JP2737871B2 - 全フッ素化ポリイミド製造用のペルフルオロ芳香族化合物およびそれらの製造方法 - Google Patents

全フッ素化ポリイミド製造用のペルフルオロ芳香族化合物およびそれらの製造方法

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JP2737871B2
JP2737871B2 JP8207475A JP20747596A JP2737871B2 JP 2737871 B2 JP2737871 B2 JP 2737871B2 JP 8207475 A JP8207475 A JP 8207475A JP 20747596 A JP20747596 A JP 20747596A JP 2737871 B2 JP2737871 B2 JP 2737871B2
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慎治 安藤
松浦  徹
重邦 佐々木
二三男 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフッ素化ポリイミド
光学材料、特に光電子集積回路(OEIC)や光電子混
載実装配線板における光導波路の光学材料として使用可
能な、近赤外光に対する透過損失の少ないフッ素化ポリ
イミド光学材料の主要構成要素として使用可能なフッ素
化ポリイミド、その前駆体(中間体)であるフッ素化ポ
リアミド酸の出発物質であるフッ素化テトラカルボン酸
二無水物とその中間体ならびにそれらの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料は、無機系の材料に比
べて軽量であり、対衝撃性,加工性に優れ、取扱いが容
易であるなどの特長を有しているため、これまでも光フ
ァイバーやレンズ,光ディスク用基板など様々な光学用
途に用いられてきた。プラスチックをOEICや光電子
混載実装配線板の光導波路など、光通信用の近赤外光を
透過させる媒体として用いる場合、無機系の材料と比較
してまず問題となるのは大きな光透過損失である。プラ
スチックにおける透過損失の原因には大きく分けて散乱
と吸収の2つがあるが、通信用途に用いられる光の波長
が今後、長波長域へ移る(0.85μmから1.0μm
〜1.7μmへ)に従って、後者の原因、つまり分子構
造に本質的な赤外振動の高調波吸収による損失が支配的
となり、プラスチックの光通信用途への適用が困難とな
ることが危惧されている。特にこれまで可視光用の光学
材料として広く用いられてきたポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)やポリスチレン(PS)は、分子鎖内に
2種類以上の炭素−水素結合(C−H結合)を有するた
め、その近赤外吸収スペクトルには、幅広で強度の大き
な吸収ピークが複数存在している。このC−H結合に起
因する高調波吸収を長波長側へシフトさせ強度を低減さ
せるには、重水素(D)あるいはフッ素(F)による分
子内水素の置換が効果的であることが示されており、す
でにPMMAやPS中の水素を重水素あるいはフッ素で
置換した材料について基礎的な検討がなされている[例
えば戒能俊邦、アプライド フィジクス レターズ(A
ppl.Phys.Lett.)第48巻(12)75
7頁1986年参照]。しかし、これらのプラスチック
光学材料は、例えばシリコン基板上でのOEIC作製に
必要なハンダ耐熱性(260℃)を持たないため、OE
IC等に使用するには作製工程上の種々の工夫が必要と
なる。
【0003】一方、ポリイミド樹脂は一般的な熱分解開
始温度が400℃以上とプラスチック中で最も高い耐熱
性を持つものの一つとして知られており、光学材料への
適用も最近検討され始めている[例えばH.Frank
e,J.D.Crow,SPIE vol.651 I
ntegrated Optical Circuit
Engineering III pp.102−1
07(1986)、C.T.サリバン,SPIE第99
4巻92頁1988年参照]。
【0004】また、透明性を改善した耐熱性材料として
ヘキサフルオロイソプロピリデン基を含有する含フッ素
ポリイミド樹脂コーティング材料[Anne K.S
t.Clair and Wayne S.Slem
p,SAMPE JournalJuly/Augus
t pp.28−33(1985)]が検討され、光損
失を低減するためヘキサフルオロイソプロピリデン基を
主鎖に含有する含フッ素ポリイミド樹脂を用いた光導波
路[Rainer Reuter,HilmarFra
nke,and Claudius Feger,Ap
plied Optics,Vol.27,No.21
pp.4565−4571(1988)]が提案され
ている。
【0005】しかし、これまでに検討された含フッ素ポ
リイミドを含む全てのポリイミドは、分子鎖中にフェニ
ル基のC−H結合を有するため、近赤外域の吸収スペク
トルにはC−H結合の伸縮振動の高調波あるいはC−H
結合の伸縮信号の高調波と変角振動の結合振動に由来す
るピークが存在している。このため、光通信波長域
(1.0〜1.7μm)の全域にわたって低い光損失が
達成されることがない。
【0006】そこでこれらの水素をすべて重水素あるい
はフッ素で置き換えることができれば光通信波長域にお
ける吸収損失は大きく低減するはずである。しかし全重
水素化ポリイミドや全フッ素化ポリイミドはこれまでに
合成例が報告されていない。また、全重水素化はC−D
結合の3次高調波が1.5μm付近に存在するため、光
通信波長全域での吸収ピーク低減には不十分である。
【0007】従って、通信波長全域における高い光透過
性と耐熱性を同時に満足するプラスチック光学材料はこ
れまでに知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、種々の
既存のポリイミドおよびポリイミド光学材料について、
その赤外域,近赤外域の吸収スペクトルを測定し、近赤
外域での光損失を算出するとともに、その原因について
鋭意検討した。その結果、近赤外域で大きな光損失を引
き起こす原因の第一は、アルキル基やフェニル環等にお
けるC−H結合の伸縮振動の高調波と変角振動の結合音
による吸収であることが明らかとなった。
【0009】従って、本発明の目的は、全フッ素化ポリ
イミドの製造に使用できる出発物質である全フッ素化
(すなわち、炭素と一価元素の化学結合として炭素−フ
ッ素結合のみを含む)テトラカルボン酸またはその二無
水物およびその中間体ならびにそれらの製造方法を提供
することにある。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に従
う化合物は下記式(5):
【0018】
【化13】
【0019】で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼン二無水物である。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】本発明の第2の観点に従う化合物は下記式
(7):
【0024】
【化15】
【0025】で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼンである。
【0026】本発明の第3の観点に従う化合物は下記式
(8):
【0027】
【化16】
【0028】で表わされる1,4−ビス(3,4−ジシ
アノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン
である。
【0029】
【0030】
【0031】で表わされる1,4−ジフルオロピロメリ
ット酸である。
【0032】本発明の第4の観点に従う式(5)で表わ
される1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオ
ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物の製造
方法は式(7)で表わされる1,4−ビス(3,4−ジ
カルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベ
ンゼンを脱水することを特徴とする。
【0033】本発明の第5の観点に従う式(5)で表わ
