JP2588776B2 - 平版印刷版用湿し水組成物 - Google Patents

平版印刷版用湿し水組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明はオフセツト印刷用湿し水組成物に関し更に詳
しくは給水方法の水棒給水、連続給水、ブラシ給水、ス
プレー給水等色々の給水方法に使用できる優れた性能の
湿し水組成に関する。
〔従来の技術〕
平版印刷は水と油が本質的に混り合わない性質を巧み
に利用した印刷方式であり、印刷版面は水を受容し油性
インキを反撥する領域と、水を反撥し油性インキを受容
する領域から成り、前者が非画像領域であり後者が画像
領域である。不感脂化剤は、これを含む湿し水で非画像
領域を湿潤することにより画像領域と非画像領域の界面
化学的な差を拡大して、非画像領域のインキ反撥性と画
像領域のインキ受容性を増大させる作用を有している。
従来から一般的に知られている不感脂化剤としては、
重クロム酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、リン
酸又はその塩、たとえばアンモニウム塩、アラビアガ
ム、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のコロイド
物質等を添加した水溶液がある。
しかし、これらの不感脂化剤を含む湿し水は、版の非
画線部に均一に濡れ難い欠点があり、このため印刷物が
時々汚れ、又湿し水の供給量を調節するのに相当の熟練
を要する。
例えば、アラビアガムを含有する湿し水の場合、本来
優れた不感脂化作用を持つているにもかゝわらず印刷を
長期間に継続したりpH7〜11のアルカリ性湿し水に用い
ると、不溶解物質が析出しアラビアガム本来の不感脂化
効果が劣化するばかりでなく、印刷稀のローラーや、ブ
ランケツト等を汚し、良好な印刷物を得ることが困難に
なる。更に近年湿し水給水供給方式が従来のモルトン方
式からアルコールダンプニング方式へ移行しつつあぬ
が、このアルコールダンプニングに一般的に用いられて
いるイソプロピルアルコール(IPA)の濃度が高くなる
とアラビアガムの析出が起き易く、上記諸問題を引きお
こしたり、湿し水の供給に熟練を要する結果になつてい
る。
さらに、近年産業公害に対する社会的関心が非常に高
まり、廃水中のクロムイオンの排出規制が厳しくなり、
またイソプロピルアルコールのような有機溶剤の使用が
安全衛生面から規制される傾向にある。このため、これ
らを含有しない不感脂化剤が望まれていた。
又、印刷用の湿し水は、その濃縮液であるエツチ液を
水で希釈した水溶液を用いることが一般的であるが、そ
の濃縮化液の生産において高濃度の親水性コロイド物質
を溶解するには加熱、攪拌時間など多大な労力、エネル
ギー、時間を要している。これら生産上の問題のため構
造コストが上がり結局湿し水濃縮液(エツチ液)も高価
になつてしまつている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記従来の湿し水のもつ毒性や欠点
がなく、印刷作業にあたつて、専門的熟練を必要とする
ことなく供給量の調節を容易に行うことができ、長期間
安定でしかも湿し水特性に優れ、調製が容易で安価な平
版印刷版用の湿し水組成物を提供することである。
〔発明の構成〕
本発明者等はこれらの点を考慮し鋭意研究の結果本発
明をなすに至つたものである。
本発明はグリオキザール変性した繊維素誘導体を含有
する水溶液を用いることを特徴とする平版印刷版用湿し
水組成物である。
本発明におけるグリオキザール変性した水溶性の繊維
素誘導体を含有した水溶液を平版印刷用湿し水に用いた
場合の大きな特徴として、非画像領域の表面上に薄くて
強いフイルム状の膜を形成し空気による酸化の防止、イ
ンキに対する汚れ、いわゆる、スカミングの防止に効果
が優れており、インキの反撥性が良化するため湿し水の
コントロールがほとんど不要で一定条件で安定に印刷す
ることができ、長期間の継続使用や、アルカリ湿し水、
IPAの併用によるトラブルがなく調子再現の良好な印刷
物を得ることができる。更にグリオキザール変性化する
ことによつて繊維素誘導体粉末の一つ一つの微粉末の表
面が水に対してやや難溶性化しているため、水溶液を作
るときは、水中によく分散し、いわゆる「ままこ」を作
ることなく、水中に均一に分散し分散液に極く少量のア
ルカリ剤を加えると瞬時に分散液が溶解し所望の濃度及
び粒度が簡単得ることができる。
このような特徴により、湿し水に対して最適の粘度の
湿し水が、高粘度から低粘度のグリオキザール変性した
繊維素誘導体を組み合わせることにより簡単に設計する
ことができる。又グリオキザール変性されてない繊維素
誘導体は溶解するとき「ままこ」になりやすいため添加
量、攪拌スピード等色々対策しても完溶解するのに数時
間を費すが、グリオキザール変性化することで溶解工程
の合理化、労力、エネルギー等を大巾に節約できる。
又、湿し水の濃縮化も簡単に行うことができるため経済
面でも優れている。
又イソプロピルアールコール、又は現在販売されてい
るイソプロピルアールコールの代替品とも混合使用する
こともできる。
