JPH051148A - 全フツ素化ポリイミド、その中間体および出発物質およびそれらの製造方法ならびに全フツ素化ポリイミド光学材料 - Google Patents

全フツ素化ポリイミド、その中間体および出発物質およびそれらの製造方法ならびに全フツ素化ポリイミド光学材料

Info

Publication number
JPH051148A
JPH051148A JP3235020A JP23502091A JPH051148A JP H051148 A JPH051148 A JP H051148A JP 3235020 A JP3235020 A JP 3235020A JP 23502091 A JP23502091 A JP 23502091A JP H051148 A JPH051148 A JP H051148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
formula
group
represented
perfluorinated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3235020A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2851019B2 (ja
Inventor
Shinji Ando
慎治 安藤
Toru Matsuura
松浦  徹
Shigekuni Sasaki
重邦 佐々木
Fumio Yamamoto
二三男 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP3235020A priority Critical patent/JP2851019B2/ja
Publication of JPH051148A publication Critical patent/JPH051148A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2851019B2 publication Critical patent/JP2851019B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフ
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、
1,4−ジフルオロピロメリット酸二無水物または1,
4−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水
物と、テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、
テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、ビス
(4−アミノ−テトラフルオロフェニル)エーテルまた
はビス(4−アミノ−テトラフルオロフェニル)スルフ
ィドとから全フッ素化ポリアミド酸を合成し、加熱閉環
して全フッ素化ポリイミドを得、これを主構成要素とす
る光学材料とする。1,4−ビス(3,4−ジカルボキ
シトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二
無水物等の合成法も示す。 【効果】 全フッ素化ポリイミドは耐熱性を有するとと
もに1.0〜1.7μmの光通信波長全域で光損失が低
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素化ポリイミド光学
材料に関し、特に光電子集積回路(OEIC)や光電子
混載実装配線板における光導波路の光学材料として使用
可能な、近赤外光に対する透過損失の少ないフッ素化ポ
リイミド光学材料に関する。さらに、本発明はそのよう
な光学材料の主要構成要素として使用可能なフッ素化ポ
リイミド、その前駆体(中間体)であるフッ素化ポリア
ミド酸およびその出発物質であるフッ素化テトラカルボ
ン酸二無水物とフッ素化ジアミン等ならびにそれらの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料は、無機系の材料に比
べて軽量であり、対衝撃性,加工性に優れ、取扱いが容
易であるなどの特長を有しているため、これまでも光フ
ァイバーやレンズ,光ディスク用基板など様々な光学用
途に用いられてきた。プラスチックをOEICや光電子
混載実装配線板の光導波路など、光通信用の近赤外光を
透過させる媒体として用いる場合、無機系の材料と比較
してまず問題となるのは大きな光透過損失である。プラ
スチックにおける透過損失の原因には大きく分けて散乱
と吸収の2つがあるが、通信用途に用いられる光の波長
が今後、長波長域へ移る(0.85μmから1.0μm
〜1.7μmへ)に従って、後者の原因、つまり分子構
造に本質的な赤外振動の高調波吸収による損失が支配的
となり、プラスチックの光通信用途への適用が困難とな
ることが危惧されている。特にこれまで可視光用の光学
材料として広く用いられてきたポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)やポリスチレン(PS)は、分子鎖内に
2種類以上の炭素−水素結合(C−H結合)を有するた
め、その近赤外吸収スペクトルには、幅広で強度の大き
な吸収ピークが複数存在している。このC−H結合に起
因する高調波吸収を長波長側へシフトさせ強度を低減さ
せるには、重水素(D)あるいはフッ素(F)による分
子内水素の置換が効果的であることが示されており、す
でにPMMAやPS中の水素を重水素あるいはフッ素で
置換した材料について基礎的な検討がなされている[例
えば戒能俊邦、アプライド フィジクス レターズ(A
ppl.Phys.Lett.)第48巻(12)75
7頁1986年参照]。しかし、これらのプラスチック
光学材料は、例えばシリコン基板上でのOEIC作製に
必要なハンダ耐熱性(260℃)を持たないため、OE
IC等に使用するには作製工程上の種々の工夫が必要と
なる。
【0003】一方、ポリイミド樹脂は一般的な熱分解開
始温度が400℃以上とプラスチック中で最も高い耐熱
性を持つものの一つとして知られており、光学材料への
適用も最近検討され始めている[例えばH.Frank
e,J.D.Crow,SPIE vol.651 I
ntegrated Optical Circuit
Engineering III pp.102−1
07(1986)、C.T.サリバン,SPIE第99
4巻92頁1988年参照]。
【0004】また、透明性を改善した耐熱性材料として
ヘキサフルオロイソプロピリデン基を含有する含フッ素
ポリイミド樹脂コーティング材料[Anne K.S
t.Clair and Wayne S.Slem
p,SAMPE JournalJuly/Augus
t pp.28−33(1985)]が検討され、光損
失を低減するためヘキサフルオロイソプロピリデン基を
主鎖に含有する含フッ素ポリイミド樹脂を用いた光導波
路[Rainer Reuter,HilmarFra
nke,and Claudius Feger,Ap
plied Optics,Vol.27,No.21
pp.4565−4571(1988)]が提案され
ている。
【0005】しかし、これまでに検討された含フッ素ポ
リイミドを含む全てのポリイミドは、分子鎖中にフェニ
ル基のC−H結合を有するため、近赤外域の吸収スペク
トルにはC−H結合の伸縮振動の高調波あるいはC−H
結合の伸縮信号の高調波と変角振動の結合振動に由来す
るピークが存在している。このため、光通信波長域
(1.0〜1.7μm)の全域にわたって低い光損失が
達成されることがない。
【0006】そこでこれらの水素をすべて重水素あるい
はフッ素で置き換えることができれば光通信波長域にお
ける吸収損失は大きく低減するはずである。しかし全重
水素化ポリイミドや全フッ素化ポリイミドはこれまでに
合成例が報告されていない。また、全重水素化はC−D
結合の3次高調波が1.5μm付近に存在するため、光
通信波長全域での吸収ピーク低減には不十分である。
【0007】従って、通信波長全域における高い光透過
性と耐熱性を同時に満足するプラスチック光学材料はこ
れまでに知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、種々の
既存のポリイミドおよびポリイミド光学材料について、
その赤外域,近赤外域の吸収スペクトルを測定し、近赤
外域での光損失を算出するとともに、その原因について
鋭意検討した。その結果、近赤外域で大きな光損失を引
き起こす原因の第一は、アルキル基やフェニル環等にお
けるC−H結合の伸縮振動の高調波と変角振動の結合音
による吸収であることが明らかとなった。
【0009】従って、本発明の一つの目的は、光電子集
積回路を作製するに十分な耐熱性があり、近赤外域光、
特に光通信波長域(1.0〜1.7μm)における光透
過損失の極めて少ないプラスチック光学材料を提供する
ことにある。
【0010】本発明の別の目的は、全フッ素化ポリイミ
ドおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】本発明のさらに別の目的は、全フッ素化ポ
リイミドの前駆体である全フッ素化ポリアミド酸および
その製造方法を提供することにある。
【0012】本発明のまた別の目的は、全フッ素化ポリ
イミドの製造に使用できる出発物質である全フッ素化テ
トラカルボン酸またはその二無水物およびフッ素化ジア
ミン(すなわち、炭素と一価元素の化学結合として炭素
−フッ素結合のみを含むジアミン)ならびにそれらの製
造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に従
う全フッ素化ポリイミドは下記一般式(1):
【0014】
【化19】
【0015】(式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の
有機基を示し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元
素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表
わされる繰り返し単位を有することを特徴とする。
【0016】本発明の第2の観点に従う全フッ素化ポリ
アミド酸は下記一般式(6):
【0017】
【化20】
【0018】(式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の
有機基を示し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元
素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表
わされる繰り返し単位を有することを特徴とする。
【0019】本発明の第3の観点に従うペルフルオロ芳
香族化合物は下記一般式(7)
【0020】
【化21】
【0021】(式中R3 は下記式(8)または(9)
【0022】
【化22】
【0023】で表わされる四価のペルフルオロ芳香族基
を示し;4個のR4 はすべてカルボキシル基を表わす
か、またはすべてシアノ基を示し、あるいは二組の隣接
する2個のR3 同士が結合してそれぞれ下式(10)
【0024】
【化23】
【0025】で表わされる二価の基を示し、R4 がすべ
てシアノ基を示すときはR3 は式(9)で表わされる基
のみを示す)で表わされることを特徴とする。
【0026】本発明の第4の観点に従う化合物は下記式
(11):
【0027】
【化24】
【0028】で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼン二無水物である。
【0029】本発明の第5の観点に従う化合物は下記式
(12):
