JP3318447B2 - 平版印刷用湿し水組成物 - Google Patents
平版印刷用湿し水組成物Info
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Description
物に関するものである。
ない性質を巧みに利用した印刷方式であり、印刷版面は
水を受容し油性インキを反撥する領域と、水を反撥し油
性インキを受容する領域から成り、前者が非画像領域で
あり、後者が画像領域である。そして印刷時、不感脂化
剤を含む湿し水で非画像領域を湿潤することにより、画
像領域と非画像領域との界面化学的な差を拡大して、非
画像領域のインキ反撥性と画像領域のインキ受容性とを
増大させている。
不感脂化剤としては、重クロム酸のアルカリ金属塩また
はアンモニウム塩、燐酸またはその塩、例えばアンモニ
ウム塩、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース
(CMC)等のコロイド物質等を添加した水溶液があ
る。しかしながら、これらの湿し水は、版の非画像部に
均一に濡れ難い欠点があり、このため印刷物がときどき
汚れたり、また湿し水の供給量を調節するのに相当の熟
練を要する。
ルコールを約20〜25%加えた水溶液を湿し水として
用いるダールグレン方式が提案され、広く普及してい
る。この方式によると、非画像部への濡れが良くなり、
湿し水の量が少なくて済み、印刷インキと水との供給バ
ランスの調整が容易であり、印刷インキ中への湿し水の
乳化量が少なくなり、さらにブランケットへの印刷イン
キの転移性が良くなる等、作業性の面および得られた印
刷物の精度の面において数々の利点がある。
ルは水と蒸発のし易さが異なるために、湿し水のイソプ
ロピルアルコール濃度を一定に保つための特殊な高価な
装置が必要である。また、イソプロピルアルコールは特
有の不快臭があることと共に、毒性の面でも問題があ
り、労安法の有機則の規制を受ける。さらに、引火し易
い化合物のため消防法の危険物に該当し、取り扱いや保
管管理に注意が必要で作業環境上好ましくない。また、
このイソプロピルアルコールを添加した湿し水を、通常
の水棒を用いるオフセット印刷に適用しても、ローラー
上および版面上でイソプロピルアルコールが蒸発するた
め、その効果を発揮することができないなどの問題があ
った。
しない湿し水が望まれていた。これらの目的を達成する
ために、例えば特公昭55−25075号公報、特公昭
55−19757号公報、特公昭58−5797号公報
には、種々の界面活性剤を含有する組成物が記載されて
いるが、これらを湿し水として使用する場合、高速で回
転するインキローラー、印刷版、湿し水供給ロールの下
でインキ/水が激しく運動しているため、インキ皮膜上
に水が付着したり、水の表面にインキが拡散する等の問
題を完全に解消するには充分ではなかった。さらに、こ
れらの界面活性剤を含む湿し水はポンプ輸送や攪拌の際
に発泡し易いという欠点もあった。
レングリコールモノブチルエーテルと、ヘキシレングリ
コールおよびエチレングリコールの少なくとも1種との
混合物を含有する湿し水が記載されている。米国特許第
4,278,465号には、n−ヘキソキシジエチレングリコー
ル、n−ヘキソキシエチレングリコール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、n−ブトキシエチレングリ
コールアセテート、n−ブトキシジエチレングリコール
アセテート、3−ブトキシ−2−プロパノールの少なく
とも1種を含有する湿し水が記載されている。特開昭5
7−199693号公報には、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオールと、完全水溶性のプロピレングリコー
ル、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロ
パングリコール、1,5−ペンタンジオールの少なくと
も1種を含有する湿し水が記載されている。これらの湿
し水組成物はイソプロピルアルコールを含有しないた
め、安全衛生面で有利ではあるが、陽極酸化アルミニウ
ム板を支持体とする平版印刷版では印刷中の非画像部の
濡れが十分でないため、高速印刷時に非画像部に汚れが
生じたり、網点画像部の形状が大きくなったり、ムラ状
となる、いわゆる網点画像部のからみが発生してしまう
問題があった。さらに、2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオールは水に対する溶解性が十分でなく、高濃度の濃
縮湿し水組成物を得るのに不利であるなどの問題もあっ
た。
は、グリセリン、ソルビトール、3メチルペンタン−
1,3,5−トリオールのプロピレンオキサイド付加体
等の多価アルコールのプロピレンオキサイド付加体を含
有する湿し水が記載されている。これらの湿し水は、単
独では1万枚以上印刷するロングラン印刷適性がないた
め、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、
3−メチル−2−メトキシブタノール、メチルカルビト
ール等の揮発性を有する有機溶剤を併用する必要があ
り、安全衛生面で完全とは言いがたい。さらに、これら
イソプロピルアルコール代替化合物は、一般的に高沸点
溶剤であって、水が蒸発すると高沸点有機溶剤が残存
し、平版印刷版の画像領域を侵すという欠陥を有してい
ることが新たに判明した。
は上記従来の湿し水が持つ毒性や欠点がなく、印刷作業
にあたって、専門的熟練を必要とすることなく、あらゆ
る機構の印刷機において、イソプロピルアルコールを完
全に代替し、しかも印刷版、特にアルミニウム板を電気
化学的に粗面化し陽極酸化した支持体を用いた印刷版の
