JP5069877B2 - セキュリティ印刷のために物品をコーティングする２工程方法 - Google Patents

Description

本発明は、概ね、セキュリティ印刷されたイメージを作成する２工程方法に関し、より詳細には、整列可能なフレーク材料を含むインクで基板の表面をコーティングして、コーティングされた表面を磁界または電界にさらして、フレーク材料の少なくとも一部を整列させるようにし、その後、第１のイメージの上の、または下の第２の印刷されたイメージで基板を再コーティングすることにより、イメージを形成する方法に関する。
本発明は、参照により本明細書に組み込まれている、「A Two-Step Method of Coating an Article for Security Printing」という名称の２００５年７月２０日に出願した米国特許仮出願第６０／７００９９４号の優先権を主張する。

本発明は、インクもしくはペイント、または他の同様の媒体で基板をコーティングして、光学的錯覚（ｏｐｔｉｃａｌｙ−ｉｌｌｕｓｉｖｅ）効果を示すイメージを形成することに関する。小板様（ｐｌａｔｅｌｅｔ−ｌｉｋｅ）の粒子で塗装された、または印刷された多くの表面は、従来の顔料を含むペイントまたはインクでコーティングされた表面と比べて、より高い反射率、およびより明るい色を示す。色が変わるフレーク顔料で塗装された、または印刷された基盤は、異なる角度で見られると、色の変化を示す。フレーク顔料は、磁気感応性である材料を含み、印加された磁界において整列可能、または配向可能であるようになることが可能である。そのような粒子は、磁性材料と非磁性材料の組合せから製造され、磁性ペイントまたは磁性インクの製造においてペイント・ビヒクルまたはインク・ビヒクルと混ぜられることが可能である。これらの製品の特徴は、フレークが、液体ペイントまたは液体インクの層内で、印加された力線に沿って配向されることが、ペイント・ビヒクルまたはインク・ビヒクルの乾燥または硬化の後、その位置に実質的に留まりながら、可能なことである。フレークの相対的配向、およびコーティングされた表面に対するフレークの長い方のサイズにより、反射率のレベル、またはフレークの方向が決まり、かつ／またはペイントまたはインクのクロマが決まる可能性がある。代替として、誘電材料が、電界において整列可能であることが可能である。

印加された磁界の力線に沿った磁性粒子の整列は、数世紀にわたって知られており、基礎物理の教科書に記載されている。そのような記載は、「Fundamentals of physics. Sixth Edition」という題名のHalliday、Resnick、Walkerによる本、662頁で見られる。また、電界において誘電体粒子を整列させることも知られており、この形状整列が、本発明に適用可能である。

以下に参照する特許は、参照により本明細書に組み込まれている。

グレーブス（Ｇｒａｖｅｓ）ら名義の米国特許第３８５３６７６号が、フィルム形成材料を含むフィルム、ならびに湾曲した構成で配向され、フィルムに近接して配置され、フィルムの位置の認識を見る人に与えるように肉眼によって見られることが可能な、磁気的に配向可能な顔料で、基板を塗装することを記載している。

トミヤマによる米国特許第５０７９０５８号が、剥離シート層、感圧接着剤層、基本シート層、およびパターン・フィルム層を連続的に積層すること、または顔料印刷層をさらに積層することによって準備された多層構成体を含む積層シートを形成するパターン・フィルムを開示している。パターン・フィルム層は、ベース・シート層の片面上に粉末磁性材料を含む液体コーティング配合物をコーティングして、液体フィルムを形成すること、および液体状態で、液体フィルムの中に含まれる粉末磁性材料に磁力を作用させて、パターンを形成することを含むプロセスによって準備される。

カシワギ名義の米国特許第５３６４６８９号は、磁気的に形成されたパターンを有する製品を製造するための方法および装置を開示している。磁気的に形成されたパターンは、ペイント層の上に入射する光線が、所望されるパターンに対応する形状に構成された磁性粒子によって異なる形で反射される、または吸収されると、塗装された製品の表面上で目に見えるようになる。より詳細には、カシワギは、ニッケル・フレークの磁気整列によって生じさせられる様々なパターンが、ホイール・カバーの表面上でどのように形成されることが可能であるかを記載している。

