JPH05113068A - ヒンジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扉およびその取付部材の凹所に嵌め込み固定
したベースフレームにヒンジ本体を仮止め可能として、
扉の吊込みと、位置の調整を容易にする。 【構成】 扉１６に取着されるヒンジ本体１と、扉の取
付部材１９に取着されるヒンジ本体２とが、複数のアー
ム３、４、８、９を用いて回動により開閉自在に連結さ
れている。扉１６或は扉取付部材１９に設けた凹所１
７、２０の一方にベースフレーム２２が嵌着される。上
記ヒンジ本体１又は２と、ベースフレーム２２の底部に
は、互いに係止される係止部材３１と係止部３２があ
り、この係止部材３１はバネ性を有し、上記ベースフレ
ーム２２にヒンジ本体１又は２を嵌め込むと、係止部材
３１と係止部３２が突き当たり、さらに係止部材３１が
弾性変形して嵌め込まれ、その弾性復帰により両者が係
止されて、ヒンジ本体１又は２はベースフレーム２２に
仮止めされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、扉をキャビネット本体
その他の扉取付部材に、開閉自在なるよう取付けるのに
用いられる隠しヒンジに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記ヒンジとしては、図８および
図９に示したように、左右対称的形状に形成した一対の
ヒンジ本体ａ、ｂが、平面視略くの字形状とした多数の
センターアームｃ‥‥‥と略円弧形状とした多数のサイ
ドアームｄ‥‥‥によって、回動自在に枢着され、これ
によって開閉自在に構成されたものが知られている。

【０００３】かかるヒンジは一方のヒンジ本体ａを、扉
ｅの吊元側に設けた凹所ｆに嵌め込んだ後、ビスｇ‥‥
‥止めにて固定し、他方のヒンジ本体ｂは、扉ｅの取付
部材ｈに設けた凹所ｉに嵌め込んだ後、ビスｊ‥‥‥止
めにて固定することで、扉ｅを、その取付部材ｈの開口
部に開閉自在なるよう取着することとなる。

【０００４】また、扉ｅを、その取付部材ｈに取着する
際、ヒンジ本体ｂを当該取付部材ｈの凹所ｉに直接嵌め
込むのではなく、ヒンジ本体ｂを嵌め外し可能なるよう
形成したベースフレームｌを上記凹所ｉに嵌め込み、ビ
スｍ‥‥‥止めにて固定しておき、このベースフレーム
ｌにヒンジ本体ｂを、夫々のフランジｎ、ｏ間に高さ調
整機構ｐを介在して嵌め込んだ後、該高さ調整機構ｐに
より高さ（扉の巾方向である左右への取付位置）、上記
フランジｏに設けたビス挿通用長孔ｑにより上下方向の
位置を夫々調整して、ビスｊ‥‥‥止めにて固定するよ
うにしている。

【０００５】このように、一方のヒンジ本体ａを扉ｅに
直接固定し、他方のヒンジ本体ｂをベースフレームｌと
調整、かつ着脱自在なるよう組合せてなるヒンジでは、
予め一方のヒンジ本体ａを扉ｅ側に固定しておき、この
状態で他方のヒンジ本体ｂを、扉の取付部材ｈの凹所ｉ
に嵌め込み固定しておいたベースフレームｌに嵌め込
み、扉ｅを吊込んでみて、その取付位置を、上記した高
さ調整機構ｐおよび長孔ｑにより適正に調整した後、ヒ
ンジ本体ｂをベースフレームｌ、扉の取付部材ｈにビス
ｊ‥‥‥止めにて固定することとなる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のヒンジにあっては、扉の取付部材および扉に予
め取付けておいたベースフレームに対する仮止め手段を
有していないことから、ヒンジ本体を扉およびその取付
部材にビスにて固定する際、ヒンジ本体の長孔からビス
を差し込み、扉およびその取付部材にねじ込んで当該ヒ
ンジ本体を仮止めし、この状態で高さ調整機構により高
さ（扉の巾方向）と、上下方向の調整を行った後、ビス
にて締着することになる。しかし、これではビスにて仮
止めする間中、扉を支持し続けなければならなくなり、
可成りの労力と時間がかかるだけでなく、扉を精度良く
取りつけることが難事となり、特に大きい扉の場合はヒ
ンジを多設しなければならないので、かかる場合には、
扉を精度良く取付けることが益々難しくなり、取付け作
業にも可成りの時間を費やすこととなる。

