JP2851019B2 - 全フッ素化ポリイミド,全フッ素化ポリアミド酸およびそれらの製造方法 - Google Patents

全フッ素化ポリイミド,全フッ素化ポリアミド酸およびそれらの製造方法

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JP2851019B2
JP2851019B2 JP3235020A JP23502091A JP2851019B2 JP 2851019 B2 JP2851019 B2 JP 2851019B2 JP 3235020 A JP3235020 A JP 3235020A JP 23502091 A JP23502091 A JP 23502091A JP 2851019 B2 JP2851019 B2 JP 2851019B2
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慎治 安藤
松浦  徹
重邦 佐々木
二三男 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光電子集積回路(OEI
C)や光電子混載実装配線板における光導波路の光学材
料として使用可能な、近赤外光に対する透過損失の少な
いフッ素化ポリイミドおよびその前駆体(中間体)であ
るフッ素化ポリアミド酸ならびにそれらの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料は、無機系の材料に比
べて軽量であり、対衝撃性,加工性に優れ、取扱いが容
易であるなどの特徴を有しているため、これまでも光フ
ァイバーやレンズ、光ディスク用基板など様々な光学用
途に用いられてきた。プラスチックをOEICや光電子
混載実装配線板の光導波路など、光通信用の近赤外光を
透過させる媒体として用いる場合、無機系の材料と比較
してまず問題となるのは大きな光透過損失である。プラ
スチックにおける透過損失の原因には大きく分けて散乱
と吸収の2つがあるが、通信用途に用いられる光の波長
が今後、長波長域へ移る(0.85μmから1.0μm
〜1.7μmへ)に従って、後者の原因、つまり分子構
造に本質的な赤外振動の高調波吸収による損失が支配的
となり、プラスチックの光通信用途への適用が困難とな
ることが危惧されている。特にこれまで可視光用の光学
材料として広く用いられてきたポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)やポリスチレン(PS)は、分子鎖内に
2種類以上の炭素−水素結合(C−H結合)を有するた
め、その近赤外吸収スペクトルには、幅広で強度の大き
な吸収ピークが複数存在している。このC−H結合に起
因する高調波吸収を長波長側へシフトさせ強度を低減さ
せるには、重水素(D)あるいはフッ素(F)による分
子内水素の置換が効果的であることが示されており、す
でにPMMAやPS中の水素を重水素あるいはフッ素で
置換した材料について基礎的な検討がなされている[例
えば戒能俊邦、アプライド フィジクス レターズ(A
ppl.Phys.Lett.)第48巻(12)75
7頁1986年参照]。しかし、これらのプラスチック
光学材料は、例えばシリコン基板上でのOEIC作製に
必要なハンダ耐熱性(260℃)を持たないため、OE
IC等に使用するには作製工程上の種々の工夫が必要と
なる。
【0003】一方、ポリイミド樹脂は一般的な熱分解開
始温度が400℃以上とプラスチック中で最も高い耐熱
性を持つものの一つとして知られており、光学材料への
適用も最近検討され始めている[例えばH.Frank
e,J.D.Crow,SPIE vol.651 I
ntegrated Optical Circuit
Engineering III pp.102−1
07(1986)、C.T.サリバン,SPIE第99
4巻92頁1988年参照]。
【0004】また、透明性を改善した耐熱性材料として
ヘキサフルオロイソプロピリデン基を含有する含フッ素
ポリイミド樹脂コーティング材料[Anne K.S
t.Clair and Wayne S.Slem
p,SAMPE JournalJu1y/Augus
t pp.28−33(1985)]が検討され、光損
失を低減するためヘキサフルオロイソプロピリデン基を
主鎖に含有する含フッ素ポリイミド樹脂を用いた光導波
路[Rainer Reuter,HilmarFra
nke,and Claudius Feger,Ap
plied Optics,Vol.27,No.21
pp.4565−4571(1988)]が提案され
ている。
【0005】しかし、これまでに検討された含フッ素ポ
リイミドを含む全てのポリイミドは、分子鎖中に芳香族
環のC−H結合を有するため、近赤外域の吸収スペクト
ルにはC−H結合の伸縮振動の高調波あるいはC−H結
合の伸縮信号の高調波と変角振動の結合振動に由来する
ピークが存在している。このため、光通信波長域(1.
