JPH0513205B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は道路等の掘削作業中に於いて、掘削機
の作業範囲を狭くして、他の作業を妨げたり、道
路を通行中の他の車両の進行を妨げて道幅を広く
専有することなく掘削作業をすることのできる掘
削機に関し、特に、旋回台と掘削機構及びキヤビ
ンをそれぞれ自由に回転又は揺動させることによ
り掘削機構を後方に方向転換する際にアームの突
出を少なくして車幅内において旋回でき、しかも
作業中における操作者の見通しを良好にさせるよ
うにした掘削機に関する。

〔従来の技術〕

従来の掘削では車体よりアームを突出させ、こ
のアーム先端に土砂を掘取るバケツトを取り付け
ており、このアーム及びバケツトを回曲させるこ
とにより土砂を掘取つていた。この構成では掘取
つた土砂を車体の後方にアームを水平方向に回転
させて輸送する際に、バケツトが車体側面より大
きく飛び出して付近に立つている人に接触する危
険があると共に作業範囲を広く取らざるを得ない
欠点があつた。

このため例えば、二車線の一車線側で掘削作業
をしている場合に於いて、アームの旋回のため作
業をしていない他の一車線にアームが飛び出すた
め、掘削作業中には交通を一時遮断しなければな
らず、極めて不都合なものであつた。この欠点を
解消するため車体上に旋回台と作業台をその回転
軸心を偏芯させて設けておき、バケツトを車体の
上方で通過させ、アームとバケツトを車体の側面
から飛び出さないように構成した掘削機も提案さ
れている。しかし、この新しく提案された掘削機
では、作業員は旋回する作業台上に乗らなければ
ならず、狭い作業台上に作業員を風雨から保護す
るためのキヤビンを設けることができないもので
あつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は上述の欠点に鑑み、車体上に設けた旋
回台上に掘削機とキヤビンを取り付け、両者を並
列させておき、掘削機は旋回台上においてその回
転中心に対して車体の幅方向の一側に偏位させて
設けておき、キヤビンによつて作業員を風雨から
保護すると共に、掘削機の回動に追従してキヤビ
ンを同方向に回動させることにより操作者の視線
方向を従動させ、作業の視界を良好にさせること
のできる掘削機を提供することを目的とする。

〔問題を解決するための手段〕

本発明では、移動可能な車体と、この車体上に
おいて水平方向に回転できる旋回台と、該旋回台
上その回転中心に対して車体の幅方向の一側に偏
位して水平方向に回動可能に設けられた支持機構
と、該支持機構に支持されバケツト、屈曲できる
アーム及びブームから成る掘削機構と、操作手段
及び座席を含み、前記旋回台上に前記支持機構に
並列して回転可能に設けられたキヤビンと、掘削
作業時に前記操作手段の操作により支持機構を介
して掘削機構を水平方向に所望の掘削位置に向け
て所定角度だけ回動させる第１の駆動手段と、該
第１の駆動手段に連動して掘削機構の回転角度に
ほぼ等しい角度だけ同方向にキヤビンを回動させ
て座席を常時、掘削機構と同方向に位置させる第
２の駆動手段とを有し、車体の移動時または旋回
時には前記操作手段の操作により掘削機構をキヤ
ビン側面の車体幅内に屈曲させて取り込むように
したことを特徴とする。

〔作用〕

本発明では旋回台前面の一側には支持機構によ
り支持される掘削機構を設け、かつ、旋回台の他
側面には作業員が搭乗するキヤビンが設けてある
ため、車体の移動時及び旋回時には掘削機構をキ
ヤビン側面に大きく取り込み、バケツト、アーム
等が車体より突出しない状態で保持しておき、掘
削機構をする際には掘削機構と連動させてキヤビ
ンを掘削機構と同方向に回動させることにより操
作者の視線方向を掘削機構の移動方向に従動させ
るようにして掘削作業をさせることができるもの
である。