【０００７】本発明は、上記従来のヒンジの有するこの
ような問題点に鑑みてなされたもので、ベースフレーム
に対して押込むだけでヒンジ本体を簡単に仮止めできる
ようにして、扉をその取付部材に対して容易にして、か
つ精度良く取付け得るようにしたヒンジの提供を目的と
している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は扉に取着される第１のヒンジ本体と、扉の
取付部材に取着される第２のヒンジ本体とが、複数本の
アーム等を介して、回動により開閉自在なるよう連結さ
れ、上記ヒンジ本体が、扉或は扉の取付部材の凹所に嵌
め込み固定されるベースフレームに、それらのフランジ
部に高さ調整機構を介在して嵌め込み固定されてなるヒ
ンジにおいて、上記ヒンジ本体の底部と、上記ベースフ
レームの底部の対向部に、ヒンジ本体のベースフレーム
に対する嵌め込み力によって互いに係止可能なるようバ
ネ性を有する係止部材と、バネ性を持たない係止部を、
係止解除手段により係止解除可能なるよう対設したこと
を特徴とするヒンジを提供しようとするものである。

【０００９】

【作用】ベースフレームは、扉の吊元側に設けた凹所お
よび扉の取付部材に設けた凹所の両方、または何れか一
方に嵌め込んだ後、ビスにて固定される。上記ベースフ
レームにヒンジ本体を押込んで嵌め込むと、ベースフレ
ームの底部と、ヒンジ本体の底部に対向して設けたバネ
性を有する係止部材と、バネ性を持たない係止部が互い
に突き当たり、ヒンジ本体の押込み力により係止部材が
係止部とは反対側に弾性変形し、該係止部を乗り越える
と同時に、バネ性により復元し、当該係止部材と係止部
とが係止してヒンジ本体はベースフレームに仮止めされ
る。

【００１０】上記した仮止め状態において、高さ調整機
構を操作してヒンジ本体の高さ（扉の巾方向位置）を調
整する。またヒンジ本体を上下に移動して上下方向の調
整を行なう。このようにして、扉の取付位置を適正に調
整した後、ヒンジ本体をベースフレームに対してビス孔
にビスを差込むことで固定し、扉をその取付部材の開口
部に回動により開閉自在に取着することとなる。

【００１１】また、上記した係止部材を、当該ヒンジに
付設の係止解除手段、またはドライバー等による係止解
除手段によって弾性変形させることで、上記した係止部
との係止状態を解除することができる。従って、ビスに
よるヒンジ本体の固定を解いた後、上記したようにして
係止部材と係止部との係止を解除することで、ヒンジ本
体をベースフレームおよび扉、またはその取付部材から
容易に取外すことができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１（Ａ）〜図３に示したように、第１、
第２の各ヒンジ本体１、２は、各々ヒンジ使用状態にあ
って、底壁１ａ、２ａと、上下の側壁１ｂ、１ｃ、２
ｂ、２ｃとで側面略コ字形状にして、かつ上下方向へ長
く形成されていると共に、各々上下の側壁１ｂ、１ｃ、
２ｂ、２ｃの前端からはフランジ１ｄ、１ｅ、２ｄ、２
ｅが対称にして、かつ各底壁１ａ、２ａと平行に延設さ
れている。

【００１３】図１（Ａ）および図３に示したように、長
尺である複数本のセンターアーム３‥‥‥、４‥‥‥
は、平面視略への字形状にして、かつ同一大に形成さ
れ、これらが上下方向へ交互に両ヒンジ本体１、２の各
ブラケット１ｂ、１ｃ、２ｂ、２ｃ間に配置されてお
り、本実施例では、片側に４個ずつ、合計８個使用され
ている。

【００１４】即ち、上記８個のセンターアームのうち、
一側の４個のセンターアーム３‥‥‥は、その基端が、
上記第２のヒンジ本体２における上下の側壁２ｂ、２ｃ
の前端部に貫通支承される軸５によって水平方向へ回転
自在なるよう、かつその先端が第１のヒンジ本体１から
前方へ延出自在なるように枢着されている。

【００１５】一方、他の４個のセンターアーム４‥‥‥
は、その各基端が、第１のヒンジ本体１における上下の
側壁に１ｂ、１ｃに貫通支承される軸６によって水平方
向へ回転自在なるよう、かつその先端が第２のヒンジ本
体２から前方へ延出自在なるように枢着されている。