汚れ、ブラインディングおよび水負けといった印刷時の
問題点の発生を抑制するだけでなく、印刷版の画像領域
を損なうことなく、さらに他の湿し水組成物成分との相
溶性が良く、高濃縮化を可能とし、安全衛生上及び消防
安全上の問題がなく、高品質の印刷物を容易に得ること
ができる平版印刷用の湿し水組成物を提供することにあ
る。
達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下の平版印刷
用湿し水組成物を開発することにより、上記目的が解決
できることを見出し、本発明に到達したものである。す
なわち、本発明は、3価以上の多価アルコールにエチレ
ンオキサイド/プロピレンオキサイドを共付加重合させ
た化合物を含有する平版印刷用湿し水組成物である。な
お本願明細書では、濃縮化された物を湿し水組成物と呼
ぶ。
発明で使用される上記化合物は、アルコール類にエチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加反応させ合
成する。アルコール類の例としては、3価アルコールと
してグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のポ
リグリセリン類、トリメチロールメタン、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオー
ル等のトリオール類、4価アルコールとしてペンタエリ
スリトール、6価アルコールとしてソルビトール等が挙
げられる。さらに多価のアルコールとして蔗糖等の2糖
類や低分子量のポリビニルアルコール、デキストリン等
が挙げられる。
オキサイドとプロピレンオキサイドの重量比率は、1
0:90〜75:25が望ましく、とくに、10:90
〜50:50がさらに望ましい。エチレンオキサイドの
比率が10%より少ないと水溶性が減少し、湿し水組成
物のその他の成分、水溶性高分子や有機、無機酸の塩類
および水との相溶性が減少して、濃縮度の高い湿し水組
成物が得られない。また、エチレンオキサイドの比率が
75%より多いと表面張力の低下効果が得られない。こ
れらのアルコール類に特定比率のエチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドを付加した化合物は、揮発性を有
する有機溶剤と併用することなしにイソプロピルアルコ
ールを代替することが可能である。
ドの結合構造としては、先にエチレンオキサイドを付加
し、その後プロピレンオキサイドを付加したブロック構
造、先にプロピレンオキサイドを付加し、その後エチレ
ンオキサイドを付加したブロック構造、同時にエチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドを付加したランダム
構造があるが、いずれの構造のものもほぼ同様の効果が
得られる。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド
の付加数量は、化合物全体の分子量として表すと化合物
の好適な分子量は500〜10000であり、特に好ま
しくは分子量1000〜5000である。分子量が50
0より少ないと、表面張力の低下効果が大きく減少し、
印刷性能を損なう。また10000より大きい場合に
は、高速で回転する印刷機上では、表面張力の応答に時
間が掛かるため、効果は得らず印刷性能を損なう。さら
に、これらのアルコール類に、特定比率のエチレンオキ
サイドとプロピレンオキサイドを付加した化合物のう
ち、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重
合鎖を3本以上もつ化合物では、従来のイソプロピルア
ルコール代替剤では常に問題となっていた、印刷版の画
像領域を侵すことが全くないという事実も発見された。
5重量%、さらに望ましくは0.02〜2重量%含有する
湿し水を使用することにより、イソプロピルアルコール
を代替しても、PS版の印刷時の非画像部汚れや網点画
像部のからみ汚れがなくなった。しかも、従来のイソプ
ロピルアルコール代替剤と異なり、印刷版の画像領域を
侵すことは全くなくなった。本発明の湿し水組成物には
さらに水溶性高分子化合物を添加しても良い。このよう
な水溶性高分子化合物の具体的な例としてはアラビアゴ
ム、澱粉誘導体(例えばデキストリン、酵素分解デキス
トリン、ヒドロキシプロピル化酵素分解デキストリン、
カルボキシメチル化澱粉、燐酸澱粉、オクテニルコハク
化澱粉)、アルギン酸塩、繊維素誘導体(例えばカルボ
キシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、それらのグリオキサ
ール変性体等)等の天然物とその変性体及びポリビニル
アルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド及びその共重合体、ポリアクリル酸及
びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン
酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体等の
合成物が挙げられる。これらの高分子化合物は単独でま
たは混合して使用でき、その使用濃度範囲は使用時の湿
し水以下単に「湿し水」という中0.0001〜5重量
%、より好ましくは、0.003〜1重量%が適当であ
る。
H3〜6付近の範囲で使用することが望ましい。pH3
未満では支持体に対するエッチング効果が強くなり、耐
刷性が低下する。pH値を3〜6に調整するためには一
般的には鉱酸、有機酸または無機酸塩を添加すれば良
い。その添加量は、湿し水中0.001〜5重量%が適当
である。上記鉱酸としては硝酸、硫酸、燐酸等が、また
