JPWO2009040895A1 - 模様形成用塗料及び模様形成方法 - Google Patents
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Abstract
模様形成用塗料は、樹脂と、扁平を有する粉末状の磁性体と、溶剤とを含有する。前記塗料において、被塗物への塗布から15秒経過後の粘度が1,000〜10,000mPa・sであり、且つ被塗物への塗布から90秒経過後の粘度が50,000mPa・s以上である。模様形成方法は、前記塗料を被塗物上に塗布して塗膜を形成するとともに、前記塗膜の表面に沿って磁石を配置する工程と、前記磁石により塗膜に磁界を印加し、該磁界によって塗膜中の磁性体を配向させる工程とを備える。
Description
本発明は、扁平を有する粉末状の磁性体を含有し、例えば非磁性体である被塗物上への塗布によって模様を形成する模様形成用塗料、及び該塗料を用いた模様形成方法に関する。
従来、磁性粉を有する塗料を被塗物(被塗装物)の表面に塗布した後、磁石による磁界(磁化エネルギー)を用いて磁性粉を配向させることにより、文字及び図形が浮かび上がったような模様を有する塗膜を形成する方法が提案されている。特許文献1には、粉末状の磁性塗料を含有する液状の塗膜を被塗物の表面上に形成し、該塗膜が流動状態を維持している間に磁界を該塗膜に印加することにより模様を形成する方法が開示されている。特許文献2には、前記模様を有する塗膜を形成するための方法及び装置が開示されている。特許文献3には、塗料の塗布から1分経過後の塗膜における固形分が70質量%以下に設定されている模様形成用塗料が開示されている。
特開昭63−175670号公報
特開平5−337424号公報
特開2003−176452号公報
文字及び模様が浮かび上がったような模様を有する塗膜には、該模様のくっきり感、深み感、及び該模様の移動を示すムービング感(移動感)が求められている。しかしながら、特許文献1〜3に記載の手段では、これらの要求を十分に満たすことができないという問題があった。
本発明は、優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を有する模様を形成することができる模様形成用塗料及び模様形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様では、樹脂と、扁平を有する粉末状の磁性体と、溶剤とを含有する模様形成用塗料が提供される。模様形成用塗料において、被塗物への塗布から15秒経過後の粘度が1,000〜10,000mPa・sであり、且つ被塗物への塗布から90秒経過後の粘度が50,000mPa・s以上である。
前記課題を解決するため、本発明の一態様では、樹脂と、扁平を有する粉末状の磁性体と、溶剤とを含有する模様形成用塗料が提供される。模様形成用塗料において、被塗物への塗布から15秒経過後の粘度が1,000〜10,000mPa・sであり、且つ被塗物への塗布から90秒経過後の粘度が50,000mPa・s以上である。
好ましくは、前記樹脂がアクリル系樹脂であり、模様形成用塗料がレオロジーコントロール剤を更に含有する。好ましくは、前記レオロジーコントロール剤が、ニトロセルロース系樹脂、セルロースアセテートブチレート系樹脂、ミクロゲル、及び酢酸ビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である。また、前記模様形成用塗料が硬化剤としてポリイソシアネート化合物を更に含有してもよい。
好ましくは、前記樹脂が酢酸ビニル系樹脂である。更に、好ましくは、前記模様形成用塗料が染料及びナノ顔料の少なくとも一方を更に含有する。
本発明の別の態様では、前記模様形成用塗料を被塗物上に塗布して塗膜を形成するとともに、前記塗膜の表面に沿って磁石を配置する工程と、前記磁石により塗膜に磁界を印加し、該磁界によって塗膜中の磁性体を配向させる工程とを備える模様形成方法が提供される。
本発明の別の態様では、前記模様形成用塗料を被塗物上に塗布して塗膜を形成するとともに、前記塗膜の表面に沿って磁石を配置する工程と、前記磁石により塗膜に磁界を印加し、該磁界によって塗膜中の磁性体を配向させる工程とを備える模様形成方法が提供される。
好ましくは、前記塗膜を形成するとともに磁石を配置する工程は、前記塗膜の表面に沿って複数のシート状を有する磁石を互いに隣りあうように配置する工程であって、隣り合う磁石の表面の磁極及び裏面の磁極が隣り合う磁石同士で異なるように、且つ各磁石の側面が互いに接触するように各磁石を配置する工程を備える。この場合、前記磁性体を配向させる工程は、前記複数の磁石により塗膜に磁界を印加し、隣り合う磁石同士が接触している各磁石の接触部位において磁性体を塗膜の表面に対して略平行に延びるように配向させ、少なくとも各磁石の接触部位上の磁性体により塗膜に模様を形成する工程を備える。また、好ましくは、前記磁性体を配向させる工程は、前記塗膜に15〜350mTの磁束密度を有する磁界を印加する工程を備える。
以下、本発明を模様形成用塗料に具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、模様形成用塗料を単に塗料という。
塗料は被塗物上での塗膜の形成に用いられ、該塗膜の母体としての樹脂と、該樹脂中に分散されて塗膜の模様を形成する磁性体と、溶剤とを含有している。塗膜の着色が所望される場合には、塗料は着色剤を更に含有してもよい。被塗物への塗布から15秒経過後の塗料の粘度は1,000〜10,000mPa・sに設定されており、且つ被塗物への塗布から90秒経過後の塗料の粘度は50,000mPa・s以上に設定されている。
塗料は被塗物上での塗膜の形成に用いられ、該塗膜の母体としての樹脂と、該樹脂中に分散されて塗膜の模様を形成する磁性体と、溶剤とを含有している。塗膜の着色が所望される場合には、塗料は着色剤を更に含有してもよい。被塗物への塗布から15秒経過後の塗料の粘度は1,000〜10,000mPa・sに設定されており、且つ被塗物への塗布から90秒経過後の塗料の粘度は50,000mPa・s以上に設定されている。
樹脂として、例えばアクリル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂は、ラジカル重合性モノマーのラジカル重合により得られる。アクリル系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜200,000であり、より好ましくは15,000〜150,000である。この重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によって測定され、ポリスチレン換算法を用いて算出される。
アクリル系樹脂の成分であるラジカル重合性モノマーとして、例えばヒドロキシ基含有重合性モノマーが挙げられる。ヒドロキシ基含有重合性モノマーの具体例は特に限定されず、該具体例として、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及びε−カプロラクトンが開環付加した2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの具体例として、例えばダイセル化学工業社製のプラクセルFAシリーズ及びプラクセルFMシリーズが挙げられる。
ラジカル重合性モノマーとして、ヒドロキシ基含有重合性モノマー以外にも、例えばカルボキシル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、及びα−メチルスチレンが挙げられる。カルボキシル基含有モノマーとして、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びイタコン酸が挙げられる。エポキシ基含有モノマーとして、例えばグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。アクリル系樹脂の成分として、前記具体例の内の一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。これらの成分は公知の方法によって重合される。
樹脂としてアクリル系樹脂が用いられる場合には、塗料は、該塗料の粘度を調整するためにレオロジーコントロール(RC)剤を含有し、硬化剤を含有してもよい。RC剤は、該RC剤固有の粘度に起因して塗料の粘度を前記範囲に調整する。RC剤として、例えばセルロースアセテートブチレート系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、及びミクロゲルが挙げられる。
セルロースアセテートブチレート系樹脂の具体例は特に限定されず、該具体例として、例えばイーストマンケミカル社製のCABシリーズが挙げられる。このCABシリーズとして、例えばCAB−171−15、CAB−321−0.1、CAB−381−0.1、CAB−381−0.5、CAB−381−2、CAB−381−20、CAB−381−20BP、CAB−500−5、CAB−531−1、及びCAB−553−0.4が挙げられる。RC剤としてセルロースアセテートブチレート系樹脂が用いられる場合には、塗料中の前記樹脂とセルロースアセテートブチレート系樹脂との合計量に対するセルロースアセテートブチレート系樹脂の割合は、固形分換算で好ましくは20〜40質量%である。
ニトロセルロース系樹脂の具体例は特に限定されず、該具体例として、例えばエス・エヌ・ピー・イー・ジャパン社製のHIG 1/16、HIG 1/8、HIG 1/4、HIG 1/2、HIG 1/2A、HIG 1、HIG 2、HIG 5、HIG 7、及びHIG 20が挙げられる。RC剤としてニトロセルロース系樹脂が用いられる場合には、塗料中の前記樹脂とニトロセルロース系樹脂との合計量に対するニトロセルロース系樹脂の割合は、固形分換算で好ましくは3〜13質量%である。
ミクロゲルは、内部架橋、すなわち網目状に硬化した重合性モノマーの重合体からなる微粒子を意味している。ミクロゲルはRC剤の一種であり、該ミクロゲルの添加により塗料に粘性を付与する。ミクロゲルの製造方法として、例えば重合性モノマーと2個以上の重合性基を有する架橋性モノマーとを水中でサスペンジョン重合又は乳化重合させてミクロゲル水分散液を調製し、溶媒置換によりミクロゲル分散液を得る方法が挙げられる。この方法の他にも、ミクロゲルの製造方法として、重合性モノマーは溶解されるが該重合性モノマーのポリマーは溶解されない有機溶媒中で重合性モノマーと架橋性モノマーとを共重合させることにより、ミクロゲルが分散した溶液を調製する方法が挙げられる。有機溶媒として、例えば溶解性パラメータが低い有機溶媒、例えば脂肪族炭化水素が挙げられる。本願で用いられるミクロゲル分散溶液は、上記いずれかの製造方法により製造されてもよい。
