JPH1121350A - はっ水性ポリイミドフィルム及びその製造方法 - Google Patents

はっ水性ポリイミドフィルム及びその製造方法

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JPH1121350A
JPH1121350A JP18725297A JP18725297A JPH1121350A JP H1121350 A JPH1121350 A JP H1121350A JP 18725297 A JP18725297 A JP 18725297A JP 18725297 A JP18725297 A JP 18725297A JP H1121350 A JPH1121350 A JP H1121350A
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polyimide film
water
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polyimide
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JP18725297A
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English (en)
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Toru Matsuura
松浦  徹
Shigekuni Sasaki
重邦 佐々木
Shogo Kobayashi
尚吾 小林
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポリイミドでは有していなかった優れ
たはっ水性を有するポリイミドフィルム及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 ポリイミドにおけるテトラカルボン酸成
分が、ピロメリット酸、そのCF3 又はF置換体、ビフ
ェニル又はそのベンゼン環の間に−C(CF3 2 −、
−CO−、−O−、若しくは−SO2 −であるテトラカ
ルボン酸、あるいは1,4−ビス(3,4−ジカルボキ
シトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンで
あり、ジアミン成分が、ベンゼン環、F若しくはCF3
を有するジアミンである含フッ素ポリイミドを用いるは
っ水性ポリイミドフィルム。イミド化と脱溶媒を行う該
フィルムの製造方法。特定の繰り返し単位を少なくとも
1mol%以上含ませる該フィルムのはっ水性付与方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改良されたはっ水
性を示すポリイミドフィルム、及びそれらの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは種々の有機ポリマーの中で
耐熱性に優れているため、宇宙、航空分野から電子通信
分野まで幅広く使われ始めている。特に最近では、単に
耐熱性に優れているだけでなく、用途に応じて種々の性
能を合せ持つことが期待されている。例えばプリント板
や、LSI用の層間絶縁膜などでは、熱膨張係数、誘電
率が小さいことが期待され、光通信関係、特に光導波路
のクラッド材には屈折率が小さいことが期待されてい
る。また、安定な物性値を保つには、吸水率が小さいこ
とが必要である。しかし、一般的にポリイミドは分子内
に極性の大きなイミド基を多く有するために吸水率が大
きいという性質を示す。そこでこれまでに低吸水率を有
するポリイミドとしては例えば第3回SAMPEエレク
トロニクス国際会議資料、第209〜217ページ、1
989年6月20〜22日〔3rd Intermational SAMPE
ElectronicsConference, June 20-22, pp.209-217(198
9) 〕に示されているように、ポリイミドの分子構造に
フッ素を導入することでポリイミドの吸水率を低減して
いる。また、ポリイミドを湿潤雰囲気で使用する部品の
保護膜として用いる場合にはポリイミドの材料表面には
っ水性を付与することが有効である。また、ポリイミド
を耐熱性の離型材料として用いる場合にも表面のはっ水
性や、はつ油性が有効となる。しかし既存のポリイミド
は分子内にフッ素を含有していても、その表面の水に対
する接触角は比較的小さく、大きなはっ水効果が得られ
ないという問題があった。一方、優れたはっ水性を有す
る有機高分子材料としてはポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)が代表的である。PTFEは材料表面がフ
ッ素含有率の高い−CF2 −基であることから優れたは
っ水性を示す。また、その他の高分子材料にはっ水性を
付与する方法として、例えばジャーナル オブ ポリマ
ー サイエンス、ポリマー ケミストリー エディショ
ン、第22巻、第831〜840ページ、1984年
〔Journal of Polymer Science:Polymer Chemistry Ed
ition,22, pp 831-840 (1984) 〕に示されているよう
に、エポキシ樹脂に、下記の構造式(化9)で表され、
−CF3 基を多く含むフッ素含有置換基であるパーフル
オロノネニルオキシ基
【0003】
【化9】
【0004】を少量導入することではっ水性を有するエ
ポキシ樹脂を実現している。この含フッ素エポキシ樹脂
においては導入されたパーフルオロノネニルオキシ基の
