JPH08323947A - 模様塗膜付き化粧材及び該化粧材の製造方法 - Google Patents

模様塗膜付き化粧材及び該化粧材の製造方法

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JPH08323947A
JPH08323947A JP13483995A JP13483995A JPH08323947A JP H08323947 A JPH08323947 A JP H08323947A JP 13483995 A JP13483995 A JP 13483995A JP 13483995 A JP13483995 A JP 13483995A JP H08323947 A JPH08323947 A JP H08323947A
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pattern
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coated
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Katsuya Kusakari
勝也 草刈
Yukio Yamamoto
幸生 山本
Tomohiro Yoshioka
友浩 吉岡
Tomoo Hirooka
智生 廣岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に塗膜模様を形成できるとともに、従来
にない優れた意匠感を有する化粧材を提供する。 【構成】 被塗装物7の表面に絵柄8を形成し、次い
で、箔片又は短繊維からなる磁性顔料3を樹脂バインダ
ー中に分散させてなる透明な磁性塗料を用いて前記絵柄
8を隠蔽しない程度に塗布した後、塗布した磁性塗料が
流動状態にあるうちに前記絵柄8に同調させてパターン
状に磁場をかけ、前記磁性顔料3の長軸を磁性方向又は
それと直交する方向に配向させたまま、前記磁性塗料を
乾燥させて塗膜6を形成する。形成された塗膜模様は絵
柄8と対応した視覚的凹凸を有したものになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性塗料により模様塗
膜を形成した化粧材及び該化粧材の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、塗膜に模様を付する方法として、
粉末状磁性塗料を含有せしめた液状塗膜を被塗装物もし
くは着色塗膜の表面に形成し、当該塗膜が流動状態にあ
るうちに目的とする部分の磁性塗料に磁石を作用させる
ことによって模様を形成する方法が知られている(例え
ば、特開昭63−175670号公報参照)。この方法
によれば、塗膜内全体に均一に分散している粉末状磁性
材料のうち、磁力の作用を受けた部分の磁性材料のみの
配向が他の部分と異なることによって、磁石の形状、大
きさに合致した模様が現出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べた方
法は、被塗装物上に模様塗膜を簡単に形成できるという
利点を有しているが、被塗装物もしくは着色塗膜の上に
塗布した塗膜によってのみ模様を形成するため、表現で
きる模様に限界があることから、製造された塗膜模様付
き化粧材の用途が限られるという問題点があった。
【0004】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、簡単に塗
膜模様を形成できるとともに、従来にない優れた意匠感
を有する模様塗膜付き化粧材を提供し、併せて該化粧材
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る模様塗膜付き化粧材は、被塗装物の表
面に絵柄が形成され、さらにその上に箔片又は短繊維か
らなる磁性顔料を樹脂バインダー中に分散させてなる塗
膜が積層されており、該塗膜は前記絵柄を隠蔽しない程
度の透明度を有するとともに、前記箔片又は短繊維の長
軸が、視覚的に凹部に見せたい領域では塗膜に垂直な方
向に、視覚的に凸部に見せたい領域では塗膜に平行な方
向に配向されてなることを特徴とする。
【0006】また、本発明の模様付き化粧材の製造方法
は、被塗装物の表面に絵柄を形成し、次いで、箔片又は
短繊維からなる磁性顔料を樹脂バインダー中に分散させ
てなる透明な磁性塗料を用いて前記絵柄を隠蔽しない程
度に塗布した後、塗布した磁性塗料が流動状態にあるう
