JPH11291659A - 平版印刷版用湿し水組成物 - Google Patents

平版印刷版用湿し水組成物

Info

Publication number
JPH11291659A
JPH11291659A JP10425998A JP10425998A JPH11291659A JP H11291659 A JPH11291659 A JP H11291659A JP 10425998 A JP10425998 A JP 10425998A JP 10425998 A JP10425998 A JP 10425998A JP H11291659 A JPH11291659 A JP H11291659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
ether
fountain solution
salts
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10425998A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Matsumoto
博 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP10425998A priority Critical patent/JPH11291659A/ja
Publication of JPH11291659A publication Critical patent/JPH11291659A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イソプロピルアルコール系に代替しうる作業
環境上安全で、生態系に対しても安全性が高く、印刷適
性にに優れた平版印刷版用湿し水組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で示される少なくとも
1種の化合物を含有することを特徴とする平版印刷版用
湿し水組成物。 【化1】 〔式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して水素原子、N
a、K、NH4 又はN(R)4 (式中、Rは置換又は未
置換のアルキル基を表す。)を表し、R3 及びR 4 はそ
れぞれ独立して水素原子又は−(CH2 n −COOR
6 (式中、R6 はR1 又はR2 の定義と同じであり、n
は1、2又は3を表す。)を表し、R5 は水素原子、ヒ
ドロキシル基又は−COOR7 (式中、R7 はR1 又は
2 の定義と同じである。)を表し、及びmは1、2又
は3を表し、mが2以上の場合、R 5 は同一でも異なっ
ていてもよい。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用湿し
水組成物に関し、より具体的には平版印刷版のオフセッ
ト印刷法に有用な湿し水組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は水と油が本質的に混じり合わ
ない性質を巧みに利用した印刷方式であり、印刷版面は
水を受容し油性インキを反撥する領域と、水を反撥し油
性インキを受容する領域から成り、前者が非画像領域で
あり、後者が画像領域である。不感脂化剤は、これを含
む湿し水で非画像領域を湿潤することにより画像領域と
非画像領域との界面化学的な差を拡大して、非画像領域
のインキ反撥性と画像領域のインキ受容性とを増大させ
る作用を有している。従来から一般的に知られている湿
し水としては、重クロム酸のアルカリ金属塩又はアンモ
ニウム塩、リン酸又はその塩、例えばアンモニウム塩、
アラビアガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)
等のコロイド物質等を添加した水溶液がある。しかしな
がら、これらの化合物だけを含む湿し水は、版の非画像
部に均一に濡れ難い欠点があり、このため印刷物が時々
汚れたり、また湿し水の供給量を調節するのに相当の熟
練を要するなど問題となっていた。
【0003】この欠点を改良するため、イソプロピルア
ルコールを約20〜25%加えた水溶液を湿し水として
用いるダールグレン方式が提案されている。この方式に
よると、非画像部への濡れが良くなり、湿し水の量が少
なくて済み、印刷インキと水との供給量のバランスの調
整が容易であり、印刷インキ中への湿し水の乳化量が少
なくなり、更にブランケットへの印刷インキの転移性が
良くなる等、作業性の面及び得られた印刷物の精度の面
において数々の利点がある。しかしながら、このイソプ
ロピルアルコールは蒸発し易いために、湿し水のイソプ
ロピルアルコール濃度を一定に保つための特殊な装置が
必要であり、価格の点において高価なものとなる。ま
た、イソプロピルアルコールは特有の不快臭があること
と共に、毒性の面でも問題があって作業環境上好ましく
ない。また、このイソプロピルアルコールを添加した湿
し水を、通常の水棒を用いるオフセット印刷に適用して
も、ローラー上及び版面上でイソプロピルアルコールが
蒸発するため、その効果を発揮することができないなど
問題となっていた。
【0004】更に、近年産業公害に対する社会的関心が
非常に高まり、廃水中のクロムイオンの排出規制が厳し
くなり、またイソプロピルアルコールのような有機溶剤
の使用が安全衛生面から規制される傾向にある。一方、
湿し水組成物は通常商業ベースとするときは濃縮化し商
品化するのが一般的である。濃縮液を使用するときは、
一般的に水道水、井戸水等で30〜500倍に希釈して
使用する。この時希釈に使用する水の硬度が高い場合、
印刷トラブルの原因となることがある。そこで、一般的
に軟水化剤としてキレート化合物を使用されている。こ
のキレート化合物は一般的に、エチレンジアミンテトラ
酢酸、その塩、例えばカリウム塩、ナトリウム塩、ニト
リロトリ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、ヒドロ
