JPH11105449A - 平版印刷版用湿し水組成物 - Google Patents

平版印刷版用湿し水組成物

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JPH11105449A
JPH11105449A JP27613797A JP27613797A JPH11105449A JP H11105449 A JPH11105449 A JP H11105449A JP 27613797 A JP27613797 A JP 27613797A JP 27613797 A JP27613797 A JP 27613797A JP H11105449 A JPH11105449 A JP H11105449A
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JP
Japan
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ether
glycol
acid
fountain solution
water
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JP27613797A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Matsumoto
博 松本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸発しにくく、濃縮化するのに適し、且つ臭
気などに問題のない成分を含み、印刷適性に優れた平版
印刷版用湿し水組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)又は(II)で示される
少なくとも1種の化合物と、下記一般式(III)又は(I
V) で示される少なくとも1種の化合物を含有すること
を特徴とする平版印刷版用湿し水組成物。 【化1】 (式中、m、nはそれぞれ1〜4の整数を表し、R1
炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、oは1〜3の整
数を表し、R2 はメチル基又はエチル基を表し、及びR
3 は水素原子又はメチル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版のオフセ
ット印刷法に有用な湿し水組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は水と油が本質的に混じり合わ
ない性質を巧みに利用した印刷方式であり、印刷版面は
水を受容し油性インキを反撥する領域と、水を反撥し油
性インキを受容する領域から成り、前者が非画像領域で
あり、後者が画像領域である。不感脂化剤は、これを含
む湿し水で非画像領域を湿潤することにより画像領域と
非画像領域との界面化学的な差を拡大して、非画像領域
のインキ反撥性と画像領域のインキ受容性とを増大させ
る作用を有している。従来から一般的に知られている湿
し水としては、重クロム酸のアルカリ金属塩又はアンモ
ニウム塩、リン酸又はその塩、例えばアンモニウム塩、
アラビアガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)
等のコロイド物質等を添加した水溶液がある。
【0003】しかしながら、これらの化合物だけを含む
湿し水は、版の非画像部に均一に濡れ難い欠点があり、
このため印刷物が時々汚れたり、また湿し水の供給量を
調節するのに相当の熟練を要するなど問題となってい
た。
【0004】この欠点を改良するため、イソプロピルア
ルコールを約20〜25%加えた水溶液を湿し水として
用いるダールグレン方式が提案されている。この方式に
よると、非画像部への濡れが良くなり、湿し水の量が少
なくて済み、印刷インキと水との供給量のバランスの調
整が容易であり、印刷インキ中への湿し水の乳化量が少
なくなり、更にブランケットへの印刷インキの転移性が
良くなる等、作業性の面及び得られた印刷物の精度の面
において数々の利点がある。しかしながら、このイソプ
ロピルアルコールは蒸発し易いために、湿し水のイソプ
ロピルアルコール濃度を一定に保つための特殊な装置が
必要であり、価格の点において高価なものとなる。ま
た、イソプロピルアルコールは特有の不快臭があること
と共に、毒性の面でも問題があって作業環境上好ましく
ない。また、このイソプロピルアルコールを添加した湿
し水を、通常の水棒を用いるオフセット印刷に適用して
も、ローラー上及び版面上でイソプロピルアルコールが
蒸発するため、その効果を発揮することができないなど
問題となっていた。
【0005】更に、近年産業公害に対する社会的関心が
非常に高まり、廃水中のクロムイオンの排出規制が厳し
くなり、またイソプロピルアルコールのような有機溶剤
の使用が安全衛生面から規制される傾向にある。このた
め、これらを含有しない湿し水が望まれていた。これら
の目的を達成するために、例えば特公昭55−2507
5号公報、特公昭55−19757号公報、特公昭58
−5797号公報には、種々の界面活性剤を含有する組
成物が記載されているが、これらを湿し水として使用す
る場合、界面活性剤濃度をかなり高くしておく必要があ
る。また、実際の平版印刷においては、高速度で回転す
るインキロール、印刷版、湿し水供給ロールの下でイン
キ/水が激しく運動しているため、インキ皮膜上に水が
付着したり、水の表面にインキが拡散する等が問題とな
っているが、上記に提案されている界面活性剤の組合せ
は、これらの問題点を完全に解消するには充分ではなか
った。更に、これらの界面活性剤を含む湿し水はポンプ
輸送や攪拌の際に発泡し易いという欠点もあった。
【0006】他方、米国特許第3,877,372号に
は、エチレングリコールモノブチルエーテルと、へキシ
レングリコール及びエチレングリコールの少なくとも1
種との混合物を含有する溶液が記載されている。米国特
許第4,278,467号には、n−へキソキシジエチ
レングリコール、n−へキソキシエチレングリコール、
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、n−ブトキシ
エチレングリコールアセテート、n−ブトキシジエチレ
ングリコールアセテート、3−ブトキシ−2−プロパノ
ールの少なくとも1種を含有する湿し水が記載されてい
る。特開昭57−199693号公報には、2−エチル
−1,3−へキサンジオールと、完全水溶性のプロピレ
ングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、へキシレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、トリプロパングリコール、1,5−ペンタンジオー
