JPH0614613Y2 - 車両用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、一対のサイドバック体の間にセンタバック体
を嵌込んで成るシートバックを備えて成る車両用シート
に関する。

「従来の技術」 従来の車両用シートとしては、例えば、第３図に示すよ
うなものがある。

すなわち、シートバック１は一対のサイドバック体２の
間にセンタバック体３が嵌込まれて成り、両方のサイド
バック体２にはシートバック１の内部を後方から覆うガ
ーニッシュ部材４が架設されている。センタバック体３
の表皮部材５の端部５ａがパッド部材６の裏側に回し込
まれ、パッド部材６の裏側に配したばね部材７に止着さ
れているものである。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、このような従来の車両用シートでは、セ
ンタバック体３の表皮部材５の端部をばね部材７に止着
する際に、シートバック１の後方から作業するため、作
業後にシートバック１の内部を後方から覆うための特別
なガーニッシュ部材４が、必要となり、部品点数が多く
なってコストが嵩むという問題点があった。

本考案は、このような従来の問題点に着目してなされた
もので、部品点数を減らしてコストを低減することがで
きる車両用シートを提供することを目的としており、さ
らに、組付性および品質を考慮した車両用シートを提供
することを目的としている。

「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とするところ
は、 (1)一対のサイドバック体の間にセンタバック体を嵌込
んで成るシートバックを備えて成る車両用シートであっ
て、 前記センタバック体はセンタパッドにセンタ表皮部材を
被覆して成り、 前記センタ表皮部材の端部を前記センタパッドの裏側に
回し込み、該センタパッドの裏面に止着し、 前記サイドバック体はサイドパッドにサイド表皮部材を
被覆して成り、 一枚の連続する表皮材により、シートバックの内部を後
方から覆うガーニッシュ部と、該ガーニッシュ部の両端
部をそれぞれ延ばして両方のサイドパッドを被覆して成
る前記サイド表皮部材とを形成したことを特徴とする車
両用シート。

(2)前記センタパッドの裏面に、前記センタ表皮部材を
止着する際の目印部を設けたことを特徴とする請求項１
記載の車両用シートに存する。

「作用」 シートバックの内部は、一枚の連続する表皮材により形
成したガーニッシュ部により、後方から隠される。表皮
材の両端部が延ばされて一対のサイドパッドが被覆さ
れ、それにより一対のサイドバック体が形成される。

予めセンタパッドの裏側にセンタ表皮部材を回し込んで
センタパッドの裏面に止着し、センタバック体を形成
し、そのセンタバック体を前方から両方のサイドバック
体の間に嵌込めば、シートバックが形成されるものであ
る。

また、センタパッドの裏側にセンタ表皮部材を回し込ん
でセンタパッドの裏面に止着しする際、裏面側の設けた
目印部を基準にすれば、センタ表皮部材の端部を引き過
ぎたり、反対に緩すぎたりすることないので、センタ表
皮部材がセンタパッドを適切に被覆するものである。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明する。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示している。

第２図に示すように、シートバック１０は、一対のサイ
ドバック体２０の間にセンタバック体３０を嵌込んで成
る。シートバック１０の上端部にはヘッドレスト体１５
が装着されている。

第１図および第２図に示すように、センタバック体３０
はセンタパッド３１にセンタ表皮部材３２を被覆して成
る。センタ表皮部材３２は、ワディング３３が表皮３４
とカバー３５とにより挟まれて成る。センタ表皮部材３
２の両端部３６がセンタパッド３１の裏側に回し込ま
れ、その裏面３１ａにタッカーで止着されている。

センタパッド３１の裏面３１ａには、センタ表皮部材３
２の端部３６の縁に重なる、止着する際の目印部である
Ｖ字状断面の溝３７が刻設されている。目印部として
は、Ｖ字状断面の溝３７の他に、後方へ所定断面形状で
連続して突出するビードであってもよく、また、単にマ
ジックインク等で基準線を付してもよく、さらには裏面
３１ａを色分けしてなる区分線であってもよい。

サイドバック体２０はサイドパッド２１にサイド表皮部
材２２を被覆して成る。サイドパッド２１はパイプフレ
ーム部材１２を巻込むとともに、側部補強部材１３に沿
って後方へ延設されている。