キシエタン−1、1−ジホスホン酸、そのナトリウム
塩、カリウム塩等が多く利用されている。しかし、これ
ら化合物は新たに環境面及び安全性面等で問題を指摘さ
れ、問題視されるようになってきた。従来好ましく使用
されていた有機ホスホン酸、ホスホノトリカルボン酸、
例えばアミノトリスメチレンホスホン酸やエチレンジア
ミノテトラメチレンホスホン酸等のキレート化合物は生
分解性等に問題を有していることが近年判明してきてい
る。従って、環境安全性の観点から規制されるような有
機溶剤やキレート化合物を使用せずに、優れた性能を発
揮する平版印刷版用湿し水組成物が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、イソ
プロピルアルコール系に代替しうる作業環境上安全で、
また、生分解性に優れた平版印刷版用湿し水組成物を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するため、環境安全性と印刷適性に優れた平版印刷
版用湿し水組成物について研究を重ねた結果、下記一般
式(I)で示される化合物を用いることで優れた湿し水
組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。従って本発明は、下記一般式(I)で示される少
なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする平版
印刷版用湿し水組成物に関する。
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して
水素原子、Na、K、NH4 又はN(R)4 (式中、R
は置換又は未置換のアルキル基を表す。)を表し、R3
及びR 4 はそれぞれ独立して水素原子又は−(CH2
n −COOR6 (式中、R6 はR1 又はR2 の定義と同
じであり、nは1、2又は3を表す。)を表し、R5
水素原子、ヒドロキシル基又は−COOR7 (式中、R
7 はR1 又はR2 の定義と同じである。)を表し、及び
mは1、2又は3を表し、mが2以上の場合、R 5 は同
一でも異なっていてもよい。〕
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用する一般式(I)で
示される具体的な化合物としては、N,N−ビスカルボ
キシメチル−β−アラニンとその塩、N,N−ビスカル
ボキシメチルイソセリンとその塩、N−(1,2-ジカルボ
キシエチル) −3−ヒドロキシアスパラギン酸とその
塩、2,2’−イミノジコハク酸とその塩、L−グルタ
ミン酸二酢酸とその塩等を挙げることができる。塩は、
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、あるいは
テトラアルキルアンモニウム塩である。中でもナトリウ
ム塩、カリウム塩が好ましく使用できる。本発明の湿し
水組成物において、これらの化合物を1種単独であるい
は2種以上を使用することができる。一般式(I)で示
される化合物の湿し水組成物における含有量は、湿し水
組成物の全重量に基づいて0.001〜3.0重量%が適当
であり、好ましくは0.005〜1.0重量%の範囲であ
る。この含有量は、湿し水の硬度が高い場合に十分に軟
水化できるように選択される。
【0010】本発明の湿し水組成物のその他の成分とし
ては、以下のものがある。 (a) 濡れ性向上剤及び助剤 (b) 水溶性高分子化合物 (c) pH調整剤 (d) 湿潤剤 (e) その他(防腐剤、着色剤、防錆剤、消泡剤
など)
【0011】本発明の平版印刷版用湿し水組成物に使用
される(a) の濡れ性向上剤としては、下記一般式(II)
で示される化合物を使用することができる。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R8 は炭素原子数1〜4のアルキ
ル基を表し、R9 は水素原子又はメチル基を表し、pは
1〜4の整数を表す。) 一般式(II) で示される化合物の具体例としては、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモ
ノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエー
テル、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノターシャリブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノターシャリブチルエー
テル、
【0014】プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
エチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピ
レングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレ
ングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノターシャリブチルエー
テル、トリプロピレングリコールモノターシャリブチル
エーテル等が挙げられる。
【0015】中でも好ましく使用される化合物は、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノターシャリブチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル等である。上記一般式(II) で表される化
合物を1種単独で、あるいは2種以上用いることができ
る。一般式(II) で表される化合物の湿し水組成物にお
ける含有量は、湿し水組成物の全重量に基づいて0.1〜
8.0重量%が適当であり、より好ましくは0.3〜5.0重
量%である。0.1重量%より少ないと湿し水の版に対す
る濡れ性が劣り、一方8重量%を超えるとローラストリ
ップ又は印刷版の耐刷不良等の原因となりやすい。
【0016】濡れ性向上剤の助剤として界面活性剤を添
