JPH06292857A - 模様塗膜形成方法 - Google Patents

模様塗膜形成方法

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JPH06292857A
JPH06292857A JP26518493A JP26518493A JPH06292857A JP H06292857 A JPH06292857 A JP H06292857A JP 26518493 A JP26518493 A JP 26518493A JP 26518493 A JP26518493 A JP 26518493A JP H06292857 A JPH06292857 A JP H06292857A
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JP
Japan
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magnetic
coated
coating film
magnetic force
force source
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Application number
JP26518493A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Sakuma
弘充 佐久間
Hideo Wada
英男 和田
Noriyasu Noda
憲康 野田
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ぼかし模様を簡易かつ効果的に被塗物上に形
成することができる模様塗膜形成方法を提供する。 【構成】 磁性体粉末に必要に応じて着色顔料及び/又
は光輝材を配合した模様形成塗料を用いて、次のような
方法で磁気模様を形成する。(1)模様形成顔料を含む
塗料を塗布中及び/又は塗布された塗膜が流動状態にあ
る間に、磁力源あるいは被塗物を相対的に移動して、被
塗物の塗膜面に磁気模様を現出させる。(2)所定の磁
力源を用いて磁化可能な被塗物を部分的に磁化し、塗装
前にこの磁力源を離し、残留磁気を利用して塗膜に模様
を形成する。または、(3)上記磁力源をコンピュータ
により制御して模様を形成する。これにより、前記部分
的に施された磁化に対応した模様が塗膜面に現出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は模様塗膜の形成方法、特
に特定の磁性材料を含有した複数の塗膜により塗膜面に
周囲と異なる色調の模様あるいは図形、文字等の模様を
形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装面の一部に各種文字や図柄などの模
様を形成させる方法として、従来から採用されている着
色シートあるいは着色テープを貼り付ける方法やマスキ
ングを用いて模様を形成させる方法に代わって、磁性体
粉末を含有する塗料(以下、磁気模様形成塗料という)
を用いて模様を形成する方法が開発されている。
【0003】例えば、特開昭63−175670号公報
の「模様塗膜の形成法」には、粉末状の磁性材料を含有
する液状塗膜を被塗物もしくは着色塗膜表面に形成し、
該塗膜が流動状態にあるうちに該塗膜の目的とする部分
に磁石を作用させることによって着色塗膜中の磁性材料
を配向させ、これにより、所定の模様を形成する方法が
開示されている。
【0004】また、特開平3−193162号公報の
「模様塗膜の形成方法」には、複数の分離した磁石片を
相互に接触しないように散点模様の集合体に形成し、こ
の集合体を被塗物の裏面もしくは表面から固着もしくは
近接させて、その磁力線に沿った模様を形成させる方法
が開示されている。
【0005】さらに、米国特許第3791864号に
は、磁石を用いるパターン形成方法として、保磁力が2
000エルステッド以上の永久磁化粒子を含む塗料を塗
布乾燥後、予め定めたパターンに基づく着磁を行い、そ
の着磁パターンに沿って磁気的に配向する粒子を含む塗
料を塗布して所定の模様を形成する発明が開示されてい
る。
【0006】また更に、これらと同様の方法は、特開平