【００１６】ここで、上記センターアーム３‥‥‥と４
‥‥‥とが、それらの略中央部にあってクロス状態とな
っており、そのクロス部位が軸７により回動自在に枢着
されていることによって、上記第１、第２のヒンジ本体
１、２は、各々の前端部が対向した状態にて、上記セン
ターアーム３‥‥‥、４‥‥‥により、回動による扉の
開閉が自在となるよう連結され、かくして一方のセンタ
ーアーム３‥‥‥の先端は、第１のヒンジ本体１内部
へ、他方のセンターアーム４‥‥‥の先端は、第２のヒ
ンジ本体２内部へ各々挿脱自在な配置となっている。

【００１７】次に、サイドアーム８‥‥‥、９‥‥‥
は、図１（Ａ）に示した如く、片側に４個ずつ、合計８
個を使用している。上記各サイドアーム８‥‥‥、９‥
‥‥は、開扉時において、上記各センターアーム３‥‥
‥、４‥‥‥との干渉が回避されるよう平面視略円弧形
状にして、かつその長さが、上記各センターアーム３‥
‥‥、４‥‥‥に比し、その略１／２程度に短く形成し
てある。

【００１８】上記の一方のサイドアーム８‥‥‥は、そ
の基端が、上記第１のヒンジ本体１のブラケット１０、
１０‥‥‥間にあって、上記センターアーム４‥‥‥の
枢着部よりも僅かに中央側においてブラケット１０‥‥
‥に貫通支承される図３に示す軸１１により、水平方向
へ回動自在なるよう枢着されている。

【００１９】他方のサイドアーム９‥‥‥は、それらの
基端が、上記第２のヒンジ本体２のブラケット１２、１
２‥‥‥間にあって、上記センターアーム３‥‥‥の枢
着部よりも僅かに中央側においてブラケット１２‥‥‥
に貫通支承される図３に示す軸１３により、水平方向へ
回動自在なるよう枢着されている。

【００２０】ここで、上記サイドアーム８‥‥‥、９‥
‥‥は、上記センターアーム３‥‥‥、４‥‥‥と同
様、上下配置にて、かつ一個宛交互に枢着されていて、
その一方の各サイドアーム８‥‥‥の先端部と、上記セ
ンターアーム４‥‥‥の先端部とが図１（Ａ）に示した
如く、軸１４によって回動自在に枢着されていると共
に、他方のサイドアーム９‥‥‥の先端部と、上記セン
ターアーム３‥‥‥の先端部も軸１５によって回動自在
に枢着されている。

【００２１】上述した第１のヒンジ本体１は図１（Ａ）
および図３に示した如く、扉１６の吊元側内面に設けた
凹所１７に嵌め込んだ後、ビス１８‥‥‥により固定さ
れる。一方、第２のヒンジ本体２の方は、先ず、扉１６
の取付部材１９にあって、その前端側内面に設けた凹所
２０にベースフレーム２２を嵌め込んで、図２に示すビ
ス２１‥‥‥によりこれを固定しておき、その後にこの
ベースフレーム２２に嵌め込だだ後、ビス２３‥‥‥に
より固定するのであり、このことで扉１６が、その取付
部材１９の開口部に開閉自在なるよう枢支されることと
なる。

【００２２】上記ベースフレーム２２は、図１（Ａ）
（Ｂ）および図２に示した如く、底壁２２ａと、上下の
側壁２２ｂ、２２ｂとで側面略コ字形状にして、かつ上
下方向へ長く形成されていると共に、各々上下の側壁２
２ｂ、２２ｂの前端からはフランジ２２ｃ、２２ｄが対
称にして、かつ底壁２２ａと平行に延設されている。

【００２３】即ち、上記ベースフレーム２２は、その上
下方向の長さが上記第２のヒンジ本体２のそれよりも所
要寸法だけ長く形成させてあって、上記第２のヒンジ本
体２を嵌め外し自在にして、かつ上下方向へ移動自在な
るよう嵌め込み可能に形成させてある。また、上記フラ
ンジ２２ｃ、２２ｄは、底壁２２ｅと、平面略コ字形状
とした側壁２２ｆとで断面略コ字形状に形成されること
で、凹部２２ｇが形成され、これにより第２のヒンジ本
体２のフランジ２ｄ、２ｅを上下方向へ移動自在なるよ
う嵌め込み可能に形成されている。

