JP3055329B2 - 含フッ素ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン及びその前駆体の製造法 - Google Patents

含フッ素ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン及びその前駆体の製造法

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JP3055329B2
JP3055329B2 JP4277115A JP27711592A JP3055329B2 JP 3055329 B2 JP3055329 B2 JP 3055329B2 JP 4277115 A JP4277115 A JP 4277115A JP 27711592 A JP27711592 A JP 27711592A JP 3055329 B2 JP3055329 B2 JP 3055329B2
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雄二 長谷川
信司 武田
正己 湯佐
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素ポリイミドイ
ソインドロキナゾリンジオンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリイミドイソインドロキナゾリ
ンジオン及びポリイミドは、耐熱性電気絶縁材として、
半導体用層間絶縁膜、表面保護膜、α線遮蔽膜など電子
部品の構成材料として用いられて来た。これらのポリマ
ーは、一般にその前駆体溶液をシリコンウエハ、ガラス
板、金属板等の基板上に塗布し、熱処理により一部分を
イミド化した膜を形成し、この膜上にレジストを所望の
パターンに形成後、エッチング液に浸漬して不要部分を
溶解除去し、次にレジストを剥離し、再度熱処理し完全
に硬化させて、種々の膜が作られていた。上記ポリイミ
ドイソインドロキナゾリンジオンとしては、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等の酸
二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルー3
ーカルボンアミド等のジアミノアミド化合物、1,3−
ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン等の
ジアミノシロキサンとジアミンを反応させて得られるも
のが知られている(例えば、特公昭60−43370号
公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、特に電
子材料に用いられるポリイミドイソインドロキナゾリン
ジオン及びポリイミドは、電子機器の高密度化、高性能
化に伴い、耐熱性のほかに耐湿性や低誘電性が強く要求
されている。本発明は、このような要求を満たす含フッ
素ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン及びその前
駆体の製造法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1)及び
(2)に関するものである。 (1)(a) テトラカルボン酸二無水物を含む酸無水物; (b) 化3〔一般式(I)〕
【化3】 〔ただし、一般式(I)中、Rf は−Cn2n-1 (ここ
でnは6〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合
を1個含み、 分岐していてもよく、ベンゼン環の水素
置換基で置換されていてもよく、2個のアミノ基は
それぞれ芳香環にエーテル結合に対してオルト位、メタ
位またはパラ位に結合している。〕で表される含フッ素
芳香族ジアミン化合物を含むジアミン;及び (c) 化4〔一般式(II)〕
【化4】 (ただし、一般式(II)中、Ar は芳香族基を示し、Y
はSO2又は−C(=O)−を示し、Y−NH2 基と2
個の−NH2 のうち少なくとも1個は隣接炭素原子に結
合している。)で表されるジアミノアミド化合物;を反
応させることを特徴とする含フッ素ポリイミドイソイン
ドロキナゾリンジオン前駆体の製造法。 (2)上記(1)の製造法によって得られたポリイミド
イソインドロキナゾリンジオン前駆体を加熱し、脱水閉
環させることを特徴とするポリイミドイソインドロキナ
ゾリンジオンの製造法。
【0005】本発明で用いるテトラカルボン酸二無水物
としては、ピロメリツト酸二無水物、3,3′,4,
4′−ジフエニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ジフエニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2−ビス(3,4,−ジカルボキシフエニル)
プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキ
シフエニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3
−ジカルボキシフエニル)エタン二無水物、1,1−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフエニル)エタン二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフエニル)メタン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)メタン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)スルホン
二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)エ
ーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカ
ルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,3−ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,4,5−ナフタレン−テトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン
酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロル
ナフタレン−1,4,5,8,テトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フエナンスレ
ン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピ
ラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物、3,4,3′,4′−ビフエニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,2′,3′−ビフエニルテト
ラカルボン酸二無水物、
【0006】ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)ジ
メチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
エニル)メチルフエニルシラン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフエニル)ジフエニルシラン二無水物、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフエニルジメチル
シリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジ
カルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチル
ジシクロヘキサン二無水物、p−フエニルビス(トリメ
リツト酸モノエステル酸無水物)エチレングリコールビ
ス(トリメリツト酸無水物)、プロパンジオールビス
(トリメリツト酸無水物)、ブタンジオールビス(トリ
メリツト酸無水物)、ペンタンジオールビス(トリメリ
ツト酸無水物)、ヘキサンジオールビス(トリメリツト
酸無水物)、オクタンジオールビス(トリメリツト酸無
水物)、デカンジオールビス(トリメリツト酸無水
物)、
【0007】エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒ
ドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二
無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−
ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカル
ボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テ
トラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5
−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシ
クロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無
水物)スルホン ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフエニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボ
キシフエノキシ)フエニル〕ヘキサフルオロプロパン二
無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフエノ
キシ)ジフエニルスルフイド二無水物、1,4−ビス
(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼ
ンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−
ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス
(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテ
トラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン
−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−
2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、等があ
り、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0008】前記一般式(I)で表わされる含フッ素芳
香族ジアミン化合物は、分子中に長鎖の又は嵩高なパ−
フルオロアルケニル基を有している。この含フッ素芳香
族ジアミン化合物の使用量は、使用するジアミン化合物
