JPH0116657Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シート背もたれ部の下部構造に関
し、特に、自動車の前部シートに用いて好適の、
シート背もたれ部の下部構造に関する。

一般に、自動車の前部シートの背もたれ部の裏
面には、硬質のバツクパネルが設けられている
が、このバツクパネルがシート背もたれ部の下端
部まで延在しているため、後席乗員の膝下部との
足当たりを起こして、乗員に不快感や痛みを与え
るという問題点がある。

そこで、第１図に示すように、前部シートの背
もたれ部１の裏面１ａにおける硬質のバツクパネ
ル２の下部２ａを全体的に切り欠いて、シート背
もたれ部１のクツシヨン部材３を、その前面１ｂ
から下端部１ｃを経て裏面１ａまで回し込み、足
当たりを軽減することも考えられる。

しかしながら、このようなシート背もたれ部の
下部構造では、シート９へリクライニング可能に
背もたれ部１を取付けるに際して、背もたれ部１
の内部フレームの下部クロスメンバーに取付け用
ブラケツトを設けることは難しく、シート背もた
れ部１の側部のメンバーと、シート９側とを車幅
方向に張り出したブラケツト４等により結合しな
ければならず、構造が複雑になりコストの上昇を
招くという欠点がある。

本考案は、このような問題点を解決しようとす
るもので、簡素な構成で、乗員の足当たりの不快
感を解消できるようにした、シート背もたれ部の
下部構造を提供することを目的とする。

このため本考案のシート背もたれ部の下部構造
は、シート背もたれ部の裏面に設けられたバツク
パネルの下端中央部に切り欠き部をそなえるとと
もに、同切り欠き部の両側におけるバツクパネル
に取付けられる上記シート背もたれ部の内部フレ
ームの下部クロスメンバーをそなえ、上記シート
背もたれ部のクツシヨン部材の下端部が、上記下
部クロスメンバーの下側を包み上記切り欠き部ま
で延在していることを特徴としている。

以下、図面により本考案の一実施例としてのシ
ート背もたれ部の下部構造について説明すると、
第２図はその斜め後方からみた斜視図、第３図は
第２図の−矢視断面図、第４図は第２図の
−矢視断面図である。

第２〜４図に示すように、前部シートの背もた
れ部１の裏面１ａに硬質のバツクパネル２が設け
られていて、このバツクパネル２の下端中央部２
ｂには、切り欠き部２ｃが形成されている。

そして、シート背もたれ部１におけるクツシヨ
ン部材３としてのウレタンパツド３ａおよび表皮
部材３ｂが、シート背もたれ部１の下端部１ｃに
おいて、内部フレーム５の下部クロスメンバー５
ａの下側を包み、シート背もたれ部１の前面１ｂ
から切り欠き部２ｃまで延在している。

すなわち、シート背もたれ部１のバツクパネル
２の下端中央部２ｂにおける切り欠き部２ｃに
は、膝下部保護用クツシヨン部材３ｃが設けられ
る。

また、バツクパネル２は、下部クロスメンバー
５ａに、取付けスクリユー６等により固定されて
おり、この下部クロスメンバー５ａには、取付け
用ブラケツト７が固定されていて、ブラケツト７
は、シート背もたれ部１の下端部１ｃから下方へ
突出し、リクライニング機構（図示せず）の一部
をなしている。

このように、シート背もたれ部１は、ブラケツ
ト７を介してシート９へリクライニング可能に取
付けられている。

なお、第２図中の符号２ｄはバツクパネル２の
下端両側部、８はポケツトをそれぞれ示してい
る。

上述の構成により、後席乗員の膝下は、膝下部
保護用クツシヨン部材３ｃにより確実に保護され
て、足当たりによる不快感や痛みを与えることは
ない。

さらに、バツクパネル２の下端両側部２ｄから
取付け用ブラケツト７がシート９側へ向けて突出
しており、このブラケツト７により、シート背も
たれ部１のリクライニングシートとしての取付け
状態が支障なく維持されるのである。

以上詳述したように、本考案のシート背もたれ
部の下部構造によれば、シート背もたれ部の裏面
に設けられたバツクパネルの下端中央部に切り欠
き部をそなえるとともに、同切り欠き部の両側に
おけるバツクパネルに取付けられる上記シート背
もたれ部の内部フレームの下部クロスメンバーを
そなえ、上記シート背もたれ部のクツシヨン部材
の下端部が、上記下部クロスメンバーの下側を包
み上記切り欠き部まで延在しているという簡素な
構成で、次のような効果ないし利点を得ることが
できる。

(1) 車両にそなえた場合等において、後席乗員の
膝下部の足当たりが緩和されて、不快感が無く
なる。

(2) シート背もたれ部の前面クツシヨン部材と足
当たり部の膝下部保護用クツシヨン部材とを一
体に形成することができ、コストも低下する。

(3) 車幅方向に張り出したブラケツトを設ける必
要がなく、構造の簡素化および外観の改善を実
現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシート背もたれ部の斜め後方か
らみた斜視図であり、第２〜４図は本考案の一実
施例としてのシート背もたれ部の下部構造を示す
もので、第２図はその斜め後方からみた斜視図、
第３図は第２図の−矢視断面図、第４図は第
２図の−矢視断面図である。 １…前部シートの背もたれ部、１ａ…裏面、１
ｂ…前面、１ｃ…下端部、２…硬質のバツクパネ
ル、２ａ…下部、２ｂ…下端中央部、２ｃ…切り
欠き部、２ｄ…下端両側部、３…クツシヨン部
材、３ａ…ウレタンパツド、３ｂ…表皮部材、３
ｃ…膝下部保護用クツシヨン部材、５…内部フレ
ーム、５ａ…下部クロスメンバー、６…取付けス
クリユー、７…取付け用ブラケツト、８…ポケツ
ト、９…シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シート背もたれ部の裏面に設けられたバツクパ
   ネルの下端中央部に切り欠き部をそなえるととも
   に、同切り欠き部の両側におけるバツクパネルに
   取付けられる上記シート背もたれ部の内部フレー
   ムの下部クロスメンバーをそなえ、上記シート背
   もたれ部のクツシヨン部材の下端部が、上記下部
   クロスメンバーの下側を包み上記切り欠き部まで
   延在していることを特徴とする、シート背もたれ
   部の下部構造。