フレックス・プロダクツ社（Ｆｌｅｘ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｉｎｃ．）名義の、フィリップス（Ｐｈｉｌｌｉｐｓ）による米国特許第６８０８８０６号が、コーティングされた物品上でイメージを生成するための方法および装置を開示している。この方法は、概ね、液状の磁化可能な顔料コーティング層を基板上に塗布することを含み、磁化可能な顔料コーティングは、複数の磁性の非球形粒子または非球形フレークを含む。その後、顔料コーティングの選択された領域に、コーティングが液状である間に、磁界が印加され、磁界は、選択された磁性粒子または磁性フレークの配向を変える。最後に、顔料コーティングが凝固させられ、顔料コーティングの表面に対して平行でない位置に再配向された粒子またはフレークが固定されて、コーティングの表面上の３次元様のイメージなどの、イメージが生成される。顔料コーティングは、磁性の色が変わる顔料などの、様々な干渉磁性粒子もしくは磁性フレーク、または非干渉の磁性粒子もしくは磁性フレークを含むことが可能である。

米国特許第６１０３３６１号が、フルオロポリマーと、ポリマー・コーティング配合物の中でイメージを磁気的に生じさせる磁気フレークとの混合物でベースをコーティングすることによって形成された、装飾調理器具を製造するのに役立つ、パターン基板を開示している。焼成されたフルオロポリマー剥離コーティングは、磁化可能なフレークを含む。フレークの一部が、基板の平面で配向され、前記フレークの一部が、磁気的に再配向されて、反射光において観察されるコーティングにおけるパターンを形成し、フレークは、前記コーティングの厚さよりも大きい、最長のサイズを有する。パターン基板は、コーティングされたベースの下に位置付けられた磁化可能な金型の端部を通して磁力を印加することによって形成されて、イメージング効果またはイメージング・パターンが生じさせられる。

前述した先行技術の引用文献の共通する特徴は、塗装された、または印刷された層の中で異なる種類のパターンが形成されることである。パターンのほとんどは、シンボル、形状、記号、または文字などの表示として存在し、それらのパターンは、基板の下にしばしば、配置される磁石の形状を再現し、ペイントまたはインクの層の中で現れる輪郭線をシャドーイングすることによって形成されて、磁性フレークの特定の整列をもたらす。所望されるパターンは、ペイント層上に入射する光線が、磁性の非球形粒子のサブグループによって異なる形で反射される、または吸収されると、塗装された製品の表面上で目に見えるようになる。

以上の先行技術の引用文献は、いくつかの有用な、興味深い光学効果をもたらすが、より大きい度合いの光学的錯覚性（ｏｐｔｉｃａｌ ｉｌｌｕｓｉｖｉｔｙ）を有し、偽造するのがより困難であるパターンの必要性が存在する。ラクシャ（Ｒａｋｓｈａ）ら名義の、「Method and Apparatus for Orienting Magnetic Flakes」という名称の２００４年１２月２２日に出願された米国特許出願第２００５０１０６３６７号が、本発明の諸実施形態の基礎の役割をすることが可能な「ローリング・バー」や「フリップ・フロップ」などの光学的錯覚性をもたらす、いくつかの興味深い実施形態を記載している。それにもかかわらず、２つのコーティングが、光の方向が変化するにつれ、またはイメージが回転されるか、または傾けられるにつれ、互いに独立に動くように見えるイメージをもたらす、単一の基板上の異なるパターンを提供する必要性が存在する。

米国特許第３８５３６７６号 米国特許第５０７９０５８号 米国特許第５３６４６８９号 米国特許第６８０８８０６号 米国特許第６１０３３６１号 Halliday、Resnick、Walker、「Fundamentals of physics」、Sixth Edition、662頁

本発明の目的は、各特徴が、別々に塗布されたコーティングにおいて実現される、少なくとも２つの別個の特徴を有する、より錯綜したイメージを提供することである。

本発明の目的は、各特徴が別個のコーティングにおいて実現される、少なくとも２つの別個の特徴を有し、その少なくとも２つのコーティングは、相乗効果的に一緒に動くが、それでも、イメージが１つの方向に動かされると、互いに別々に見える２つのイメージの外観をもたらす、より錯綜したイメージを提供することである。