ルの少なくとも1種を含有する湿し水が記載されてい
る。これらの湿し水組成物はイソプロピルアルコールを
含有しないため、安全衛生面で有利ではあるが、陽極酸
化アルミニウム基板のPS版では印刷中の非画像部の濡
れが完全とは言いがたく、特に高速印刷時に非画像部に
汚れが生じたり、網点画像部の形状が正常ではなく、大
きくなり、ムラ状となる、いわゆる網点画像部の絡みが
発生してしまう問題があった。更に、2−エチル−1,
3−へキサンジオールは水に対する溶解性が十分でな
く、高濃度の濃縮湿し水組成物や湿し水用添加剤を得る
のに不利であるなど問題となっていた。
【0007】また、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテルは湿し水組成物の成分として、低濃度で動的表面
張力を低下させる能力を有し、印刷適性に優れた効果を
発揮するものとして知られている。さらに特開平9−1
23635号公報には、イソプロピルアルコールに代わ
る特定の化合物を開示している。しかしながら、これら
の化合物は水溶解性が低いため、濃縮化することが困難
で、濃縮湿し水組成物とするには適さないという問題点
がある。従って、上述のような欠点のない成分を用いた
湿し水組成物が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、蒸発
しにくく、濃縮化するのに適し、且つ臭気などに問題の
ない成分を含み、印刷適性に優れた平版印刷版用湿し水
組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するため、従来の湿し水組成物の成分が持つ欠点が
なく、環境上安全でかつ濃縮湿し水組成物の成分として
適した化合物について研究を重ねた結果、特定の化合物
の組み合わせを平版印刷版用湿し水組成物に採用するこ
とで、濃縮化しても不都合がなく且つ性能劣化のない湿
し水組成物が得られることを見出し、本発明を完成させ
るに至った。従って本発明は、下記一般式(I)又は
(II)で示される少なくとも1種の化合物と、下記一般
式(III)又は(IV) で示される少なくとも1種の化合物
を含有することを特徴とする平版印刷版用湿し水組成物
である
【0010】
【化2】
【0011】(式中、m、nはそれぞれ1〜4の整数を
表し、R1 は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、o
は1〜3の整数を表し、R2 はメチル基又はエチル基を
表し、及びR3 は水素原子又はメチル基を表す。)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用する一般式(I)で
示される化合物の具体例としては、エチレングリコール
モノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソ
ブチルエーテル、エチレングリコールモノセカンダリー
ブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリー
ブチルエーテル等にアルカリ触媒中でプロピレンオキサ
イドを付加した化合物である。一般式(II)で示される
化合物の具体例としては、プロピレングリコールモノn
−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノセカンダリーブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリー
ブチルエーテル等にアルカリ触媒中でエチレンオキサイ
ドを付加した化合物である。
【0013】理想的にはプロピレンオキサイド、エチレ
ンオキサイドの1〜2モル付加物がより好ましいが、3
〜4モル付加した化合物の混合物でも好ましく使用する
ことができる。
【0014】本発明の湿し水組成物は、上記の一般式
(I)又は(II)で示される化合物の少なくとも1種を
含有する。中でも、エチレングリコールモノn−ブチル
エーテルのプロピレオキサイド付加化合物やプロピレン
グリコールモノn−ブチルエーテルのエチレンオキサイ
ド付加化合物が性能、経済面で有利に使用できる。これ
らの化合物の湿し水組成物における含有量は、湿し水組
成物の全重量に基づいて0.1〜3重量%が適当である。
より好ましくは0.3〜2.5重量%である。0.1重量%よ
りも少ないと、動的表面張力が高くなり湿し水組成物の
性能が劣化し、3重量%を越えるとインキ中に混入しや
すくなり乳化現象を起こす原因となりやすい。
【0015】本発明の湿し水組成物には、さらに一般式
(III)、(IV)で示される化合物を配合する。一般式(II
I)、(IV)で示される化合物の具体例としては、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノター
シャリーブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn
−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノターシャ
リーブチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−
ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノターシャ
リーブチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロ
ピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−プロピル
エーテル、トリエチレングリコールモノn−プロピルエ
ーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、
トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、3-
メチル-3- メトキシブタノール、3-メトキシブタノール
等がある。
【0016】本発明の湿し水組成物は、上記の一般式
(III)、(IV))で示される化合物の少なくとも1種を含
有する。中でも好ましく使用されるのはジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノn
−ブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリ
ーブチルエーテル、3-メチル-3- メトキシブタノール、
3-メトキシブタノールである。これらの化合物の湿し水
組成物における含有量は、湿し水組成物の全重量に基づ