【００２４】図２および図５に示したように、上記第２
のヒンジ本体２のフランジ２ｄ、２ｅと、上記ベースフ
レーム２２のフランジ２２ｃ、２２ｄとの間には、ベー
スフレーム２２に対する第２のヒンジ本体２の高さ調整
機構２４が設けられている。

【００２５】即ち、上記高さ調整機構２４として図２に
示したものでは、高さ調整プレート２４ａの上端部を、
上記フランジ２ｅの裏面にダボ２４ｃにより図において
左右方向へ揺動自在なるように枢着し、下端部に調整ね
じ２４ｂの先端を回動自在なるように支承し、該調整ね
じ２４ｂを上記フランジ２ｅに貫通したねじ孔２４ｄに
ねじ込み、該調整ねじ２４ｂを正転、逆転することで、
高さ調整プレート２４ａの下端部が図において左方向、
または右方向へ揺動して、ベースフレーム２２に対して
第２のヒンジ本体２の高さ（扉の巾方向）が任意に調整
されるように形成されている。また、上記高さ調整プレ
ート２４ａと、ベースフレーム２２における凹部２２ｇ
の底壁２２ｅとの対向面には凹凸条等の図示しない滑り
止めが設けてある。

【００２６】上記高さ調整機構２４は上述した構成の外
に、図５に示したように、略中央部を略円弧形状に弯曲
してなる高さ調整プレート２４ａの下端を、上記ベース
フレーム２２におけるフランジ２２ｄの側壁２２ｆ内面
に設けた凹部２２ｈに嵌め込んで左右方向へ回動自在な
るよう配設し、上端部に貫通したねじ孔２４ｄに、内端
を上記フランジ２２ｆの底壁２２ｅに回転自在なるよう
支承した高さ調整ねじ２４ｂをねじ込み貫通し、上記フ
ランジ２ｅに穿設した窓孔２ｆから上記調整ねじ２４ｂ
を正転、逆転することで高さ調整板２４ａの上端部を左
方向、または右方向へ揺動させ、これにより、ベースフ
レーム２２に対する第２のヒンジ本体２の高さを調整す
るように形成させてある。この場合も、上記高さ調整プ
レート２４ａの弯曲した上面と、第２のヒンジ本体２に
おけるフランジ２ｅの裏面とに凹凸条等の滑り止め２５
が対設させてあり、第２のヒンジ本体２を上下方向へ移
動調整する際に都合が良いようにしてある。

【００２７】さらに、図１（Ａ）および図２並びに図５
に示した如く、第２のヒンジ本体２のフランジ２ｄ、２
ｅと、ベースフレーム２２のフランジ２２ｃ、２２ｄに
は、前記したビス２３‥‥‥のビス孔２６、２７、２
８、２９が各々２個ずつ合計８個設けてあるが、そのビ
ス孔２６〜２９のうち、一方のビス孔２６、２８は、上
下方向に長い長孔に形成して、ビス２３‥‥‥を緩めた
状態で第２のヒンジ本体２を上下方向へ移動調整できる
ようにしてある。

【００２８】そして、本発明のヒンジは、図１（Ａ）
（Ｂ）および図５並びに図６（Ａ）（Ｂ）、図７に示し
たように、第２のヒンジ本体２の底壁２ａと、ベースフ
レーム２２の底壁２２ａとの対向部に、該ベースフレー
ム２２に対する第２のヒンジ本体２の仮止め手段３０
が、バネ性を有する係止部材３１と、バネ性を持たない
係止部３２とにより構成させてある。

【００２９】図１（Ａ）（Ｂ）は、仮止め手段３０の第
１実施例を示し、図４は同手段３０の第２実施例、図６
（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）は同手段３０の第３実施例そして、
図７は同手段３０の第４実施例を夫々示している。

【００３０】上記の第１実施例では、係止部材３１が、
帯状の板バネを側面略Ｌ字形状に折曲し、その起立部３
１ａの先端に係止部３１ｂを内側に曲成して形成してあ
り、その基部３１ｃを上記ベースフレーム２２における
底壁２２ａの裏面中央部にダボ３３等により固定し、該
底壁２２ａに貫通した孔３４に起立部３１ａを挿通して
上方へ延設させてある。

【００３１】一方、上記係止部３２は、第２のヒンジ本
体２における底壁２ａの中央部一側から側壁にかけて窓
孔３５を削設し、該窓孔３５における底壁２ａの開口端
に、先端を上方へ傾斜、または弯曲することによって、
上記係止部材３１の係止部３１ｂと係止可能なるように
形成されている。

