JPH05112085A - 平版印刷用濃縮湿し水組成物 - Google Patents

平版印刷用濃縮湿し水組成物

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JPH05112085A
JPH05112085A JP27531891A JP27531891A JPH05112085A JP H05112085 A JPH05112085 A JP H05112085A JP 27531891 A JP27531891 A JP 27531891A JP 27531891 A JP27531891 A JP 27531891A JP H05112085 A JPH05112085 A JP H05112085A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 セルロース誘導体、pH緩衝液、プロピレング
リコールモノアルキルエーテル、3−メトキシブタノー
ル及びテトラフェニルホスホニウムブロマイドを含む平
版印刷用濃縮湿し水組成物。 【効果】 印刷適性が極めて良好であり、高沸点溶剤を
使用しているにもかかわらず印刷版の画像領域を損なう
ことがない。また、液の経時安定性に優れ、消防法、労
働安全衛生法等の法規的規制を満足するものであり、安
定に優れた印刷物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷版のオフセッ
ト印刷法に有用な濃縮湿し水組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は水と油が本質的に混じり合わ
ない性質を巧みに利用した印刷方式であり、印刷版面は
水を受容し油性インキを反撥する領域と、水を反撥し油
性インキを受容する領域から成り、前者が非画像領域で
あり、後者が画像領域である。不感脂化剤は、これを含
む湿し水で非画像領域を湿潤することにより画像領域と
非画像領域との界面化学的な差を拡大して、非画像領域
のインキ反撥性と画像領域のインキ受容性とを増大させ
る作用を有している。
【0003】従来から一般的に知られている不感脂化剤
としては、重クロム酸のアルカリ金属塩又はアンモニウ
ム塩、リン酸又はその塩、例えばアンモニウム塩、アラ
ビアガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の
コロイド物質等を添加した水溶液がある。しかしなが
ら、これらの不感脂化剤を含む湿し水は、版の非画像部
に均一に濡れ難い欠点があり、このため印刷物が時々汚
れたり、また湿し水の供給量を調節するのに相当の熟練
を要する。
【0004】この欠点を改良するため、イソプロピルア
ルコールを約20〜25%加えた水溶液を湿し水として
用いるダールグレン方式が提案されている。この方式に
よると、非画像部への濡れが良くなり、湿し水の量が少
なくて済み、印刷インキと水との供給量のバランスの調
整が容易であり、印刷インキ中への湿し水の乳化量が少
なくなり、更にブランケットへの印刷インキの転移性が
良くなる等、作業性の面及び得られた印刷物の精度の面
において数々の利点がある。
【0005】しかしながら、このイソプロピルアルコー
ルは蒸発し易いために、湿し水のイソプロピルアルコー
ル濃度を一定に保つための特殊な装置が必要であり、価
格の点において高価なものとなる。また、イソプロピル
アルコールは特有の不快臭があることと共に、毒性の面
でも問題があって作業環境上好ましくない。また、この
イソプロピルアルコールを添加した湿し水を、通常の水
棒を用いるオフセット印刷に適用しても、ローラー上及
び版面上でイソプロピルアルコールが蒸発するため、そ
の効果を発揮することができないなど問題となってい
た。
【0006】更に、近年産業公害に対する社会的関心が
非常に高まり、廃水中のクロムイオンの排出規制が厳し
くなり、またイソプロピルアルコールのような有機溶剤
の使用が安全衛生面から規制される傾向にある。このた
め、これらを含有しない不感脂化剤が望まれていた。こ
れらの目的を達成するために、例えば特公昭55−25
075号公報、特公昭55−19757号公報、特公昭
58−5797号公報には、種々の界面活性剤を含有す
る組成物が記載されているが、これらを湿し水として使
用する場合、その表面張力を35〜50ダイン/cmとす
るためには不感脂化剤中の界面活性剤濃度をかなり高く
しておく必要がある。また、実際の平版印刷において
は、高速度で回転するインキロール、印刷版、湿し水供
給ロールの下でインキ/水が激しく運動しているため、
インキ皮膜上に水が付着したり、水の表面にインキが拡
散する等が問題となっているが、上記に提案されている
界面活性剤の組合せは、これらの問題点を完全に解消す
るには充分ではなかった。更に、これらの界面活性剤を
含む湿し水はポンプ輸送や撹拌の際に発泡し易いという
欠点もある。