いて0.1〜5重量%が適当である。より好ましくは0.5
〜3重量%である。0.1重量%よりも少ないと、一般式
(I)又は(II)で示される化合物の水に対する可溶化
効果が劣り、長時間印刷適性に影響する。5重量%を越
えると、一般式(I)又は(II)で示される化合物の動
的表面張力の低下効果に影響し湿し水組成物の性能が大
幅に劣化する。
【0017】本発明においては上記化合物の他に動的表
面張力の調節、可溶化、又は印刷インクの混入率(乳化
率)を適度な範囲に抑える等のために、必要に応じて下
記の化合物を添加することができる。その具体例として
は、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチ
レングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレング
リコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエー
テル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリ
コール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、
【0018】トリプロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピル
エーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエー
テル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
モノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
イソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイ
ソブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャ
リブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノターシ
ャリブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノタ
ーシャリブチルエーテル、分子量200〜1000のポ
リプロピレングリコール及びそれらの化合物のモノメチ
ルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテ
ル、及びイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオールの酸化エチレン及び/又は酸
化プロピレン付加物、アセチレンアルコール又はアセチ
レングリコールの酸化エチレン及び/又は酸化プロピレ
ン付加物、トリメチロールプロパンの酸化プロピレン付
加物、グリセリンの酸化プロピレン付加物、ソルビトー
ルの酸化プロピレン付加物、テトラヒドロフルフリルア
ルコール等が挙げられる。
【0019】これら化合物の中で動的表面張力補助剤と
して有効な化合物としては2−エチルヘキサンジオー
ル、アセチレングリコール酸化エチレン付加物、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノブチルエーテル、平均付加モル数が2〜10
のポリプロピレングリコールモノアルキル(炭素数1〜
4)エーテルが特に有効である。インキ乳化制御剤とし
ては2−エチル−1,3−ヘキサンジオールの酸化エチ
レン付加物、トリメチロールプロパンの酸化エチレン付
加物等が好適に使用することができる。これらの化合物
は単独でも2種以上の化合物を併用してもよく、好適に
使用できる範囲は0.01〜7重量%で、より好ましく
は0.01〜5重量%である。
【0020】本発明の湿し水組成物に用いられるpH緩
衝剤としては、水溶性の有機酸及び/又は無機酸又はそ
れらの塩が使用でき、これらの化合物は湿し水のpH調
整あるいはpH緩衝、平版印刷版支持体の適度なエッチ
ング又は防腐食に効果がある。好ましい有機酸として
は、例えばクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石
酸、乳酸、酢酸、グルコン酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、
蓚酸、マロン酸、レブリン酸、スルファニル酸、p−ト
ルエンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等が挙
げられる。無機酸としては例えばリン酸、硝酸、硫酸、
ポリリン酸が挙げられる。更にこれら有機酸及び/又は
無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいは
アンモニウム塩、有機アミン塩も好適に用いられ、これ
らの有機酸、無機酸及び/又はこれらの塩は単独で使用
しても、あるいは2種以上の混合物として使用してもよ
い。
【0021】これらpH緩衝剤の本発明の湿し水組成物
への添加量は0.001〜0.3重量%の範囲が好まし
く、湿し水組成物のpH値が3〜7の範囲の酸性領域で
用いることが好ましいが、アルカリ金属水酸化物、リン
酸、アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、ケイ酸塩な
どを含有したpH7〜11のアルカリ性領域で用いるこ
ともできる。
【0022】本発明の湿し水組成物には、更に(a)水
溶性高分子化合物、(b)界面活性剤、(c)キレート
化合物、(d)防腐剤、(e)防錆剤、(f)着色剤、
(g)香料、(h)消泡剤等の成分を必要に応じて添加
することができる。本発明に使用できる(a)水溶性高
分子化合物としては例えばアラビアガム、澱粉誘導体
(例えば、デキストリン、酵素分解デキストリン、ヒド
ロキシプロピル化酵素分解デキストリン、カルボキシメ
チル化澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク化澱粉)、
アルギン酸塩、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチ
ルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセ
ルロース)等の天然物及びその変性体、ポリエチレング
リコール及びその共重合体、ポリビニルアルコール及び
その誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミ
ド及びその共重合体、ポリアクリル酸及びその共重合