加することができる。例えば、アニオン型界面活性剤と
しては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシア
ルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジア
ルキルスルホ琥珀酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシ
ポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルスルフェニルエーテル塩類、N−メ
チル−N−オレイルタウリンナトリウム塩類、N−アル
キルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油ス
ルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脂油、脂肪酸
アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エ
ステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ
ーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸
エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部
分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の
部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮
合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスル
ホ琥珀酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキル
ナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
【0017】非イオン型界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリス
チリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸
部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペ
ンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレン
グリコールモノ脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エ
ステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、
ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチ
レン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,
N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂
肪酸エステル類、トリアルキルアミンオキシド類などが
挙げられる。その他、弗素系界面活性剤、シリコン系界
面活性剤も使用することができる。その中でもポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が
好ましく用いられる。更に、シリコン誘導体又はフッ素
誘導体等の界面活性剤も挙げられる。これらの界面活性
剤の含有量は発泡の点を考慮すると、1.0重量%以下、
好ましくは0.001〜0.5重量%が適当である。ま
た、2種以上併用することもできる。
【0018】本発明の湿し水組成物に使用する(b) 水溶
性高分子化合物としては、例えばアラビアガム、澱粉誘
導体(例えば、デキストリン、酵素分解デキストリン、
ヒドロキシプロピル化酵素分解デキストリン、カルボキ
シメチル化澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク化澱
粉)、アルギン酸塩、繊維素誘導体(例えば、カルボキ
シメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メ
チルセルロース)等の天然物及びその変性体、ポリエチ
レングリコール及びその共重合体、ポリビニルアルコー
ル及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ルアミド及びその共重合体、ポリアクリル酸及びその共
重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合
体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、ポリスチレ
ンスルホン酸及びその共重合体の合成物が挙げられる。
水溶性高分子の含有量は、湿し水組成物に対して0.0
001〜0.1重量%が適しており、より好ましくは、
0.0005〜0.05重量%である。
【0019】本発明の湿し水組成物に用いられる(c) p
H調整剤としては、水溶性の有機酸及び/又は無機酸又
はそれらの塩が使用でき、これらの化合物は湿し水のp
H調整あるいはpH緩衝、平版印刷版支持体の適度なエ
ッチング又は防腐食に効果がある。好ましい有機酸とし
ては、例えばクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒
石酸、乳酸、酢酸、グルコン酸、酢酸、ヒドロキシ酢
酸、蓚酸、マロン酸、レブリン酸、スルファニル酸、p
−トルエンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等
が挙げられる。無機酸としては例えばリン酸、硝酸、硫
酸、ポリリン酸が挙げられる。更にこれら有機酸及び/