【0030】
【化25】
【0031】で表わされる1,4−ジフルオロ無水ピロ
メリット酸である。
【0032】本発明の第6の観点に従う化合物は下記式
(13):
【0033】
【化26】
【0034】で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼンである。
【0035】本発明の第7の観点に従う化合物は下記式
(14):
【0036】
【化27】
【0037】で表わされる1,4−ビス(3,4−ジシ
アノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン
である。
【0038】本発明の第8の観点に従う化合物は下記式
(15):
【0039】
【化28】
【0040】で表わされる1,4−ジフルオロピロメリ
ット酸である。
【0041】本発明の第9の観点に従うポリイミド光学
材料は下記一般式(1):
【0042】
【化29】
【0043】(式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の
有機基を示し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元
素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表
わされる繰り返し単位を有する全フッ素化ポリイミドを
主構成要素とすることを特徴とする。
【0044】本発明の第10の観点に従う全フッ素化ポ
リイミドの製造方法は下記一般式(6):
【0045】
【化30】
【0046】(式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の
有機基を示し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元
素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表
わされる繰り返し単位を有する全フッ素化ポリアミド酸
を閉環させることを特徴とする。
【0047】本発明の第11の観点に従う全フッ素化ポ
リアミド酸の製造方法は下記一般式(16):
【0048】
【化31】
【0049】(式中R1 は4価の有機基を示し、それに
含まれる炭素と一価元素の化学結合として炭素−フッ素
結合のみを含む)で表わされるテトラカルボン酸二無水
物またはそのテトラカルボン酸、もしくはその反応性誘
導体と、 下記一般式(17): H2N−R2−NH2 (17) (式中R2 は2価の有機基を示し、それに含まれる炭素
と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含
む)で表わされるジアミンとを反応させることを特徴と
する。
【0050】本発明の第12の観点に従う式(11)で
表わされる1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフ
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物の
製造方法は式(13)で表わされる1,4−ビス(3,
4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフル
オロベンゼンを脱水することを特徴とする。
【0051】本発明の第13の観点に従う式(11)で
表わされる1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフ
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物の
製造方法は式(14)で表わされる1,4−ビス(3,
4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼンを硫酸中で加水分解と脱水反応を一段階で行う
ことを特徴とする。
【0052】本発明の第14の観点に従う式(13)で
表わされる1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフ
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法
は式(14)で表わされる1,4−ビス(3,4−ジシ
アノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン
を加水分解することを特徴とする。
【0053】本発明の第15の観点に従う式(14)で
表わされる1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオ
ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法はテ
トラフルオロフタロニトリルとテトラフルオロヒドロキ
ノンを塩基存在下に反応させることを特徴とする。
【0054】本発明の第16の観点に従う式(14)で
表わされる1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオ
ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法はテ
トラフルオロフタロニトリルとテトラフルオロヒドロキ
ノンの金属塩とを反応させることを特徴とする。
【0055】本発明の第17の観点に従う式(12)で
表わされる1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸の製
造方法は式(15)で表わされる1,4−ジフルオロピ
ロメリット酸を脱水することを特徴とする。
【0056】本発明の第18の観点に従う式(12)で
表わされる1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸の製
造方法は式(18)で表わされる1,4−ジフルオロテ
トラシアノベンゼンを硫酸中で加水分解と脱水反応を一
段階で行うことを特徴とする。
【0057】本発明の第19の観点に従う式(15)で
表わされる1,4−ジフルオロピロメリット酸の製造方
法は式(18)で表わされる1,4−ジフルオロテトラ
シアノベンゼンを加水分解することを特徴とする。
【0058】
【作用】本発明の全フッ素化ポリイミドはアルキル基,
フェニル環等の炭素に結合するすべての一価元素をフッ
素,ペルフルオロアルキル基,ペルフルオロアリール
基,ペルフルオロアルコキシ基,ペルフルオロフェノキ
シ基のいずれかとし、繰り返し単位内にC−H結合を持
たない構造とすることによって、近赤外域での最大の光
損失原因であるC−H結合に基づく振動吸収を無くし、
またイミド結合を主鎖構造に導入してポリイミドとする
ことによって、光電子集積回路を作製する上での十分な
耐熱性(260℃以上)を持たせている。本発明の全フ
ッ素化ポリイミドは従来のものと比較して、光通信波長
域での光透過損失率が極めて小さい。
【0059】全フッ素化ポリイミドの一般的な特徴とし
ては耐熱性,近赤外域における光透過性の他に、低誘電
率,低屈折率,低吸水性,撥水・撥油性,低摩耗性,高
酸素透過性,溶媒溶解性などが考えられる。よってこれ
らの特徴を生かした電気,電子材料,膜材料,繊維材
料,摺動材料などへの適用も可能である。
【0060】本発明の全フッ素化ポリイミドは下記一般
式(1):
【0061】
【化32】
【0062】(式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の
有機基を示し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元
素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表
わされる繰り返し単位を有する。
【0063】R1 で示される4価の有機基としては下記
一般式(2):
【0064】
【化33】
【0065】(式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキ
ル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロアルコキ
シ基またはペルフルオロフェノキシ基を示す)で表わさ
れる構造であるか、あるいは下記一般式(3):
【0066】
【化34】
【0067】(式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキ
ル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロアルコキ
シ基、またはペルフルオロフェノキシ基を表わし、Xは
単なる原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
す)を表わすか、あるいはXとこれに隣接する二つのR
fはそれらが結合している炭素原子とともに飽和もしく
は不飽和の5または6員環でOもしくはSから選ばれた
最大2個のヘテロ原子を含んでいてもよい環を形成する
か、またはベンゼン縮合環の共有辺を表わす)で表わさ
れる構造であるのが好ましい。さらに好ましくはXは単
なる原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
す)を表わす。
【0068】R2 で示される2価の有機基としては下記
一般式(4):
【0069】
【化35】
【0070】(式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキ
ル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロアルコキ
シ基またはペルフルオロフェノキシ基を示す)で表わさ
れる構造であるか、または下記一般式(5):
【0071】
【化36】
【0072】(式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキ
ル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロアルコキ
シ基、またはペルフルオロフェノキシ基を表わし、Xは
単なる原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
す)を表わすか、あるいはXとこれに隣接する二つのR
fはそれらが結合している炭素原子とともに飽和もしく
は不飽和の5または6員環でOもしくはSから選ばれた
最大2個のヘテロ原子を含んでいてもよい環を形成する
か、またはベンゼン縮合環の共有辺を表わす)で表わさ
れる構造であるのが好ましい。さらに好ましくはXは単
なる原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
す)を表わす。
【0073】上記一般式(2)〜(5)において、ペル
フルオロアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜4
を有するものであり、トリフルオロメチル基,ペンタフ
ルオロエチル基,ヘプタフルオロプロピル基,ノナフル
オロブチル基等が例示される。
【0074】ペルフルオロアリール基としてはペンタフ
ルオロフェニル基等が例示される。
【0075】ペルフルオロアルコキシ基としては、好ま
しくは炭素数1〜4のものであり、トリフルオロメトキ
シ基,ペンタフルオロエトキシ基,ヘプタフルオロプロ
ポキシ基,ノナフルオロブトキシ基等が例示される。
【0076】ペルフルオロアルキレン基としては、好ま
しくは炭素数1〜4であり、ジフルオロメチレン基,テ
トラフルオロエチレン基,ヘキサフルオロイソプロピリ
デン基,オクタフルオロブチレン基等が例示される。
【0077】ペルフルオロアリーレン基としてはテトラ
フルオロフェニレン基,オクタフルオロビフェニレン基