【００３２】また、上記係止部３２は、その裏面端部が
傾斜面３２ａ等に形成され、これによって、ベースフレ
ーム２２に第２のヒンジ本体２を押込んで嵌め込むこと
により、上記傾斜面３２ａが係止部材３１の係止部３１
ｂ上面に突き当たって当該係止部材３１が図１（Ｂ）に
二点鎖線で示した如く、外側へ弾性変形され、次いでそ
れ自体のバネ性により復元して上記係止部３２と係止さ
れるようになっている。

【００３３】ここで、上記仮止め手段３０は、その係止
部材３１と係止部３２とが係止した状態において、べー
スフレーム２２に対し、第２のヒンジ本体２を上下方向
へ移動自在なるように設けられている。

【００３４】上記第１実施例による仮止め手段３０に
は、係止解除手段３６が付設されている。図１（Ｂ）に
示した如く、この係止解除手段３６は、上記の第２のヒ
ンジ本体２における底壁２ａにあって、その係止部３２
の近くに、偏心頭部３６ｂを有する係止解除ピン３６ａ
が、Ｅリング３６ｃにより回転自在なるよう支承され、
これにより、該係止解除ピン３６ａをドライバー等の工
具（図示せず）で回転することで、その偏心頭部３６ｂ
にて係止部材３１を外側へ弾性変形させて、上記係止部
３２との係止を解除可能なるよう構成されている。

【００３５】次に、図４の第２実施例による仮止め手段
３０は、係止部材３１が上記した第１実施例による場合
と同様に板バネにて曲成し、ベースフレーム２２の底壁
２２ａ裏面にビス３３にて固定してある。一方、係止部
３２は、金属板３７の先端部を上方へ曲成して設けられ
ている。上記金属板３７は、その略中央部に貫通したね
じ孔３７ａに、第２のヒンジ本体２における底壁２ａに
貫通した左右方向に長い長孔３８から止めねじ３９を差
し込んでねじ込むことにより、上記底壁２ａの裏面に設
けた凹部４０内に固定されている。

【００３６】この第２実施例では、上記金属板３７が、
係止部３２と係止解除手段３６との双方に兼用されてい
る。即ち、ベースフレーム２２に第２のヒンジ本体２を
押込んで嵌め込むことにより、係止部３２の裏面の傾斜
面３２ａで係止部材３１を弾性変形させることで係止部
材３１と係止部３２は係止され、その係止解除は、止め
ねじ３９を緩めて金属板３７を図において左方向へ後退
することで係止部３２も後退することで行われる。ここ
で、同図の３１ｄは止めねじ３９が遊嵌する長孔を示し
ている。

【００３７】図６（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）の第３実施例によ
る仮止め手段３０では、その係止部材３１が正面略Ｔ字
形状とした板バネにおける垂下部３１ａにあって、その
下端に係止部３１ｂを曲成され、かつ、第２のヒンジ本
体２における側壁２ｆの略中央部内面に上端部をビス３
３‥‥‥等により固定して垂設されており、前記係止部
３１ｂは、第２のヒンジ本体２の底壁２ａにおける窓孔
３５から、ベースフレーム２２の底壁２２ａにおける窓
孔３４内に垂下配置されている。

【００３８】一方、係止部３２は、ベースフレーム２２
における側壁の下部に下向きに、かつ上記窓孔３４内に
あって、上記係止部材３１の係止部３１ｂと係止自在な
るよう形成されている。

【００３９】この第３実施例でも係止解除手段３６が付
設されている。即ち、上記第２のヒンジ本体２における
側壁２ｇの内面にあって、上記した係止部材３１の裏面
と対向する部位に凹溝条４２を上記窓孔３５に連通させ
て縦設し、該凹溝条４２と上記係止部材３１との間に、
縦長帯状とした板バネの下端裏面に突出部４１ａの設け
られている係止解除板４１が、上下方向へ摺動自在なる
よう配置することで形成されている。

【００４０】かくして、上記係止解除手段３６によれ
ば、通常は、その係止解除板４１の突出部４１ａが図６
（Ｂ）に示す如く、側壁２ｇの下端にあって、底壁２ａ
の窓孔３５と連通して設けた窓孔３５ａ内に嵌め込まれ
ており、この状態において、ベースフレーム２２内に第
２のヒンジ本体２を押込み嵌め込むことによって、係止
部材３１の係止部３１ｂと係止部３２とが図示のように
係止される。

