JPH05170892A - 含フッ素ポリカーボネート - Google Patents
含フッ素ポリカーボネートInfo
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- JPH05170892A JPH05170892A JP3354306A JP35430691A JPH05170892A JP H05170892 A JPH05170892 A JP H05170892A JP 3354306 A JP3354306 A JP 3354306A JP 35430691 A JP35430691 A JP 35430691A JP H05170892 A JPH05170892 A JP H05170892A
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Abstract
フッ素ポリカーボネート。 【効果】 シクロヘキサン環を有する新規な含フッ素ポ
リカーボネートが提供された。透明性を有し、光記録板
などの光学材料に有用である。
Description
る新規な含フッ素ポリカーボネートに関する。
れている合成樹脂であって、通常2,2‐ビス(4′‐
ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)に代表される二価フェノールのようなジオール成分
とホスゲンのような炭酸誘導体との反応により製造され
ている。ビスフェノールAから製造されるポリカーボネ
ートは、対衝撃性、対クリープ性、寸法安定性および高
周波絶縁特性に優れ、しかも吸湿性が小さく熱に安定で
あるなどの優れた特性を有しているが、近年、樹脂の用
途開発が活発になるにともない、従来なかった構造を有
し、新たな特性を有するポリカーボネートの開発への期
待が高まっている。例えば、従来のポリカーボネート
は、異方性の大きい芳香族環をその主鎖に有するため、
光学記録基板の性質として重要な性質である複屈折を低
減することが困難であった。この問題を解決するため、
特開平1−172424では、1,4‐シクロヘキサン
ジオール、または4‐4′‐ビシクロヘキサンジオール
からなるポリカーボネートが開示されているが、融点な
どは明確でない。また、このポリマーはシス、トランス
体の混合物であるため、得られた樹脂の物性が一定しな
いという欠点があった。
7および特開平3−259920において、樹脂の物性
を一定させるため、2,2,‐ビス(4′ヒドロキシフ
ェニル)‐1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロプ
ロパン(以下、ビスフェノール‐AFと略記する。)ト
ランス,トランス‐4‐4′‐ビシクロヘキサンジオー
ルおよび、トランス‐1,4‐シクロヘキサンジオール
からなる含フッ素ポリカーボネートを開示したが、いず
れも280℃前後で分解してしまうため耐熱性に問題が
あった。また、この樹脂は液晶性を有しているが、一般
に液晶性を示すものは複屈折が大きいため光学樹脂材料
には適さなかった。
単位にシクロヘキサン環を有する新規な含フッ素ポリカ
ーボネートを提供することである。複屈折の低減された
さらに他の公知の樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルメタクリレート、ABS、ポリアミ
ド類、ポリアクリレート類、ポリカーボネート類、ポリ
エチレンテレフタレートのようなポリエステル類または
ポリフェニレンオキシド類などと混合することにより新
しい性質を付加できる樹脂を得ることである。
題を解決するため種々検討を重ねた結果、ジオール成分
として、ビスフェノール‐AFおよびトランス‐1,4
‐シクロヘキサンジメタノールを用いることにより新規
なポリカーボネートを得ることを見いだし、本発明の含
フッ素ポリカーボネートを完成した。
〔1〕
dl/g(25℃、0.5g/dl クロロホルム)のポリカ
ーボネートである。式〔1〕で示される構造単位と式
〔2〕で示される構造単位との含有比率は特に限定する
ものでない。
元粘度0.2〜2.0dl/g(25℃、0.5g/dl ク
ロロホルム)である。また、融点を110〜200℃、
および分解温度を320〜370℃に持つ耐熱性に優れ
た樹脂である。また、熱成形および製膜可能で、なおか
つ液晶相を示さないので複屈折が低いポリカーボネート
である。
〔3〕
ールとを混合しピリジンなどの酸受容体の存在下、式
〔5〕
とである。
の代りにホスゲンを使用してもよい。反応温度は20〜
100℃、反応時間は特に限定しないが、1〜5時間で
ある。ビスフェノール‐AFとトランス‐1,4‐シク
ロヘキサンジメタノールとのジオール成分の混合比は特
に限定するものでなく、所望の比で混合したものを用い
てよい。クロロギ酸トリクロロメチル、ホスゲンの使用
量は、ジオール成分の合計と等モルまたは、やや過剰で
ある。また、金属酸化物などのエステル交換触媒の存在
下に、上記のジオールと炭酸ジアリールエステルとを2
00〜300℃で4〜10時間反応させる方法でも製造
できる。これらの方法において分子量調整剤をジオール
に対し1〜10モル%必要により添加することができ
る。
例えばフェノール、p‐ターシャリーブチルフェノー
ル、p‐クミルフェノールなどをあげることができる。
また、溶媒としてジクロロメタン、クロロベンゼンのよ
うなハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの
芳香族炭化水素の他にエーテル系のテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等がある。また、ピリジン以外の酸受容
体として、具体的にはトリエチルアミン、1,8‐ジア
ザビシクロ[5,4,0]‐7‐ウンデセンなどの3級
アミン、水酸化ナトリウムのような無機塩基、ホスゲン
などの炭酸誘導体としてはホスゲンダイマー、炭酸ジア
リールエステルとしては、炭酸ジフェニルなどをあげる
ことができる。
説明するが、本発明はこれら実施例によって何等限定さ
れるものではない。
の物性は以下の方法で測定した。 還元粘度(dl/g): クロロホルムを溶媒として25℃、
0.5g/dlの濃度で測定した。 融点(Tm): 偏光顕微鏡にホットステージ(メトラ
ー社製FP−82)を装着して毎分3℃の昇温温度で測
定した。 分解温度(Td): セイコー電子工業社製TG/DT
A−220型を用い毎分10℃の昇温温度で測定し、重
量減少5%の温度を測定した。 ガラス転移温度(Tg): セイコー電子工業社製DS
C−200型を用い毎分5℃の昇温温度で測定した。 複屈折: 偏光顕微鏡を利用して、546nmにてセナル
モンコンベンセーター法にてリターデーションを測定し
た。
