JP7319950B2 - ポリアミド酸、ポリイミド、ポリイミドフィルム、電子基板用材料および電子基板 - Google Patents

ポリアミド酸、ポリイミド、ポリイミドフィルム、電子基板用材料および電子基板 Download PDF

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本発明は、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリイミドフィルム、電子基板用材料および電子基板に関する。
従来、芳香族ジアミン化合物と芳香族テトラカルボン酸化合物とを縮合重合し、更にそれを硬化(イミド化)して得られるポリイミドが知られている(特許文献1~2)。このようなポリイミドは、機械強度、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性などに優れるため、電子基板用材料として、多く用いられている。
近年の電子機器の高速信号伝送に伴う高周波化において、電子基板用材料であるポリイミドの低誘電率化および低誘電正接化の要求が高まっている。
電子回路における信号の伝播速度は、電子基板用材料の誘電率の増加に伴って低下し、信号の伝送損失は、電子基板用材料の誘電率および誘電正接の増加に伴って増大する。
このため、電子基板用材料であるポリイミドの低誘電率化および低誘電正接化は、電子機器の高性能化に不可欠となっている。なかでも、高周波で利用される通信機器においては、誘電正接の低減が求められている。
特公昭60-42817号公報 特開2007-106891号公報
例えば、p-フェニレンジアミン(PDA)-3,3′,4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(sBPDA)系のポリイミド(特許文献1)は、イミド基の高い極性に起因する比較的高い誘電率および誘電正接を有する。
そこで、単位分子長当りのイミド基数(イミド基濃度)を減少させることで、分子全体の極性を低減し、低誘電率化する方法(特許文献2)が提案されている。
しかし、特許文献2に記載された方法では、脂肪族鎖状構造を多くなることにより、機械強度や耐熱性などのポリイミド本来の特性が低下する場合がある。
そこで、本発明は、機械強度および耐熱性に優れ、かつ、低い誘電率および誘電正接を有するポリイミドを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を採用することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[11]を提供する。
[1]4,4′-[9H-フルオレン-9-イリデンビス[(2-メチル-4,1-フェニレン)オキシ]]ビスベンゼンアミンからなるジアミン成分と、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物からなる酸成分と、を重合させることによって得られるポリアミド酸。
[2]4,4′-[9H-フルオレン-9-イリデンビス[(2-メチル-4,1-フェニレン)オキシ]]ビスベンゼンアミンからなるジアミン成分と、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物からなる酸成分と、を重合させることによって得られるポリイミド。
[3]上記[1]に記載のポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミド。
[4]周波数1GHzにおける誘電正接が0.005以下である、上記[2]または[3]に記載のポリイミド。
[5]周波数1GHzにおける比誘電率が3.0以下である、上記[2]~[4]のいずれかに記載のポリイミド。
[6]ガラス転移温度が230℃以上である、上記[2]~[5]のいずれかに記載のポリイミド。
[7]引張弾性率が2.0GPa以上である、上記[2]~[6]のいずれかに記載のポリイミド。
[8]引張強さが80MPa以上である、上記[2]~[7]のいずれかに記載のポリイミド。
[9]上記[2]~[8]のいずれかに記載のポリイミドからなるフィルムを有するポリイミドフィルム。
[10]上記[2]~[8]のいずれかに記載のポリイミドを有する電子基板用材料。
[11]上記[2]~[8]のいずれかに記載のポリイミドを有する電子基板。
本発明によれば、機械強度および耐熱性に優れ、かつ、低い誘電率および誘電正接を有するポリイミドを提供できる。
[ポリアミド酸]