本発明の繊維素誘導体のグリオキザール変性体を用い
ることにより不感脂化能力が高く、5%程度のイソプロ
ピルアールコール濃度で印刷することができるため使用
量を大巾に減少することも可能である。
本発明に用いられるグリオキザール変性した繊維素誘
導体は下記の化合物を公知の処理により得られる。例え
ばセルロースエーテル、セルロース有機酸エステル、セ
ルロースの無機エステル、セルロースのグラフト共重合
体等の誘導体化合物がある。
このような誘導体化合物の例としては例えば大有機化
学19(天然高分子化合物I)朝倉書店発行に記載されて
いるような化合物を挙げることができる。
以下このような化合物の具体例を示す。
エーテルタイプとしてはメチルセルローズ、カルボキ
シメチルセルローズ、オキシエチルセルローズ、ベンジ
ルセルローズ、シアノエチルセルローズ、プロピルセル
ローズ、イソプロピルセルローズ、ブチルセルローズ、
イソブチルセルローズ、アミルセルローズ、アリルセル
ローズ、メチル/エチルセルローズ、メチル/オキシエ
チルセルローズ、エチル/オキシエチルセルローズ、ブ
チル/オキシエチルセルローズ、メチル/オキシプロピ
ルセルローズ、オキシブテニルセルローズ、カルボキシ
エチルセルローズ、カルバミルエチルセルローズ、スル
フアミルセルローズ、2−オキシ−3−ジエチルアミノ
プロピルスルローズ、セルローズ/エチレンオキシド付
加物、セルローズ/エチレンオキシド/プロピレンオキ
シド付加物等が挙げられる。
セルロースの有機酸エステルとしてはギ酸セルロー
ス、アセチルセルロース、プロピニルセルロース、ブチ
リルセルロース、アセチルブロオプロピオニルセルロー
ス、高級脂肪酸エステルセルロース、スルホン酸エステ
ルセルロース等が挙げられる。
セルロースの無機酸エステルとしては硫酸セルロー
ス、リン酸セルロース等が挙げられる。
グラフト重合体としてはセルロースのメタクリル酸や
クロトン酸のエステル、又はセルロースのアリルクロチ
ル、3−ブテニル−2−オキシおよびビニルのエーテル
等が挙げられる。
これらグリオキザール変性した水溶性繊維素誘導体化
合物の添加量は、それぞれの粘度によつて異なるが、通
常湿し水としては15℃で1.1cps〜5cpsの範囲になるよ
うに添加する方が好ましい。より好ましい粘度は1.2〜
cpsが適当である。
これらの化合物は単独使用しても、あるいは2種以上
を併用しても良い。
又必要により下記に示すようなグリオキザール変性し
ていない他の水溶性樹脂とも混合使用してもよい。この
ような水溶性高分子化合物の具体例としてはアラビアガ
ム、デキストリン、多糖類及びその誘導体、アルギン酸
塩、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース等)等の天然物とその変性
体及びポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド及びその共重合体、
ポリアクリル酸及びその共重合体、ビニルメチルエーテ
ル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイ
ン酸共重合体等の合成物が挙げられる。必要に応じて上
記成分の他表面張力を低下せしめるアルコール、多価ア
ルコール、エーテル、エステル等の有機溶剤及び乾燥を
抑える有機溶剤、又は界面活性剤、pH調節剤を添加して
もよい。適当な表面張力や湿潤性を付与するために使用
できる有機溶剤としてはアルコール類としては、たとえ
ば、正ブチルアルコール、正アミルアルコール、正ヘキ
シルアルコール、2−メチルペンタノール、第二ヘキシ
ルアルコール、2−エチルブチルアルコール、第二ヘプ
チルアルコール、ヘプタノール3、2−エチルヘキシル
アルコール、ベンジルアルコール、等がある。多価アル
コール類としては、たとえば、エチレングリコール、ヘ
キシレングリコール、ヘキシレングリコールのエチレン
オキシド付加物、オクチレングリコール、オクチレング
リコールのエチレンオキシド付加物、ジエチレングリコ
ール等がある。
エーテル類としては、たとえば、エチレングリコール
モノエーテル、エチレングリコールモノ正ヘキシルエー
テル、エチレングリコールモノフエニルエーテル、エチ
レングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノ−正−ヘキシルエーテル等がある。
エステル類としては、たとえば、酢酸ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコール
ノモノブチルエーテル等がある。
使用量としては0.01〜1重量%が適当である。
適当な湿潤剤としてはグリセリン、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペン
タンジオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール、ソルビトール、ペンタエリスリトールが挙げら
れる。湿潤剤の使用量は1重量%以下が適当である。
界面活性剤としては例えばアニオン型界面活性剤とし
ては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアル
カンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアル
キルスルホこはく酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフエノキシ
ポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルスルホフエニルエーテル塩類、N−
メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アル
キルスルホこはく酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油
スルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脚油、脂肪
酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸
エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル硫酸
エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフエニルエ
ーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル燐酸
エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部
分けん化物類、オレフイン−無水マレイン酸共重合物の
部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮
合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスル
ホこはく酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアル
キルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられ
る。
又非イオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフ
エニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフ
エニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル
類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリ
トール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモ
ノ脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸部分エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオ
キシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン
脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油
類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル
類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒ
ドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリ
アルキルアミンオキシドなどが挙げられる。その中でも
ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル類、ポリ
オキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロツクポリマ
ー類等が好ましく用いられる。カチオン界面活性剤とし
ては、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、
ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレン
ポリアミン誘導体等が挙げられる。
これらの界面活性剤含有量は発泡性等の点を考慮する
と1重量%以下が好ましく、0.001〜0.5重量%の範囲が
特に好ましい。又上記界面活性剤は2種以上併用して使
用することもできる。
pHの調整剤及びpH緩衝剤としては一般的に使用してい
る成分が添加される。湿し水のpHとして酸性タイプ(pH
3〜7の範囲)とアルカリタイプ(pH7〜11の範囲)の2
種類が一般的に使用されている。このpHの調整する方法
として酸性タイプには鉱酸としては硝酸、硫酸、燐酸等
が、また有機酸としてはクエン酸、酢酸、蓚酸、マロン
酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳
酸、グルコン酸、レブリン酸、有機ホスホン酸等が挙げ