る構造単位からなるポリカーボネートの製造:100ml
の三つ口フラスコにビスフェノール‐AFの0.91g
(2.70mmol)、トランス‐1,4‐シクロヘキサン
ジメタノールの0.04g(0.30mmol)、ピリジン
1mlおよび1,2‐ジクロロエタン(以下、DCEと称
する)5mlを入れて攪拌し、次いで、この液をマントル
ヒーターで90℃に保ち、還流下にクロロギ酸トリクロ
ロメチル0.33g(1.7mmol)をDCE2mlに溶か
した溶液を20分間で滴下し、そのまま3時間反応を行
った。得られた反応液を放冷した後メタノール300ml
に注ぎ、析出した沈澱物をろ過した。このろ過物を熱メ
タノール中で洗浄し、次いで乾燥して0.85g(収率
82.7%)のポリカーボネートが得られた。このポリ
マーの構造はIRスペクトルで確認した。このポリカー
ボネートは、還元粘度0.20dl/g、融点174.1〜
198.0℃、ガラス転移温度は170.0℃、分解温
度372.3℃であった。また、このポリマーのクロロ
ホルム溶液をガラス板上にキャストし乾燥したところ透
明なポリカーボネートフィルムが得られた。また、ガラ
スプレートにポリマーをのせ、200℃に熱し、溶融し
た後に冷却しても良好なフィルムが得られた。
ロヘキサンジメタノールの成分比を変える以外は、実施
例1に準拠して行った。その成分比と得られたポリカー
ボネートの物性値を表1に示す。
分解温度が高いために高温での使用が可能である。ま
た、透明性に優れた膜を作ることもできる。また、本発
明の含フッ素ポリカーボネートは、そのポリマー鎖に含
むシクロヘキサン環の効果によって優れた透明性を示
し、特に光記録基板などの光学樹脂材料として有用であ
る。さらに他の公知の樹脂と混合し、これら樹脂の性質
の改良を図るとともに新しい性質を付加することも可能
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 式〔1〕 【化1】 で示される構造単位と、式〔2〕 【化2】 で示される構造単位とが線状に不規則に配列してなる含
フッ素ポリカーボネート。 - 【請求項2】 還元粘度0.2〜2.0dl/g(25℃、
0.5g/dl クロロホルム)の請求項1記載の含フッ
素ポリカーボネート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03354306A JP3141475B2 (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 含フッ素ポリカーボネート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03354306A JP3141475B2 (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 含フッ素ポリカーボネート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05170892A true JPH05170892A (ja) | 1993-07-09 |
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Family
ID=18436654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03354306A Expired - Fee Related JP3141475B2 (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 含フッ素ポリカーボネート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3141475B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6936739B2 (en) | 2001-05-31 | 2005-08-30 | Bayer Aktiengesellschaft | Fluorine-containing bisphenols, their preparation, their precursors and intermediates, and use of the fluorine-containing bisphenols |
JP2019089965A (ja) * | 2017-11-16 | 2019-06-13 | 群栄化学工業株式会社 | フェノールカーボネート樹脂、その製造方法、樹脂ワニス、および積層板の製造方法 |
-
1991
- 1991-12-20 JP JP03354306A patent/JP3141475B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6936739B2 (en) | 2001-05-31 | 2005-08-30 | Bayer Aktiengesellschaft | Fluorine-containing bisphenols, their preparation, their precursors and intermediates, and use of the fluorine-containing bisphenols |
US7112704B2 (en) | 2001-05-31 | 2006-09-26 | Bayer Aktiengesellschaft | Fluorine-containing bisphenols, their preparation, their precursors and intermediates, and use of the fluorine-containing bisphenols |
US7268260B2 (en) | 2001-05-31 | 2007-09-11 | Lanxess Deutschland Gmbh | Fluorine-containing bisphenols, their preparation, their precursors and intermediates, and use of the fluorine-containing bisphenols |
JP2019089965A (ja) * | 2017-11-16 | 2019-06-13 | 群栄化学工業株式会社 | フェノールカーボネート樹脂、その製造方法、樹脂ワニス、および積層板の製造方法 |
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JP3141475B2 (ja) | 2001-03-05 |
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