の総量に対して5〜100モル%、特に10〜100モ
ル%用いるのが好ましい。この含フッ素芳香族ジアミン
化合物が少なすぎると耐湿性改善及び誘電率低下の効果
が小さくなる傾向がある。
【0009】本発明で用いる(I)の含フッ素芳香族ジ
アミン化合物としては、1,3−ジアミノ−5−(パー
フルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ
−4−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベ
ンゼン、1,3−ジアミノ−4−メトキシ−5−(パー
フルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ
−2,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−クロロ
−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,
3−ジアミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−(パーフ
ルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−
4−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベン
ゼン、1,2−ジアミノ−4−メトキシ−5−(パーフ
ルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−
3,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−クロロ−
5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,2
−ジアミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−3−(パーフル
オロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2
−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−(パーフル
オロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−
2,3,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−クロロ−
5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、1,4
−ジアミノ−2−ブロモ−5−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−5−(パーフル
オロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−
4−メチル−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベ
ンゼン、1,3−ジアミノ−4−メトキシ−5−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミ
ノ−2,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)ベンゼン、
【0010】1,3−ジアミノ−4−クロロ−5−(パ
ーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジア
ミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−
メチル−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼ
ン、1,2−ジアミノ−4−メトキシ−5−(パーフル
オロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−
3,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘキセ
ニルオキシ)ベンゼン、1,2−ジアミノ−4−クロロ
−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、
1,2−ジアミノ−4−ブロモ−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−3−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−
ジアミノ−2−メチル−5−(パーフルオロヘキセニル
オキシ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−
5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,
4−ジアミノ−2,3,6−トリフルオロ−5−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ジアミ
ノ−2−クロロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−ブロモ−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン等がある。
【0011】これらの化合物において、パーフルオロノ
ネニル基とは、一般式(I)におけるRfが−C917
ものであり、パーフルオロヘキセニル基とは一般式
(I)におけるRfが−C611のものであり、以下も同
様である。上記の例示化合物において、パーフルオロノ
ネニル基又はパーフルオロヘキセニル基の代わりに、基
−C1019,基−C1223等を有する化合物も同様に例
示することができる。
【0012】一般式(I)で表される含フッ素芳香族ジ
アミン化合物は、化5〔一般式(III) 〕
【化5】 (ただし、一般式(III) 中、Rf は、一般式(I)に同
じであり、R1及びR2はそれぞれ独立に置換されていも
よいアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を
示し、芳香環の水素は、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、フッ素、塩素、臭素等の置換基で適宜置換されて
いてもよく、2個のウレタン基はそれぞれ芳香環にエー
テル結合に対してオルト位、メタ位又はパラ位に結合し
ている。)で表される含フッ素芳香族ジウレタン化合物
をウレタン型保護基の脱保護反応に供することにより製
造することができる。
【0013】上記の(III) で表される化合物としては、
1,3−ビス(N−(メチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(N−(エチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(N−(n−プロピルオキシカルボニル)
アミノ)−5−(パーフオロノネニルオキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(N−(i−プロピルオキシカルボニ
ル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(N−(n−ブチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(N−(i−ブチルオキシカル
ボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(t−ブチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ペンチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ヘキシルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ヘプチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(オクチルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(ベンジルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(フエニルオキシ
カルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン、
【0014】1,2−ビス(N−(メチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネニルオキシ)
ベンゼン、1,2−ビス(N−(エチルオキシカルボニ
ル)アミノ)−4−(パーフルオロノネニルオキシ)ベ
ンゼン、1,2−ビス(N−(n−プロピルオキシカル
ボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(i−プロピルオキ
シカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(n−ブチルオ
キシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(i−ブチル
オキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(t−ブチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ペンチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ヘキシ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ヘプチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(オクチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(ベンジ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(フエニ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、
【0015】1,4−ビス(N−(メチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−3−(パーフルオロノネニルオキシ)
ベンゼン、1,4−ビス(N−(エチルオキシカルボニ
ル)アミノ)−3−(パーフルオロノネニルオキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス(N−(n−プロピルオキシカル
ボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノネニルオキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス (N−(i−プロピルオキ
シカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノネニル
オキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(n−ブチルオ
キシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(i−ブチル
オキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(t−ブチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(ペンチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(ヘキシ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(ヘプチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(オクチ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(ベンジ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(フエニ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロノ
ネニルオキシ)ベンゼン、
【0016】1,3−ビス(N−(メチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(エチルオキシカル
ボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(n−プロピルオキ
シカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニ
ルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(i−プロピ
ルオキシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−(n−
ブチルオキシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオ
ロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(N−
(i−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−5−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3−
ビス(N−(ペンチルオキシカルボニル)アミノ)−5
−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,3
−ビス(N−(ヘキシルオキシカルボニル)アミノ)−
5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(N−(ヘプチルオキシカルボニル)アミノ)
−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(N−(オクチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(N−(ベンジルオキシカルボニル)
アミノ)−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(N−(フエニルオキシカルボニル)
アミノ)−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベン
ゼン、
【0017】1,2−ビス(N−(メチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(エチルオキシカル
ボニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(n−プロピルオキ
シカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニ
ルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(i−プロピ
ルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−(n−
ブチルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パーフルオ
ロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(N−
(i−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−4−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−ビス
(N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−4−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2−
ビス(N−(ペンチルオキシカルボニル)アミノ)−4
−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,2
−ビス(N−(ヘキシルオキシカルボニル)アミノ)−
4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,
2−ビス(N−(ヘプチルオキシカルボニル)アミノ)
−4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、
1,2−ビス(N−(オクチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼ
ン、1,2−ビス(N−(ベンジルオキシカルボニル)
アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベン
ゼン、1,2−ビス(N−(フエニルオキシカルボニ
ル)アミノ)−4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)
ベンゼン、
【0018】1,4−ビス(N−(メチルオキシカルボ
ニル)アミノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(エチルオキシカル
ボニル)アミノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(n−プロピルオキ
シカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロヘキセニ
ルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(i−プロピ
ルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−(n−
ブチルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パーフルオ
ロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(N−
(i−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−3−(パー
フルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−3−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(N−(ペンチルオキシカルボニル)アミノ)−3
−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,4
−ビス(N−(ヘキシルオキシカルボニル)アミノ)−
3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(N−(ヘプチルオキシカルボニル)アミノ)
−3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(N−(オクチルオキシカルボニル)アミ
ノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(N−(ベンジルオキシカルボニル)
アミノ)−3−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(N−(フエニルオキシカルボニル)
アミノ)−3−(パーフルオロヘキセニルオキシ)ベン
ゼン等がある。ここで例示される化合物において、パー
フルオロノネニル基又はパーフルオロヘキセニル基の代
わりに、基−C1019,基−C1223等を有する化合物
も同様に例示することができる。
【0019】前記のウレタン型保護基とは、具体的には
一般式(III)中の−COOR1及び−COOR2を意味す
る。
【0020】前記の脱保護反応は例えば次のような方法
で行うことができる。含フッ素芳香族ジウレタン化合物
を酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ベンゼン、キシレン、アセトン、テトラヒドロ
フラン等の有機溶剤に溶解した溶液にパラジウム炭素等
の触媒の存在下、水素ガスを0〜100℃(特に好まし
くは室温付近)で通す方法(水素ガスを通す時間は適宜
決定すればよいが、通常1〜10時間で充分であ
る。)、含フッ素芳香族ジウレタン化合物を上記したよ
うな有機溶剤に溶解し、HF,HBr,HCl,H2
4等の水素酸を加え、反応させる方法(水素酸は、含
フッ素芳香族ジウレタン化合物に対して当量以上で反応
させるのが好ましく、HFを使用するときは、室温以
下、特に0℃以下で反応させるのが好ましく、その他の
水素酸では0〜100℃、特に室温付近で反応させるの
が好ましい。さらに、反応時間は適宜決定されるが、H
Fを使用する場合は、通常、0.1〜1時間、その他の
水素酸を使用する場合1〜10時間で充分である。)、
含フッ素芳香族ジウレタン化合物を炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等の塩基性化合物及び水の存在下に反応させる方法
(水は含フッ素芳香族ジウレタン化合物に対して当量以
上使用するのが好ましく、反応は、上記したような有機
溶剤の他に、水、メタノール、エタノール等のアルコー
ル、クレゾール等を溶媒として用いて行なってもよ
い。)等がある。このようにして得られる一般式(I)
で表される芳香族ジアミン化合物は、アルコールからの
再結晶等により精製することができる。
【0021】前記一般式(III)で示される芳香族ジウレ
タン化合物は、化6〔一般式(IV) 〕
【化6】 〔ただし、一般式(IV)中、Rf は、一般式(I)に同じ
であり、芳香環の水素は、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、フッ素、塩素、臭素等の置換基で適宜置換され
ていてもよく、2個のカルボキシル基は、それぞれ芳香