〔実施例〕

本発明の一実施例を説明する。

第１図は本実施例の斜視図、第２図は平面図、
第３図、第４図は同上の側面図である。

この掘削機は自走できるものであり、平坦な車
体１０の下面にはその四隅に車輪１１が軸支させ
てあり、車体１０の両側の各一対の車輪１１間に
はそれぞれ無限軌道１２が巻き回してある。この
車体１０の上方中央には旋回台１３が水平方向に
回転自在に載置してある。この旋回台１３上であ
つてその前面一側には支持機構１４が設けてあ
り、また、旋回台１３上の前方の他側には作業員
が乗るキヤビン１５が固定してあり、キヤビン１
５後方にはエンジン、油圧発生機等を収納した機
械部１６が取り付けてある。つまり、旋回台１３
の前面部には左右にそれぞれ支持機構１４とキヤ
ビン１５とが並列して設けてあることになる。

次に前記支持機構１４を説明すると、前記旋回
台１３上には支持ピン１７が垂直に固定してあ
り、この支持ピン１７にはコ字形をした連結台１
８が水平方向に回動自在に連結してある。この連
結台１８の下部には水平方向に伸びたレバー１９
が固着してあり、このレバー１９には揺動用の油
圧シリンダ２０のシリンダロツドが連結してあ
り、この油圧シリンダ２０の基部は前記旋回台１
３上に連結してある。

コ字形に前方に向かつて開口した連結台１８に
はく字形をしたブーム２１が上下方向に揺動自在
に連結してあり、ブーム２１の先端にはアーム２
２が揺動自在に連結してあり、さらにアーム２２
の先端にはバケツト２３が連結してある。そし
て、連結台１８とブーム２１の中央の間、ブーム
２１の中央とアーム２２の基部との間、アーム２
２とバケツト２３の間にはそれぞれ油圧シリンダ
２４，２５，２６が介在させてある。このブーム
２１、アーム２２、バケツト２３等により掘削機
構２７が形成させてある。

次に、第５図によりキヤビン１５内の操縦機構
について説明する。前記キヤビン１５内であつて
旋回台１３上には支軸３１が回転自在に軸支して
あり、この支軸３１の上部には円盤形をしたター
ンテーブル３２が載置固定してある。このターン
テーブル３２の下面周縁近くにはピン３３が突出
させてあり、このピン３３には油圧シリンダ３４
のシリンダロツド３５が連結してあり、シリンダ
ボトム３６は旋回台１３に連結してある。そし
て、ターンテーブル３２の上面一方には操作者の
座る座席３７が固着してあり、ターンテーブル３
２の上面他方にはフツトペダル３８とレバ３９が
設けてある。尚、油圧シリンダ３４と上記油圧シ
リンダ２０とは連動できるように油圧源からの吐
出油が油圧回路において直列に供給されるように
構成されている。

次に、本実施例の作用を説明する。

まず、第３図は油圧シリンダ２４を伸ばしてブ
ーム２１を前方に倒し、油圧シリンダ２５，２６
を縮小してアーム２２及びバケツト２３を立ち上
げた状態であり、掘削機構２７を最大限に伸ばし
た状態を示すものである。また、第４図は油圧シ
リンダ２４を縮小してブーム２１を立ち上げ、油
圧シリンダ２５，２６を伸張し、アーム２２をブ
ーム２１側に接近させると共にバケツト２３を上
方に向けて持ち上げた状態を示すものでこの状態
で車体１０を移動させたり、また、旋回台１３を
旋回させることができる状態を示すものである。
この第３図に示す掘削機構２７を最大伸張させた
状態より各油圧シリンダ２４，２５，２６をそれ
ぞれ共動させてブーム２１及び２２をそれぞれ屈
曲させることにより、バケツト２３を上下方向に
回動させ、これにより土砂を掘取る作業ができ
る。この掘削機構２７の動作及び機能は従来の掘
削機構と同一である。

