JPH0134584Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、自動車用座席装置の構造に関する。

ｂ 従来の技術 従来、スポーツカー等の車高の低い車から乗降
するに際して、腰および足などが座席の側方に当
たり、乗降に不便なことがあつた。特に、車輛の
横揺れに対して乗員の身体を保持するために、座
席の左右側方にサイドサポート部材を設けた、い
わゆるバケツト型シートを装着した車輛は、サイ
ドサポート部材が邪魔になり、乗降が不自由であ
つた。例えば、第１図は従来のバケツト型シート
の一例を示すが、このバケツト型シートのサイド
サポート部材１は、座部２と一体に形成されてお
り、背当部３と一体に形成されたバツクサイドサ
ポート部材４と相まつて、乗降の邪魔となり、不
便であつた。

ｃ 考案が解決しようとする課題 そこで、第２図のようにサイドサポート部材１
の一部を切り欠き、乗降を容易にするものが考え
られたが、車輛の横揺れに対する乗員の身体保持
性能（以下、ホールド性と言う）が劣つていた。
また、第３図のように、座席の乗降側のサイドサ
ポート部材が外側へ倒れるもの、第４図のように
サイドサポート部が左右の動くものなどが考えら
れたが、メカニズムが複数になるなどの欠点があ
つた。

本考案は、上記問題を解決し、ホールド性が良
好で、しかも乗降が楽な自動車用座席装置を提供
するものである。

ｄ 課題を解決するための手段 上記従来技術の有する課題を解決するために、
本考案においては、座部と背当部からなり、前記
座部の左右側方部にサイドサポート部材を配設す
ると共に、前記背当部の左右側方部にバツクサイ
ドサポート部材を配設した自動車用座席装置にお
いて、前記サイドサポート部材とバツクサイドサ
ポート部材とを連続した形状に形成する一方、前
記座部の前部に、フロントサポート部を設けると
共に、該フロントサポート部の前後方向の傾きを
調整する軸を設け、該軸に前記サイドサポート部
材の前端部を回動可能に軸着して、前記サイドサ
ポート部材を前記軸を中心にして上下に回動し得
るように構成している。

以下、図面を参照して本考案を説明する。

第５図は、本考案に係る自動車用座席装置の一
実施例を示し、６は座部、７は背当部、８は座部
６の前部に設けられたフロントサポート部、９は
サイドサポート部材、１０はバツクサイドサポー
ト部材を示す。１１は座部６の前部に設けられ、
フロントサポート部８の前後方向の傾きを調節す
るための回動軸である。なお、サイドサポート部
材９とバツクサイドサポート部材１０とは連続し
た形状に形成されている。

上記サイドサポート部材９の前端部は、回動軸
１１に軸着されていて、該回動軸１１を軸とし
て、回動することができるように構成されてい
る。

いま、サイドサポート部材９′の後部を押し下
げると、第６図のように該サイドサポート部材
９′は、回動軸１１を中心にして下部方向に回転
し、座部６より下部に位置するので、乗降の際
に、サイドサポート部材９′が邪魔にならない。
また、乗車時は、該サイドサポート部材９′を下
部に回転させた状態で乗り込み、着座してから、
サイドサポート部材９′の後部を上方向に回動軸
１１を中心として回転させて上部に復帰させて、
車輛の横揺れに対して、乗員の下半身を保持す
る。このとき背当部７の左右側方に配設したバツ
クサイドサポート部材１０は、乗員の上半身を保
持する。

上記サイドサポート部材の材質は、通常、使用
されるものでよく、特に限定されない。また、そ
の形状はホールド性を向上させるために都合のよ
いものとすることが望ましいが、特に本考案の座
席装置は、上述のように乗降時に邪魔にならない
ので、その大きさ、形状を決める際の自由度が大
きく、ホールド性の向上に都合のよい形状にする
ことができる。また、サイドサポート部材９′を
軸１１に取付けるにあたつて、軸１１に対し、サ
イドサポート部材９′を任意の回動位置に停止す
ることができるよう、慣用手段によつて構成する
ことができる。

ｅ 考案の効果 以上のように、本考案の自動車用座席装置は、
サイドサポート部材とバツクサイドサポート部材
とを連続した形状に形成し、かつサイドサポート
部材を座部の前部に設けた軸を中心にして上下に
回動し得るように構成したので、ホールド性の向
上が図れると共に、自動車の乗降が容易となる。
また、上記サイドサポート部材は乗降のときに邪
魔にならないので、ホールド性の向上を目的とし
て、その形状を大きくすることができる。さらに
背当部を倒したときに、サイドサポート部材が下
部方向に回動し、バツクサイドサポート部材の下
端部とサイドサポート部材とが接触して干渉し合
わないので、バツクサイドサポート部材の形状を
大きくしてホールド性の向上を図ることができ
る。それに加えて、フロントサポート部にはサイ
ドサポート部材が設けられておらず、かつ軸によ
つて前後方向の傾きを調整できるので、より一層
自動車の乗降が楽にできると共に、運転時に足の
邪魔にならず、良好な乗り心地を確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のバケツト型シートを示す斜視
図、第２図、第３図、第４図は、その改良構造を
示す説明図である。第５図は本考案の自動車用座
席装置の実施例を示す図、第６図は、その要部の
作動状態を示す側面図である。 ６……座部、７……背当部、８……フロントサ
ポート部、９……サイドサポート部材、１０……
バツクサイドサポート部材、１１……回動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座部と背当部からなり、前記座部の左右側方部
   にサイドサポート部材を配設すると共に、前記背
   当部の左右側方部にバツクサイドサポート部材を
   配設した自動車用座席装置において、前記サイド
   サポート部材とバツクサイドサポート部材とを連
   続した形状に形成する一方、前記座部の前部に、
   フロントサポート部を設けると共に、該フロント
   サポート部の前後方向の傾きを調整する軸を設
   け、該軸に前記サイドサポート部材の前端部を回
   動可能に軸着して、前記サイドサポート部材を前
   記軸を中心にして上下に回動し得るように構成し
   たことを特徴とする自動車用座席装置。