ちに前記絵柄に対応させてパターン状に磁場をかけ、前
記磁性顔料の長軸を視覚的に凹部に見せたい領域では塗
膜に垂直な方向に、また視覚的に凸部に見せたい領域で
は塗膜に水平な方向に配向させたまま、前記磁性塗料を
固化させて塗膜を形成することを特徴とする。
【0007】上記の被塗装物としては、磁力線が透過し
やすい非磁性体が望ましいが磁性体でも差し支えない。
具体的には純鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄又は鉄合
金を始めとして、アルミニウム、ガラス、セラミック、
プラスチック、ゴム、木材等の材料が挙げられる。また
その形状は板、シート、フィルム等である。また、これ
らの被塗装物は、必要に応じてその表面を化成処理した
り、下塗り塗装、中塗り塗装などを予め行っておいても
よい。
【0008】被塗装物の表面に形成する絵柄の形成方法
は、公知の手法を用いればよく、例えばグラビア、グラ
ビアオフセット、シルクスクリーン、凸版、等の印刷
法、或いは筆書き等である。また、インキのバインダー
及び顔料も公知のものを用いればよい。
【0009】上記の磁性塗料は、従来公知の透明な塗料
の樹脂バインダー中に、磁性を有する箔片又は短繊維か
らなる磁性顔料を分散させたものである。このような磁
性顔料としては、磁性体の箔片又は短繊維、磁性体でコ
ーティングされた樹脂やマイカ等の箔片又は短繊維、そ
の他磁力により配向することができる箔片又は短繊維を
使用することができる。磁性体としては強磁性体、常磁
性体、反磁性体のいずれでも良い。磁性体の材料として
は、例えば純鉄、炭素鋼、硅素鋼、KS鋼、パーマロ
イ、AlNiCo、α−酸化鉄、γ−酸化鉄、コバル
ト、ニッケル、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、アルミニウム、錫等がある。なお、視覚的凹
凸効果を良好にするためには、磁性顔料表面の光反射率
は高い方が好ましい。また、磁性顔料の光反射率を高め
る必要がある場合には、磁性顔料の表面にさらに光反射
性の高い白色或いは明度の高い有彩色(水色、桃色、黄
色、ベージュ色、淡緑色等)の着色剤(顔料等)の被膜
で覆うこともできる。
【0010】塗料の樹脂バインダーとしては、液状すな
わち流動状態で塗装された後、焼付けや乾燥等の適当な
手段で固化させて透明な塗膜を形成するものであれば、
通常の各種塗料のものが使用できる。なお「透明」の程
度としては、下の絵柄が目視できる程度であり、無色透
明又は着色透明のいずれでもよい。その材料としては、
例えばポリエステル、ポリウレタン、アクリル、メラミ
ン、エポキシ、ポリ塩化ビニル、繊維素系樹脂等が挙げ
られる。また塗料には、上記磁性顔料の他に、必要に応
じて硬化剤、硬化触媒、溶剤、体質顔料、安定剤、可塑
剤、その他通常の成分が含有される。
【0011】磁性塗料の塗布方法は、公知の塗装法、例
えば、ロールコート、グラビアロールコート、シルクス
クリーン印刷、コンマコート、ナイフコート、カーテン
フローコート、スプレーコート等を用いればよい。ま
た、磁性塗料の固化方法、即ち塗膜を非流動性で且つ十
分な表面硬度を持つ固体皮膜化させる方法としては、溶
剤乾燥、ゲル化、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化等の
公知の塗料の固化方法がある。これらの方法の中から、
塗料のバインダーの種類、必要な表面硬度に応じて適宜
選択すればよい。
【0012】磁性塗料中における磁性顔料の含有量は、
磁化作用を受けた時に明確な模様形状を現出できる程度
であればよく、通常は1〜30%程度の磁性顔料を含有
させておくのが好ましい。磁性顔料を適宜の量だけ分散
させた磁性塗料は、被塗装物へ塗装し、塗膜が流動状態
にあるうちに磁場を作用させた際に、磁性顔料の磁気双
極子モーメントと磁場との相互作用の偶力によって磁性
顔料が塗膜中で移動、回転し、磁気双極子モーメントが
磁力線方向に配向することによって模様を形成する。そ
して、箔片又は短繊維の長軸が塗膜と直交する領域で
は、塗膜表面が平坦であっても視覚的には凹んで見え、
該長軸が被塗装物と平行になっている領域では、視覚的
に凸出して見える。また、磁場のかかっていない領域で
はその中間の高さに見える。
【0013】磁場をかける場合、磁石を近接させるのは
被塗装物の表面からでも裏面からでもよい。また、磁力
線を加える磁石としては、永久磁石、電磁石のいずれで
もよい。そして、磁石の形、すなわち磁場のパターンを