される1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオ
ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物の製造
方法は式(8)で表わされる1,4−ビス(3,4−ジ
シアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼ
ンを硫酸中で加水分解と脱水反応を一段階で行うことを
特徴とする。
【0034】本発明の第6の観点に従う式(7)で表わ
される1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオ
ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法は式
(8)で表わされる1,4−ビス(3,4−ジシアノト
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンを加水
分解することを特徴とする。
【0035】本発明の第7の観点に従う式(8)で表わ
される1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフ
ェノキシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法はテトラ
フルオロフタロニトリルとテトラフルオロヒドロキノン
を塩基存在下に反応させることを特徴とする。
【0036】本発明の第8の観点に従う式(8)で表わ
される1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフ
ェノキシ)テトラフルオロベンゼンの製造方法はテトラ
フルオロフタロニトリルとテトラフルオロヒドロキノン
の金属塩とを反応させることを特徴とする。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【発明の実施の形態】本発明のフッ素化テトラカルボン
酸もしくはその酸二無水物および本発明の中間体から導
かれるテトラカルボン酸二無水物は分子内にC−H結合
を持たないので、これらを出発材料として用いて全フッ
素化ポリイミドを製造することができる。この全フッ素
化ポリアミドはアルキル基,フェニル環等の炭素に結合
するすべての一価元素を例えば、フッ素,ペルフルオロ
アルキル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロア
ルコキシ基,ペルフルオロフェノキシ基等のC−H結合
をまったく持たない基のいずれかとし、繰り返し単位内
にC−H結合を持たない構造とすることによって、近赤
外域での最大の光損失原因であるC−H結合に基づく振
動吸収を無くし、またイミド結合を主鎖構造に導入して
ポリイミドとすることによって、光電子集積回路を作製
する上での十分な耐熱性(260℃以上)を持たせてい
る。この全フッ素化ポリイミドは従来のものと比較し
て、光通信波長域での光透過損失率が極めて小さい。
【0041】全フッ素化ポリイミドの一般的な特徴とし
ては耐熱性,近赤外域における光透過性の他に、低誘電
率,低屈折率,低吸水性,撥水・撥油性,低摩耗性,高
酸素透過性,溶媒溶解性などが考えられる。よってこれ
らの特徴を生かした電気,電子材料,膜材料,繊維材
料,摺動材料などへの適用も可能である。
【0042】全フッ素化ポリイミドの調製に出発物質と
して使用できるペルフルオロ芳香族化合物は下記一般式
(1)
【0043】
【化18】
【0044】(式中R3 は下記式(2)または(3)
【0045】
【化19】
【0046】で表わされる四価のペルフルオロ芳香族基
を示し;4個のR4 はすべてカルボキシル基を表わす
か、またはすべてシアノ基を示し、あるいは二組の隣接
する2個のR3 同士が結合してそれぞれ下式(4)
【0047】
【化20】
【0048】で表わされる二価の基を示し、R4 がすべ
てシアノ基を示すときはR3 は式(3)で表わされる基
のみを示す)で表わされる化合物である。上記一般式
(1)のペルフルオロ芳香族化合物には、具体的には、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、1,4−ジ
フルオロ無水ピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−
ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼン、1,4−ジフルオロピロメリット酸、1,4−ビ
ス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラ
フルオロベンゼンが含まれる。これらの化合物は下記の
反応工程式−1または−2に従って合成される。
【0049】反応工程式−1
【0050】
【化21】
【0051】反応工程式−2
【0052】
【化22】
【0053】すなわち反応工程式−1において、式(1
1)のテトラフルオロフタロニトリルと式(12)のテ
トラフルオロヒドロキノン(または式(12a)のその
金属塩、例えば二ナトリウム塩等)を塩基(トリメチル
アミン等)の存在下に反応(極性溶媒中0〜5℃で30
分間)させることにより、式(8)の1,4−ビス
(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフ
ルオロベンゼンを得る。これを加水分解(60%硫酸
中、150℃で15時間)することにより式(7)の
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼンを得る。生成物を脱水
(無水酢酸中、還流条件下、2時間)して、式(5)の
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物を得る。式
(8)の1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロ
フェノキシ)テトラフルオロベンゼンを80%硫酸中で
加熱(200℃、2時間)することにより一段階で加水
分解と脱水を行い、式(5)の1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼン二無水物を合成することもできる。
【0054】上記反応工程式−2において、式(10)
の1,4−ジフルオロテトラシアノベンゼンを加水分解
(60%硫酸中、150℃で15時間)して式(9)の
1,4−ジフルオロピロメリット酸を得る。これを脱水
(無水酢酸中、還流条件下、2時間)して、式(6)の
1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸を合成する。式
(10)の1,4−ジフルオロテトラシアノベンゼンを
80%硫酸中で加熱(200℃で2時間)することによ
り一段階で加水分解と脱水を行って式(6)の1,4−
ジフルオロ無水ピロメリット酸を合成してもよい。
【0055】ペルフルオロ芳香族化合物は下記一般式
(13):
【0056】
【化23】
【0057】(式中R1 は4価の有機基、R2 は2価の
有機基を示し、R1 およびR2 に含まれる炭素と一価元
素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表
わされる繰り返し単位からなる。全フッ素化ポリイミド
の製造において出発物質の一つとして使用することがで
きる。
【0058】R1 で示される4価の有機基としては下記
一般式(14):
【0059】
【化24】
【0060】(式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキ
ル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロアルコキ
シ基またはペルフルオロフェノキシ基を示す)で表わさ
れる構造であるか、あるいは下記一般式(15):
【0061】
【化25】
【0062】(式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキ
ル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロアルコキ
シ基、またはペルフルオロフェノキシ基を表わし、Xは