環にエーテル結合に対してオルト位、メタ位又はパラ位
に結合している〕で表される含フッ素芳香族ジカルボン
酸化合物、 化7〔一般式(V)〕
【化7】 (ただし、一般式(V)中、R3 は低級アルキル基又は
アリール基を表す。)で表されるアジド化合物及び 化8〔一般式 (VI) 〕
【化8】R4OH (VI) (ただし、一般式(VI)中、R4 は、置換基を有してい
もよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリ
ール基を表す。)で表されるアルコールを、溶媒中もし
くは無溶媒で、塩基を存在下、反応させることによつて
製造することができる。
【0022】一般式(IV)で表されるジカルボン酸化合物
としては、5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフ
タル酸、4−(パーフルオロノネニルオキシ)フタル
酸、2−(パーフルオロノネニルオキシ)テレフタル
酸、4−メチル−5−(パーフルオロノネニルオキシ)
イソフタル酸、4−メトキシ−5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)イソフタル酸、2,4,6−トリフルオロ
−5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸、
4−クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソ
フタル酸、4−ブロモ−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)イソフタル酸、4−メチル−5−(パーフルオロ
ノネニルオキシ)フタル酸、4−メトキシ−5−(パー
フルオロノネニルオキシ)フタル酸、3,4,6−トリ
フルオロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)フタル
酸、4−クロロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)
フタル酸、4−ブロモ−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)フタル酸、2−メチル−5−(パーフルオロノネ
ニルオキシ)テレフタル酸、4−メトキシ−5−(パー
フルオロノネニルオキシ)テレフタル酸、2,3,6−
トリフルオロ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)テ
レフタル酸、2−クロロ−5−(パーフルオロノネニル
オキシ)テレフタル酸、2−ブロモ−5−(パーフルオ
ロノネニルオキシ)テレフタル酸、5−(パーフルオロ
ヘキセニルオキシ)イソフタル酸、
【0023】4−(パーフルオロヘキセニルオキシ)フ
タル酸、2−(パーフルオロヘキセニルオキシ)テレフ
タル酸、4−メチル−5−(パーフルオロヘキセニルオ
キシ)イソフタル酸、4−メトキシ−5−(パーフルオ
ロヘキセニルオキシ)イソフタル酸、2,4,6−トリ
フルオロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)イソ
フタル酸、4−クロロ−5−(パーフルオロヘキセニル
オキシ)イソフタル酸、4−ブロモ−5−(パーフルオ
ロヘキセニルオキシ)イソフタル酸、4−メチル−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)フタル酸、4−メト
キシ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)フタル
酸、3,4,6−トリフルオロ−5−(パーフルオロヘ
キセニルオキシ)フタル酸、4−クロロ−5−(パーフ
ルオロヘキセニルオキシ)フタル酸、4−ブロモ−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)フタル酸、2−メチ
ル−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)テレフタル
酸、4−メトキシ−5−(パーフルオロヘキセニルオキ
シ)テレフタル酸、2,3,6−トリフルオロ−5−
(パーフルオロヘキセニルオキシ)テレフタル酸、2−
クロロ−5−(パーフルオロヘキセニルオキシ)テレフ
タル酸、2−ブロモ−5−(パーフルオロヘキセニルオ
キシ)テレフタル酸等がある。
【0024】前記のパーフルオロノネニルオキシイソフ
タル酸及びパーフルオロヘキセニルオキシイソフタル酸
は、例えば、特開昭60−51146 号公報に示される方法に
準じて、ヘキサフルオロプロペンの3量体又は2量体と
ヒドロキシイソフタル酸を非プロトン性極性溶媒中、室
温以下でトリエチルアミン等の塩基触媒の存在下に反応
させて製造することができる。
【0025】上記の方法において、ヘキサフルオロプロ
ペンの3量体及び2量体以外のオリゴマー、その他のフ
ルオロアルケンのオリゴマーを用いて、他のジカルボン
酸を作成することも可能である。
【0026】また、前記した一般式(III) で表わされる
ジカルボン酸は、例えば、特開昭50−121243号公報に記
載の方法に準じて、ヒドロキシ−ジカルボキシベンゼン
のジフエニルエステル,ジベンジルエステル等のエステ
ルとフルオロプロペン3量体,テトラフルオロエチレン
5量体等のフルオロアルケンのオリゴマーを非プロトン
性有機溶媒中、室温附近又はそれ以下でトリエチルアミ
ン等の塩基触媒の存在下に反応させた後、反応生成物を
単離し、該反応生成物を水酸化ナトリウム,水酸化カリ
ウム等の塩基性化合物の存在下、加水分解し、さらに適
宜塩酸等の酸で処理することにより製造することができ
る。上記反応生成物及び最終生成物は、適宜、洗浄,再
結晶等の手段で精製される。
【0027】一般式(V)で表される化合物としては、
ジフエニルホスホリルアジド,ジエチルホスホリルアジ
ド,ジ−p−ニトロフエニルホスホリルアジド,ジモル
ホリルホスホリルアジド等がある。
【0028】一般式(VI)で表されるアルコールとして
は、メタノール,エタノール,プロパノール,i−プロ
パノール,ブタノール,i−ブタノール, t−ブタノー
ル, ペンタノール,ヘキサノール,ヘプタノール,オク
タノール,フエノール,ベンジルアルコール等がある。
【0029】一般式(III) で表される含フツ素芳香族ジ
ウレタン化合物を得る合成反応には、塩入孝之,山田俊
一,有機合成化学協会誌,第31巻第8号666−67
4頁(1973年)に示されているような、新クルチウ
ス反応を応用することができる。すなわち、一般式(IV)
で表されるジカルボン酸化合物と一般式(V)で表され
るアジド化合物、一般式(VI)で表されるアルコールを塩
基の存在下で反応させることにより、目的の含フツ素芳
香族ジウレタン化合物を得ることができる。塩基として
は、トリメチルアミン,トリエチルアミン,ピリジンな
どの三級アミンを用いることが好ましい。上記反応は、
有機溶媒中で行われるか、一般式(VI)で表されるアル
コールを溶媒兼用で用いて行われる。該有機溶媒として
は、ベンゼン,トルエン,テトラヒドロフラン,ジオキ
サン,ジエチルエーテルなどを用いることが好ましい。
これらの溶媒は、互いに相溶すれば2種以上を混合して
用いてもよい。
【0030】上記反応においては、中間に、一般式(IV)
で表わされるジカルボン酸化合物と一般式(V)で表わ
されるアジド化合物が反応してカルボン酸アジド及びこ
のカルボン酸アジドが熱転位反応してイソシアネート化
合物が生成するが、これらの中間体を一たん単離して又
は単離することなく反応を進めることができる。上記反
応の条件は使用する試薬により異なり、特に限定される
ものではないが、次に示す条件が好ましい。
【0031】第1に、一般式(IV)で表わされるジカル
ボン酸化合物、一般式(V)で表わされるアジド化合
物、前記三級アミンおよび一般式(VI)で表わされるア
ルコールを一度に反応させて、見かけ上一工程で目的の
含フツ素芳香族ジウレタン化合物を得る場合は、反応温
度は−80〜250℃が好ましく、特に、室温〜150
℃が好ましい。上記アジド化合物、上記三級アミン及び
上記アルコールをそれぞれ、上記ジカルボン酸化合物に
対して0.5〜5.0モル当量、0.5〜3.0モル当
量及び0.5モル当量乃至大過剰用いるのが好ましい。
【0032】第2に、前記カルボン酸アジドをいったん
単離する場合、先ず、上記ジカルボン酸化合物と上記ア
ジド化合物を上記三級アミンの存在下に反応させて、得
られるカルボン酸アジドを単離する。このとき、反応温
度は−80〜100℃が好ましく、上記アジド化合物及
び上記三級アミンはそれぞれ上記ジカルボン酸化合物に
対して、0.5〜5.0モル当量及び0.5〜3.0モ
ル当量用いるのが好ましい。次いで、単離されたカルボ
ン酸アジドをそれに対して0.5モル当量乃至大過剰の
アルコール中で反応させて、目的の含フツ素芳香族ジウ
レタン化合物を得ることができる。このときの反応温度
は−80〜250℃が好ましい。
【0033】第3に、イソシアネート化合物をいったん
単離する場合は、先ず、ジカルボン酸化合物と一般式
(IV)で表わされるアジド化合物を三級アミンの存在下
に反応させ、得られるイソシアネートを単離する。この
とき、ジカルボン酸化合物に対して上記アジド化合物
0.5〜5.0モル当量および上記三級アミン0.5〜
3.0モル当量用いるのが好ましく、反応温度は−80
〜250℃が好ましい。次いで、得られたイソシアネー
トをそれに対して0.5モル当量乃至大過剰のアルコー
ル中で、反応させることにより、含フツ素芳香族ジウレ
タン化合物を得ることができる。このとき、反応温度は
−80〜250℃が好ましい。
【0034】上記第1乃至第3の方法は、収率等を考
え、適宜選択される。このようにして得られる含フツ素
芳香族ジウレタン化合物は、ヘキサン等からの再結晶に
より精製することができる。
【0035】前記一般式(I)及び式(III) において、
Rfは、直鎖状のものでも分岐状のものでもよいが、分
岐状である方が好ましい。分岐状である方が直鎖状であ
るよりも立体的構造がコンパクトであるため、ポリイミ
ド系樹脂のガラス転移温度が高くなりやすい。
【0036】前記一般式(I)及び式(III) において、
Rfの具体例としては、パーフルオロノネニル基とし
て、化9〔式(A)〕
【化9】 の基、化10〔式(B)〕
【化10】 の基、化11〔式(C)〕
【化11】 の基、化12〔式(D)〕
【化12】 の基、化13〔式(E)〕
【化13】 の基等があり、パーフルオロヘキセニル基としては、化
14〔式(F)〕
【化14】 の基、化15〔式(G)〕
【化15】 の基、化16〔式(H)〕
【化16】 の基等があり、パーフルオロデセニル基としては、化1
7〔式(J)〕
【化17】 の基等がある。
【0037】本発明のポリイミド系樹脂の製造法におい
て、一般式(I)で表される芳香族ジアミン化合物と共
に併用できるジアミン化合物がある。そのようなものと
しては、4−アミノフエニル−3−アミノ安息香酸、
2,2−ビス(4−アミノフエニル)プロパン、2,6
−ジアミノピリジン、ビス(4−アミノフエニル)ジエ
チルシラン、ビス−(4−アミノフエニル)ジフエニル
シラン、ビス−(4−アミノフエニル)エチルホスフイ