体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、
酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、ポリスチレンス
ルホン酸及びその共重合体の合成物が挙げられる。
【0023】水溶性高分子の含有量は、湿し水組成物に
対して0.0001〜0.1重量%が適しており、より
好ましくは、0.0005〜0.05重量%である。
【0024】本発明に使用できる(b)界面活性剤とし
ては可溶化の補助濡れ性の補助剤として添加してもよ
い。例えば、アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩
類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸
塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀
酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖
アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレン
スルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレ
ンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキ
ルスルフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイ
ルタウリンナトリウム塩類、N−アルキルスルホ琥珀酸
モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫
酸化ひまし油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステル
の硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂
肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル
塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフ
ィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフ
タレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられ
る。これらの中でもジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アル
キル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン
酸塩類が特に好ましく用いられる。
【0025】非イオン型界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリス
チリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸
部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペ
ンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレン
グリコールモノ脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エ
ステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、
ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチ
レン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,
N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂
肪酸エステル類、トリアルキルアミンオキシド類などが
挙げられる。その他、弗素系界面活性剤、シリコン系界
面活性剤も使用することができる。その中でもポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が
好ましく用いられる。
【0026】更に、シリコン誘導体又はフッ素誘導体等
の界面活性剤も挙げられる。これらの界面活性剤の含有
量は発泡の点を考慮すると、1.0重量%以下、好ましく
は0.001〜0.5重量%が適当である。また、2種以
上併用することもできる。
【0027】本発明には、(c)キレート化合物を添加
してもよい。通常濃縮湿し水組成物は水道水、井戸水等
を加えて希釈して使用される。この際希釈する水道水や
井戸水に含まれているカルシウムイオン等が印刷に悪影
響を与え、印刷物を汚れ易くする原因となることもあ
る。このような場合、キレート化合物を添加して、上記
欠点を解消することができる。好ましいキレート化合物
としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、その
カリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミン
ペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリ
エチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、その
ナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ
酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロト
リ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−
1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウ
ム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類
あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げるこ
とが出来る。上記のキレート剤のナトリウム塩あるいは
カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。これ
らのキレート剤は湿し水組成物中に安定に存在し、印刷
性を阻害しないものが選ばれる。湿し水組成物中に添加
する量としては0.0001〜1.0重量%、好ましくは0.
