JPH0718067A - 主鎖中に脂環基を有するポリエステルカーボネート樹脂 - Google Patents

主鎖中に脂環基を有するポリエステルカーボネート樹脂

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JPH0718067A
JPH0718067A JP5187441A JP18744193A JPH0718067A JP H0718067 A JPH0718067 A JP H0718067A JP 5187441 A JP5187441 A JP 5187441A JP 18744193 A JP18744193 A JP 18744193A JP H0718067 A JPH0718067 A JP H0718067A
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JP
Japan
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polyester carbonate
carbonate resin
repeating unit
resin
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Application number
JP5187441A
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English (en)
Inventor
Shigeru Sugimori
滋 杉森
Takashi Kato
隆 加藤
Keizo Yamada
敬三 山田
Teruo Tabata
輝男 田畑
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性に優れ、かつ吸湿性が小さく熱に安
定であるなどの、ポリカーボネート樹脂が有する従来の
特性を損なうことなく、新規な特性や構造を有するポリ
エステルカーボネート樹脂を提供する。 【構成】 (1)式〔1〕 【化1】 で示される繰り返し単位、および式〔2〕 【化2】 で示される繰り返し単位、および式〔3〕 【化3】 で示される繰り返し単位からなるポリエステルカーボネ
ート樹脂。 (2)式〔1〕で示される繰り返し単位、および式
〔2〕で示される繰り返し単位からなるポリエステルカ
ーボネート樹脂。 (3)式〔1〕で示される繰り返し単位、および式
〔3〕で示される繰り返し単位からなるポリエステルカ
ーボネート樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主鎖中に脂環基を有する
新規なポリエステルカーボネート樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、主鎖中に炭酸
エステル構造を持つポリマーであって、通常2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェ
ノールAと略記する)のような二価フェノールとホスゲ
ンのような炭酸誘導体との反応により製造され、耐衝撃
性に優れ、かつ吸湿性が小さく熱に安定であるなどの特
性を有するプラスチックである。近年、樹脂の用途開発
にともない、新規な構造や機能を有するポリカーボネー
ト樹脂が研究されている。例えば、特開平1−1724
24号では、1,4−シクロヘキサンジオールまたは
4,4´−ビシクロヘキサンジオールをジオール成分と
して用いたポリカーボネート樹脂が開示されている。し
かし、このポリカーボネート樹脂は、融点などの詳細な
物性値が明確でない。特開平1−168728号、特開
平1−223118号、特開平2−3424号などには
主鎖中にデカリン環を有するポリカーボネート樹脂が開
示されている。これらはいずれも、1,5−デカリンジ
オールもしくはその置換体を、単独あるいは他のジオー
ルと共重合させて得られるポリカーボネート樹脂であ
り、特開平1−168728号については融点などの物
性値が、特開平1−223118号や特開平2−342
4号については熱変形温度以外の熱的性質が明確でな
い。また、デカリン環を有するポリカーボネート樹脂
で、1,5−デカリンジオール以外のデカリンジオール
をジオール成分として用いたポリカーボネート樹脂はい
まだに公知でない。
【0003】ポリエステルカーボネート樹脂は、ポリカ
ーボネート樹脂とポリエステル樹脂のお互いの良い性質
を合わせ持つポリマーである。本発明者は、特開平4−