等が例示される。
【0078】上記の式(3)または(5)において、X
とこれに隣接する二つのRfとそれらが結合している炭
素原子とが環を形成する場合は、この環を含む縮合環骨
格の例はアントラセン骨格,フェナントレン骨格,ビフ
ェニレン骨格,ジベンゾフラン骨格,アントラキノン骨
格,アントロン骨格,フェノキサチイン骨格,チアント
レン骨格,ジゾベンゾ[b,e]1,4−ジオキサン骨
格等である。Xとこれに隣接する二つのRfとそれらが
結合している炭素原子とがベンゼン縮合環の共有辺を表
わすときは式(3)または(5)で表わされる環の骨格
はナフタレン骨格である。
【0079】上記一般式(1)で表わされる全フッ素化
ポリイミドは下記一般式(6):
【0080】
【化37】
【0081】(式中R1 およびR2 は上記と同じ意味を
持つ)で表わされるポリアミド酸を加熱閉環することに
よって調製できる。この加熱処理は通常空気中好ましく
は窒素雰囲気中70〜350℃で2〜5時間加熱するこ
とにより行う。好ましい条件は窒素雰囲気中70℃で2
時間、160℃で1時間、250℃で30分、300℃
で1時間である。
【0082】前駆体として使用される上記一般式(6)
の全フッ素化ポリアミド酸は新規化合物であり、下記式
(16):
【0083】
【化38】
【0084】(式中R1 は上記と同じ意味を持つ)で表
わされるテトラカルボン酸二無水物またはそのテトラカ
ルボン酸、もしくはその反応性誘導体と、 下記一般式(17) H2N−R2−NH2 (17) (式中R2 は上記と同じ意味を持つ)で表わされるジア
ミンとを反応させることによって調製される。
【0085】本発明の全フッ素化ポリイミドの前駆体で
ある全フッ素化ポリアミド酸を製造する時に使用するテ
トラカルボン酸またはその誘導体としては、分子内の炭
素に結合する一価元素あるいは一価の官能基のすべてを
フッ素,ペルフルオロアルキル基,ペルフルオロアリー
ル基,ペルフルオロアルコキシ基,ペルフルオロフェノ
キシ基のいずれかとしたものであればどのようなもので
もよい。テトラカルボン酸ならびにその誘導体としての
酸無水物,酸塩化物,エステル化物等としては次のよう
なものが挙げられる。
【0086】1,4−ジフルオロピロメリット酸、1−
トリフルオロメチル−4−フルオロピロメリット酸、
1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、1
−ペンタフルオロメチル−4−フルオロピロメリット
酸、1−ペンタフルオロエチル−4−トリフルオロメチ
ルピロメリット酸、1,4−ジ(ペンタフルオロエチ
ル)ピロメリット酸、1−ペンタフルオロフェニル−4
−フルオロピロメリット酸、1−ペンタフルオロフェニ
ル−4−トリフルオロメチルピロメリット酸、1−ペン
タフルオロフェニル−4−ペンタフルオロエチルピロメ
リット酸、1,4−ジ(ペンタフルオロフェニル)ピロ
メリット酸、1−トリフルオロメトキシ−4−フルオロ
ピロメリット酸、1−トリフルオロメトキシ−4−トリ
フルオロメチルピロメリット酸、1−トリフルオロメト
キシ−4−ペンタフルオロエチルピロメリット酸、1−
トリフルオロメトキシ−4−ペンタフルオロフェニルピ
ロメリット酸、1,4−ジ(トリフルオロメトキシ)ピ
ロメリット酸、1−ペンタフルオロエトキシ−4−フル
オロピロメリット酸、1−ペンタフルオロエトキシ−4
−トリフルオロメチルピロメリット酸、1−ペンタフル
オロエトキシ−4−ペンタフルオロエチルピロメリット
酸、1−ペンタフルオロエトキシ−4−ペンタフルオロ
フェニルピロメリット酸、1−ペンタフルオロエトキシ
−4−トリフルオロメトキシピロメリット酸、1,4−
ジ(ペンタフルオロエトキシ)ピロメリット酸、1−ペ
ンタフルオロフェノキシ−4−フルオロピロメリット
酸、1−ペンタフルオロフェノキシ−4−トリフルオロ
メチルピロメリット酸、1−ペンタフルオロフェノキシ
−4−ペンタフルオロエチルピロメリット酸、1−ペン
タフルオロフェノキシ−4−ペンタフルオロフェニルピ
ロメリット酸、1−ペンタフルオロフェノキシ−4−ト
リフルオロメトキシピロメリット酸、1−ペンタフルオ
ロフェノキシ−4−ペンタフルオロエトキシピロメリッ
ト酸、1,4−ジ(ペンタフルオロフェノキシ)ピロメ
リット酸、ヘキサフルオロ−3,3′,4,4′−ビフ
ェニルテトラカルボン酸、ヘキサフルオロ−3,3′,
4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、ヘキ
サフルオロ−3,3′,4,4′−ペンゾフェノンテト
ラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオ
ロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェニル)スルフィド、ビス(3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェニル)ジフルオロメタン、
1,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ニル)テトラフルオロエタン、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフル
オロフェニル)テトラフルオロベンゼン、3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェニル−3′,4′−ジカルボ
キシトリフルオロフェノキシジフルオロメタン、ビス
(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)ジフ
ルオロメタン、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロエタン、2,2
−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼン、2,3,6,7−テトラカルボキシ−テトラ
フルオロナフタレン、2,3,6,7−テトラカルボキ
シ−ヘキサフルオロアントラセン、2,3,6,7−テ
トラカルボキシ−ヘキサフルオロフェナントレン、2,
3,6,7−テトラカルボキシ−テトラフルオロビフェ
ニレン、2,3,7,8−テトラカルボキシ−テトラフ
ルオロジベンゾフラン、2,3,6,7−テトラカルボ
キシ−テトラフルオロアントラキノン、2,3,6,7
−テトラカルボキシ−ペンタフルオロアントロン、2,
3,7,8−テトラカルボキシ−テトラフルオロフェノ
キサチイン、2,3,7,8−テトラカルボキシ−テト
ラフルオロチアントレン、2,3,7,8−テトラカル
ボキシ−テトラフルオロジベンゾ[b,e]1,4−ジ
オキサン、等;対応する酸二無水物;対応する酸塩化
物;対応するエステル化物、例えばメチルエステル,エ
チルエステル等。
【0087】これらのうち好ましいのは1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テト
ラフルオロベンゼン二無水物、1,4−ジフルオロピロ
メリット酸二無水物、1,4−ビス(トリフルオロメチ
ル)ピロメリット酸二無水物である。
【0088】この中でピロメリット酸二無水物のベンゼ
ン環にペルフルオロアルキル基を導入した全フッ素化酸
二無水物である1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロ
メリット酸二無水物、1,4−ジ(ペンタフルオロエチ
ル)ピロメリット酸二無水物等の製造方法は特開平2−
15084号に記載されている。
【0089】その他の化合物も例えばブランデリクら
(アメリカ化学会高分子予稿集第28巻1号88−89
頁1987年)[D.Brandelik, W.A.
Feld, ACS Polymer Preprin
t,28(1),88−89(1987)]の合成方
法、F.E.ロジェースら[米国特許第3,356,6
48号および同第3,959,350号明細書]の合成
方法、J.P.クリッチレーら[J.P.Critch
ley, P.A.Granttan,M.A.Whi
te, J.S.Pippett, J.Polym.
Sci.A−1,10,1789−1807(197
2)]の合成方法等あるいは後記実施例に示した1,4
−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)テトラフルオロベンゼン二無水物の製造方法と同様
の方法またはそれらに準じて合成することができる。
【0090】また本発明に用いることのできるジアミン
の例としては、アミノ基を除き分子内の炭素に結合する
一価元素あるいは一価の官能基のすべてをフッ素,ペル
フルオロアルキル基,ペルフルオロアリール基,ペルフ
ルオロアルコキシ基,ペルフルオロフェノキシ基のいず
れかとしたものであればどのようなものでもよく、次の
ようなものが挙げられる。
【0091】テトラフルオロ−1,2−フェニレンジア
ミン、テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、
テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、ヘキサ
フルオロ−1,5−ジアミノナフタレン、ヘキサフルオ
ロ−2,6−ジアミノナフタレン、3−トリフルオロメ
チル−トリフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、4
−トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,2−フェニ
レンジアミン、2−トリフルオロメチル−トリフルオロ
−1,3−フェニレンジアミン、4−トリフルオロメチ
ル−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、5−
トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,3−フェニレ
ンジアミン、2−トリフルオロメチル−トリフルオロ−
1,4−フェニレンジアミン、3,4−ビス(トリフル
オロメチル)−ジフルオロ−1,2−フェニレンジアミ
ン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ
−1,2−フェニレンジアミン、2,4−ビス(トリフ
ルオロメチル)−ジフルオロ−1,3−フェニレンジア
ミン、4,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオ
ロ−1,3−フェニレンジアミン、4,6−ビス(トリ
フルオロメチル)−ジフルオロ−1,3−フェニレンジ
アミン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−ジフル
オロ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ビス(ト
リフルオロメチル)−ジフルオロ−1,4−フェニレン
ジアミン、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)
−フルオロ−1,2−フェニレンジアミン、3,4,6
−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ−1,2−
フェニレンジアミン、2,4,5−トリス(トリフルオ
ロメチル)−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、
2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ
−1,3−フェニレンジアミン、4,5,6−トリス
(トリフルオロメチル)−フルオロ−1,3−フェニレ
ンジアミン、テトラキス(トリフルオロメチル)−1,