られる。これらの鉱酸、有機酸又は無機塩は単独で使用
しても、あるいは2種以上を併用してもよい。
アルカリタイプとしてはアルカリ性領域としてはpH7
〜11付近の範囲で使用することが望ましい。pH値を7〜
11に調整するためには一般的には珪酸ナトリウム、珪酸
カリウム、珪酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カ
リウム、リン酸リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を添加すれ
ば良い。その添加量は0.005〜10重量%が適当である。
上記の無機アルカリ剤は単独で使用してもあるいは2種
以上を併用してもよい。
以上の成分の他に、本発明の不感脂化剤にはキレート
化合物も添加することができる。通常不感脂化剤は濃縮
した組成のものが多く、これに水道水、井戸水等を加え
て希釈し、湿し水として使用する。この際希釈する水道
水や井戸水に含まれているカルシウムイオン等が印刷に
悪影響を与え、印刷物を汚れ易くする原因となることも
有る。このようなばあい、不感脂化剤中にキレート化合
物を添加することにより、上記欠点を解消することがで
きる。好ましいキレート化合物としては例えば、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ
酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシ
エチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そ
のナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、
そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ
酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミ
ノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そ
のナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類や
2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4,そのカリウ
ム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタントリカルボ
ン酸−2,3,4,そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホ
スホノエタントリカルボン酸−1,2,2、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジ
ホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、その
ナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホ
スホントリカルボン酸類を挙げることが出来る。上記の
キレート剤のナトリウム塩あるいはカリウム塩の代りに
有機アミンの塩も有効である。これらのキレート剤は湿
し水中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものとして
選ばれた。湿し水溶液中に添加する量としては0.01〜3
重量%、好ましくは0.02〜1重量%が適当である。
さらに本発明の湿し水組成物には着色剤、防腐剤など
を添加することができる。例えば安息香酸及びその誘導
体、フエノール、ホルマリン、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、4−イソチアゾリン−3−オン化合物等を0.0001〜
1重量%の範囲で添加してもよい。
本発明の湿し水組成物には更に、硝酸マグネシウム、
硝酸亜鉛、硝酸カルシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリ
ウム、硝酸リチウム、硝酸アンモニウムなどの腐食抑制
剤、クロム化合物、アルミニウム化合物のような硬膜
剤、特開昭61-193893号公報記載の水溶性界面活性有機
金属化合物やシリコーン系消泡剤等を0.0001〜1重量%
の範囲で添加することもできる。
本発明の湿し水組成物は、種々の平版印刷版に対して
使用することができるが、特に種々の表面処理をほどこ
したアルミニウム板を支持体とし、その上に感光層を有
する感光性平版印刷版(予め感光性を付与した印刷版
で、PS版と呼ばれる。)を画像露光および現像して得ら
れた平版印刷版に対して好適に使用できる。かかるPS版
の好ましいものは、例えば、英国特許第1,350,521号明
細書に記されている様なジアゾ樹脂(p−ジアゾジフエ
ニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物の塩)と
シエラツクとの混合物からなる感光層をアルミニウム版
上に設けたもの、英国特許第1,460,978号および同第1,5