300919号において主鎖中にシクロヘキサン環を有
するポリエステルカーボネート樹脂を、特開平5−59
165号において主鎖中にシクロヘキシルエステルを有
するポリカーボネート(ポリエステルカーボネート)樹
脂を開示した。これらの樹脂は透明な膜の形成が可能で
あり、融点が200〜300℃と耐熱性にも比較的優れ
ていたが、光ディスク等に用いる樹脂に要求される融点
は100〜220℃程度が好ましい事より、必ずしも物
性的に満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題点に鑑み、耐衝撃性に優れかつ吸湿性が小さく熱に安
定であるなどの、ポリカーボネート樹脂が有する従来の
特性を損なうことなく、新規な特性および構造を有する
ポリエステルカーボネート樹脂を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため種々検討を重ねた結果、ジオール成分
として、テレフタル酸ビス〔(トランス−4−ヒドロキ
シメチルシクロヘキシル)メチル〕、2,6−デカリン
ジオール、および2,6−ナフタレンジオールをジオー
ル成分として用いることにより、新規なポリエステルカ
ーボネート樹脂が得られることを見いだし、本発明の主
鎖中に脂環基を有するポリエステルカーボネート樹脂を
完成した。
【0006】即ち、本発明は、(1)式〔1〕
【0007】
【化4】
【0008】で示される繰り返し単位、および式〔2〕
【0009】
【化5】
【0010】で示される繰り返し単位、および式〔3〕
【0011】
【化6】
【0012】で示される繰り返し単位からなるポリエス
テルカーボネート樹脂、(2)式〔1〕で示される繰り
返し単位、および式〔2〕で示される繰り返し単位から
なるポリエステルカーボネート樹脂、(3)式〔1〕で
示される繰り返し単位、および式〔3〕で示される繰り
返し単位からなるポリエステルカーボネート樹脂、
(4)最終組成が、式〔1〕で示される繰り返し単位が
0.5〜95.5モル%であり、式〔2〕で示される繰
り返し単位が0.5〜95.5モル%であり、式〔3〕
で示される繰り返し単位が0.5〜95.5モル%であ
る(1)に記載のポリエステルカーボネート樹脂、
(5)最終組成が、式〔1〕で示される繰り返し単位が
10.0〜70.0モル%であり、式〔2〕で示される
繰り返し単位が10.0〜80.0モル%であり、式
〔3〕で示される繰り返し単位が10.0〜70.0モ
ル%である(1)に記載のポリエステルカーボネート樹
脂、
【0013】(6)最終組成が、式〔1〕で示される繰
り返し単位が0.5〜95.5モル%であり、式〔2〕
で示される繰り返し単位が0.5〜95.5モル%であ
る(2)に記載のポリエステルカーボネート樹脂、
(7)最終組成が、式〔1〕で示される繰り返し単位が
30.0〜70.0モル%であり、式〔2〕で示される
繰り返し単位が30.0〜70.0モル%である(2)
に記載のポリエステルカーボネート樹脂、(8)最終組
成が、式〔1〕で示される繰り返し単位が0.5〜9
5.5モル%であり、式〔3〕で示される繰り返し単位
が0.5〜95.5モル%である(3)に記載のポリエ
ステルカーボネート樹脂、(9)最終組成が、式〔1〕
で示される繰り返し単位が30.0〜70.0モル%で
あり、式〔3〕で示される繰り返し単位が30.0〜7
0.0モル%である(3)に記載のポリエステルカーボ
ネート樹脂である。本発明のポリエステルカーボネート
樹脂は融点135〜265℃、分解温度280℃以上と
いう物性値を有する。本発明のポリエステルカーボネー
ト樹脂は、式〔4〕
【0014】
【化7】
【0015】で示されるテレフタル酸ビス〔(トランス
−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル〕、お
よび式〔5〕
【0016】
【化8】
【0017】で示される2,6−デカリンジオール、お
よび式〔6〕
【0018】
【化9】
【0019】で示される2,6−ナフタレンジオールを
溶媒中、酸受容体の存在下で混合し、式〔7〕
【0020】
【化10】
【0021】で示されるクロロギ酸トリクロロメチル
(ホスゲンダイマー)、または式〔8〕
【0022】
【化11】
【0023】で示されるトリホスゲンと反応させること
により製造できる。
【0024】
【化12】
【0025】上記製造法において、クロロギ酸トリクロ
ロメチルまたはトリホスゲンの代りに、ホスゲンを使用