重合性モノマーとして、例えば前記アクリル系樹脂の成分の具体例として列挙された重合性モノマーが挙げられる。2個以上の重合性基を有する架橋性モノマーとして、例えば多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル、及び2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物が挙げられる。前記架橋性モノマーとして、具体的には、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、及びジビニルベンゼンが挙げられる。RC剤として、前記具体例の内の一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。
硬化剤は、アクリル系樹脂を硬化させることにより塗料の粘度を前記範囲に調整する。硬化剤として、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート、エポキシ化合物、及びポリカルボジイミドが挙げられる。硬化剤として、前記具体例の内の一種のみが用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。前記具体例の中でも、優れたアクリル系樹脂の硬化性を発揮することから、好ましくはポリイソシアネート化合物である。ポリイソシアネート化合物の具体例は、イソシアネート基を2個以上含有する化合物であれば特に限定されず、該具体例として、例えば芳香族のポリイソシアネート化合物、脂肪族のポリイソシアネート化合物、及び脂環族のポリイソシアネート化合物が挙げられる。芳香族のポリイソシアネート化合物として、例えばトリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、及びメタキシリレンジイソシアネートの多量体が挙げられる。脂肪族のポリイソシアネート化合物として、例えばヘキサメチレンジイソシアネートの多量体が挙げられる。脂環族のポリイソシアネート化合物として、例えばイソホロンジイソシアネートの多量体が挙げられる。多量体のタイプとして、例えばビューレットタイプ、ヌレートタイプ、及びアダクトタイプが挙げられる。本願における“多量体”の概念は、一般的な多量体だけでなくオリゴマーも含む。
酢酸ビニル系樹脂として、例えば酢酸ビニル−塩素化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル・塩化ビニルグラフト共重合樹脂、及びエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂が挙げられる。酢酸ビニル系樹脂の数平均分子量は、好ましくは15,000〜44,000であり、より好ましくは20,000〜30,000である。酢酸ビニル−塩素化ビニル共重合樹脂として、例えばダウ・ケミカル社製のVYNS−3、VYHH、VYHD、VMCH、VMCC、VMCA、VERR−40、VAGH、VAGD、VAGF、VAGC、及びVROHが挙げられる。樹脂として酢酸ビニル系樹脂が用いられる場合、塗料中の樹脂の全量に対する酢酸ビニル系樹脂の割合は、固形分換算で好ましくは40〜100質量%である。酢酸ビニル系樹脂は、塗料が樹脂として酢酸ビニル系樹脂のみを含有することにより塗膜の母材として作用するだけでなく、塗料が樹脂として酢酸ビニル系樹脂及びアクリル系樹脂の両方を含有する際にはアクリル系樹脂のRC剤としても作用する。
磁性体は、塗膜の形成の際には磁界の印加によって塗料中を磁力線に沿って移動し、該磁力線に沿って配向されて模様を形成する。磁性体は、塗膜の外方から模様を視認するために該外方からの光を反射すべく、扁平を有する粉末状に形成されている。磁性体の形状として、例えばフレーク状、フィルム状、板状、及びシート状が挙げられる。磁性体は、強磁性体から形成されてもよいし、扁平を有する粉末状の顔料の表面に磁性材、例えば磁性を有する金属が被覆されることによって形成されてもよい。強磁性体として、例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト、及びそれらの金属と他の金属との合金が挙げられる。前記顔料として、例えば雲母(マイカ)、二酸化チタン被覆雲母、アルミニウムフレーク、ステンレスフレーク、酸化アルミニウムフレーク、及びガラスフレークが挙げられる。顔料を被覆する、磁性を有する金属として、例えばニッケル、コバルト、及び銅が挙げられる。
扁平な磁性体における長軸の長さは好ましくは1〜80μmであり、該磁性体の厚さは好ましくは0.1〜1μmである。塗料中における磁性体の含有量は、固形分換算で好ましくは3〜30質量%である。
溶剤は、塗料中の溶剤以外の各成分の溶媒又は分散媒として作用する。溶剤の具体例は、該溶剤以外の成分が凝集して沈降しないものであれば特に限定されず、溶剤の具体例として、例えばエステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、及び芳香族系溶剤が挙げられる。
エステル系溶剤として、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノメチルアセテートが挙げられる。ケトン系溶剤として、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、及びアノンが挙げられる。エーテル系溶剤として、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、及びエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。芳香族系溶剤として、例えばトルエン及びキシレンが挙げられる。溶剤として、前記具体例の内の一種のみが単独で用いられもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。塗料が着色剤として後述の染料を含有する場合には、染料の優れた溶解性を発揮することから、好ましくはエステル系溶剤及びケトン系溶剤であり、より好ましくは酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、及びアノンである。
塗料に用いられる樹脂はその溶解性が低いことから、溶剤としてアルコール系溶剤及び脂肪族炭化水素系溶剤が単独で用いられることは好ましくない。しかしながら、アルコール系溶剤及び脂肪族炭化水素系溶剤は、前記エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、及び芳香族系溶剤と混合されることにより使用可能である。また、塗料の固形分(不揮発分)の割合を調整するために、例えば前記溶剤の蒸発速度を考慮して、塗料は希釈用のシンナーを更に含有してもよい。
着色剤として、例えば染料、顔料、及びナノ顔料が挙げられる。着色剤として、これらの内の一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。これらの中でも、塗膜が優れたくっきり感、ムービング感、及び深み感を発揮することから、好ましくは染料及びナノ顔料である。
染料は、例えば前記溶剤に溶解して塗膜に色相を付与する。染料の具体例は特に限定されず、該具体例として、例えばモノアゾ系染料、ジスアゾ系染料、金属錯塩アゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴ系染料、フタロシアニン系染料、ピラゾロン系染料、スチルベン系染料、チアゾール系染料、アクリジン系染料、アジン系染料、キノリン系染料、ジフェニルメタン系染料、オキサジン系染料、トリフェニルメタン系染料、チアジン系染料、インドフェノール系染料、及びペリレン系染料が挙げられる。染料として、前記具体例の内の一種のみが用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。着色剤として、溶剤に対する優れた溶解性を有するとともに優れた耐光性を有する染料が用いられることが好ましい。
顔料は、水又は前記溶剤に溶解しない有色又は無色の微粒であり、塗膜に色相及び意匠を付与する。顔料の具体例は、一般に使用されている有機顔料及び無機顔料であれば特に限定されない。有機顔料として、例えばアゾレーキ顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、及び金属錯体系顔料が挙げられる。無機顔料としては、例えば黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、及び二酸化チタンが挙げられる。塗膜が光輝性を発揮するために、光輝性を有する顔料が使用されてもよい。このような顔料として、例えばアルミニウムフレーク、着色雲母(マイカ)顔料、干渉マイカ顔料、ホログラム顔料、金属メッキガラスフレーク顔料、及びコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料が挙げられる。顔料が用いられる場合には、該顔料が、塗膜が被塗物の表面を隠蔽する程度の量まで塗料に含有されると、塗膜の外方からの光が該塗膜の深層にまで届かず、塗膜の模様の深み感が不足するおそれがある。顔料として、前記具体例の内の一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ナノ顔料は、一般的な顔料の粒子径に比べて小さい粒子径を有する顔料を意味しており、前記顔料と同様に水又は前記溶剤に溶解しない有色又は無色の微粒であり、塗膜に色相及び意匠を付与する。ナノ顔料は、例えば分散機により樹脂、溶剤及び添加剤とともに混合されてペースト状を有している。また、ナノ顔料は、該顔料の製造時において一次粒子の平均粒子径が通常の顔料の製造時の平均粒子径よりも小さくなるように分散機で分散されてペースト状を有している。ペースト中のナノ顔料の平均粒子径は、例えばコルター社製のN4光散乱測定機を用いた光散乱法で測定される値で好ましくは50〜300nmである。このようなナノ顔料として、例えば日弘ビックス社製のNSP−VGシリーズ及びNSP−CZシリーズが挙げられる。NSP−VGシリーズ及びNSP−CZシリーズとして、例えばNSP−VG050(F)WHITE、NSP−VG105RED、NSP−VG111(D)MAGENTA、NSP−VG151(D)RED、NSP−VG201(D)ORANGE、NSP−VG306(D)YELLOW、NSP−VG403(D)GREEN、NSP−VG503(D)BROWN、NSP−VG651(C)BLUE、NSP−VG701(C)VIOLET、NSP−VG805(C)BLACK、NSP−CZ051(D)WHITE、NSP−CZ101(D)RED、NSP−CZ112(D)MAGENTA、NAP−CZ115(D)RED、NSP−CZ201(D)ORANGE、NSP−CZ306(D)YELLOW、NAP−CZ401(D)GREEN、NSP−CZ503(D)BROWN、NSP−CZ655(D)BLUE、NSP−CZ702(D)VIOLET、及びNSP−CZ807(D)BLACKが挙げられる。前記具体例において、NSP−VGシリーズではペースト中の樹脂が酢酸ビニル−塩素化ビニル共重合樹脂であり、NSP−CZシリーズではペースト中の樹脂がセルロースアセテートブチレート系樹脂である。ナノ顔料として、前記具体例の内の一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。
