JPH05168932A - フェノール製造用触媒およびフェノールの製造方法 - Google Patents

フェノール製造用触媒およびフェノールの製造方法

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JPH05168932A JP3342929A JP34292991A JPH05168932A JP H05168932 A JPH05168932 A JP H05168932A JP 3342929 A JP3342929 A JP 3342929A JP 34292991 A JP34292991 A JP 34292991A JP H05168932 A JPH05168932 A JP H05168932A
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oxide
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Atsushi Miki
淳 三木
Tsutomu Shikada
勉 鹿田
Minoru Asanuma
稔 浅沼
Hiroshi Osada
容 長田
Aiko Imai
愛子 今井
Masanori Itagaki
正紀 板垣
Yakudo Tachibana
躍動 橘
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安息香酸からフェノールを高い選択率で製造出
来る触媒を提供する。 【構成】触媒が酸化コバルトを含有することを特徴とす
る。又、安息香酸を気相接触酸化してフェノールを製造
する際に、上記触媒を使用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノールを製造する
ための触媒、およびその触媒の存在下で安息香酸を気相
酸化してフェノールを製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、安息香酸を気相接触酸化してフェ
ノールを製造する方法およびこれに使用される触媒とし
ては、種々の方法および触媒が知られている。
【0003】例えば、特開昭57−11932号公報には銅化
合物、バナジウム化合物、銀化合物、リチウム化合物、
ナトリウム化合物およびマグネシウム化合物の1種また
は2種以上とからなる触媒と、この触媒を使用する製造
方法が開示されている。
【0004】また、特公昭59−20384号公報には、銅、
ジルコニウムおよびアルカリ金属を含み、それらをα−
アルミナ上に支持された触媒を使用する製造方法が開示
されている。
【0005】また、特公昭64−934号公報には、モリブ
デンを必須成分とし、その他にパナジウム、ニオブ、タ
ンタルの少なくとも1種と、銅、銀、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、ロジウム、パラジウムおよび白金の
少なくとも1種と、タリウム、アルカリ金属、アルカリ
土類金属の少なくとも1種とを含む酸化物からなる触媒
を使用する製造方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
57−11932号公報に開示された触媒は、活性および選択
性がいずれも充分でなく、この触媒を使用した製造方法
でもフェノール選択率が低かった。また、銅化合物を含
有する触媒を使用して安息香酸の酸化反応のような発熱
反応を実施した場合、ホットスポットを生じやすく、か
つそれによる触媒のシンタリングが進行し、活性の低下
が著しいという問題点があった。
【0007】また、特公昭59−20384号公報に開示され
た製造方法も転化率、選択率が充分でなく、また、ジフ
ェニルオキサイド等の副成生物が多く生成するため、生
成フェノールの精製工程が必要であり、経済的に不利で
あった。
【0008】特公昭64−934号公報に開示された製造方
法においても転化率、選択率が低く、工業的にみて充分
なものではなかった。また、ジフェニルオキサイドが相
当量副生して、これが触媒の活性を低下させることも問
題であった。
【0009】本発明は、以上の問題点を解決し、フェノ
ール選択率が高いフェノール製造用触媒およびフェノー
ルの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記の目的を達成するために鋭意研究したところ、安息
香酸を気相接触酸化してフェノールを製造するための触
媒として、酸化コバルトを含む触媒が高選択性を有する
ことを見出し、またこの触媒を用いることにより、ジフ
ェニルオキサイド等の高分子量化合物を生成することな
く、高い選択率でフェノールを製造し得ることを見出
し、本発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明の安息香酸酸化によるフ
ェノール製造用触媒は、酸化コバルトを含有することを
特徴として構成されている。
【0012】また、本発明のフェノールの製造方法は、
安息香酸を気相接触酸化してフェノールを製造する方法