してもよい。この際のホスゲンダイマーの使用量はジオ
ール成分の合計の1/2倍モルまたはやや過剰、トリホ
スゲンの使用量はジオール成分の合計の1/3倍モルま
たはやや過剰、ホスゲンの使用量ジオール成分の合計の
等モルまたはやや過剰であることが望ましい。反応温度
は20〜100℃、反応時間は特に限定しないが、好ま
しくは1〜5時間である。溶媒としては、1,2−ジク
ロロエタン(以下、DCEと称することがある)やクロ
ロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼンやト
ルエンなどの芳香族炭化水素、エーテル系のテトラヒド
ロフランやジオキサン等が例示できる。酸受容体として
は、具体的にピリジン、トリエチルアミンや1,8−ジ
アザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの3
級アミン、水酸化ナトリウムのような無機塩基が例示で
きる。また、このポリエステルカーボネート樹脂は、金
属酸化物等のエステル交換触媒の存在下に、上記の式
〔4〕、〔5〕、〔6〕のジオールと炭酸ジフェニルな
どの炭酸ジアリールエステルとを真空条件のもとで20
0〜300℃で4〜10時間反応させる方法でも製造で
きる。これらの方法において、必要により分子量調整剤
をジオールに対して1〜10モル%添加することができ
る。分子量調整剤としては一価のフェノール、例えばフ
ェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−ク
ミルフェノールなどがあげられる。
【0026】ここで用いた、式〔4〕で示されるテレフ
タル酸ビス〔(トランス−4−ヒドロキシメチルシクロ
ヘキシル)メチル〕は次式で示すように、テレフタル酸
ジクロリドと過剰のトランス−1,4−シクロヘキサン
ジメタノールをピリジンの存在下で反応させることによ
り得られる。
【0027】
【化13】
【0028】また、式〔5〕で示される2,6−デカリ
ンジオールは次式で示すように、式〔6〕で示される
2,6−ナフタレンジオールを白金−炭素等の触媒の存
在下で水素添加することにより得られる。
【0029】
【化14】
【0030】本発明のポリエステルカーボネート樹脂
は、ジオール成分を調節することにより、光ディスク等
に用いる樹脂に要求される融点の条件を満たすことや、
透明性が良くかつ腰の強いフィルムを作ることができ
る。このように、本発明のポリエステルカーボネート樹
脂はそれ自体で有用なものであるが、他の公知の樹脂、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタ
クリレート、ABS、ポリアミド類、ポリアクリレート
類、ポリカーボネート類、ポリエチレンテレフタレート
の様なポリエステル類またはポリフェニレンオキシド類
などと混合することにより、これら樹脂の機械的強度お
よび熱成形性の改良を図るとともに新しい性質を付加す
ることも可能であると考えられる。以下、実施例により
本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施
例によって何等限定されるものではない。
【0031】
【実施例】実施例で得られたポリエステルカーボネート
樹脂の物性値は以下の方法で測定した。 還元粘度:ウベローデ粘度計を用い、クロロホルムを溶
媒として25℃、0.5g/dlの濃度で測定した。ポ
リエステルカーボネート樹脂がクロロホルムに不溶の場
合はp−クロロフェノールを溶媒として50℃、0.5
g/dlの濃度で測定した。 融点(Tm):ホットステージ(メトラー社製 FP−
82)を装着した偏光顕微鏡を用い、毎分10℃の昇温
速度で測定した。 分解温度(Td):示差熱重量同時測定装置(セイコー
電子工業社製 TG/DTA−220型)を用い毎分1
0℃の速度で昇温し、重量減少が5%に達した温度をT
dとした。 ガラス転移温度(Tg):示差走査熱量計(セイコー電
子工業社製 DSC−200型)を用い毎分20℃の昇
温速度で測定した。
【0032】実施例1 モノマーの製造:ここでのポリ
エステルカーボネート樹脂の製造に使用するモノマーは
次のようにして得た。 1)テレフタル酸ビス〔(トランス−4−ヒドロキシメ
チルシクロヘキシル)メチル〕、式〔4〕の製造。 冷却器、攪拌機をつけた500mlの三つ口フラスコに
トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール41.