−CF3 基が材料表面に多く存在することにより、少量
のパーフルオロノネニルオキシ基の導入で優れたはっ水
性を付与することが可能である。しかし、上記のPTF
Eやフッ素化エポキシ樹脂はポリイミドと比較して耐熱
性に劣るという問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまでに、耐熱性に
優れたポリイミドに−CF3 基を多く含むフッ素含有置
換基をポリイミド分子の末端に導入してポリイミド表面
のはっ水性を向上する試みはなされていなかった。本発
明の目的は、従来のポリイミドでは有していなかった優
れたはっ水性を有するポリイミドフィルム及びその製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は優れたはっ水性を有する含フッ素ポ
リイミドフィルムに関する発明であって、下記一般式
(化1):
【0007】
【化1】
【0008】〔式中R1 は下記の構造式(化2):
【0009】
【化2】
【0010】で表される基よりなる群から選択した4価
の有機基を示し,式中Rf1 及びRf2 はH、F、又は
−CF3 を示し、Xは下記式(化3):
【0011】
【化3】
【0012】を示す。また、一般式(化1)中、R2
下記の構造式(化4):
【0013】
【化4】
【0014】で表される基よりなる群から選択した2価
の有機基を示し、式中Rf3 は−Cm2m-1(ただし、
mは6以上の整数を示す)、YはO、S、又は単結合、
Rf4は下記式(化5):
【0015】
【化5】
【0016】(ただし、nは2以上の整数を示す)〕で
表される繰り返し単位からなる含フッ素ポリイミドを用
いることを特徴とする。また、本発明の第2の発明は優
れたはっ水性を有する含フッ素ポリイミドフィルムに関
する発明であって、前記一般式(化1)において、R2
が下記式(化6):
【0017】
【化6】
【0018】で表される2価の有機基を示し、式中Yが
O(酸素)を示し、Rf3 が−C6 11又は−C9 17
であることを特徴とする。また、本発明の第3の発明は
優れたはっ水性を有する含フッ素ポリイミドフィルムの
製造方法に関する発明であって、下記一般式(化7):
【0019】
【化7】
【0020】〔ただし、R1 は一般式(化1)と同義で
ある〕で表される酸二無水物と、下記一般式(化8):
【0021】
【化8】H2 N−R2 −NH2
【0022】〔ただし、R2 は一般式(化1)と同義で
ある〕で表されるジアミンとを有機溶媒中で反応させて
ポリイミドの前駆体溶液を製造し、これをイミド化と脱
溶媒を行うことを特徴とする。また、本発明の第4の発
明は優れたはっ水性を有する含フッ素ポリイミドフィル
ムの製造方法に関する発明であって、前記一般式(化
8)において、R2 が式(化6)で表される2価の有機
基を示し、式中YがO(酸素)を示し、Rf3 が−C6
11又は−C9 17であることを特徴とする。また、本
発明の第5の発明は優れたはっ水性を有する含フッ素ポ
リイミドフィルムに関する発明であって、一般式(化
1)において、R1 は一般式(化1)と同義であり、R
2 が式(化6)〔ただし、式中Rf3 、Yは一般式(化
1)と同義である〕で表される2価の有機基からなる繰
り返しを少なくとも1mol%以上含むポリイミド共重
合体からなることを特徴とする。また、本発明の第6の
発明はポリイミドフィルムにはっ水性を付与する方法に
関する発明であって、ポリイミドフィルムに、一般式
(化1)において、R2 が式(化6)〔ただし、式中R
3 、Yは一般式(化1)と同義である〕で表される2
価の有機基からなる繰り返しを少なくとも1mol%以
上含ませることを特徴とする。
【0023】本発明者らは、ポリイミドの分子構造とポ
リイミド表面の水に対する接触角について種々検討し
た。その結果、上記第1の発明の一般式(化1)で示さ
れる含フッ素ポリイミドフィルムがフッ素を含まない既
存のポリイミドフィルムと比較してフィルム表面に優れ
たはっ水性を有していることを明らかにした。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の構成要素である前記第1の発明の一般式
(化1)で表されるポリイミドのR1 に含まれるXにつ
いては、隣接する2個のベンゼン環が互い直接結合して
もよいし(単結合)、Xがヘキサフルオロイソプロピリ
デン基〔−C(CF32 −〕、カルボニル基(−CO
−)、エーテル基(−O−)、又はスルホン基(−SO
2 −)であってもよい。
【0025】また、R2 に含まれるRf3 のmは6以上
の整数であればよいが、mが著しく大きくなるとポリイ
ミドの耐熱性が低下するため、mは12以下であること
が好ましい。一方、mが6未満の場合にはポリイミドに
はっ水性を発現させるフッ素の割合が小さくなるため、
十分なはっ水性をポリイミド表面に持たせることが不可
能となるため、不適である。Rf3 の具体的な構造の例
としては、−C6 11、−C9 17、−C1019、−C
1223等を挙げることができる。また、Rf4 について
もRf3 と同様の理由からnは2以上の整数であればよ
いが、9以下であることが好ましい。本発明のポリイミ
ドフィルムは分子中のフッ素(F)がポリイミドフィル
ムの表面付近に数多く存在することにより既存のポリイ
ミドと比較して大きなはっ水性を有する。Yについて
は、Rfが直接芳香族環に結合してもよいし、酸素原子
(O)や硫黄原子(S)を介して結合してもよい。
【0026】次にこれらのはっ水性ポリイミドフィルム
の製造方法について説明する。まず、既述の一般式(化
7)及び(化8)に示された種々の酸二無水物とジアミ
