JP2827058B2 - フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法 - Google Patents
フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法Info
- Publication number
- JP2827058B2 JP2827058B2 JP10648491A JP10648491A JP2827058B2 JP 2827058 B2 JP2827058 B2 JP 2827058B2 JP 10648491 A JP10648491 A JP 10648491A JP 10648491 A JP10648491 A JP 10648491A JP 2827058 B2 JP2827058 B2 JP 2827058B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bis
- fluorinated
- formula
- trifluoromethyl
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
素化ポリイミドに関し、特に光電子集積回路(OEI
C)における光導波路の光学材料として使用可能な低光
損失率ポリイミドに関する。
べて軽量であり、耐衝撃性、加工性に優れ、取扱いが容
易であるなどの優れた特徴を有しているため、これまで
も光ファイバーや光ディスク用基板、光学用レンズなど
様々な光学用途に用いられてきた。中でもプラスチック
をOEICにおける光導波路など、近赤外域(波長=
0.8〜2.5μm)での光学材料として用いる場合、
無機系の材料と比較してまず問題となるのは大きな光損
失である。プラスチックにおける損失原因には大きく分
けて光の散乱と光の吸収の2つがあるが、光通信に用い
られる波長が今後、長波長域へ移る(0.85μmから
1.3μm〜1.5μmへ)に従って、後者の原因、つ
まり分子構造に本質的な振動吸収による損失が支配的と
なり、プラスチック光学材料の光導波特性に大きな制約
をもたらすものと考えられる。特にPMMAやPSのよ
うに、分子鎖内に炭素−水素結合(C−H結合)を有す
るものは高調波の吸収強度が減衰しにくいこともあっ
て、近赤外域での光損失は大きなものとなっている。こ
のC−H結合に起因する高調波を小さくし、かつ長波長
側へシフトさせるためには、分子鎖内の水素を重水素
(D)あるいはフッ素(F)で置換することが提案され
ており、PMMAやPS中の水素を重水素あるいはフッ
素で置換した材料については具体的な検討が既になされ
ている〔例えば戒能俊邦、アプライド フィジクス レ
ターズ(Appl. Phys. Lett.)第48巻、第757頁(1
986年)参照〕。しかし、これらのプラスチック光学
材料は、例えば基板上でのOEIC作製に必要な耐熱性
(260℃)を持たないため、光電子集積回路等に適用
するには工程上種々の工夫が必要である。一方、ポリイ
ミド樹脂はプラスチックの中で最も耐熱性の優れたもの
の一つとして知られており、光学材料への適用も最近検
討(IBM、ハネウェル、NTT)され始めている。し
かしこれまでに検討されたすべてのポリイミドは分子鎖
中にフェニル基のC−H結合を多数有するため、C−H
結合の伸縮振動の高調波あるいはC−H結合の伸縮振動
の高調波と変角振動の結合音が現れ、近赤外域には大き
な吸収損失が存在している。
OEIC用光学材料として用いるプラスチック材料に
は、耐熱性の不足とC−H結合の存在に基づく大きな光
損失という問題があった。本発明はこのような現状にか
んがみてなされたものであり、その目的は光電子集積回
路を作製するのに十分な耐熱性があり、近赤外域におい
て光透過損失の少ないプラスチック光学材料を提供する
ことにある。
発明の第1の発明はフッ素化ポリイミドに関する発明で
あって、下記一般式(化1):
基を示す)で表される繰返し単位を含有することを特徴
とする。また、本発明の第2の発明は、第1の発明のフ
ッ素化ポリイミドの製造方法に関する発明であって、下
記式(化2):
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、
又はそのテトラカルボン酸、若しくはその反応性誘導体
と、下記一般式(化3):
基を示す)で表される有機ジアミンとを反応させ、得ら
れる相当するフッ素化ポリアミド酸を閉環させることを
特徴とする。また、本発明の第3の発明は、フッ素化ポ
リアミド酸に関する発明であって、下記一般式(化
4):
基を示す)で表される繰返し単位を含有することを特徴
とする。更に、本発明の第4の発明は、第3の発明のフ
ッ素化ポリアミド酸の製造方法に関する発明であって、
式(化2)で表される酸二無水物、又はそのテトラカル
ボン酸、若しくはその反応性誘導体と、一般式(化3)
で表される有機ジアミンとを反応させることを特徴とす
る。
びポリイミド光学材料について、その赤外域、近赤外域
の吸収スペクトルを測定し、近赤外域での光損失を算出
すると共に、その原因について鋭意検討した。その結
果、近赤外域で大きな光損失を引起こす原因の第1は、
アルキル基やフェニル環等におけるC−H結合の伸縮振
動の高調波吸収、及びC−H結合の伸縮振動の高調波と
変角振動の結合音による吸収であることが明らかとなっ
た。
無水物成分のフェニル環の炭素に結合するすべての1価
元素をフッ素とし、繰返し単位内にC−H結合を持たな
い構造とすることによって、近赤外域での最大の光損失
原因であるC−H結合に基づく振動吸収を小さくし、ま
たイミド結合を主鎖構造に導入してポリイミドとするこ
とによって、光電子集積回路を作製する上での十分な耐
熱性(260℃以上)を持たせることができる。
に使用する有機ジアミンとしては次のようなものが挙げ
られる。m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノト
ルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノ
デュレン、4−(1H,1H,11H−エイコサフルオ
ロウンデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−
(1H,1H−パーフルオロ−1−ブタノキシ)−1,
3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオ
ロ−1−ヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、
4−(1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)
−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェ
ノキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,
5,6−テトラフルオロフェノキシ)−1,3−ジアミ
ノベンゼン、4−(4−フルオロフェノキシ)−1,3
−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−
パーフルオロ−1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノ
ベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオ
ロ−1−ドデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、
p−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、
2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミ
ン、2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、ビス
(トリフルオロメチル)フェニレンジアミン、ジアミノ
(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5−ジアミノ
(パーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5−ジアミノ
(パーフルオロブチル)ベンゼン、ベンジジン、2,
2′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメチルベンジ
ジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、2,2′−ジ
メトキシベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチ
ルベンジジン、3,3′−ジアセチルベンジジン、2,
2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミ
ノビフェニル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)
−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、2,2
−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、2,2−ビス
(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,
3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4
−ビス(アニリノ)オクタフルオロプロパン、1,5−
ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス
(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2′−
ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビ
ス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノベンゾ
フェノン、4,4′′−ジアミノ−p−テルフェニル、
1,4−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、p−ビ
ス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)
ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス(トリフルオ
ロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)テトラ
キス(トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4′′′−
ジアミノ−p−クオーターフェニル、4,4′−ビス
(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス
{4−(p−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、
4,4′−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフ
ェニルスルホン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−
ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフ
ェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメ
チルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフル
オロメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,
4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェ
ノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−3
−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,
4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェ
ノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(3−ア
ミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニル
スルホン、2,2−ビス{4−(4−アミノ−3−トリ
フルオロメチルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロ
プロパン、ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノ
キシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフルオロメチル)ア
ミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
ジアミノアントラキノン、1,5−ジアミノナフタレ
ン、2,6−ジアミノナフタレン、ビス{2−〔(アミ
ノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロイソプロピル
ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラ
メチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノプロピ
ルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノフェニ
ル)ジエチルシラン等がある。なお、本発明において
は、上記有機ジアミン以外に、例えばジアミノテトラ
(トリフルオロメチル)ベンゼン、オクタフルオロベン
ジジン、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
アミノフェニル)エーテル、ビス(2,3,5,6−テ
トラフルオロ−4−アミノフェニル)スルフィドのよう
なアミノ基以外に水素を含有しない有機ジアミンを併用
してもよい。
のポリアミド酸の製造条件同じでよく、一般的にはN−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミドなどの
極性有機溶媒中で反応させる。本発明においてはジアミ
ンまたテトラカルボン酸成分とも単一化合物で用いるば
かりではなく、複数のジアミン、テトラカルボン酸成分
を混合して用いる場合がある。その場合は、複数又は単