【0007】ところで、米国特許第3,877,372 号には、
エチレングリコールモノブチルエーテルと、ヘキシレン
グリコール及びエチレングリコールの少なくとも1種と
の混合物を含有する溶液が、記載されている。米国特許
第4,278,467 号には、n−ヘキソキシジエチレングリコ
ール、n−ヘキソキシエチレングリコール、2−エチル
−1,3−ヘキサンジオール、n−ブトキシエチレング
リコールアセテート、n−ブトキシジエチレングリコー
ルアセテート、3−ブトキシ−2−プロパノールの少な
くとも1種を含有する湿し水が記載されている。特開昭
57−199693号公報には、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオールと、完全水溶性のプロピレングリコー
ル、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロ
パングリコール、1,5−ペンタンジオールの少なくと
も1種を含有する湿し水が記載されている。これらの湿
し水組成物はイソプロピルアルコールを含有しないた
め、安全衛生面で有利ではあるが、陽極酸化アルミニウ
ム板を支持体とする平版印刷版では印刷中の非画像部の
濡れが完全とは言いがたく、特に高速印刷時に非画像部
に汚れが生じたり、網点画像部の形状が正常ではなく、
大きくなり、ムラ状となる、いわゆる網点画像部の絡み
が発生してしまう問題があった。更に、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオールは水に対する溶解性が十分で
なく、高濃度の濃縮湿し水組成物や湿し水用添加剤を得
るのに不利であるなど問題となっていた。
【0008】これらイソプロピルアルコール代替化合物
は一般に高沸点有機溶剤であって、水が蒸発すると高沸
点有機溶剤が残渣として残存し、平版印刷版の画像領域
を侵すという重大欠陥を有していることが新たに判明し
た。更に消防法規制(有機溶剤40%未満、引火点40
℃以上、燃焼点60℃以上)等を満足させるために多量
の水を混合使用する必要があるが、この時特に液安定性
が不安定に成り易いという問題点を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は上記従来の湿し水のもつ毒性や欠点がなく、印刷作業
にあたって、専門的熟練を必要とすることなく、供給量
の調節を容易に行なうことができ、しかも印刷版、特に
アルミニウム板を電気化学的に粗面化し、陽極酸化した
支持体を用いた印刷版の汚れ、又はブラインディングを
防止するだけでなく、印刷版の画像領域を損うことな
く、経済性、液安定性に優れ、更に消防法及び労働安全
衛生法の規制に適合した、優れた湿し水特性を有し、高
品質の印刷物を容易に得ることができる平版印刷用の濃
縮湿し水組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下の平版印
刷用濃縮湿し水組成物を用いることにより、上記目的が
容易に解決できることを見出し、本発明に到達したもの
である。即ち、本発明は、以下の成分(a)〜(f)を
含有することを特徴とする平版印刷用濃縮湿し水組成物
である。 (a)下記一般式〔I〕で示される、少なくとも1種の皮膜形成性を有する親水 性高分子化合物 0.1〜10重量% (b)pH緩衝剤 0.01〜15重量% (c)下記一般式〔II〕で示される少なくとも1種の化合物 10〜70重量% (d)下記一般式〔III 〕で示される少なくとも1種の化合物 0.1〜20重量% (e)下記一般式〔IV〕〜〔IX〕で示される少なくとも1種の化合物 0.01〜7重量% (f)水 10〜80重量%
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1
〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、ア
ルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基による置換率
は20〜90%であり、lは1以上の整数を示す。R2
は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、
mは1〜10の整数を示し、R3 、R4 及びR5 は水素
原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。R6
7 及びR8 は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子を示し、R9
10及びR11は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜3のアルキル基、メルカプト基、ス
ルホン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基又はハロゲ