ンオキサイド、ビス−(4−アミノフエニル)−N−ブ
チルアミン、ビス−(4−アミノフエニル)−N−メチ
ルアミン、N−(3−アミノフエニル)−4−アミノベ
ンズアミド、4−アミノフエニル−3−アミノ安息香
酸、3,3′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−
ジアミノジフエニルエーテル、3,3′−ジアミノジフ
エニルスルホン、3,3′−ジアミノジフエニルプロパ
ン、3,3′−ジアミノジフエニルスルフイド、p−フ
エニレンジアミン、m−フエニレンジアミン、4,4′
−ジアミノジフエニルプロパン、4,4′−ジアミノジ
フエニルメタン、3,3′−ジアミノベンゾフエノン、
4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、4,4′−
ジアミノジフエニルスルホン、4,4′−ジアミノジフ
エニルエーテル、3,4′−ジアミノジフエニルエーテ
ル、1,5−ジアミノナフタレン、
【0038】2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)
トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチル−フエニ
ル)エーテル、ビス(p−β−メチル−γ−アミノ−ペ
ンチル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5
−アミノペンチル)ベンゼン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、プロピレンジアミン、3−メチ
ルヘプタメチレンジアミン、4.4′−ジメチルヘプタ
メチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,
2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジ
メチルプロピレンジアミン、3−メトキシ−ヘキサメチ
レンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミ
ン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メ
チルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノアイコ
サデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10
−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジ
アミノオクタデカン、
【0039】2,2−ビス(4−アミノフエニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノ
フエノキシ)フエニル)ヘキサフルオロプロパン、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルメタ
ン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフエニ
ルメタン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノ
ジフエニルメタン、3,3′ジエトキシ−4,4′−ジ
アミノジフエニルメタン、3,3′−ジフルオロ−4,
4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−ジクロロ
−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−ジ
ブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,
3′−ジ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノ
ジフエニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジ
アミノジフエニルエーテル、3,3′−ジイソプロピル
−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′−
ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、
3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノジフエニル
エーテル、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジアミノ
ジフエニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−
ジアミノジフエニルエーテル、3,3′−ジブロモ−
4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′−ジ
(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフエニ
ルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノ
ジフエニルスルホン、3,3′−ジメトキシ−4,4′
−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′−ジエトキシ
−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′−
ジフルオロ−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、
3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフエニルス
ルホン、3,3′−ジブロモ−4,4′−ジアミノジフ
エニルスルホン、3,3′−ジ(トリフルオロメチル)
−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′−
ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、
【0040】3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミ
ノジフエニルプロパン、3,3′−ジエトキシ−4,
4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,3′−ジフル
オロ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,
3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパ
ン、3,3′−ジブロモ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルプロパン、3,3′−ジ(トリフルオロメチル)−
4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、
3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニル
スルフイド、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミ
ノジフエニルスルフイド、3,3′−ジフルオロ−4,
4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′−ジク
ロロ−4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,
3′−ジブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルスルフ
イド、3,3′−ジ(トリフルオロメチル)−4,4′
−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′−ジメチル
−4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフルオロプロパ
ン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルヘキサフルオロプロパン、3,3′−ジエトキシ−
4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフルオロプロパ
ン、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルヘキサフルオロプロパン、3,3′−ジクロロ−
4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフルオロプロパ
ン、3,3′−ジブロモ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルヘキサフルオロプロパン、3,3′−ジ(トリフルオ
ロメチル)−4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフロ
オロプロパン、
【0041】3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノ
ベンゾフエノン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジ
アミノベンゾフエノン、3,3′−ジエトキシ−4,
4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジフルオロ
−4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジク
ロロ−4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−
ジブロモ−4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,
3′−ジ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノ
ベンゾフエノン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジ
フエニルメタン、3,3′,5,5′−テトライソプロ
ピル−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,
3′,5,5′−テトラメトキシ−4,4′−ジアミノ
ジフエニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエトキ
シ−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′,
5,5′−テトラフルオロ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルメタン、3,3′,5,5′−テトラクロロ−4,
4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′,5,5′
−テトラブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルメタ
ン、3,3′,5,5′−テトラ(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジ
フエニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラエチル
−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′,
5,5′−テトラメトキシ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラエトキシ−
4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′,
5,5′−テトフルオロ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルエーテル、3,3′,5,5′−テトラクロロ−4,
4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′,5,
5′−テトラブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルエ
ーテル、3,3′,5,5′−テトラ(トリフルオロメ
チル)−4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、
【0042】3,3′,5,5′−テトラメチル−4,
4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′,5,
5′−テトラメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニル
スルホン、3,3′,5,5′−テトラエトキシ−4,
4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′,5,
5′−テトラフルオロ−4,4′−ジアミノジフエニル
スルホン、3,3′,5,5′−テトラクロロ−4,
4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′,5,
5′−テトラブロモ−4,4′−ジアミノジフエニルス
ルホン、3,3′,5,5′−テトラ(トリフルオロメ
チル)−4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジ
フエニルプロパン、3,3′,5,5′−テトラメトキ
シ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,
3′,5,5′−テトラエトキシ−4,4′−ジアミノ
ジフエニルプロパン、3,3′,5,5′−テトラフル
オロ−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,
3′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジ
フエニルプロパン、3,3′,5,5′−テトラブロモ
−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,3′,
5,5′−テトラ(トリフルオロメチル)−4,4′−
ジアミノジフエニルプロパン、
【0043】3,3′,5,5′−テトラメチル−4,
4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′,5,
5′−テトラメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニル
スルフイド、3,3′,5,5′−テトラエトキシ−
4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′,
5,5′−テトラフルオロ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルスルフイド、3,3′,5,5′−テトラクロロ−
4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、3,3′,
5,5′−テトラブロモ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルスルフイド、3,3′,5,5′−テトラ(トリフル
オロメチル)−4,4′−ジアミノジフエニルスルフイ
ド、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジ
アミノジフエニルヘキサフルオロプロパン、3,3′,
5,5′−テトラメトキシ−4,4′−ジアミノジフエ
ニルヘキサフルオロプロパン、3,3′,5,5′−テ
トラエトキシ−4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフ
ルオロプロパン、3,3′,5,5′−テトラフロオロ
−4,4′−ジアミノジフエニルヘキサフルオロプロパ
ン、3,3′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジ
アミノジフエニルヘキサフルオロプロパン、3,3′,
5,5′−テトラブロモ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルヘキサフルオロプロパン、3,3′,5,5′−テト
ラ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフエ
ニルヘキサフルオロプロパン、
【0044】3,3′,5,5′−テトラメチル−4,
4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′,5,5′−
テトラメトキシ−4,4′−ジアミノベンゾフエノン、
3,3′,5,5′−テトラエトキシ−4,4′−ジア
ミノベンゾフエノン、3,3′,5,5′−テトラフロ
オロ−4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′,
5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノベンゾフ
エノン、3,3′,5,5′−テトラブロモ−4,4′
−ジアミノベンゾフエノン、3,3′,5,5′−テト
ラ(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノベンゾ
フエノン、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−
4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−ジイ
ソプロピル−5,5′−ジメチル−4,4′−ジアミノ
ジフエニルメタン、3,3′−ジイソプロピル−5,
5′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフエニルメタ
ン、3,3′−ジイソプロピル−5,5′−ジメチル−
4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,3′−ジ
イソプロピル−5,5′−ジエチル−4,4′−ジアミ
ノジフエニルエーテル、3,3′−ジイソプロピル−
5,5′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルプ
ロパン、3,3′−ジイソプロピル−5,5′−ジエチ
ル−4,4′−ジアミノジフエニルプロパン、3,3′
−ジイソプロピル−5,5′−ジメチル−4,4′−ジ
アミノジフエニルスルホン、3,3′−ジイソプロピル
−5,5′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフエニル
スルホン、などがあり、2種類以上併用してもよい。
【0045】また、ジアミンの一部としては、シリコン
ジアミンを使用してもよい。シリコンジアミンとして
は、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,1
−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ビス(3−ア
ミノプロピル)−1,1,1−テトラメチルジシロキサ
ン、1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,1−
テトラメチルジシロキサン等がある。シリコンジアミン
を使用するときは、これらは、ジアミンの総量に対し
て、0.1〜10モル%使用するのが好ましい。シリコ
ンジアミンの使用により、得られるポリイミドイソイン
ドロキナゾリンジオンは、密着性が向上する。
【0046】本発明において、含フッ素芳香族ジアミン
化合物、ジアミノアミド化合物及びジアミンの総量はア
ミン成分として100モル%になるように調整する。ま
た、前記酸無水物と含フッ素芳香族ジアミン化合物、ジ
アミノアミド化合物及びジアンのアミン成分は等モル又
はほぼ等モルになるように用いる。
【0047】反応は通常、有機溶媒中で行う。有機溶媒
しては、N−メチル−2−ピロドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキ
サメチルホスホルアミド、テトラヒドロフラン、ジグラ
イム、ジオキサン等が、前記前駆体を溶解しやすいこと
から好ましい。トルエン、クレゾール、フェノール等の
芳香族系溶媒を前記前駆体の溶解を妨げない程度に、上
記有機極性溶媒に併用してもよいが、この場合、溶媒の
総量に対して30重量%以下とするのが好ましい。
【0048】反応は、含フッ素芳香族ジアミン化合物、
ジアミノアミド化合物及びその他のジアミンを有機溶媒
に溶解し、テトラカルボン酸二無水物を添加して、80
℃以下、好ましくは0〜50℃で行う。これにより反応
は速やかに進行し、反応液の粘度が徐々に上昇する。
【0049】ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン
は、得られた前駆体を脱水閉環させて(硬化させて)得
ることができる。脱水閉環は150〜350℃、好まし
くは200〜350℃の温度で熱処理することにより行
うことができる。この脱水閉環に際し、無水酢酸、リン
酸等の脱水剤を使用してもよい。ポリイミドイソインド
ロキナゾリンジオンの生成は、前記ポリイミドイソイン
ドロキナゾリンジオン前駆体を含む反応液をそのまま又
は濃縮もしくは希釈した後(すなわち前駆体ワニスを形
成した後)、シリコンウエハー、ガラス、金属板等に塗
布し、成膜した後に行ってもよい。このようにして得ら
れるポリイミドイソインドロキナゾリンジオン膜のエッ
チングは、ヒドラジン、エチレンジアミン混合物、水酸
化テトラメチルアンモニウム等のよく知られたエッチン
グ液を用い、常法により行うことができる。
【0050】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。以下において
使用した5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタ
ル酸は、化18
【化18】 の化合物である。
【0051】合成例1 5−(パーフルオロノネニルオキシ)イソフタル酸0.