ンとを有機溶媒中で重合させて得られるポリアミド酸溶
液を製造する。更にこれを加熱、又は無水酢酸等を用い
て化学的にイミド化することでポリアミド酸の脱水閉環
反応を起こさせて、はっ水性ポリイミドを製造する。こ
の場合には、予め、ポリイミドの原料となる酸二無水物
とジアミンを等モルずつ用い、これを極性溶媒中で重合
させることにより、高分子量のポリアミド酸溶液を製造
する。ポリアミド酸溶液の製造に用いる原料の酸二無水
物は酸二無水物以外にその誘導体であるテトラカルボン
酸やこれらの酸から誘導される酸塩化物等の誘導体であ
ってもよい。ポリアミド酸の製造に用いる極性溶媒とし
てはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
【0027】本発明のはっ水ポリイミドフィルムの製造
原料としての酸二無水物の例としてはピロメリット酸二
無水物、1−トリフルオロメチル−2,3,5,6−ベ
ンゼンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジ(トリフ
ルオロメチル)−2,3,5,6−ベンゼンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4−ジフルオロ−2,3,5,6
−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−オキシジフタ
ル酸無水物、3,3′,4,4′−スルホニルジフタル
酸無水物、又は1,4−ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物等を用いることができる。
【0028】また、製造原料のジアミンの例としては
2,2′−ビストリフルオロメチル−4,4′−ジアミ
ノビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
1,3−ジアミノテトラフルオロベンゼン、ビス(4−
アミノ−テトラフルオロフェニル)エーテル、又はビス
(4−アミノ−テトラフルオロフェニル)スルフィド、
5−(パーフルオロノネニルオキシ)−1,3−ジアミ
ノベンゼン、5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)−
1,3−ジアミノベンゼン、6−(1H,1H−ペンタ
デカフルオロオクタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼ
ン、6−(1H,1H−トリデカフルオロヘプタノキ
シ)−1,3−ジアミノベンゼン、6−(1H,1H−
ヘプタフルオロブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼ
ン等の含フッ素ジアミンを用いることができる。
【0029】更に、原料の酸二無水物、及びジアミンは
それぞれ2種類以上を合計の酸二無水物のモル数と合計
のジアミンのモル数が同一になるように混合して用いる
ことで、共重合体としてもよいし、ポリイミドフィルム
の前駆体溶液であるポリアミド酸溶液を2種類以上混合
してポリイミド複合フィルムとしてもよい。共重合体、
若しくは複合体とする場合には第2成分以降は本発明に
用いる原料以外の既存の酸二無水物やジアミンを用いる
ことが可能であり、また本発明に用いる原料から製造さ
れるポリアミド酸溶液以外の既存のポリアミド酸溶液で
あってもよいが、フィルムに大きなはっ水効果を持たせ
るためには本発明に用いる原料や本発明から製造される
ポリアミド酸溶液が10%以上含まれていることが好適
である。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明のはっ水性ポリイ
ミドフィルム及びその製造方法について更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。下記
各例中、ポリイミドの構造の確認は赤外吸収スペクトル
におけるカルボニル基の対称及び非対称伸縮振動による
特性吸収から行った。また、高分子量化は前駆体の固有
粘度を高分子希薄溶液粘度法で測定することにより確認
した。また、はっ水性ポリイミドフィルムの熱分解温度
は窒素気流下10℃/分の昇温速度でフィルムを加熱し
たときの10%重量減少温度である。また、はっ水性ポ
リイミドフィルム表面の水に対する接触角は共和界面科
学(株)製CA−Z型接触角測定装置を用いて測定し
た。
【0031】実施例1 三角フラスコに以下の構造式(化10)を持つピロメリ
ット酸二無水物:
【0032】
【化10】
【0033】4.36g(20.0mmol)と以下の
構造式(化11)で示される2,2′−ビス(トリフル
オロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル:
【0034】
【化11】
【0035】6.40g(20.0mmol)、及び
N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)100gを加
えた。この混合物を窒素雰囲気下、室温で3日間かくは
んし、ポリアミド酸のDMA溶液を得た。この溶液の粘
度は約80ポアズであった。このものをアルミニウム基
板上にスピンコーティングし、窒素雰囲気下で70℃で
2時間、160℃で1時間、250℃で30分、更に3
50℃で1時間で加熱キュアした。このアルミニウム板
を10%HCl水溶液に浸し、アルミニウム板を溶解し
てはっ水性ポリイミドフィルムを製造した。この赤外吸
収スペクトルを測定するとイミド基に特有の吸収が17
40及び1790cm-1に現れ、イミド化が完全に進行