0μm〜1.7μm)の全域にわたって低い光損失が達
成されることがない。
【0006】そこでこれらの水素をすべて重水素あるい
はフッ素で置き換えることができれば光通信長域におけ
る吸収損失は大きく低減するはずである。しかし全重水
素化ポリイミドや全フッ素化ポリイミドはこれまでに合
成例が報告されていない。また、全重水素化はC−D結
合の3次高調波が1.5μm付近に存在するため、光通
信波長全域での吸収ピーク低減には不十分である。
【0007】従って、通信波長全域における高い光透過
性と耐熱性を同時に満足するプラスチック光学材料はこ
れまでに知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、種々の
既存のポリイミドおよびポリイミド光学材料について、
その赤外域、近赤外域の吸収スペクトルを測定し、近赤
外域での光損失を算出するとともに、その原因について
鋭意検討した。その結果、近赤外域で大きな光損失を引
き起こす原因の第一は、アルキル基や芳香族環等におけ
るC−H結合の伸縮振動の高調波と変角振動の結合音に
よる吸収であることが明らかとなった。
【0009】従って、本発明の一つの目的は、光電子集
積回路を作製するに十分な耐熱性があり、近赤外域光、
特に光通信波長域(1.0〜1.7μm)における光透
過損失の極めて少ないプラスチック光学材料として使用
可能な全フッ素化ポリイミドおよびその製造方法を提供
することにある。
【0010】本発明のさらに別の目的は、全フッ素化ポ
リイミドの前駆体である全フッ素化ポリアミド酸および
その製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に従
う全フッ素化ポリイミドは下記一般式(1):
【0012】下記一般式(1):
【化7】 (式中Rは4価の有機基、Rは2価の有機基を示
し、RおよびRに含まれる炭素と一価元素の化学結
合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表される繰り
返し単位を有する全フッ素化ポリイミドにおいてR
下記一般式(2)
【化8】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは単なる原子価
結合 −O−、−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、
−(ORf’)n−、−(Rf’O)n−、または−
(ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
す)を表す)あるいはRが下記一般式(3)
【化9】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは −O−、−
CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、−(OR
f’)n−、−(Rf’O)n−、または−(ORf’
O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
す)を表す)で表されるで構造であることを特徴とす
る。
【0013】本発明の第2の観点に従う全フッ素化ポリ
アミド酸は下記一般式(22):
【0014】下記一般式(4):
【化10】 (式中Rは4価の有機基、Rは2価の有機基を示
し、RおよびRに含まれる炭素と一価元素の化学結
合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表される繰り
返し単位を有する全フッ素化ポリアミド酸においてR
が下記一般式(2)
【化11】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは単なる原子価
結合 −O−、−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、
−(ORf’)n−、−(Rf’O)n−、または−
(ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
す)を表す)あるいはRが下記一般式(3)
【化12】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは −O−、
−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、−(OR
f’)n−、−(Rf’O)n−、または−(ORf’
O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
す)を表す)で表される構造であることを特徴とする。
【0015】本発明の第3の観点に従う全フッ素化ポリ
イミドの製造方法は下記一般式(4):
【0016】
【化13】 (式中Rは4価の有機基、Rは2価の有機基を示
し、RおよびRに含まれる炭素と一価元素の化学結
合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表される繰り
返し単位を有する全フッ素化ポリアミド酸においてR
が下記一般式(2)
【化14】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは単なる原子価
結合 −O−、−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、
−(ORf’)n−、−(Rf’O)n−、または−
(ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
す)を表す)あるいはRが下記一般式(3)
【化15】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは −O−、
−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、−(OR
f’)n−、−(Rf’O)n−、または−(ORf’
O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
す)を表す)で表される構造である全フッ素化ポリアミ
ド酸を閉環させることを特徴とする。
【0017】本発明の第4の観点に従う全フッ素化ポリ
アミド酸の製造方法は下記一般式(5):
【0018】
【化16】 (式中Rは4価の有機基を示し、それに含まれる炭素
と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含
む)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはそのテ
トラカルボン酸、もしくはその反応性誘導体と、下記一
般式(6)
【化17】 HN−R−NH (6) (式中Rは4価の有機基を示し、それに含まれる炭素
と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含
む)で表されるジアミンとを反応させる全フッ素化ポリ
アミド酸の製造方法においてRが下記一般式(2)
【化18】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは単なる原子価
結合 −O−、−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、
−(ORf’)n−、−(Rf’O)n−、または−
(ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
す)を表す)あるいはRが下記一般式(3):
【化19】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは−O−、−C
O−、−SO−、−S−、−Rf’−、−(OR
f’)n−、−(Rf’O)n−、または−(ORf’
O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
す)を表す)で表される構造であることを特徴とする。
【0019】なお、式(3)において、芳香族環の炭素
−炭素結合の間に結合しているように記載してあるもの
は、置換基の結合位置を特に限定していないことを示し
ている。
【0020】
【作用】本発明の全フッ素ポリイミドは芳香族環等の炭
素に結合するすべての一価元素を、例えば、フッ素、ペ
ルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルコキシ基等の
水素を持たない基のいずれかとし、繰り返し単位内にC
−H結合を全く持たない構造とすることによって、近赤
外域での最大の光損失原因であるC−H結合に基づく振
動吸収を無くし、またイミド結合を主鎖構造に導入して
ポリイミドとすることによって、光電子集積回路を作製
する上での十分な耐熱性(260℃以上)を持たせてい
る。このため、本発明の全フッ素化ポリイミドは従来の
ものと比較して、光通信波長域(波長:1.0〜1.7
μm)での光透過損失率が極めて小さい。
【0021】全フッ素化ポリイミドの一般的な特徴とし
ては耐熱性,近赤外域における光透過性の他に、低誘電
率、低屈折率、低吸水性、撥水・撥油性、低摩耗性、高
酸素透過性、溶媒溶解性などが考えられる。よってこれ
らの特徴を生かした電気、電子材料、膜材料、繊維材
料、摺動材料などへの適用も可能である。
【0022】本発明の式(1)〜式(6)に表される全
フッ素化ポリイミド、全フッ素化ポリアミド酸、全フッ
素化酸二無水物、全フッ素化ジアミン中のRfにおい
て、ペルフルオロアルキル基としては、好ましくは炭素
数1〜4を有するものであり、トリフルオロメチル基、
ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、
ノナフルオロブチル基等が例示される。
【0023】ペルフルオロアルコキシ基としては、好ま
しくは炭素数1〜4をのものであり、トリフルオロメト
キシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプ
ロポキシ基、ノナフルオロブトキシ基等が例示される。
【0024】また、式(1)〜式(6)中のXまたはY
としてのペルフルオロアルキレン基としては、好ましく
は炭素数1〜4であり、ジフルオロメチレン基、テトラ
フルオロエチレン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン
基、オクタフルオロブチレン基等が例示される。
【0025】ペルフルオロアリーレン基としてはテトラ
フルオロフェニレン基、オクタフルオロビフェニレン基
等が例示される。
【0026】本発明の全フッ素化ポリイミドは、その前
駆体の全フッ素化ポリアミド酸を加熱閉環することによ
って調製できる。この加熱処理は通常空気中好ましくは
窒素雰囲気中70〜350℃で2〜5時間加熱すること
により行う。好ましい条件は窒素雰囲気中70℃で2時
間、160℃で1時間、250℃で30分、300℃で
1時間である。
【0027】前駆体として使用される全フッ素化ポリア
ミド酸は新規化合物であり、全フッ素化テトラカルボン
酸二無水物またはそのテトラカルボン酸、あるいはその
塩化物またはエステル化物と、全フッ素化ジアミンとを
反応させることによって調製される。
【0028】本発明の全フッ素化ポリイミドの前駆体で
ある全フッ素化ポリアミド酸を製造する時に使用するテ
トラカルボン酸二無水物またはテトラカルボン酸、ある
いはその塩化物またはエステル化物は、分子内の炭素に
結合する一価元素あるいは一価の官能基のすべてを、例
えば、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロ
アルコキシ基等のC−H結合を全く含まない基のいずれ
かとしたものから選択して用いることができる。例え
ば、テトラカルボン酸ならびに酸無水物、酸塩化物、エ
ステル化物等としては次のようなものが挙げられる。
【0029】 1,4−ジフルオロピロメリット酸、 1−トリフルオロメチル−4−フルオロピロメリット
酸、 1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、 1,4−ジ(ペンタフルオロエチル)ピロメリット酸、 1−トリフルオロメトキシ−4−フルオロピロメリット
酸、 1−トリフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチルピ
ロメリット酸、 1−トリフルオロメトキシ−4−ペンタフルオロエチル