2−フェニレンジアミン、テトラキス(トリフルオロメ
チル)−1,3−フェニレンジアミン、テトラキス(ト
リフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、3
−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,2−フェ
ニレンジアミン、4−ペンタフルオロエチル−トリフル
オロ−1,2−フェニレンジアミン、2−ペンタフルオ
ロエチル−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミ
ン、4−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,3
−フェニレンジアミン、5−ペンタフルオロエチル−ト
リフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2−ペンタ
フルオロエチル−トリフルオロ−1,4−フェニレンジ
アミン、3−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−
1,2−フェニレンジアミン、4−トリフルオロメトキ
シ−トリフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、2−
トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,3−フェニ
レンジアミン、4−トリフルオロメトキシ−トリフルオ
ロ−1,3−フェニレンジアミン、5−トリフルオロメ
トキシ−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、
2−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン、3,3′−ジアミノ−オクタフルオ
ロビフェニル、3,4′−ジアミノ−オクタフルオロビ
フェニル、4,4′−ジアミノ−オクタフルオロビフェ
ニル、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,
4′−ジアミノヘキサフルオロビフェニル、3,3′−
ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノヘキ
サフルオロビフェニル、ビス(3−アミノ−テトラフル
オロフェニル)エーテル、3,4′−ジアミノ−オクタ
フルオロビフェニルエーテル、ビス(4−アミノ−テト
ラフルオロフェニル)エーテル、3,3′−ジアミノ−
オクタフルオロベンゾフェノン、3,4′−ジアミノ−
オクタフルオロベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ−
オクタフルオロベンゾフェノン、ビス(3−アミノ−テ
トラフルオロフェニル)スルホン、3,4′−ジアミノ
−オクタフルオロビフェニルスルホン、ビス(4−アミ
ノ−テトラフルオロフェニル)スルホン、ビス(3−ア
ミノ−テトラフルオロフェニル)スルフィド、3,4′
−ジアミノ−オクタフルオロビフェニルスルフィド、ビ
ス(4−アミノ−テトラフルオロフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−アミノテトラフルオロフェニル)ジフル
オロメタン、1,2−ビス(4−アミノテトラフルオロ
フェニル)テトラフルオロエタン、2,2−ビス(4−
アミノテトラフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4″−ジアミノ−ドデカフルオロ−p−テルフ
ェニル、4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ−4′
−アミノ−テトラフルオロフェニル−ジフルオロメタ
ン、ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ)−
ジフルオロメタン、1,2−ビス(4−アミノ−テトラ
フルオロフェノキシ)−テトラフルオロエタン、2,2
−ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ)−ヘ
キサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノ−テ
トラフルオロフェノキシ)−テトラフルオロベンゼン、
2,6−ジアミノ−ヘキサフルオロナフタレン、2,6
−ジアミノ−オクタフルオロアントラセン、2,7−ジ
アミノ−オクタフルオロフェナントレン、2,6−ジア
ミノ−ヘキサフルオロビフェニレン、2,7−ジアミノ
−ヘキサフルオロジベンゾフラン、2,6−ジアミノ−
ヘキサフルオロアントラキノン、2,6−ジアミノ−オ
クタフルオロアントロン、2,7−ジアミノ−ヘキサフ
ルオロフェノキサチイン、2,7−ジアミノ−ヘキサフ
ルオロチアントレン、2,7−ジアミノ−テトラフルオ
ロジベンゾ[b,e]1,4−ジオキサン、等。
【0092】これらの化合物のうちテトラフルオロ−
1,3−フェニレンジアミン、テトラフルオロ−1,4
−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノ−オクタフ
ルオロ−ビフェニルは市販品として入手することができ
る。
【0093】その他の化合物は、例えば、I.L.クヌ
ニャンツら[I.L.Knunyants, G.G.
Yakobson,“Synthesis ofFlu
oroorganic Compounds”Spri
nger−Verlag,Berlin(1985)]
の合成方法、L.S.コブリナ[L.S.Kobrin
a, G.G.Furin, G.G.Yakobso
n, Zh.Obshch.Khim.38,514
(1968)]の合成方法、G.G.フリンら[G.
G.Furin, S.A.Krupoder, G.
G.Yakobson, Izv.Sib.Otd.A
kad.Nauk SSSR Ser.Khim.Na
uk vyp.5 146(1976)]の合成方法、
Y.コバヤシら[Y.Kobayashi, I.Ku
madaki,Tetrahedron Lett.
,4095−4096(1969)]の合成方法、
F.E.ロジャースら[米国特許第3,356,648
号および同第3,959,350号明細書]の合成方法
等を同様にしてまたはこれらに準じて合成することがで
きる。
【0094】本発明に使用する全フッ素化ポリイミドの
前駆体である全フッ素化ポリアミド酸の製造方法は、一
般的にはN−メチル−4−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの
極性有機溶媒中で上記の全フッ素化テトラカルボン酸,
その酸無水物もしくは酸塩化物,エステル化物等の反応
性誘導体と全フッ素化ジアミンとを反応させることから
成る。反応は、通常、乾燥窒素雰囲気において、室温で
7日以上行われる。本発明においてはジアミンまた全フ
ッ素化テトラカルボン酸二無水物等とも単一化合物で用
いるばかりではなく、複数の全フッ素化ジアミン,全フ
ッ素化テトラカルボン酸二無水物等を混合して用いる場
合がある。その場合は、複数または単一の全フッ素化ジ
アミンのモル数の合計と複数または単一の全フッ素化テ
トラカルボン酸二無水物等のモル数の合計が等しいかほ
ぼ等しくなるようにする。前述の全フッ素化ポリアミド
酸などの重合溶液において、その溶液の濃度は5〜40
重量%(10〜25重量%であることが好ましい)、ま
た前記ポリマー溶液の回転粘度(25℃)は、50〜5
00ポアズであることが好適である。
【0095】本発明の全フッ素化ポリイミドを調製する
のに使用される出発物質のうち、例えば、下記一般式
(7)
【0096】
【化39】
【0097】(式中R3 は下記式(8)または(9)
【0098】
【化40】
【0099】で表わされる四価のペルフルオロ芳香族基
を示し;4個のR4 はすべてカルボキシル基を表わす
か、またはすべてシアノ基を示し、あるいは二組の隣接
する2個のR3 同士が結合してそれぞれ下式(10)
【0100】
【化41】
【0101】で表わされる二価の基を示し、R4 がすべ
てシアノ基を示すときはR3 は式(9)で表わされる基
のみを示す)で表わされるペルフルオロ芳香族化合物は
新規化合物である。上記一般式(7)のペルフルオロ芳
香族化合物には1,4−ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物、1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸、1,4−
ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テト
ラフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロピロメリット
酸、1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼンが含まれる。これらの
化合物は下記の反応工程式−1または−2に従って合成
される。
【0102】反応工程式−1
【0103】
【化42】
【0104】反応工程式−2
【0105】
【化43】
【0106】すなわち反応工程式−1において、式(1
9)のテトラフルオロフタロニトリルと式(20)のテ
トラフルオロヒドロキノン(または式(20a)のその
金属塩、例えば二ナトリウム塩等)を塩基(トリメチル
アミン等)の存在下に反応(極性溶媒中0〜5℃で30
分間)させることにより、式(14)の1,4−ビス
(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフ
ルオロベンゼンを得る。これを加水分解(60%硫酸
中、150℃で15時間)することにより式(13)の
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼンを得る。生成物を脱水
(無水酢酸中、還流条件下、2時間)して、式(11)
の1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフ
ェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物を得る。式
(14)の1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオ
ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンを80%硫酸中
で加熱(200℃、2時間)することにより一段階で加
水分解と脱水を行い、式(11)の1,4−ビス(3,
4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフル
オロベンゼン二無水物を合成することもできる。
【0107】上記反応工程式−2において、式(18)
の1,4−ジフルオロテトラシアノベンゼンを加水分解
(60%硫酸中、150℃で15時間)して式(15)
の1,4−ジフルオロピロメリット酸を得る。これを脱
水(無水酢酸中、還流条件下、2時間)して、式(1
2)の1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸を合成す
る。式(18)の1,4−ジフルオロテトラシアノベン
ゼンを80%硫酸中で加熱(200℃で2時間)するこ
とにより一段階で加水分解と脱水を行って式(12)の
1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸を合成してもよ
い。
【0108】本発明にかかる全フッ素化ポリイミドのフ
ィルム製造法としては、通常のポリイミドフィルムの製
造法が使用できる。例えば全フッ素化ポリアミド酸溶液