したことが確認できた。このものの水に対する接触角は
74.6°、熱分解温度は610℃であった。
【0036】実施例2 実施例1におけるピロメリット酸二無水物を以下の構造
式(化12)で示される2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物:
【0037】
【化12】
【0038】8.88g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例1と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を後記表1に他の例と共に示す。
【0039】実施例3 実施例1におけるピロメリット酸二無水物を以下の構造
式(化13)で示される3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物:
【0040】
【化13】
【0041】5.88g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例1と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0042】実施例4 実施例1におけるピロメリット酸二無水物を以下の構造
式(化14)で示される3,3′,4,4′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物:
【0043】
【化14】
【0044】6.44g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例1と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0045】実施例5 実施例1におけるピロメリット酸二無水物を以下の構造
式(化15)で示されるトリフルオロメチルピロメリッ
ト酸二無水物:
【0046】
【化15】
【0047】5.72g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例1と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0048】実施例6 実施例1におけるピロメリット酸二無水物を以下の構造
式(化16)で示される1,4−ジ(トリフルオロメチ
ル)ピロメリット酸二無水物:
【0049】
【化16】
【0050】7.08g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例1と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0051】実施例7 実施例1におけるピロメリット酸二無水物を以下の構造
式(化17)で示される1,4−ジフルオロピロメリッ
ト酸二無水物:
【0052】
【化17】
【0053】5.08g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例1と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0054】実施例8 実施例1におけるピロメリット酸二無水物を以下の構造
式(化18)で示される1,4−ビス(3,4−ジカル
ボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼ
ン二無水物:
【0055】
【化18】
【0056】11.64g(20.0mmol)に置き
換えて、実施例1と同様に行った。製造したはっ水性ポ
リイミドフィルムの特性を表1に示す。
【0057】実施例9 実施例8における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化19)で示される1,3−ジアミノテトラフルオロ
ベンゼン:
【0058】
【化19】
【0059】3.60g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例8と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0060】 実施例10 実施例8における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化20)で示されるビス(2,3,5,6−テトラフ
ルオロ−4−アミノフェニル)エーテル:
【0061】
【化20】
【0062】6.88g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例8と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0063】実施例11 実施例8における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化21)で示されるビス(2,3,5,6−テトラフ
ルオロ−4−アミノフェニル)スルフィド:
【0064】
【化21】
【0065】7.20g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例8と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0066】実施例12 実施例8における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化22)で示される2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン:
【0067】
【化22】