一のジアミンのモル数の合計と複数又は単一のテトラカ
ルボン酸成分のモル数の合計が等しいか、ほぼ等しくな
るようにする。
に、本発明で使用する酸二無水物〔式(化2)〕、又は
テトラカルボン酸、若しくはその反応性誘導体以外のも
のを併用することができる。酸無水物、テトラカルボン
酸並びにその反応性誘導体としての酸塩化物、エステル
等としてはここではテトラカルボン酸としての例を挙げ
るとジフルオロピロメリット酸、(トリフルオロメチ
ル)ピロメリット酸、ジ(トリフルオロメチル)ピロメ
リット酸、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット
酸、ペンタフルオロエチルピロメリット酸、ビス{3,
5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリッ
ト酸、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸、3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニル
エーテル、2,3′,3,4′−テトラカルボキシジフ
ェニルエーテル、3,3′,4,4′−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸、2,3,6,7−テトラカルボキシ
ナフタレン、1,4,5,7−テトラカルボキシナフタ
レン、1,4,5,6−テトラカルボキシナフタレン、
3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルメタ
ン、3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニル
スルホン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、5,5′−ビス(ト
リフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカル
ボキシビフェニル、2,2′,5,5′−テトラキス
(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラ
カルボキシビフェニル、5,5′−ビス(トリフルオロ
メチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフ
ェニルエーテル、5,5′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフ
ェノン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフ
ェノキシ}ベンゼン、ビス{(トリフルオロメチル)ジ
カルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメ
チル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシ
フェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、
2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル}プロパン、ブタンテトラカルボン酸、シ
クロペンタンテトラカルボン酸、2,2−ビス{4−
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサ
フルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカ
ルボキシフェノキシ}ビフェニル、ビス{(トリフルオ
ロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、ビス{(トリフルオロメチル)
ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル、ビス
(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチ
ル)ビフェニル、ヘキサフルオロ−3,3′,4,4′
−ビフェニルテトラカルボン酸、ヘキサフルオロ−3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼン、ヘキサフルオロ−
3,3′,4,4′−オキシビスフタル酸、1,3−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)テトラメチルジシ
ロキサン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメ
チルシラン等が挙げられる。この中でピロメリット酸二
無水物のベンゼン環にフルオロアルキル基を導入した含
フッ素酸二無水物であるトリフルオロメチルピロメリッ
ト酸二無水物、1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロ
メリット酸二無水物、1,4−ジ(ペンタフルオロエチ
ル)ピロメリット酸二無水物等の製造方法は特願昭63
−165056号明細書に記載されている。
て、その溶液の濃度は5〜40重量%(10〜25重量
%であることが好ましい)、また前記ポリマー溶液の回
転粘度(25℃)は、50〜5000ポアズであること
が好適である。
フィルム製造法としては、通常のポリイミドの製造法が
使用できる。例えばポリアミド酸溶液を、アルミ板上に
スピンコートし、窒素雰囲気下で70℃から200℃ま
で段階的に加熱(70℃2時間、160℃1時間、25
0℃30分、350℃1時間)し、イミド化する。その
後、このアルミ板を10%塩酸に浸し、アルミ板を溶解
してポリイミドフィルムを得ることができる。
ミド酸及びフッ素化ポリイミドについて詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。下記各例中、イミド化の確認は赤外吸収スペクトル
におけるカルボニル基の対称、及び非対称伸縮振動によ
る特性吸収から行った。また、光透過性は紫外−可視吸
収スペクトルを測定することで行った。
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物2.91gと2,2′−ビス(トリフルオロメチル)
−4,4′−ジアミノビフェニル1.60g及びDMA
c18gを入れた。これを室温、乾燥窒素気流中で48
時間かくはんし、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。
これをシリコンウェハにキャストし、オーブン中で70
℃2時間、160℃1時間、250℃30分、350℃
1時間加熱イミド化を行った。この試料を10%塩酸水
溶液に浸し、アルミ板を溶解してポリイミドフィルムを
得た。このポリイミドフィルムの赤外吸収スペクトルを
測定するとイミド基に特有の吸収が、1785cm-1に
現れ、イミド化が完全に進行したことが確認できた。こ
のポリイミドフィルムの波長0.8〜2.0μmの範囲
での光の吸収は以下に示す比較例1で作製した従来のポ
リイミドフィルムに比べて小さかった(図1)。すなわ
ち、図1の実線は実施例1のフッ素化ポリイミド、破線
は比較例1のポリイミドにおける、それぞれ光の吸光度
の波長依存性を示すグラフである。図1において縦軸は
吸光度(任意単位)、横軸は波長(μm)を示す。