ン原子を示し、R12〜R19は、炭素原子数1〜12のア
ルキル基、環状アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ベ
ンジル基、置換又は無置換フェニル基を示し、Z1 〜Z
3 はN、P又はBを示し、X1 〜X3 はハロゲンイオ
ン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、水酸イオ
ン、PF6 - 又はBF4 - 等の陰イオン、Li+ 、Na+ 、K +
又はNH4 + 等の陽イオンを示し、nは1〜5の整数を示
し、R20及びR21は水素原子、炭素原子数1〜6のアル
キル基を示す。R22は水素原子、ヒドロキシル基を示
し、R23は水素原子、スルホン基を示す。R24は水素原
子、炭素原子数1〜6のアルキル基又はヒドロキシアル
キル基を示し、M1 、M2 、M3 及びM4 は水素原子、
アルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。) (a)皮膜形成性を有する親水性高分子化合物として
は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース及
びこれらセルロース誘導体のグリオキザール変性体等の
セルロース誘導体でその置換率20〜90%の誘導体が
好ましく使用できる。この中で特に好ましく使用できる
誘導体としてヒドロキシプロピルセロルースが挙げられ
る。これらの誘導体は単独でも2種以上の誘導体を併用
してもよく、好適に使用できる範囲は0.1〜10重量%
である。 (b)pH緩衝剤としては、水溶性の有機酸、無機酸又は
それらの塩が挙げられる。pH緩衝剤は、湿し水のpH調整
あるいはpH緩衝、平版印刷版支持体の適度なエッチング
又は防腐食に効果がある。好ましい有機酸としては、例
えばクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳
酸、酢酸、グルコン酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、蓚酸、
マロン酸、レブリン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等
が挙げられる。無機酸としては例えばリン酸、硝酸、硫
酸が挙げられる。更にこれら有機酸及び/又は無機酸の
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアンモニ
ウム塩、有機アミン塩も好適に用いられ、これらの有機
酸、無機酸及び/又はこれらの塩は単独でも2種以上の
併用でもよい。
【0014】これらの化合物の本発明の濃縮湿し水組成
物への添加量は0.01〜15重量%の範囲が好ましく、
水で希釈した湿し水のpH値が3〜7の範囲の酸性領域で
用いることが好ましいが、アルカリ金属水酸化物、リン
酸、アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、ケイ酸塩な
どを含有したpH7〜11のアルカリ性領域で用いること
もできる。 (c)一般式〔II〕で示される化合物は、給水ローラー
の濡れを更に向上させ、水上りの安定化を実現するため
の化合物であって、具体的な化合物としてはプロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコール
モノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
プロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピル
エーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピル
エーテル、テトラプロピレングリコールモノイソプロピ
ルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコール
モノイソブチルエーテル、テトラプロピレングリコール
モノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノタ
ーシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
ターシャリブチルエーテル、トリプロピレングリコール
モノターシャリブチルエーテル、テトラプロピレングリ
コールモノターシャリブチルエーテル、分子量200〜
1000のポリプロピレングリコール及びそれら化合物
のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロ
ピルエーテル及びイソプロピルエーテル、モノブチルエ
ーテル等が挙げられる。これらの化合物は単独でも2種
以上の化合物を併用してもよい。好適に使用できる範囲
は10〜70重量%である。特に化合物の中で0.1〜0.
