JPH04752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は車両用シート（特に自動車座席）に
関し、より詳しくはシートバツク後部とシートバ
ツク下部との間に生じる〓間を塞ぐべく、前記シ
ートバツク下部から前記シートクツシヨン下面に
沿つてカバー部材を配設し、このカバー部材を移
動可能に前記シートクツシヨン下面に取付けるカ
バー部材取付構造の改良に係るものである。

（従来の技術） この種、自動車座席としては、実開昭60−
43433号公報記載のものが知られている（第８図
参照）。図中、自動車座席１はシートバツク２と
シートクツシヨン３とからなり、シートクツシヨ
ン下面３ａにはシートクツシヨン座面を上下方向
へ移動せしめるハイトアジヤスタ装置（図示せ
ず）が装着されている。そして、このシートクツ
シヨン後部３ｂとシートバツク下部２ａとの間に
は、これらの間に生じる〓間を塞ぐためのカバー
部材４が配設される。このカバー部材４は一端４
ａが前記シートバツク２の表皮部材５と固着さ
れ、他端４ｂが綿ゴム部材６の一端６ａに係着さ
れ、シートクツシヨン後部３ｂとシートバツク下
部２ａとの間の〓間を塞ぐとともに、シートクツ
シヨン３が上下方向に移動することに伴なつて、
前記綿ゴム部材６が伸縮してカバー部材４の他端
４ｂが移動する。なお、綿ゴム部材６はその他端
６ｂがシートクツシヨン３を形成するフレーム部
材７に固定して取付けられている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記自動車座席１はシートバツク後部３ｂとシ
ートバツク下部２ａとの間の〓間を塞ぐべく、カ
バー部材４に一端４ａをシートバツク２の表皮部
材５に固定して結着し、他端４ｂを綿ゴム部材６
に一端６ａに係着し、綿ゴム部材６がシートクツ
シヨン３の裏面長手方向に沿つて配設されている
ため、乗員がシートクツシヨン３に着座した際、
シートクツシヨン３が撓み、綿ゴム部材６にシー
トクツシヨン３が接触して綿ゴム部材６が伸縮せ
ずにカバー部材４の移動が阻止される虞れがあつ
た。さらに、カバー部材４は常に綿ゴム部材６に
より引張られているため、シートクツシヨン３が
上下方向に移動するに際し、カバー部材４がシー
トクツシヨン３に強くこすられ、すり切れる虞れ
があつた。その上、綿ゴム部材６はシートクツシ
ヨン３の裏面に長手方向に沿つて配設されている
ため、配設空間を占有しており、シートクツシヨ
ン３の裏面に他の部材を配設する際に阻げとなつ
ていた。

この考案は、かかる点を鑑みなされたものであ
り、配設空間が小さく、しかも確実にシートクツ
シヨン後部とシートバツク下部との間の〓間を塞
ぐことができる車両用シートを提供することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段及び作用） 本考案に係る車両用シートは、前記カバー部材
の上端を前記シートバツク背面に固着するととも
に下端を前記シートクツシヨン側へ折り返して折
り返し部を形成し、この折り返し部の先端を前記
シートクツシヨン裏面のフレーム部材に固着し、
前記カバー部材の折り返し部とカバー部材間に、
回動部材を設け、この回動部材は前記折り返し部
とカバー部材間に配設した板状のボード材と、こ
のボード材をシートクツシヨン裏面の方向へ付勢
すると共に回動中心を前記折り返し部の先端に設
けたばね材とからなるものである。

シートクツシヨン若しはシートバツクが移動す
ることにより、シートクツシヨン後部とシートバ
ツク下部との間に生じる〓間が広がると、カバー
部材の折り返し部は回動部材のばね部材の付勢力
に抗してボード材と共にシートバツク側へ回動し
て、カバー部材が折り返し部が回動した分だけ長
くなる。

一方、シートクツシヨン若しくはシートバツク
が元の状態となり、前記〓間が狭まると、回動部
材のボード材がばね部材の付勢力によつてシート
クツシヨン裏面の方向へ回動し、カバー部材の折
り返し部がシートクツシヨン裏面の方向へ引張ら
れ、その分だけカバー部材は短くなる。