次に第６図と共に掘削作業から掘取つた土砂を
後方に移送する際の一連の動作を説明する。

第６図イの状態では車体１０の前方に向けてバ
ケツト２３を操作して土砂を掘取る作業をしてい
る状態を示すものである。この場合において、旋
回台１３は車体１０に対し、水平方向にやや45度
傾斜させてあり、キヤビン１５は斜め前方を向い
ている。そして油圧シリンダ２０を伸張させ、レ
バー１９を介し、連結台１８を支持ピン１７を中
心に旋回台１３が回転した方向とは逆方向にやや
45度傾斜させてある。このため、旋回台１３は車
体１０に対して斜め方向に位置させてあるが掘削
機構２７は車体１０と平行に位置させてあり、か
つ、その位置は両無限軌道１２の間に位置させて
ある。このため掘削機構２７のバケツト２３は車
体１０の中央前方に維持し、車体１０の前方にお
ける土砂を掘取る作業ができる。このとき、油圧
シリンダ３４は油圧シリンダ２０の伸長動作に連
動して伸張動作をしており、その伸長力によりシ
リンダロツド３５、ピン３３にを介してターンテ
ーブル３２は支軸３１を中心に回転し、掘削機構
２７が回動した角度とほぼ同じ角度だけ第６図中
時計方向に振ることになる。このため、座席３７
は掘削機構２７と平行な方向に向き、キヤビン１
５が車体１０に対してほぼ45度、反時計方向に回
転した位置にあつても座席に座つた作業員は車体
１０の前方を見て作業をすることができる。

次に、バケツト２３により掘取つた土砂を後方
に移す際にはまず旋回台１３をその旋回中心Ｘを
中心にして時計方向に戻し、時計方向に矢印Ａの
方向に旋回させて車体１０と旋回台１３とを平行
に位置させる同時に油圧シリンダ２０を縮小さ
せ、支持ピン１７を中心に連結台１８を図中Ｂ方
向に回動させ、掘削機構２７と旋回台１３とが平
行な位置になるよう復帰させる。この後各油圧シ
リンダ２４，２５，２６をそれぞれ共同させて動
作させ、ブーム２１及びアーム２２、バケツト２
３を回動させて、第４図に示す様な位置にする。

一方、油圧シリンダ２０の縮小動作に連動して
油圧シリンダ３４が縮小させられ、シリンダロツ
ド３５が引込められることによりピン３３を介し
てターンテーブル３２が第６図イの状態で反時計
方向に回転させられ、座席３７が車体１０の前方
に向けさせられる。このため座席３７に座つてい
る操作者の視線は掘削した車体１０の前方に向か
うことになる。この状態が第６図ロで示される状
態にある。なお、旋回台１３の回転中心はＸで示
される。この状態では、バケツト２３は旋回台１
３上の車体幅内に位置して、かつ掘削機構２７は
キヤビン１５の側面にぴつたり納まつて位置する
ことになる。

この第６図ロの位置から、さらに旋回台１３を
その旋回中心にＸを中心にして図中時計方向に旋
回させる。このとき掘削機構２７及び、油圧シリ
ンダ２０は動作させず、掘削機構２７をキヤビン
１５の側面にそのまま位置させておく。第６図ハ
の状態がバケツト２３をその旋回台１３上に位置
させ、キヤビン１５の側面に保持したまま旋回し
ている途中を示すものである。そして、旋回台１
３を車体１０に対しさらに回転させると第６図ニ
の状態となり、旋回台１３は車体１０に対し、そ
の旋回中心Ｘを中心として180度回転することに
なり、キヤビン及び１５掘削機構２７は車体１０
の後方を向くことになる。そして、掘削機構２７
の各油圧シリンダ２４，２５，２６をそれぞれ共
動させることにより、車体１０の後方に待機して
いるトラツク２９の荷台上に土砂を移して変える
ことができる。