種々の形状にすることにより種々の視覚的凹凸パターン
が得られる。この場合、被塗装物に形成した絵柄に対応
(位置的に関連付け)させて磁場をパターン状にかける
ことにより、絵柄と視覚的凹凸とを調和させ、両者が一
体となった視覚的な外観を形成することができる。なお
「対応」のさせ方としては、次のような場合が挙げられ
る。 絵柄の直上部が視覚的凹部又は凸部となるように、絵
柄と視覚的凹凸との位置を同調(位置合わせ、見当合わ
せ)させる。 絵柄の直上部ではないが、絵柄と一定の距離方向離れ
た位置に視覚的凹凸を形成する。例えば、タイルの目地
絵柄の両脇に視覚的凹凸を設ける(丁度、道路の両脇に
側溝を掘る如く)ことにより目地を強調する場合等であ
る。 絵柄と視覚的凹凸とはランダムな位置関係ではある
が、両者が視覚的には調和し、一体化するように配置す
る。例えば、絵柄が花崗岩の劈開面の場合、視覚的凹凸
も花崗岩の結晶粒と同程度の大きさ形状にしてランダム
分布させると、両者は違和感なく調和する。
【0014】磁力線方向(磁場ベクトルの方向)に対す
る磁性顔料の配向方向は、磁性顔料である箔片や短繊維
の有する磁気双極子モーメントの方向によって決まる。
そのことを以下に説明する。
【0015】図1及び図2は磁性顔料が箔片の場合の説
明図である。ここで、箔片1における一番面積の広い面
(表裏にある)を板面1a、また箔片1の最も寸法の長
い方向を長軸方向xと呼称することにする。なお、以下
登場する磁場〔H〕等の括弧で挟んだ記号はベクトル量
を表すものとする。
【0016】図1は箔片1の有する磁気双極子モーメン
ト〔m〕の方向が(a)に示す如く当該箔片1の長軸方
向xに一致(平行)する場合である。この箔片1が図1
(b)、(c)のように磁場〔H〕の中に存在する時、
そのN極とS極には各々逆方向に同じ大きさの力、すな
わち偶力F,−Fが働く。その結果、箔片1の磁気双極
子(N極とS極との磁極の対)には力のモーメントが生
じ、磁気双極子の方向を磁場〔H〕の方向に一致させよ
うとする力が働く。この力のモーメントは〔m〕と
〔H〕のベクトル外積で現わされ、その大きさは、
〔m〕及び〔H〕の大きさをそれぞれm及びHとし、
〔m〕と〔H〕とのなす角度をθ(0°≦θ≦90°)
とした時、|〔m〕×〔H〕|=mHsinθ、で表さ
れる。故に磁場〔H〕中においては、θ=0°の時、す
なわち(d)の如く磁気双極子モーメント〔m〕の方向
が磁場〔H〕の方向に配向した条件の時、力のモーメン
トは「0」となって安定した平衝状態となる。
【0017】したがって、図1(a)のように箔片1の
磁気双極子モーメント〔m〕の方向が長軸方向xと一致
する場合は、図1(d)のように箔片1の長軸方向xが
磁場〔H〕の方向に平行に配向した状態で安定する。ま
た、図2(a)のように磁気双極子モーメント〔m〕の
方向が箔片1の長軸方向xと直交(板面1aの法線方向
と平行)する場合は、図2(b)のように箔片1の長軸
方向xが磁場〔H〕と直交する方向に配向した状態で安
定した平衡状態となる。
【0018】以上は磁性顔料が箔片の場合であるが、図
3に示す短繊維の場合も同様である。すなわち、図3
(a)のように短繊維2の磁気双極子モーメント〔m〕
の方向と当該短繊維2の長軸方向xとが平行となる場
合、磁場〔H〕中では長軸方向xと磁場〔H〕とが平行
となる状態で平衡状態となる。また、図3(b)のよう
に短繊維2の磁気双極子モーメント〔m〕の方向が当該
短繊維2の長軸方向xと直交する場合、磁場〔H〕内で
は長軸方向xと磁場〔H〕とが直交する状態で平衡状態
となる。
【0019】そして、図1〜図3のような関係にのっと
って磁性顔料が磁力線に対応したパターンで配向した時
は、いずれの場合であるにせよ、図4に示す如く、観察
者の視線方向、すなわち塗膜6と垂直に磁性顔料3の長
軸方向が配向した領域では、磁性顔料3が入射光の多く
を吸収或いは乱反射し、観察者の視線方向に向かう光線
の量が少なくなって相対的に暗く見えること、及びそれ
に加えて、配向した磁性顔料の間隙から塗膜の底までよ
り明瞭に透視できることの両効果によって、周囲よりも
視覚的に凹んで見える。なお、図中7は被塗装物、8は
被塗装物7の表面に形成された絵柄である。
【0020】また、図5に示す如く、観察者の視線方向
と直交する方向、すなわち塗膜6と平行な方向に磁性顔
料3の長軸方向が配向した領域では、入射光のうち鏡面
反射される量が多くなって相対的に明るく見えること、
及びそれに加えて、配向した磁性顔料3の板面が遮蔽効