上述したように、被塗物への塗布から15秒経過後の塗料の粘度は1,000〜10,000mPa・sに設定されており、且つ被塗物への塗布から90秒経過後の塗料の粘度は50,000mPa・s以上に設定されている。塗膜の形成の際に、磁性体は、被塗物の表面に対して略平行に延びる磁力線、溶剤の蒸発に伴う塗料の収縮、及び磁性体の形状、即ち扁平を有する粉末状に起因する安定化によって、被塗物の表面に対して略平行に延びるように配向される。被塗物への塗布から15秒経過後の塗料の粘度が1,000mPa・s未満では、例えば磁性体が沈降して塗膜中に磁性体を均一に分散させることができない。被塗物への塗布から15秒経過後の塗料の粘度が10,000mPa・sを超えると、塗料の粘度が過剰に高いことから、磁性体を移動させて被塗物の表面に対して略平行に延びるように配向させることができない。被塗物への塗布から90秒経過後の塗料の粘度が50,000mPa・s未満では、塗料の粘度が過剰に低いことから、磁性体が容易に移動して該磁性体の配向が乱れる。塗料は、前記の各成分が公知の方法によって混合されて調製される。
次に、前記塗料を用いた模様の形成方法について説明する。本実施形態に係る模様は、模様形成装置を用いて、塗料を被塗物上に塗布して塗膜を形成するとともに、該塗膜の表面に沿って磁石を配置する工程と、磁石により塗膜に磁界を印加し、該磁界によって塗膜中の磁性体を配向させる工程とを経て形成される。
図2及び図3(d)に示すように、模様形成装置は、複数のシート状を有する磁石、本実施形態では一対の磁石を備えている。図3(d)は、図2の3d−3d線における断面図である。一対のシート状磁石のうち、一方のシート状磁石11は該シート状磁石11の上方から見て四角形(正方形)状を有しているとともに中心部に円孔を有しており、該孔には円板状を有する他方のシート状磁石12が嵌め込まれている。シート状磁石11は様々な厚さを有しており、本願のシート状は、一般にシート状と称される形状ほか、フィルム状又は板状と称される形状も含む。シート状磁石11の形状は四角形状に限定されず、三角形状、六角形状などの多角形状でもよいし、円形状又は楕円形状でもよい。シート状磁石12の形状によって模様の形状が決められることから、シート状磁石12は、円形状以外の図形を示す形状を有してもよいし、N、Aなどの文字を示す形状を有してもよい。
シート状磁石12は、その表面(図3(d)におけるシート状磁石12の上面)にN極を有しており、裏面(図3(d)におけるシート状磁石12の下面)にS極を有している。シート状磁石12の周囲に位置するシート状磁石11は、その表面にS極を有しており、裏面にN極を有している。即ち、隣り合うシート状磁石12とシート状磁石11との表面の磁極及び裏面の磁極が隣り合うシート状磁石11、12同士で異なるように構成されている。シート状磁石12の外周面(側面)13と、シート状磁石11の内周面(側面)14とは互いに接触している。シート状磁石11、12の材質として、例えば合金、フェライト、希土類、及びそれら内のいずれかとゴム又はプラスチックとの混合物が挙げられる。シート状磁石11、12の具体例は特に限定されず、該具体例として、例えばアルニコ磁石、KS鋼、MK鋼、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、及びネオジウム磁石が挙げられる。
各磁石11、12は以下のようにして作製される。即ち、図3(a)に示すように、四角形状を有するシート状磁石11がマグネットシートにより形成され、表面にS極を有するとともに裏面にN極を有するように着磁される。マグネットシートは一般的な材料、例えばプラスチック又はゴムにより形成される。次いで、図3(b)に示すように、円形状を有する模様を形成するために、円形状を有するシート状磁石12がシート状磁石11の中心部から打ち抜かれる。このとき、シート状磁石11には、シート状磁石12の分離跡としての分離孔15が形成されている。続いて、図3(c)に示すように、シート状磁石12の表面及び裏面が反転される。最後に、図3(d)に示すように、反転されたシート状磁石12がシート状磁石11の分離孔15に嵌め戻される。このようにして、隣り合うシート状磁石11、12同士の磁極が反転した一対の磁石11、12を有する模様形成装置が得られる。この模様形成装置を用いて塗膜に模様が形成される際には、塗膜の表面および裏面に、互いに対称になるように円形状を有する模様がそれぞれ形成される。
各磁石11、12は以下の方法によっても作製可能である。即ち、四角形状を有するシート状磁石を構成する、着磁されていないマグネットシートが準備され、円形状の模様を形成するために、マグネットシートの中心部が円形状に打ち抜かれる。これにより、円形状を有する分離シートがマグネットシートから分離される。このとき、マグネットシートには、分離シートの分離跡としての分離孔が形成されている。そして、マグネットシート及び分離シートがそれぞれ着磁される。このとき、マグネットシート及び分離シートは、互いに異なる方向に延びる磁力線を有するように着磁される。続いて、着磁された分離シートがマグネットシートの分離孔に嵌め戻される。このようにしても、隣り合うシート状磁石11、12同士の磁極が反転した一対の磁石11、12を有する模様形成装置が得られる。
本実施形態に係る、塗膜を形成するとともに磁石を配置する工程では、まず塗料が調製されて被塗物に塗布されるとともに被塗物が模様形成装置に取り付けられる。即ち、本実施形態に係る、塗膜を形成するとともに磁石を配置する工程は、前記模様形成装置を用いて行われることから、塗膜の表面に沿って複数のシート状を有する磁石11、12を互いに隣りあうように配置する工程であって、隣り合う磁石11、12の表面の磁極及び裏面の磁極が隣り合う磁石11、12同士で異なるように、且つ各磁石11、12の側面が互いに接触するように各磁石を配置する工程を備えている。具体的には、塗料が調製された後、図1に示すように、非磁性体よりなる板状を有する被塗物16上に塗料が塗布されて液状の塗膜17が形成されるとともに、被塗物16が模様形成装置に取り付けられて塗膜17の表面に沿って前記シート状磁石11、12が配置される。シート状磁石11、12は、図1に示すように被塗物16の裏面に粘着テープで貼着されるか、又は塗膜17の上方に一定の距離をおいて配置される。
本実施形態に係る、磁性体を配向させる工程も前記模様形成装置を用いて行われることから、該工程は、複数の磁石11、12により塗膜17に磁界を印加し、隣り合う磁石11、12同士が接触している各磁石11、12の接触部位において磁性体を塗膜17の表面に対して略平行に延びるように配向させ、少なくとも各磁石11、12の接触部位上の磁性体により塗膜17に模様を形成する工程を備えている。即ち、本実施形態に係る、磁性体を配向させる工程では、シート状磁石11、12による磁界が塗膜17中の磁性体に作用する。シート磁石11、12によって塗膜17に印加される磁界の磁束密度は、磁石11、12自身が有する磁界の磁束密度と、磁石11、12及び塗膜17の距離と、被塗物16の材質及び厚さとに起因している。シート状磁石11、12によって塗膜17に印加される磁界は、10〜350mT(テスラ)、好ましくは15〜350mTの磁束密度を有している。磁界の磁束密度を15〜350mTに設定することにより、該磁束密度が前記範囲を外れる場合に比べて、塗膜17の模様が優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を発揮することができる。溶剤の蒸発に伴い、及び塗料が硬化剤を含有する場合には該硬化剤の作用により、樹脂が硬化して液状の塗膜が固化する。そして、塗膜に所定時間にわたって磁場が印加された後、模様形成装置から被塗物が取り外される。これにより、被塗物の表面に模様を有する塗膜が形成され、該被塗物を備える塗装物品が得られる。塗膜の乾燥膜厚は、例えば5〜50μmである。
図1では、シート状磁石12のN極からシート状磁石11のS極に向かって延びる磁力線(磁界)18が矢印で示されている。この矢印で示すように、両シート状磁石11、12の接触部位19上において磁力線18が塗膜17の表面に対して略平行に延びるように配向される。言い換えれば、隣り合うシート状磁石11、12の磁極間で閉じる磁力線18の極値(極大値)が、隣り合うシート状磁石11、12の接触部位19上に位置する。このため、隣り合うシート状磁石11、12による磁界に基づいて、被塗物16上の塗膜17中に分散されている磁性体が磁力線18の延びる方向に沿って配向される。従って、両シート状磁石11、12の接触部位19において磁性体が塗膜17の表面に対して略平行に延びるように配向される。その結果、塗膜17の上方からの光が、塗膜17中の磁性体により両シート状磁石11、12の接触部位19で最も反射されやすく、塗膜17の表面を明瞭に視認することができる。
本実施形態に係る模様形成装置を用いることにより、塗膜17の模様が優れたくっきり感、深み感及びムービング感を発揮することができる理由を、図4及び図5に基づいて説明する。塗膜17をその真上から見たときには、図5の実線で表されるように、くっきりとした円環状の模様21を視認することができる。目を図5の右方へ傾けてゆくと、その円環状の模様21が右方へ移動する(図5の二点鎖線)。模様21が移動した距離Lがムービング距離である。