有機酸としてはクエン酸、酢酸、グリコール酸、グルコ
ン酸、シュウ酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、
酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、有機ホスホン酸
等が挙げられる。これらの鉱酸、有機酸または無機塩は
単独で使用しても良く、あるいは2種以上を併用しても
良い。更に本発明の湿し水組成物は、アルカリ金属水酸
化物、燐酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、珪酸
塩等を含有させ、pH7〜11付近のアルカリ領域で用
いることもできる。
にはキレート化合物も添加することができる。通常湿し
水組成物は濃縮した組成のものに水道水、井戸水等を加
えて希釈して使用する。この際希釈する水道水や井戸水
に含まれているカルシウムイオン等が印刷に影響を与
え、印刷物を汚れ易くする原因となることもある。この
ような場合、キレート化合物を添加することにより、上
記欠点を解消することができる。好ましいキレート化合
物としては例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、その
カリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミン
ペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリ
エチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、その
ナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ
酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロト
リ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−
ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、
そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ルテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩など
のようなアミノポリカルボン酸類や2−ホスホノブタン
トリカルボン酸−1,2,4,そのカリウム塩、そのナ
トリウム塩;2−ホスホノブタントリカルボン酸−2,
3,4,そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホス
ホノエタントリカルボン酸−1,2,2,そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1
−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;
アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、
そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるい
はホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることがで
きる。
カリウム塩の代わりに有機アミンの塩も有効である。こ
れらのキレート剤は湿し水中に安定に存在し、印刷性を
阻害しないものが選ばれる。添加する量としては湿し水
中0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜1重量%が
適当である。更に本発明の湿し水組成物には着色剤、防
腐剤などを添加することができる。例えば安息香酸及び
その誘導体、フェノール、ホルマリン、デヒドロ酢酸ナ
トリウム、4−イソチアゾリン−3−オン化合物、ベン
ゾイソチアゾリン化合物、ハロゲノニトロプロパン化合
物等を湿し水中0.0001〜1重量%の範囲で添加して
も良い。
ネシウム、硝酸亜鉛、硝酸カルシウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸アンモニウムな
どの腐食抑制剤、クロム化合物、アルミニウム化合物の
ような硬膜剤、環状エーテル:例えば4−ブチロラクト
ン、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール等の有機溶剤、特開昭61−193893号公報記
載の水溶性界面活性有機金属化合物やシリコーン系消泡
剤を使用時の湿し水の0.0001〜1重量%の範囲で添
加することもできる。
活性剤を添加しても良い。例えば、アニオン型界面活性
剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキ
シアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、
ジアルキルスルホこはく酸塩類、直鎖アルキルベンゼン
スルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェ
ノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩
類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、
N−アルキルスルホこはく酸モノアミド2ナトリウム塩
類、石油スルホン酸塩類、硬化ひまし油、硫酸化牛脂
油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アル