本発明のポリアミド酸は、4,4′-[9H-フルオレン-9-イリデンビス[(2-メチル-4,1-フェニレン)オキシ]]ビスベンゼンアミン(以下、「BCFAN」と略称する場合がある。)からなるジアミン成分と、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(以下、「BPADA」と略称する場合がある。)からなる酸成分と、を重合させることによって得られる。
本発明のポリアミド酸をイミド化して硬化することにより、ポリイミド(以下、「本発明のポリイミド」という場合がある。)が得られる。本発明のポリイミドは、ポリイミド本来の高い機械強度および耐熱性を保ちながら、誘電率および誘電正接が低減される。
本発明のポリアミド酸の分子構造は、特に限定されず、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
本発明のポリイミドは、高周波基板用材料として有用である。本発明のポリアミド酸は、本発明のポリイミドの前駆体として有用である。
〈ジアミン成分〉
ジアミン成分は、BCFANを含む。
BCFANは、多環芳香族環状構造を有する長鎖分子である。このため、本発明のポリアミド酸をイミド化して硬化させることによって得られる本発明のポリイミドにおいては、高い機械強度および耐熱性を維持しつつ、誘電率および誘電正接を低下できる。
〈酸成分〉
酸成分は、BPADAを含む。
BPADAは、本発明のポリアミド酸をイミド化して硬化させることによって得られる本発明のポリイミドに高い機械強度、耐熱性、耐薬品性および電気絶縁性を付与できる。
〈ジアミン成分および酸成分の量〉
ジアミン成分および酸成分の量は、特に限定されないが、ジアミン成分と酸成分とを重合させて得られる重合物の分子量を十分に高めるために、ジアミン成分が有するアミノ基に対する、酸成分が有する酸無水物基の量を、0.9当量以上にすることが好ましい。
〈ポリアミド酸の製造方法〉
本発明のポリアミド酸を製造する方法は、ジアミン成分と酸成分とを重合させる工程を備える。
ジアミン成分と酸成分との重合は、例えば、ジアミン成分と酸成分とを、ジアミン成分の合計と酸成分の合計とがほぼ等モルとなる量で溶媒に添加し、その溶媒中でジアミン成分と酸成分とを重合することによって行なわれる。
溶媒としては、例えば、後述する溶媒が挙げられる。溶媒には、ジアミン成分および酸成分に加えて、更に、後述する添加剤を添加してもよい。
ジアミン成分と酸成分とを重合させる条件は、特に制限されない。
例えば、まず、N,N-ジメチルアセトアミドなどの溶媒に、ジアミン成分および酸成分を添加して、混合物を得る。次に、得られた混合物を、80℃以下の温度条件下で、大気下や窒素雰囲気下で撹拌し、反応させる。
こうして、ポリアミド酸を含有する溶液(ポリアミド酸組成物)が製造される。
ポリアミド酸を含有する溶液(ポリアミド酸組成物)は、溶媒中のポリアミド酸の含有量が10~30質量%となるように調製することが好ましい。
[ポリアミド酸組成物]
本発明のポリアミド酸組成物は、本発明のポリアミド酸を含有する。
本発明のポリアミド酸組成物は、1種の本発明のポリアミド酸のみを含有してもよいし、2種類以上の本発明のポリアミド酸を含有してもよい。
〈ポリアミド酸以外の成分〉
本発明のポリアミド酸組成物は、必須成分である本発明のポリアミド酸に加えて、更に、本発明のポリアミド酸以外の成分を含むことができる。
本発明のポリアミド酸以外の成分としては、例えば、溶媒、添加剤、反応中間体などが挙げられる。
《溶媒》
溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、トルエン、メチルエチルケトン、γ-ブチロラクトン等が挙げられ、上述した成分を溶解できれば特に限定されない。
溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
《添加剤》
添加剤としては、例えば、ポリアミド酸を脱水および環化(イミド化)してポリイミドに転化するために使用される、脱水剤、触媒などが挙げられる。
脱水剤としては、例えば、無水酢酸などの脂肪族カルボン酸無水物;フタル酸無水物などの芳香族カルボン酸無水物;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
触媒としては、例えば、ピリジン、ピコリン、キノリンなどの複素環式第三級アミン類;トリエチルアミンなどの脂肪族第三級アミン類;N,N-ジメチルアニリンなどの芳香族第三級アミン類;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