4g(0.29mol)、ピリジン30ml、テトラヒ
ドロフラン(THF)200mlを入れ、加熱して約7
0℃にし、還流下攪拌した。これに、テレフタル酸ジク
ロリド19.5g(0.10mol)をTHF100m
lに溶かした溶液を90分で滴下し、4時間反応させ
た。反応終了後この反応液をろ過し、このろ液を減圧濃
縮した。得られた残査を1lの酢酸エチルに溶かして3
N塩酸で3回、1N水酸化ナトリウムで3回、さらに水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
減圧下留去して残った結晶をメタノールで再結晶してテ
レフタル酸ビス〔(トランス−4−ヒドロキシメチルシ
クロヘキシル)メチル〕13.1g(収率32.6%)
を得た。融点は150.3〜152.0℃であった。こ
の化合物の構造は、IRとNMRで確認した。
【0033】 2)2,6−デカリンジオール、式〔5〕の製造。 2,6−ナフタレンジオール150.0g(0.94m
ol)をシクロヘキサン30lに溶解し、これに5%白
金−炭素(53.74%含水品)15gを加え、反応容
器内の温度を100℃、水素圧を50Kg/cm2に保
ちながら20時間接触還元させた。反応終了後、触媒を
ろ過により取り除き、残ったろ液を減圧濃縮して得られ
た濃縮物をアセトンで2度再結晶し、2,6−デカリン
ジオールを14.6g(0.085mol)得た。収率
は9.1%、融点は130.8〜132.6℃であっ
た。この化合物の構造はIRおよびNMRスペクトルで
確認した。
【0034】実施例2:式〔1〕、および式〔2〕、お
よび式〔3〕で示される繰り返し単位からなるポリエス
テルカーボネート樹脂の製造。 100mlの三ツ口フラスコにテレフタル酸ビス〔(ト
ランス−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチ
ル〕0.25g(0.6mmol)、2,6−デカリン
ジオール0.31g(1.8mmol)、2,6−ナフ
タレンジオール0.096g(0.6mmol)、ピリ
ジン1mlおよびDCE5mlを入れて攪拌し、次い
で、この液をマントルヒーターで加熱し90℃に保ちな
がら、還流下において、クロロギ酸トリクロロメチル
0.33g(1.7mmol)をDCE2mlに溶かし
た溶液を20分間で滴下し、そのまま3時間反応させ
た。得られた反応液を放冷した後メタノール300ml
に注ぎ、析出した沈澱物をろ過により分取した。この沈
澱物と50mlのメタノールとを100mlのナスフラ
スコに入れ、ウォーターバスで約70℃に保ちながら1
時間還流し、熱いうちにろ過により沈澱物を分取した。
この操作を3回繰り返した後、取りだした沈澱物を乾燥
して0.64g(収率88.0%)のポリエステルカー
ボネート樹脂を得た。このポリマーの構造は、IRスペ
クトルで確認した。このポリエステルカーボネート樹脂
の物性値は、還元粘度が0.30、分解温度が284.
5℃、融点が163.8〜176.1℃、ガラス転移温
度が143.0℃であった。また、このポリマーのクロ
ロホルム溶液をガラス板上にキャストし乾燥させたとこ
ろ透明なポリエステルカーボネートフィルムが得られ
た。また、ガラスプレートにこのポリマーをのせ、18
0℃に熱し、溶融した後に冷却しても透明なポリエステ
ルカーボネートフィルムが得られた。
【0035】実施例3 テレフタル酸ビス〔(トランス−4−ヒドロキシメチル
シクロヘキシル)メチル〕、2,6−デカリンジオー
ル、および2,6−ナフタレンジオールの成分比を変え
る以外は、実施例2に準拠して行った。ここで用いたジ
オール成分のモル比と得られたポリエステルカーボネー
ト樹脂の物性値を表1に示す。
【0036】実施例4 100mlの三ツ口フラスコにテレフタル酸ビス〔(ト
