JPH048027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は自動車用前照灯の光軸を調節するため
のエイミング装置に関するものである。

〈従来の技術〉 従来からこの種エイミング装置としては種々の
機構のものが提案されているが、同じ機構であつ
ても前照灯の形状が変わつたり大型化すると、そ
の都度それに適した部品や組付け手順に変更して
いるのが現状である。従つて部品点数が多くなる
と共に、組付け作業性が悪く、コスト高になる不
具合があつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案はこの様な従来の不具合に鑑みてなされ
たものであり、部品の共通化を図ることが出来、
従つて前照灯の形状や大きさが変わつても少ない
部品点数と一定の組付け手順で製造することが出
来、コストの低減化を図ることが出来る自動車用
前照灯のエイミング装置を提供せんとするもので
ある。

〈問題点を解決するための手段〉 斯る目的を達成する本考案自動車用前照灯のエ
イミング装置は、２個のベベルギヤを互いにその
軸方向が直交するように噛合させて収納した２個
のギヤケースを各々固定部材に固定し、該一方の
ギヤケース内に収納した一方のベベルギヤに可動
部材側に連繋したエイミングスクリユの頭部を連
結させると共に他方のベベルギヤに伝達杆の一端
を連結させ、前記他方のギヤケース内に収納した
一方のベベルギヤには上記伝達杆の他端を連結さ
せると共に他方のベベルギヤに操作杆を連結させ
た事を特徴としたものである。

〈実施例〉 以下、本考案実施の一例を図面に基づいて説明
する。

尚、自動車用前照灯の光軸を調整する方式に
は、灯体に対して反射鏡を動かす反射鏡可動タイ
プと、車体に対してランプユニツトを動かすラン
プユニツト可動タイプとがあるが、原理的には両
者共同じであり、本明細書では反射鏡やランプユ
ニツトなどの動かされる部材を可動部材と称し、
その可動部材を支持する灯体や車体などの部材を
固定部材と称し、図示実施例のものは反射鏡可動
タイプの前照灯を示す。

図中Ａは前照灯であり、その下部に灯体１を共
有させてフオグランプＢを一体に構成せしめてな
り、これら前照灯Ａ及びフオグランプＢの反射鏡
（可動部材）２は固定部材であるところの灯体１
に動点となるエイミングスクリユ３と支点となる
支持杆４とでもつてエイミング調整可能に支持さ
れ、エイミング装置によりエイミング調整され
る。

本考案エイミング装置は、２個のベベルギヤ５
ａ，５ｂを互いにその軸方向が直交するように噛
合させて収納した２個のギヤケース６ａ，６ｂ
と、これら２個のギヤケース６ａ，６ｂ内に収納
したベベルギヤ５ａ，５ｂ同士を連結するための
一本の伝達杆７、及びベベルギヤを回動させるた
めの一本の操作杆８とで構成され、上記ベベルギ
ヤ５ａ，５ｂ並びにギヤケース６ａ，６ｂは互い
に同一に形成し共通化させることが可能である。

２個のギヤケース６ａ，６ｂは互いに適宜間隔
をおいて固定部材１に固定する。即ち、一方のギ
ヤケース６ａはエイミングスクリユ３の頭部３ａ
が突出した位置に設置し、他方のギヤケース６ｂ
は操作杆８を操作しやすい位置に設置するもので
ある。そして、２個のギヤケース６ａ，６ｂの内
部には夫々２個のベベルギヤ５ａ，５ｂをその軸
方向が互いに直交するように噛合させて収納す
る。

そして、一方のギヤケース６ａ内に収納した一
方のベベルギヤ５ａには可動部材２側に連繋した
エイミングスクリユ３の頭部３ａを連結させると
共に、同ギヤケース６ａ内の他方のベベルギヤ５
ｂには伝達杆７の一端７ａを連結せしめ、同様に
他方のギヤケース６ｂ内に収納した一方のベベル
ギヤ５ａに伝達杆７の他端７ｂを連結させると共
に、同ギヤケース６ｂ内の他方のベベルギヤ５ｂ
には操作杆８を連結させるものである。この時、
伝達杆７の一端７ａを一方のギヤケース６ａでも
つて両持構造となるように構成すると共に、操作
杆８も他方のギヤケース６ｂでもつて両持構造と
なるように構成する。この様に構成することによ
り、力の伝達がスムーズとなりエイミング操作を
安定的に行なうことが出来るようになると共に、
組立が一層容易となる。