又は無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩ある
いはアンモニウム塩、有機アミン塩も好適に用いられ、
これらの有機酸、無機酸及び/又はこれらの塩は単独で
使用しても、あるいは2種以上の混合物として使用して
もよい。これらpH調整剤の本発明の湿し水組成物への
添加量は0.001〜0.3重量%の範囲が好ましく、
湿し水組成物のpH値が3〜7の範囲の酸性領域で用い
ることが好ましいが、アルカリ金属水酸化物、リン酸、
アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、ケイ酸塩などを
含有したpH7〜11のアルカリ性領域で用いることも
できる。
【0020】(d) 湿潤剤の具体例としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチエングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、
ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポ
リグリセリン、トリメチロールプロパン等が好適に用い
られる。これらの湿潤剤は単独でもよいが、2種以上併
用してもよい。一般に上記湿潤剤は0.01〜3重量%の
範囲で使用できる。
【0021】本発明に使用する(e) 防腐剤としては、
フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール
誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン
−3−オン誘導体、ベンズトリアゾール誘導体、アミジ
ン又はグアニジンの誘導体、四級アンモニウム塩類、ピ
リジン、キノリン又はグアニジンの誘導体、ダイアジン
又はトリアゾールの誘導体、オキサゾール又はオキサジ
ンの誘導体、ブロモニトロアルコール系のブロモニトロ
プロパノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エ
タノール、3−ブロモ−3−ニトロペンタン、2,4−
ジオール等が挙げられる。好ましい添加量は細菌、カ
ビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であっ
て、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、湿し
水組成物に対し、0.001〜1.0重量%の範囲が好まし
く、また種々のカビ、細菌、酵母に対して効力のあるよ
うな2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。
【0022】本発明に使用する(e) 着色剤としては、
食品用色素等が好ましく使用できる。例えば、黄色色素
としてはCINo. 19140、15985、赤色色素と
してはCINo. 16185、45430、16255、
45380、45100、紫色色素としてはCINo. 4
2640、青色色素としてはCINo. 42090、73
015、緑色色素としてはCINo. 42095、等が挙
げられる。本発明に使用できる(e) 防錆剤としては、
例えばベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾ
ール、チオサリチル酸、ベンゾイミダゾール及びその誘
導体等が挙げられる。本発明に使用できる(e) 消泡剤
としてはシリコン消泡剤が好ましく、その中で乳化分散
型及び可溶化型等いずれも使用することができる。本発
明の湿し水組成物は、通常商業ベースとするときは濃縮
化し商品化するのが一般的である。濃縮液を使用すると
きは、水道水、井戸水等で30〜500倍に希釈して用
いる方が経済的で好ましい。
【0023】
【発明の効果】本発明の平版印刷版用湿し水組成物は、
使用時の希釈に用いる水の硬度によって影響を受けるこ
となく、かつ連続給水方式の湿し水の供給装置に使用さ
れているクロムローラ及びゴムローラー等に付着する二
価金属イオンの堆積を防止し、安定に湿し水の均一な水
膜を平版印刷版の版面に供給することができる。また、
環境衛生上安全性が高く、生態環境的に有利に使用でき
る。動的表面張力が低く、高速度で回転する部材の条件
下でも良好で安定した印刷適性及び液の経時安定性を発
揮し、安定に優れた印刷物を得ることができる。このよ
うに長期間安定使用できることから、生産性の向上にも
つながる。
【0024】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
する。なお、%は特に指定のない限り重量%を示す。
【実施例1〜3及び比較例1】表1の組成に従って、各
種湿し水組成物を調製した。単位はグラムであり、水を
加えて1000mlとした。また、印刷テストには、これ
を40倍に希釈して使用した。
【0025】
【表1】 実施例 比較例 成分 1 2 3 1 [濡れ性向上剤及び助剤] エチレングリコールモノ-t- ブチルエーテル 300 300 250 300 プロピレングリコールモノ-n- ブチルエーテル 250 250 300 250 ポリオキシエチレン/ ポリオキシプロピレン 5 5 5 5 ブロック共重量体(プルロニックL-31、旭電化(株)製) [水溶性高分子化合物] ヒドロキシプロピルセルロース 3 3 3 3 [pH調整剤] リン酸第一アンモン 15 15 15 15 クエン酸第二アンモン 5 5 5 5 [一般式(I) の化合物] N,N-ビスカルボキシメチル- β-アラニン の3ナトリウム塩 3 - 1.5 - L-グルタミン酸二酢酸の4ナトリウム塩 - 3 1.5 - [防腐剤] ブロノポール 3 3 3 3 4-イソチアゾリン-3- オン誘導体 3 3 3 3純水 全量を1000mlとした。
【0026】上記のように各調液した実施例1〜3、比
較例1の湿し水組成物を、硬度400ppm の疑似硬水を
用いて40倍に希釈して、苛性ソーダ及びリン酸でpH5.