この第６図ニの状態から掘削作業に戻るには前
述とは逆に第６図ニ，ハ，ロ，イ，で示す状態の
順に動作させれば前述の掘削作業の位置に復帰す
ることができる。

なお、車体１０の側面をバケツトにより掘削す
る場合には旋回台１３の旋回角度及び、油圧シリ
ンダ２０による支持機構の角度修正及び油圧シリ
ンダ３４によるテーブル３２の位置補正をそれぞ
れ調整することにより車体１０の全幅の範囲で掘
削作業を行うことができる。

また、第７図、第８図は本発明の他の実施例を
示すもので、見通しの良いキヤビン構造となつて
いる。この実施例では第１の実施例の構成と同一
の構成に付いては同一の符号を付し、説明を省略
してある。この実施例のキヤビン４１はその前面
が大きく開口しており、このキヤビン４１の前面
開口には曲面風防４２が取付けてある。この曲面
風防４２は強化ガラス、強化プラスチツク等で形
成されており、カマボコ状に半円形に曲げてあ
り、その直線面を車体１０に対して垂直に位置さ
せてある。この構成では曲面風防４２は前面の左
右全ての範囲に見通しが可能となり、旋回台１３
が車体１０に対して偏位していても、キヤビン４
１内の作業員は曲面風防４２を通して車体１０の
前方を視覚により見通すことができる。このため
柱や窓枠等により視覚が妨げられて、キヤビン４
１の前方の一部が見にくい現象が生じなくなり、
安全確認やバケツト２３の位置の認識が確実とな
る。

〔発明の効果〕

本発明は上述の様に構成したので、掘削機構を
キヤビンの側面に収納させて回転することがで
き、掘削機構を車体より大きく外方に突出さぜる
ことなく車体の幅の範囲内近くで旋回することが
できるため、通行中の人や他の車両の障害となる
ことがなく、極めて安全性の高くなるものであ
る。また、掘削機構をキヤビンの側面に収納する
ことができるため、キヤビン内の作業員は前方の
視界性が良く、移動および、旋回時における安全
確認が極めて容易となる特徴を有している。

更に掘削作業においては操作機構は掘削機構の
方向の同一方向に向いているので作業が正確に行
われ、作業者に疲労が生じないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２
図は同上の平面図、第３図は同上の掘削機構を伸
張させた場合を示す側面図、第４図は同上の掘削
機構を縮小し、キヤビンの側面に収納した状態を
示す側面図、第５図はキヤビンの内部構造を示す
斜視図、第６図は旋回時における動作を示す説明
図、第７図は本発明の他の実施例を示す斜視図、
第８図は同上の側面図である。 １０……車体、１３……旋回台、１４……支持
機構、１５……キヤビン、２０……油圧シリン
ダ、２７……掘削機構、３２……ターンテーブ
ル、３４……油圧シリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 移動可能な車体と、この車体上において水平
   方向に回転できる旋回台と、該旋回台上にその回
   転中心に対して車体の幅方向の一側に偏位して水
   平方向に回動可能に設けられた支持機構と、該支
   持機構に支持されバケツト、屈曲できるアーム及
   びブームから成る掘削機構と、操作手段及び座席
   を含み、前記旋回台上に前記支持機構に並列して
   回転可能に設けられたキヤビンと、掘削作業時に
   前記操作手段の操作により支持機構を介して掘削
   機構を水平方向に所望の掘削位置に向けて所定角
   度だけ回動させる第１の駆動手段と、該第１の駆
   動手段に連動して掘削機構の回転角度にほぼ等し
   い角度だけ同方向にキヤビンを回動させて座席を
   常時、掘削機構と同方向に位置させる第２の駆動
   手段とを有し、車体の移動時または旋回時には前
   記操作手段の操作により掘削機構をキヤビン側面
   の車体幅内に屈曲させて取り込むようにしたこと
   を特徴とする掘削機。