本発明の態様によれば、以下の工程を含む、物品をコーティングする方法が提供される。すなわち、
磁界を使用して、磁界の力線に沿って、コーティング内でフレークを配向させて、基板に第１の磁性コーティングを塗布する工程、および第１のコーティングが硬化した後、続いて、第１のコーティングの上に第２の磁性コーティングを塗布し、磁界を使用して、磁界の力線に沿って、第２のコーティング内のフレークを配向させる工程である。

本発明の別の態様によれば、以下の工程を含む、物品をコーティングする方法がさらに提供される。すなわち、
第１の磁性コーティングを基板に塗布する工程、
磁界を使用して、磁界の力線の方向に依存して、コーティング内のフレークを配向させる工程、
第１のコーティングが硬化した後、続いて、第１のコーティングの上に第２の磁性コーティングを塗布し、第２の磁界を使用して、第２の磁界に依存して、第２のコーティング内のフレークを配向させる工程、および
第２の磁性コーティングが硬化するのを可能にする工程である。

本発明の別の態様によれば、イメージ内の２つの別個の特徴が、同時に動くように見え、イメージが動かされると、またはイメージに当たる光源が動かされると、その動きが、相対的な動きである、磁界によって整列させられた磁性粒子で形成されたイメージが提供される。

本発明の別の態様によれば、イメージ内の２つの別個の特徴が、動くように見え、イメージが、２つの異なる方向で動かされると、またはイメージに当たる光源が、２つの異なる方向で動かされると、１つが静止しているのに対して、他方は、動く、磁性粒子で形成されたイメージが提供される。

本発明の広い態様では、既に形成済みのイメージの上に、または下に、磁気的に整列可能なフレークを中に有する顔料を塗布する工程と、顔料内の磁気的に整列可能なフレークを磁気的に整列させる工程と、フレークが硬化するのを可能にする工程とを含む、光学的錯覚イメージを提供する方法が提供される。

本発明の以上の広い諸態様から、好ましくは、磁気的に整列可能なフレークが使用され、磁気的に整列可能なフレークを整列させる磁界が提供され、それにもかかわらず、同時に複数のフレークを所定の方向に整列させることができる他の力や界も、本出願の範囲内に含まれることを理解されたい。

より広く述べると、本発明は、基板の第１の面に第１の光学効果コーティングを塗布し、磁界または電界を使用して、界に依存して、コーティング内のフレークを配向させること、および
第１のコーティング上に、または基板の第２の面の上に第２の光学効果コーティングを塗布し、両方のコーティングの効果または複合効果が、基板の少なくとも片面から見られることが可能であることにより、イメージを形成する方法を提供する。

本発明の代替の実施形態では、第１のコーティング、および第２のコーティングは、表面レリーフ・パターンが、フレーク内に、またはフレーク上に形成されている、回折フレークを含み、第１のコーティング内のフレークは、第２のコーティング内の回折フレークとは異なる配向で、フレークの表面レリーフ・パターンに沿って配向される。

次に、本発明の例示的な諸実施形態を、図面に従って説明する。

印加された磁界の力線に沿った、ペイント・ビヒクル内、またはインク・ビヒクル内で分散された磁性フレークの配向は、複数の錯覚的な光学効果を生じさせることができる。フレックス・プロダクツ社に譲渡された他の特許および特許出願に記載される、それらの効果の多くは、ホログラフィック・キノグラム（ｈｏｌｏｇｒａｐｈｉｃ ｋｉｎｏｇｒａｍ）、またはジェムストーン（ｇｅｍｓｔｏｎｅ）における猫目効果に類似した動的なアニメーション様の外観を有する。磁界の存在下で基板の表面上に印刷されたグラフィック・イメージが、光源および見る人に対して傾けられるか、または曲げられると、錯覚的な光学効果が、見る人に向かって、または見る人から外れて、あるいは左側に、または右側に動く。