ピロメリット酸、 1,4−ジ(トリフルオロメトキシ)ピロメリット酸、 1−ペンタフルオロエトキシ−4−フルオロピロメリッ
ト酸、 1−ペンタフルオロエトキシ−4−トリフルオロメチル
ピロメリット酸、 1−ペンタフルオロエトキシ−4−ペンタフルオロエチ
ルピロメリット酸、 1−ペンタフルオロエトキシ−4−トリフルオロメトキ
シピロメリット酸、 1,4−ジ(ペンタフルオロエトキシ)ピロメリット
酸、 ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸、 ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルエー
テルテトラカルボン酸、 ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ペンゾフェノン
テトラカルボン酸、 ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ス
ルホン、 ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ス
ルフィド、 ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル)ジ
フルオロメタン、 1,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ニル)テトラフルオロエタン、 2,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、 1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ニル)テトラフルオロベンゼン、 3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニル−3’,
4’−ジカルボキシトリフルオロフェノキシジフルオロ
メタン、 ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)
ジフルオロメタン、1,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロエタン、 2,2−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)ヘキサフルオロプロパン、 1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼン、等;対応する酸二無
水物;対応する酸塩化物;対応するエステル化物、例え
ばメチルエステル,エチルエステル等。
【0030】これらのうち好ましいのは1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テト
ラフルオロベンゼンニ無水物、1,4−ジフルオロピロ
メリット酸二無水物、1,4−ビス(トリフルオロメチ
ル)ピロメリット酸二無水物である。
【0031】この中でピロメリット酸二無水物のベンゼ
ン環にペルフルオロアルキル基を導入した全フッ素化酸
二無水物である1,4−ジ(トリフルオロメチル)ピロ
メリット酸二無水物、1,4−ジ(ペンタフルオロエチ
ル)ピロメリット酸二無水物等の製造方法は特開平2−
15084号に記載されている。
【0032】その他の化合物も例えばブランデリクら
(アメリカ化学会高分子予稿集第28巻1号88−89
頁1987年)[D.Brandelik, W.A.
Feld, ACS Polymer Preprin
t,28(1),88−89(1987)]の合成方
法、F.E.ロジェースら[米国特許第3,356,6
48号および同第3,959,350号明細書]の合成
方法、J.P.クリッチレーら[J.P.Critch
ley, P.A.Granttan, M.A.wh
ite, J.S.Pippett, J.Poly
m.Sci.A−1,10,1789−1807(19
72)]の合成方法等あるいは後記実施例に示した1,
4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)テトラフルオロベンゼン二無水物の製造方法と同様
の方法またはそれらに準じて合成することができる。
【0033】また本発明に用いることのできるジアミン
の例としては、アミノ基を除き分子内の炭素に結合する
一価元素あるいは一価の官能基のすべてを、例えば、フ
ッ素、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルコキ
シ基等のC−H結合をまったく含まない基のいずれかと
したものから選択して用いることができ、次のようなも
のが挙げられる。
【0034】 テトラフルオロ−1,2−フェニレンジアミン、 テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、 テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、 3−トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,2−フェ
ニレンジアミン、 4−トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,2−フェ
ニレンジアミン、 2−トリフルオロメチルートリフルオロ−1,3−フェ
ニレンジアミン、 4−トリフルオロメチルートリフルオロ−1,3−フェ
ニレンジアミン、 5−トリフルオロメチルートリフルオロ−1,3−フェ
ニレンジアミン、 2−トリフルオロメチル−トリフルオロ−1,4−フェ
ニレンジアミン、 3,4−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−
1,2−フェニレンジアミン、 3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−
1,2−フェニレンジアミン、 2,4−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−
1,3−フェニレンジアミン、 4,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−
1,3−フェニレンジアミン、 4,6−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−
1,3−フェニレンジアミン、 2,3−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−
1,4−フェニレンジアミン、 2,5−ビス(トリフルオロメチル)−ジフルオロ−
1,4−フェニレンジアミン、 3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ
−1,2−フェニレンジアミン、 3,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ
−1,2−フェニレンジアミン、 2,4,5−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ
−1,3−フェニレンジアミン、 2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ
−1,3−フェニレンジアミン、 4,5,6−トリス(トリフルオロメチル)−フルオロ
−1,3−フェニレンジアミン、 テトラキス(トリフルオロメチル)−1,2−フェニレ
ンジアミン、 テトラキス(トリフルオロメチル)−1,3−フェニレ
ンジアミン、 テトラキス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレ
ンジアミン、 3−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,2−フ
ェニレンジアミン、 4−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,2−フ
ェニレンジアミン、 2−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、 4−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、 5−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、 2−ペンタフルオロエチル−トリフルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン、 3−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,2−フ
ェニレンジアミン、 4−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,2−フ
ェニレンジアミン、 2−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、 4−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、 5−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、 2−トリフルオロメトキシ−トリフルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン、 3,3’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニル、 3,4’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニル、 4,4’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニル、 2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジ
アミノヘキサフルオロビフェニル 3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジ
アミノヘキサフルオロビフェニル、 ビス(3−アミノ−テトラフルオロフェニル)エーテ
ル、 3,4’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニルエーテ
ル、 ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェニル)エーテ
ル、 3,3’−ジアミノ−オクタフルオロベンゾフェノン、 3,4’−ジアミノ−オクタフルオロベンゾフェノン、 4,4’−ジアミノ−オクタフルオロベンゾフェノン、 ビス(3−アミノ−テトラフルオロフェニル)スルホ
ン、 3,4’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニルスルホ
ン、 ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェニル)スルホ
ン、 ビス(3−アミノ−テトラフルオロフェニル)スルフィ
ド、 3,4’−ジアミノ−オクタフルオロビフェニルスルフ
ィド、 ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェニル)スルフィ
ド、 ビス(4−アミノテトラフルオロフェニル)ジフルオロ
メタン、 1,2−ビス(4−アミノテトラフルオロフェニル)テ
トラフルオロエタン、 2,2−ビス(4−アミノテトラフルオロフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、 4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ−4’−アミノ
−テトラフルオロフェニル−ジフルオロメタン、 ビス(4−アミノ−テトラフルオロフェノキシ)−ジフ
ルオロメタン、等。
【0035】これらの化合物のうちテトラフルオロ−
1,3−フェニレンジアミン、テトラフルオロ−1,4
−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノ−オクタフ
ルオロ−ビフェニルは市販品として入手することができ
る。
【0036】その他の化合物は、例えば、I.L.クヌ
ニャンツら[I.L.Knunyants, G.G.