5重量%の水溶液で表面張力が55ダイン/cm以下に
なる化合物が特に好ましく使用できる。 (d)一般式〔III 〕で示される具体例な化合物として
は3−メトキシブタノール、3−エトキシブタノール、
3−プロポキシブタノール、3−メチル−3−メトキシ
ブタノール、3−メチル−3−エトキシブタノール、3
−メチル−3−プロポキシブタノール等が挙げられる。
これらの化合物は(a)成分のセルロース誘導体の溶解
性の促進及び高温保存時発生する曇点現象を抑制する効
果を発揮して本発明の濃縮湿し水組成物の濃縮化を達成
するために必要である。特にこれらの化合物の中で3−
メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノ
ールが好適に使用できる。これらの化合物は単独でも2
種以上併用しても好適に使用できる。好ましく使用でき
る範囲は0.1〜20重量%である。 (e)一般式〔IV〕〜〔IX〕に示される化合物の具体例
としては、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン
酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、安息香
酸、サリチル酸、イソフタリルスルホン酸、没食子酸、
フェノールスルホン酸、チオサリチル酸、テトラフェニ
ルホスホニウムヨーダイド、テトラフェニルホスホニウ
ムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムクロライ
ド、テトラフェニルホスホニウム硫酸塩、テトラフェニ
ルホスホニウム硝酸塩、テトラフェニルホウ素ナトリウ
ム、テトラn−ブチルホスホニウムヨーダイド、テトラ
n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラn−ブチル
ホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニ
ウム硫酸塩、テトラn−ブチルホスホニウム硝酸塩、テ
トラブチルアンモニウム硫酸塩、テトラブチルアンモニ
ウム硝酸塩、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイ
ド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テ
トラブチルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラブ
チルホスホニウムリン酸塩、エチルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブ
ロマイド、ジフェニルホスホニウムクロライド、ベンジ
ルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラトリル
ホスホニウムブロマイド、ビス〔(ベンジル)(ジフェ
ニル)ホスホランジイル〕アンモニウムクロライド、
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンブロマイ
ド、4−(ブチルフェニル)−2−ヒドロキシベンゼン
スルホン酸、4−(ブチルフェニル)ベンゼンスルホン
酸、ジフェニルエーテルスルホン酸等が挙げられる。
又、これらのアルカリ金属塩(Na、K、Li塩) 、アンモ
ニウム塩も有効に使用できる。これらの化合物は、成分
(c)の高沸点溶剤使用の大きい欠陥であった水の蒸発
によって発生する溶剤の残渣による印刷版の画像部の劣
化現象を完全に防止し、画像部の保護性を高める効果を
特異的に発揮し、安定に印刷することができる。好適な
使用範囲は0.01〜7重量%である。又これらの化合物
は2種以上併用することもできる。
【0015】本発明の濃縮湿し水組成物には必要に応じ
て更に水溶性硝酸塩を添加してもよい。これらの化合物
は印刷版の腐蝕防止及び印刷機に使用されている金属の
腐蝕防止効果を発揮する。具体例としては硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウ
ム、硝酸カルシウム、硝酸ベリリウム、硝酸アルミニウ
ム、硝酸亜鉛、硝酸ジルコニウム、硝酸ニッケル、硝酸
マンガン、硝酸クロム等が挙げられる。これらの塩は1
種もしくは2種以上併用してもよい。これらの塩は濃縮
湿し水組成物の0.1〜20重量%の範囲で使用される。
【0016】本発明の濃縮湿し水組成物には、必要に応
じて本発明のセルロース誘導体以外の水溶性高分子化合
物を併用することができる。例えば、アラビアガム、澱
粉誘導体(例えば、デキストリン、酵素分解デキストリ
ン、ヒドロキシプロピル化酵素分解デキストリン、カル
ボキシメチル化澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク化
澱粉)、アルギン酸塩、繊維素誘導体(例えば、カルボ
キシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、
メチルセルロース)等の天然物及びその変性体、ポリエ
チレングリコール及びその共重合体、ポリビニルアルコ
ール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド及びその共重合体、ポリアクリル酸及びその
共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重
合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、ポリスチ
レンスルホン酸及びその共重合体の合成物が挙げられ
る。これらの高分子化合物は単独で又は混合して使用す