図4に示すように、塗膜17をその真上から目22で見たときには、塗膜17中の磁性体23において塗膜17の表面に対して略平行に延びるように配向されている磁性体23に入射光24aが当って反射し、反射光24bが真上に向って延びて目22に入る。このとき、塗膜17の表面に対して略平行に延びるように配向されている各磁性体23はそれらの配向方向が揃っている。そのため、強い反射光24bによる明るい部分と、反射光24bがなくて暗い部分とのコントラストが大きくなり、模様21の境界部分が明瞭になる。従って、前記円環状の模様21をくっきりと見ることができる。さらに、塗膜17の内奥部(図4の下部)の磁性体23も塗膜17の表面に対して略平行に延びるように配向され、その磁性体23からの反射光24bも目に入ることから、模様21が深み感を発揮する。
続いて、目22を図4の真上から右方へ約45度傾けてゆくと、磁性体23のうち右方に約22.5度傾斜している磁性体23への入射光24aが反射して反射光24bが目22に認識される。このときも、右方に傾斜している磁性体23はその角度で揃っていることから該磁性体23からの反射光24bが強められ、模様21をくっきりと見ることができる。従って、模様21はあたかもムービング距離Lだけ移動したように認識される。
これに対して、図6に示すように、隣り合うシート状磁石11、12が互いに接触することなく、シート状磁石11の内周面14とシート状磁石12の外周面13との間に隙間20が設けられた場合には、両シート状磁石11、12間で閉じる磁力線18が描く円弧の半径(曲率半径)が大きくなる。しかも、磁力線18の方向が塗膜17の表面に対して略平行に延びるように配向される位置は、模様を形成する輪郭線の略中央部、すなわちシート状磁石11の内周面14とシート状磁石12の外周面13との間の略中央部である。このため、磁性体23の配向に基づく模様が広い幅を有しており、ぼんやりしたものになるおそれがある。さらに、塗膜17の内奥部に存在する磁性体23も塗膜17の表面における磁性体23と同様に配向され、模様の深み感が得られず、且つムービング感も得られないおそれがある。
これについて、さらに図7に従って説明する。図7に示される場合には、磁性体23にある程度の方向性が認められるが、磁性体23が綺麗に揃って配向されていないことから、塗膜17をその真上から目22で見たとき、及び右方へ目22を傾けて塗膜17を見たときにも反射光24bは揃わず、模様21をくっきりと認識することができないおそれがある。従って、仮に目22を移動させて模様21がはっきりと見える部分があったとしても、それは部分的であり、しかもその位置は定まらず、実質上ムービング感が得られないおそれがある。
以上説明した本実施形態は、以下に示す利点を有する。
塗料中及び塗料の被塗物16への塗布の初期の段階では、塗料中の磁性体23はランダムな方向に配向されている。図1に示すように、塗料に磁石11、12の磁界が作用すると、磁力線18が磁石11、12の表面に対して垂直に延びる位置では、磁力線18は被塗物16の表面に対しても垂直に延びている。そのため、塗料中において磁力線18が被塗物16の表面に対して垂直に延びている個所では、磁性体23は被塗物16の表面に対して垂直に延びるように配向される。また、磁力線18が磁石11、12の表面に対して略平行に延びる位置では、磁力線18は被塗物16の表面に対しても略平行に延びている。そのため、塗料中において磁力線18が被塗物16の表面に対して略平行に延びている個所では、磁性体23は、被塗物16の表面に対して略平行に延びるように配向される。磁性体のこれらの配向により、被塗物上の塗膜に模様が形成される。
塗料中及び塗料の被塗物16への塗布の初期の段階では、塗料中の磁性体23はランダムな方向に配向されている。図1に示すように、塗料に磁石11、12の磁界が作用すると、磁力線18が磁石11、12の表面に対して垂直に延びる位置では、磁力線18は被塗物16の表面に対しても垂直に延びている。そのため、塗料中において磁力線18が被塗物16の表面に対して垂直に延びている個所では、磁性体23は被塗物16の表面に対して垂直に延びるように配向される。また、磁力線18が磁石11、12の表面に対して略平行に延びる位置では、磁力線18は被塗物16の表面に対しても略平行に延びている。そのため、塗料中において磁力線18が被塗物16の表面に対して略平行に延びている個所では、磁性体23は、被塗物16の表面に対して略平行に延びるように配向される。磁性体のこれらの配向により、被塗物上の塗膜に模様が形成される。
従って、被塗物16への塗布の初期の段階における塗料の粘度は、磁性体23が塗料中を移動することが可能な範囲に設定される必要がある。一方、被塗物16への塗布の後期の段階における塗料の粘度は、被塗物16が模様形成装置から取り外されたとき、即ち磁界が塗膜17に作用しなくなったときでも塗料が流動したり塗料中の磁性体23の配向がくずれたりすることなく、塗料中の磁性体23の配向が維持される範囲に設定される必要がある。
本実施形態に係る塗料では、被塗物16への塗布から15秒経過後の塗料の粘度が1,000〜10,000mPa・s以下に設定されていることから、塗料の塗布の初期の段階には塗料の粘度が比較的低い。そのため、塗膜17中の狭い領域であっても、磁界により、磁力線18の方向に沿って忠実に揃った状態で磁性体23が塗料中を速やかに移動して配向される。また、被塗物16への塗布から90秒経過後の塗料の粘度が50,000mPa・s以上に設定されていることから、塗料の塗布の後期の段階には塗料の粘度が比較的高く、磁性体23の配向が固定された状態で塗膜が固化する。そのため、磁性体23によって形成される塗膜の模様が優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を発揮することができる。
本実施形態に係る模様形成方法では、前記塗料を用いることにより、塗膜の模様が優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を発揮することができる。更に、本実施形態に係る模様形成方法では、隣り合う一対の磁石11、12の表面の磁極及び裏面の磁極が隣り合う磁石11、12同士で異なるように、且つ各磁石11、12の側面が互いに接触するように各磁石11、12が配置される。更に、これらの磁石11、12により塗膜17に磁界が印加され、隣り合う磁石11、12同士が接触している各磁石11、12の接触部位において磁性体23が塗膜17の表面に対して略平行に延びるように配向され、少なくとも各磁石11、12の接触部位上の磁性体23により塗膜17に模様が形成される。そのため、隣り合う磁石11、12の間に間隙が形成される場合に比べて、塗膜の模様が優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を発揮することができる。
前記実施形態は、例えば以下のように変更されてもよい。
塗料は、樹脂として酢酸ビニル系樹脂が用いられている場合にもRC剤を含有してもよい。
塗料は、樹脂として酢酸ビニル系樹脂が用いられている場合にもRC剤を含有してもよい。
前記塗膜を形成するとともに磁石を配置する工程において、被塗物が模様形成装置に取り付けられた後に塗料が被塗物に塗布されてもよいし、塗料が被塗物に塗布された後に該被塗物が模様形成装置に取り付けられてもよい。
磁性体23として、材質が異なる複数種類の磁性体23が組み合わされて用いられてもよいし、大きさが異なる複数種類の磁性体23が組み合わされて用いられてもよい。これらの場合には、塗膜17が斬新な模様を有することができる。
被塗物16の表面が湾曲している場合には、各シート状磁石11、12が塗膜17の表面に沿って湾曲状に配置されてもよい。
例えばシート状磁石11、12の磁界の強度と、被塗物の厚さ、塗膜の厚さ、及び塗料中の磁性体23の含有量との関係に基づく磁性体23の配向の程度(模様の発現の程度)を予め測定してデータを得ておき、該データを所望する模様の形成に利用してもよい。
例えばシート状磁石11、12の磁界の強度と、被塗物の厚さ、塗膜の厚さ、及び塗料中の磁性体23の含有量との関係に基づく磁性体23の配向の程度(模様の発現の程度)を予め測定してデータを得ておき、該データを所望する模様の形成に利用してもよい。
各シート状磁石11、12が、それらの間に間隙を有するように配置されてもよい。また、一対のシート状磁石11、12の代わりに1個の磁石のみが用いられもよいし、3個以上のシート状磁石が用いられ、隣り合うシート状磁石の磁極が異なるように各シート状磁石が配置されてもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(塗料の粘度に関する試験)
本試験においては、塗料中の磁性体が磁界の作用によって配向されるときの塗料の粘度、及び所望の模様を形成している磁性体に磁界が作用しなくなった際に模様の形状が維持されるときの塗料の粘度を調べた。
(塗料の粘度に関する試験)
本試験においては、塗料中の磁性体が磁界の作用によって配向されるときの塗料の粘度、及び所望の模様を形成している磁性体に磁界が作用しなくなった際に模様の形状が維持されるときの塗料の粘度を調べた。
具体的には、まず所定の粘度を有する複数種類のサンプル液を作成した。作成したサンプル液の粘度は2,000mPa・s、3,000mPa・s、7,000mPa・s、9,000mPa・s、14,000mPa・s及び粘度52,000mPa・sの6種類である。各サンプル液の粘度を、20℃の温度及び65%の相対湿度の条件下において上記各値となるように調整した。
次いで、各サンプル液中に酸化鉄からなる磁性顔料(チタン工業(株)製のタロックスAM−200)を1質量%添加した後、均一に撹拌して試験液をそれぞれ調製した。各試験液を、1mmの厚さを有するABS樹脂基材上にアプリケータにて約200μmの厚みで塗布し、基材の裏面から磁石(基材上における磁束密度30mT)を装着した。この装着時点を0秒とし、装着から5秒、10秒、30条、60秒、120秒、及び180秒経過した時点で基材の表面における磁性顔料の写真を撮影し、磁界に沿った模様が形成されているか否かを目視により確認した。結果を表1に示す。表1において、“OO”はくっきりとした模様を視認することができたことを示し、“O”は模様を確認することができたことを示し、“×”は模様を確認することができなかったことを示す。
表1に示すように、塗料中の磁性体が模様を形成するために、塗料が2,000mPa・sの粘度を有する場合にて10秒の時間を要し、塗料が9,000mPa・sの粘度を有する場合にて60秒の時間を要することが分かった。実際の塗布作業においては、被塗物上に瞬間的に塗料を塗布することはできず、所定の厚みを実現するために繰り返し塗料を塗布する場合があり、塗布に一定の時間(約45秒)が必要となる。したがって、磁性体が磁界に沿った模様を形成するためには、塗布の終了時を起点として該塗布の終了時から15秒経過時における塗料の粘度が1,000〜10,000mPa・sであることが必要であることが分かった。塗布の終了時から15秒経過時における塗料の粘度が10,000mPa・sを超えると、塗料中の磁性体がくっきりとした模様を形成することができない。