果を奏し、塗膜6の奥行方向の見通しが悪くなることの
両効果によって、周囲よりも視覚的に凸出して見える。
【0021】また、磁場のかかっていない領域では、図
6に示す如く磁性顔料3の長軸方向は個々に乱雑な方向
を向く。そのため、入射光の乱反射、吸収、鏡面反射、
透過、遮断の効果も個々異なったものが加算平均化さ
れ、かかる領域は視覚的に凹部と凸出部との中間の水準
に見える。
【0022】磁性顔料の配列と視覚的凹凸、及びその際
の磁場の関係をより具体的に例示たものが図7〜図10
である。これらの図において(a)は使用した磁石、
(b)は下段に磁性顔料の配列状態と上段に見た目の視
覚的凹凸感を示している。図7〜図10に示すものは、
磁気双極子モーメント〔m〕の方向が長軸方向xと平行
になる磁性顔料(図1(a)或いは図3(a))を用い
た場合であり、もし磁気双極子モーメント〔m〕の方向
と長軸方向xとが直交する磁性顔料(図2(a)或いは
図3(b))を用いた場合は、配列する磁性顔料と磁場
との関係は図7〜図10とは直交する関係となり、した
がって同じ磁場をかけた場合の視覚的凹凸は図7〜図1
0に示すものとは逆になる。ただし、塗膜6の表面は何
れも平坦なままである。
【0023】なお、図8のような形状の磁力線をかけて
磁性顔料を配向させると、視覚的凹部(図1(a)、図
3(a)のような磁性顔料の場合)、或いは視覚的凸部
(図2(a)、図3(b)のような磁性顔料の場合)の
両端が逆凹凸の鋭い凹陥或いは凸出で縁取られて、中央
部の視覚的凸部或いは凹部がより強調されて見えるので
効果的である。
【0024】具体的な絵柄と視覚的凹凸との有効な組合
せを表1に例示する。
【0025】
【表1】
【0026】以下、本発明の実施例について説明する。
【0027】(実施例1)被塗装物として厚さ0.8m
mの市販のアルミ板を使用し、これを脱脂処理した後、
市販のポリエステル系プライマー液をロールコート法に
より塗布して乾燥させることでプライマーコート層を形
成した。次いで、プライマーコート層の上に市販のポリ
エステル系樹脂塗料をカーテンフローコート法により乾
燥膜厚が20μmになるように塗布し、焼き付けること
により中塗り層を形成した。
【0028】続いて、中塗り層の上に絵柄を形成した。
具体的には、市販のポリエステル樹脂系インキを使用し
て、セメントの目地を介して施釉陶磁器の正方形タイル
を貼り合わせて平面に配列してなるタイル柄を2色刷り
にてグラビアオフセット印刷した。
【0029】次に、磁性塗料を使用し、これをグラビア
オフセットコート法にて乾燥膜厚が10μmの厚みにな
るように塗装して塗膜を形成した後、塗布した磁性塗料
が流動状態にあるうちに、タイル柄の目地の部分に重な
るように配置した目地よりもやや幅が大きく図8に示す
ように縦にN極とS極が分かれた長方形の磁石を裏面よ
り近接させ、塗膜の中に絵柄のタイル面が盛り上がった
ような模様を現出させた。なお、ここで使用した磁性塗
料は、磁性顔料として長軸寸法が20〜100μm、厚
みが5〜10μmにそれぞれ分布した鱗片状箔片のニッ
ケルコートマイカを使用し、バインダーとして熱硬化型
ポリエステル樹脂を使用したもので、磁性顔料の含有量
を塗料固形分中の47重量%としたものである。
【0030】上記のように塗膜中に模様を現出させてか
ら、塗膜を乾燥させて模様を固定した後、磁石を取り除
き、さらにその上に市販のポリエステル系クリヤー塗料
をカーテンフローコート法にて乾燥膜厚が17μmにな
るように塗布して乾燥させることで最上層を形成した。
【0031】(実施例2)実施例1において中塗り層を
形成した後、絵柄として木目柄をグラビアオフセット印
刷により形成した。次いで、実施例1と同じ磁性塗料を
使用し、これをカーテンフローコート法にて乾燥膜厚が
17μmの厚みになるように塗装して塗膜を形成した
後、塗布した磁性塗料が流動状態にあるうちに、木目柄
に沿った模様が現出するような、髄線に沿ってN極S極
が交互に並んでいる磁石を塗装面表面から近接させた。
これにより、交互に凹凸状に見える筋模様を現出させ
た。そして、塗膜が乾燥した後で実施例1と同様に最上
層を形成し、立体感のある木目を表現した化粧材を形成
することができた。
【0032】(実施例3)実施例1において中塗り層を
形成した後、絵柄として砂礫片をランダムに集合してな
る礫岩の劈開断面からなる石板の石目柄をグラビアオフ
セット印刷により形成した。次いで、実施例1と同じ磁
性塗料を使用し、これをカーテンフローコート法にて乾
燥状態で17μmの厚みになるように塗装して塗膜を形