を、アルミ板上にスピンコートし、窒素雰囲気下で70
℃から350℃まで段階的に加熱(70℃20時間、1
60℃1時間、250℃30分、350℃1時間)し、
イミド化する。その後、このアルミ板を10%塩酸に浸
しアルミ板を溶解することによって、全フッ素化ポリイ
ミドフィルムを得ることができる。
【0109】
【実施例】以下、実施例により本発明の全フッ素化ポリ
アミド酸,全フッ素化ポリイミドおよびそれらの出発物
質について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0110】下記各例中、イミド化の確認は赤外吸収ス
ペクトルにおけるカルボニル基の対称、および非対称伸
縮振動による特性吸収から行った。また、光透過性は紫
外−可視吸収スペクトルを測定することで行った。
【0111】なお、実施例において全フッ素化ポリアミ
ド酸および全フッ素化ポリイミドの合成に用いた化合物
の略語と化学式を以下に示す。
【0112】10FEDA:1,4−ビス(3,4−ジ
カルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベ
ンゼン二無水物
【0113】
【化44】
【0114】P2FDA:1,4−ジフルオロピロメリ
ット酸二無水物
【0115】
【化45】
【0116】P6FDA:1,4−ビス(トリフルオロ
メチル)ピロメリット酸二無水物
【0117】
【化46】
【0118】4FMPD:テトラフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン
【0119】
【化47】
【0120】4FPPD:テトラフルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン
【0121】
【化48】
【0122】8FODA:ビス(4−アミノ−テトラフ
ルオロフェニル)エーテル
【0123】
【化49】
【0124】8FSDA:ビス(4−アミノ−テトラフ
ルオロフェニル)スルフィド
【0125】
【化50】
【0126】なお、10FEDA,P2FDAは本発明
にかかる新物質である。
【0127】実施例1 三角フラスコに昇華精製された式(11)の酸無水物1
0FEDA 11.644g(20.0mmol)と昇
華精製された式(22)の4FMPD 3.602g
(20.0mmol)、およびN,N−ジメチルアセト
アミド(DMAc)86gを加えた。この溶液を窒素雰
囲気中、室温で7日間、撹拌し、全フッ素化ポリアミド
酸のDMAc溶液を得た。このものをアルミ板上にスピ
ンコートし、窒素雰囲気下で70℃で2時間、160℃
で1時間、250℃で30分、350℃で1時間加熱イ
ミド化を行った。この試料を10%塩酸水溶液に浸し、
アルミ板を溶解してポリイミドフィルムを得た。このポ
リイミドフィルムの赤外吸収スペクトルを測定したとこ
ろ1790cm-1にイミド基特有の吸収が現れ、イミド
化が完全に進行したことが確認できた。このポリイミド
フィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収
スペクトルを測定し結果を図1に図示した。図1におい
て縦軸と横軸はそれぞれ吸光度(任意単位)と波長(μ
m)を示す。図1の実線は実施例1の全フッ素化ポリイ
ミド、波線は比較例1のフッ素化ポリイミドにおけるそ
れぞれの吸光度の波長依存性を示し一点鎖線はフィルム
表面に付着した水分の影響のない全フッ素化ポリイミド
の吸光度を示す。図1に示すとおりフィルム表面に付着
した水分に由来するわずかな吸収以外にピークは全く見
られなかった。
【0128】実施例2〜12 上に化学式と略号を示した4種の酸無水物(20.0m
mol)と3種のジアミン(20.0mmol)からな
る12種の組合せのうち、実施例1の組合せを除いたす
べての組合せに対応する全フッ素化ポリアミド酸溶液お
よび全フッ素化ポリイミドを、実施例1と同様の方法に
より得た。それらを表1に実施例2〜12としてまとめ
る。これらのポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7
μmの範囲での光の吸収スペクトルを測定したところ、
実施例1と同様、フィルム表面に付着した水分に由来す
るわずかな吸収以外にピークは全く見られなかった。
【0129】
【表1】
【0130】比較例1 三角フラスコに、以下の構造式(26)を持つ2,2−
(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプ
ロパン二無水物(略称:6FDA)
【0131】
【化51】
【0132】8.885g(20.0mmol)と以下
の構造式(27)で示される2,2′−ビス(トリフル
オロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル(略称:
TFDB)
【0133】
【化52】
【0134】6.405g(20.0mmol)および
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)87gを加
え、以下実施例1と同様の方法でポリイミドフィルムを
得た。このポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7μ
mの範囲での光の吸収を測定したところ、図1の破線で
示すとおり、1.1μm付近にC−H結合の伸縮振動の
3倍音による吸収が、また1.4μm付近にはC−H結
合の伸縮振動の高調波と変角振動の結合音による吸収
が、また1.65μm付近ではC−H結合の伸縮振動の
2倍音による吸収が現れた。
【0135】これらの結果から、本発明の全フッ素化ポ
リイミドは従来のものと比較して、光通信波長域での光
透過損失率が極めて小さいことが明らかとなった。
【0136】実施例1〜12の全フッ素化ポリイミドお
よび比較例1のフッ素化ポリイミドの化学構造は下記の
通りである。
【0137】 実施例1 10FEDA/4FMPD
【0138】
【化53】
【0139】 実施例2 10FEDA/4FPPD
【0140】
【化54】
【0141】 実施例3 10FEDA/8FODA
【0142】
【化55】
【0143】 実施例4 10FEDA/8FSDA
【0144】
【化56】
【0145】 実施例5 P2FDA/4FMPD
【0146】
【化57】
【0147】 実施例6 P2FDA/4FPPD
【0148】
【化58】
【0149】 実施例7 P2FDA/8FODA
【0150】
【化59】
【0151】 実施例8 P2FDA/8FSDA
【0152】
【化60】
【0153】 実施例9 P6FDA/4FMPD
【0154】
【化61】
【0155】 実施例10 P6FDA/4FPPD
【0156】
【化62】
【0157】 実施例11 P6FDA/8FODA
【0158】
【化63】
【0159】 実施例12 P6FDA/8FSDA
【0160】
【化64】
【0161】 比較例1 6FDA/TFDB
【0162】
【化65】
【0163】実施例13 ナス型フラスコに式(13)の1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼン6.18g(10mmol)と無水酢酸20.
4g(0.2mol)を入れ、還流条件下で2時間反応
を行った。反応終了後、フラスコを放冷して内容物を室
温に戻した。析出した白色固体をろ過した後、乾燥して
5.25g[1,4−(3,4−ジカルボキシトリフル
オロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物とし
て収率90%]の生成物を得た。このものは赤外吸収ス
ペクトルにおいて、1,4−ビス(3,4−ジカルボキ
シトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンに
おいて現れていた2500cm-1から3700cm-1
カルボン酸の水酸基に基づく吸収および1750cm-1
近辺のカルボン酸のカルボニル基に基づく吸収が消失
し、かわりに1880cm-1と1790cm-1に酸無水
物特有のカルボニル基の吸収が現れた。また重ジメチル
スルホキシド(DMSO−d6 )を溶媒として用い、テ
トラメチルシラン(TMS)を内部基準としてプロトン
核磁気共鳴スペクトル( 1H−NMR)を測定した結
果、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロ
フェノキシ)テトラフルオロベンゼンで現れていたカル
ボン酸の水素に基づくシグナル(13.2ppm)が消
失し、シグナルは全く現れなかった。同様にDMSO−
6を溶媒として用い、CFCl3 を内部基準としてフ
ッ素核磁気共鳴スペクトル(19F−NMR)を測定した
結果、4本のシグナルが観測され、その積分比は高磁場
側から4:2:2:2であった。また、元素分析におい
ては計算値が炭素;45.39%であるのに対し、実測
値は炭素;45.18%でありよく一致していた。以上
の結果から本反応で得られた化合物は目的の式(11)
の1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)テ
トラフルオロベンゼン二無水物であることを確認した。
【0164】実施例14 ナス型フラスコに式(14)の1,4−ビス(3,4−
ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼンを5.42g(10mmol)と80%硫酸10m
lを入れ、200℃で2時間反応を行った。反応終了後
フラスコを放冷して内容物を室温まで戻した。析出した
白色固体をろ過し、素早く純水で洗浄した後、乾燥して
5.06g[1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリ
フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物
として収率87%]の生成物を得た。実施例13と同様
にして生成物が目的とする式(11)の1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テト
ラフルオロベンゼン二無水物であることを確認した。
【0165】実施例15 ナス型フラスコに式(14)の1,4−ビス(3,4−
ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼンを5.42g(10mmol)と60%硫酸を10
ml加え、150℃で15時間撹拌した。反応終了後フ
ラスコを室温まで放置した後、析出した白色固体をろ過
し純水で十分洗浄した。真空下100℃で乾燥して、白
色生成物を5.62g[1,4−ビス(3,4−ジカル
ボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼ
ンとして収率91%]を得た。このものは赤外吸収スペ
クトルにおいて、1,4−ビス(3,4−ジシアノトリ
フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンにおいて
現れていたシアノ基に基づく2250cm-1の吸収が消
失し、かわりに2500cm-1から3700cm-1にか
けてのカルボン酸の水酸基に基づく吸収および1750
cm-1近辺にカルボン酸のカルボニル基に基づく吸収が
新たに現れた。また 1H−NMRでは重ジメチルスルホ
キシド中、TMSを内部標準として測定した結果13.
2ppmにカルボン酸の水素に基づくシグナルが現れ
た。また19F−NMRではDMSO−d 6 中、CFCl
3 を内部標準として測定した結果、4本のシグナルが観
測され、その積分比は高磁場側から4:2:2:2であ
った。また、元素分析においては計算値が炭素;42.