3−30876、特開平3−151083、特開平4−
244268及び特開平4−244269などに開示さ
れている。そして、これらの方法によれば、輪郭がはっ
きりとした磁気模様を被塗物上に形成することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法ではいずれも、色の濃淡が徐々に変化するような模
様を被塗物上に形成することはできなかった。
【0008】本発明は以上のような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、いわゆるぼかし模様を簡易
かつ効果的に被塗物上に形成することができる模様塗膜
形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明に係る模様塗膜形成方法において
は、被塗物に残留した磁気を用いて磁気模様を形成する
こと、及び/又は、磁力源を相対的に移動して形成され
る磁場を用いて磁気模様を形成することを特徴とする。
【0010】すなわち、本願の請求項1に係る模様塗膜
形成方法においては、所定の磁力源を用いて磁化可能な
被塗物を部分的に磁化する工程と、前記被塗物を部分的
に磁化した後、前記磁力源を被塗物から離脱する工程
と、磁力源を離脱した後、前記部分的に磁化された被塗
物上に、磁性体粉末を含有する磁気模様形成塗料を塗布
して塗膜を形成する工程と、を含み、前記部分的に施さ
れた磁化に対応した模様を塗膜面に現出させることを特
徴とする。
【0011】請求項2に係る模様塗膜形成方法において
は、請求項1記載の模様塗膜の形成方法において、被塗
物を部分的に磁化する工程において、前記磁力源と前記
被塗物とを相対的に移動することを特徴とする。
【0012】請求項3に係る模様塗膜形成方法において
は、被塗物に磁性体粉末を含有する磁気模様形成塗料
を、塗布中及び/又は塗布された塗膜が流動状態にある
間に、磁力源を被塗物に対して相対的に移動して、塗膜
面に磁気模様を現出させることを特徴とする。
【0013】請求項4に係る模様塗膜形成方法において
は、(1)所定の磁力源を用いて磁化可能な被塗物を部
分的に磁化する工程と、前記被塗物を部分的に磁化した
後、前記磁力源を被塗物から脱離する工程と、磁力源を
脱離した後、前記部分的に磁化された被塗物上に、磁性
体粉末を含有する磁気模様形成塗料を塗布して塗膜を形
成する工程と、を含み、部分的に施された磁化に対応し
た模様を塗膜面に現出させる方法と、(2)所定の磁力
源を用いて磁化可能な被塗物を、前記被塗物と前記磁力
源とを相対的に移動して、部分的に磁化する工程と、前
記被塗物を部分的に磁化した後、前記磁力源を被塗物か
ら脱離する工程と、磁力源を脱離した後、前記部分的に
磁化された被塗物上に、磁性体粉末を含有する磁気模様
形成塗料を塗布して塗膜を形成する工程と、を含み、前
記部分的に施された磁化に対応した模様を塗膜面に現出
させる方法と、(3)被塗物に磁性体粉末を含有する磁
気模様形成塗料を、塗布中及び/又は塗布された塗膜が
流動状態にある間に、磁力源を被塗物に対して相対的に
移動して、塗膜面に磁気模様を現出させる方法と、を有
し、上記(1)〜(3)の方法に用いられる磁力源をコ
ンピュータにより制御することを特徴とする。
【0014】
【作用】被塗物を磁化した後、磁力源を被塗物から脱離
したことによる被塗物上に残留した磁気を用いて磁気模
様を形成する方法によれば、部分的に磁化され被塗物に
磁気模様形成塗料が塗布されると、磁化された部分の磁
力線に沿って磁気模様形成塗料中の磁性体が配向して模
様塗膜が形成される。ここで、被塗物が部分的に磁化さ
れ、この残留磁気によって磁気模様が形成されると、残
留磁気はある程度拡散しているため、磁化された箇所を
中心に、境界のない、なだらかに色が移り変わる磁気模
様(グラデーション)が形成される。
【0015】また、磁力源を移動して形成される磁場を
用いて磁気模様を形成する方法によれば、磁力源の移動
により、被塗物上に現出する磁場がなだらかに変化す
る。この状態で被塗物に磁気模様形成塗料が塗布される
と、このなだらかに変化する磁場に沿って磁気模様形成
塗料中の磁性体が配向して模様塗膜が形成される。この
ため、磁力源の移動に応じた、境界のない、なだらかに