《反応中間体》
反応中間体は、ジアミン成分と酸成分との重合反応の際に副生する。
[ポリイミド]
本発明のポリイミドは、BCFANからなるジアミン成分と、BPADAからなる酸成分とを重合させることによって得られる。
本発明のポリイミドは、本発明のポリアミド酸を用いて得られるポリイミドと同様に、機械強度および耐熱性に優れ、かつ、低い誘電率および誘電正接を有する。
本発明のポリイミドの分子構造は、特に制限されず、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
〈ジアミン成分および酸成分〉
ジアミン成分および酸成分は、上述したジアミン成分および酸成分と同様である。
〈ポリイミドの製造方法〉
本発明のポリイミドを製造する方法は、例えば、BCFANからなるジアミン成分と、BPADAからなる酸成分とを重合させる方法である。
例えば、ジアミン成分と酸成分とを、ジアミン成分の合計と酸成分の合計とがほぼ等モルとなる量で溶媒に添加し、その溶媒中でジアミン成分と酸成分とを重合する。溶媒には、ジアミン成分および酸成分に加えて、更に、上述した添加剤を添加してもよい。
ジアミン成分と酸成分とを重合させることによって得られる本発明のポリイミドは、重合反応の際に副生する反応中間体などを含み得る。
本発明のポリイミドを製造するには、溶媒中でジアミン成分と酸成分とを直接重合させてもよいし、本発明のポリアミド酸または本発明のポリアミド酸組成物を脱水および環化(イミド化)して製造してもよい。
ポリアミド酸を脱水および環化させてポリイミドに転化する方法としては、脱水剤および触媒を用いて脱水する化学閉環法;熱的に脱水する熱閉環法;等が挙げられ、これらの方法を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化学閉環法で使用する脱水剤および触媒としては、例えば、上述した脱水剤および触媒が挙げられる。
熱閉環法における加熱温度は、100~400℃が好ましく、150~250℃がより好ましい。加熱時間は、1分~6時間が好ましく、30分~2時間がより好ましい。加熱雰囲気は、特に限定されないが、硬化して得られるポリイミドの表面の着色を抑える観点から、窒素ガス雰囲気、窒素/水素混合ガス雰囲気などの不活性雰囲気が好ましい。
熱閉環法の場合、具体的には、例えば、本発明のポリアミド酸を含む塗膜を高温に加熱することにより、本発明のポリイミドを含むフィルム(ポリイミドフィルム)を製造できる。化学閉環法を併用してもよい。
本発明のポリアミド酸を含む塗膜から本発明のポリイミドを含むフィルムを形成する際の溶媒の除去およびイミド化のための加熱が連続して行なわれてもよく、また、溶媒除去およびイミド化が同時に行なわれてもよい。
〈機械強度〉
本発明のポリイミドの機械強度は、引張弾性率および引張強さによって評価する。
引張弾性率は、2.0GPa以上が好ましく、2.3GPa以上がより好ましく、2.5GPa以上が更に好ましい。
引張強さは、80MPa以上が好ましく、90MPa以上がより好ましく、100MPa以上が更に好ましい。
引張弾性率および引張強さは、JIS K 7127:1999(ISO 527-3:1995)に準拠して測定する。
〈耐熱性〉
本発明のポリイミドの耐熱性は、ガラス転移温度によって評価する。
ガラス転移温度は、230℃以上が好ましく、240℃以上がより好ましい。
ガラス転移温度は、JIS K 7244-1:1998(ISO 6721-1:1994)に準拠して測定する。
〈誘電特性〉
本発明のポリイミドの誘電特性は、周波数1GHzにおける比誘電率および誘電正接によって評価する。
周波数1GHzにおける比誘電率は、3.0以下が好ましい。
周波数1GHzにおける誘電正接は、0.005以下が好ましい。
比誘電率および誘電正接は、JIS C 2565:1992に準拠して測定する。
誘電率ε、真空の誘電率εおよび比誘電率εの間には、ε=ε・εの関係があるため、誘電率の高低を論ずる際には、誘電率の代わりに比誘電率を用いてもよい。
[ワニス]
本発明のポリイミドを溶媒に溶解することで、ポリイミド溶液(ワニス)が得られる。また、本発明のポリアミド酸組成物をそのまま加熱または触媒の添加で脱水、イミド化することで、ポリイミド溶液(ワニス)が得られる。
ポリイミド溶液(ワニス)を、水やメタノールなどの貧溶媒中に滴下、ろ過、乾燥することで、ポリイミド固形物が得られる。ポリイミド固形物を加熱圧縮することでポリイミドの成型体を形成できる。