05,739号の各明細書に記されているようなジアゾ樹脂と
ヒドロキシエチルメタクリレート単位またはヒドロキシ
エチルアクリレート単位を主なる繰返し単位として有す
るポリマーとの混合物からなる感光層をアルミニウム板
上に設けたもののようなネガ型PS版、および特開昭50-1
25806号公報に記されているようなo−キノンジアジド
感光物とノボラツク型フエノール樹脂との混合物からな
る感光層をアルミニウム板上に設けたポジ型PS版が含ま
れる。更に米国特許第3,860,426号明細書の中に具体的
に示されているような光架橋性フオトポリマーの感光層
をアルミニウム板上に設けたPS版、米国特許第4,072,52
8号および同第4,072,527号の各明細書に記されているよ
うな光重合型フオトポリマー組成物の感光層をアルミニ
ウム板上に設けたPS版、英国特許第1,235,281号および
同第1,495,861号の各明細書に記されているようなアジ
ドと水溶性ポリマーとの混合物からなる感光層をアルミ
ニウム板上に設けたPS版が含まれる。
本発明の湿し水組成物は、地汚れ、酸化汚れがなく、
かつ少量の使用で印刷が可能であり、湿し水供給のコン
トロールが容易で、長期間の継続使用や、イソプロピル
アルコールや各種アルコール代替品と併用しても、優れ
た印刷性能を示す。又、生産コストが安く、安価な濃縮
液(不感脂化剤あるいはエツチ液)が提供できる。
〔実施例〕 次に本発明を実施例により具体的に説明する。なお%
は特に指定のない限り重量%を示すものとする。
実施例−1 上記組成の調液方法として、純水中に繊維素誘導体の
グリオキザール変性物を分散させ均一な溶液に成つたら
KOHの(48%)水溶液を添加した。この時の溶解時間は4
0秒であつた。その後は各成分を順次添加し水溶液を作
つたのち防腐剤として(フエノール、デヒドロ酢酸、ナ
トリウム)加えて湿し水を調製した。この湿し水原液を
100倍に希釈して湿し水とし、ハイデルベルグKOR−D型
印刷機にセツトした。一方印刷版としてFPS−A(富士
写真フイルム(株)製、感光性アルミニウムプレート)
を露光、現像してオフセツト印刷版を作成した。この印
刷版を2群に分け、一方は通常のガム塗布をし、バフド
ライした。これをプレートAとする。他方は、ガム塗布
を行う前に、150℃の乾燥機中に3時間保持して空気酸
化を行つた。次いで上記不感脂化剤原液を含ませたスポ
ンジで版面全体を拭き、30秒放置後、水で拭きとつた。
これをプレートBとする。
こうして得られたプレートAおよびBをそれぞれ上記
ハイデルベルグKOR−D型印刷機に取りつけ、次の項目
について評価した。
a.不感脂化力:500〜1000枚印刷したときの、プレートB
における表面空気酸化による汚れを、プレートAと比較
する。
差がない。 ○ やや差がある。 △ 差が明らかである。 × また、以下の項目については、通常のプレートAを印
刷機に取りつけて、湿し水の特性を評価した。
b.水棒のカラミ:水あげ用水棒のモルトンロールに対す
るインキの付着汚れの程度を調べる。
良い。 ○ やや劣る。 △ 劣る。 × c.ブリード性:インキ(大日本インキ(株)スーパーH
G紅S)を用い、5000枚および10000枚印刷したところで
印刷機の運転を休止し、画線部のインキが非画線部に滲
みでている程度を調べる。
滲みがほとんどない。 ○ 滲みがややある。 △ 滲みが多い。 × d.乳化性:10000枚印刷したとき、インキ練ロール上のイ
ンキの乳化状態を調べる。
良い。 ○ やや悪い。
悪い。
e.連続安定性:真水を湿し水として用いて、10000枚印
刷し、汚れを生じない湿し水の量(最少水あげ量)を求
め、各種の湿し水をこの最少水あげ量で用いて印刷を行
い、印刷物の汚れが発生するまでの印刷枚数により判定
する。
10000枚以上 ○ 10000〜3000枚 △ 3000枚未満 × プレートBはプレートAに匹敵するすぐれた印刷物を与
え、5万枚印刷しても汚れは全く発生しなかつた。した
がつて本発明の不感脂化剤は優れた不感脂化効果をもつ
ことがわかる。
またプレートAを用いて版面上の湿し水適性について
テストした結果、 (b)水棒のカラミ、(c)ブリード性、(d)乳化
性および(e)連続安定性のいずれもすぐれており、良
い印刷物が得られた。したがつて本発明の不感脂化剤を
水で希釈して得られる湿し水は、すぐれた湿し水特性を
もつことがわかる。
実施例2〜4 実施例1と同様に下記組成の不感脂化剤及び湿し水を
つくり、その不感脂化効果および湿し水特性を評価し
た。
実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 比較例の1および2は純水の25℃では溶解性が非常に
悪いので70℃±2℃で加温攪拌し、水溶性高分子を溶解
する必要があつた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリオキザール変性された繊維素及びその
    誘導体を0.0001〜1.0重量%の範囲で含有することを特
    徴とする平版印刷版用湿し水組成物。
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