Yakobson,“Synthesis of Fl
uoroorganic Compounds”Spr
inger−Verlag,Berlin(198
5)]の合成方法、L.S.コブリナ[L.S.Kob
rina, G. G.Furin, G.G.Yak
obson, Zh.Obshch.Khim.38,
514(1968)]の合成方法、G.G.フリンら
[G.G.Furin, S.A. Krupode
r, G.G.Yakobson, Izv.Sib.
Otd.Akad.Nauk SSSR Ser.Kh
im.Nauk vyp.5 146(1976)]の
合成方法、Y.コバヤシら[Y.Kobayashi,
I.Kumadaki,Tetrahedron L
ett.47,4095−4096(1969)]の合
成方法、F.E.ロジャースら[米国特許第3,35
6,648号および同第3,959,350号明細書]
の合成方法等を同様にしてまたはこれに準じて合成する
ことができる。
【0037】本発明に使用する全フッ素化ポリイミドの
前駆体である全フッ素化ポリアミド酸の製造方法は、一
般的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの
極性有機溶媒中で上記の全フッ素化テトラカルボン酸,
その酸無水物もしくは酸塩化物,エステル化物等と全フ
ッ素化ジアミンとを反応させることから成る。反応は、
通常、乾燥窒素雰囲気において、室温で7日以上行われ
る。本発明においてはジアミンまた全フッ素化テトラカ
ルボン酸二無水物等とも単一化合物で用いるばかりでは
なく、複数の全フッ素化ジアミン、全フッ素化テトラカ
ルボン酸二無水物等を混合して用いる場合がある。その
場合は、複数または単一の全フッ素化ジアミンのモル数
の合計と複数または単一の全フッ素化テトラカルボン酸
二無水物等のモル数の合計が等しいかほぼ等しくなるよ
うにする。前述の全フッ素化ポリアミド酸などの重合溶
液において、その溶液の濃度は5〜40重量%(10〜
25重量%であることが好ましい)、また前記ポリマー
溶液の回転粘度(25℃)は、50〜500ポアズであ
ることが好適である。
【0038】本発明の全フッ素化ポリイミドを調製する
のに使用される出発物質のうち、例えば、下記一般式
(7)
【0039】
【化20】
【0040】(式中Rは下記式(8)または(9)
【0041】
【化21】
【0042】で表わされる四価のペルフルオロ芳香族基
を示し;4個のRはすべてカルボキシル基を表わす
か、またはすべてシアノ基を示し、あるいは二組の隣接
する2個のR同士が結合してそれぞれ下式(10)
【0043】
【化22】
【0044】で表わされる二価の基を示し、Rがすべ
てシアノ基を示すときはRは式(9)で表わされる基
のみを示す)で表わされるペルフルオロ芳香族化合物は
新規化合物である。上記一般式(7)のペルフルオロ芳
香族化合物には1,4−ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物、1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸、1,4−
ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テト
ラフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロピロメリット
酸、1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼンが含まれる。これらの
化合物は下記の反応工程式−1または−2に従って合成
される。
【0045】反応工程式−1:
【0046】
【化23】
【0047】反応工程式−2:
【0048】
【化24】
【0049】すなわち反応工程式−1において、式(1
4)のテトラフルオロフタロニトリルと式(15)のテ
トラフルオロヒドロキノン(または式(15a)のその
金属塩、例えばナトリウム塩等)を塩基(トリメチルア
ミン等)の存在下に反応(極性溶媒中0〜5℃で30分
間)させることにより、式(13)の1,4−ビス
(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフ
ルオロベンゼンを得る。これを加水分解(60%硫酸
中、150℃で15時間)することにより式(12)の
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼンを得る。生成物を脱水
(無水酢酸中、還流条件下、2時間)して、式(11)
の1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフ
ェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物を得る。式
(13)の1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオ
ロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンを80%硫酸中
で加熱(200℃、2時間)することにより一段階で加
水分解と脱水を行い、式(11)の1,4−ビス(3,
4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフル
オロベンゼン二無水物を合成することもできる。
【0050】上記反応工程式−2において、式(18)
の1,4−ジフルオロテトラシアノベンゼンを加水分解
(60%硫酸中、150℃で15時間)して式(17)
の1,4−ジフルオロピロメリット酸を得る。これを脱
水(無水酢酸中、還流条件下、2時間)して、式(1
6)の1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸を合成す
る。式(18)の1,4−ジフルオロテトラシアノベン
ゼンを80%硫酸中で加熱(200℃で2時間)するこ
とにより一段階で加水分解と脱水を行って式(16)の
1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸を合成してもよ
い。
【0051】本発明にかかる全フッ素化ポリイミドのフ
ィルム製造法としては、通常のポリイミドフィルムの製
造法が使用できる。例えば全フッ素化ポリアミド酸溶液
を、アルミ板上にスピンコートし、窒素雰囲気下で70
℃から350℃まで段階的に加熱(70℃2時間、16
0℃1時間、250℃30分、350℃1時間)し、イ
ミド化する。その後、このアルミ板を10%塩酸に浸し
アルミ板を溶解することによって、全フッ素化ポリイミ
ドフィルムを得ることができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明の全フッ素化ポリ
アミド酸,全フッ素化ポリイミドおよびそれらの出発物
質について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0053】下記各例中、イミド化の確認は赤外吸収ス
ペクトルにおけるカルボニル基の対称、および非対称伸
縮振動による特性吸収から行った。また、光透過性は紫
外−可視吸収スペクトルを測定することで行った。
【0054】なお、実施例において全フッ素化ポリアミ