一枚の連続する表皮材により、シートバック１０の内部
を後方から覆うガーニッシュ部２３が形成されるととも
に、表皮材の両端部が側方へ延ばされ、サイドパッド２
１を被覆してサイド表皮部材２２と成っている。表皮材
の両端がセンタパッド３１の裏側に配したＳばね部材１
８にクリップで止められている。

すなわち、サイド表皮部材２２とガーニッシュ部２３と
は一枚の連続する表皮材により形成されている。

表皮材は、ワディング２４が表皮２５とカバー２６とに
より挟まれて成るものである。

次に作用を説明する。

一対のサイドバック体２０とセンタバック体３０とを組
付けるには、 予め、一枚の連続する表皮材により、シートバック１０
の内部を後方から覆いガーニッシュ部２３を形成すると
ともに、表皮材の両端部をそれぞれ延ばし、両方のサイ
ドパッド２１を巻き込んで被覆してサイド表皮部材２２
とし、被覆したその先端を側方のＳばね部材１８にクリ
ップによりそれぞれ止める。

次に、予めセンタパッド３１の裏側にセンタ表皮部材３
２の端部３６を回し込み、目印部であるＶ字状断面の溝
３７までセンタ表皮部材３２の端部３６を引込み、その
状態でセンタパッド３１の裏面３１ａにタッカーにより
止着する。

次にセンタバック体３０を前方から両方のサイドバック
体２０の間に嵌込んで装着すれば、組付が完了する。

前記組付けられてなるシートバック１０においては、セ
ンタ表皮部材３２は、適切にセンタパッド３１を巻込ん
で被覆するため、センタ表皮部材３２が張り過ぎたり、
緩過ぎたりすることがない。

また、ガーニッシュ部２３により、シートバック１０内
のＳばね部材１８等が後方から隠されるため見栄えを損
なうことがない。

「考案の効果」 本考案に係る車両用シートによれば、センタバック体の
センタ表皮部材の端部をセンタパッドの裏面に止着する
ようにしたので、センタバック体を一対のサイドバック
体の間に嵌込んだのちシートバックの後方から止着作業
をする必要がなくなり、シートバックの内部を止着作業
に関係なく初めから覆ってもよく、一枚の連続する表皮
材により、シートバックの後面を構成するとともに、表
皮材の両端部を延ばして一対のサイド表皮部材とするこ
とができ、シートバックの後面となる特別なガーニッシ
ュ部材等が不必要となり、部品点数が減ってコストを低
減することができる。

また、センタ表皮部材の端部をセンタパッドの裏面に止
着する際の目印部を刻設したので、複雑な装置を用いる
ことなく、センタ表皮部材の端部を所定の位置に止着す
ることができ、センタパッドにセンタ表皮部材が緩く巻
きつかないから表皮部材がたるまず、また反対にセンタ
パッドにセンタ表皮部材がきつく巻いつかないからセン
タパッドが変形して湾曲することがなく、見栄えがよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示しており、
第１図は第２図II−II線断面図、第２図は車両用シート
の全体斜視図、第３図は従来例を示しており、シートバ
ックの要部断面図である。 １０……シートバック ２０……サイドバック体 ２１……サイドパッド ２２……サイド表皮部材 ２３……ガーニッシュ部 ３０……センタバック体 ３１……センタパッド ３２……センタ表皮部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一対のサイドバック体の間にセンタバック
   体を嵌込んで成るシートバックを備えて成る車両用シー
   トであって、 前記センタバック体はセンタパッドにセンタ表皮部材を
   被覆して成り、 前記センタ表皮部材の端部を前記センタパッドの裏側に
   回し込み、該センタパッドの裏面に止着し、 前記サイドバック体はサイドパッドにサイド表皮部材を
   被覆して成り、 一枚の連続する表皮材により、シートバックの内部を後
   方から覆うガーニッシュ部と、該ガーニッシュ部の両端
   部をそれぞれ延ばして両方のサイドパッドを被覆して成
   る前記サイド表皮部材とを形成したことを特徴とする車
   両用シート。
2. 【請求項２】前記センタパッドの裏面に、前記センタ表
   皮部材を止着する際の目印部を設けたことを特徴とする
   請求項１記載の車両用シート。