74%、水素;0.65%であるのに対し実測値は炭
素;42.50%、水素;0.63%であり、よく一致
していた。以上の結果から本反応で得られた化合物は目
的の式(13)の1,4−ビス(3,4−ジカルボキシ
トリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンであ
ることが確認された。
【0166】実施例16 三角フラスコに式(19)のテトラフルオロフタロニト
リルを4.0g(20mmol)と式(20)のテトラ
フルオロハイドロキノンを0.91g(5mmol)お
よびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を20m
l加えた。この混合物の入った三角フラスコを氷水浴中
に漬け混合物を0〜5℃に保った。この混合物にトリエ
チルアミン1.01g(10mmol)を10分間かけ
て滴下し、その温度で20分間撹拌した後、さらに室温
で30分間撹拌した。内容物を0.2リットルの希塩酸
中にあけたところ油状物質が下層に析出した。油状物質
を分離した後、水で洗浄し乾燥した。このものをメタノ
ールで再結晶し、1.12gの生成物[1,4−ビス
(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフ
ルオロベンゼンとして収率41%]を得た。このものは
赤外吸収スペクトルにおいて、2250cm-1にシアノ
基に基づく吸収が見られた。DMSO−d6 を溶媒とし
て用いTMSを内部基準として 1H−NMRを測定した
ところ、シグナルは全く観測されず、水素は存在しない
ことが明らかとなった。また、DMSO−d6 を溶媒と
して用いCFCl3 を内部基準として19F−NMRを測
定した結果、4本のシグナルが観測され、その積分比は
高磁場側から4:2:2:2であった。また元素分析に
おいては計算値が炭素;48.69%、窒素;10.3
3%であるのに対し、実測値は炭素;48.83%、窒
素;10.21%であり、よく一致していた。以上の結
果から本反応で得られた化合物は目的の式(14)の
1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキ
シ)テトラフルオロベンゼンであることが確認された。
【0167】実施例17 三角フラスコに式(19)のテトラフルオロフタロニト
リルを40.0g(0.2mol)とN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)を0.1リットル加えた。この
混合物の入った三角フラスコを氷水浴中に漬け、混合物
を0〜5℃に保った。次にこの混合物に式(20a)の
テトラフルオロハイドロキノンの二ナトリウム塩11.
3g(0.05mol)を10分間かけて加えた。その
温度で20分間撹拌し、さらに室温で30分間撹拌し
た。その後の処理および生成物の固定は実施例16と同
様に行い、14.6g(収率54%)の式(14)の
1,4−(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)
テトラフルオロベンゼンを得た。
【0168】実施例18 ナス型フラスコに式(15)の1,4−ジフルオロピロ
メリット酸を2.90g(10mmol)と無水酢酸を
10.2g(0.2mol)入れ、還流条件下で2時間
反応を行った。反応終了後フラスコを放冷して内容物を
室温まで戻した。析出した白色固体をろ過し、後乾燥し
て1.82g(1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸
として収率72%)の生成物を得た。このものは赤外吸
収スペクトルにおいて、1,4−ジフルオロピロメリッ
ト酸において現れていた2500cm-1から3700c
-1のカルボン酸の水酸基に基づく吸収および1750
cm-1付近のカルボン酸のカルボニル基に基づく吸収が
消失し、かわりに1850cm-1と1800cm-1に酸
無水物特有のカルボニル基の吸収が現れた。DMSO−
6 を溶媒として用いTMSを内部基準として 1H−N
MRを測定したところ、シグナルは全く観測されず、水
素は存在しないことが明らかとなった。また、DMSO
−d6 を溶媒として用いCFCl3 を内部基準として19
F−NMRを測定した結果、−118.7ppmに一重
線が観測された。元素分析においては計算値が炭素;4
7.27%であるのに対し、実測値は炭素;47.38
%であり、よく一致していた。以上の結果から本反応で
得られた化合物は目的の式(12)の1,4−ジフルオ
ロ無水ピロメリット酸であることを確認した。
【0169】実施例19 ナス型フラスコに式(18)の1,4−ジフルオロテト
ラシアノベンゼンを2.14g(10mmol)と80
%硫酸10mlを入れ、200℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後フラスコを放冷して内容物を室温まで戻
した。析出した白色固体をろ過し、素早く純水で洗浄し
た後乾燥して1.89g(1,4−ジフルオロ無水ピロ
メリット酸として収率74%)の生成物を得た。実施例
18と同様にして生成物が目的とする式(12)の1,
4−ジフルオロ無水ピロメリット酸であることを確認し
た。
【0170】実施例20 ナス型フラスコに式(18)の1,4−ジフルオロテト
ラシアノベンゼンを10.88g(51mmol)と6
0%硫酸を125ml入れ、150℃で5時間撹拌し
た。室温まで放置した後析出した白色固体をろ過し、純
水で十分洗浄した。真空下100℃で乾燥して、白色生
成物を12.86g(1,4−ジフルオロピロメリット
酸として収率87%)を得た。このものは赤外吸収スペ
クトルにおいて、1,4−ジフルオロテトラシアノベン
ゼンにおいて現れていたシアノ基に基づく2250cm
-1の吸収が消失し、かわりに2500cm-1から370
0cm-1にカルボン酸の水酸基に基づく吸収および17
00cm-1近辺にカルボン酸のカルボニル基に基づく吸
収が新たに現れた。DMSO−d6 を溶媒として用いC
FCl3 を内部基準として19F−NMRを測定した結
果、−119.3ppmに一重線が観測された。また、
元素分析においては計算値が炭素;36.11%,水
素;1.52%であるのに対し、実測値は炭素;36.
26%、水素;1.48%であり、よく一致していた。
以上の結果から本反応で得られた化合物は目的の式(1
5)の1,4−ジフルオロピロメリット酸であることが
確認された。
【0171】
【発明の効果】本発明の全フッ素化ポリイミドは従来の
ものと比較して光通信波長域での光透過損失率が極めて
少なくこれを主要構成要素とするポリイミド光学材料は
耐熱性と光通信波長域における低光損失とを同時に有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミドにおける吸光度の波長依存性を示す
グラフであり、実線は実施例1の全フッ素化ポリイミ
ド、破線は比較例1のポリイミドの吸光度を示し、一点
鎖線は全フッ素化ポリイミドの吸光度から基板上に付着
した水分による吸収の影響を除いたものを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−106557 (32)優先日 平3(1991)4月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 山本 二三男 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の有機基を示
    し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元素の化学結
    合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表わされる繰
    り返し単位を有することを特徴とする全フッ素化ポリイ
    ミド。
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)においてR1 が下記一
    般式(2): 【化2】 (式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキル基,ペルフ
    ルオロアリール基,ペルフルオロアルコキシ基、または
    ペルフルオロフェノキシ基を示す)で表わされる構造で
    あることを特徴とする請求項1に記載の全フッ素化ポリ
    イミド。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)においてR1 は下記一
    般式(3): 【化3】 (式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキル基,ペルフ
    ルオロアリール基,ペルフルオロアルコキシ基、または
    ペルフルオロフェノキシ基を表わし、Xは単なる原子価
    結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすか、あるいはXとこれに隣接する二つのR
    fはそれらが結合している炭素原子とともに飽和もしく
    は不飽和の5または6員環でOもしくはSから選ばれた
    最大2個のヘテロ原子を含んでいてもよい環を形成する
    か、またはベンゼン縮合環の共有辺を表わす)で表わさ
    れる構造であることを特徴とする請求項1に記載の全フ
    ッ素化ポリイミド。
  4. 【請求項4】 上記一般式(3)においてXは単なる原
    子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項3に記載の全フッ
    素化ポリイミド。
  5. 【請求項5】 上記一般式(1)においてR2 が下記一
    般式(4): 【化4】 (式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキル基,ペルフ
    ルオロアリール基,ペルフルオロアルコキシ基、または
    ペルフルオロフェノキシ基を示す)で表わされる構造で
    あることを特徴とする請求項1に記載の全フッ素化ポリ
    イミド。
  6. 【請求項6】 上記一般式(1)においてR2 が下記一
    般式(5): 【化5】 (式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキル基,ペルフ
    ルオロアリール基,ペルフルオロアルコキシ基、または
    ペルフルオロフェノキシ基を表わし、Xは単なる原子価
    結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすか、あるいはXとこれに隣接する二つのR
    fはそれらが結合している炭素原子とともに飽和もしく
    は不飽和の5または6員環でOもしくはSから選ばれた
    最大2個のヘテロ原子を含んでいてもよい環を形成する
    か、またはベンゼン縮合環の共有辺を表わす)で表わさ
    れる構造であることを特徴とする請求項1に記載の全フ
    ッ素化ポリイミド。
  7. 【請求項7】 上記一般式(5)においてXは単なる原
    子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項6に記載の全フッ
    素化ポリイミド。
  8. 【請求項8】 下記一般式(6): 【化6】 (式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の有機基を示
    し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元素の化学結
    合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表わされる繰
    り返し単位を有することを特徴とする全フッ素化ポリア
    ミド酸。
  9. 【請求項9】 上記一般式(6)においてR1 が請求項
    2中に記載の一般式(2)で表わされる構造であること
    を特徴とする請求項8に記載の全フッ素化ポリアミド
    酸。
  10. 【請求項10】 上記一般式(6)においてR1 が請求
    項3中に記載の一般式(3)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の全フッ素化ポリアミド
    酸。
  11. 【請求項11】 上記一般式(3)においてXは単なる
    原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項10に記載の全フ
    ッ素化ポリアミド酸。
  12. 【請求項12】 上記一般式(6)においてR2 が請求
    項5中に記載の一般式(4)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の全フッ素化ポリアミド
    酸。
  13. 【請求項13】 上記一般式(6)においてR2 が請求
    項6中に記載の一般式(5)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の全フッ素化ポリアミド
    酸。
  14. 【請求項14】 上記一般式(5)においてXは単なる
    原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項13に記載の全フ
    ッ素化ポリアミド酸。
  15. 【請求項15】 下記一般式(7) 【化7】 (式中R3 は下記式(8)または(9) 【化8】 で表わされる四価のペルフルオロ芳香族基を示し;4個
    のR4 はすべてカルボキシル基を表わすか、またはすべ
    てシアノ基を示し、あるいは二組の隣接する2個のR3
    同士が結合してそれぞれ下式(10) 【化9】 で表わされる二価の基を示し、R4 がすべてシアノ基を
    示すときはR3 は式(9)で表わされる基のみを示す)
    で表わされることを特徴とするペルフルオロ芳香族化合
    物。
  16. 【請求項16】 下記式(11): 【化10】 で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリ
    フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
    物。
  17. 【請求項17】 下記式(12): 【化11】 で表わされる1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸。
  18. 【請求項18】 下記式(13): 【化12】 で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリ
    フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン。