ることができ、その使用濃度範囲は使用時の湿し水組成
物中0.005〜1重量%の範囲が望ましい。
【0017】更に、界面活性剤を添加してもよい。例え
ば、アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビ
エチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、ア
ルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキル
ベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン
酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピ
ルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホ
フェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウ
リンナトリウム塩類、N−アルキルスルホ琥珀酸モノア
ミド二ナトリウム塩類、石油スルホン錯塩類、硫酸化ひ
まし油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸
エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モ
ノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、
アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無
水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−
無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレン
スルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これ
らの中でもジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキル硫酸
エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類が
特に好ましく用いられる。
【0018】非イオン型界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリス
チリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸
部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペ
ンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレン
グリコールモノ脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エ
ステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、
ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチ
レン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,
N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂
肪酸エステル類、トリアルキルアミンオキシド類などが
挙げられる。その他、弗素系界面活性剤、シリコン系界
面活性剤も使用することができる。その中でもポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が
好ましく用いられる。
【0019】カチオン界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体
等が挙げられる。これらの界面活性剤の含有量は発泡の
点を考慮すると、10重量%以下、好ましくは0.01〜
3.0重量%が適当である。
【0020】更に、本発明の濃縮湿し水組成物には湿潤
剤としてエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ジグリセリン等が好適に用いられる。これらの湿潤
剤は単独でも2以上の併合でもよい。一般に上記湿潤剤
は0.1〜25重量%の量で使用することが好ましい。
【0021】更に、本発明の濃縮湿し水組成物にはキレ
ート化合物を添加してもよい。通常、濃縮湿し水組成物
は水道水、井戸水等を加えて希釈して使用される。この
際希釈する水道水や井戸水に含まれているカルシウムイ
オン等が印刷に悪影響を与え、印刷物を汚れ易くする原
因となることもある。このような場合、キレート化合物
を添加して、上記欠点を解消することができる。好まし
いキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミン
テトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナ
トリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、その
カリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチ
レンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような
有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボ
ン酸類を挙げることが出来る。上記のキレート剤のナト
リウム塩あるいはカリウム塩の代りに有機アミンの塩も
有効である。これらのキレート剤は湿し水組成物中に安
定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。濃縮
湿し水組成物中に添加する量としては0.001〜10重
量%、好ましくは0.01〜5重量%が適当である。
【0022】更に本発明の濃縮湿し水組成物には防錆剤
としてベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾ
ール、5−メトキベンゾトリアゾール、4−クロロベン
ゾトリアゾール、4−ブロモベンゾトリアゾール、4−
ブロモ−6−メチルベンゾトリアゾール、4−ブロモ−
6−トリフロロメチルベンゾトリアゾール等が挙げられ
る。又、これらの化合物の1Hの位置をアルカリ金属塩
(K、Na、Li)又はNH4 に置換した化合物、ベン
ゾイミダゾール及びその誘導体、メルカプト化合物及び
/又はチオエーテル化合物としては、例えば、メルカプ
ト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト
プロピオン酸、4−メルカプトブタン酸、2,4−ジメ
ルカプトブタン酸、2−メルカプトテトラデカン酸、2
−メルカプトミリスチン酸、メルカプトこはく酸、2,
3−ジメルカプトこはく酸、システィン、N−アセチル
システィン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリ
シン、N−(2−メルカプト−2−メチルプロピオニ
ル)グリシン、N−(3−メルカプトプロピオニル)グ
リシン、N−(2−メルカプト−2−メチルプロピオニ
ル)システィン、ペニシラミン、N−アセチルペニシラ
ミン、グリシン・システィン・グルタミン縮合物、N−
(2,3−ジメルカプトプロピオニル)グリシン、2−
メルカプトニコチン酸、チオサリチル酸、3−メルカプ
ト安息香酸、4−メルカプト安息香酸、3−カルボキシ
−2−メルカプトピリジン、2−メルカプトベンゾチア
ゾール−5−カルボン酸、2−メルカプト−3−フェニ
ルプロパン酸、2−メルカプト−5−カルボキシエチル
イミダゾール、5−メルカプト−1−(4−カルボキシ
フェニル)テトラゾール、N−(3,5−ジカルボキシ
フェニル)−2−メルカプトテトラゾール、2−(1,
2−ジカルボキシエチルチオ)−5−メルカプト−1,
3,4−チアジアゾール、2−(5−メルカプト−1,
3,4−チアジアゾリルチオ)ヘキサン酸、2−メルカ
プトエタンスルホン酸、2,3−ジメルカプト−1−プ
ロパンスルホン酸、2−メルカプトベンゼンスルホン
酸、4−メルカプトベンゼンスルホン酸、3−メルカプ
ト−4−(2−スルホフェニル)−1,2,4−トリア
ゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール−5−スルホ
ン酸、2−メルカプトベンゾイミダゾール−6−スルホ
ン酸、メルカプトコハクイミド、4−メルカプトベンゼ
ンスルホンアミド、2−メルカプトベンゾミダゾール−
5−スルホンアミド、3−メルカプト−4−(2−(メ
チルアミノスルホニル)エトキシ)トルエン、3−メル
カプト−4−(2−(メチルスルホニルアミノ)エトキ
シ)トルエン、4−メルカプト−N−(p−メチルフェ
ニルスルホニル)ベンズアミド、4−メルカプトフェノ
ール、3−メルカプトフェノール、2−メルカプトフェ
ノール、3,4−ジメルカプトトルエン、2−メルカプ
トヒドロキノン、2−チオウラシル、3−ヒドロキシ−
2−メルカプトピリジン、4−ヒドロキシチオフェノー
ル、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、4,
6−ジヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2,3
−ジヒドロキシプロピルメルカプタン、2−メルカプト
−4−オクチルフェニル メタンスルホニルアミノエチ
ルエーテル、2−メルカプト−4−オクチルフェノール
メタンアミノスルホニルブチルエーテル、チオジグリコ
ール酸、チオジフェノール、6,8−ジチオオクタン
酸、5−メトキシ−2−メルカプトベンゾイミダゾー
ル、2−メルカプトベンゾイミダゾール−5−スルホン
酸等、及び前記化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられ
る。これらの化合物の含有量としては、0.0001重量
%〜5重量%の範囲が好ましい。又、単独又は2種以上
を混合して使用することもできる。
【0023】更に、本発明の濃縮湿し水組成物には各種
着色剤、消泡剤、防腐剤などを添加することができる。
例えば着色剤としては食品用色素等が好ましく使用でき
る。例えば、黄色色素としてはCINo. 19140、1
5985、赤色色素としてはCINo. 16185、45
430、16255、45380、45100、紫色色
素としてはCINo. 42640、青色色素としてはCI
No. 42090、73015、緑色色素としてはCIN
o. 42095、等が挙げられる。また、消泡剤として
は、シリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及
び可溶化型等いずれも使用できる。好ましい添加量は0.
001〜1重量%の範囲が最適である。
【0024】更に、防腐剤としては、フェノール又はそ
の誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ
酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導
体、ベンズトリアゾール誘導体、アミジン又はグアニジ
ンの誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリ
ン又はグアニジンの誘導体、ダイアジン又はトリアゾー
ルの誘導体、オキサゾール又はオキサジンの誘導体等が
挙げられる。好ましい添加量は、細菌、カビ、酵母等に
対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カ
ビ、酵母の種類によっても異なるが、濃縮湿し水組成物
に対し、0.01〜4重量%の範囲が好ましく、また種々
のカビ、細菌、酵母に対して効力のあるような2種以上
の防腐剤を併用することが好ましい。
【0025】前記各成分はこれらを水、好ましくは脱塩
水、即ち純水に溶解した水溶液とすることにより、本発
明の濃縮湿し水組成物が得られる。濃縮液を使用すると
き、水道水、井戸水等で10倍〜100倍に希釈して用
いる方が経済的に好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明の濃縮湿し水組成物は、印刷適性
が極めて良好であり、高沸点溶剤を使用しているにもか
かわらず印刷版の画像領域を損うことがない。また液の
経時安定性に優れ、消防法、労働安全衛生法等の法規的
規制を満足するものであり、安定に優れた印刷物を得る
ことができる。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
する。なお、%は特に指定のない限り重量%を示す。湿
し水組成物として表1の1〜5を調製し、比較例として
6〜8に示した湿し水組成物を調製した。単位はグラム
であり、水を加えて1000mlとした。
【0028】そのテスト結果を表2、表3にまとめて示
す。 表 1 ─────────────────────────────────── 実施例 比較例 成 分 ───────────────── 1 2 3 4 5 6 7 8 ─────────────────────────────────── a)皮膜形成 ヒドロキシプロピルセルロ 10 10 5 - - 10 5 - 性親水性 ース(LEG)(信越化学 (株) 製) 高分子 メトローズ60SH50 (メトキシ - - - 5 - - - 5 基/ヒドロプロポキシ基) (信越化学 (株) 製) ハイメトローズ60SH50 - - 5 - 5 - 5 - (同上のグリオキザール 変性体) ─────────────────────────────────── b)pH緩衝剤 リン酸 85% 5 5 5 5 5 5 5 5 リン酸第2アンモニウム 4 4 4 4 4 4 4 4 クエン酸第2アンモニウム 10 10 10 10 10 10 10 10 ─────────────────────────────────── c)濡れ性の プロピレングリコールモノ 200 200 150 150 100 200 150 150 向上剤 プロピルエーテル ポリプロピレン/ 50 - 50 50 100 50 50 50 グリコール( 分子量400) ポリプロピレングリコール - 50 50 50 50 - 50 50 ( 分子量400)モノメチル エーテル ─────────────────────────────────── d)補助剤 3−メトキシブタノール 100 100 100 - - 100 - - (曇点向上)3−メチル−3−メトキシ - - - 100 100 - - 100 ブタノール ─────────────────────────────────── e)画像部 テトラフェニルホスホニウ 10 - 10 5 - - - - 安定剤 ムブロマイド p-トルエンスルホン酸 - - 20 - - - - - ナトリウム テトラブチルホスホニウム - 10 - 10 10 - - - ブロマイド ジフェニルエーテル - - - - 5 - - - スルホン酸ナトリウム ─────────────────────────────────── f)水 水で1000mlまでにする。 ─────────────────────────────────── テスト方法 印刷版としてFPS(富士写真フィルム(株)製ポジタ
イプPS版)をベタ部と30%網点部のフィルムを用い
て露光し、PS自動現像機800EII、ポジ用現像液D
P−4(水で8倍に希釈)、ポジ用フィニッシャーFP
(水で2倍に希釈)(いずれも富士写真フィルム(株)
製)を用いて現像、ガム引きしたものを、小森リスロン
印刷機(コモリマチック装備)に取りつけ、東洋インキ
MK−V墨インキおよび実施例1〜5及び比較例6〜8
の濃縮液を水道水で40倍に希釈した湿し水を用いて印
刷を行った。
【0029】その時の印刷適性の評価及び印刷機を停止
する前に湿し水を少し多く供給し停止させ60分放置後
のPS版のベタ部と30%網点部の画像領域の劣化(版
トビ)について観察した。結果を表2に示した。又、曇
点測定結果も表2に示した。 a.メータリングロール汚れ:水あげ用メータリングロ
ールに対するインキの付着汚れの程度を調べる。
【0030】良い。 A やや劣る。 B 劣る。 C b.ブリード性:インキ(大日本インキ(株)アペック
スG 紅S)を用い、5000および10000枚印刷
したところで印刷機の運転を休止し、画線部のインキが
非画像部に滲みでている程度を調べる。
【0031】滲みがほとんどない。 A 滲みがややある。 B 滲みが多い。 C c.乳化性:10000枚印刷したとき、インキ練ロー
ル上のインキの乳化状態を調べる。