成した後、塗布した磁性塗料が流動状態にあるうちに、
磁石の小片をランダムに配置したロールコンベアー上を
搬送させた。これにより、細かな凹凸状に見える模様が
ランダムに現れた。そして、塗膜が乾燥した後で実施例
1と同様に最上層を形成し、塗膜のランダム模様が下地
の石目柄と違和感なく調和して重なり、立体感のある石
の表面を表現した化粧材を形成することができた。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、次に記載の効果を奏する。
【0034】請求項1記載の塗膜模様付き化粧材は、箔
片又は短繊維からなる磁性顔料を樹脂バインダー中に分
散させた塗膜が絵柄の上に積層され、しかも前記箔片又
は短繊維の長軸が、視覚的に凹部に見せたい領域では塗
膜に垂直な方向に、視覚的に凸部に見せたい領域では塗
膜に平行な方向に配向されているので、塗膜模様は絵柄
と同調した視覚的凹凸を有したものになり、従来にない
優れた意匠感を現出させることができる。また、視覚的
には絵柄に同調した凹凸感がありながら、塗膜の表面は
平坦なままなので、凹部がある場合のように表面の耐薬
品性、耐擦傷性等が低下したり汚れが溜まるようなこと
もない。
【0035】請求項2記載の模様塗膜付き化粧材の製造
方法によれば、被塗装物の表面に所望の絵柄を形成して
おき、この絵柄に位置的に同調した視覚的凹凸を付与す
ることができる。このため、深みを持たせて立体感を伴
った実物の外観を忠実に再現する模様塗膜が形成できる
ことから、適宜の絵柄を形成しておくことで表現できる
模様の多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性顔料(箔片)の配向方向を説明するための
図である。
【図2】同じく磁性顔料(箔片)の配向方向を説明する
ための図である。
【図3】磁性顔料(短繊維)の配向方向を説明するため
の図である。
【図4】視覚的に凹んで見える原理を説明するための図
である。
【図5】視覚的に凸出して見える原理を説明するための
図である。
【図6】磁場のかかっていない領域での磁性顔料の挙動
を示した図である。
【図7】使用する磁石とその磁石による視覚的凹凸と磁
性顔料の配列状態を具体的に示す説明図である。
【図8】使用する磁石とその磁石による視覚的凹凸と磁
性顔料の配列状態を具体的に示す説明図である。
【図9】使用する磁石とその磁石による視覚的凹凸と磁
性顔料の配列状態を具体的に示す説明図である。
【図10】使用する磁石とその磁石による視覚的凹凸と
磁性顔料の配列状態を具体的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 箔片(磁性顔料) 2 短繊維(磁性顔料) x 長軸方向 3 磁性顔料 6 塗膜 7 被塗装物 8 絵柄
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 5/14 B32B 5/14 27/00 27/00 E 27/20 27/20 A (72)発明者 廣岡 智生 神奈川県愛甲郡愛川町中津4013 大日本エ リオ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装物の表面に絵柄が形成され、さら
    にその上に箔片又は短繊維からなる磁性顔料を樹脂バイ
    ンダー中に分散させてなる塗膜が積層されており、該塗
    膜は前記絵柄を隠蔽しない程度の透明度を有するととも
    に、前記箔片又は短繊維の長軸が、視覚的に凹部に見せ
    たい領域では塗膜に垂直な方向に、視覚的に凸部に見せ
    たい領域では塗膜に平行な方向に配向されてなることを
    特徴とする模様塗膜付き化粧材。
  2. 【請求項2】 被塗装物の表面に絵柄を形成し、次い
    で、箔片又は短繊維からなる磁性顔料を樹脂バインダー
    中に分散させてなる透明な磁性塗料を用いて前記絵柄を
    隠蔽しない程度に塗布した後、塗布した磁性塗料が流動
    状態にあるうちに前記絵柄に対応させてパターン状に磁
    場をかけ、前記磁性顔料の長軸を視覚的に凹部に見せた
    い領域では塗膜に垂直な方向に、また視覚的に凸部に見
    せたい領域では塗膜に水平な方向に配向させたまま、前
    記磁性塗料を固化させて塗膜を形成することを特徴とす
    る模様塗膜付き化粧材の製造方法。
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