ポリイミド溶液(ワニス)を、支持体上に塗布し、乾燥することで、ポリイミドフィルムを作製できる。
[ポリイミドフィルム]
本発明のポリアミド酸もしくは本発明のポリアミド酸組成物または本発明のポリイミドを用いて、ポリイミドフィルム(以下、「本発明のポリイミドフィルム」という場合がある。)を製造できる。すなわち、本発明のポリイミドフィルムは、本発明のポリイミドからなるフィルムを有する。
本発明のポリイミドフィルムを製造する方法は、特に限定されず、例えば、本発明のポリアミド酸または本発明のポリアミド酸組成物を、支持体(例えば、ガラス板、ステンレス板、銅板、アルミニウム板など)上に塗布し、その後、乾燥、加熱して脱水および閉環(イミド化)する方法;本発明のポリイミドを有機溶媒に溶解し、得られた溶液をガラス板上に塗布して、脱溶媒する方法;等が挙げられる。支持体への塗布方法は、特に限定されず、従来公知の塗布方法が適用できる。
有機溶媒は、溶解性の観点から、非プロトン性極性溶媒が好ましい。
非プロトン性極性溶媒としては、具体的には、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられるが、本発明のポリイミドを溶解できれば特に制限されない。
非プロトン性極性溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
この場合、ポリイミドの含有量は、5~50質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましい。
乾燥温度は50~150℃が好ましい。乾燥時間は0.5~80分間が好ましい。
加熱温度は、100~400℃が好ましく、150~250℃がより好ましい。一方、ポリイミドフィルムの着色を抑制する観点から、加熱温度は400℃以下が好ましい。
ポリイミドフィルムの着色を抑制するため、イミド化は、減圧または窒素雰囲気中で行なうことが好ましいが、特に高温でない限り空気中で行なっても差し支えない。
減圧する場合の圧力としては、小さい方が好ましく、具体的には、0.09MPa~0.0001MPa程度である。
このようにして得られる本発明のポリイミドフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアミド酸またはポリアミド酸組成物からポリイミドを製造する際に、他の架橋性樹脂、熱硬化性樹脂などを配合してもよい。
また、必要に応じて、グラスファイバー、カーボンダイバーなどの無機繊維;酸化安定剤、末端封止剤、フィラ-、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤、増感剤などの添加剤を配合してもよい。
本発明のポリイミドフィルムは、その上に導電膜を形成し、更に、電子回路を形成したり、高周波回路を形成したりすることによって、高周波基板などの電子基板として使用できる。
[カバーレイフィルム]
本発明のポリイミドを用いたカバーレイフィルム(以下、「本発明のカバーレイフィルム」ともいう。)は、本発明のポリイミドフィルムの上に、本発明のポリアミド酸または本発明のポリアミド酸組成物をイミド化して得られるポリイミドを含有する接着剤層を有する。
本発明のカバーレイフィルムは、フレキシブルプリント回路基板(FPC基板)等に用いられる。
本発明のポリアミド酸または本発明のポリアミド酸組成物を用いて接着剤層を形成する方法としては、例えば、本発明のポリアミド酸または本発明のポリアミド酸組成物を、本発明のポリイミドフィルムの表面に付与し、溶媒を除去、硬化して、フィルムを形成する方法が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の実施例および比較例で使用する略号は、それぞれ、以下の意味を表す。
・BCFAN:4,4′-[9H-フルオレン-9-イリデンビス[(2-メチル-4,1-フェニレン)オキシ]]ビスベンゼンアミン
・PDA:p-フェニレンジアミン
・BAPP:2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
・sBPDA:3,3′,4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・BPADA:2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物
・DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