（実施例） この考案にかかる一実施例を第１図ないし第７
図に基づいて説明する。

同図中、自動車座席１０はシートクツシヨン１
１とシートバツク１２とからなり、前記シートバ
ツク１２がシートクツシヨン１１に対して前後方
向に傾動可能に配設されている。そして、シート
クツシヨン１１とシートバツク１２との間にはカ
バー部材１３が設けられ、シートクツシヨン後部
１１ａとシートバツク下部１２ａとの間に生じた
〓間を塞いでいる。このカバー部材１３は布製材
からなり、シートクツシヨン１１とシートバツク
１２との幅方向に沿つて配設され、その一端１３
ａがシートバツク１２の表皮部材１４に固着され
る。すなわち、カバー部材１３の一端１３ａは背
面側の表皮部材１４の下端部１４ａに結着されて
いる。そして、このカバー部材１３はシートクツ
シヨン１１の後面１１ｂから裏面１１ｃに沿つて
配設され、その他端１３ｂが折り返してシートク
ツシヨン１１を形成するフレーム部材１５の後部
辺１５ａにホツグリング１６により結着されてい
る。

このカバー部材１３の折り返し部１３ｃには第
７図に示すように、ボード材１７とばね材１８と
からなる回動部材１９が配設されている。この回
動部材１９はシートクツシヨン１１の幅と略同幅
からなるボード材１７の一面に、ばね部材１８が
取付けられてなる。ばね部材１８は略コ字形状か
らなり、閉部１８ａがボード材１７に固定して取
付けられ、両辺部１８ｂの略中央部１８ｃにねじ
りばね部２０が形成されており、常にばね部材１
８の両辺部１８ｂとボード材１７とを水平状態に
すべく付勢している。

すなわち、この回動部材１９はばね部材１８の
両辺部１８ｂの先端部１８ｄを固定すれば、ねじ
りばね部２０を中心としてボード材１７がボード
材１７の一面側へ回動可能に形成されており、ボ
ード材１７を一面側へ引張ると回動し、その状態
から引張り力をなくすと、ボード材１７がねじり
ばね部２０の弾発作用により水平状態となる。こ
の回動部材１９はカバー部材１３の折り返し部１
３ｃに配設される。すなわち、ばね部材１８の先
端部１８ｄがシートクツシヨン１１のフレーム部
材１５の後辺部１５ａに固定して取付けられ、ボ
ード材１７がカバー部材１３の折り返し部１３ｃ
に配設される。このばね部材１８のねじりばね部
２０にはワイヤ材２１が設けられており、ワイヤ
材２１はカバー部材１３の他端１３ｂに固定して
取付けられる。

上記構成にかかる自動車座席１０は、第５，６
図に示すように、シートバツク１２を前方向へ傾
動せしめると、シートバツク１２とシートクツシ
ヨン１１と〓間が広がり、それに伴なつてカバー
部材１３がシートバツク１２側へ引張られるた
め、カバー部材１３の折り返し部１３ｃは図示矢
印方向へ移動し、カバー部材１３の折り返し部１
３ｃの長さ分だけカバー部材１３が長くなり、シ
ートクツシヨン１１とシートバツク１２との間の
〓間を完全に塞ぐ。このとき、カバー部材１３の
折り返し部１３ｃ内に配設されている回動部材１
９は、カバー部材１３の折り返し部１３ｃが引張
られるため、その引張り力により、ボード材１７
がねじりばね部２０の弾発力に抗してねじりばね
部２０を中心とし、カバー部材１３ｃと同方向へ
回動する。他方、第３，４図に示すように、シー
トバツク１２を前記上体から元の状態、すなわち
通常状態にすると、シートバツク１２とシートク
ツシヨン１１との間の〓間は前記の場合より狭く
なるため、その狭くなるカバー部材１３に長さだ
け余分となるが、カバー部材１３の折り返し部１
３ｃ内のボード材１７はねじりばね部２０の弾発
力により、常に水平状態に付勢されているため、
水平状態、すなわちシートクツシヨン１１の裏面
１１ｃに当接すべく図示矢印方向へ回動する。こ
のとき、カバー部材１３の折り返し部１３ｃは前
記ボード材１７の回動に伴ない、その長さ分だけ
シートバツク１２側へ引張られるため、カバー部
材１３の長さが短くなり、カバー部材１３が狭く
なつたシートクツシヨン１１とシートバツク１２
との〓間を塞ぐことになる。

