JPH017643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車用ドアの内面に形成される
サイドポケツトに関する。

従来、この種のポケツトには例えば実開昭54−
85641号公報に示されるものがある。この構成で
は、ドアトリムと、このトリムに沿つて設けられ
るシート部材とでポケツトが形成されており、ポ
ケツト開口縁部において、シート部材端が弾性細
長部材を包み込んでこのシート部材同士が互いに
溶着されている。また、ポケツト下縁ではシート
部材がトリム側の外面に溶着されている。

ところで上記構成では、開口縁部にシート部材
が相互に溶着されるため、ポケツト外面にその溶
着後の痕跡が残り、これによつて、開口縁部にし
わの発生する場合がある。また、同様にポケツト
下縁においても、溶着後の痕跡が可視的に残るこ
ととなりこれらは外観上好ましくない。

この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、自動車用ドアのサイドポケツトにお
いて、シート部材の固着部を容易に外観できない
ところに位置させ、このポケツトの外観を良好に
させることを目的とする。

上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、シート部材のポケツト開口縁部にこ
のシート部材を保形する枠体が設けられ、上記シ
ート部材がこの枠体で折り返される二重構造とさ
れ、トリムに対面するこのシート部材の一端側が
ポケツト内面を形成すべくその端部がトリムに溶
着され、同シート部材の他端側がポケツトの外面
を形成すべくその端部がトリムの下端を迂回しこ
のトリムの裏面に固着された点である。

以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

自動車用ドア１の内面にはドアトリム２が設け
られる。このトリム２と、このトリム２に沿つて
設けられるシート部材３とでサイドポケツト４が
形成される。このドア１は、その前端にヒンジ６
を有し、このヒンジ６により図示しないドア開口
縁に枢支される。

上記ポケツト４の開口縁４ａにはシート部材３
を保形する枠体７が設けられる。この枠体７は、
一本の線材を倒立ほぼＬ字状に折曲形成したもの
で、その前部が横向き枠８、後部が縦向き枠９と
される。横向き枠８の前端は下方に折曲され、こ
の前端部は第１ブラケツト１１によりトリム２に
支持される。一方、縦向き枠９の下端は前方に折
曲され、この下端部は第１ブラケツト１１と同構
成の第２ブラケツト１２によりトリム２に支持さ
れる。

上記シート部材３は、上記枠体７で折り返され
る二重構造とされ、トリム２に対面するこのシー
ト部材３の一端側がポケツト４の内面を形成する
内面材１３とされ、他端側がポケツト４の外面を
形成する外面材１４とされる。そして、内面材１
３の端部１３ａがトリム２に溶着され、外面材１
４の端部１４ａがトリム２の下端を迂回してその
裏面にタツカで固着される。上記内面材１３と外
面材１４とはほぼ平行に設けられ、この両者間に
間隙１５が形成される。

また、縦向き枠９とトリム２との間にはゴム製
の弾性部材１６がこの両者を引張するように架設
される。この弾性部材１６は枠体７の折曲部７ａ
をトリム２側に弾性的に当接させる。

この考案によれば、枠体で折り返され二重構造
とされたシート部材のポケツト内面側端部がトリ
ムに溶着され、同シート部材のポケツト外面側端
部がトリムの下端裏面に固着されたため、シート
部材を固着した部分がいずれもこのシート部材に
より覆われて容易に外観できないこととなり、よ
つて、ポケツトの外観が良好とされる。

また、シート部材は枠体で折り返された二重構
造であるため、シート部材のポケツト内面側端部
をトリムに溶着した後、同シート部材のポケツト
外面側端部を引張すれば、ポケツトの内外面のし
わは容易に除去できる。そしてこの状態で上記ポ
ケツト外面側端部をトリム裏面に固着すれば、ポ
ケツトの形成が完了するのであり、この成形は容
易である。また、シート部材は二重構造であるこ
とから、ポケツトの強度向上が達成され、かつ、
ポケツト内に物を入れた場合の凹凸形状をポケツ
ト外面側のシート部材により覆い隠すこともでき
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図はその全
体側面図、第２図は第１図の要部斜視図、第３図
は第２図の−線矢視断面図、第４図は第２図
の−線矢視断面図、第５図は第２図の−
線矢視断面図である。 １……ドア、２……トリム、３……シート部
材、４……ポケツト、４ａ……開口縁、７……枠
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアトリムと、このトリムに沿つて設けられる
   シート部材とで形成されるポケツトであつて、上
   記シート部材のポケツト開口縁部にこのシート部
   材を保形する枠体が設けられ、上記シート部材が
   この枠体で折り返される二重構造とされ、トリム
   に対面するこのシート部材の一端側がポケツト内
   面を形成すべくその端部がトリムに溶着され、同
   シート部材の他端側がポケツトの外面を形成すべ
   くその端部がトリムの下端を迂回しこのトリムの
   裏面に固着されたことを特徴とする自動車用ドア
   のサイドポケツト。