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物5.82gと4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
2.00g及びDMAc50gを入れた。これを実施例
1と同様の方法によりポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの波長0.8〜2.0μmの範囲で
の光の吸収は以下に示す比較例1で作製した従来のポリ
イミドフィルムに比べて小さかった。
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物5.82gと4,4′−ジアミノジフェニルメタン
1.98g及びDMAc50gを入れた。これを実施例
1と同様の方法によりポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの波長0.8〜2.0μmの範囲で
の光の吸収は以下に示す比較例3で作製した従来のポリ
イミドフィルムに比べて小さかった。
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物5.82gと4,4′−ビス〔3−トリフルオロメチ
ル)−4−アミノフェノキシ〕ビフェニル5.04g及
びDMAc80gを入れた。これを実施例1と同様の方
法によりポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフ
ィルムの波長0.8〜2.0μmの範囲での光の吸収は
以下に示す比較例4で作製した従来のポリイミドフィル
ムに比べて小さかった。
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物5.82gと2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン3.34g及びDMAc70gを
入れた。これを実施例1と同様の方法によりポリイミド
フィルムを得た。このポリイミドフィルムの波長0.8
〜2.0μmの範囲での光の吸収は以下に示す比較例5
で作製した従来のポリイミドフィルムに比べて小さかっ
た。
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物5.24gと2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物0.44gと
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジ
アミノビフェニル3.20g及びDMAc76gを入れ
た。これを実施例1と同様の方法によりポリイミドフィ
ルムを得た。このポリイミドフィルムの波長0.8〜
2.0μmの範囲での光の吸収は以下に示す比較例1で
作製した従来のポリイミドフィルムに比べて小さかっ
た。
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物5.82gと2,2′−ビス(トリフルオロメチル)
−4,4′−ジアミノビフェニル2.88gと4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル0.20g及びDMAc
76gを入れた。これを実施例1と同様の方法によりポ
リイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの波
長0.8〜2.0μmの範囲での光の吸収は以下に示す
比較例1で作製した従来のポリイミドフィルムに比べて
小さかった。
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物4.44gと
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジ
アミノビフェニル3.20g及びDMAc40gを入れ
た。これを実施例1と同様の方法によりポリイミドフィ
ルムを得た。このポリイミドフィルムの波長0.8〜
2.0μmの範囲での光の吸収スペクトルを測定したと
ころ、1.1μm付近にC−H結合の伸縮振動の3倍音
による吸収が、また1.4μm付近には、C−H結合の
伸縮振動の高調波と変角振動の結合音による吸収が、ま
た1.65μm付近にはC−H結合の伸縮振動の2倍音
に起因する吸収が強く現れた。これらを図1に示す。
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物4.44gと
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル2.00g及び
DMAc50gを入れた。これを実施例1と同様の方法
によりポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィ
ルムの波長0.8〜2.0μmの範囲での光の吸収スペ
クトルを測定したところ、比較例1の吸収スペクトルと
ほぼ同様の吸収が現れた。
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物4.44gと
4,4′−ジアミノジフェニルメタン1.98g及びD
MAc50gを入れた。これを実施例1と同様の方法に
よりポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィル
ムの波長0.8〜2.0μmの範囲での光の吸収スペク
トルを測定したところ、比較例1の吸収スペクトルとほ
ぼ同様の吸収が現れた。
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物4.44gと
4,4′−ビス〔3−(トリフルオロメチル)−4−ア
ミノフェノキシ〕ビフェニル5.04g及びDMAc8
0gを入れた。これを実施例1と同様の方法によりポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの波長
0.8〜2.0μmの範囲での光の吸収スペクトルを測
定したところ、比較例1の吸収スペクトルとほぼ同様の
吸収が現れた。
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物4.44gと
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン3.34g及びDMAc70gを入れた。これを
実施例1と同様の方法によりポリイミドフィルムを得
た。このポリイミドフィルムの波長0.8〜2.0μm
の範囲での光の吸収スペクトルを測定したところ、比較
例1の吸収スペクトルとほぼ同様の吸収が現れた。
規なフッ素化ポリアミド酸及びフッ素化ポリイミドが提
供され、該フッ素化ポリイミドは従来のものとは異なっ
て近赤外領域での光透過性が優れ、光通信用光学材料と
して有用である。
比較例1のポリイミドにおける、それぞれ光の吸光度の
波長依存性を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(化1): 【化1】 (式中Rは少なくとも1個の水素を含有する2価の有機
基を示す)で表される繰返し単位を含有することを特徴
とするフッ素化ポリイミド。 - 【請求項2】 下記式(化2): 【化2】 で表される1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフ
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、
又はそのテトラカルボン酸、若しくはその反応性誘導体