色が移り変わる磁気模様が形成される。
【0016】更に、磁気模様形成塗料の塗布前、被塗物
に固定状態又は被塗物と磁力源とを相対的に移動してい
る状態で残留磁気を被塗物に付与する際の磁力源と、磁
気模様形成塗料を塗布中及び/又は塗布された塗膜が流
動状態にある間に、磁力源を被塗物に対して相対的に移
動する際の磁力源とを、コンピュータで制御しながら併
用する方法によれば、磁力源を複数の任意の大きさ及び
形状の電磁石とし、所望のパターンを予めコンピュータ
に記憶され、そのパターンが得られるように電磁石の電
極の電源をON又はOFFすることにより、被塗物に上
記した本発明特有の磁気模様が形成される。また、磁力
源をコンピュータで記憶させるため、模様設計が容易と
なり、一度作成した磁気模様を何回でも作成し直すこと
ができる。
【0017】なお、磁力源をコンピュータで制御する方
法については、前述した従来の技術で記載された先行技
術のうち、磁力源として電磁石を用いた場合には、適用
することが可能である。
【0018】
【実施例】本発明の好適な一実施例について以下に説明
する。
【0019】まず、磁性体粉末からなる感磁性顔料に必
要に応じて着色顔料及び/又は光輝材を混合することに
より模様形成顔料を形成する。そして、本実施例ではこ
の模様形成顔料を用いて、以下のような方法で磁気模様
を形成する。
【0020】(1)模様形成顔料を含む塗料を塗布中及
び/又は塗布された塗膜が流動状態にある間に、磁力源
あるいは被塗物を相対的に移動して、被塗物の塗膜面に
磁気模様を現出させる。
【0021】(2)所定の磁力源を用いて磁化可能な被
塗物を部分的に磁化し、塗装前にこの磁力源を離し、残
留磁気を利用して塗膜に模様を形成する。これにより、
前記部分的に施された磁化に対応した模様が塗膜面に現
出する。
【0022】(3)また、必要に応じて、上記(1)及
び(2)の磁力源をコンピュータにより制御する。
【0023】このような方法によれば、鋼板に残留する
磁力が不均一になり或いは磁力線の移動により鋼板上の
磁力に強弱ができ、感磁性顔料がそれに応じて移動して
磁気模様が形成されるので、均一な模様とならず、単な
る模様以外に、色の濃さ、色彩の変化が塗膜に現れる。
【0024】尚、形成された塗膜に意匠性を高めるため
には、着色顔料及び/又は光輝材(金属類顔料等の光輝
性顔料、ガラスフレーク、ガラスビーズ、樹脂ビーズ
等)を併用することにより得られる。
【0025】本実施例に係る塗装方法においては、図2
及び図3に示される条件で磁気模様を形成した。なお、
明細書及び図面の中では、特に断らない限り塗料は全て
日本ペイント(株)製塗料である。
【0026】本実施例に係る塗装方法においては、以下
のような被塗物、塗料及び磁力源を使用することができ
る。
【0027】〈被塗物〉本実施例においては、溶融亜鉛
めっき鋼板、電解亜鉛めっき鋼板、冷延鋼板、アルミニ
ウム板もしくはアクリル板を用いているが、残留磁気を
利用してぼかし磁気模様を形成する場合には、被塗物と
しては鋼板等の磁性体が用いられる。磁力源を移動させ
てぼかし磁気模様を形成する場合には、磁性体である鋼
板の他にも(但し、鋼板であれば効果を大きく発揮でき
る)、アルミニウム板、プラスチック板、ベニヤ板、
紙、織布等の非磁性体を用いることも可能である。
【0028】〈塗料〉 ・感磁性顔料 感磁性顔料を構成する磁性体粉末の種類としては、例え
ば鉄粉および酸化鉄粉(Fe2 3 、Fe3 4 、各種
ドーピング材)、ステンレス粉(但し、Fe含有率の高
いもの)、ニッケル粉、コバルト粉、クロム粉、コーテ
イグマイカ等がある。しかしながら、感磁性顔料の原料
となる磁性体粉末は、磁力により感磁するものであれば
いかなるものを用いることも可能である。そして、実際
には、上記した磁性体粉末を単独もしくは2種以上混合
して用いる。
【0029】実際に使用できる磁性体粉末の具体例とし
ては、次のようなものがある。
【0030】 ブライト(商品名;日本化学工業株式会社) マイカにニッケルを被覆した粉体である。使用できる番
手としては、例えば50NM20−2、50NM30、
40NM60、40NM20、60NM10若しくは5
5NM20がある。色は全てグレーである。
【0031】 フレークオキサイド(商品名;大日精化株式会社) 酸化鉄である。