キル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エ
ステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフ
ェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステ
ル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合
物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重
合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマ
リン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキ
ルスルホこはく酸塩類、アルキル硫酸エステル類及びア
ルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いら
れる。
オキシアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エス
テル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリ
スリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコー
ルモノ脂肪酸部分エステル類、蔗糖脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステ
ル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキ
シエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリ
ン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド
類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールア
ミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなど
が挙げられる。その中でもポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレンブロックポリマー類等が好ましく用いられ
る。
ミン塩類、第4級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体
等が挙げられる。また両性界面活性剤の例としては、ア
ルキルイミダゾリン類が挙げられる。さらに、フッ素系
界面活性剤が挙げられる、例えば、フッ素系アニオン界
面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸
塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロ
アルキルリン酸エステル、フッ素系ノニオン界面活性剤
としては、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付
加物、パーフルオロアルキルプロピレンオキサイド付加
物、フッ素系カチオン界面活性剤としては、パーフルオ
ロアルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
これらの界面活性剤の含有量は発泡の点を考慮すると、
湿し水中10重量%以下、好ましくは0.01〜3.0重量
%が適当である。
して、アルコール類及び/またはグリコール類例えば、
n−プロピルアルコール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、トリエチレングリコール、ブチレング
リコール、ヘキシレングリコール、テトラエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソル
ビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロ
パン、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブト
キシエタノール、3−メトキシブタノール、3−メチル
−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエ
ーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テ
トラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエ
チレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレング
リコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチル
エーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プ
ロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレン
グリコールブチルエーテル、プロピレングリコールt−
ブチルエーテル等を用いることもできる。これらの湿潤
剤は単独でも2以上の併用でも良い。一般に上記湿潤剤
は湿し水組成物中0.1〜25重量%の量で使用すること
が望ましい。
版に対して使用することができるが、特にアルミニウム
板を支持体とし、その上に感光層を有する感光性平版印
刷版(予め感光性を付与した印刷板で、PS版と呼ばれ