しかし、本発明によれば、異なる磁界の存在下で、磁性粒子を含む磁性インクまたは磁性ペイントを使って物品を２段階印刷すること、または２段階塗装することを使用して、非常に異なる、より錯綜した種類の光学効果を作成することが可能である。第１の段階で、ある濃度（好ましくは、１５〜５０重量％）の、反射する、または色が変わる、または回折する、または他の任意の小板様（ｐｌａｔｅｌｅｔ−ｌｉｋｅ）の磁性顔料と混合された、透明な、または染料入りのインク・ビヒクルもしくはペイント・ビヒクルが、任意の所定のグラフィック・パターンで、物品の表面上に印刷／塗装され、所定の光学効果を形成するように磁界にさらされ、固形のインク／ペイント・ビヒクルの層内に磁性フレークを固定するように硬化させられる。第２の段階で、より低い濃度（好ましくは、０．１〜１５重量％の範囲内の）のインクまたはペイントが、第１の印刷済みのイメージの上に印刷され、磁界にさらされ、硬化させられる。第２の層のためのインク・ビヒクルまたはペイント・ビヒクルは、好ましくは、透明であるが、染料入りであってもよい。第２の印刷／塗装層のための磁性顔料は、第１の層の場合と同一であっても、異なっていてもよい。第２の層のための顔料サイズは、同一であっても、異なっていてもよい。第２の層のための顔料の色は、第１の層の場合と同一であっても、異なっていてもよい。第２の層に印加される界の形状および強度は、同一であることが可能であり、あるいは、好ましくは、見る人が、２つの異なる効果を経験するように、異なることが可能である。第２の層のためのグラフィック・パターンは、同一であることも、異なることも可能である。インクまたは顔料の色の組合せは、最終的な印刷されたイメージにおける特定の色を強調しても、弱めてもよい。

本発明の光学的錯覚効果で強調された、線、点、円弧、およびその他の形状の錯綜したパターンが、印刷プロセスで利用されて、視覚的に暗号化されたドキュメントを偽造者が再現するのが困難になることが可能である。

本発明による２工程印刷のため基板は、透明であることも、不透明であることも可能であり、これは、一般に、イメージのグラフィックス、および所望される光学効果によって決まる。不透明な基板が利用される実例では、第１の塗布されるコーティング層、および第２の塗布されるコーティング層は、不透明な基板の同一の面に印刷され、または塗装され、より透明なイメージが、第１のコーティング層の上に、第２のコーティング層として印加される。透明な基板の場合、第１のコーティング、および第２のコーティングに関する塗布は、不透明な基板に関して説明したのと同一であることが可能であり、あるいは、代替として、好ましくは、第１のコーティング層が、基板の第１の面の上に、濃縮されたインクで印刷され、第２のコーティング層が、基板の反対の面の上に、希釈されたインクで印刷されることが可能である。一部の目的では、第１のコーティング層が、希釈されたインクで印刷された層であり、濃縮されたインクの層が、２番目に印刷されることが可能である。最終的なイメージを見ることは、基板を通して行われることが可能である。

２つの交差するローリング・バーを有する、本発明の実施形態による印刷された物品の第１の実施例は、星彩に類似した光学効果を生じさせる。ラクシャら名義の米国特許出願第２００４／００５１２９７号および米国特許出願第２００５／０１０６３６７号は、効果が、インク・ビヒクル内、またはペイント・ビヒクル内に分散され、磁界において整列させられた磁性粒子からの光線の円筒形凸面反射または円筒形凹面反射によって形成される、単一のローリング・バー、およびローリング・バーを作成するための方法を記載している。

ジェムストーンにおける星彩は、鉱物内にとても小さい、並行な、細長い繊維が高密度で含まれることによって生じさせられ、これにより、鉱物が回転されると、動き回る、渦巻く星様の形態の集中した光を反射するように光が生じさせられる。星彩は、通常、図１に例示されるとおり、ルビーおよびサファイアのケースでは、ルチル（酸化チタン）の小さい針群によって生じさせられる。星は、４つ、６つ、またはそれより多くの光線を示すことが可能である。

４つの光線の星、または２つのローリング・バーを有するボックスのフレキソ印刷されたイメージが、図２ｃおよび図２ｄに示されている。図２ａにおける、単一のローリング・バー２０２のイメージが、透明な、半透明な、または不透明な基板の表面の上に、２５重量％の緑から金色に色を変える顔料を含むインクを使用して、第１の工程で印刷され、凸状のローリング・バー２０２が、印加される磁界で形成される。