において、上記酸化コバルトを含有するフェノール合成
用触媒の存在下で行うことを特徴として構成されてい
る。
【0013】本発明の触媒は、酸化コバルトを含有する
ものであり、触媒中の酸化コバルトの含有率は約0.5〜1
00重量%の範囲が適当である。含有率が約0.5重量%未
満であると、フェノールの選択性が低下する。好ましい
含有率は約1〜100重量%の範囲であり、約2〜100重量
%の範囲が特に好ましい。
【0014】本発明の触媒には、各種化合物を転化する
ことができる。特に、遷移金属酸化物および塩基性化合
物が添加されるのが好ましい。遷移金属酸化物として
は、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロムが好ましい。ま
た、塩基性化合物としては、アルカリ金属およびアルカ
リ土類金属の化合物が好ましく、例えばLi2O、Na
2O、K2O、Rb2O、Cs2O等のアルカリ金属の酸化
物、炭酸塩、水酸化物若しくは硝酸塩等、またはMg
O、CaO、SrO、BaO等のアルカリ土類金属の酸化
物、炭酸塩、水酸化物若しくは硝酸塩等である。一方、
酸化モリブデンを加えるとジフェニルオキサイド等の高
分子量化合物が副生してくるので好ましくない。
【0015】触媒中の添加物の含有量は、酸化コバルト
に対し重量比で5以下が適当である。添加物の含有量が
酸化コバルトに対し重量比で5より多いと、フェノール
の選択性が低下する。好ましい含有量は、酸化コバルト
に対する重量比で0.005〜1である。
【0016】さらに、本発明の触媒を触媒担体に担持さ
せて使用することもできる。好ましい触媒担体として
は、チタニア、マグネシア、α−アルミナ、シリカゲ
ル、ジルコニア、酸化スズ、酸化ランタンなどの金属酸
化物であるが、なかでもチタニア、マグネシアまたはα
−アルミナが、選択率が高いので好ましい。触媒中の担
体の含有量は、0〜99重量%、特に1〜95重量%が好ま
しい。
【0017】本発明の触媒の形態は、粉体状であってよ
い。平均粒径は、例えば5〜60メッシュであってよい。
【0018】本発明の触媒の製造にあたっては、この種
の酸化物触媒の一般的な調製方法が使用できる。例え
ば、触媒の製造用原料はコバルトの化合物として、硝酸
塩、炭酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物、水酸化物等が使
用される。また、触媒担体を使用する場合には、通常の
含浸技術が利用できる。このように調製された触媒組成
物は、必要があれば常法により焼成してもよい。焼成
は、窒素中または空気中において350〜800℃の温度で、
1〜10時間加熱して行うのが好ましい。
【0019】次に、本発明のフェノールの製造方法につ
いて説明する。本発明では、原料の安息香酸と共に酸素
を供給するが、供給する酸素は原料の安息香酸に対して
化学量論量以上あればよく、約0.5〜50倍モル、特に約
0.5〜5倍モルの範囲が好ましい。酸素の供給が約50倍
モルより多い場合は、原料安息香酸の完全酸化が起こり
やすくなる。また、酸素の供給が約0.5倍モルより少な
い場合は、充分な安息香酸転化率が得られない。
【0020】また、供給する酸素は分子状酸素でもよい
が、一般的には空気が使用され、またこれを不活性ガス
で希釈したものでもよい。
【0021】反応は、水蒸気の存在下において行うのが
好ましい。供給する水蒸気は原料の安息香酸に対して約
1倍モルから100倍モルの範囲が好ましい。水蒸気の供
給量が約100倍モルより多いと経済的でなく、約1倍モ
ルより少ないとベンゼンおよび安息香酸フェニルの生成
が多くなり、フェノールの選択率が低下する。
【0022】反応温度は、約200℃〜600℃の範囲が好ま
しく、特に約350℃〜500℃の範囲が好ましい。反応温度
が約600℃より高いとフェノールの選択率が低下し、ま
た、反応温度が約200℃より低いと安息香酸転化率が低
くなる。
【0023】反応圧力は、反応条件下で供給原料が気体
状態を保つ範囲であれば特に制限はないが、通常は常圧
または若干の加圧状態である。
【0024】なお、本発明の方法においては固定床、流
動床のいずれの装置を用いてもよい。
【0025】反応終了後は通常の後処理、例えば蒸留を
行うことにより、精製フェノールが得られる。
【0026】
【実施例】I.触媒の調製 実施例1 硝酸コバルト(Co(NO3)2・6H2O)200.0gをイオン
交換水500mlに溶解させたものと、水酸化ナトリウム約6
0gをイオン交換水500mlに溶解させたものとをイオン交
換水約2lに、pH7〜7.5に保ちながら滴下した。滴下
終了後、約1時間攪拌を続け、生成した沈澱の濾過およ
び洗浄を行った。そして、ゲル状物質を空気中120℃で2
4時間乾燥し、さらに空気中500℃で3時間焼成した。得
られた触媒はCo34であった。
【0027】実施例2 硝酸コバルト358.9gをイオン交換水500mlに溶解させた
ものと、水酸化ナトリウム約110gをイオン交換水500ml
に溶解させたものとをイオン交換水約2lに、pH7〜7.