ド酸および全フッ素化ポリイミドの合成に用いた化合物
の略語と化学式を以下に示す。
【0055】10FEDA:1,4−ビス(3,4−ジ
カルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベ
ンゼン二無水物
【0056】
【化25】
【0057】P2FDA:1,4−ジフルオロピロメリ
ット酸二無水物
【0058】
【化26】
【0059】P6FDA:1,4−ビス(トリフルオロ
メチル)ピロメリット酸二無水物
【0060】
【化27】
【0061】4FMPD:テトラフルオロ−1,3フェ
ニレンジアミン
【0062】
【化28】
【0063】4FPPD:テトラフルオロ−1,4−フ
ェニレンジアミン
【0064】
【化29】
【0065】8FODA:ビス(4−アミノ−テトラフ
ルオロフェニル)エーテル
【0066】
【化30】
【0067】8FSDA:ビス(4−アミノ−テトラフ
ルオロフェニル)スルフィド
【0068】
【化31】
【0069】なお、10FEDA,P2FDAは本発明
にかかる新物質である。
【0070】実施例1 三角フラスコに昇華精製された式(11)の酸無水物1
0FEDA 11.644g(20.0mmol)と昇
華精製された式(19)の4FMPD 3.602g
(20.0mmol)、およびN,N−ジメチルアセト
アミド(DMAc)86gを加えた。この溶液を窒素雰
囲気中、室温で7日間、撹拌し、全フッ素化ポリアミド
酸のDMAc溶液を得た。このものをアルミ板上にスピ
ンコートし、窒素雰囲気下で70℃で2時間、160℃
で1時間、250℃で30分、350℃で1時間加熱イ
ミド化を行った。この資料を10%塩酸水溶液に浸し、
アルミ板を溶解してポリイミドフィルムを得た。このポ
リイミドフィルムの赤外吸収スペクトルを測定したとこ
ろ1790cm−1にイミド基特有の吸収が現れ、イミ
ド化が完全に進行したことが確認できた。このポリイミ
ドフィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸
収スペクトルを測定し結果を図1に図示した。図1にお
いて縦軸と横軸はそれぞれ吸光度(任意単位)と波長
(μm)を示す。図1の実線は実施例1の全フッ素化ポ
リイミド、波線は比較例1のフッ素化ポリイミドにおけ
るそれぞれの吸光度の波長依存性を示し一点鎖線はフィ
ルム表面に付着した水分の影響のない全フッ素化ポリイ
ミドの吸光度を示す。図1に示すとおりフィルム表面に
付着した水分に由来するわずかな吸収以外にピークは全
く見られなかった。図1は、全フッ素化ポリイミドの吸
光度は測定器の測定限度に近いので、絶対値を定量的に
算定するためのものでなく主に吸収のピーク有無を見る
ものである。ここで、例えば、波長1.1μmにおいて
比較例1のフッ素化ポリイミドがフッ素化処理をしない
ポリイミドに比較して約10倍光透過特性が良いとする
と、作用の項で述べたことから、本発明の全フッ素化ポ
リイミドの光透過特性は、比較例1のフッ素化ポリイミ
ドに比較して、3桁程度向上することになる。
【0071】実施例2〜8 上に化学式と略号を示した4種の酸無水物(20.0m
mol)と3種のジアミン(20.0mmol)からな
る12種の組合せのうち、実施例1の組合せを除いたす
べての組合せに対応する全フッ素化ポリアミド酸溶液お
よび全フッ素化ポリイミドを、実施例1と同様の方法に
より得た。それらを表1に実施例2〜8としてまとめ
る。これらのポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7
μmの範囲での光の吸収スペクトルを測定したところ、
実施例1と同様、フィルム表面に付着した水分に由来す
るわずかな吸収以外にピークは全く見られなかった。な
お、本実施例ではRf1〜Rf18がフッ素と炭素数が
1のペルフルオロアルキル基の例を示したが、炭素数が
2〜6のペルフルオロアルキル基およびペルフルオロア
ルコキシ基(炭素数が1〜6)についても、基本化学構
造が同じで1価の結合がC−F結合のみなので、これら
についても同様の特性が期待できる。また、Xについて
は−O−と−S−の実施例、Yについては−O−の実施
例を示したが、−CO−、−SO2−、−Rf’−、
(Rf’はペルフルオロアルキレン基(炭素数が1〜1
0)またはペルフルオロアリーレン基(炭素数が6また
は12))についても、基本化学構造が類似しているの
で、これらについても同様の特性が期待できる。
【0072】
【表1】 実施例2〜8で用いた酸無水物およびジアミンの種類お
よび
【0073】比較例1 三角フラスコに、以下の構造式(23)を持つ2,2−
(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプ
ロパン二無水物(略称:6FDA)
【0074】
【化32】
【0075】8.885g(20.0mmol)と以下
の構造式(24)で示される2,2’−ビス(トリフル
オロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(略称:
TFDB)
【0076】
【化33】
【0077】6.405g(20.0mmol)および
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)87gを加
え、以下実施例1と同様の方法でポリイミドフィルムを
得た。このポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7μ
mの範囲での光の吸収を測定したところ、図1の破線で
示すとおり、1.1μm付近にC−H結合の伸縮振動の
3倍音による吸収が、また1.4μm付近にはC−H結
合の伸縮振動の高調波と変角振動の結合音による吸収
が、また1.65μm付近ではC−H結合の伸縮振動の
2倍音による吸収が現れた。
【0078】これらの結果から、本発明の全フッ素化ポ
リイミドは従来のものと比較して、光通信波長域での光
透過損失率が極めて小さいことが明らかとなった。
【0079】実施例1〜8の全フッ素化ポリイミドおよ
び比較例1のフッ素化ポリイミドの化学構造は下記の通
りである。
【0080】 実施例1 10FEDA/4FMPD
【0081】
【化34】
【0082】 実施例2 10FEDA/4FPPD
【0083】
【化35】
【0084】 実施例3 10FEDA/8FODA
【0085】
【化36】
【0086】 実施例4 10FEDA/8FSDA
【0087】
【化37】
【0088】 実施例5 P2FDA/8FODA
【0089】
【化38】
【0090】 実施例6 P2FDA/8FSDA
【0091】
【化39】
【0092】 実施例7 P6FDA/8FODA
【0093】
【化40】
【0094】 実施例8 P6FDA/8FSDA
【0095】
【化41】
【0096】 比較例1 6FDA/TFDB
【0097】
【化42】
【0098】参考例1 ナス型フラスコに式(12)の1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼン6.18g(10mmol)と無水酢酸20.
4g(0.2mol)を入れ、還流条件下で2時間反応
を行った。反応終了後、フラスコを放冷して内容物を室