図２ｂに示された第２のイメージは、第１のイメージ２０２の上に、透明なインク・ビヒクル（それによって半透明になる）内に分散された、１０重量％の同一の緑から金色への顔料を含むインクを使用して印刷され、凸状のローリング・バー２０４が界で形成されており、ただし、ローリング・バー２０４の方向は、図２ａの第１の印刷されたイメージにおけるローリング・バー２０２の方向に対して９０°である。図２ｃの、結果の印刷されたイメージは、４つの光線の星を示す。星は、印刷イメージが、上端部が、見る人から離れるように水平に回転される、または傾けられると、図２ｄに示された印刷イメージの底部に移る、または、見る人の方へ傾けられると、イメージの頂部まで移る。図２ｄに示された方向にイメージを傾けたり、戻したりすることにより、両方のローリング・バーが、互いに向かうように同時に動いたり、互いから離れるように同時に動いたりするように見える。このように２つのローリング・バーで基板をコーティングすることにより、シートが回転されるにつれ、シート全体をロールする感覚を与える、各ローリング・バーの機能が提供されて、両方のバーが、１つの方向のわずかな回転によってさえ、明らかに異なる方向に、相乗効果的に動くように見える。この実施形態では、両方のバーが動くのを見るのに、シートを２つの異なる方向で動かす、または傾ける必要がない。単一方向の単一の動きにより、２つのバーが異なる形で動く感覚が与えられる。

次に、図３ａを参照すると、図示される地球３０１のイメージは、２２ミクロンの粒子平均サイズを有する、マゼンタから金色に変わる顔料を含む、濃い３０重量％のインクを使用して、シルクスクリーン印刷され、磁界にさらされて、Ｖ字形状のフリップ・フロップ光学効果を形成している。フリップ・フロップ効果は、参照により本明細書に組み込まれている、ラクシャら名義の米国特許出願第２００４／００５１２９７および米国特許出願第２００５／０１０６３６７号に記載されている。その効果では、通常の見る角度において、地球の赤道線より下の下半分が、明るいマゼンタ色を有し、上半分が、暗い金色を有する。イメージの下部における磁性フレークが、印加された磁界において、そのような配向を獲得し、それらのフレークは、反射された光を見る人の目にまっすぐに入るように送り、これにより、フレークが明るく見えるようになる。これに対して、地球の上部における粒子は、反射された光を見る人の胸の方向に送る。この見る角度におけるフレークの色、およびこの特定の粒子の配向は、金色である。基板上に印刷された地球が、上端部が見る人から離れるように傾けられると、低部におけるフレークは、見る人の帽子の方向に光線を反射し、これにより、フレークが暗い金色にされる。同時に、地球の上部におけるフレークは、明るいマゼンタとして見える、見る人の目に入る入射光の光線を反射する。反対方向にサンプルを傾けることにより、イメージの色が元に戻るように入れ替わる。

図３ｂに示された第２のイメージ３０２、「Ｔｅｓｔ Ｔｅｘｔ」は、地球３０１の上に、希釈された１０重量％のインクで印刷され、磁性粒子の屋根形状の配向を生じさせる、別の磁界にさらされる。それらの配向された粒子で印刷されたイメージにおける光学効果は、第１の印刷されたイメージの色変化とは逆の色の「入れ替わり」を有する。第２のインクの中の顔料は、第１のイメージに入っているのと同一の、マゼンタから金色への顔料であるが、顔料のサイズは、１０ミクロンに近い。この顔料の色相は、より大きい２２ミクロンの顔料と同一の値を有するが、クロマは、第１の層のより大きい顔料のクロマよりも低く、これにより、この顔料が、わずかにより暗くなる。通常の見る角度では、図３ｃの、結果のイメージ３０３は、暗い金色の背景の上に、半透明の淡いマゼンタの「Ｔｅｘｔ」を示し、明るいマゼンタの地球背景の上に、暗い金色の半透明の「Ｔｅｓｔ」を示す。印刷３０３が、３０４で示されるとおり、上端部が見る人から離れるように傾けられると、地球の２つの部分、およびテキストは、それぞれの色を交替させる、つまり、「入れ替える」。地球の上部は、半透明の暗い金色のＴＥＸＴを有する、明るいマゼンタになり、地球の下部は、明るいマゼンタのＴＥＳＴを有する暗い金色になる。