  19. 【請求項19】 下記式(14): 【化13】 で表わされる1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフル
    オロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン。
  20. 【請求項20】 下記式(15): 【化14】 で表わされる1,4−ジフルオロピロメリット酸。
  21. 【請求項21】 下記一般式(1): 【化15】 (式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の有機基を示
    し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元素の化学結
    合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表わされる繰
    り返し単位を有する全フッ素化ポリイミドを主構成要素
    とすることを特徴とするポリイミド光学材料。
  22. 【請求項22】 上記一般式(1)においてR1 が請求
    項2中に記載の一般式(2)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項21に記載のポリイミド光学材
    料。
  23. 【請求項23】 上記一般式(1)においてR1 が請求
    項3中に記載の一般式(3)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項21に記載のポリイミド光学材
    料。
  24. 【請求項24】 上記一般式(3)においてXは単なる
    原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項23に記載のポリ
    イミド光学材料。
  25. 【請求項25】 上記一般式(1)においてR2 が請求
    項5中に記載の一般式(4)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項21に記載のポリイミド光学材
    料。
  26. 【請求項26】 上記一般式(1)においてR2 が請求
    項6中に記載の一般式(5)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項21に記載のポリイミド光学材
    料。
  27. 【請求項27】 上記一般式(5)においてXは単なる
    原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項26に記載のポリ
    イミド光学材料。
  28. 【請求項28】 下記一般式(6): 【化16】 (式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の有機基を示
    し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元素の化学結
    合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表わされる繰
    り返し単位を有する全フッ素化ポリアミド酸を閉環させ
    ることを特徴とする全フッ素化ポリイミドの製造方法。
  29. 【請求項29】 上記一般式(6)においてR1 が請求
    項2中に記載の一般式(2)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項28に記載の全フッ素化ポリイミ
    ドの製造方法。
  30. 【請求項30】 上記一般式(6)においてR1 が請求
    項3中に記載の一般式(3)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項28に記載の全フッ素化ポリイミ
    ドの製造方法。
  31. 【請求項31】 上記一般式(3)においてXは単なる
    原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項30に記載の全フ
    ッ素化ポリイミドの製造方法。
  32. 【請求項32】 上記一般式(6)においてR2 が請求
    項5中に記載の一般式(4)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項28に記載の全フッ素化ポリイミ
    ドの製造方法。
  33. 【請求項33】 上記一般式(6)においてR2 が請求
    項6中に記載の一般式(5)で表わされる構造であるこ
    とを特徴とする請求項28に記載の全フッ素化ポリイミ
    ドの製造方法。
  34. 【請求項34】 上記一般式(5)においてXは単なる
    原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項33に記載の全フ
    ッ素化ポリイミドの製造方法。
  35. 【請求項35】 下記一般式(16): 【化17】 (式中R1 は4価の有機基を示し、それに含まれる炭素
    と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含
    む)で表わされるテトラカルボン酸二無水物またはその
    テトラカルボン酸、もしくはその反応性誘導体と、 下記一般式(17): H2N−R2−NH2 (17) (式中R2 は2価の有機基を示し、それに含まれる炭素
    と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含
    む)で表わされるジアミンとを反応させることを特徴と
    する全フッ素化ポリアミド酸の製造方法。
  36. 【請求項36】 上記一般式(16)においてR1 が請
    求項2中に記載の一般式(2)で表わされる構造である
    ことを特徴とする請求項35に記載の全フッ素化ポリア
    ミド酸の製造方法。
  37. 【請求項37】 上記一般式(16)においてR1 が請
    求項3中に記載の一般式(3)で表わされる構造である
    ことを特徴とする請求項35に記載の全フッ素化ポリア
    ミド酸の製造方法。
  38. 【請求項38】 上記一般式(3)においてXは単なる
    原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項37に記載の全フ
    ッ素化ポリアミド酸の製造方法。
  39. 【請求項39】 上記一般式(17)においてR2 が請
    求項5中に記載の一般式(4)で表わされる構造である
    ことを特徴とする請求項35に記載の全フッ素化ポリア
    ミド酸の製造方法。
  40. 【請求項40】 上記一般式(17)においてR2 が請
    求項6中に記載の一般式(5)で表わされる構造である
    ことを特徴とする請求項35に記載の全フッ素化ポリア
    ミド酸の製造方法。
  41. 【請求項41】 上記一般式(5)においてXは単なる
    原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
    す)を表わすことを特徴とする請求項40に記載の全フ
    ッ素化ポリアミド酸の製造方法。
  42. 【請求項42】 請求項18中に記載の式(13)で表
    わされる1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフル
    オロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンを脱水するこ
    とを特徴とする請求項16中に記載の式(11)で表わ
    される1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオ
    ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物の製造
    方法。
  43. 【請求項43】 請求項19中に記載の式(14)で表
    わされる1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロ
    フェノキシ)テトラフルオロベンゼンを硫酸中で加水分
    解と脱水反応を一段階で行うことを特徴とする請求項1
    6中に記載の式(11)で表わされる1,4−ビス
    (3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テト
    ラフルオロベンゼン二無水物の製造方法。
  44. 【請求項44】 請求項19中に記載の式(14)で表
    わされる1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロ
    フェノキシ)テトラフルオロベンゼンを加水分解するこ
    とを特徴とする請求項18中に記載の式(13)で表わ
    される1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオ
    ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法。
  45. 【請求項45】 テトラフルオロフタロニトリルとテト
    ラフルオロヒドロキノンを塩基存在下に反応させること
    を特徴とする請求項19中に記載の式(14)で表わさ
    れる1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェ
    ノキシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法。
  46. 【請求項46】 テトラフルオロフタロニトリルとテト
    ラフルオロヒドロキノンの金属塩とを反応させることを
    特徴とする請求項19中に記載の式(14)で表わされ
    る1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノ
    キシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法。
  47. 【請求項47】 請求項20中に記載の式(15)で表
    わされる1,4−ジフルオロピロメリット酸を脱水する
    ことを特徴とする請求項17中に記載の式(12)で表
    わされる1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸の製造
    方法。
  48. 【請求項48】 下記式(18): 【化18】 で表わされる1,4−ジフルオロテトラシアノベンゼン
    を硫酸中で加水分解と脱水反応を一段階で行うことを特
    徴とする請求項17中に記載の式(12)で表わされる
    1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸の製造方法。
  49. 【請求項49】 請求項48中に記載の式(18)で表
    わされる1,4−ジフルオロテトラシアノベンゼンを加
    水分解することを特徴とする請求項20中に記載の式
    (15)で表わされる1,4−ジフルオロピロメリット
    酸の製造方法。
JP3235020A 1990-09-28 1991-09-13 全フッ素化ポリイミド,全フッ素化ポリアミド酸およびそれらの製造方法 Expired - Lifetime JP2851019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3235020A JP2851019B2 (ja) 1990-09-28 1991-09-13 全フッ素化ポリイミド,全フッ素化ポリアミド酸およびそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25684390 1990-09-28
JP10655491 1991-04-12
JP3-106557 1991-04-12
JP10655791 1991-04-12
JP3-106554 1991-04-12
JP2-256843 1991-04-12
JP10655291 1991-04-12
JP3-106552 1991-04-12
JP3235020A JP2851019B2 (ja) 1990-09-28 1991-09-13 全フッ素化ポリイミド,全フッ素化ポリアミド酸およびそれらの製造方法

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8207475A Division JP2737871B2 (ja) 1990-09-28 1996-08-06 全フッ素化ポリイミド製造用のペルフルオロ芳香族化合物およびそれらの製造方法
JP10251741A Division JP3085666B2 (ja) 1990-09-28 1998-08-03 ポリイミド光学材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH051148A true JPH051148A (ja) 1993-01-08
JP2851019B2 JP2851019B2 (ja) 1999-01-27

Family

ID=27526293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3235020A Expired - Lifetime JP2851019B2 (ja) 1990-09-28 1991-09-13 全フッ素化ポリイミド,全フッ素化ポリアミド酸およびそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2851019B2 (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06334204A (ja) * 1993-05-21 1994-12-02 Ind Technol Res Inst 可撓性アモルファスシリコン太陽電池の製造法
US6040418A (en) * 1997-08-05 2000-03-21 Ube Industries, Ltd. Fluorinated polyimides, laminated substrates and polyamic acid solutions
US6100371A (en) * 1997-09-18 2000-08-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Polyimide for optical communications and method for preparing the same