温に戻した。析出した白色固体をろ過した後、乾燥して
5.25g[1,4−(3,4−ジカルボキシトリフル
オロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物とし
て収率90%]の生成物を得た。このものは赤外吸収ス
ペクトルにおいて、1,4−ビス(3,4−ジカルボキ
シトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンに
おいて現れていた2500cm−1から3700cm−
1のカルボン酸の水酸基に基づく吸収および1750c
m−1近辺のカルボン酸のカルボニル基に基づく吸収が
消失し、かわりに1880cm−1と1790cm−1
に酸無水物特有のカルボニル基の吸収が現れた。また重
ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)を溶媒として
用い、テトラメチルシラン(TMS)を内部基準として
プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定
した結果、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフ
ルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンで現れてい
たカルボン酸の水素に基づくシグナル(13.2pp
m)が消失し、シグナルは全く現れなかった。同様にD
MSO−d6を溶媒として用い、CFClを内部基準
としてフッ素核磁気共鳴スペクトル(19F−NMR)
を測定した結果、4本のシグナルが観測され、その積分
比は高磁場側から4:2:2:2であった。また、元素
分析においては計算値が炭素;45.39%であるのに
対し、実測値は炭素;45.18%でありよく一致して
いた。以上の結果から本反応で得られた化合物は目的の
式(11)の1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物であることを
確認した。
【0099】参考例2 ナス型フラスコに式(13)の1,4−ビス(3,4−
ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼンを5.42g(10mmol)と80%硫酸10m
lを入れ、200℃で2時間反応を行った。反応終了後
フラスコを放冷して内容物を室温まで戻した。析出した
白色固体をろ過し、素早く純水で洗浄した後、乾燥して
5.06g[1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリ
フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物
として収率87%]の生成物を得た。実施例13と同様
にして生成物が目的とする式(11)の1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テト
ラフルオロベンゼン二無水物であることを確認した。
【0100】参考例3 ナス型フラスコに式(13)の1,4−ビス(3,4−
ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼンを5.42g(10mmol)と60%硫酸を10
ml加え、150℃で15時間撹拌した。反応終了後フ
ラスコを室温まで放置した後、析出した白色固体をろ過
し純水で十分洗浄した。真空下100℃で乾燥して、白
色生成物を5.62g[1,4−ビス(3,4−ジカル
ボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼ
ンとして収率91%]を得た。このものは赤外吸収スペ
クトルにおいて、1,4−ビス(3,4−ジシアノトリ
フルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンにおいて
現れていたシアノ基に基づく2250cm−1の吸収が
消失し、かわりに2500cm−1から3700cm−
1にかけてのカルボン酸の水酸基に基づく吸収および1
750cm−1近辺にカルボン酸のカルボニル基に基づ
く吸収が新たに現れた。また1H−NMRでは重ジメチ
ルスルホキシド中、TMSを内部標準として測定した結
果13.2ppmにカルボン酸の水素に基づくシグナル
が現れた。また19F−NMRではDMSO−d6中、
CFClを内部標準として測定した結果、4本のシグ
ナルが観測され、その積分比は高磁場側から4:2:
2:2であった。また、元素分析においては計算値が炭
素;42.74%、水素;0.65%であるのに対し実
測値は炭素;42.50%、水素;0.63%であり、
よく一致していた。以上の結果から本反応で得られた化
合物は目的の式(12)の1,4−ビス(3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベン
ゼンであることが確認された。
【0101】参考例4 三角フラスコに式(14)のテトラフルオロフタロニト
リルを4.0g(20mmol)と式(15)のテトラ
フルオロハイドロキノンを0.91g(5mmol)お
よびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を20m
l加えた。この混合物の入った三角フラスコを氷水浴中
に漬け混合物を0〜5℃に保った。この混合物にトリエ
チルアミン1.01g(10mmol)を10分間かけ
て滴下し、その温度で20分間撹拌した後、さらに室温
で30分間撹拌した。内容物を0.2リットルの希塩酸
中にあけたところ油状物質が下層に析出した。油状物質
を分離した後、水で洗浄し乾燥した。このものをメタノ
ールで再結晶し、1.12gの生成物[1,4−ビス
(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラフ
ルオロベンゼンとして収率41%]を得た。このものは
赤外吸収スペクトルにおいて、2250cm−1にシア
ノ基に基づく吸収が見られた。DMSO−d6を溶媒と
して用いTMSを内部基準として1H−NMRを測定し
たところ、シグナルは全く観測されず、水素は存在しな
いことが明らかとなった。また、DMSO−d6を溶媒
として用いCFClを内部基準として19F−NMR
を測定した結果、4本のシグナルが観測され、その積分
比は高磁場側から4:2:2:2であった。また元素分
折においては計算値が炭素;48.69%、窒素;1
0.33%であるのに対し実測値は炭素;48.83
%、窒素;10.21%であり、よく一致していた。以
上の結果から本反応で得られた化合物は目的の式(1
3)の1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフ
ェノキシ)テトラフルオロベンゼンであることが確認さ
れた。
【0102】参考例5 三角フラスコに式(14)のテトラフルオロフタロニト
リルを40.0g(0.2mol)とN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)を0.1リットル加えた。この
混合物の入った三角フラスコを氷水浴中に漬け、混合物
を0〜5℃に保った。次にこの混合物に式(15a)の
テトラフルオロハイドロキノンのニナトリウム塩11.