0005〜0.1重量%が適当である。
【0028】本発明に使用できる(d)防腐剤としては
フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール
誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン
−3−オン誘導体、ベンズトリアゾール誘導体、アミジ
ン又はグアニジンの誘導体、四級アンモニウム塩類、ピ
リジン、キノリン又はグアニジンの誘導体、ダイアジン
又はトリアゾールの誘導体、オキサゾール又はオキサジ
ンの誘導体、ブロモニトロプロパノール、1,1−ジブ
ロモ−1−ニトロ−2−エタノール、3−ブロモ−3−
ニトロペンタン、2,4−ジオール等が挙げられる。好
ましい添加量は細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効
力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によ
っても異なるが、湿し水組成物に対し、0.001〜1.0
重量%の範囲が好ましく、また種々のカビ、細菌、酵母
に対して効力のあるような2種以上の防腐剤を併用する
ことが好ましい。
【0029】本発明に使用できる(e)防錆剤として
は、例えばベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリ
アゾール、チオサリチル酸、ベンゾイミダゾール及びそ
の誘導体等が挙げられる。
【0030】本発明に使用できる(f)着色剤として
は、食品用色素等が好ましく使用できる。例えば、黄色
色素としてはCINo. 19140、15985、赤色色
素としてはCINo. 16185、45430、1625
5、45380、45100、紫色色素としてはCIN
o. 42640、青色色素としてはCINo. 4209
0、73015、緑色色素としてはCINo. 4209
5、等が挙げられる。
【0031】本発明に使用できる(g)香料は微量混入
することにより印刷環境性を高めるのに好適に使用でき
る。例えばキンモクセイ臭、レモン臭、バニリン臭、等
が臭気をマスキングして更に使い易い湿し水とすること
ができる。
【0032】本発明に使用できる(h)消泡剤としては
シリコン消泡剤が好ましく、その中で乳化分散型及び可
溶化型等いずれも使用することができる。前記本発明の
湿し水は通常商業ベースとするときは濃縮化し商品化す
るのが一般的である。濃縮液を使用するときは、水道
水、井戸水等で30〜500倍に希釈して用いる方が経
済的で好ましい。
【0033】
【発明の効果】本発明の湿し水組成物は、環境衛生上安
全で、動的表面張力を低下させる能力に優れており、特
に連続給水方式の湿し水供給装置によるクロムローラ及
びゴムローラーの濡れ性が良好なため、均一の水膜とし
て印刷版面の非画像部に供給することができる。本発明
の湿し水組成物に採用される成分は、インキへの溶解が
少ないので、湿し水組成物におけるその濃度を一定に保
つことが容易であって、延いては印刷物のインキ濃度の
管理が容易となる。従って、良好な印刷適性を発揮し、
安定に優れた印刷物を得ることができる。また、界面活
性剤系で問題となる発泡性も少く、更に印刷室の環境と
して溶剤臭がさわやかな臭気となり作業環境性が良化す
る。そして、濃縮化して調製しても、成分が溶解したま
ま均一性が保持され、使いやすいものである。
【0034】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
する。なお、%は特に指定のない限り重量%を示す。
【0035】
【実施例1〜5及び比較例1〜2】表1の組成に従っ
て、各種湿し水組成物を調製した。単位はグラムであ
り、水を加えて1000mlとした。
【0036】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実施例 比較例 成分 1 2 3 4 5 1 2 〔一般式(I) 又は(II)の化合物〕 ・下記式(a) の化合物 200 - 100 100 200 500 - ・下記式(b) の化合物 - 200 100 100 - - 500 〔一般式(III) 又は(IV)の化合物〕 ・下記式(c) の化合物 300 - 300 - 150 - - ・下記式(d) の化合物 - 300 - 300 150 - - 〔pH緩衝剤〕 ・クエン 酸第1アンモン 25 25 25 25 25 25 25 ・リン酸(85%) 10 10 10 10 10 10 10 〔硝酸塩〕 ・硝酸アンモン 5 5 5 5 5 5 5 ・硝酸マグネシウム 5 5 5 5 5 5 5 〔水溶性高分子〕 ・ヒドロキシプロピルセルロース 3 3 - - 1.5 3 - ・PVA/無水マレイン酸共重合体 - - 3 3 1.5 - 3 〔防腐剤〕 ・4-イソチアゾリン- 2 2 2 2 2 2 2 3-オン誘導体 ・1,1-ジブロモ-1- ニトロ- 2 2 2 2 2 2 2 2-エタノール 純水で全量を1000mlとした。 ────────────────────────────────────