【0032】フレークオキサイド(商品名;メルク・
ジャパン株式会社) TiO2 ・Fe2 3 コーティングマイカである。使用
できる番手としては、例えばCHK24(KK−02)
がある。
【0033】なお、感磁性顔料に混合される磁性体粉末
の形状は、いかなる形状のものを用いても、本発明の目
的であるぼかし模様を塗膜上に形成することができる。
従って、例えばりん片状、薄板状、粒状、球状及び円筒
状等のあらゆる形状の磁性体粉末を用いることができ
る。
【0034】また、感磁性顔料に混合される磁性体粉末
の大きさは、感磁性顔料中に混存可能な大きさであれば
特に問題はないが、一般的には、最小部寸法が1μm以
上で最大部寸法が50μm以下であることが好ましい。
【0035】感磁性顔料の量は、塗料固形分に対して1
〜50%(感磁性顔料/塗料固形分)、好ましくは4〜
20%である。
【0036】・ベースとなる塗料 ベースとなる塗料は油性塗料、水性塗料(ディスパージ
ョン、水溶性、エマルジョン)のいずれでもよく、また
粉体塗料でもよい。すなわち、乾燥等の適当な手段で硬
化させて塗膜を形成するものであればよい。
【0037】本実施例において用いられる塗料用樹脂と
しては、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもよく、熱硬
化性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂等のベースレンジを挙げることができ、メ
ラミン樹脂やベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂、イ
ソシアネートまたはブロックイソシアネート等の少なく
とも1種の硬化剤と一緒に用いられる。
【0038】熱可塑性樹脂としては、塗料分野で通常用
いることのできる塩素化ポリエチレン・塩素化ポリプロ
ピレン等の塩素化オレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル、塩化ビニリデン及びこれらを共重合したビ
ニル樹脂、セルロース系樹脂、アセタール樹脂、アルキ
ド樹脂、塩化ゴム系樹脂を挙げることができる。
【0039】本実施例に係る磁気模様形成塗料組成物の
他の成分は、硬化剤、溶剤、着色顔料、体質顔料、防錆
顔料あるいは潤滑剤等の通常の樹脂に用いられている成
分である。本実施例に係る磁気模様形成塗料組成物は、
これに感磁性顔料を分散添加することにより形成され
る。
【0040】本実施例の磁気模様形成塗料組成物の塗料
化にあたっては、必要に応じて、塗料に通常用いられる
有機・無機の着色顔料、金属箔顔料等の光輝性顔料、体
質顔料、防錆顔料等の顔料・染料・添加剤(例えば分散
安定剤、タレ止め剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤など)などを加え、通常の塗料化
に用いられる機器、例えばボールミル、ペイントシェー
カー、サンドミル、三本ロール、ニーダーなどを用いる
ことができる。
【0041】・添加剤 なお、塗装表面に意匠性を出すために、更にヒーズを加
えることにより違った外観、感触が得られる。そのヒー
ズとしては、次のものが好適である。これらは、必要に
応じて適宜添加される。
【0042】 バーノック(商品名;大日本インキ化学工業株式会社) ウレタン系弾性ビーズである。
【0043】具体的な番手としては、例えばCFB20
0W(白)、CFB300B(青)、CFB400Y
(黄)、CFB500R(赤)若しくはCFB600C
(黒)がある。
【0044】〈塗装方式〉塗装方式は、本実施例におい
てはバーコート、カーテンフローコート、スプレーコー
トもしくはロールコートなどを採用しているが、塗装方
式はこれらに限られることなく、いかなる方式を採用し
てもよい。他の塗装方式としては、グラビアコーティン
グ、オフセットグラビアコーティングあるいは刷毛塗り
などがある。なお、スプレーコートについては、エア
ー、エアレス、静電のいずれの方式をも採用することが
できる。
【0045】・塗料特性 塗装時の粘度は塗料溶剤で20〜100秒(粘度はフオ
ードカップNo.4を使用して20℃で測定する)が適
切である。