ランス−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチ
ル〕0.75g(1.8mmol)、2,6−デカリン
ジオール0.10g(0.6mmol)、2,6−ナフ
タレンジオール0.096g(0.6mmol)、ピリ
ジン1mlおよびDCE5mlを入れて攪拌し、次い
で、この液をマントルヒーターで90℃に保ちながら、
還流下において、トリホスゲン0.33g(1.1mm
ol)をDCE3mlに溶かした溶液を20分間で滴下
し、そのまま3時間反応させた。得られた反応液を放冷
した後メタノール300mlに注ぎ、析出した沈澱物を
ろ過により分取した。この沈澱物と50mlのメタノー
ルとを100mlのナスフラスコに入れ、ウォーターバ
スで約70℃に保ちながら1時間還流し、熱いうちにろ
過により沈澱物を分取した。この操作を3回繰り返した
後、取りだした沈澱物を乾燥して0.98g(収率9
5.0%)のポリエステルカーボネート樹脂を得た。こ
のポリマーの構造は、IRスペクトルで確認した。この
ポリエステルカーボネート樹脂の物性値は、還元粘度が
0.67、分解温度が309.8℃、融点が134.9
〜151.8℃であり、ガラス転移温度は持たなかっ
た。また、このポリマーのクロロホルム溶液をガラス板
上にキャストし乾燥させたところ透明なポリエステルカ
ーボネートフィルムが得られた。また、ガラスプレート
にこのポリマーをのせ、160℃に熱し、溶融した後に
冷却しても透明なポリエステルカーボネートフィルムが
得られた。
【0037】実施例5 テレフタル酸ビス〔(トランス−4−ヒドロキシメチル
シクロヘキシル)メチル〕、2,6−デカリンジオー
ル、および2,6−ナフタレンジオールの成分比を変え
る以外は、実施例4に準拠して行った。ここで用いたジ
オール成分のモル比と得られたポリエステルカーボネー
ト樹脂の物性値を表1に示す。
【0038】実施例6:式〔1〕、および式〔2〕で示
される繰り返し単位からなるポリエステルカーボネート
樹脂の製造。 100mlの三ツ口フラスコにテレフタル酸ビス〔(ト
ランス−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチ
ル〕0.63g(1.5mmol)、2,6−デカリン
ジオール0.26g(1.5mmol)、ピリジン1m
lおよびDCE5mlを入れて攪拌し、次いで、この液
をマントルヒーターで90℃に保ちながら、還流下にお
いて、クロロギ酸トリクロロメチル0.33g(1.7
mmol)をDCE2mlに溶かした溶液を20分間で
滴下し、そのまま3時間反応させた。得られた反応液を
放冷した後メタノール300mlに注ぎ、析出した沈澱
物をろ過により分取した。この沈澱物と50mlのメタ
ノールとを100mlのナスフラスコに入れ、ウォータ
ーバスで約70℃に保ちながら1時間還流し、熱いうち
にろ過により沈澱物を分取した。この操作を3回繰り返
した後、取りだした沈澱物を乾燥して0.84g(収率
87.9%)のポリエステルカーボネート樹脂を得た。
このポリマーの構造は、IRスペクトルで確認した。こ
のポリエステルカーボネート樹脂の物性値は、還元粘度
が0.32、分解温度が298.9℃、融点が141.
4〜144.4℃であり、ガラス転移温度は持たなかっ
た。
【0039】実施例7:式〔1〕、および式〔3〕で示
される繰り返し単位からなるポリエステルカーボネート
樹脂の製造:100mlの三ツ口フラスコにテレフタル
酸ビス〔(トランス−4−ヒドロキシメチルシクロヘキ
シル)メチル〕0.63g(1.5mmol)、2,6
−ナフタレンジオール0.24g(1.5mmol)、
ピリジン1mlおよびDCE5mlを入れて攪拌し、次
いで、この液をマントルヒーターで90℃に保ちなが
ら、還流下において、クロロギ酸トリクロロメチル0.
