JPH032207Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用シートのアームレストに関
する。更に詳述すると、本考案はフロントシート
のシートバツクを倒してフロントシートクツシヨ
ンとフロントシートバツク及びリアシートクツシ
ヨンを一つの平担な面とする所謂フルフラツトシ
ート（このようなシート及び状態を本明細書では
フルフラツトシート及びフルフラツト状態とい
う）に実施して効果的なセンターアームレストに
関する。

（従来の技術） フルフラツトシートは、フロントシートのシー
トバツクを倒してフロントシートとリアシートと
で一つの平担な座面を構成してベツド代わりとす
るものである。ところが、リアシートクツシヨン
は一般に座り心地を良くするため中ほどが低く窪
み、前縁が高めに作られているため、そのまま横
になれば乗員の頭部は下がり快適なものとは言え
ない。そこで、通常はアームレストを取り外し
て、或いは車内に積載しているクツシヨンを枕代
わりとして利用している。

なお、第３図に示すように、センターアームレ
ストを上半部１０１と下半部１０２とに分割し、
更に上半部をその長手方向に二分割してそれぞれ
１０１Ａ，１０１Ｂをアームレスト先端部分に枢
軸１０３Ａ，１０３Ｂを以て左右に開き得るよう
に取付け、乗員の大腿部から腹部を固定して乗員
の保護を図るようにしたものがある（実開昭58−
102656号）。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、アームレストを取外して枕とし
て使用することはこれらを再び取付ける手間が煩
わしいばかりか、枕として必ずしも好適な配慮が
成されているものとは言えない。

また、クツシヨンの車内への持ち込みは車室内
空間を狭くすることから、好まない人もいる。な
お、第３図のセンターアームレストは乗員の大腿
部から腹部にかけての保護を図るためのものであ
り、シートクツシヨン１０４の前方側において開
閉され、しかもシートクツシヨン１０４から離れ
て上方に位置するので枕として使用できない。

そこで本考案は、着脱せずに簡単に枕として使
用可能なセンターアームレストを提供することを
目的とする。

（問題点を解決するための手段） かかる目的を達成するため、本考案は、アーム
レストを上下に二分割し更にその下半部を左右に
二分割して、該両下半部をシートバツク寄りにお
いて左右に開閉可能に設け、枕として使用できる
ようにしている。それによつて、通常は両下半部
を閉じて一本のアームレストとして使用し、フル
フラツト時には、アームレストを取り外すことな
く左右に開いて枕として使用できる。

（実施例） 以下本考案の構成を第１図、第２図に示す実施
例に基づいて詳細に説明する。

本考案のアームレスト１は、リアシートのシー
トバツク７にシートクツシヨン８側へ垂直面内を
回動自在に取付けられている。このアームレスト
１は上半部２と、下半部３とに分割され、更に下
半部３はその長手方向に二分割され、小ブロツク
のアームレスト片３Ａ，３Ｂとされている。

そして、この下半部３の両アームレスト片３
Ａ，３Ｂは前記上半部２に対して垂直な回動軸
４，４を以て上半部と平行な面内を自在に回動し
得るように取付けられている。

アームレスト片３Ａ，３Ｂは枕としての使い心
地をよくするため、左右に広げた際に前方へ傾斜
する傾斜面９を有する略台形状に形成されてい
る。

このアームレスト１は公知のアームレストと同
様のスポンジゴムあるいはウレタンフオーム等の
弾性体で構成され、外皮で被覆されている。ま
た、図示していないが、前記上半部２及び下半部
３のアームレスト片３Ａ，３Ｂの各内部には当該
アームレストの形状を保持し、かつ車体への取り
付けを可能とするため、取付け用プレートが埋設
されている。そして、上半部２の取付け用プレー
トには水平な回転軸５が設けられ、シートバツク
７のフレームに回転自在に取り付けられている。
また、上半部２の下面には下半部３のアームレス
ト片３Ａ、３Ｂの傾斜面９と当接する山形の突起
１０が設けられている。したがつて、アームレス
ト１の分割面６は正面から見てほぼＹ形になる。

下半部３のアームレスト片３Ａ，３Ｂの回転軸
４はアームレスト全体の枢軸、即ち上半部２の回
転軸５と接近した位置にあり、アームレスト１を
シートクツシヨン８上に倒した状態でアームレス
ト片３Ａ，３Ｂを開けばシートクツシヨン８の奥
側に位置するように配置されている。

以上のように構成されたアームレスト１による
と、フロントシートバツクを倒してフルフラツト
状態にしてシートを使用する場合、アームレスト
１をシートクツシヨン８上に倒してから下半部３
のアームレスト片３Ａ，３Ｂを引き出し、左右に
開けば枕として使用できる（第２図参照）。また、
通常は下半部３のアームレスト片３Ａ，３Ｂはそ
れぞれ上半部２の下に収納すれば、全体として一
つのアームレストとして使用できる。更にこのア
ームレスト１が不要な時は、全体をシートバツク
７の凹部へ収納することにより、シートバツク７
の一部となる。

（考案の効果） 以上の説明より明らかなように、本考案のアー
ムレストは上下に二分割し更に下半部をその長手
方向に分割して左右に開閉可能にしたので、フル
フラツト時には枕として使用できるし、通常状態
において閉じて一つのアームレストとして使用で
きる。しかも、アームレストの下半部が枕として
利用するので、その下半部を枕として使用し易い
形状、例えば台形にしても、その下半部は上半部
の下に重ねられるので、アームレストとしての外
観も損なわれない。また、この枕を兼ねるアーム
レストは不使用時にはリアシート側へ収納できる
ので、場所を取らず居住空間を狭めることがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のアームレストの一実施例を示
す斜視図、第２図は同フルフラツト時におけるア
ームレストの使用状態を示すシート構造概略図、
第３図は従来のアームレストの一例を示す斜視図
である。 ２……上半部、３……下半部、３Ａ，３Ｂ……
アームレスト片、４……下半部の回転軸、５……
上半部の回転軸、７……シートバツク、８……シ
ートクツシヨンを夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上半部と下半部とに分割しその下半部をその長
   手方向に左右二分割してそれぞれ前記上半部に該
   上半部と平行な面内において旋回動可能に後端側
   に取付けて、通常は両下半部を閉じて一本のアー
   ムレストとして使用し、フルフラツト時には両下
   半部を左右に開いて枕として使用することを特徴
   とする自動車用シートのセンターアームレスト。