尚、図中９は長い伝達杆７を支持するための支
持部材であり、灯体（固定部材）１と同一体に突
出形成してある。

而して、本考案エイミング装置の組付けに際し
ては、エイミングスクリユ３のスクリユ部３ｂを
可動部材２にセルフロツキングナツト１０を介し
て連繋し、そのエイミングスクリユ３の頭部３ａ
を固定部材１から回転自由に突出せしめておくと
共に、２個のギヤケース６ａ，６ｂ内には各々予
め２個のベベルギヤ５ａ，５ｂを収納せしめ、更
にその一方のギヤケース６ａ内に収納した他方の
ベベルギヤ５ｂに伝達杆７の一端７ａを固着連結
させ、他方のギヤケース６ｂ内に収納した他方の
ベベルギヤ５ｂには操作杆８を固着連結させてお
く。然る後、伝達杆７の他端７ｂを固定部材１に
開口形成した挿通穴１１内に挿入させながら、伝
達杆７の一端７ａに取付けた一方のギヤケース６
ａを固定部材１側へ寄せ、固定部材１から突出し
たエイミングスクリユ３の頭部３ａに一方のギヤ
ケース６ａ内に収納した一方のベベルギヤ５ａを
挿入連結せしめ、その後一方のギヤケース６ａを
固定部材１にビス止めする。次いで、固定部材１
の挿通穴１１から突出した伝達杆７の他端７ｂに
他方のギヤケース６ｂ内に収納した一方のベベル
ギヤ５ａを挿入連結させ、その後他方のギヤケー
ス６ｂを固定部材１にビス止めする。これでエイ
ミング装置の組付けが完了する。

そして、操作杆８をドライバー等の工具で正逆
回動させると、他方のギヤケース６ｂ内に収納し
た２個のベベルギヤ５ａ，５ｂを介して伝達杆７
が回動し、その回転は一方のギヤケース６ａ内に
収納した２個のベベルギヤ５ａ，５ｂを介してエ
イミングスクリユ３に伝達され、エイミングスク
リユ３の回動に伴ないセルフロツキングナツト１
０を介して可動部材２が揺動しエイミング調整さ
れる。

〈考案の効果〉 本考案自動車用前照灯のエイミング装置は斯様
に構成したので、前照灯の形状や大きさに関係な
く少なくとも２個のギヤケース並びにその内部に
収納する２個のベベルギヤを同一に形成して部品
の共通化を図ることが出来、従つて２個のギヤケ
ースを連結する伝達杆の長さを変更するだけで前
照灯の形状や大きさが変わつても少ない部品点数
で製造することが出来る。

しかも、部品の共通化に伴ない一定の組付け手
順で製造することが出来るので、前照灯の形状や
大きさが変わつても能率よく組付け作業を行なう
ことが出来、総じてコストの低減化を図ることが
出来る。

更に、大型の前照灯にも容易に適用することが
出来ると共に、力の伝達がスムーズで安定したエ
イミング操作を行なうことが出来る。

よつて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の一例を示し、第１図は第２
図の１−１線拡大断面図、第２図は前照灯の背面
図である。 図中、１は固定部材、２は可動部材、３はエイ
ミングスクリユ、３ａはその頭部、５ａ，５ｂは
ベベルギヤ、６ａ，６ｂはギヤケース、７は伝達
杆、７ａはその一端、７ｂはその他端、８は操作
杆、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２個のベベルギヤを互いにその軸方向が直交す
   るように噛合させて収納した２個のギヤケースを
   各々固定部材に固定し、該一方のギヤケース内に
   収納した一方のベベルギヤに可動部材側に連繋し
   たエイミングスクリユの頭部を連結させると共に
   他方のベベルギヤに伝達杆の一端を連結させ、前
   記他方のギヤケース内に収納した一方のベベルギ
   ヤには上記伝達杆の他端を連結させると共に他方
   のベベルギヤに操作杆を連結させた事を特徴とす
   る自動車用前照灯のエイミング装置。