また、前記各サンプル液について、磁石の装着から180秒経過した後に磁石を取り外した。磁石の取り外しの際には、各サンプル液においてくっきりとした模様が形成されていた。そして、磁石の取り外し時点を0秒とし、磁石の取り外しから60秒、及び180秒経過した時点で基材上における模様の写真を撮影し、模様の形状が維持されているか否かを目視により確認した。結果を表2に示す。表2において、“OO”はくっきりとした模様を視認することができたことを示し、“O”は模様を確認することができたことを示し、“×”は模様を確認することができなかったことを示す。
表2に示すように、塗膜の模様を維持するため、即ち磁性体の配向状態を維持するためには、塗料が50,000mPa・s以上の粘度を有することが必要であることが分かった。塗料の粘度が50,000mPa・s未満では、くっきりとした模様を維持することができない。
(合成例1)
合成例1においては、以下の手順に従ってアクリル系樹脂を調製した。以下の説明において、“部”は“質量部”を示す。また、固形分を日本工業規格であるJIS K5601−1−2(国際規格であるISO3251)に従って測定し、酸価をJIS K5601−2−1(ISO3682)に従って測定した。温度計、撹拌羽根、滴下装置、冷却管、窒素導入管、及び温度制御装置を備えた反応容器内に、トルエン36部及びメチルイソブチルケトン22部を投入し、窒素気流中で撹拌しながら反応容器内を110℃にまで昇温した。次いで、トルエン12部、メチルイソブチルケトン(MIBK)5部、及びターシャリブチルパーオキシヘキサナート4部からなる重合触媒溶液と、メチルメタクリレート35部、n−ブチルメタクリレート53部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、及びメタクリル酸1部からなる重合性モノマー混合溶液とをそれぞれ別の滴下ロートを用いて反応容器内に3時間かけて滴下した。これらの滴下の間、反応容器内の溶液を撹拌し続けた。滴下開始から10分経過後、反応容器内を120℃にまで昇温して同温度を維持した。滴下終了後、トルエン4部、MIBK2部、及びターシャリブチルパーオキシヘキサナート0.5部からなる後ショット重合触媒溶液を、滴下ロートを用いて反応容器内に1時間かけて滴下した。この滴下の間、反応容器内の溶液を撹拌し続けた。滴下後、反応容器内の温度を120℃に維持したまま2時間熟成させ、反応容器内を冷却してアクリル系樹脂を得た。以下の説明において、合成例1の手順によって得られたアクリル系樹脂を“アクリル系樹脂A”と称する。このアクリル系樹脂Aの固形分は55質量%であり、GPCのポリスチレン換算での重量平均分子量は16,000であった。
合成例1においては、以下の手順に従ってアクリル系樹脂を調製した。以下の説明において、“部”は“質量部”を示す。また、固形分を日本工業規格であるJIS K5601−1−2(国際規格であるISO3251)に従って測定し、酸価をJIS K5601−2−1(ISO3682)に従って測定した。温度計、撹拌羽根、滴下装置、冷却管、窒素導入管、及び温度制御装置を備えた反応容器内に、トルエン36部及びメチルイソブチルケトン22部を投入し、窒素気流中で撹拌しながら反応容器内を110℃にまで昇温した。次いで、トルエン12部、メチルイソブチルケトン(MIBK)5部、及びターシャリブチルパーオキシヘキサナート4部からなる重合触媒溶液と、メチルメタクリレート35部、n−ブチルメタクリレート53部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、及びメタクリル酸1部からなる重合性モノマー混合溶液とをそれぞれ別の滴下ロートを用いて反応容器内に3時間かけて滴下した。これらの滴下の間、反応容器内の溶液を撹拌し続けた。滴下開始から10分経過後、反応容器内を120℃にまで昇温して同温度を維持した。滴下終了後、トルエン4部、MIBK2部、及びターシャリブチルパーオキシヘキサナート0.5部からなる後ショット重合触媒溶液を、滴下ロートを用いて反応容器内に1時間かけて滴下した。この滴下の間、反応容器内の溶液を撹拌し続けた。滴下後、反応容器内の温度を120℃に維持したまま2時間熟成させ、反応容器内を冷却してアクリル系樹脂を得た。以下の説明において、合成例1の手順によって得られたアクリル系樹脂を“アクリル系樹脂A”と称する。このアクリル系樹脂Aの固形分は55質量%であり、GPCのポリスチレン換算での重量平均分子量は16,000であった。
(合成例2)
合成例2においては、以下の手順に従ってアクリル系樹脂を調製した。合成例1で使用された反応容器と同様の反応容器内に、トルエン67部及びMIBK36部を投入し、窒素気流中で撹拌しながら反応容器内を110℃にまで昇温した。次いで、メチルメタクリレート37部、n−ブチルメタクリレート38部、ターシャリブチルメタクリレート23部、及びスチレン2部からなる重合性モノマー混合溶液と、トルエン8部、MIBK4部、及びターシャルブチルパーオキシヘキサナート1部からなる重合触媒溶液とをそれぞれ別の滴下ロートを用いて反応容器内に3時間かけて滴下した。これらの滴下の間、反応容器内の溶液を窒素気流中で撹拌し続けるとともに、反応容器内の温度を110℃に維持した。滴下終了後、トルエン5部、MIBK2部、及びターシャリブチルパーオキシヘキサナート0.5部からなる後ショット重合触媒溶液を、滴下ロートを用いて反応容器内に1時間かけて滴下した。この滴下の間、反応容器内の溶液を撹拌し続けるとともに、反応容器内の温度を110℃に維持した。滴下後、反応容器内の温度を120℃にまで昇温して同温度を維持した状態で2時間熟成させ、反応容器内を冷却してアクリル系樹脂を得た。以下の説明において、合成例2の手順によって得られたアクリル系樹脂を“アクリル系樹脂B”と称する。このアクリル系樹脂Bの固形分は45質量%であり、GPCのポリスチレン換算での重量平均分子量は138,000であった。
合成例2においては、以下の手順に従ってアクリル系樹脂を調製した。合成例1で使用された反応容器と同様の反応容器内に、トルエン67部及びMIBK36部を投入し、窒素気流中で撹拌しながら反応容器内を110℃にまで昇温した。次いで、メチルメタクリレート37部、n−ブチルメタクリレート38部、ターシャリブチルメタクリレート23部、及びスチレン2部からなる重合性モノマー混合溶液と、トルエン8部、MIBK4部、及びターシャルブチルパーオキシヘキサナート1部からなる重合触媒溶液とをそれぞれ別の滴下ロートを用いて反応容器内に3時間かけて滴下した。これらの滴下の間、反応容器内の溶液を窒素気流中で撹拌し続けるとともに、反応容器内の温度を110℃に維持した。滴下終了後、トルエン5部、MIBK2部、及びターシャリブチルパーオキシヘキサナート0.5部からなる後ショット重合触媒溶液を、滴下ロートを用いて反応容器内に1時間かけて滴下した。この滴下の間、反応容器内の溶液を撹拌し続けるとともに、反応容器内の温度を110℃に維持した。滴下後、反応容器内の温度を120℃にまで昇温して同温度を維持した状態で2時間熟成させ、反応容器内を冷却してアクリル系樹脂を得た。以下の説明において、合成例2の手順によって得られたアクリル系樹脂を“アクリル系樹脂B”と称する。このアクリル系樹脂Bの固形分は45質量%であり、GPCのポリスチレン換算での重量平均分子量は138,000であった。
(合成例3)
合成例3においては酢酸ビニル系樹脂を調製した。即ち、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体(ダウ・ケミカル社製の商品名VMCH)20部、MIBK60部、及びメチルエチルケトン(MEK)20部を撹拌しながら混合することにより酢酸ビニル系樹脂を調製した。この酢酸ビニル系樹脂の固形分は20質量%であった。
合成例3においては酢酸ビニル系樹脂を調製した。即ち、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体(ダウ・ケミカル社製の商品名VMCH)20部、MIBK60部、及びメチルエチルケトン(MEK)20部を撹拌しながら混合することにより酢酸ビニル系樹脂を調製した。この酢酸ビニル系樹脂の固形分は20質量%であった。
(合成例4)
合成例4においてはニトロセルロース系樹脂を調製した。即ちニトロセルロース(Bergerac社製の製品名HIG2)21.43部、酢酸イソブチル62.86部、及びトルエン15.71部を撹拌しながら混合することによりニトロセルロース系樹脂を調製した。以下の説明において、合成例4の手順によって得られたニトロセルロース系樹脂を“ニトロセルロース系樹脂A”と称する。このニトロセルロース系樹脂Aの固形分は15質量%であった。
合成例4においてはニトロセルロース系樹脂を調製した。即ちニトロセルロース(Bergerac社製の製品名HIG2)21.43部、酢酸イソブチル62.86部、及びトルエン15.71部を撹拌しながら混合することによりニトロセルロース系樹脂を調製した。以下の説明において、合成例4の手順によって得られたニトロセルロース系樹脂を“ニトロセルロース系樹脂A”と称する。このニトロセルロース系樹脂Aの固形分は15質量%であった。
(合成例5)
合成例5においてはニトロセルロース系樹脂を調製した。即ちニトロセルロース(Bergerac社製の製品名HIG7)21.43部、酢酸イソブチル62.86部、及びトルエン15.71部を撹拌しながら混合することによりニトロセルロース系樹脂を調製した。以下の説明において、合成例5の手順によって得られたニトロセルロース系樹脂を“ニトロセルロース系樹脂B”と称する。このニトロセルロース系樹脂Bの固形分は15質量%であった。
合成例5においてはニトロセルロース系樹脂を調製した。即ちニトロセルロース(Bergerac社製の製品名HIG7)21.43部、酢酸イソブチル62.86部、及びトルエン15.71部を撹拌しながら混合することによりニトロセルロース系樹脂を調製した。以下の説明において、合成例5の手順によって得られたニトロセルロース系樹脂を“ニトロセルロース系樹脂B”と称する。このニトロセルロース系樹脂Bの固形分は15質量%であった。
(合成例6)
合成例6においてはセルロースアセテートブチレート系樹脂を調製した。即ち、セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル社製の商品名CAB531−1)20部と酢酸ブチル80部とを撹拌しながら混合することによりセルロースアセテートブチレート系樹脂を得た。このセルロースアセテートブチレート系樹脂の固形分は20質量%であった。