JP2004043827A (ja) * 1994-03-29 2004-02-12 Toshiba Corp ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド樹脂および電子部品
JP2004307857A (ja) * 2003-03-26 2004-11-04 Rikogaku Shinkokai 蛍光性ポリイミド
JP2005047825A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Nippon Shokubai Co Ltd フッ素化ビフェニルジアミン化合物
JP2005179659A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Showa Denko Kk 光学材料用ポリイミド
US6924348B2 (en) 2001-07-13 2005-08-02 Nippon Shokubai Co., Ltd. Polyamide acid and polyimide, and optical material
US7082244B2 (en) 2002-10-31 2006-07-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Polyimide optical materials, polyimide precursor solutions and optical waveguide elements
JP2006199599A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Nippon Shokubai Co Ltd ビス含フッ素フタロニトリル化合物の製造方法
WO2007023997A1 (en) * 2005-08-22 2007-03-01 Nippon Shokubai Co., Ltd. Fluorinated polyamide acid resin composition for optical materials
US7364771B2 (en) 2003-03-06 2008-04-29 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method and apparatus for production of fluorine-containing polyimide film
JP2008169393A (ja) * 2008-01-25 2008-07-24 Hitachi Chem Co Ltd 光部品用ポリイミド
US7700647B2 (en) 2003-06-17 2010-04-20 Nippon Shokubai Co., Ltd. Fluorinated bis (phthalic anhydride) and method for producing the same
JP2010168395A (ja) * 2003-06-17 2010-08-05 Nippon Shokubai Co Ltd 材料用中間原料
US8088882B2 (en) 2005-03-31 2012-01-03 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Polymer precursor, high transparency polyimide precursor, polymer compound, resin composition and article using thereof
US8470917B2 (en) 2005-03-11 2013-06-25 Nippon Shokubai Co., Ltd. Production method of polyimide solution and fluorinated polyimide solution

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59189122A (ja) * 1983-04-11 1984-10-26 Hitachi Ltd 含フッ素ポリアミド酸及びポリイミドの製造方法
JPS62127827A (ja) * 1985-11-29 1987-06-10 Hitachi Chem Co Ltd 液晶配向膜用組成物
JPH01118527A (ja) * 1987-07-15 1989-05-11 Usa Government 低誘電性ポリイミドの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59189122A (ja) * 1983-04-11 1984-10-26 Hitachi Ltd 含フッ素ポリアミド酸及びポリイミドの製造方法
JPS62127827A (ja) * 1985-11-29 1987-06-10 Hitachi Chem Co Ltd 液晶配向膜用組成物
JPH01118527A (ja) * 1987-07-15 1989-05-11 Usa Government 低誘電性ポリイミドの製造方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06334204A (ja) * 1993-05-21 1994-12-02 Ind Technol Res Inst 可撓性アモルファスシリコン太陽電池の製造法
JP2004043827A (ja) * 1994-03-29 2004-02-12 Toshiba Corp ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド樹脂および電子部品
US6040418A (en) * 1997-08-05 2000-03-21 Ube Industries, Ltd. Fluorinated polyimides, laminated substrates and polyamic acid solutions
US6100371A (en) * 1997-09-18 2000-08-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Polyimide for optical communications and method for preparing the same
US6924348B2 (en) 2001-07-13 2005-08-02 Nippon Shokubai Co., Ltd. Polyamide acid and polyimide, and optical material
US7092608B2 (en) 2002-10-31 2006-08-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Polyimide optical materials, polyimide precursor solutions and optical waveguide elements
US7082244B2 (en) 2002-10-31 2006-07-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Polyimide optical materials, polyimide precursor solutions and optical waveguide elements
US7364771B2 (en) 2003-03-06 2008-04-29 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method and apparatus for production of fluorine-containing polyimide film
JP2004307857A (ja) * 2003-03-26 2004-11-04 Rikogaku Shinkokai 蛍光性ポリイミド
US7700647B2 (en) 2003-06-17 2010-04-20 Nippon Shokubai Co., Ltd. Fluorinated bis (phthalic anhydride) and method for producing the same
JP2010168395A (ja) * 2003-06-17 2010-08-05 Nippon Shokubai Co Ltd 材料用中間原料
JP2005047825A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Nippon Shokubai Co Ltd フッ素化ビフェニルジアミン化合物
JP2005179659A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Showa Denko Kk 光学材料用ポリイミド
JP2006199599A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Nippon Shokubai Co Ltd ビス含フッ素フタロニトリル化合物の製造方法
US8470917B2 (en) 2005-03-11 2013-06-25 Nippon Shokubai Co., Ltd. Production method of polyimide solution and fluorinated polyimide solution
US8088882B2 (en) 2005-03-31 2012-01-03 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Polymer precursor, high transparency polyimide precursor, polymer compound, resin composition and article using thereof
US8742059B2 (en) 2005-03-31 2014-06-03 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Polymer precursor, high transparency polyimide precursor, polymer compound, resin composition and article using thereof
WO2007023997A1 (en) * 2005-08-22 2007-03-01 Nippon Shokubai Co., Ltd. Fluorinated polyamide acid resin composition for optical materials
JP2008169393A (ja) * 2008-01-25 2008-07-24 Hitachi Chem Co Ltd 光部品用ポリイミド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2851019B2 (ja) 1999-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3085666B2 (ja) ポリイミド光学材料
JPH051148A (ja) 全フツ素化ポリイミド、その中間体および出発物質およびそれらの製造方法ならびに全フツ素化ポリイミド光学材料
US5449741A (en) Polyimide optical material
US6077928A (en) Bis(dialkylmaleimide) derivative and polyetherimide for optical communications formed therefrom
JP2006001968A (ja) トリプチセン骨格を有するポリアミド酸、ポリイミド樹脂及びこれを用いた光学部品
JP2640553B2 (ja) フッ素化ポリイミド共重合体及びその製造方法
US7585984B2 (en) Perdeuterated polyimides, their process of preparation and their use as materials which are transparent within the region from 2500 to 3500 cm-1
JP3490010B2 (ja) ビス(トリクロロトリメリト酸無水物)誘導体およびこれより形成された光通信用ポリエステルイミド
JP2737871B2 (ja) 全フッ素化ポリイミド製造用のペルフルオロ芳香族化合物およびそれらの製造方法
JP2994373B2 (ja) 光通信用ポリアミドイミド及びその製造方法
KR100283949B1 (ko) 광통신용폴리아미드이미드및그제조방법
CA2199703C (en) Perfluorinated polymide, perfluorinated poly (amic acid), starting compounds therefor, and methods for preparing them
JP2827059B2 (ja) フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法
JP2827058B2 (ja) フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法
JP3055329B2 (ja) 含フッ素ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン及びその前駆体の製造法
JP3990122B2 (ja) ポリアミド酸及びポリイミド並びに光学材料
JPH1121350A (ja) はっ水性ポリイミドフィルム及びその製造方法
JP2950440B2 (ja) フッ素化ポリイミド光学材料
JP2005077916A (ja) 多層膜およびその製造方法
JP2005075978A (ja) カップリング剤およびその製造方法
JP2005179659A (ja) 光学材料用ポリイミド
JPH0269526A (ja) ポリイミド樹脂およびその製造方法
JPH02138341A (ja) ポリイミド系樹脂の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071113

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081113

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091113

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101113

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101113

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111113

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term