0 ±0.3 に調製して、これらを用いて印刷を実施した。
三菱印刷機のダイヤ給水装置を用いて、東洋インキ
(株)の名称ハイエコーのシアンインキと使用プレート
として富士写真フイルム(株)製のVPSを標準条件で
製版したものを用いて、下記の印刷テストを実施した。
それらの結果を下記表2に示す。
【0027】(a) 連続印刷適性及び給水ローラ安定性 1日 10,000枚印刷を7日間連続で実施した。 連続印刷適性‥‥スタート時の印刷機の給水量の目盛
り(目盛り1〜100、給水ローラの回転数のメジャー
でもある)を基準とした変化量を観察した。 ○‥‥5目盛り以内の変化量 △‥‥5〜10目盛りの変化量 ×‥‥10以上の目盛りの変化量 給水ローラ安定性‥‥1日目(1万枚印刷後)、3日
目(3万枚印刷後)、5日目(5万枚印刷後)、及び7
日目(7万枚印刷後)の給水ローラ上の汚れ(ローラ上
に水膜が均一にきれいにできるかどうか)を観察した。 ○‥‥ほどんど汚れなし △‥‥やや汚れが見られる ×‥‥汚れる
【0028】(b) ブリード性 5,000枚及び10,000枚印刷したところで印刷機の
運転を休止し、画像部のインキが非画像部に滲みでてい
る程度を調べた。 ○‥‥滲みがほとんどない △‥‥滲みがややある ×‥‥滲みが多い
【0029】
【表2】 実施例 比較例 テスト 1 2 3 1 連続印刷適性 1日目 ○ ○ ○ ○ 3日目 ○ ○ ○ ○ 5日目 ○ ○ ○ △ 7日目 ○ ○ ○ × −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 給水ローラ安定性 1日目 ○ ○ ○ ○ 3日目 ○ ○ ○ ○ 5日目 ○ ○ ○ △ 7日目 ○ ○ ○ × −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ブリード性 ○ ○ ○ ○ ────────────────────────────────────
【0030】本発明の湿し水組成物は、いずれのテスト
項目についても優れており、良好な印刷物が得られ、ま
た、湿し水適性も優れていることが判った。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される少なくとも
    1種の化合物を含有することを特徴とする平版印刷版用
    湿し水組成物。 【化1】 〔式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して水素原子、N
    a、K、NH4 又はN(R)4 (式中、Rは置換又は未
    置換のアルキル基を表す。)を表し、R3 及びR 4 はそ
    れぞれ独立して水素原子又は−(CH2 n −COOR
    6 (式中、R6 はR1 又はR2 の定義と同じであり、n
    は1、2又は3を表す。)を表し、R5 は水素原子、ヒ
    ドロキシル基又は−COOR7 (式中、R7 はR1 又は
    2 の定義と同じである。)を表し、及びmは1、2又
    は3を表し、mが2以上の場合、R 5 は同一でも異なっ
    ていてもよい。〕
JP10425998A 1998-04-15 1998-04-15 平版印刷版用湿し水組成物 Pending JPH11291659A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10425998A JPH11291659A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 平版印刷版用湿し水組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10425998A JPH11291659A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 平版印刷版用湿し水組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11291659A true JPH11291659A (ja) 1999-10-26

Family

ID=14375945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10425998A Pending JPH11291659A (ja) 1998-04-15 1998-04-15 平版印刷版用湿し水組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11291659A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347363A (ja) * 2001-05-22 2002-12-04 Sunrise Company Ltd オフセット印刷用適正水及び湿し水
JP2007276298A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Fujifilm Corp 平版印刷用湿し水組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347363A (ja) * 2001-05-22 2002-12-04 Sunrise Company Ltd オフセット印刷用適正水及び湿し水
JP2007276298A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Fujifilm Corp 平版印刷用湿し水組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2673575B2 (ja) 平版印刷用湿し水組成物及び湿し水用添加剤
JPH08337073A (ja) 平版印刷用湿し水
CA2053554A1 (en) Dampening water composition for lithographic printing and method for lithographic printing
JP2001138659A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP2003170673A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物及び平版印刷方法
JP2001071658A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP2004082593A (ja) 平版印刷用濃縮湿し水組成物
JP2001138655A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP3692220B2 (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JPH11291659A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP2002192853A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP4489621B2 (ja) 平版印刷用湿し水組成物
JP2001138656A (ja) 平版印刷用濃縮湿し水組成物
JP2003039847A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP4684825B2 (ja) 平版印刷用湿し水組成物
JP2004174892A (ja) 平版印刷版用湿し水濃縮組成物
JP2004181632A (ja) 平版印刷版用湿し水濃縮組成物
JPH11105449A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP2673604B2 (ja) 平版印刷用湿し水組成物
JP2004160869A (ja) 平版印刷版用湿し水濃縮組成物
JP2001180146A (ja) 平版印刷版用湿し水
JP2002187376A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP4266866B2 (ja) 平版印刷用湿し水組成物
JP2002187375A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物
JP2002178661A (ja) 平版印刷版用湿し水組成物