図４ａに示された「Ｔｅｘｔ Ｔｅｓｔ」ロゴ４０１は、前述した諸特許に記載されるフリップ・フロップの特徴を含むイメージ４０２の上に印刷されている。イメージ４０２は、磁性顔料Ａｌ／Ｍ／Ａｌ（ここで、Ａｌは、アルミニウムであり、Ｍは、任意の磁気的に整列可能な材料である）を含む、濃縮されたインクで印刷されている。フリップ・フロップは、固形の有機媒体の中の磁性フレークをＶ字形状に、または屋根形状に整列させることで形成されることが可能である。通常の見る角度、および樹脂の中の粒子のＶ字形状の整列では、イメージ４０２の下部４０３は、明るく、上部４０４は、暗い。第２のイメージ４０５は、イメージ４０２の上に印刷されている。図４ｂでは、イメージ４０５は、５重量％の金色の、磁性の、色が変わらない顔料を含む、希釈されたインクで印刷され、ローリング・バー光学的特徴を形成するように界に置かれている。ローリング・バー４０６は、イメージの最上部の近くに形成される。インクは、粒子整列の完了後、硬化させられている。フリップ・フロップおよびテキストは、通常の見る角度で、図４ｄにおけるように、２重印刷されたイメージ４０７において、トップコートの層を通して非常によく見える。

しかし、印刷イメージの上端部が見る人から離れるような印刷イメージの傾きでは、ローリング・バーは、印刷イメージ４０７をロールして下り、ボックスの中央４０８の位置を占め、図４ａに示されるとおり、ロゴ４０１およびフリップ・フロップを隠す。図５ａに示されたイメージ５０１は、２０重量％の磁性顔料を含むインクで、透明な基板５００の上にフレキソ印刷され、凸状のローリング・バー光学効果５０２を形成するように磁界に置かれ、整列させられた磁性粒子を固定するように硬化させられている。フレキソ印刷、つまり、フレキソグラフィック印刷は、表面印刷とほぼ同様であるが、はるかに少ないインクを使用して、凸状の領域で印刷する、柔軟性のあるゴム様の表面を有するローラまたは円柱を利用する機械印刷プロセスである。そのプロセスでは、インクは、迅速に乾燥し、機械が、高速で稼動することを可能にする。完成した製品は、鮮明で詳細な非常に滑らかな仕上がりを有し、しばしば、回転スクリーン印刷に似ている。

図５ｂでは、別のイメージ５０３が、希釈されたインクで印刷され、凹状のローリング・バー５０４を形成するように界に置かれ、その位置で粒子を固定するように硬化させられる。最終的な印刷５０５は、通常の見る角度で、単一のローリング・バー効果５０６を有するイメージを示す。サンプルの上端部が見る人から離れるように、サンプルが傾けられると、単一のローリング・バー５０６は、逆の方向に動く、２つのローリング・バー５０７と５０８に分かれる。イメージを通常の角度まで逆に傾けることにより、ローリング・バー５０７と５０８が一緒にされて、単一の光学効果がもたらされる。両方の印刷イメージは、図５ｄに示されるとおり、同一の形状を有していても、異なる形状を有していてもよい。

次に、図６ａおよび図６ｂを参照すると、曲面上にセキュリティ・ラベルを作成するための非常に魅力的なイメージが示されている。図６ａおよび図６ｂに示された薬剤包装ボトルは、ローリング・バーが分かれることを利用する好例である。ボトル６０１は、ボトルの表面に付着させられたラベル６０２を有する。前述の実施例で説明した、分かれるローリング・バーを有するセキュリティ特徴６０３が、ラベル６０２の上に印刷されている。特徴６０３は、通常の見る角度では、単一のローリング・バー６０４を有する。ボトルは、入射光の、ボトルの柱面からの反射によって生じさせられた、幅の広い線６０５を有する。しかし、やはり反射する柱面のように見えるローリング・バー６０４は、線６０５に対して９０°である。ボトル６０１の頂部が見る人から離れるように、ボトル６０１を傾けることにより、ローリング・バー６０４が、２つのローリング・バー６０６と６０７に分かれることが生じさせられる。ボトルの傾きが戻されると、ローリング・バー６０６および６０７は、再び単一のローリング・バー６０４にまとまる。

次に、図７ａおよび図７ｂを参照すると、顕微鏡写真７ａが、上下に（または、その逆に）配向された磁界を使用する、担体の中における第１の塗布された回折粒子層の顔料の溝配向を示している。第１の印刷層が硬化させられた後、第１の印刷の上に第２の印刷が、左右に（または、その逆に）配向された磁界を使用して、印加されている。図７ｂの顕微鏡写真を記録するのに使用されたカメラは、ミクロ構造の粒子の第２の溝配向を示すように焦点を合わされている。第２のコーティングの塗布量は、第１のコーティングの塗布量より少ないことに留意されたい。