3g(0.05mol)を10分間かけて加えた。その
温度で20分間撹拌し、さらに室温で30分間撹拌し
た。その後の処理および生成物の固定は参考例4と同様
に行い、14.6g(収率54%)の式(13)の1,
4−(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テト
ラフルオロベンゼンを得た。
【0103】参考例6 ナス型フラスコに式(17)の1,4−ジフルオロピロ
メリット酸を2.90g(10mmol)と無水酢酸1
0.2g(0.2mol)を入れ、還流条件下で2時間
反応を行った。反応終了後フラスコを放冷して内容物を
室温まで戻した。析出した白色固体をろ過し、後乾燥し
て1.82g(1,4−ジフルオロ無水ピロメリット酸
として収率72%)の生成物を得た。このものは赤外吸
収スペクトルにおいて、1,4−ジフルオロピロメリッ
ト酸において現れていた2500cm−1から3700
cm−1のカルボン酸の水酸基に基づく吸収および17
50cm−1付近のカルボン酸のカルボニル基に基づく
吸収が消失し、かわりに1850cm−1と1800c
m−1に酸無水物特有のカルボニル基の吸収が現れた。
DMSO−d6を溶媒として用いTMSを内部基準とし
て1H−NMRを測定したところ、シグナルは全く観測
されず、水素は存在しないことが明らかとなった。ま
た、DMSO−d6を溶媒として用いCFClを内部
基準として19F−NMRを測定した結果、−118.
7ppmに一重線が観測された。元素分析においては計
算値が炭素;47.27%であるのに対し、実測値は炭
素;47.38%であり、よく一致していた。以上の結
果から本反応で得られた化合物は目的の式(16)の
1,4−ジフルオロ無水ピロメリットであることを確認
した。
【0104】参考例7 ナス型フラスコに式(18)の1,4−ジフルオロテト
ラシアノベンゼンを2.14g(10mmol)と80
%硫酸10mlを入れ、200℃で2時間反応を行っ
た。反応終了後フラスコを放冷して内容物を室温まで戻
した。析出した白色固体をろ過し、素早く純水で洗浄し
た後乾燥して1.89g(1,4−ジフルオロ無水ピロ
メリット酸として収率74%)の生成物を得た。実施例
18と同様にして生成物が目的とする式(16)の1,
4−ジフルオロ無水ピロメリット酸であることを確認し
た。
【0105】参考例8 ナス型フラスコに式(18)の1,4−ジフルオロテト
ラシアノベンゼンを10.88g(51mmol)と6
0%硫酸を125ml入れ、150℃で5時間撹拌し
た。室温まで放置した後析出した白色固体をろ過し、純
水で十分洗浄した。真空下100℃で乾燥して、白色生
成物を12.86g(1,4−ジフルオロピロメリット
酸として収率87%)を得た。このものは赤外吸収スペ
クトルにおいて、1,4−ジフルオロテトラシアノベン
ゼンにおいて現れていたシアノ基に基づく2250cm
−1の吸収が消失し、かわりに2500cm−1から3
700cm−1にカルボン酸の水酸基に基づく吸収およ
び1700cm−1近辺のカルボン酸のカルボニル基に
基づく吸収が新たに現れた。DMSO−d6を溶媒とし
て用いCFClを内部基準として19F−NMRを測
定した結果、−119.3ppmに一重線が観測され
た。また、元素分析においては計算値が炭素;36.1
1%,水素;1.52%であるのに対し、実測値は炭
素;36.26%、水素;1.48%であり、よく一致
していた。以上の結果から本反応で得られた化合物は目
的の式(17)の1,4−ジフルオロピロメリット酸で
あることが確認された。
【0106】
【発明の効果】本発明の全フッ素化ポリイミドは従来の
ものと比較して光通信波長域での光透過損失率が極めて
少なくこれを主構成要素とするポリイミド光学材料は耐
熱性と光通信波長領域における低光損失とを同時に有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミドにおける吸光度の波長依存性を示す
グラフであり、実線は実施例1の全フッ素化ポリイミ
ド、破線は比較例1のポリイミドの吸光度を示し、一点
鎖線は全フッ素化ポリイミドの吸光度から基板上に付着
した水分による吸収の影響を除いたものを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−106557 (32)優先日 平3(1991)4月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 佐々木 重邦 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 山本 二三男 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−189122(JP,A) 特開 昭61−60725(JP,A) 特開 昭62−127827(JP,A) 特開 平1−118527(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1): 【化1】 (式中Rは4価の有機基、Rは2価の有機基を示
    し、RおよびRに含まれる炭素と一価元素の化学結
    合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表される繰り
    返し単位を有する全フッ素化ポリイミドにおいてR1が
    下記一般式(2) 【化2】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
    フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
    はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは単なる原子価
    結合 −O−、−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、
    −(ORf’)n−、−(Rf’O)n−、または−
    (ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
    す)を表す)で表される構造であることを特徴とする全
    フッ素化ポリイミド。
  2. 【請求項2】上記一般式(1)(式中Rは4価の有機
    基、Rは2価の有機基を示し、RおよびRに含ま
    れる炭素と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合
    のみを含む)で表される繰り返し単位を有する全フッ素
    化ポリイミドにおいてRが下記一般式(3) 【化3】 (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
    フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
    はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは −O−、−
    CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、−(OR
    f’)n−、−(Rf’O)n−、または−(ORf’
    O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
    す)を表す)で表される構造であることを特徴とする全