と、下記一般式(化3): 【化3】H2 N−R−NH2 (式中Rは少なくとも1個の水素を含有する2価の有機
基を示す)で表される有機ジアミンとを反応させ、得ら
れる相当するフッ素化ポリアミド酸を閉環させることを
特徴とする請求項1に記載のフッ素化ポリイミドの製造
方法。 - 【請求項3】 下記一般式(化4): 【化4】 (式中Rは少なくとも1個の水素を含有する2価の有機
基を示す)で表される繰返し単位を含有することを特徴
とするフッ素化ポリアミド酸。 - 【請求項4】 式(化2)で表される酸二無水物、又は
そのテトラカルボン酸、若しくはその反応性誘導体と、
一般式(化3)で表される有機ジアミンとを反応させる
ことを特徴とする請求項3に記載のフッ素化ポリアミド
酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10648491A JP2827058B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10648491A JP2827058B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04314732A JPH04314732A (ja) | 1992-11-05 |
JP2827058B2 true JP2827058B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=14434750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10648491A Expired - Lifetime JP2827058B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2827058B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2052368C (en) * | 1990-09-28 | 1998-09-15 | Shinji Ando | Perfluorinated polyimide, perfluorinated poly(amic acid), starting compounds therefor, and methods for preparing them |
EP1757957A3 (en) * | 2005-08-22 | 2007-11-14 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Fluorinated polyamide acid resin composition for optical materials |
-
1991
- 1991-04-12 JP JP10648491A patent/JP2827058B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04314732A (ja) | 1992-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102304106B1 (ko) | 폴리(이미드-아미드)를 포함하는 성형품 제조용 조성물, 상기 조성물의 제조 방법, 및 폴리(이미드-아미드)를 포함하는 성형품 | |
EP3176219B1 (en) | Transparent polymer film and electronic device including the same | |
JP2020534413A5 (ja) | ||
JPWO2006082814A1 (ja) | シロキサン変性多分岐ポリイミド | |
JPH07179605A (ja) | ポリイミド及びその製造方法 | |
JP2640553B2 (ja) | フッ素化ポリイミド共重合体及びその製造方法 | |
JP2003183387A (ja) | 含フッ素脂環族ジアミンおよびこれを用いた重合体 | |
JPH0372528A (ja) | 含フッ素ポリイミド光学材料 | |
JP2987820B2 (ja) | ポリイミド多層膜及びその製造方法 | |
JP2827058B2 (ja) | フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法 | |
JPH08143666A (ja) | 一定の複屈折を有するポリイミド共重合体、及びその製造方法 | |
JP2511987B2 (ja) | 芳香族ポリイミド重合体成型品の製造法 | |
US6028159A (en) | Polyamideimide for optical communications and method for preparing the same | |
JP2950440B2 (ja) | フッ素化ポリイミド光学材料 | |
JP2827059B2 (ja) | フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法 | |
JPH036225A (ja) | 12―fフッ素含有連結基を有するポリイミドポリマー | |
JPH05112644A (ja) | ポリイミド前駆体及びそのポリイミド硬化物及びその製造法 | |
KR102276656B1 (ko) | 폴리(이미드-벤족사졸) 코폴리머 제조용 조성물, 폴리(이미드-벤족사졸) 코폴리머, 폴리(이미드-벤족사졸) 코폴리머를 포함하는 성형품, 상기 성형품을 포함하는 디스플레이 장치 | |
JP3425512B2 (ja) | はっ水性ポリイミド、その前駆体溶液、前駆体、及びそれらの製造方法 | |
JP3168806B2 (ja) | ポリイミド共重合体及びその製造方法 | |
JP2835052B2 (ja) | 改質されたポリイミド共重合体およびポリアミド酸共重合体 | |
JP3082879B2 (ja) | ポリアミド酸組成物及びポリイミド組成物 | |
JP3506320B2 (ja) | 光学基板用ポリイミド及びその製造方法 | |
JPH1121350A (ja) | はっ水性ポリイミドフィルム及びその製造方法 | |
JPH02281037A (ja) | 含フッ素ポリイミド及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070918 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080918 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080918 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090918 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090918 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100918 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100918 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110918 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110918 |