JPH05101771A - 平面型表示装置の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の平板状電極を接合固定する際に垂直偏
向電極の平面度を保ったまま精度よく平板状電極を接合
できる平面型表示装置の製造方法を提供することを目的
とする。 【構成】 本発明は、線状のカソード２０と、前記カソ
ード２０から出たライン状の電子ビームを制御するため
所定の間隔を保って重ねた複数の平板状電極２１と、ア
ノード面に形成された蛍光体２２と、前記複数の平板状
電極の電子ビームが通過しない部分に設けられた接合部
に設置された接着用ガラスと、これらを封入するための
真空容器からなり、前記複数の平板状電極２１の中で垂
直偏向電極がアノード面から見て水平方向に交互に噛み
合った太い桟２５からなり、前記垂直偏向電極の交互に
噛み合った太い桟が所定の張力で架張された細線で連結
された構造であり、前記垂直偏向電極を前記複数の他の
平板状電極と前記接着用ガラスを介して接合した後前記
細線を除去するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、映像機器における平面
型表示装置の製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年電子ビームを用いてカラーテレビジ
ョン画像を平面型により表示することのできる装置を達
成することを目的とし、スクリーン上の画面を垂直方向
に複数の区分に分割してそれぞれの区分ごとに電子ビー
ムを垂直方向に偏向して複数ラインを表示し、さらに水
平方向複数の区分に分割して各区分ごとにＲ，Ｇ，Ｂ等
の蛍光体を順次発光させるようにし、そのＲ，Ｇ，Ｂ等
の蛍光体への電子ビームの照射量をカラー映像信号によ
って制御するようにして全体としてテレビジョン画像を
表示するものがある。以下図面を参照しながら、上述し
た従来の平面型表示装置の一例について説明する。

【０００３】従来の平面型表示装置は、図３にその具体
的構成を示すように、後方から前方に向かって順に平面
電極１、電子ビーム源としての線状のカソード２、カソ
ード２から出た電子ビームをスクリーン３上の所定の蛍
光体上に収束させさらに照射量を制御するための複数の
平板状電極４から構成されており、ガラスよりなる表容
器５とガラスまたは金属からなる裏容器６の内部にこれ
ら構成部品を収納し容器内を真空としている。電子ビー
ム源としてのカソード２から出た電子ビームを制御し、
スクリーン３上のＲ，Ｇ，Ｂ等の蛍光体を照射し、画像
表示を行うためには、前記複数の平板状電極のそれぞれ
の平板状電極が所定の間隔に精度よく電気的に絶縁して
保たれている必要があり、前記各平板状電極の電子ビー
ムが通過しない部分に設けられた接合部に接着用ガラス
にを配しこれら接着用ガラスを介して各平板状電極の接
合固定を行なう。

【０００４】図４に各平板状電極の接合固定方法を示
す。図４において、７は焼成基板８上に設置された各平
板状電極、９は各平板状電極７間で各平板状電極７の電
子ビームが通過しない部分に設けられた接合部に設置さ
れた接合部ガラス、１０は各平板状電極７間で各平板状
電極７の電子ビームが通過しない部分に設けられた接合
部に設置された間隔保持用ガラス、１１は焼成基板８に
垂直に立てられた位置決めピンで各平板状電極７に設け
られた位置決め用角穴１２を貫通し各平板状電極７の相
互位置決めを行なっている。この状態で各平板状電極７
上よりスタンパ１３で加圧したまま焼成炉中で接合用ガ
ラスが溶融しこの後に結晶化する温度まで加熱し再び常
温まで冷却し各平板状電極の接合固定を完了する。１４
は位置決めピン１１が各平板状電極７の熱膨脹の際、水
平方向に自由に動くことを可能にするため焼成基板８と
ピンハウジング１５の間で位置決めピン１１の底部を保
持した球である。１６は焼成基板８とスタンパ１３を保
護するための金属板である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な接合固定方法を用いても垂直偏向電極は図５に示すよ
うに水平方向に交互に噛み合った太い桟１７・１８から
なる剛性のない構造であり、焼成時の熱応力で変形した
まま他の平板状電極と接合固定され部分的に偏向感度の
異なった各平板状電極のブロックを形成し平面型表示装
置の画質を著しく低下させていた。特に大画面用の電極
になるほど焼成時の熱応力による変形が顕著で平面型表
示装置を大型化する場合の大きな障害になっていた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、線状のカソー
ドと、前記カソードから出たライン状の電子ビームを制
御するため所定の間隔を保って重ねた複数の平板状電極
と、アノード面に形成された蛍光体と、前記複数の平板
状電極の電子ビームが通過しない部分に設けられた接合
部に設置された接着用ガラスと、これらを封入するため
の真空容器からなり、前記複数の平板状電極の中で垂直
偏向電極がアノード面から見て水平方向に交互に噛み合
った太い桟からなり、前記垂直偏向電極の交互に噛み合
った太い桟が所定の張力で架張された細線で連結された
構造であり、前記垂直偏向電極を前記複数の他の平板状
電極と前記接着用ガラスを介して接合した後前記細線を
除去するものである。