    フッ素化ポリイミド。
  3. 【請求項3】下記一般式(4): 【化4】 (式中Rは4価の有機基、Rは2価の有機基を示
    し、RおよびRに含まれる炭素と一価元素の化学結
    合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表される繰り
    返し単位を有する全フッ素化ポリアミド酸においてR
    が上記一般式(2)(式中Rfは、フッ素、ペルフルオ
    ロアルキル基、ペルフルオロアリール基、ペルフルオロ
    アルコキシ基、またはペルフルオロフェノキシ基を示
    し、Xは単なる原子価結合 −O−、−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、
    −(ORf’)n−、−(Rf′O)n−、または−
    (ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
    す)を表す)で表される構造であることを特徴とする全
    フッ素化ポリアミド酸。
  4. 【請求項4】上記一般式(4)(式中Rは4価の有機
    基、Rは2価の有機基を示し、RおよびRに含ま
    れる炭素と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合
    のみを含む)で表される繰り返し単位を有する全フッ素
    化ポリイミドにおいてRが上記一般式(3)(式中R
    fは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロ
    アリール基、ペルフルオロアルコキシ基、またはペルフ
    ルオロフェノキシ基を示し、Xは −O−、−CO
    −、−SO−、−S−、−Rf’−、−(ORf’)
    n−、−(Rf′O)n−、または−(ORf’O)n
    − (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
    す)を表す)で表される構造であることを特徴とする全
    フッ素化ポリアミド酸。
  5. 【請求項5】上記一般式(4)(式中Rは4価の有機
    基、Rは2価の有機基を示し、RおよびRに含ま
    れる炭素と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合
    のみを含む)で表される繰り返し単位を有する全フッ素
    化ポリアミド酸においてRが上記一般式(2)(式中
    Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオ
    ロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、またはペル
    フルオロフェノキシ基を示し、Xは単なる原子価結合 −O−、−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、
    −(ORf’)n−、−(Rf’O)n−、またはー
    (ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
    す)を表す)で表される構造である全フッ素化ポリアミ
    ド酸を閉環させることを特徴とする請求項1項記載の全
    フッ素化ポリイミドの製造方法。
  6. 【請求項6】上記一般式(4)(式中Rは4価の有機
    基、Rは2価の有機基を示し、RおよびRに含ま
    れる炭素と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合
    のみを含む)で表される繰り返し単位を有する全フッ素
    化ポリアミド酸においてRが上記一般式(3)(式中
    Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオ
    ロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、またはペル
    フルオロフェノキシ基を示し、Xは −O−、−CO
    −、−SO−、−S−、−Rf’−、−(ORf’)
    n−、−(Rf’O)n−、または−(ORf’O)n
    − (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
    す)を表す)で表される構造である全フッ素化ポリアミ
    ド酸を閉環させることを特徴とする請求項2項記載の全
    フッ素化ポリイミドの製造方法。
  7. 【請求項7】下記一般式(5): 【化5】 (式中Rは4価の有機基を示し、それに含まれる炭素
    と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含
    む)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはそのテ
    トラカルボン酸、もしくはその反応性誘導体と、 下記一般式(6) 【化6】 HN−R−NH (6) (式中Rは4価の有機基を示し、それに含まれる炭素
    と一価元素の化学結合として炭素−フッ素結合のみを含
    む)で表されるジアミンとを反応させる全フッ素化ポリ
    アミド酸の製造方法においてRが上記一般式(2)
    (式中Rfは、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペル
    フルオロアリール基、ペルフルオロアルコキシ基、また
    はペルフルオロフェノキシ基を示し、Xは単なる原子価
    結合 −O−、−CO−、−SO−、−S−、−Rf’−、
    −(ORf’)n−、−(Rf’O)n−、または−
    (ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
    す)を表す)で表される構造であることを特徴とする請
    求項3項記載の全フッ素化ポリアミド酸の製造方法。
  8. 【請求項8】上記一般式(5)(式中Rは4価の有機
    基を示し、それに含まれる炭素と一価元素の化学結合と
    して炭素−フッ素結合のみを含む)で表されるテトラカ
    ルボン酸二無水物またはそのテトラカルボン酸、もしく
    はその反応性誘導体と、上記一般式(6)(式中R
    4価の有機基を示し、それに含まれる炭素と一価元素の
    化学結合として炭素−フッ素結合のみを含む)で表され
    るジアミンとを反応させる全フッ素化ポリアミド酸の製
    造方法においてRが上記一般式(3)(式中Rfは、
    フッ素、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアリー
    ル基、ペルフルオロアルコキシ基、またはペルフルオロ
    フェノキシ基を示し、Xは−O−、−CO−、−SO
    −、−S−、−Rf’−、−(ORf’)n−、−(R
    f’O)n−、または−(ORf’O)n− (式中Rf’はペルフルオロアルキレン基またはペルフ
    ルオロアリーレン基を表し、nは1〜10の整数を示
    す)を表す)で表される構造であることを特徴とする請
    求項4項記載の全フッ素化ポリアミド酸の製造方法。
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