JPS6322934Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のシートに係り、特に悪路に
おいて乗心地を改善した自動車のシートに関す
る。

（従来の技術） 自動車のシートは、車体などに取付けられるク
ツシヨンフレームを有する座部と、この座部の後
部に立設された背もたれ部とからなつているが、
この自動車のシートの中には、いわゆるリクライ
ニングシートと称されるものがあり、このリクラ
イニングシートは、座部と背もたれ部との間にデ
バイスが設けられ、背もたれ部を座部に対し所望
の角度の後傾させるようにしたものである。

（考案が解決しようとする課題） このような自動車のシートにおいては、背もた
れ部の座部に対する上下方向位置は固定であり、
車体の上下振動時に、座部のクツシヨンによる上
下動と背もたれ部との変動が一致しないため、運
転者あるいは助手席乗員は、Ｙシヤツのように衣
服のすそをズボンの中に挾んで着用しているとき
などＹシヤツがズボンから外れやすく、著じるし
い不快感を与えるものとなり、ひいては乗りごこ
ちを悪くするものであつた。

本考案は、上述した従来技術に伴う欠点、問題
点を解決するためになされたもので、乗心地を改
良した自動車のシートを提供することを目的とす
る。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） かかる目的を達成するために、本考案は、車体
などに取付けられるクツシヨンフレームにばね等
を設けることによりクツシヨン性を有するように
した座部と、この座部の後部に立設された背もた
れ部とからなる自動車用シートにおいて、座部の
外皮内に置かれかつ前記クツシヨンフレーム上に
ばねを介して取付けた上枠線材と、この上枠線材
の端部が連結されかつ座部の後部に水平に設けら
れた軸管とにより座部フレームを構成する一方、
下端が開放されたコ字状枠体と、このコ字状枠体
の下部に固着された軸とにより背もたれフレーム
を構成し、前記軸を座部フレーム側の軸管に回動
自在に支持する一方、コ字状枠体の下方側部を背
もたれ部の傾斜方向に摺動自在に軸受管により保
持し、前記背もたれ部を座部に対し傾動可能とす
るデバイスの一方のアームを軸受管に、他方のア
ームを前記クツシヨンフレームに固着したことを
特徴とするものである。

（作用） このようにすれば、車体の振動に伴なつてばね
等により上下動させられる乗員の身体とともに背
もたれ部も上下動することができることになり、
乗員と背もたれ部との上下動の一致により着衣の
もつれを防止することができ、合せて乗心地の優
れたものとなる。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明
する。

第１図は、本考案の一実施例に係る外観斜視
図、第２図は、内部構造例を示す斜視図、第３図
は、第２図における軸受管とデバイスのアームと
の取付構造例を示す平面図である。

この自動車のシートは、車体などにステー（図
示せず）を介して取付けられる位置固定のクツシ
ヨンフレームＤ等を有する座部１と、この座部１
の後部に立設された背もたれ部２とから構成され
ている。

前記座部１は、その外皮内に置かれ、かつ前記
クツシヨンフレームＤ上にクツシヨン用のコイル
ばね１２、クツシヨン用のＳ形ばね１３を介して
取付けられたコ字状の上枠線材３と、この上枠線
材３の端部が連結されかつ座部１の後部に水平に
設けられた軸管４とにより構成された座部フレー
ム１ａを有している。

また、前記背もたれ部２は、下端が開放され、
アンダーワイヤー６ａを有するコ字状枠体６とこ
のコ字状枠体６の下部に固着された軸５とにより
構成された背もたれフレーム２ａを有している。

この軸５は軸管４に対し回動自在に貫通され、
この軸管４を中心に回動可能となつているが、こ
の軸５は軸管４に貫通せず、前記コ字状枠体６か
らわずかに突出させ、軸管４の両端部のみに左右
の軸５がそれぞれ回動自在に嵌合するようにして
もよい。

前記コ字状枠体６の両下方側部には、短管状の
軸受管７，７が摺動自在に挿通され、この右方の
軸受管７は、リクライニングにする場合の前記背
もたれ部２の回動を制御するデバイス８の一方の
アーム９ａと固着され、左方の軸受管７はヒンジ
９ｂと固着されている。