合成例6においてはセルロースアセテートブチレート系樹脂を調製した。即ち、セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル社製の商品名CAB531−1)20部と酢酸ブチル80部とを撹拌しながら混合することによりセルロースアセテートブチレート系樹脂を得た。このセルロースアセテートブチレート系樹脂の固形分は20質量%であった。
(合成例7)
合成例7においては、以下の手順に従ってミクロゲル分散溶液を調製した。即ち、撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサ、及び冷却管を備えた反応容器内に、ビスヒドロキシエチルタウリン100部、ネオペンチルグリコール97部、アゼライン酸176部、無水フタル酸139部、及びキシレン20部を投入し、窒素気流中で反応容器内を昇温し、反応容器内の溶液を環流しながら反応により生成した水をキシレンと共沸させて除去した。環流開始から約2時間かけて反応容器内の温度を190℃とし、カルボン酸相当の酸価が145になるまで撹拌と脱水とを継続した。次に、反応容器内の温度を140℃まで下げて同温度を維持しながら、バーサティック酸グリシジルエステル(シェル社製の商品名カージュラE10)234部を30分かけて滴下した。滴下後、反応容器内の溶液を2時間撹拌し続けて反応を終了してポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂の酸価は60であり、GPCのポリスチレン換算での数平均分子量は1,100であった。
合成例7においては、以下の手順に従ってミクロゲル分散溶液を調製した。即ち、撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサ、及び冷却管を備えた反応容器内に、ビスヒドロキシエチルタウリン100部、ネオペンチルグリコール97部、アゼライン酸176部、無水フタル酸139部、及びキシレン20部を投入し、窒素気流中で反応容器内を昇温し、反応容器内の溶液を環流しながら反応により生成した水をキシレンと共沸させて除去した。環流開始から約2時間かけて反応容器内の温度を190℃とし、カルボン酸相当の酸価が145になるまで撹拌と脱水とを継続した。次に、反応容器内の温度を140℃まで下げて同温度を維持しながら、バーサティック酸グリシジルエステル(シェル社製の商品名カージュラE10)234部を30分かけて滴下した。滴下後、反応容器内の溶液を2時間撹拌し続けて反応を終了してポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂の酸価は60であり、GPCのポリスチレン換算での数平均分子量は1,100であった。
続いて、撹拌機、冷却機、温度制御装置、窒素導入管、及び滴下装置を備えた反応容器内に脱イオン水200部を投入し、窒素気流中で撹拌して反応容器内を80℃まで昇温した。次いで、前記の工程により得られたポリエステル樹脂8.6部、及びジメチルエタノールアミン0.65部を反応容器内に投入して溶解させた。次に、アゾビスシアノ吉草酸3.9部を脱イオン水39部及びジメチルエタノールアミン3.71部に溶解した液を反応容器内に添加した。更に、メチルメタクリレート122部、n−ブチルアクリレート81部、2−ヒドロキシエチルアクリレート26部、及びエチレングリコールジメタクリレート4部からなる混合溶液を反応容器内に60分かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を80℃に昇温し、アゾビスシアノ吉草酸1.3部を脱イオン水12部及びジメチルエタノールアミン1.21部に溶解した液を反応容器内に添加した。続いて、反応容器内の温度を80℃に維持した状態で反応容器内の溶液を60分間撹拌してミクロゲルのエマルジョンを得た。
このミクロゲルのエマルジョンを反応容器に投入し、反応容器内の温度を80〜90℃に維持した状態でミクロゲルエマルジョンを撹拌しながらキシロールを反応容器内に添加した。そして、キシロールと水との共沸を利用して8時間かけてミクロゲルのエマルジョンをミクロゲルのキシロール溶液に置換してミクロゲル分散溶液を得た。光散乱法で測定されたミクロゲルの粒子径は0.2μmであり、ミクロゲル分散溶液中のミクロゲルの含有量は25質量%であった。
次に、各例における塗料の調製について説明する。以下の各例の塗料の調製では、25℃の雰囲気下で各成分を配合し、磁性顔料以外の各成分の配合毎に5分間の撹拌を行うとともに、磁性顔料の配合の際には15分間の撹拌を行った。
(実施例1)
実施例1においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内に樹脂としての前記アクリル系樹脂Aを投入し、該アクリル系樹脂Aを撹拌しながらRC剤としての前記ニトロセルロース系樹脂Aを添加し、次に溶剤としての酢酸イソブチルを添加して樹脂溶液を調製した。また、着色剤としての金属錯塩アゾ系の染料(オリエント化学工業社製の商品名VALIFAST RED3306、固形分100%)をMEKに溶解させて20質量%濃度の着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながら前記着色液を添加した後、磁性体としての酸化鉄系の磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表3に示す。
実施例1においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内に樹脂としての前記アクリル系樹脂Aを投入し、該アクリル系樹脂Aを撹拌しながらRC剤としての前記ニトロセルロース系樹脂Aを添加し、次に溶剤としての酢酸イソブチルを添加して樹脂溶液を調製した。また、着色剤としての金属錯塩アゾ系の染料(オリエント化学工業社製の商品名VALIFAST RED3306、固形分100%)をMEKに溶解させて20質量%濃度の着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながら前記着色液を添加した後、磁性体としての酸化鉄系の磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表3に示す。
(実施例2〜4)
実施例2〜4においては、各成分の種類及び配合割合を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料をそれぞれ調製した。
実施例2〜4においては、各成分の種類及び配合割合を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料をそれぞれ調製した。
(実施例5)
実施例5においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内にアクリル系樹脂Aを投入し、該アクリル系樹脂Aを撹拌しながらRC剤としての合成例6によって得られたセルロースアセテートブチレート系樹脂を添加し、更に酢酸ブチルを添加して樹脂溶液を調製した。また、酢酸エチルを撹拌しながら、合成例7によって得られたミクロゲル分散溶液をゆっくりと添加してミクロゲル希釈液を調製した。更に、染料(オリエント化学工業社製の商品名VALIFAST RED3306、固形分100%)をMEKに溶解させて20質量%濃度の着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながらミクロゲル希釈液、及び着色液を順に添加した後、磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表3に示す。
実施例5においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内にアクリル系樹脂Aを投入し、該アクリル系樹脂Aを撹拌しながらRC剤としての合成例6によって得られたセルロースアセテートブチレート系樹脂を添加し、更に酢酸ブチルを添加して樹脂溶液を調製した。また、酢酸エチルを撹拌しながら、合成例7によって得られたミクロゲル分散溶液をゆっくりと添加してミクロゲル希釈液を調製した。更に、染料(オリエント化学工業社製の商品名VALIFAST RED3306、固形分100%)をMEKに溶解させて20質量%濃度の着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながらミクロゲル希釈液、及び着色液を順に添加した後、磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表3に示す。
(実施例6)
実施例6においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器に樹脂としての合成例3によって得られた酢酸ビニル系樹脂を投入し、該酢酸ビニル系樹脂を撹拌しながらアクリル系樹脂Aを添加して樹脂溶液を調製した。また、染料(オリエント化学工業社製の商品名VALIFAST RED3306、固形分100%)をMEKに溶解させて20質量%濃度の着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながら着色液を添加した後、磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表3に示す。
実施例6においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器に樹脂としての合成例3によって得られた酢酸ビニル系樹脂を投入し、該酢酸ビニル系樹脂を撹拌しながらアクリル系樹脂Aを添加して樹脂溶液を調製した。また、染料(オリエント化学工業社製の商品名VALIFAST RED3306、固形分100%)をMEKに溶解させて20質量%濃度の着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながら着色液を添加した後、磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表3に示す。
(実施例7)
実施例7においては、各成分の種類及び配合割合を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料を調製した。
実施例7においては、各成分の種類及び配合割合を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料を調製した。
