JPH0119891Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は車両等の座席に係わり特にシートクツ
シヨン前部のサイサポート部の改良に関する。

背景技術とその問題点 車両例えば自動車の運転席における運転者の着
座姿勢は運転者の体格特に脚の長さにより異な
り、第１図に示すような脚の短い人Ａの場合は前
方に着座し、脚の長い人Ｂは後方に着座すること
になる。そのため座席は前後にその着座間隔ａの
間でスライド調節できるように構成する必要があ
るがこの間隔ａは大きく車室特に後部座席との関
係からそのスライド範囲を大きくとることができ
ず、そのため脚の長い人Ｂの場合は座席を後方限
度即ち間隔a′までスライドさせた状態で脚を立て
るような着座姿勢B′をとることとなり、この状
態で安定した運転姿勢をとるには座席のシートク
ツシヨン前部を高くし太腿部を支持する必要があ
る。しかし、この場合、脚の短い人Ａと脚の高さ
に差ｂがあり、シートクツシヨンの前部が高い状
態では脚の短い人Ａの場合は所定の運転姿勢をと
ることができなくなるため従来この種の座席にお
いて前後位置を調節可能となすと共にシートクツ
シヨンの前部にサイサポート機構を備えてその前
部の高さを調節できるようにしたものがある。

しかしこの座席において前後位置の調節とサイ
サポート機構の高さ調節は夫々別個に手動により
行つているので、この場合両調節即ち前後位置と
高さを関連付けながら夫々調節する必要がありそ
の操作が面倒であつた。

考案の目的 本考案は斯る点に鑑み、座席のスライド位置調
節とクツシヨン前部の高さ即ちサイサポート位置
の調節とを連動させて座席を後方へスライドさせ
た場合、サイサポート位置が高くなり、また前方
へスライドさせた場合サイサポート位置が低くな
るようにした車両等の座席を提供するものであ
る。

考案の概要 本考案は上記の目的を達成するために、スライ
ド調節機構により床面に対して前後位置を調節可
能とし、且つシートクツシヨンの前部に上下動さ
れるサイサポート機構を備えた車両等の座席にお
いて、サイサポート機構の可動部にシートクツシ
ヨンの下方へ延長される支持部材を設け、且つ床
面側に後方へ高く傾斜し上述の支持部材が摺動さ
れる案内部材を固定して構成しサイサポート機構
が座席のスライドに伴い支持部材の案内部材に対
する摺接により上下動され、シートクツシヨン前
部のサイサポート部の高さが自動的に調節される
ようにしたものである。

実施例 以下本考案の一実施例を第２図〜第５図を参照
して説明する。

図において１は車両用座席の全体を示し２はシ
ートクツシヨン、３はシートバツクでシートクツ
シヨン２と床面との間にスライド調節機構４が介
在されて座席１は床面に対して前後位置が調節で
きるようになされている。

このスライド調節機構４は周知のものと同様に
互いにスライド可能なロアレール４ａとアツパー
レール４ｂを備えロアレール４ａは床面側に固定
され、アツパーレール４ｂは座席１即ちクツシヨ
ンフレーム５に固定される。

またシートクツシヨン２の前部にはサイサポー
ト機構６が備えられており、このサイサポート機
構６はクツシヨンフレーム５の前部に支持プレー
ト７を横架した可動フレーム８を上下方向に回動
可能にブラケツト９ａ，９ｂを介して軸支し、こ
の軸支部にリターンスプリング１０を巻装して常
時下方へ偏倚させる状態となし、シートクツシヨ
ン２の前部の分割状態にあるクツシヨン部２ａを
支持プレート７により支持して構成されている。