61g(1.0mmol)、ジフエニルホスホリルアジド
0.66g(2.4mmol)、トリエチルアミン0.24g
(2.4mmol)をt−ブタノール10mL中、還流温度
で20時間反応させた。反応終了後、t−ブタノールを
留去し、ここにエーテルを加えて、希塩酸,炭酸水素ナ
トリウム水溶液で洗浄した。エーテルを留去し、ヘキサ
ンから再結晶して目的物である1,3−ビス−N−(t
−ブチルオキシカルボニル)アミノ)−5−パーフルオ
ロノネニルオキシベンゼンを収率86%で得た。
【0052】この化合物の物性及び元素分析値を次に示
す。 (1)融点 69−71℃ (2)1H−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6,TM
S標準);8.72ppm(2H,NH,s),7.61ppm
(1H,Aromatic,t),7.09ppm(2H,Aromati
c,s),1.49ppm(9H,t−Bu,t)〔( )内
は、水素の積分強度比、吸収の基礎となる基及びピ−ク
の種類を順次示し、sは一重線、tは三重線を示す。以
下も同様である。〕 (3)19F−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6,トリ
フルオロトルエン標準);11.32ppm (3F,CF
3,d),−3.54ppm(6F,CF3,s),−4.8
2ppm(6F,CF3,d),−99.70ppm(1F,C
F,quart. ),−101.49ppm(1F,CF,quin
t.)〔( )内は、フッ素の積分強度比、吸収の基礎と
なる基及びピ−クの種類を順次示し、sは一重線、dは
二重線、tは三重線、quart.は四重線、quint.は五重線
を示す。以下も同様である。〕 (4)IR吸収スペクトル;3336cm-1(N−H,ウレ
タン),1710cm-1(C=O,ウレタン),1548
cm-1(N−H,ウレタン),1244cm-1(C−F) (5)分素分析値(%):表1のとおり。
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ C H N F O(残部) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 理論値 39.8 3.1 3.7 42.8 10.6 ───────────────────────────────── 実測値 39.6 3.0 3.7 42.9 10.8 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0053】以上より、目的物の生成を確認した。これ
の構造式は次の化19のとおりである。
【化19】
【0054】合成例2 合成例1で得られた1,3−ビス(N−(t−ブチルオ
キシカルボニル)アミノ)−5−(パーフルオロノネニ
ルオキシ)ベンゼン0.200g(0.265mmol)に
4N炭酸水素ナトリウム/メタノール4.0mLを加
え、室温で4時間撹拌した。次に、メタノールを留去
し、エーテルで抽出した。エーテル溶液を水で洗浄した
後、エーテルを留去し、エーテル/ヘキサンでカラム分
離を行い、目的物である1,3−ジアミノ−5−(パー
フルオロノネニルオキシ)ベンゼンを収率65%で得
た。
【0055】得られた1,3−ジアミノ−5−(パーフ
ルオロノネニルオキシ)ベンゼンの分析データを次に示
す。 (1)融点 105.5−106.9℃ (2) 1H−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6,T
MS標準); 5.87(1H,Aromatic,t) 5.63(2H,Aromatic,t) 4.75(4H,NH2,s) (3)19F−NMRスペクトル(溶媒アセトン−d6,ト
リフルオロトルエン標準); 11.03(3F,CF3,d) −3.68(6F,CF3,s) −4.98(6F,CF3,d) −99.71(1F,CF,quart.) −101.67(1F,CF,quint.) (4)IR吸収スペクトル;3452cm-1,3380c
m-1,1628cm-1(N−H,アミン),1298cm-1
1238cm-1,1190cm-1(C−F) (5)元素分析値(%):表2のとおり。
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ C H N F O(残部) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 理論値 32.5 1.3 5.0 58.4 2.9 ────────────────────────────────── 実測値 32.5 1.2 5.0 58.4 2.9 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0056】以上より、目的化合物であることを確認し
た。この化合物の構造式は次の化20〔構造式(a)〕
とおりである。
【化20】
【0057】実施例1 温度計、かくはん装置、乾燥管、窒素導入管を備えた4
つ口フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
−3−カルボンアミド0.24g(1ミリモル)、N,
N−ジメチルアセトアミド20.9g及び1,3−ジア
ミノ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン
〔構造式(a)〕4.98g(9ミリモル)を入れ、撹
拌した。ジアミンが溶解した後、氷浴で冷却しながら、
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.94g(10
ミリモル)を少量づつ添加した。添加終了後氷浴で冷却
しながら5時間反応させ、ポリイミドイソインドロキナ
ゾリンジオン前駆体のワニスを得た。
【0058】上記ポリイミドイソインドロキナゾリンジ
オン前駆体を水又はメタノールに投入し、沈殿したポリ
イミドイソインドロキナゾリンジオン前駆体をろ別し、
乾燥した。これをN,N−ジメチルアセトアミドに0.