【0037】
【化3】
【0038】上記のように各調液した実施例1〜5、比
較例1〜2の湿し水組成物について、下記(a) のよう
に、液の濃縮化適性を評価した。さらに、各調液した実
施例1〜5、比較例1〜2の湿し水組成物を2%の濃度
に希釈し、この2%希釈液でpHを4.8〜5.2に調整し
た。これらの希釈液で三菱印刷機のダイヤ給水装置を用
いて東洋インキ(株)のハイプラスMZシアンインキと
使用プレートとして富士写真フイルム(株)製のVPS
を標準条件で製版したものを用いて下記の印刷テスト
(b) 〜(h) を実施した。それらの結果を下記表2に示
す。
【0039】(a) 液の濃縮化適性 調液した湿し水組成物を1ml用ポリエチレンビンに入
れ、液の均一混合性を調べた。 1カ月間放置しても変化なし A 成分の沈降物、浮遊物が少量発生する B 完全に層分離する C (b) メータリングロール汚れ 水あげ用メータリングロールに対するインキの付着汚れ
の程度を調べた。 良い A やや劣る B 劣る C
【0040】(c) ブリード性 5000および10000枚印刷したところで印刷機の
運転を休止し、画像部のインキが非画像部に滲みでてい
る程度を調べる。 滲みがほとんどない A 滲みがややある B 滲みが多い C (d) 乳化性 10000枚印刷したとき、インキ練ロール上のインキ
の乳化状態を調べる。 良い A やや悪い B 悪い C
【0041】(e) 連続安定性 真水を湿し水として用いて、10000枚印刷し、汚れ
を生じない湿し水の量(最少水あげ量)を求め、各種の
湿し水をこの最少水あげ量で用いて印刷を行い、印刷物
の汚れが発生するまでの印刷枚数により判定する。 10000枚以上 A 10000〜3000枚 B (f) リブマーク適性(雨ふり状スジの出やすさ) 印刷機スピード10000万rphと5000rphに
於けるベタ部と平網部の状態を観察した。 良い A やや劣る B 劣る C
【0042】(g) 印刷室環境性・・・・臭気 良い A やや劣る B 劣る C (h) プレートの耐刷性の影響(ポジプレート適性) ポジプレートの感光層に湿し水を滴下し、その影響を調
べた。 プレートに変化なし A プレートに滴下跡がリング状に溶出する B プレートの感光層が溶出する C
【0043】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例 比較例 1 2 3 4 5 1 2 (a) 液の濃縮化適性 A A A A A C C (b) メータリングロール汚れ A A A A A B B (c) ブリード性 A A A A A A A (d) 乳化性 A A A A A B B (e) 連続安定性 A A A A A B B (f) リブマーク適性 A A A A A C C (g) 印刷室環境性 A A A A A B B (h) ポジプレート適性 A A A A A C C ────────────────────────────────────
【0044】本発明の湿し水組成物は、(a)〜(h)
の項目いずれについても優れており、良好な印刷物が得
られ、また、湿し水適性も優れていることが判った。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)又は(II)で示される
    少なくとも1種の化合物と、下記一般式(III)又は(I
    V) で示される少なくとも1種の化合物を含有すること
    を特徴とする平版印刷版用湿し水組成物。 【化1】 (式中、m、nはそれぞれ1〜4の整数を表し、R1
    炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、oは1〜3の整
    数を表し、R2 はメチル基又はエチル基を表し、及びR
    3 は水素原子又はメチル基を表す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008053691A1 (fr) * 2006-10-31 2008-05-08 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Matériau de planche d'impression de surface photosensible et procédé de fabrication de planche d'impression de surface utilisant ledit matériau
CN114641542A (zh) * 2020-02-14 2022-06-17 阪田油墨股份有限公司 平版印刷用墨水组成物、印刷物、及印刷物的制造方法

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