5に保ちながら滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌を
続け、生成した沈澱の濾過および洗浄を行った。
【0028】次に、このゲル状物質に炭酸ナトリウム
(Na2CO3・10H2O)4.6gを含む100mlの水溶液を加
え、約1時間攪拌した。そしてゲル状物質を空気中120
℃で24時間乾燥し、さらに空気中500℃で3時間焼成し
た。得られた触媒の組成は、Co34:Na2O=99:1
(重量比)であった。
【0029】実施例3、4 硝酸コバルト36.3gをイオン交換水約300mlに溶解さ
せ、さらにこの水溶液にチタニア(関東化学(株)製、ア
ナターゼ型)90gを投入し、蒸発乾固した。そして、こ
のものを空気中、120℃で24時間乾燥し、さらに空気中5
00℃で3時間焼成して目的の触媒を得た。得られた触媒
の組成は、Co34:TiO2=10:90(重量比)であっ
た。
【0030】実施例5 チタニアの代わりにマグネシア(関東化学(株)製、特級
試薬)を使用し、実施例3、4と同じ方法により触媒を
調製した。得られた触媒の組成は、Co34:MgO=1
0:90(重量比)であった。
【0031】実施例6 チタニアの代わりにα−Al23(住友化学(株)製、KH
T−24)を使用し、実施例3、4と同じ方法により触媒
を調製した。得られた触媒の組成は、Co34:α−Al2
3=10:90(重量比)であった。
【0032】実施例7 硝酸コバルト18.1gと硝酸鉄(Fe(NO3)3・9H2O)
25.5gとをイオン交換水約300mlに溶解させ、さらにこ
の水溶液にチタニア90gを投入し、蒸発乾固した後、12
0℃で24時間乾燥し、さらに空気中500℃で3時間焼成し
た。得られた触媒の組成は、Co34:Fe23:TiO2
=5:5:90(重量比)であった。
【0033】実施例8 硝酸鉄の代わりに硝酸ニッケル(Ni(NO3)2・6H
2O)19.5gを使用し、実施例7と同じ方法により触媒
を調製した。得られた触媒の組成は、Co34:NiO:
TiO2=5:5:90(重量比)であった。
【0034】実施例9 硝酸コバルト36.3gと炭酸ナトリウム4.6gとをイオン交
換水約300mlに溶解させ、さらにこの水溶液にチタニア8
9gを投入し、蒸発乾固した後、120℃で24時間乾燥し、
さらに空気中500℃で3時間焼成した。得られた触媒の
組成は、Co34:Na2O:TiO2=10:1:89(重量
比)であった。
【0035】比較例1、2 特公昭64−934号公報に記載された実施例1に従って触
媒を調製した。組成は、MoO3:V25:CuO:Na
2O:Al23=3.9:3.7:3.8:5.9:82.7(重量比)であっ
た。
【0036】比較例3 特公昭59−20384号公報に記載された参考例1に従って
触媒を調製した。組成は、CuO:ZrO2:K2O:Al2
3=4.0:3.0:3.6:89.4(重量比)であった。
【0037】II.フェノールの製造 実施例10〜18及び比較例4〜6 上記で製造された各触媒を20〜40メッシュに整粒し、内
径20mmの石英管に所定量充填した。そして、この反応管
に安息香酸、水蒸気、空気および窒素を所定量供給し、
所定の温度で反応させた。尚、実験条件および実験結果
を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明は、酸化コバルトを含有する触媒
を使用することにより、安息香酸からフェノールを高い
選択率で製造できる効果を有する。従って反応に残った
安息香酸をリサイクルさせる事により、原料を無駄なく
フェノールを生成することができる。
【0040】また、CO、CO2の生成が少なく、安息
香酸を燃焼させることなく有効に利用できる。
フロントページの続き (72)発明者 長田 容 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 今井 愛子 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 板垣 正紀 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 橘 躍動 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化コバルトを含有することを特徴とす
    る、安息香酸酸化によるフェノール製造用触媒
  2. 【請求項2】 金属酸化物担体上に酸化コバルトが担持
    されていることを特徴とする請求項1に記載のフェノー
    ル製造用触媒
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物担体がチタニア、マグネ
    シアまたはα−アルミナである請求項2に記載のフェノ
    ール製造用触媒
  4. 【請求項4】 安息香酸を気相接触酸化してフェノール
    を製造する方法において、該酸化を請求項1、2又は3
    に記載の触媒の存在下で行うフェノールの製造方法
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