1g/dlの濃度で溶解し、30℃で還元粘度を測定し
た。この結果を表3に示した。
【0059】さらに、上記ポリイミドイソインドロキナ
ゾリンジオン前駆体の溶液をガラス基板上にスピンコー
トにより塗布し、150℃,200℃,250℃及び3
00℃で順次それぞれ30分間ずつ加熱することにより
ポリイミドイソインドロキナゾリンジオンの皮膜を得
た。得られた皮膜を用いて、ガラス転移温度、熱分解温
度、吸水率及び誘電率を測定した結果を表3に示した。
【0060】実施例2 温度計、かくはん装置、乾燥管、窒素導入管を備えた4
つ口フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
−3−カルボンアミド0.47g(2ミリモル)、N,
N−ジメチルアセトアミド15.4g及び1,3−ジア
ミノ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン
〔構造式(a)〕2.79g(5ミリモル)を入れ、撹
拌した。ジアミンが溶解した後、氷浴で冷却しながら
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルヘキサフ
ルオロプロパン二無水物4.44g(10ミリモル)を
少量づつ添加した。添加終了後、氷浴中5時間反応さ
せ、ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン前駆体を
得た。その後、実施例1と同様にしてポリイミドイソイ
ンドロキナゾリンジオンの皮膜を得た。測定結果は表3
に示した。
【0061】実施例3 温度計、かくはん装置、乾燥管、窒素導入管を備えた4
つ口フラスコにN,N−ジメチルアセトアミド15.2
g、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネニルオ
キシ)ベンゼン〔構造式(a)〕0.55g(1ミリモ
ル)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕ヘキサフルオロプロパン2.07g(4ミリモ
ル)及び4,4′−ジアミノジフエニルエーテル−3−
カルボンアミド1.18g(1ミリモル)を入れ、撹拌
した。ジアミンが溶解した後、氷浴で冷却しながら、ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物3.2g(2ミ
リモル)を少量づつ添加した。添加終了後、氷浴中5時
間反応させ、ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン
前駆体を得た。その後、実施例1と同様にしてポリイミ
ドイソインドロキナゾリンジオンの皮膜を得た。測定結
果を表3に示した。
【0062】比較例1 実施例1におけるジアミンを、1,3−ジアミノ−5−
(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン5.54g
(10ミリモル)としたほかは、実施例1と同様にして
ポリイミド前駆体を製造した。試験結果は表3に示し
た。 比較例2 比較例1におけるジアミンを、4,4−ジアミノジフェ
ニルエーテル−3−カルボンアミド0.24g(1ミリ
モル)及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1.
8g(9ミリモル)としたほかは比較例1と同様にして
ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン前駆体ワニス
を製造した。試験結果を表3に示した。
【0063】なお、以上において、ガラス転移温度、熱
分解温度、吸水率及び誘電率の測定条件は以下に示す通
りである。 1)ガラス転移温度 パーキンエルマ社製DSC−7型を用い昇温速度10℃
/min 試料量約10mgで測定した。 2)熱分解温度 示差熱天秤(真空理工(株)製TG−7000型)を用
い昇温速度10℃/min で測定した。 3)吸水率 ポリイミドイソインドロキナゾリンジオンフイルムを室
温で24時間水に浸漬し、その前後の重量変化より求め
た。 4)誘電率 周波数10kHz、室温の条件で誘電率測定装置を用い
て測定した。
【0064】
【表3】 表3 特性評価結果 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン 前駆体の ──────────────────────── 還元粘度 ガラス転移 熱分解 吸水率 誘電率 (dl/g) 温度(℃) 温度(℃) (%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 0.38 318 457 0.3 2.7 実施例2 0.51 331 468 0.2 2.9 実施例3 0.68 328 480 0.2 2.9 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 比較例1 0.16 291 422 0.2 2.7 比較例2 0.71 338 484 1.3 3.5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0065】
【発明の効果】請求項1又は請求項2の製造法により、
低誘電率であり、吸水率が低く耐湿性にすぐれ、耐熱性
も良好な含フッ素ポリイミドイソインドロキナジリンジ
オン前駆体又はポリイミドイソインドロキナゾリンジオ
ンを製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 宮寺 康夫 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社筑波開発研究所内 (56)参考文献 特開 平3−59031(JP,A) 特開 平4−226134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08L 79/00 - 79/08 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) テトラカルボン酸二無水物を含む酸無
    水物; (b) 化1〔一般式(I)〕 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、Rfは−Cn2n-1(ここで
    nは6〜12の整数を示す)を示し、これは二重結合を
    1個含み、分岐していてもよく、ベンゼン環の水素は置
    換基で置換されていてもよく、2個のアミノ基はそれぞ
    れ芳香環にエーテル結合に対してオルト位,メタ位また
    はパラ位に結合している。〕で表される含フッ素芳香族
    ジアミン化合物を含むジアミン;及び (c) 化2〔一般式(II) 〕 【化2】 (ただし、一般式(II)中、Ar は芳香族基を示し、Y
    はSO2 又は−C(=O)−を示し、Y−NH2基と2
    個の−NH2のうち少なくとも1個は隣接炭素原子に結
    合している。)で表されるジアミノアミド化合物; を反応させることを特徴とする含フッ素ポリイミドイソ
    インドロキナゾリンジオン前駆体の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造法によって得られた
    ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン前駆体を加熱
    し、脱水閉環させることを特徴とする含フッ素ポリイミ
    ドイソインドロキナゾリンジオンの製造法。
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