33g(1.7mmol)をDCE2mlに溶かした溶
液を20分間で滴下し、そのまま3時間反応させた。得
られた反応液を放冷した後メタノール300mlに注
ぎ、析出した沈澱物をろ過により分取した。この沈澱物
と50mlのメタノールとを100mlのナスフラスコ
に入れ、ウォーターバスで約70℃に保ちながら1時間
還流し、熱いうちにろ過により沈澱物を分取した。この
操作を3回繰り返した後、取りだした沈澱物を乾燥して
0.89g(収率93.7%)のポリエステルカーボネ
ート樹脂を得た。このポリマーの構造は、IRスペクト
ルで確認した。このポリエステルカーボネート樹脂の物
性値は、還元粘度が0.83、分解温度が351.6
℃、融点が196.2〜223.9℃、ガラス転移温度
は126.4℃であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のポリエステルカーボネート樹脂
は135〜265℃で溶融するものであり、熱成形性に
優れている。また、ジオール成分を調節することによ
り、光ディスク等に用いる樹脂に要求される融点の条件
を満たすことや、透明性が良くかつ腰の強いフィルムを
作ることも可能である。このように、本発明のポリエス
テルカーボネート樹脂はそれ自体で有用なものである
が、他の公知の樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリメチルメタクリレート、ABS、ポリアミド
類、ポリアクリレート類、ポリカーボネート類、ポリエ
チレンテレフタレートの様なポリエステル類またはポリ
フェニレンオキシド類などと混合することにより、これ
ら樹脂の機械的強度および熱成形性の改良を図るととも
に新しい性質を付加することも可能であると考えられ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式〔1〕 【化1】 で示される繰り返し単位、および式〔2〕 【化2】 で示される繰り返し単位、および式〔3〕 【化3】 で示される繰り返し単位からなるポリエステルカーボネ
    ート樹脂。
  2. 【請求項2】 式〔1〕で示される繰り返し単位、およ
    び式〔2〕で示される繰り返し単位からなるポリエステ
    ルカーボネート樹脂。
  3. 【請求項3】 式〔1〕で示される繰り返し単位、およ
    び式〔3〕で示される繰り返し単位からなるポリエステ
    ルカーボネート樹脂。
  4. 【請求項4】 最終組成が、式〔1〕で示される繰り返
    し単位が0.5〜95.5モル%であり、式〔2〕で示
    される繰り返し単位が0.5〜95.5モル%であり、
    式〔3〕で示される繰り返し単位が0.5〜95.5モ
    ル%である請求項1に記載のポリエステルカーボネート
    樹脂。
  5. 【請求項5】 最終組成が、式〔1〕で示される繰り返
    し単位が10.0〜70.0モル%であり、式〔2〕で
    示される繰り返し単位が10.0〜80.0モル%であ
    り、式〔3〕で示される繰り返し単位が10.0〜7
    0.0モル%である請求項1に記載のポリエステルカー
    ボネート樹脂。
  6. 【請求項6】 最終組成が、式〔1〕で示される繰り返
    し単位が0.5〜95.5モル%であり、式〔2〕で示
    される繰り返し単位が0.5〜95.5モル%である請
    求項2に記載のポリエステルカーボネート樹脂。
  7. 【請求項7】 最終組成が、式〔1〕で示される繰り返
    し単位が30.0〜70.0モル%であり、式〔2〕で
    示される繰り返し単位が30.0〜70.0モル%であ
    る請求項2に記載のポリエステルカーボネート樹脂。
  8. 【請求項8】 最終組成が、式〔1〕で示される繰り返
    し単位が0.5〜95.5モル%であり、式〔3〕で示
    される繰り返し単位が0.5〜95.5モル%である請
    求項3に記載のポリエステルカーボネート樹脂。
  9. 【請求項9】 最終組成が、式〔1〕で示される繰り返
    し単位が30.0〜70.0モル%であり、式〔3〕で
    示される繰り返し単位が30.0〜70.0モル%であ
    る請求項3に記載のポリエステルカーボネート樹脂。
  10. 【請求項10】 還元粘度が0.10以上(25℃、
    0.5g/dl クロロホルム、不溶の場合は50℃、
    0.5g/dl p−クロロフェノール)である請求項
    1乃至9のいずれか1項に記載のポリエステルカーボネ
    ート樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6586154B1 (en) * 1999-10-11 2003-07-01 Hyundai Electronics Industries Co., Ltd. Photoresist polymers and photoresist compositions containing the same

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