(実施例8)
実施例8においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内に合成例3によって得られた酢酸ビニル系樹脂を投入し、該酢酸ビニル系樹脂を撹拌しながら溶剤としての酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK、及びn−ブタノールを順に添加して樹脂溶液を調製した。また、着色剤としてのアントラキノン系の染料(有本化学工業社製の商品名PLAST BLUE 8550 固形分100%)をキシレンに溶解させて20質量%濃度の着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながら着色液を添加した後、磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表3に示す。
実施例8においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内に合成例3によって得られた酢酸ビニル系樹脂を投入し、該酢酸ビニル系樹脂を撹拌しながら溶剤としての酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK、及びn−ブタノールを順に添加して樹脂溶液を調製した。また、着色剤としてのアントラキノン系の染料(有本化学工業社製の商品名PLAST BLUE 8550 固形分100%)をキシレンに溶解させて20質量%濃度の着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながら着色液を添加した後、磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表3に示す。
(実施例9)
実施例9においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内に合成例3によって得られた酢酸ビニル系樹脂を投入し、該酢酸ビニル系樹脂を撹拌しながら酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK、n−ブタノール、キシレン、フタロシアニン系のナノ顔料(日弘ビックス社製の商品名NSP−VG663(D)BLUE、固形分20%)、及び磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を順に添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表4に示す。日弘ビックス社製の商品名NSP−VG663(D)BLUEは、10部のピグメントブルー15と、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体10部と、MIBK80とから構成されている。
実施例9においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内に合成例3によって得られた酢酸ビニル系樹脂を投入し、該酢酸ビニル系樹脂を撹拌しながら酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK、n−ブタノール、キシレン、フタロシアニン系のナノ顔料(日弘ビックス社製の商品名NSP−VG663(D)BLUE、固形分20%)、及び磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を順に添加して塗料を調製した。各成分の配合割合を表4に示す。日弘ビックス社製の商品名NSP−VG663(D)BLUEは、10部のピグメントブルー15と、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体10部と、MIBK80とから構成されている。
(実施例10)
実施例10においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内に合成例3によって得られた酢酸ビニル系樹脂を投入し、該酢酸ビニル系樹脂を撹拌しながら酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK、及びn−ブタノールを順に添加して樹脂溶液を調製した。また、着色剤としてのフタロシアニン系の顔料(東洋インキ社製の商品名シャニンブルー MR−3)15部、アクリル系樹脂A40部、MIBK23部、及び酢酸ブチル22部を混合して着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながら各成分の配合割合が表4に示す割合になるように着色液を添加した後、磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。
実施例10においては、以下の手順に従って塗料を調製した。即ち、ステンレス容器内に合成例3によって得られた酢酸ビニル系樹脂を投入し、該酢酸ビニル系樹脂を撹拌しながら酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK、及びn−ブタノールを順に添加して樹脂溶液を調製した。また、着色剤としてのフタロシアニン系の顔料(東洋インキ社製の商品名シャニンブルー MR−3)15部、アクリル系樹脂A40部、MIBK23部、及び酢酸ブチル22部を混合して着色液を調製した。そして、前記樹脂溶液を撹拌しながら各成分の配合割合が表4に示す割合になるように着色液を添加した後、磁性顔料(チタン工業社製の製品名TAROX AM−200)を添加して塗料を調製した。
(実施例11〜16)
実施例11〜16においては、各成分の種類及び配合割合を表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料を調製した。
実施例11〜16においては、各成分の種類及び配合割合を表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料を調製した。
(比較例1及び2)
比較例1及び2においては、各成分の種類及び配合割合を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料をそれぞれ調製した。
比較例1及び2においては、各成分の種類及び配合割合を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料をそれぞれ調製した。
(比較例3及び4)
比較例3及び4においては、各成分の種類及び配合割合を表4に示すように変更した以外は、実施例8と同様にして塗料をそれぞれ調製した。
比較例3及び4においては、各成分の種類及び配合割合を表4に示すように変更した以外は、実施例8と同様にして塗料をそれぞれ調製した。
(比較例5)
比較例5においては、各成分の種類及び配合割合を表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料をそれぞれ調製した。
比較例5においては、各成分の種類及び配合割合を表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして塗料をそれぞれ調製した。
また、硬化剤としてのイソシアネート系硬化剤(旭化成ケミカルズ社製のデュラネート24A−90PX、固形分90質量%)77.8部、トルエン8.2部、キシレン6部、酢酸ブチル6部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2部を混合して硬化剤溶液を調製した。そして、表3及び表4に示すように、任意の実施例及び比較例に係る塗料においては、硬化剤の配合割合が表3及び表4に示す割合になるように硬化剤溶液を前記塗料に添加した。また、表3及び表4に示す各成分及び配合割合で希釈用の溶剤を調製した。そして、この希釈用の溶剤を各例の塗料に撹拌することなく添加した後、スパチュラを用いて1分間撹拌して希釈塗料を調製した。
各例の希釈塗料を用いて、下記の評価を行った。即ち、被塗物として市販のABS樹脂板(黒色 縦20cm、横15cm、厚み0.1cm)を3枚用意し、イソプロピルアルコールで塗布表面を拭いた。このうち1枚の樹脂板の裏面に、直径が40mmであるとともに厚さが2mmである円盤状磁石の一方の面(N極)を粘着テープにて貼り付け、模様形成用のテストピースを準備した。また、残りの樹脂板を用いて、希釈塗料の塗布後15秒又は90秒経過時における希釈塗料の粘度を測定するための粘度測定用のテストピースを準備した。円盤状磁石に起因する、樹脂板の表面上における磁界の磁束密度を表5及び表6に示す。KANETEC社製のTESLA METER TM−601を用いて各磁界の磁束密度を測定した。
そして、各例の希釈塗料の調製後直ちに、20℃の温度及び65%の相対湿度の雰囲気下で、スプレーガン(アネスト岩田(株)製、商品名ワイダー100)を用い、各例の希釈塗料をそれぞれ前記3枚のABS樹脂板の表面に、乾燥膜厚が略10μmとなるようにスプレー塗布した。模様形成用のテストピースを、前記雰囲気下で10分間放置した。一方、粘度測定用の2枚のテストピースを、前記雰囲気下にてスプレー塗布から15秒経過時、又は90秒経過時に直ちに塗膜17を掻き取り、密閉状態でRR型粘度計及びRL型粘度計(いずれも東機産業(株)製、商品名VISCOMETER CONTROLLER RC-500)を用いて塗料の粘度を測定した。測定方法は「ばね緩和測定」であり、20℃での塗料の粘度を測定した。せん断速度0.1(1/sec)のときの粘度を表5及び表6に示す。塗料の粘度が500,000mPa・s以上の場合には測定精度が悪化することから、測定値が500,000mPa・s以上の場合には、表5及び表6において塗料の粘度を500,000mPa・s以上と記載した。
前記模様形成用のテストピースについては、10分間放置後クリア塗料を乾燥膜厚が30μmになるように塗布し、10分間放置後に乾燥炉に入れ、80℃で30分乾燥した。クリア塗料の塗布前に、ABS樹脂板の裏面に貼り付けた磁石を取り除いた。上記クリア塗料として、主剤(日本ビー・ケミカル(株)製、商品名R240 CI)100部と、硬化剤(日本ビー・ケミカル(株)製、商品名R255)16部及び希釈溶剤(日本ビー・ケミカル(株)製、商品名R240用希釈シンナー)30部とを混合及び撹拌したものを用いた。