【0046】・塗装仕様 塗膜の厚さは2〜300μmであるが、5〜50μm程
度が良好な範囲である。2層以上の重ね塗り、或いは単
層塗りのいずれでもよい。但し、模様塗膜となる層は模
様塗膜として視認できる層にする必要がある。従って、
クリヤーのオーバーコートをしてもよい。また更に、実
施例6に示されるように、2コートを1回で焼き付ける
ようにしてもよい。
【0047】焼き付けは自然乾燥でも良いが、焼き付け
乾燥のほうが模様が固定化されやすいので好適である。
【0048】〔磁力付与方法〕磁力源としては永久磁石
または電磁石のいずれをも用いることができるが、一般
的にはケミカルコンデンサーやオイルコンデンサー型着
磁装置が用いられる。場合によっては、マグネットラバ
ーも用いられる。
【0049】磁力源をコンピュータで制御する場合の概
念図を図5に示す。
【0050】磁力源の形状は、丸、正方形、矩形、台形
等いずれの形であっても、本発明の目的であるぼかし模
様を塗膜上に形成することができる。
【0051】・鋼板への磁力の付与 塗装前の鋼板に対して、模様作成面側、あるいはその反
対面側より磁力源を鋼板に1〜10秒間接触させた後、
磁力源を鋼板より離し、その後約15秒以内に塗装し、
焼付けを実施する。
【0052】・磁力源の取付け位置 プレコートメタルのコイルコーティング塗装、すなわち
プレコートにおいては、2段式になっている第一焼付
け炉の第一段と第二焼付け炉の第二段の間に磁力源を取
付けるか、或いは塗装用ロールコーターのバッキング
ロール、ブライドルロール、その他のロールを利用し、
ロール表面に磁力源を取付ける。
【0053】通常のポストコートにあっては、予めプレ
ス加工がなされているので、塗装前に、被塗装面側に磁
力源を取り付ける。そして、残留磁気を利用する場合に
は、塗装直前で取り外した後にスプレー等で塗装して乾
燥させる。また、磁力源を移動させる場合には、磁力源
を備えた装置を、吸盤や磁石等で被塗装面側にセット
し、磁力源を移動させながら塗装する。塗装する方向は
いかなる方向でも差支えない。塗装が完了したものは、
通常の方法に従って乾燥させる。
【0054】・磁力源の移動:往復運動、回転運動によ
り鋼板面に接触させる。鋼板が移動する場合には、鋼板
の移動速度と磁力源の移動を同調させる必要はなく、む
しろ同一でないほうが、模様に深み等が出て、意匠性が
加味できむしろ付加価値が向上する。
【0055】磁力源としては、例えば以下のようなもの
を用いることができる。
【0056】1.シート状マグネット 厚さ 0.8m マグネットシート(商品名;ニチレイマグネット) ニチレイマグネット 2.電磁石 マグネットチャック(商品名;鐘通工業株式会社) 型式:KBT−3060 サイズ:30×60cm(ベットのサイズ) 3.永久磁石 永久磁石は、文具屋、玩具屋、工具屋で市販されている
ものを使用することができる。本実施例では、下西製作
所株式会社のものが用いられている。永久磁石の形状
は、実施例では、線(棒状)、U字形、四角、円形、正
三角形、二等辺三角形もしくは直角三角形のものが用い
られているが、これに限られることなく、台形や矩形等
の他のあらゆる形状を使用することができる。
【0057】・付与位置 基本的には、被塗装面の裏に置く。但し、表面に磁力源
を置き残留磁気を利用しても良い ・付与方法 1.磁力源を次の方法で移動させる 移動方法としては、往復運動や回転運動がある。移動ス
ピードは、1cm/秒〜5m/秒、好ましくは2cm/
秒〜1m/秒である。なお、この時に、磁力源は、被塗
物に対して水平方向及び垂直方向のいずれに移動(相対
的な移動)させても良い。
【0058】2.残留磁気 上記方法で磁力源を接触させた後、被塗装面より離し、
塗装する 接触時間は、実施例では10秒で行っているが、これは
2〜90秒程度でよく、好ましくは2〜20秒である。
【0059】[評価方法]でき上り塗膜の意匠性を次の
項目で評価した。
【0060】1.漸次移行性(グラデーション;色の濃
淡変化が徐々にできているか) 2.色彩性(単色でなく、色が変化しているかどうか) 3.輪郭性(模様の端にぼかし感がでているかどうか) 4.模様性(一定の模様でなく、種々の模様が組合わさ
ったものとなっているか)5.変化性(角度により模様
が浮き沈みしたり、形が変化したように見えるかどう
