記載の意匠性媒体形成方法。
  5. 前記塗料として、無溶媒系の樹脂を用いたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の意匠性媒体形成方法。
  6. 前記基材として、光を透過する透明基材を用いたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の意匠性媒体形成方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の意匠性媒体形成方法で形成されたことを特徴とする意匠性媒体。
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