【０００７】

【作用】本発明の作用は、線状のカソードと蛍光体を配
したスクリーンの間に制御用の複数の平板電極を配置し
た平面型表示装置において、前記各平板状電極と接着用
ガラスを焼成基板とスタンパーの間に配置して、加圧し
つつ加熱し前記各電極と溶融後に結晶化する接着用ガラ
スで接合固定する方法において、複数の平板状電極の中
で垂直偏向電極がアノード面から見て水平方向に交互に
噛み合った太い桟からなり、かつ交互に噛み合った太い
桟が所定の張力で架張された細線で連結された構造であ
るため垂直偏向電極を平面度を保ったまま精度よく接着
用ガラスを介して前記複数の他の平板状電極と接合する
ことができ、この後前記所定の張力で架張された細線を
除去するものである。

【０００８】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。図１において、後方から前方に向か
って順に１９は背面電極、２０は電子ビーム源としての
線状のカソード、２１はカソードから出たライン状の電
子ビームを制御するため所定の間隔を保って重ねた複数
の平板状電極、２２はスクリーンである。電子ビーム源
としての線状のカソード２０からでた電子ビームを背面
電極１９で複数の平板状電子電極２１側に押し出し複数
の平板状電極２１中で水平方向および垂直方向に収束・
偏向してスクリーン２２上のＲ，Ｇ，Ｂ等の蛍光体を順
次発光させるようにしている。２３は表容器、２４は裏
容器であり、容器の内部を真空に保っている。

【０００９】電子ビームを蛍光体の所定の位置に所定の
大きさに絞って照射するためには前記複数の平板状電極
２１のそれぞれの平板状電極が精度よく接合固定され一
体化されている必要がある。

【００１０】図２は本発明の一実施例の平板状電極２１
の中でカソード１９からでた電子ビームを垂直方向に偏
向する垂直偏向電極を示す。

【００１１】図２において２５・２６はアノード面から
見て水平方向に交互に噛み合った太い桟、２７は所定の
張力で架張され接合点２８で太い桟２５と接合点２９で
太い桟２６と連結された細線で太い桟２５・２６と細線
の連結は本発明の一実施例では垂直偏向電極を予め平面
度がでている平板上でφ２０μｍのタングステンワイヤ
ーに２５ｇの張力をかけて接合点２８・２９でＹＡＧレ
ーザを用いて溶接している。