ここに、前記デバイス８の他方のアーム１５
は、座部１を保持する位置固定のクツシヨンフレ
ームＤの側板Daに固着され、また前記ヒンジ９
ｂの下端は前記クツシヨンフレームＤより突出し
たブラケツトDbにピン１４により回動可能に取
付けられている。

したがつて、デバイス８を操作し座部１に対し
背もたれ部２を後方に傾動したリクライニング時
に、前記背もたれフレーム２ａは、短管状の軸受
管７に沿つて摺動することになり、その上下方向
の動きが自由に支持されることになる。

前記両軸受管７，７は、第３図に示すように１
枚の板材を屈曲して一端に管状部７ａを形成し、
他端を取付座７ｂとして、この取付座７ｂを前記
デバイス８のアーム９ａあるいはヒンジ９ｂにボ
ルト１０とナツト１１とで締着するように構成さ
れる。ただ、これは短いパイプ材を前記アーム９
ａあるいはヒンジ９ｂに直接溶接により固着する
ようにしてもよい。

本実施例は上記の構成であるから、座部１に座
り、背もたれ部２に寄りかかつて乗車した場合、
路面の凹凸により座部１のクツシヨンばね１２，
１３が上下方向に撓んで乗員の身体が上下動して
も、このクツシヨンばね１２，１３の上下動に合
せて背もたれ部２の骨格である背もたれフレーム
２ａも身体の動きに合せて軸受管７，７に沿つて
摺動して上下に動くことができるので、乗員に追
随して背もたれ部２が上下動することになり、乗
員がこのシートに密着して座つていても、Ｙシヤ
ツ等の衣服がズボンからずれ出すことがなく、振
動時の不快感がなく、乗心地を高めることができ
る。

また、デバイス８を回動操作し、座部１に対す
る背もたれ部２の角度を任意にセツトすれば、軸
管４に対し軸５が回動して傾くが、前記上下動時
における作用は同様に行なわれ、傾斜の如何に拘
らず衣服を乱すことがない。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案によれば、背もたれ
部のコ字状枠体を傾斜方向に摺動自在に軸受管に
より保持したため、背もたれ部を傾斜したリクラ
イニングにした状態であつてもまた直立した状態
であつても、車両の振動により着座した乗員が上
下動しても、この上下動に合せて背もたれ部のコ
字状枠体も軸受管に沿つて上下動することにな
り、乗員の身体と背もたれ部との間に擦れが起こ
らず、そのためＹシヤツ等の衣服を乱すような不
快な現象が解消され、悪路走行時に顕著な効果を
もたらすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係る外観斜視
図、第２図は、内部構造例を示す斜視図、第３図
は、第２図における軸受管とデバイスのアームと
の取付構造例を示す平面図である。 １……座部、１ａ……座部フレーム、２……背
もたれ部、２ａ……背もたれフレーム、３……上
枠線材、４……軸管、５……軸、６……コ字状枠
体、７，７……軸受管、８……デバイス、９ａ，
１５……アーム、１２，１３……ばね、Ｄ……ク
ツシヨンフレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体などに取付けられるクツシヨンフレームＤ
   にばね１２，１３等を設けることによりクツシヨ
   ン性を有するようにした座部１と、この座部１の
   後部に立設された背もたれ部２とからなる自動車
   用シートにおいて、座部１の外皮内に置かれかつ
   前記クツシヨンフレームＤ上にばね１２，１３を
   介して取付けた上枠線材３と、この上枠線材３の
   端部が連結されかつ座部１の後部に水平に設けら
   れた軸管４とにより座部フレーム１ａを構成する
   一方、下端が開放されたコ字状枠体６と、このコ
   字状枠体６の下部に固着された軸５とにより背も
   たれフレーム２ａを構成し、前記軸５を座部フレ
   ーム１ａ側の軸管４に回動自在に支持する一方、
   コ字状枠体６の下方側部を背もたれ部２の傾斜方
   向に摺動自在に軸受管７により保持し、前記背も
   たれ部２を座部１に対し傾動可能とするデバイス
   ８の一方のアーム９ａを軸受管７に、他方のアー
   ム１５を前記クツシヨンフレームＤに固着してな
   る自動車のシート。