〈実施例1〉
BCFAN(47.8g)とBPADA(52.2g)とを、DMAc(400g)に添加し、常温、大気圧中で3時間撹拌することにより反応させ、ポリアミド酸を含有する溶液(ポリアミド酸組成物)を得た。
得られたポリアミド酸を含有する溶液(15g)を、バーコーターを用いてガラス板に塗布し、100℃で20分間、200℃で20分間、300℃で20分間加熱し、約50μm厚のポリイミドフィルムを得た。
〈比較例1〉
ジアミン成分としてBCFANに代えてPDAを使用し、酸成分としてBPADAに代えてsBPDAを使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、ポリアミド酸およびポリイミドフィルムを得た。
〈比較例2〉
ジアミン成分としてBCFANに代えてBAPPを使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、ポリアミド酸およびポリイミドフィルムを得た。
〈評価〉
作製したポリイミドフィルムについて、機械強度(引張弾性率および引張強さ)、耐熱性(ガラス転移温度)ならびに誘電特性(誘電率および誘電正接)を評価した。結果を下記表1に示す。
《機械強度》
JIS K 7127:1999(ISO 527-3:1995)に準拠して、以下の条件で、ポリイミドフィルムの引張弾性率(ヤング率)および引張強さを測定した。
引張速度:102mm/min
チャック間距離:30mm
《耐熱性》
JIS K 7244-1:1998(ISO 6721-1:1994)に準拠して、以下の条件で、ポリイミドフィルムのガラス転移温度を測定した。
昇温速度:3℃/min
温度範囲:50~450℃
周波数:1Hz
《誘電特性》
JIS C 2565:1992に準拠して、以下の条件で、ポリイミドフィルムの比誘電率および誘電正接を測定した。
測定法:空洞共振器法
測定周波数:1GHz
Figure 0007319950000001
〈評価結果まとめ〉
BCFANとBPADAとを用いた実施例1のポリイミドは、機械強度および耐熱性に優れ、かつ、低い誘電率および誘電正接を有していた。
これに対し、BCFANに代えてPDAを、BPADAに代えてsBPDAを用いた比較例1のポリイミドは、実施例1のポリイミドと比べて、比誘電率および誘電正接が高く、誘電特性が不十分であった。
また、BCFANに代えてBAPPを用いた比較例2のポリイミドは、実施例1のポリイミドと比べて、引張弾性率および引張強さが低く、機械強度が不十分であった。また、ガラス転移温度が低く耐熱性が不十分であった。更に、誘電正接が高く、誘電特性が不十分であった。

Claims (5)

  1. 4,4′-[9H-フルオレン-9-イリデンビス[(2-メチル-4,1-フェニレン)オキシ]]ビスベンゼンアミンからなるジアミン成分と、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物からなる酸成分と、を重合させることによって得られるポリイミドであって、
    引張弾性率が2.0GPa以上であり、
    引張強さが80MPa以上であり、
    ガラス転移温度が230℃以上であり、
    周波数1GHzにおける比誘電率が3.0以下であり、
    周波数1GHzにおける誘電正接が0.005以下である、ポリイミド
  2. 4,4′-[9H-フルオレン-9-イリデンビス[(2-メチル-4,1-フェニレン)オキシ]]ビスベンゼンアミンからなるジアミン成分と、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物からなる酸成分と、を重合させることによって得られるポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドであって、
    引張弾性率が2.0GPa以上であり、
    引張強さが80MPa以上であり、
    ガラス転移温度が230℃以上であり、
    周波数1GHzにおける比誘電率が3.0以下であり、
    周波数1GHzにおける誘電正接が0.005以下である、ポリイミド
  3. 請求項1または2に記載のポリイミドからなるフィルムを有するポリイミドフィルム。
  4. 請求項1または2記載のポリイミドを有する電子基板用材料。
  5. 請求項1または2に記載のポリイミドを有する電子基板。
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