【0068】6.69g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例8と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0069】実施例13 実施例8における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化23)で示される2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)−フェニル〕ヘキサフルオロプロパン:
【0070】
【化23】
【0071】9.81g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例8と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】実施例14 実施例2における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化24)で示される6−(1H,1H−ペンタデカフ
ルオロオクタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン:
【0074】
【化24】
【0075】10.12g(20.0mmol)に置き
換えて、実施例2と同様に行った。製造したはっ水性ポ
リイミドフィルムの特性を後記表2に他の例と共に示
す。
【0076】実施例15 実施例2における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化25)で示される6−(1H,1H−トリデカフル
オロヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン:
【0077】
【化25】
【0078】9.12g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例2と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表2に示す。
【0079】実施例16 実施例2における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化26)で示される6−(1H,1H−ヘプタフルオ
ロブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン:
【0080】
【化26】
【0081】6.12g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例2と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表2に示す。
【0082】実施例17 実施例2における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化27)で示される6−(ペンタフルオロフェノキ
シ)−1,3−ジアミノベンゼン:
【0083】
【化27】
【0084】5.80g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例2と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表2に示す。
【0085】実施例18 実施例2における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化28)で示される5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)−1,3−ジアミノベンゼン:
【0086】
【化28】
【0087】11.08g(20.0mmol)に置き
換えて、実施例2と同様に行った。製造したはっ水性ポ
リイミドフィルムの特性を表2に示す。
【0088】実施例19 実施例2における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを以下の構造式
(化29)で示される5−(パーフルオロヘキセニルオ
キシ)−1,3−ジアミノベンゼン:
【0089】
【化29】
【0090】8.08g(20.0mmol)に置き換
えて、実施例2と同様に行った。製造したはっ水性ポリ
イミドフィルムの特性を表2に示す。
【0091】実施例20〜23 実施例2における2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニルを表に示す2種類
のジアミンの混合物20.0mmolに置き換えて、実
施例2と同様に行い、ポリイミド共重合体からなるはっ
水性ポリイミドフィルムを製造した。製造したはっ水性
ポリイミドフィルムの特性を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】実施例24〜26 実施例1におけるピロメリット酸二無水物を表3に示す
2種類の酸二無水物の混合物20.0mmolに置き換
え、また実施例1における2,2′−ビス(トリフルオ
ロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニルを表3に示
す2種類のジアミンの混合物20.0mmolに置き換
えて、実施例1と同様に行い、ポリイミド共重合体から
なるはっ水性ポリイミドフィルムを製造した。製造した
はっ水性ポリイミドフィルムの特性を表3に示す。
【0094】比較例1 三角フラスコにピロメリット酸二無水物4.36g(2
0.0mmol)と4,4′−オキシジアニリン、及び