【００１２】このような構造の垂直偏向電極を高精度に
他の平板状電極と接合固定するために垂直偏向電極の下
面に前記細線２７との接触を避けるために縦方向にミゾ
３０を設けた薄板３１を挿入して、平面度が２０μｍ以
下、面粗さが特に電極と接触する上面で０．８μｍＲma
x以下に仕上げられた焼成基板の上に設置し、接着用ガ
ラスを電子ビームの通過しない太い桟２５・２６上の二
点鎖線３２に示す位置に配置し、この上より他の平板状
電極（図示せず）を重ね、さらに平面度が２０μｍ以
下、面粗さが特に電極と接触する下面で０．８μｍＲma
x以下に仕上げられたスタンパー（図示せず）を重ねて
加圧し、水平偏向電極を焼成基板に押し付け、接着用ガ
ラスの溶融温度まで加熱してこの接着用ガラスを介して
他の平板状電極と接合する。本発明の一実施例では薄板
３１として板厚０．２ｔの軟鉄を用い、縦方向にミゾ３
０はエッチングによって加工している。本発明の一実施
例では接着用ガラスとして断面形状が０．５角で組成が
ＰｂＯ−８７、５ｗｔ%、Ｂ _２Ｏ_３−９、５ｗｔ%、Ｚｎ
Ｏ−２ｗｔ%、ＳｉＯ_２−０．４ｗｔ%、Ａｌ_２Ｏ_３−
０．６ｗｔ%であり、溶融後結晶化する結晶化ガラス棒
を配置している。この間、水平方向に交互に噛み合った
太い桟２５・２６は細線２７で連結され一枚板と同じ状
態で焼成基板に押し付けられており、接着用ガラスの溶
融温度まで加熱されても常に焼成基板の面に沿って凹凸
や変形のない状態が維持されそのまま他の平板状電極
（図示せず）と接合することができる。

【００１３】接合完了後、接合点２８・２９の付近で細
線２７を除去する。本発明の一実施例ではＹＡＧレーザ
により細線２７を切断している。接合点２８・２９は微
小な痕跡として太い桟２５・２６上に残るが電子ビーム
の通過するスリット部34より離れているため電子ビーム
の軌道に影響はしない。

【００１４】３３は太い桟２５・２６の繋ぎ部で垂直偏
向電極を他の平板上電極と接合した後切断し電気的に分
離する。このことにより、電子ビームの通過するスリッ
ト部３４の上下太い桟２５と２６にそれぞれ偏向電圧を
印加することができる。本発明の一実施例ではＹＡＧレ
ーザにより切断した。

【００１５】なお本発明の一実施例では垂直偏向電極と
他の平板状電極一枚を接合する方法を示したが、他の平
板状電極複数枚を垂直偏向電極と同時に接合しても同じ
効果が得られる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、複数の
平板状電極を接合固定する際に垂直偏向電極を平面度を
保ったまま精度よく他の平板状電極接合できるため大画
面の平面型表示装置においても電子ビームの水平方向の
偏向感度が画面全体にわたって均一になり、平面型表示
装置の画質向上および大型化に大いに寄与することがで
きた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における平面型表示装置の示
す断面斜視図

【図２】本発明の一実施例における平面型表示装置の水
平偏向電極を示す平面図

【図３】従来の平面型表示装置の構成を示す断面斜視図

【図４】従来の平面型表示装置の平板状電極を接合固定
する方法を示す図

【図５】従来の水平偏向電極を示す平面図である。

【符号の説明】

１９ 背面電極 ２０ 線状のカソード ２１ 平板状電極 ２２ スクリーン ２４ 表容器 ２５ 裏容器 ２５ 水平方向に交互に噛み合った太い桟 ２７ 細線 ２８ 接合点 ３１ 薄板 ３４ 電子ビームの通過するスリット部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 哲男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画面に平行で画面の上下方向に等ピッチ
   で架張された線状のカソードと、前記カソードから出た
   ライン状の電子ビームを制御するため所定の間隔を保っ
   て重ねた複数の平板状電極と、アノード面に形成された
   蛍光体と、前記複数の平板状電極の電子ビームが通過し
   ない部分に設けられた接合部に設置された接着用ガラス
   と、これらを封入するための真空容器からなり、複数の
   平板状電極の中で垂直偏向電極がアノード面から見て水
   平方向に交互に噛み合った太い桟からなり、前記垂直偏
   向電極の交互に噛み合った太い桟が所定の張力で架張さ
   れた細線で連結された構造であり、前記垂直偏向電極を
   前記複数の他の平板状電極と前記接着用ガラスを介して
   接合した後前記細線を除去することを特徴とする平面型
   表示装置の製造方法。