【００４１】上記係止状態において、係止解除板４１を
引き上げ上昇すると、その突出部４１ａが凹溝条４２の
底面上に乗り上がり、これにより係止部材３１は図６
（Ｃ）に示した如く係止解除板４１によって押圧されて
内側へ弾性変形され、ベースフレーム２２の係止部３２
から遠ざかり、両者の係止が解除されることとなる。

【００４２】図７の第４実施例における仮止め手段３０
は、前記した第１実施例による場合と同様に形成されて
いるが、係止解除手段を付設してない。即ち、係止部材
３１と係止部３２との係止解除は、係止部材３１を図示
しないドライバー等の工具によって弾性変形させて行な
うこととなる。

【００４３】尚、図示の実施例では、扉１６の取付部材
１９側にだけベースフレーム２２を取りつけた場合を示
したが、該ベースフレーム２２を扉１６側に取付けるこ
とも可能である。

【００４４】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、扉を、その取付部材に吊込む際、予め固定
しておいたベースフレームにヒンジ本体を押込んで嵌め
込むだけの容易な操作によって当該ヒンジ本体をベース
フレームに仮止め状態とすることができるから、扉の取
付部材に対して扉を、その巾方向、上下方向へ自在に調
整でき、当該扉の容易にして、かつ精度の良い取付けが
可能となる。また、係止部材と係止部との係止を、係止
解除手段によって簡単に解除できるものであるから、当
該扉を容易に取外すこともでき、さらに、上記係止部
材、係止部をヒンジ本体とベースフレームの底部に設け
たことによって、扉、またはその取付部材の凹所の掘込
みを深く加工しなくてすむから、扉およびその取付部材
の仕様によって、上記凹所の掘込み深さに制限がある場
合にも支障なく使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は、本発明に係るヒンジ本体とベースフ
レームの仮止め手段を示した第１実施例によるヒンジ開
扉状態の正面図で、（Ｂ）は（Ａ）におけるＡ−Ａ線矢
視拡大断面図である。

【図２】（Ａ）は、図１（Ａ）における係脱解除手段に
おける斜視説明図、（Ｂ）は図（Ａ）のＢ−Ｂ線矢視断
面図である。

【図３】図１（Ａ）に示した実施例の開扉状態を一部断
面して示した平面図である。

【図４】ヒンジ本体とベースフレームの仮止め手段を示
した同上第２実施例の断面図である。

【図５】他の実施例によるヒンジ本体の高さ調整機構を
示す断面図である。

【図６】（Ａ）は、ヒンジ本体とベースフレームの仮止
め手段を示す第３実施例の正面図と、（Ｂ）はその仮止
め状態の縦断面図、（Ｃ）は同上係止解除の状態を示し
た縦断面図である。

【図７】ヒンジ本体とベースフレームの仮止め手段を示
した第４実施例の断面図である。

【図８】従来のヒンジの開扉状態を示した正面図であ
る。

【図９】図８におけるＣ−Ｃ線矢視断面図である。

【符号の説明】

１ 第１のヒンジ本体 ２ 第２のヒンジ本体 １ａ ヒンジ本体の底壁 ２ａ ヒンジ本体の底壁 １ｄ フランジ １ｅ フランジ ２ｅ フランジ ２ｄ フランジ ３ センターアーム ４ センターアーム ８ サイドアーム ９ サイドアーム １６ 扉 １７ 凹所 ２０ 凹所 １９ 扉の取付部材 ３１ 係止部材 ３２ 係止部 ３６ 係止解除手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉に取着される第１のヒンジ本体と、扉
   の取付部材に取着される第２のヒンジ本体とが、複数本
   のアーム等を介して、回動により開閉自在なるよう連結
   され、上記ヒンジ本体が、扉或は扉の取付部材の凹所に
   嵌め込み固定されるベースフレームに、それらのフラン
   ジ部に高さ調整機構を介在して嵌め込み固定されてなる
   ヒンジにおいて、上記ヒンジ本体の底部と、上記ベース
   フレームの底部の対向部に、ヒンジ本体のベースフレー
   ムに対する嵌め込み力によって互いに係止可能なるよう
   バネ性を有する係止部材と、バネ性を持たない係止部
   を、係止解除手段により係止解除可能なるよう対設した
   ことを特徴とするヒンジ。