上記自動車座席によれば、シートクツシヨン１
１とシートバツク１２との間の〓間を塞ぐカバー
部材１３の他端１３ｂを折り返して折り返し部１
３ｃを形成し、この折り返し部１３ｃ内に回動部
材１９を配設し、回動部材１９のボード材１７を
回動可能に形成したことにより、カバー部材１３
の折り返し部１３ｃの移動を可能とし、シートバ
ツク１２とシートクツシヨン１１との〓間の広狭
に応じてカバー部材１３の折り返し部１３ｃを移
動せしめ、シートクツシヨン１１とシートバツク
１２との〓間を完全に塞ぐことができる。また、
カバー部材１３の折り返し部１３ｃはシートクツ
シヨン１１のフレーム部材１５側に形成している
ため、シートクツシヨン１１に乗員が着座して
も、そのシートクツシヨン１１の撓みにより、カ
バー部材１３の折り返し部１３ｃにシートクツシ
ヨン１１の裏面１１ｃが当接することがないた
め、カバー部材１３の移動を規制されることな
く、スムーズにカバー部材１３の移動が行なえ
る。そのうえ、カバー部材１３の折り返し部１３
ｃはシートクツシヨン１１のフレーム部材１５側
に形成しているため、シートクツシヨン１１の裏
面１１ｃに空間部位が生じて他の用途材等を配設
することができるので、シートクツシヨン裏面１
１ｃの有効利用を図ることができる。さらに、カ
バー部材１３はシートバツク１２を傾動して〓間
が広がつたときに、回動部材１９のねじりばね部
２０の弾発力に抗して引張られるだけなので、従
来のように、カバー部材１３とシートクツシヨン
１１とが強くこすれることがなく、耐久性が良好
化する。

なお、上記実施例においては、シートバツクの
傾動により、シートバツクとシートクツシヨンと
の間に生じる〓間を塞ぐカバー部材を用いた自動
車座席について説明したが、これに限られるもの
ではなく、例えば、シートクツシヨンの上下移動
によりシートクツシヨンとシートバツク間に生じ
る〓間を塞ぐカバー部材についても用いることが
でき、前記と同様な効果を奏する。すなわち、シ
ートバツクもしくはシートクツシヨンの移動によ
り、これらの間に生じる〓間を塞ぐカバー部材を
用いた自動車座席に適用することができる。

（考案の効果） この考案によれば、カバー部材の上端のシート
バツク背面に固着するとともに下端をシートクツ
シヨン側へ折り返して折り返し部を形成し、この
折り返し部の先端を前記シートクツシヨン裏面の
フレーム部材に固着し、前記カバー部材の折り返
し部に、回動部材を設け、この回動部材を折り返
し部とカバー部材間に配設した板状のボード材と
このボード材をシートクツシヨン裏面の方向へ付
勢すると共に回動中心を折り返し部の先端に設け
たばね部材とにしたことにより、前記シートクツ
シヨン後部と前記シートバツク下部との間に生じ
る〓間の広狭変化を、前記カバー部材の折り返し
部の移動により調整することができるめ、前記〓
間を前記カバー部材により覆うことができる。

又、カバー部材の折り返し部と回動部材を、前
記シートクツシヨン裏面の少ない空間部に収納
し、これら折り返し部と回動部材によつて前記〓
間の広狭変化に対応できるため、前記シートクツ
シヨン裏面の空間が広がり有効利用が図られる、
更に、前記カバー部材は常時シートクツシヨンの
方向へ引張られていないので、カバー部材の耐用
性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる一実施例を示す自動
車座席の斜視図、第２図は第１図に示す座席のシ
ートバツクを取付ける前の状態を示す斜視図、第
３図は第１図の−線に沿う断面図、第４図は
第３図の要部を拡大した断面図、第５図は第３図
に示すシートバツクを前方向へ傾動した状態の第
３図と同様な断面図、第６図は第５図の要部を拡
大した断面図、第７図は第４，６図に示す回動部
材の斜視図、第８図は従来の自動車座席の裏面か
らの斜視図である。 図中、１０は自動車座席、１１はシートクツシ
ヨン、１２はシートバツク、１３はカバー部材、
１３ｃは折り返し部、１９は回動部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨン後部とシートバツク下部との
   間に生じる〓間に、前記〓間を覆うべく前記シー
   トクツシヨン裏面から前記シートバツク背面に沿
   つてカバー部材を配設し、前記シートクツシヨン
   若しくは前記シートバツクの移動により前記カバ
   ー部材が移動し、前記〓間を覆う車両用シートに
   おいて、前記カバー部材の上端を前記シートバツ
   ク背面に固着するとともに下端を前記シートクツ
   シヨン側へ折り返して折り返し部を形成し、この
   折り返し部の先端を前記シートクツシヨン裏面の
   フレーム部材に固着し、前記カバー部材の折り返
   し部とカバー部材間に、回動部材を設け、この回
   動部材は前記折り返し部とカバー部材間に配設し
   た板状のボード材と、このボード材をシートクツ
   シヨン裏面の方向へ付勢すると共に回動中心を前
   記折り返し部の先端に設けたばね部材とからなる
   ことを特徴とする車両用シート。