また、添付の図、および図示した諸実施形態では、以上に説明した他のタイプのフレークの代わりに、または他のタイプのフレークとともに、溝配向フレークが使用されることも可能であることを理解されたい。

以上に説明した諸実施形態は、基板の同一の面、または異なる面へのコーティングの２工程塗布を説明したが、それほど好ましくないものの、それでも、本発明の範囲に含まれるのが、同様の、または異なる印刷イメージ、またはエッチングされたイメージを有する第２の基板に積層された、第１の基板上で、第１の整列可能なフレークのコーティングを使用することである。例えば、第１の工程で、ローリング・バーが、第１の基板上に印刷され、この基板が、その後、ホログラフィック・イメージに積層されて、基板のいずれかが、実質的に光透過性であることが可能である。

本発明の別のそれほど好ましくない実施形態では、２つのコーティングが、基板の異なる面に塗布され、第２のコーティングは、所定の波長の光などのエネルギーが加えられると変化する粘性を有し、コーティングが液状になる。第１のコーティングは、塗布された後、磁化され、整列させられることが可能な、標準のコーティングである。第１のコーティングが硬化して、フレークが永久的に整列させられた後、第２のコーティングが、フレークを整列させるのに十分なだけ、液状にされて、その後、硬化させられることが可能である。

もちろん、本発明の多数の他の実施形態が、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、予見可能である。

６つの光線を示す、ルチル（酸化チタン）の小さい針群によって生じさせられた星彩を示すジェムストーンの図である。 図２ａないし図２ｄは、見る角度の変化とともに動くように見える２つの交差するローリング・バーを有するイメージの製造における２つの工程を示す図である。 図３ａないし図３ｄは、テキストを中に有する地球が、フリップ・フロップ光学効果をもたらす、図３ｄの最終的イメージを形成する一連の工程およびイメージを示す図である。 図４ａないし図４ｄは、同一の基板上に作成されたフリップ・フロップおよびローリング・バーの製造における工程を示す図である。 図５ａないし図５ｄは、近寄って、単一のローリング・バーを形成するように見え、イメージを傾けると、２つのローリング・バーに分かれるように見える２つのローリング・バーを印刷する、いくつかのイメージにおける工程を示す図である。 図６ａおよび図６ｂは、図５ｄのローリング・バーの特徴を有する容器を示す図である。 図７ａおよび図７ｂは、２工程印刷プロセスで得られたイメージの領域を示す顕微鏡写真であり、２つの顕微鏡写真はイメージの同一の領域に対応している。

符号の説明

２０２、２０４ ローリング・バー

Claims (7)

1. 物品をコーティングする方法であって、
   基板の第１の面に第１の磁性コーティングを塗布し、第１の磁界を使用して、見る人が第１の光学効果を経験するように前記第１のコーティング内の磁性フレークを磁界の力線に沿って配向させる工程と、
   前記第１のコーティングが硬化した後、続いて、前記第１のコーティングの上に、または前記基板の第２の面の上に、第２の磁性コーティングを塗布し、第２の磁界を使用して、前記見る人が第２の光学効果を経験するように前記第２のコーティング内の磁性フレークを磁界の力線に沿って配向させる工程とを含み、
   前記第１の光学効果が前記第２の光学効果と異なるように前記第１および第２の磁界が互いに異なる、方法。
2. 前記磁界は、異なる界発生装置によって生じさせられる請求項１に記載の方法。
3. 前記第１のコーティングおよび前記第２のコーティングの一方は、濃度が異なる請求項１に記載の方法。
4. ２段階の製造プロセスが利用される請求項１に記載の方法。
5. 前記第１のコーティングおよび前記第２のコーティングは、溝を有する回折磁性顔料を含み、前記第１のコーティングの中の回折磁性顔料の溝配向は、前記第２のコーティングの中の回折磁性顔料の溝配向とは異なる請求項１に記載の方法。
6. 前記第１のコーティングまたは前記第２のコーティングは、色が変わる磁性顔料を含む請求項１に記載の方法。
7. 前記第１のコーティングまたは前記第２のコーティングは、反射磁性顔料を含む請求項１に記載の方法。
   

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