単なる原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′−、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
す)を表わすか、あるいはXとこれに隣接する二つのR
fはそれらが結合している炭素原子とともに飽和もしく
は不飽和の5または6員環でOもしくはSから選ばれた
最大2個のヘテロ原子を含んでいてもよい環を形成する
か、またはベンゼン縮合環の共有辺を表わす)で表わさ
れる構造であるのが好ましい。さらに好ましくはXは単
なる原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′ −、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
す)を表わす。
【0063】R2 で示される2価の有機基としては下記
一般式(16):
【0064】
【化26】
【0065】(式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキ
ル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロアルコキ
シ基またはペルフルオロフェノキシ基を示す)で表わさ
れる構造であるか、または下記一般式(17):
【0066】
【化27】
【0067】(式中Rfはフッ素,ペルフルオロアルキ
ル基,ペルフルオロアリール基,ペルフルオロアルコキ
シ基、またはペルフルオロフェノキシ基を表わし、Xは
単なる原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′ −、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
す)を表わすか、あるいはXとこれに隣接する二つのR
fはそれらが結合している炭素原子とともに飽和もしく
は不飽和の5または6員環でOもしくはSから選ばれた
最大2個のヘテロ原子を含んでいてもよい環を形成する
か、またはベンゼン縮合環の共有辺を表わす)で表わさ
れる構造であるのが好ましい。さらに好ましくはXは単
なる原子価結合、 −O −、−CO−、−SO2 −、−S −、−Rf′ −、 −(ORf′)n−、−( Rf′O)n −、または−(ORf′O)n − (式中Rf′はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表わし、nは1〜10の整数を示
す)を表わす。
【0068】上記一般式(14)〜(17)において、
ペルフルオロアルキル基としては、好ましくは炭素数1
〜4を有するものであり、トリフルオロメチル基,ペン
タフルオロエチル基,ヘプタフルオロプロピル基,ノナ
フルオロブチル基等が例示される。
【0069】ペルフルオロアリール基としてはペンタフ
ルオロフェニル基等が例示される。
【0070】ペルフルオロアルコキシ基としては、好ま
しくは炭素数1〜4のものであり、トリフルオロメトキ
シ基,ペンタフルオロエトキシ基,ヘプタフルオロプロ
ポキシ基,ノナフルオロブトキシ基等が例示される。
【0071】ペルフルオロアルキレン基としては、好ま
しくは炭素数1〜4であり、ジフルオロメチレン基,テ
トラフルオロエチレン基,ヘキサフルオロイソプロピリ
デン基,オクタフルオロブチレン基等が例示される。
【0072】ペルフルオロアリーレン基としてはテトラ
フルオロフェニレン基,オクタフルオロビフェニレン基
等が例示される。
【0073】上記の式(15)または(17)におい
て、Xとこれに隣接する二つのRfとそれらが結合して
いる炭素原子とが環を形成する場合は、この環を含む縮
合環骨格の例はアントラセン骨格,フェナントレン骨
格,ビフェニレン骨格,ジベンゾフラン骨格,アントラ
キノン骨格,アントロン骨格,フェノキサチイン骨格,
チアントレン骨格,ジゾベンゾ[b,e]1,4−ジオ
キサン骨格等である。Xとこれに隣接する二つのRfと
それらが結合している炭素原子とがベンゼン縮合環の共
有辺を表わすときは式(15)または(17)で表わさ
れる環の骨格はナフタレン骨格である。
【0074】上記一般式(13)で表わされる全フッ素
化ポリイミドは下記一般式(18):
【0075】
【化28】
【0076】(式中R1 およびR2 は上記と同じ意味を
持つ)で表わされるポリアミド酸を加熱閉環することに
よって調製できる。この加熱処理は通常空気中好ましく
は窒素雰囲気中70〜350℃で2〜5時間加熱するこ
とにより行う。好ましい条件は窒素雰囲気中70℃で2
時間、160℃で1時間、250℃で30分、300℃
で1時間である。
【0077】前駆体として使用される上記一般式(1
8)の全フッ素化ポリアミド酸は新規化合物であり、下
記式(19):
【0078】
【化29】
【0079】(式中R1 は上記と同じ意味を持つ)で表
わされるテトラカルボン酸二無水物またはそのテトラカ
ルボン酸、あるいはその酸塩化物またはエステル化物
と、下記一般式(20) H2N−R2−NH2 (20) (式中R2 は上記と同じ意味を持つ)で表わされるジア
ミンとを反応させることによって調製される。
【0080】上述の全フッ素化ポリイミドの前駆体であ
る全フッ素化ポリアミド酸を製造する時に使用する、本
発明のペルフルオロ芳香族化合物に含まれる全フッ素化
テトラカルボン酸またはその酸二無水物以外の、テトラ
カルボン酸またはその誘導体としては、分子内の炭素に
結合する一価元素あるいは一価の官能基のすべてを、例
えば、フッ素,ペルフルオロアルキル基,ペルフルオロ
アリール基,ペルフルオロアルコキシ基,ペルフルオロ
フェノキシ基等のC−H結合をまったく持たない基のい
ずれかとしたものであればどのようなものでもよい。テ
トラカルボン酸ならびにその誘導体としての酸無水物,
酸塩化物,エステル化物等としては次のようなものが挙
げられる。
【0081】1−トリフルオロメチル−4−フルオロピ
ロメリット酸、1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロ
メリット酸、1−ペンタフルオロメチル−4−フルオロ
ピロメリット酸、1−ペンタフルオロエチル−4−トリ
フルオロメチルピロメリット酸、1,4−ジ(ペンタフ
ルオロエチル)ピロメリット酸、1−ペンタフルオロフ
ェニル−4−フルオロピロメリット酸、1−ペンタフル
オロフェニル−4−トリフルオロメチルピロメリット
酸、1−ペンタフルオロフェニル−4−ペンタフルオロ
エチルピロメリット酸、1,4−ジ(ペンタフルオロフ
ェニル)ピロメリット酸、1−トリフルオロメトキシ−
4−フルオロピロメリット酸、1−トリフルオロメトキ
シ−4−トリフルオロメチルピロメリット酸、1−トリ
フルオロメトキシ−4−ペンタフルオロエチルピロメリ
ット酸、1−トリフルオロメトキシ−4−ペンタフルオ
ロフェニルピロメリット酸、1,4−ジ(トリフルオロ
メトキシ)ピロメリット酸、1−ペンタフルオロエトキ
シ−4−フルオロピロメリット酸、1−ペンタフルオロ
エトキシ−4−トリフルオロメチルピロメリット酸、1
−ペンタフルオロエトキシ−4−ペンタフルオロエチル
ピロメリット酸、1−ペンタフルオロエトキシ−4−ペ
ンタフルオロフェニルピロメリット酸、1−ペンタフル
オロエトキシ−4−トリフルオロメトキシピロメリット
酸、1,4−ジ(ペンタフルオロエトキシ)ピロメリッ
ト酸、1−ペンタフルオロフェノキシ−4−フルオロピ
ロメリット酸、1−ペンタフルオロフェノキシ−4−ト
リフルオロメチルピロメリット酸、1−ペンタフルオロ
フェノキシ−4−ペンタフルオロエチルピロメリット
酸、1−ペンタフルオロフェノキシ−4−ペンタフルオ
ロフェニルピロメリット酸、1−ペンタフルオロフェノ
キシ−4−トリフルオロメトキシピロメリット酸、1−
ペンタフルオロフェノキシ−4−ペンタフルオロエトキ
シピロメリット酸、1,4−ジ(ペンタフルオロフェノ
キシ)ピロメリット酸、ヘキサフルオロ−3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、ヘキサフルオ
ロ−3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸、ヘキサフルオロ−3,3′,4,4′−ペン
ゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボ
キシトリフルオロフェニル)スルホン、ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェニル)スルフィド、ビス
(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ジフル
オロメタン、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリ
フルオロフェニル)テトラフルオロエタン、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−ジカルボ
キシトリフルオロフェニル)テトラフルオロベンゼン、
3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル−3′,
4′−ジカルボキシトリフルオロフェノキシジフルオロ
メタン、ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)ジフルオロメタン、1,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロエ
タン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオ
ロフェノキシ)ヘキサフルオロプロパン、2,3,6,
7−テトラカルボキシ−テトラフルオロナフタレン、
2,3,6,7−テトラカルボキシ−ヘキサフルオロア
ントラセン、2,3,6,7−テトラカルボキシ−ヘキ
サフルオロフェナントレン、2,3,6,7−テトラカ
ルボキシ−テトラフルオロビフェニレン、2,3,7,
8−テトラカルボキシ−テトラフルオロジベンゾフラ
ン、2,3,6,7−テトラカルボキシ−テトラフルオ
ロアントラキノン、2,3,6,7−テトラカルボキシ
−ペンタフルオロアントロン、2,3,7,8−テトラ
カルボキシ−テトラフルオロフェノキサチイン、2,
3,7,8−テトラカルボキシ−テトラフルオロチアン
トレン、2,3,7,8−テトラカルボキシ−テトラフ
ルオロジベンゾ[b,e]1,4−ジオキサン、等;対
応する酸二無水物;対応する酸塩化物;対応するエステ
ル化物、例えばメチルエステル,エチルエステル等。
【0082】これらのうち好ましいのは1,4−ビス
(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物であ
る。
【0083】この中でピロメリット酸二無水物のベンゼ
ン環にペルフルオロアルキル基を導入した全フッ素化酸
二無水物である1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロ
メリット酸二無水物、1,4−ジ(ペンタフルオロエチ
ル)ピロメリット酸二無水物等の製造方法は特開平2−
15084号に記載されている。
【0084】その他の化合物も例えばブランデリクら
(アメリカ化学会高分子予稿集第28巻1号88−89
頁1987年)[D.Brandelik, W.A.
Feld, ACS Polymer Preprin
t,28(1),88−89(1987)]の合成方
法、F.E.ロジェースら[米国特許第3,356,6
48号および同第3,959,350号明細書]の合成
方法、J.P.クリッチレーら[J.P.Critch
ley, P.A.Granttan, M.A.Wh
ite, J.S.Pippett, J.Poly
m.Sci.A−1,10,1789−1807(19
72)]の合成方法等あるいは後記実施例に示した1,
4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)テトラフルオロベンゼン二無水物の製造方法と同様
の方法またはそれらに準じて合成することができる。
【0085】また、全フッ素化ポリイミドの製造におい
て、本発明のペルフルオロ芳香族化合物に含まれる、ま
たはこれらの化合物から誘導される全フッ素化テトラカ
ルボン酸もしくはその酸二無水物とともに用いることの
できるジアミンの例としては、アミノ基を除き分子内の
炭素に結合する一価元素あるいは一価の官能基のすべて
を、例えば、フッ素,ペルフルオロアルキル基,ペルフ
ルオロアリール基,ペルフルオロアルコキシ基,ペルフ
ルオロフェノキシ基等のC−H結合をまったく含まない
基のいずれかとしたものであればどのようなものでもよ
く、次のようなものが挙げられる。
【0086】テトラフルオロ−1,2−フェニレンジア
ミン、テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、
テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、ヘキサ
フルオロ−1,5−ジアミノナフタレン、ヘキサフルオ
ロ−2,6−ジアミノナフタレン、3−トリフルオロメ
チル−トリフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、4
−トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,2−フェニ
レンジアミン、2−トリフルオロメチル−トリフルオロ
−1,3−フェニレンジアミン、4−トリフルオロメチ
ル−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、5−
トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,3−フェニレ
ンジアミン、2−トリフルオロメチル−トリフルオロ−
1,4−フェニレンジアミン、3,4−ビス(トリフル
オロメチル)−ジフルオロ−1,2−フェニレンジアミ
ン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ
−1,2−フェニレンジアミン、2,4−ビス(トリフ
ルオロメチル)−ジフルオロ−1,3−フェニレンジア
ミン、4,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオ
ロ−1,3−フェニレンジアミン、4,6−ビス(トリ
フルオロメチル)−ジフルオロ−1,3−フェニレンジ
アミン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−ジフル
オロ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ビス(ト
リフルオロメチル)−ジフルオロ−1,4−フェニレン
ジアミン、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)
−フルオロ−1,2−フェニレンジアミン、3,4,6
−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ−1,2−
フェニレンジアミン、2,4,5−トリス(トリフルオ
ロメチル)−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、
2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ
−1,3−フェニレンジアミン、4,5,6−トリス
(トリフルオロメチル)−フルオロ−1,3−フェニレ
ンジアミン、テトラキス(トリフルオロメチル)−1,
2−フェニレンジアミン、テトラキス(トリフルオロメ
チル)−1,3−フェニレンジアミン、テトラキス(ト
リフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、3
−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,2−フェ
ニレンジアミン、4−ペンタフルオロエチル−トリフル
オロ−1,2−フェニレンジアミン、2−ペンタフルオ
ロエチル−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミ
ン、4−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,3
−フェニレンジアミン、5−ペンタフルオロエチル−ト
リフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2−ペンタ
フルオロエチル−トリフルオロ−1,4−フェニレンジ
アミン、3−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−
1,2−フェニレンジアミン、4−トリフルオロメトキ
シ−トリフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、2−
トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,3−フェニ
レンジアミン、4−トリフルオロメトキシ−トリフルオ
ロ−1,3−フェニレンジアミン、5−トリフルオロメ
トキシ−トリフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、
2−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン、3,3′−ジアミノ−オクタフルオ
ロビフェニル、3,4′−ジアミノ−オクタフルオロビ
フェニル、4,4′−ジアミノ−オクタフルオロビフェ
ニル、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,
4′−ジアミノヘキサフルオロビフェニル、3,3′−
ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノヘキ
サフルオロビフェニル、ビス(3−アミノ−テトラフル
オロフェニル)エーテル、3,4′−ジアミノ−オクタ
フルオロビフェニルエーテル、ビス(4−アミノ−テト
ラフルオロフェニル)エーテル、3,3′−ジアミノ−
オクタフルオロベンゾフェノン、3,4′−ジアミノ−
オクタフルオロベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ−
オクタフルオロベンゾフェノン、ビス(3−アミノ−テ
トラフルオロフェニル)スルホン、3,4′−ジアミノ
−オクタフルオロビフェニルスルホン、ビス(4−アミ
ノ−テトラフルオロフェニル)スルホン、ビス(3−ア
ミノ−テトラフルオロフェニル)スルフィド、3,4′
−ジアミノ−オクタフルオロビフェニルスルフィド、ビ
ス(4−アミノ−テトラフルオロフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−アミノテトラフルオロフェニル)ジフル
オロメタン、1,2−ビス(4−アミノテトラフルオロ
フェニル)テトラフルオロエタン、2,2−ビス(4−
アミノテトラフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4″−ジアミノ−ドデカフルオロ−p−テルフ
ェニル、4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ−4′
−アミノ−テトラフルオロフェニル−ジフルオロメタ
ン、ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ)−
ジフルオロメタン、1,2−ビス(4−アミノ−テトラ
フルオロフェノキシ)−テトラフルオロエタン、2,2
−ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ)−ヘ
キサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノ−テ
トラフルオロフェノキシ)−テトラフルオロベンゼン、
2,6−ジアミノ−ヘキサフルオロナフタレン、2,6
−ジアミノ−オクタフルオロアントラセン、2,7−ジ
アミノ−オクタフルオロフェナントレン、2,6−ジア
ミノ−ヘキサフルオロビフェニレン、2,7−ジアミノ
−ヘキサフルオロジベンゾフラン、2,6−ジアミノ−
ヘキサフルオロアントラキノン、2,6−ジアミノ−オ
クタフルオロアントロン、2,7−ジアミノ−ヘキサフ
ルオロフェノキサチイン、2,7−ジアミノ−ヘキサフ
ルオロチアントレン、2,7−ジアミノ−テトラフルオ
ロジベンゾ[b,e]1,4−ジオキサン、等。
【0087】これらの化合物のうちテトラフルオロ−
1,3−フェニレンジアミン、テトラフルオロ−1,4
−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノ−オクタフ
ルオロ−ビフェニルは市販品として入手することができ
る。
【0088】その他の化合物は、例えば、I.L.クヌ
ニャンツら[I.L.Knunyants, G.G.
Yakobson,“Synthesis of Fl
uoroorganic Compounds”Spr
inger−Verlag,Berlin(198
5)]の合成方法、L.S.コブリナ[L.S.Kob
rina, G.G.Furin, G.G.Yako
bson, Zh.Obshch.Khim.38,5
14(1968)]の合成方法、G.G.フリンら
[G.G.Furin, S.A.Krupoder,
G.G.Yakobson, Izv.Sib.Ot
d.Akad.Nauk SSSR Ser.Khi
m.Nauk vyp.5 146(1976)]の合
成方法、Y.コバヤシら[Y.Kobayashi,
I.Kumadaki,Tetrahedron Le
tt.47,4095−4096(1969)]の合成
方法、F.E.ロジャースら[米国特許第3,356,
648号および同第3,959,350号明細書]の合
成方法等を同様にしてまたはこれらに準じて合成するこ
とができる。
【0089】全フッ素化ポリイミドの前駆体である全フ
ッ素化ポリアミド酸の製造方法は、一般的にはN−メチ
ル−4−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミドなどの極性有機溶媒中で
上記の全フッ素化テトラカルボン酸,その酸無水物もし
くは酸塩化物,エステル化物等の反応性誘導体と全フッ
素化ジアミンとを反応させることから成る。反応は、通
常、乾燥窒素雰囲気において、室温で7日以上行われ
る。ジアミンまた全フッ素化テトラカルボン酸二無水物
等とも単一化合物で用いるばかりではなく、複数の全フ
ッ素化ジアミン,全フッ素化テトラカルボン酸二無水物
等を混合して用いる場合がある。その場合は、複数また
は単一の全フッ素化ジアミンのモル数の合計と複数また
は単一の全フッ素化テトラカルボン酸二無水物等のモル
数の合計が等しいかほぼ等しくなるようにする。前述の
全フッ素化ポリアミド酸などの重合溶液において、その
溶液の濃度は5〜40重量%(10〜25重量%である
ことが好ましい)、また前記ポリマー溶液の回転粘度
(25℃)は、50〜500ポアズであることが好適で
ある。
【0090】全フッ素化ポリイミドのフィルム製造法と
しては、通常のポリイミドフィルムの製造法が使用でき
る。例えば全フッ素化ポリアミド酸溶液を、アルミ板上
にスピンコートし、窒素雰囲気下で70℃から350℃
まで段階的に加熱(70℃20時間、160℃1時間、
250℃30分、350℃1時間)し、イミド化する。
その後、このアルミ板を10%塩酸に浸しアルミ板を溶
解することによって、全フッ素化ポリイミドフィルムを
得ることができる。
【0091】
【実施例】以下、実施例により、全フッ素化ポリアミド
酸,全フッ素化ポリイミドの出発物質である本発明のペ
ルフルオロ芳香族化合物について詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0092】下記各例中、イミド化の確認は赤外吸収ス
ペクトルにおけるカルボニル基の対称、および非対称伸
縮振動による特性吸収から行った。また、光透過性は紫
外−可視吸収スペクトルを測定することで行った。
【0093】なお、参考例において全フッ素化ポリアミ
ド酸および全フッ素化ポリイミドの合成に用いた化合物
の略語と化学式を以下に示す。
【0094】10FEDA:1,4−ビス(3,4−ジ
カルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベ
ンゼン二無水物
【0095】
【化30】
【0096】P2FDA:1,4−ジフルオロピロメリ
ット酸二無水物
【0097】
【化31】
【0098】4FMPD:テトラフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン
【0099】
【化32】
【0100】4FPPD:テトラフルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン
【0101】
【化33】
【0102】8FODA:ビス(4−アミノ−テトラフ
ルオロフェニル)エーテル
【0103】
【化34】
【0104】8FSDA:ビス(4−アミノ−テトラフ
ルオロフェニル)スルフィド
【0105】
【化35】
【0106】なお、10FEDA,P2FDAは本発明
にかかる新規化合物である。
【0107】例1(実施例) ナス型フラスコに式(7)の1,4−ビス(3,4−ジ
カルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベ
ンゼン6.18g(10mmol)と無水酢酸20.4
g(0.2mol)を入れ、還流条件下で2時間反応を
行った。反応終了後、フラスコを放冷して内容物を室温
に戻した。析出した白色固体をろ過した後、乾燥して
5.25g[1,4−(3,4−ジカルボキシトリフル
オロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物とし
て収率90%]の生成物を得た。このものは赤外吸収ス
ペクトルにおいて、1,4−ビス(3,4−ジカルボキ
シトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンに
おいて現れていた2500cm-1から3700cm-1
カルボン酸の水酸基に基づく吸収および1750cm-1
近辺のカルボン酸のカルボニル基に基づく吸収が消失
し、かわりに1880cm-1と1790cm-1に酸無水
物特有のカルボニル基の吸収が現れた。また重ジメチル
スルホキシド(DMSO−d6 )を溶媒として用い、テ
トラメチルシラン(TMS)を内部基準としてプロトン
核磁気共鳴スペクトル( 1H−NMR)を測定した結
果、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロ
フェノキシ)テトラフルオロベンゼンで現れていたカル
ボン酸の水素に基づくシグナル(13.2ppm)が消
失し、シグナルは全く現れなかった。同様にDMSO−
6 を溶媒として用い、CFCl3 を内部基準としてフ
ッ素核磁気共鳴スペクトル(19F−NMR)を測定した
結果、4本のシグナルが観測され、その積分比は高磁場
側から4:2:2:2であった。また、元素分析におい
ては計算値が炭素;45.39%であるのに対し、実測
値は炭素;45.18%でありよく一致していた。以上
の結果から本反応で得られた化合物は目的の式(5)の
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)テト
ラフルオロベンゼン二無水物であることを確認した。
【0108】例2(実施例) ナス型フラスコに式(8)の1,4−ビス(3,4−ジ
シアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼ
ンを5.42g(10mmol)と80%硫酸10ml
を入れ、200℃で2時間反応を行った。反応終了後フ
ラスコを放冷して内容物を室温まで戻した。析出した白
色固体をろ過し、素早く純水で洗浄した後、乾燥して
5.06g[1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリ
フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物
として収率87%]の生成物を得た。例1と同様にして
生成物が目的とする式(5)の1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼン二無水物であることを確認した。
【0109】例3(実施例) ナス型フラスコに式(8)の1,4−ビス(3,4−ジ
シアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼ
ンを5.42g(10mmol)と60%硫酸を10m
l加え、150℃で15時間撹拌した。反応終了後フラ
スコを室温まで放置した後、析出した白色固体をろ過し
純水で十分洗浄した。真空下100℃で乾燥して、白色
生成物を5.62g[1,4−ビス(3,4−ジカルボ
キシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン
として収率91%]を得た。このものは赤外吸収スペク
トルにおいて、1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフ
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンにおいて現
れていたシアノ基に基づく2250cm-1の吸収が消失
し、かわりに2500cm-1から3700cm-1にかけ
てのカルボン酸の水酸基に基づく吸収および1750c
-1近辺にカルボン酸のカルボニル基に基づく吸収が新
たに現れた。また 1H−NMRでは重ジメチルスルホキ
シド中、TMSを内部標準として測定した結果13.2
ppmにカルボン酸の水素に基づくシグナルが現れた。
また19F−NMRではDMSO−d6中、CFCl3
内部標準として測定した結果、4本のシグナルが観測さ
れ、その積分比は高磁場側から4:2:2:2であっ
た。また、元素分析においては計算値が炭素;42.7
4%、水素;0.65%であるのに対し実測値は炭素;
42.50%、水素;0.63%であり、よく一致して
いた。以上の結果から本反応で得られた化合物は目的の
式(7)の1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフ
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンであること
が確認された。
【0110】例4(実施例) 三角フラスコに式(11)のテトラフルオロフタロニト
リルを4.0g(20mmol)と式(12)のテトラ
フルオロハイドロキノンを0.91g(5mmol)お
よびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を20m
l加えた。この混合物の入った三角フラスコを氷水浴中
に漬け混合物を0〜5℃に保った。この混合物にトリエ
チルアミン1.01g(10mmol)を10分間かけ
て滴下し、その温度で20分間撹拌した後、さらに室温
で30分間撹拌した。内容物を0.2リットルの希塩酸
中にあけたところ油状物質が下層に析出した。油状物質
を分離した後、水で洗浄し乾燥した。このものをメタノ
ールで再結晶し、1.12gの生成物[1,4−ビス
(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフ
ルオロベンゼンとして収率41%]を得た。このものは
赤外吸収スペクトルにおいて、2250cm-1にシアノ
基に基づく吸収が見られた。DMSO−d6 を溶媒とし
て用いTMSを内部基準として 1H−NMRを測定した
ところ、シグナルは全く観測されず、水素は存在しない
ことが明らかとなった。また、DMSO−d6 を溶媒と
して用いCFCl3 を内部基準として19F−NMRを測
定した結果、4本のシグナルが観測され、その積分比は
高磁場側から4:2:2:2であった。また元素分析に
おいては計算値が炭素;48.69%、窒素;10.3
3%であるのに対し、実測値は炭素;48.83%、窒
素;10.21%であり、よく一致していた。以上の結
果から本反応で得られた化合物は目的の式(8)の1,
4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)
テトラフルオロベンゼンであることが確認された。
【0111】例5(実施例) 三角フラスコに式(11)のテトラフルオロフタロニト
リルを40.0g(0.2mol)とN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)を0.1リットル加えた。この
混合物の入った三角フラスコを氷水浴中に漬け、混合物
を0〜5℃に保った。次にこの混合物に式(12a)の
テトラフルオロハイドロキノンの二ナトリウム塩11.
