JPS641863Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用シート、特にフルフラツト形式
のシートのシートバツク部上端側を被うようにし
た車両シート用保護パツドに関するものである。

従来、第１図に示すようにフロントシート１の
シートクツシヨン部１ａとシートバツク部１ｂ間
に設けられた回動機構３を調整することによりシ
ートバツク部１ｂをリアシート２側に倒して、フ
ロントシート１とリアシート２を略平坦なものと
している。また、リアシート２においてもフロン
トシート１と同様な回動機構３を設けるようにし
てリアシート２のシートバツク部２ｂをも後部方
向に倒すことにより車両の前部側から後部側へか
けて相当の長さの平坦面を有するシート、いわゆ
るフルフラツト形式のシートを得るようにしてい
る。

しかしながら、上記従来の車両用シートにおい
ては、通常使用の状態ではフロントシート１のシ
ートバツク部１ｂの上端部に設けられたヘツドレ
ストのステー挿通孔４を介してヘツドレストを取
付けているが、フルフラツト状態ではこのステー
挿通孔４の突出した部分がシートに仰臥または伏
臥した人間の身体の臀部或いは膝部等に当接し、
異物感や苦痛を与えるという欠点を有していた。
また、フロントシート１のシートバツク部１ｂは
本来、乗員の背部を支える目的で作られているた
めに、シートバツク部１ｂを倒した状態では、シ
ートバツク部１ｂの上端側が肉薄な形状のため、
シートの平坦面に不自然な凹部ができてしまい良
好な使用感を得ることができないという欠点を有
していた。

本考案の目的は、フルフラツト形式の車両用シ
ートにおいて、リアシートのシートクツシヨン部
の前壁におけるフロントシートに対応する部位に
窪みを設け、この窪みに保護パツドを収納し、か
つこの保護パツドの上端をヒンジを介してシート
クツシヨン部に接続し、この保護パツドで、後部
方向でかつ水平方向に倒されたフロントシートの
シートバツク部の上部を被うようにして上記各欠
点を除去するものであり、以下実施例を用いて詳
細に説明する。

第２図ないし第４図は本考案による車両用シー
トの一実施例を示す簡略構成図であり、同図にお
いて、フロントシート１に対応する部位における
リアシート６のシートクツシヨン部１０の前壁３
０には窪み３１が設けられ、この窪み３１に保護
パツド１５が収納される。この保護パツド１５は
前壁３０の上部側に設けられたヒンジとしての接
続手段１８によつて回動可能に取付けられてい
る。リアシート６のシートクツシヨン部１０は第
３図に示すように、フレーム１１上に発泡ウレタ
ン等の緩衝材１２を載置し、両者の表面側を表皮
１３により被つて成るもので、上記保護パツド１
５は断面楕円状の長尺なパツド材１６の外周側を
表皮１７により被い、上記シートクツシヨン部１
０の前面側の側壁にシートクツシヨン１０と一体
となる如く、その上端側を縫製，蒸着等の接続手
段１８によつて回動自在に取付られている。

以上のような構成において、通常の使用状態で
は、第４図ａに示すように、フロントシート５の
シートバツク部７を略垂直方向に設定され、シー
トバツク部７の上端にはステーホルダー８を介し
て図示されないヘツドレストが取付けられており
リアシート６においては、シートクツシヨン部１
０の前面側の上端に接続手段１８によりその上端
を取付けられた保護パツド１５がシートクツシヨ
ン部１０と一体となつて乗員の脹ら脛を保持して
いる。次に、フルフラツト状態においては、第４
図ｂに示すように、まず、フロントシート５の回
動機構９ａを作動させてシートバツク部７を後方
に水平状態となるまで押し倒すと同時に、リアシ
ート６のシートクツシヨン部１０の前面側に設け
た保護パツド１５を前方へ引き上げて水平状態と
なつたフロントシート５のシートバツク部７の上
端側の上に載置する。この状態において乗員はフ
ルフラツトシート上で臀部、膝部等をヘツドレス
トのステーホルダー８の周辺に当接させても保護
パツド１５によりステーホルダー８が直接身体に
当たることはないので、安心して寛ぐことができ
る。また、フロントシートのスライド機構９ｂに
より、フロントシート５をフラツト状態でリアシ
ート６に当接するまでスライドさせることによ
り、シートクツシヨン部１０とシートバツク部７
との間の間隙をなくすることができ、しかも保護
パツド１５によりシートバツク部７の上端側の肉
薄となつた部分を被うことができるので、使用感
の優れたフルフラツトシートを得ることができ
る。

以上説明したように、本考案による車両用シー
トによれば、フロントシートのシートバツク部を
リアシート側に略水平状態に倒してリアシートと
でフラツトシートを構成する車両用シートおい
て、リアシートのシートクツシヨン部の前壁にお
けるフロントシートに対応する部位に窪みを設
け、この窪みに保護パツドを収納し、かつこの保
護パツドの上端をヒンジを介してシートクツシヨ
ン部に接続し、この保護パツドで、後部方向でか
つ水平方向に倒されたフロントシートのシートバ
ツク部の上部を被うようにしたので、乗員の身体
に異物感や不快感を与えることなく、良好な乗車
感を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフルフラツトシートの一例を示
す側面図、第２図，第３図，第４図ａ，ｂは本考
案による車両用シートの一実施例を示す斜視図，
断面図，側面図である。 ７……シートバツク部、８……ステーホルダ
ー、１０……リアシートクツシヨン部、１５……
保護パツド、１８……接続手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントシートのシートバツク部をリアシート
   側に略水平状態に倒してリアシートとでフラツト
   シートを構成する車両用シートにおいて、リアシ
   ートのシートクツシヨン部の前壁におけるフロン
   トシートに対応する部位に窪みを設け、この窪み
   に保護パツドを収納し、かつこの保護パツドの上
   端をヒンジを介してシートクツシヨン部に接続
   し、この保護パツドで、後部方向でかつ水平方向
   に倒されたフロントシートのシートバツク部の上
   部を被うようにしたことを特徴とする車両用シー
   ト。