【0032】良い。 A やや悪い。 B 悪い。 C d.連続安定性:真水を湿し水として用いて、1000
0枚印刷し、汚れを生じない湿し水の量(最少水あげ
量)を求め、各種の湿し水をこの最少水あげ量で用いて
印刷を行い、印刷物の汚れが発生するまでの印刷枚数に
より判定する。
【0033】10000枚以上 A 10000〜3000枚 B 3000枚未満 C e.画像部劣化 印刷機停止後60分放置してベタ部と30%網点部の劣
化を目視判断する。
【0034】問題なし A 微劣化有り B 劣化 C 本実施例の湿し水適性についてテストした結果、(a) メ
ータリング汚れ、(b)ブリード性、(c) 乳化性、(d) 連
続安定性及び(e) 画像部の劣化のいずれについても優れ
ており、良好な印刷物が得られた。
【0035】 表 2 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比較例 ────────────────────────────── 1 2 3 4 5 6 7 8 ──────────────────────────────────── メータリ A A A A A A A A ング汚れ インキブ A A A A A A A A リード性 乳化性 A A A A A A A A 連続安定性 A A A A A A A A 画像部 A A A A A C C C の劣化 ──────────────────────────────────── 続いて印刷機を停止しPS版のベタ部と30%網点部の
画像部にシリンジを用いてそれぞれの湿し水を5μl、
10μl、20μl及び50μlを滴下し60分間放置
した。その後印刷を再開し画像領域の劣化について評価
した。
【0036】その結果を表3に示した。 表 3 ──────────────────────────────── 実 施 例 比較例 ────────────────────────── 1 2 3 4 5 6 7 8 ──────────────────────────────── 5μl A A A A A C C C 10μl A A A A A C C C 20μl A A A A A C C C 50μl A A A A A C C C ──────────────────────────────── A 問題なし B 若干劣化有り(リング状跡有り) C 劣化 比較例の湿し水に比べて実施例1〜5の湿し水は殆んど
画像領域の劣化は認められず、完全に保護されていた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(a)〜(f)を含有すること
    を特徴とする平版印刷用濃縮湿し水組成物。 (a)下記一般式〔I〕で示される、少なくとも1種の皮膜形成性を有する親水 性高分子化合物 0.1〜10重量% (b)pH緩衝剤 0.01〜15重量% (c)下記一般式〔II〕で示される少なくとも1種の化合物 10〜70重量% (d)下記一般式〔III 〕で示される少なくとも1種の化合物 0.1〜20重量% (e)下記一般式〔IV〕〜〔IX〕で示される少なくとも1種の化合物 0.01〜7重量% (f)水 10〜80重量% 【化1】 【化2】 (式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキ
    ル基又はヒドロキシアルキル基を示し、アルキル基及び
    /又はヒドロキシアルキル基による置換率は20〜90
    %であり、lは1以上の整数を示す。R2 は水素原子又
    は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、mは1〜10
    の整数を示し、R3 、R4 及びR5 は水素原子又は炭素
    原子数1〜4のアルキル基を示す。R6 、R7 及びR8
    は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子
    数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロ
    キシル基又はハロゲン原子を示し、R9 、R10及びR11
    は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子
    数1〜3のアルキル基、メルカプト基、スルホン基、ヒ
    ドロキシル基、カルボキシル基又はハロゲン原子を示
    し、R12〜R19は、炭素原子数1〜12のアルキル基、
    環状アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、
    置換又は無置換フェニル基を示し、Z1 〜Z3 はN、P
    又はBを示し、X1 〜X3 はハロゲンイオン、硝酸イオ
    ン、硫酸イオン、リン酸イオン、水酸イオン、PF6 -
    はBF4 - 等の陰イオン、Li+ 、Na+ 、K + 又はNH4 +
    の陽イオンを示し、nは1〜5の整数を示し、R20及び
    21は水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を示
    す。R22は水素原子、ヒドロキシル基を示し、R23は水
    素原子、スルホン基を示す。R24は水素原子、炭素原子
    数1〜6のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示
    し、M1 、M2 、M3 及びM4 は水素原子、アルカリ金
    属又はアンモニウムイオンを示す。)
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