3g(0.05mol)を10分間かけて加えた。その
温度で20分間撹拌し、さらに室温で30分間撹拌し
た。その後の処理および生成物の固定は実施例4と同様
に行い、14.6g(収率54%)の式(8)の1,4
−(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラ
フルオロベンゼンを得た。
【0112】例6(参考例) ナス型フラスコに式(9)の1,4−ジフルオロピロメ
リット酸を2.90g(10mmol)と無水酢酸を1
0.2g(0.2mol)入れ、還流条件下で2時間反
応を行った。反応終了後フラスコを放冷して内容物を室
温まで戻した。析出した白色固体をろ過し、後乾燥して
1.82g(1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸と
して収率72%)の生成物を得た。このものは赤外吸収
スペクトルにおいて、1,4−ジフルオロピロメリット
酸において現れていた2500cm-1から3700cm
-1のカルボン酸の水酸基に基づく吸収および1750c
-1付近のカルボン酸のカルボニル基に基づく吸収が消
失し、かわりに1850cm-1と1800cm-1に酸無
水物特有のカルボニル基の吸収が現れた。DMSO−d
6 を溶媒として用いTMSを内部基準として 1H−NM
Rを測定したところ、シグナルは全く観測されず、水素
は存在しないことが明らかとなった。また、DMSO−
6 を溶媒として用いCFCl3 を内部基準として19
−NMRを測定した結果、−118.7ppmに一重線
が観測された。元素分析においては計算値が炭素;4
7.27%であるのに対し、実測値は炭素;47.38
%であり、よく一致していた。以上の結果から本反応で
得られた化合物は目的の式(6)の1,4−ジフルオロ
無水ピロメリット酸であることを確認した。
【0113】例7(参考例) ナス型フラスコに式(10)の1,4−ジフルオロテト
ラシアノベンゼンを2.14g(10mmol)と80
%硫酸10mlを入れ、200℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後フラスコを放冷して内容物を室温まで戻
した。析出した白色固体をろ過し、素早く純水で洗浄し
た後乾燥して1.89g(1,4−ジフルオロ無水ピロ
メリット酸として収率74%)の生成物を得た。例6と
同様にして生成物が目的とする式(6)の1,4−ジフ
ルオロ無水ピロメリット酸であることを確認した。
【0114】例8(参考例) ナス型フラスコに式(10)の1,4−ジフルオロテト
ラシアノベンゼンを10.88g(51mmol)と6
0%硫酸を125ml入れ、150℃で5時間撹拌し
た。室温まで放置した後析出した白色固体をろ過し、純
水で十分洗浄した。真空下100℃で乾燥して、白色生
成物を12.86g(1,4−ジフルオロピロメリット
酸として収率87%)を得た。このものは赤外吸収スペ
クトルにおいて、1,4−ジフルオロテトラシアノベン
ゼンにおいて現れていたシアノ基に基づく2250cm
-1の吸収が消失し、かわりに2500cm-1から370
0cm-1にカルボン酸の水酸基に基づく吸収および17
00cm-1近辺にカルボン酸のカルボニル基に基づく吸
収が新たに現れた。DMSO−d6 を溶媒として用いC
FCl3 を内部基準として19F−NMRを測定した結
果、−119.3ppmに一重線が観測された。また、
元素分析においては計算値が炭素;36.11%,水
素;1.52%であるのに対し、実測値は炭素;36.