このようにして得られた塗膜について、くっきり感、深み感、及びムービング感を、塗料設計者、デザイン担当者など10名の目視による判定を平均化して下記に示す基準で求めた。それらの結果を表5及び表6に示す。表5及び表6において、“粘度(mPa・s)”欄中の“15秒後”欄及び“90秒後”欄はそれぞれ、スプレー塗布から15秒経過時又は90秒経過時における塗料の粘度の値を示す。“NCA”はニトロセルロース系樹脂Aを示し、NCBはニトロセルロース系樹脂Bを示し、“CAB”はセルロースアセテートブチレート系樹脂を示し、“MG”はミクロゲル分散溶液を示す。 “ACA”はアクリル系樹脂Aを示し、“ACB”はアクリル系樹脂Bを示し、“VMCH”は酢酸ビニル系樹脂を示す。 “RC剤”欄における“添加量(質量%)”は、塗料中の樹脂とRC剤との合計量に対するRC剤の割合を固形分換算で示す。
(くっきり感)
○:模様の境界部分が非常にくっきりと見えた。△:模様の境界部分がくっきりと見えた。×:模様の境界部分がぼんやりしていた。
○:模様の境界部分が非常にくっきりと見えた。△:模様の境界部分がくっきりと見えた。×:模様の境界部分がぼんやりしていた。
(深み感)
○:模様中の明暗差が大きく、奥行きが非常に感じられる。△:模様中の明暗差があり、奥行きが感じられる。×:模様中の明暗差が乏しく、奥行きが感じられない。
○:模様中の明暗差が大きく、奥行きが非常に感じられる。△:模様中の明暗差があり、奥行きが感じられる。×:模様中の明暗差が乏しく、奥行きが感じられない。
(ムービング感)
○:目の位置を移動させると模様の境界部分が大きく移動し、模様が変化に富んだものであった。△:目の位置を移動させると模様の境界部分が移動し、模様の変化が認識できた。×:目の位置を移動させても模様の境界部分の移動が認識できず、模様の変化に乏しいものであった。
○:目の位置を移動させると模様の境界部分が大きく移動し、模様が変化に富んだものであった。△:目の位置を移動させると模様の境界部分が移動し、模様の変化が認識できた。×:目の位置を移動させても模様の境界部分の移動が認識できず、模様の変化に乏しいものであった。
表5及び表6に示すように、各実施例においては、各項目に関して優れた評価が得られた。このため、各実施例に係る塗料により形成された塗膜の模様は、優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を発揮することが分かった。また、各実施例の評価より、着色剤として塗料又はナノ顔料を用いることにより、顔料が用いられた場合に比べて塗膜の模様が優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を発揮することが分かった。更に、実施例11〜16の評価より、塗膜に作用する磁界が15〜350mTの磁束密度を有することにより、磁束密度がこの範囲を外れる場合に比べて塗膜の模様が優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を発揮することが分かった。
一方、比較例1においては、塗布から90秒経過後における塗料の粘度が50,000mPa・s未満であることから、特にムービング感及び深み感に関する評価が劣っていた。比較例2においては、塗布から15秒経過後における塗料の粘度が10,000mPa・sを超えることから、特にくっきり感及び深み感に関する評価が劣っていた。比較例3においては、塗布から15秒経過後における塗料の粘度が1,000mPa・s未満であるとともに塗布から90秒経過後における塗料の粘度が50,000mPa・s未満であることから、特にくっきり感に関する評価が劣っていた。更に、比較例3においては、塗布の際に塗料がABS樹脂板から垂れてしまい、塗膜の形成が困難であった。比較例4においては、塗布から15秒経過後における塗料の粘度が10,000mPa・sを超えることから、特にくっきり感及び深み感に関する評価が劣っていた。比較例5においては、塗布から90秒経過後における塗料の粘度が50,000mPa・s未満であることから、特にムービング感及び深み感に関する評価が劣っていた。
各比較例に関するこれらの評価から、塗布から90秒経過時点における塗料の粘度が50,000mPa・s以上であることが必要であることが分かった。塗料の粘度は、塗布からの時間の経過に伴って例えば溶剤の蒸発により上昇していく。この粘度上昇の際に、磁力線が被塗物の表面に対して略平行に延びている領域における磁性体は、塗料の粘度上昇の作用を受けて被塗物の表面に対して平行に配向される。この配向のためには、塗布から90秒経過時点における塗料の粘度が50,000mPa・s以上であることを要する。塗布後90秒時点で塗料の粘度が50,000mPa・s未満の場合には、例えば溶剤の蒸発に伴う塗料中の対流により磁性体の配向が乱れる。そのため、90秒以降にたとえ塗料の粘度が50,000mPa・sに到達しても、磁性体の配向が乱れて所望の模様が形成されない。
実施例8及び比較例5において、くっきり感とムービング感とを確認するために、微小光輝感測定による塗膜の色差のL値(L*値)を測定した。即ち、JIS Z8729に規定されるL*a*b*表色系に基づく明度(L*値)を測定した。具体的には、微小光輝感測定装置((株)村上色彩技術研究所製のGMBS−1)を用い、図5の破線で囲まれる領域R(具体的には縦9.2mm、横9.2mmの領域)において、下記に示す条件で光を照射し、図5の左から右へ9.2mmの範囲内において等間隔で移動しながら50個所において塗膜の真上で受光してL*値を測定した。
(測定条件)
白板校正:−45度での光の照射及び0度での受光、露光時間は100msec。
測定:10度又は25度での光の照射及び0度での受光、露光時間は100msec。
白板校正:−45度での光の照射及び0度での受光、露光時間は100msec。
測定:10度又は25度での光の照射及び0度での受光、露光時間は100msec。
そして、光の照射角度が10度の場合における移動距離(mm)とL*値との関係を図8(a)及び図8(b)に示し、光の照射角度が25度の場合における移動距離(mm)とL*値との関係を図9(a)及び図9(b)に示した。図8(a)及び図9(a)は実施例8における結果を示し、図8(b)及び図9(b)は比較例5における結果を示す。
図8(a)〜図9(b)に示すように、光の照射角度が10度及び25度のいずれの場合においても、実施例8では明瞭なピーク、即ちシャープなピークが見られるとともにL*値が高い値となった。これに対して、比較例5では明瞭なピークがなく、L*値が小さい値となった。このことは、実施例8に係る塗膜の模様が、比較例5に係る塗膜の模様に比べて優れたくっきり感を発揮することができることを示している。図8(a)と図9(a)とを比較すると、光の照射角度が10度である場合におけるピークP1の移動距離は約4.3mmであり、光の照射角度が25度である場合におけるピークP2の移動距離は約5.4mmである。即ち、光の照射角度が25度である場合のピークP2は、光の照射角度が10度である場合におけるピークP1よりもグラフの右方へ移動している。このことは、模様の明るい部分が移動することを表しており、実施例8に係る模様が優れたムービング感を発揮することができることを示している。
また、各例の希釈塗料を用い、磁石配置を以下のように変更した以外は前述と同様にして、塗料の粘度の測定と、くっきり感、深み感、及びムービング感の評価とを行った。即ち、図1及び図2に示すように、表裏で磁極が異なる、四角形状を有するシート状磁石11の中央を円形状に切断してシート状磁石12を得た。そして、シート状磁石12を180度反転させて前記シート状磁石11の分離孔15に嵌め込んだ。このとき、隣り合うシート状磁石11、12同士の磁極が反転しているとともに、各磁石11、12の側面が互いに接触している。結果を表7及び表8に示す。
表7及び表8に示すように、本試験においても、各実施例に関して上述した表5及び表6と同様の結果が得られた。そのため、本試験においても、各実施例に係る塗料により形成された塗膜の模様は、優れたくっきり感、深み感、及びムービング感を発揮することが分かった。
Claims (9)
- 樹脂と、扁平を有する粉末状の磁性体と、溶剤とを含有する模様形成用塗料であって、
被塗物への塗布から15秒経過後の粘度が1,000〜10,000mPa・sであり、且つ被塗物への塗布から90秒経過後の粘度が50,000mPa・s以上であることを特徴とする模様形成用塗料。 - 前記樹脂がアクリル系樹脂であり、模様形成用塗料がレオロジーコントロール剤を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の模様形成用塗料。
- 前記レオロジーコントロール剤が、ニトロセルロース系樹脂、セルロースアセテートブチレート系樹脂、ミクロゲル、及び酢酸ビニル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載の模様形成用塗料。
- 前記模様形成用塗料が硬化剤としてポリイソシアネート化合物を更に含有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の模様形成用塗料。
- 前記樹脂が酢酸ビニル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の模様形成用塗料。
- 前記模様形成用塗料が染料及びナノ顔料の少なくとも一方を更に含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の模様形成用塗料。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の模様形成用塗料を被塗物上に塗布して塗膜を形成するとともに、前記塗膜の表面に沿って磁石を配置する工程と、
前記磁石により塗膜に磁界を印加し、該磁界によって塗膜中の磁性体を配向させる工程とを備えることを特徴とする模様形成方法。 - 前記塗膜を形成するとともに磁石を配置する工程は、
前記塗膜の表面に沿って複数のシート状を有する磁石を互いに隣りあうように配置する工程であって、隣り合う磁石の表面の磁極及び裏面の磁極が隣り合う磁石同士で異なるように、且つ各磁石の側面が互いに接触するように各磁石を配置する工程を備え、
前記磁性体を配向させる工程は、
前記複数の磁石により塗膜に磁界を印加し、隣り合う磁石同士が接触している各磁石の接触部位において磁性体を塗膜の表面に対して略平行に延びるように配向させ、少なくとも各磁石の接触部位上の磁性体により塗膜に模様を形成する工程を備えることを特徴とする請求項7に記載の模様形成方法。 - 前記磁性体を配向させる工程は、前記塗膜に15〜350mTの磁束密度を有する磁界を印加する工程を備える請求項7又は請求項8に記載の模様形成方法。
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