JPH0513672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、キヤブオーバトラツクなどの車両
におけるチルトキヤブのロツク装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

エンジン等の保守点検や修理の際に、キヤブを
チルトできるキヤブオーバトラツクなどの車両に
おいては、走行時にキヤブを車体に対してロツク
する必要がある。

そこで、従来から車体側にアンカフツクを設
け、キヤブ側にアンカフツクに対してロツク、ア
ンロツクされるロツクピンを有したロツクプレー
トを回動自在に設け、操作ロツドによつて前記ロ
ツクプレートを回動操作することによつてロツク
ピンをアンカフツクに対してロツク、アンロツク
している。この場合、ロツクプレートが不用意に
回動すると、ロツクピンとアンカフツクとのロツ
クが確実に行われず危険性がある。そこで、ロツ
クプレートの動きを規制するためにロツクプレー
ト規制部材を設けているが、構造的に複雑になる
とともに、ロツク時にロツクピンがスムーズにア
ンカフツク方向に移動せず、ロツク、アンロツク
の動作の確実性に信頼性がないという不都合があ
る。

〔考案の目的〕

この考案は、前記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、ロツク時にロツク
ピンがアンカフツク方向に付勢され、ロツク状態
の確実性を向上させるとともに、構造的に簡単で
ありながら動作の信頼性を向上させることができ
るチルトキヤブのロツク装置を提供することにあ
る。

〔考案の概要〕

この考案は、前記目的を達成させるために、キ
ヤブ側に設けたベースに回動自在な回動アームを
設け、この回動アームに一端部が連結ピンによつ
て回動自在に枢支され他端部に前記ロツクピンを
有したロツクプレートと操作ロツドと左右連結ロ
ツドとを結合するとともに、アンロツク時に前記
ロツクプレートの端面を押圧してロツクピンをア
ンカフツクから離間する方向に移動させるシヤフ
トを設け、さらに、前記連結ピンとシヤフトとの
間にロツク時にロツクピンをアンカフツクの方向
へ移動させる付勢ばねを設けたことにある。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図および第２図は、第３図に示すキヤブオ
ーバトラツク１のキヤブ２を車体３に対してロツ
ク、アンロツクするロツク装置を示すもので、こ
のロツク装置はキヤブ２の後部に左右離間して一
対に設置されている。

これらロツク装置は基本的に同一構造であるた
め、一方について説明する。すなわち、５はキヤ
ブ２の後部に下方に突出して設けたフレームであ
り、これと対向する車体３側にはキヤブ２を受け
る受け台６が設けられている。そして、この受け
台６にはアンカフツク７が上方に突出して設けら
れている。一方、前記フレーム５には枢支ピン８
によつて回動アーム９が回動自在に枢着されてい
る。この回動アーム９は金属板をコ字状に折曲す
ることにより形成され、この自由端部にはシヤフ
ト１０が架設されている。そして、このシヤフト
１０によつて操作レバー１１に連動する操作ロツ
ド１２と左右連結ロツド１３とを連結している。
さらに、前記回動アーム９の自由端部にはシヤフ
ト１０と平行に連結ピン１４が架設されていて、
この連結ピン１４には略くの字状に形成されたロ
ツトプレート１５の上端部が回動自在に連結され
ている。そして、このロツクプレート１５の下端
部には前記アンカフツク７に対してロツク、アン
ロツクされるロツクピン１６が固定されている。
また、前記連結ピン１４にはねじりコイルばねか
らなる付勢ばね１７が嵌合されていて、この付勢
ばね１７の一端部は前記シヤフト１０に、他端部
はロツクプレート１５の上端部にそれぞれ掛止さ
れている。そして、この付勢ばね１７に付勢力に
よつて前記ロツクプレート１５を矢印ａ方向に付
勢している。したがつて、ロツクプレート１５の
下端部に設けられたロツクピン１６はアンカフツ
ク７に係合する方向に付勢され、ロツク状態を維
持している。

つぎに、前述のように構成されたロツク装置の
作用について説明する。第１図おいて実線はロツ
ク状態であり、鎖線はアンロツク状態である。こ
のロツク状態からキヤブ２をチルトさせる場合に
はロツクピン１６をアンカフツク７から外してロ
ツク解除する必要があるが、まず操作レバー１１
を矢印ｂ方向に回動すると、操作ロツド１２は矢
印ｃ方向に移動する。したがつて、シヤフト１０
は同方向に押圧され、左右連結ロツド１３も同方
向に移動するとともに、回動アーム９は枢支ピン
８を支点として矢印ｄ方向に回動変位する。この
とき、シヤフト１０はロツクプレート１５の上端
部の端面を押圧するため、ロツクプレート１５の
下端部は矢印ｅ方向に円弧を描きながら移動して
ロツクピン１６はアンカフツク７からスムーズに
抜けてロツク状態が解除される。したがつて、キ
ヤブ２は車体２との結合が解除され、別のチルト
機構によつてキヤブ２をチルトすることができ
る。

また、キヤブ２を車体３に対してロツクする場
合には、前記操作レバー１１を逆方向に回動する
ことにより、操作ロツド１２は矢印ｃ方向と逆方
向に移動してシヤフト１０が引き寄せられる。し
たがつて、回動アーム９は枢支ピン８を支点とし
て逆方向に回動し、ロツクプレート１５も引き上
げられる。このとき、ロツクプレート１５には付
勢ばね１７の付勢力が作用しているために、下端
部のロツクピン１６は破線矢印で示すように円弧
を描きながらアンカフツク７に入る方向に移動す
る。したがつて、付勢ばね１７の付勢力によつて
ロツクピン１６はアンカフツク７にスムーズに入
つてロツクされるとともに、付勢ばね１７の付勢
力によつてロツク状態が維持されることになる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、チル
トキヤブを車体に対してロツクおよびアンロツク
する動作が確実で、しかも付勢ばねの付勢力によ
つてロツク状態を維持するため、安全性を向上す
ることができるとともに、構造的にも簡単で信頼
性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すロツク装置
の正面図、第２図は同じく要部の平面図、第３図
はキヤブオーバトラツクの側面図である。 ２……キヤブ、３……車体、５……ベース、７
……アンカフツク、９……回動アーム、１０……
シヤフト、１２……操作ロツド、１３……左右連
結ロツド、１４……連結ピン、１５……ロツクプ
レート、１６……ロツクピン、１７……付勢ば
ね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体側にアンカフツク、キヤブ側に前記アンカ
   フツクに対してロツクおよびアンロツクするロツ
   クピンを有したチルトキヤブのロツク装置におい
   て、前記キヤブ側に設けたベースと、このベース
   に回動自在に枢支された回動アームと、この回動
   アームに一端部が連結ピンによつて回動自在に枢
   支され他端部に前記ロツクピンを有したロツクプ
   レートと、前記回動アームに設けられ操作ロツド
   と左右連結ロツドとを結合するとともに、アンロ
   ツク時に前記ロツクプレートの端面を押圧してロ
   ツクピンを前記アンカフツクから離間する方向に
   移動させるシヤフトと、前記連結ピンとシヤフト
   との間に設けられロツク時にロツクピンをアンカ
   フツクの方向へ移動させる付勢ばねとを具備した
   ことを特徴とするチルトキヤブのロツク装置。