26%、水素;1.48%であり、よく一致していた。
以上の結果から本反応で得られた化合物は目的の式
(9)の1,4−ジフルオロピロメリット酸であること
が確認された。
【0115】参考例1 三角フラスコに昇華精製された式(5)の酸無水物10
FEDA 11.644g(20.0mmol)と昇華
精製された式(21)の4FMPD 3.602g(2
0.0mmol)、およびN,N−ジメチルアセトアミ
ド(DMAc)86gを加えた。この溶液を窒素雰囲気
中、室温で7日間、撹拌し、全フッ素化ポリアミド酸の
DMAc溶液を得た。このものをアルミ板上にスピンコ
ートし、窒素雰囲気下で70℃で2時間、160℃で1
時間、250℃で30分、350℃で1時間加熱イミド
化を行った。この試料を10%塩酸水溶液に浸し、アル
ミ板を溶解してポリイミドフィルムを得た。このポリイ
ミドフィルムの赤外吸収スペクトルを測定したところ1
790cm-1にイミド基特有の吸収が現れ、イミド化が
完全に進行したことが確認できた。このポリイミドフィ
ルムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収スペ
クトルを測定し結果を図1に図示した。図1において縦
軸と横軸はそれぞれ吸光度(任意単位)と波長(μm)
を示す。図1の実線は参考例1の全フッ素化ポリイミ
ド、波線は参考比較例1のフッ素化ポリイミドにおける
それぞれの吸光度の波長依存性を示し一点鎖線はフィル
ム表面に付着した水分の影響のない全フッ素化ポリイミ
ドの吸光度を示す。図1に示すとおりフィルム表面に付
着した水分に由来するわずかな吸収以外にピークは全く
見られなかった。
【0116】参考例2〜8 上に化学式と略号を示した4種の酸無水物(20.0m
mol)と3種のジアミン(20.0mmol)からな
る12種の組合せのうち、参考例1の組合せを除いたす
べての組合せに対応する全フッ素化ポリアミド酸溶液お
よび全フッ素化ポリイミドを、参考例1と同様の方法に
より得た。それらを表1に参考例2〜8としてまとめ
る。これらのポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7
μmの範囲での光の吸収スペクトルを測定したところ、
参考例1と同様、フィルム表面に付着した水分に由来す
るわずかな吸収以外にピークは全く見られなかった。
【0117】
【表1】
【0118】参考比較例1 三角フラスコに、以下の構造式(25)を持つ2,2−
(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプ
ロパン二無水物(略称:6FDA)
【0119】
【化36】
【0120】8.885g(20.0mmol)と以下
の構造式(26)で示される2,2′−ビス(トリフル
オロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル(略称:
TFDB)
【0121】
【化37】
【0122】6.405g(20.0mmol)および
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)87gを加
え、以下参考例1と同様の方法でポリイミドフィルムを
得た。このポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7μ
mの範囲での光の吸収を測定したところ、図1の破線で
示すとおり、1.1μm付近にC−H結合の伸縮振動の
3倍音による吸収が、また1.4μm付近にはC−H結
合の伸縮振動の高調波と変角振動の結合音による吸収
が、また1.65μm付近ではC−H結合の伸縮振動の
2倍音による吸収が現れた。
【0123】これらの結果から、本発明のペルフルオロ
芳香族化合物に含まれる全フッ素化テトラカルボン酸も
しくはその酸二無水物または該ペルフルオロ芳香族化合
物に含まれる中間体から導かれた全フッ素化テトラフル
オロカルボン酸もしくはその酸二無水物を用いて製造さ
れた全フッ素化ポリイミドは従来のものと比較して、光
通信波長域での光透過損失率が極めて小さいことが明ら
かとなった。
【0124】参考例1〜8の全フッ素化ポリイミドおよ
び参考比較例1のフッ素化ポリイミドの化学構造は下記
の通りである。
【0125】参考例1 10FEDA/4FMPD
【0126】
【化38】
【0127】参考例2 10FEDA/4FPPD
【0128】
【化39】
【0129】参考例3 10FEDA/8FODA
【0130】
【化40】
【0131】参考例4 10FEDA/8FSDA
【0132】
【化41】
【0133】参考例5 P2FDA/4FMPD
【0134】
【化42】
【0135】参考例6 P2FDA/4FPPD
【0136】
【化43】
【0137】参考例7 P2FDA/8FODA
【0138】
【化44】
【0139】参考例8 P2FDA/8FSDA
【0140】
【化45】
【0141】参考比較例1 6FDA/TFDB
【0142】
【化46】
【0143】
【発明の効果】本発明のペルフルオロ芳香族化合物に含
まれる全フッ素化テトラカルボン酸化合物もしくはその
酸二無水物または該ペルフルオロ芳香族化合物に含まれ
る中間体から導かれる全フッ素化テトラカルボン酸もし
くはその酸二無水物を用いて製造される全フッ素化ポリ
イミドは従来の部分フッ素化ポリイミドと比較して光通
信波長域での光透過損失率が極めて少なくこれを主要構
成要素とするポリイミド光学材料は耐熱性と光通信波長
域における低光損失とを同時に有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミドにおける吸光度の波長依存性を示す
グラフであり、実線は参考例1の全フッ素化ポリイミ
ド、破線は参考比較例1のポリイミドの吸光度を示し、
一点鎖線は全フッ素化ポリイミドの吸光度から基板上に
付着した水分による吸収の影響を除いたものを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 79/08 C08L 79/08 (31)優先権主張番号 特願平3−106557 (32)優先日 平3(1991)4月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 山本 二三男 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 CHEMISCHE BERICHT E,1976,VOL.109,PP.2462− 2468 CHEMICAL ABSTRACT S,1966,VOL.65,16904A−E

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(5): 【化1】 で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリ
    フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
    物。
  2. 【請求項2】 下記式(7): 【化2】 で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリ
    フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン。
  3. 【請求項3】 下記式(8): 【化3】 で表わされる1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフル
    オロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン。
  4. 【請求項4】 請求項2中に記載の式(7)で表わされ
    る1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフ
    ェノキシ)テトラフルオロベンゼンを脱水することを特
    徴とする請求項1中に記載の式(5)で表わされる1,
    4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
    シ)テトラフルオロベンゼン二無水物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3中に記載の式(8)で表わされ
    る1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノ
    キシ)テトラフルオロベンゼンを硫酸中で加水分解と脱
    水反応を一段階で行うことを特徴とする請求項1中に記
    載の式(5)で表わされる1,4−ビス(3,4−ジカ
    ルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
    ゼン二無水物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3中に記載の式(8)で表わされ
    る1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノ
    キシ)テトラフルオロベンゼンを加水分解することを特
    徴とする請求項2中に記載の式(7)で表わされる1,
    4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
    シ)テトラフルオロベンゼンの製造方法。
  7. 【請求項7】 テトラフルオロフタロニトリルとテトラ
    フルオロハイドロキノンを塩基存在下に反応させること
    を特徴とする請求項3中に記載の式(8)で表わされる
    1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキ
    シ)テトラフルオロベンゼンの製造方法。
  8. 【請求項8】 テトラフルオロフタロニトリルとテトラ
    フルオロヒドロキノンの金属塩とを反応させることを特
    徴とする請求項3中に記載の式(8)で表わされる1,
    4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)
    テトラフルオロベンゼンの製造方法。
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