か) 比較例1〜11は、同じ条件下で磁力源を移動させずに
(塗装中も固定状態で磁力付与)磁気模様を形成したも
のを示している。
【0061】・評点 評点は、各々大、中、小の段階評価で実施した(大が効
果有り)。
【0062】[結果]結果は、図2、図3及び図4に示
された通りである。
【0063】これらの図から明らかなように、本実施例
に係る塗装方法によれば、段階的に色の濃さが変化する
深みのある磁気模様を被塗物上に容易に形成することが
できる。磁力源の制御をコンピュータを用いて行った実
施例12〜15は、一度作成した模様をコンピュータに
記憶して何度も模様を作成し直すことができる。
【0064】
【発明の効果】以上のようにして、本発明に係る模様塗
膜形成方法においては、いわゆるぼかし模様を被塗物上
に容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2と図3の関係を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施例とその結果及び比較例と
その結果を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施例とその結果及び比較例と
その結果を示す図である。
【図4】本発明の好適な実施例とその結果を示す図であ
る。
【図5】本発明の磁力源をコンピュータで制御する場合
の概念図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の磁力源を用いて磁化可能な被塗物
    を部分的に磁化する工程と、 前記被塗物を部分的に磁化した後、前記磁力源を被塗物
    から離脱する工程と、 磁力源を離脱した後、前記部分的に磁化された被塗物上
    に、磁性体粉末を含有する磁気模様形成塗料を塗布して
    塗膜を形成する工程と、 を含み、前記部分的に施された磁化に対応した模様を塗
    膜面に現出させることを特徴とする模様塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の模様塗膜の形成方法にお
    いて、 被塗物を部分的に磁化する工程において、前記磁力源と
    前記被塗物とを相対的に移動することを特徴とする模様
    塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】 被塗物に磁性体粉末を含有する磁気模様
    形成塗料を、塗布中及び/又は塗布された塗膜が流動状
    態にある間に、磁力源を被塗物に対して相対的に移動し
    て、塗膜面に磁気模様を現出させることを特徴とする模
    様塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 (1)所定の磁力源を用いて磁化可能な
    被塗物を部分的に磁化する工程と、 前記被塗物を部分的に磁化した後、前記磁力源を被塗物
    から脱離する工程と、 磁力源を脱離した後、前記部分的に磁化された被塗物上
    に、磁性体粉末を含有する磁気模様形成塗料を塗布して
    塗膜を形成する工程と、 を含み、部分的に施された磁化に対応した模様を塗膜面
    に現出させる方法と、 (2)所定の磁力源を用いて磁化可能な被塗物を、前記
    被塗物と前記磁力源とを相対的に移動して、部分的に磁
    化する工程と、 前記被塗物を部分的に磁化した後、前記磁力源を被塗物
    から脱離する工程と、 磁力源を脱離した後、前記部分的に磁化された被塗物上
    に、磁性体粉末を含有する磁気模様形成塗料を塗布して
    塗膜を形成する工程と、 を含み、前記部分的に施された磁化に対応した模様を塗
    膜面に現出させる方法と、 (3)被塗物に磁性体粉末を含有する磁気模様形成塗料
    を、塗布中及び/又は塗布された塗膜が流動状態にある
    間に、磁力源を被塗物に対して相対的に移動して、塗膜
    面に磁気模様を現出させる方法と、 を有し、上記(1)〜(3)の方法に用いられる磁力源
    をコンピュータにより制御することを特徴とする模様塗
    膜形成方法。
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