DMA100gを加えた。この混合物を窒素雰囲気下、
室温で3日間かくはんし、ポリアミド酸のDMA溶液を
得、その後、実施例1と同様に操作を行い、ポリイミド
フィルムが得られた。この赤外吸収スペクトルを測定す
るとイミド基に特有の吸収が1740及び1790cm
-1に現れ、イミド化が完全に進行したことが確認でき
た。このものの熱分解温度は610℃であったが、水に
対する接触角は70.6°であり、本実施例で製造した
はっ水性ポリイミドフィルムの接触角より小さかった。
【0095】
【表3】
【0096】これらの結果から、本発明のはっ水性ポリ
イミドフィルムの既存のポリイミドフィルムと比較して
水に対する大きな接触角を有し、大きなはっ水性を示す
ことが明らかとなった。また、既述の一般式(化1)、
式(化7)と式(化8)とから得られる本発明のはっ水
性ポリイミドフィルム、及びその製造方法において
1 、及びR2 は本実施例で述べた有機基以外のそれぞ
れ2価、及び4価の有機基であり、またRf3 の−Cm
2m-1におけるmは9以外で6以上の整数、Rf4 の−
(CH2 )(CF2 n CF3 におけるnは2、5、6
以外で2以上の整数であれば本実施例と同様の製造が可
能であるので、本実施例と同様の優れたはっ水性を奏す
ることができる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のはっ水性
ポリイミドフィルムは、従来のポリイミドフィルムの持
つ優れた耐熱性に加えて、従来のポリイミドにない優れ
たはっ水性を合せ持つため、電子部品や光学部品の保護
膜材料や離型材料として極めて有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(化1): 【化1】 〔式中R1 は下記の構造式(化2): 【化2】 で表される基よりなる群から選択した4価の有機基を示
    し、式中Rf1 及びRf2 はH、F、又は−CF3 を示
    し、Xは下記式(化3): 【化3】 を示す。また、一般式(化1)中、R2 は下記の構造式
    (化4): 【化4】 で表される基よりなる群から選択した2価の有機基を示
    し、式中Rf3 は−Cm2m-1(ただし、mは6以上の
    整数を示す)、YはO、S、又は単結合、Rf4は下記
    式(化5): 【化5】 (ただし、nは2以上の整数を示す)〕で表される繰り
    返し単位からなる含フッ素ポリイミドを用いることを特
    徴とするはっ水性ポリイミドフィルム。
  2. 【請求項2】 一般式(化1)において、R2 が下記式
    (化6): 【化6】 で表される2価の有機基を示し、式中YがO(酸素)を
    示し、Rf3 が−C6 11又は−C9 17であることを
    特徴とする請求項1記載のはっ水性ポリイミドフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 下記一般式(化7): 【化7】 (ただし、R1 は請求項1と同義である)で表される酸
    二無水物と、下記一般式(化8): 【化8】H2 N−R2 −NH2 (ただし、R2 は請求項1と同義である)で表されるジ
    アミンとを有機溶媒中で反応させてポリイミドの前駆体
    溶液を製造し、これをイミド化と脱溶媒を行うことを特
    徴とする請求項1記載のはっ水性ポリイミドフィルムの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(化8)において、R2 が式(化
    6)で表される2価の有機基を示し、式中YがO(酸
    素)を示し、Rf3 が−C6 11又は−C9 17である
    ことを特徴とする請求項3記載のはっ水性ポリイミドフ
    ィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(化1)において、R1 は請求項
    1と同義であり、R2 が式(化6)(ただし、式中Rf
    3 、Yは請求項1と同義である)で表される2価の有機
    基からなる繰り返しを少なくとも1mol%以上含むポ
    リイミド共重合体からなることを特徴とするはっ水性ポ
    リイミドフィルム。
  6. 【請求項6】 ポリイミドフィルムに、一般式(化1)
    において、R2 が式(化6)(ただし、式中Rf3 、Y
    は請求項1と同義である)で表される2価の有機基から
    なる繰り返しを少なくととも1mol%以上含ませるこ
    とを特徴とするポリイミドフィルムのはっ水性付与方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6228972B1 (en) 1998-10-23 2001-05-08 Nitto Denko Corporation Aromatic polycarbodiimide and water repellent sheet made therefrom
JP2006335677A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Nippon Shokubai Co Ltd パーフルオロアルケニル誘導体
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JP2014231571A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 宇部興産株式会社 ポリイミド多孔質膜

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