そしてこのサイサポート機構６の可動フレーム
８の両側には支持アーム１１ａ，１１ｂがクツシ
ヨンフレーム５の下方へ延長突出するように一体
に設けられ、この支持アーム１１ａ，１１ｂに対
応して床面側即ちスライド調節機構４のロアレー
ル４ａの前半部内側に位置して後方へ高く傾斜す
る傾斜面１２ａ，１２ｂを有する案内部材１３
ａ，１３ｂが固定されており、この傾斜面１２
ａ，１２ｂに支持アーム１１ａ，１１ｂの下端部
が可動フレーム８のリターンスプリング１０によ
る下方への偏倚により常時当接されて可動フレー
ム８が支持され、シートクツシヨン２の前部クツ
シヨン部２ａの高さを保持するようになされてい
る。

以上の様に構成することにより座席１を第２図
の状態（前方位置）から後方へスライドさせると
第３図に示すようにサイサポート機構６の可動フ
レーム８は支持アーム１１ａ，１１ｂが案内部材
１３ａ，１３ｂの傾斜面１２ａ，１２ｂに高位方
向に摺動するためこの支持アーム１１ａ，１１ｂ
を介して上方へ回動され、このためシートクツシ
ヨン２の前部クツシヨン部２ａは押し上げられて
サイサポート部が高くなる。

また座席１を前方へスライドさせると支持アー
ム１１ａ，１１ｂは案内部材１３ａ，１３ｂの傾
斜面１２ａ，１２ｂを低位方向に摺動されること
になるので可動フレーム８はリターンスプリング
１０による下方への偏倚により下方へ回動される
ことになりそのためシートクツシヨン２の前部ク
ツシヨン部２ａは引き下げられてサイサポート部
は低くなる。

このようにして座席１のスライドに連動してサ
イサポート部の高さが変化される。従つて脚の長
い人が着座する場合は座席１を後方へスライドさ
せることによりサイサポート部は高くなるので大
腿部が持ち上げられた状態で支持され、また脚の
短い人が着座する場合は座席１を前方へスライド
することによりサイサポート部が低くなり両者共
に安定した運転姿勢をとることができる。

尚、以上の構成においてサイサポート部の高さ
の変位量は案内部材１３ａ，１３ｂの傾斜面１２
ａ，１２ｂの傾斜角度により定められるが、可動
フレーム８と支持アーム１１ａ，１１ｂとをその
対応角度を可変調節できるように構成してサイサ
ポート部の高さの変位量を可変するようにしても
よい。

考案の効果 以上のように本考案によれば座席の位置調節に
おけるスライドとシートクツシヨンの前部即ちサ
イサポート部の高さ調節が連動して行なわれるの
で従来のスライド調節とサイサポート調節とを別
個にしかも関連付けながら行なう場合に比し、操
作が著しく簡易化されると共に確実な調節が行な
えて運転者はその体格特に脚の長さに合つた運転
姿勢をとることができ、また座席のスライド量は
短くて済むため強度面、後部座席居住スペース確
保にも有利であり、これを別な観点から言えば同
じスライド量でも対応できる体格差の範囲が広が
ることになる等実用的効果が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の説明に供する図、第２図は本
考案による車両等の座席の一部切断した側面図、
第３図は同後方へスライドした状態の一部切断し
た側面図、第４図は横断正面図、第５図はクツシ
ヨンフレーム部の斜視図である。 図中１は座席、２はシートクツシヨン、２ａは
可動クツシヨン部、４はスライド調節機構、５は
クツシヨンフレーム、６はサイサポート機構、８
は可動フレーム、１１ａ，１１ｂは支持アーム、
１２ａ，１２ｂは傾斜面、１３ａ，１３ｂは案内
部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スライド調節機構により床面に対して前後位置
   を調節可能とし且つシートクツシヨンの前部に上
   下動されるサイサポート機構を備えた車両等の座
   席において、上記サイサポート機構の可動部に上
   記シートクツシヨンの下方へ延長される支持部材
   を設け且つ床面側に後方へ高く傾斜し上記支持部
   材が摺接される案内部材を固定してなり、上記サ
   イサポート機構が上記座席のスライドに伴い上記
   支持部材の上記案内部材に対する摺接により上下
   動され上記シートクツシヨン前部のサイサポート
   部の高さが調節されるようにしたことを特徴とす
   る車両等の座席。