る。)を画像露光及び現像して得られた平版印刷版に対
して好適に使用できる。かかるPS版の好ましいもの
は、例えば、英国特許第 1,350,521号明細書に記されて
いるようなジアゾ樹脂(p−ジアゾジフェニルアミンと
パラホルムアルデヒドとの縮合物の塩)とシエラックと
の混合物からなる感光層をアルミニウム板上に設けたも
の、英国特許第 1,460,978号及び同第 1,505,739号の各
明細書に記されているようなジアゾ樹脂とヒドロキシエ
チルメタクリレート単位またはヒドロキシエチルアクリ
レート単位を主なる繰り返し単位として有するポリマー
との混合物からなる感光層をアルミニウム板上に設けた
もの、また特開平2−236552号、特開平4−27
4429号に記載のジメチルマレイミド基を含有する感
光性ポリマー系をアルミニウム板上に設けたもののよう
なネガ型PS版、および特開昭50−125806号公
報に記載されているようなO−キノンジアド感光物とノ
ボラック型フェノール樹脂との混合物からなる感光層を
アルミニウム板上に設けたポジ型PS版が含まれる。ま
たバーニング処理されたポジ型PS版にも用いることが
できる。
アルカリ可溶性ノボラック樹脂以外の、アルカリ可溶性
樹脂を必要に応じて配合することができる。例えば、ス
チレン−アクリル酸共重合体、メチルメタアクリレート
−メタクリル酸共重合体、アルカリ可溶性ポリウレタン
樹脂、特公昭52−28401号公報記載のアルカリ可
溶性ビニル系樹脂、アルカリ可溶性ポリブチラール樹脂
等を挙げることができる。更に米国特許第 4,072,528号
及び同第 4,072,527号の各明細書に記されているような
光重合型フォトポリマー組成物の感光層をアルミニウム
板上に設けたPS版、英国特許第 1,235,281号及び同第
1,495,861号の各明細書に記されているようなアジドと
水溶性ポリマーとの混合物からなる感光層をアルミニウ
ム板上に設けたPS版も好ましい。本発明の湿し水組成
物は、使用する場合は、水道水、井戸水等で30倍〜5
00倍に希釈することが一般的であり、地汚れ、酸化汚
れがなく、かつ少量の使用で印刷が可能であり、良好な
印刷物が得られ、印刷の能率化、生産性の向上を計るこ
とができる。特にダールグレン方式に代表される連続給
水方式の印刷機に使用する場合、イソプロピルアルコー
ルを用いないで良好な印刷物を得ることができる。ま
た、湿し水中1〜15重量%のイソプロピルアルコール
を併用しても印刷品質上問題はない。
給水式印刷機において、湿し水中のイソプロピルアルコ
ールを代替し、印刷適性が良好である。また、高濃縮化
が可能であり、労働安全上及び消防安全上の問題がな
く、安定に優れた印刷物を得ることができる。
する。なお、%は特に指定のない限り重量%を示す。濃
縮湿し水組成物として、以下の組成のものを調製した。 表1に示したイソプロピルアルコール代替物 40重量部 水溶性高分子(カルボキシメチルセルロース) 3重量部 (セロゲン、第一製薬工業(株)) pH緩衝剤:リン酸 85%) 1重量部 リン酸第2アンモニウム 1重量部 クエン酸 2重量部 硝酸塩 :硝酸マグネシウム 2重量部 硝酸カルシウム 1重量部 純水を加えて 100重量部
イプPS版)ベタ部と30%網点部のフィルムを用いて
露光し、PS自動現像機800EII、ポジ用現像液DP
−4(水で8倍に希釈)、ポジ用フィニッシャーFP
(水で2倍に希釈)(いずれも富士写真フイルム(株)
製)を用いて現像、ガム引きしたものを、三菱重工製印
刷機(連続式給水装置ダイヤマチック装備)に取り付
け、枚葉プロセスインキ:ハイプラス藍(東洋インキ
製)及び表1の実施例1〜6及び比較例1〜10の濃縮
液を水道水で100倍に希釈した湿し水を用いて印刷を
行った。比較例10には、さらにイソプロピルアルコー
ルを20%添加した。
〜6及び比較例1〜10の濃縮液を処方し、1週間放置
後、液の安定性を目視判断する。 問題なし A やや分離、濁りあり B 分離 C b.連続印刷安定性:汚れを生じず、水負けを起こさな
い湿し水の量(最小水上げ量)を求め、印刷物の汚れの
発生、または水負けにより良好な印刷物が得られなくな
るまでの印刷枚数により判定する。 10000枚以上 A 10000〜3000枚以上 B 2999〜1枚 C なし D
の、インキ練りローラー上のインキの乳化状態を調べ
る。 良い A やや悪い B 悪い C d.画像部劣化:印刷機を停止し、PS版のベタ部と3
0%網点部の画像部にシリンジを用いてそれぞれの湿し
水を5μl 、10μl 、20μl 及び50μlを滴下し
60分放置する。その後印刷を再開し画像領域の劣化に
ついて評価する。 問題なし A 若干劣化有り(リング状跡有り) B 劣化 C テスト結果を表2及び表3に示した。
(a)濃縮湿し水液安定性、(b)連続印刷安定性、
(c)乳化性、(d)画像部劣化のいずれについても優
れており、比較例10のイソプロピルアルコールを使用
した湿し水と同様な良好な印刷物が得られた。さらにこ
の湿し水は、イソプロピルアルコールと異なり、労働安
全上及び消防安全上の問題は全くない。
Claims (1)
- 【請求項1】 3価以上の多価アルコールにエチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドを付加した化合物を含
有する平版印刷用湿し水組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27618294A JP3318447B2 (ja) | 1994-11-10 | 1994-11-10 | 平版印刷用湿し水組成物 |
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