JPH0130926Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両等の座席のパツド構造に関する。

近年、車両等の座席、特に自動車の運転席にお
いては、着座者の腰椎部の支持の強さを調節可能
とした、いわゆるランバーサポート装置を備えた
ものが広く実施されている。

従来のこの種のランバーサポート装置を備えた
座席の構成例を第１図及び第２図によつて説明す
る。図中１は座席のシートバツクを示し、このシ
ートバツク１はバツクフレーム２の前面をパツド
３及び表皮４にて被覆して構成されている。５は
バツクフレーム２に架張されるパツド受けとして
のＳバネである。

そして、このシートバツク１の着座者の腰椎部
に対応する腰椎当接部１ａの内部にランバーサポ
ート装置６が備えられている。即ち、バツクフレ
ーム２の両側辺部に固着されたブラケツト７にシ
ヤフト８が横架され、このシヤフト８に縦断面円
弧状のランバープレート９がその中央部９ａにお
いて回動自在に取り付けられており、また下側辺
部９ｂには調節機構１０の調節シヤフト１１が連
結されている。尚、この調節機構１０は本考案と
は直接の関係はないので説明は省略する。

そして、調節機構１０の操作ダイヤル１２を操
作することにより調節シヤフト１１が前後方向に
移動し、これに伴なつてランバープレート９がシ
ヤフト８を中心として回動され、パツド３の裏面
部３ａに当接する面が変化することによつて腰椎
部当接部１ａの支持位置の調節が行なわれる。即
ち、操作ダイヤル１２の一方向の回転操作によつ
て調節シヤフト１１を前方へ移動させるとランバ
ープレート９はその下側辺部９ｂが前方へ突出す
るように回動し、これによつて腰椎部当接部１ａ
の下部の支持が強となり（第２図一点鎖線図示）、
また操作ダイヤル１２の他方向の回転操作によつ
て調節シヤフト１１を後方へ移動させるとランバ
ープレート９はその上側辺部９ｃが前方へ突出す
るように回動し、これによつて腰椎当接部１ａの
上部の支持が強くなる（同図二点鎖線図示）如く
なされている。

しかし、このような構成によると、ランバープ
レート９がニユートラル位置にある状態（同図実
線の状態）においては、腰椎当接部１ａの上下部
とも支持が弱くなると共にパツド３の裏面部３ａ
とランバープレート９との間に空間ａが生じてし
まい、このため腰椎当接部１ａの支持が抜けたよ
うな状態となり、着座時には適度な支持感を得る
ことができないという不都合を有していた。

本考案は斯る点に鑑みてなされたもので、座席
のパツド構造に改良を施し、上述の問題点を改善
せんとするものである。

即ち、本考案はランバープレートを回動させて
腰椎部支持位置の調節を行なうようになしたラン
バーサポート装置が備えられた座席において、こ
の座席のパツド裏面部におけるランバープレート
の回動中央部に対応する箇所にランバープレート
に接する凸部を形成することにより、ランバープ
レートがどのような回動位置にあつても快適な支
持感が得られる座席を提供するものである。

以下、第３図及び第４図を参照して本考案の実
施例を説明するに、上述した従来例と同一の部分
には同一符号を付し、その説明は省略する。

第３図は本考案によるパツドを示すもので、こ
のパツド３の裏面部３ａにおけるランバープレー
ト９の中央部９ａに対応する箇所に凸部１３が形
成されている。この凸部１３は、頂部１３ａがア
ール状に隆起した形状に形成され、この頂部１３
ａにランバープレート９の中央部９ａが当接する
ようになされている。またこの凸部１３の下部傾
斜面１３ｂは、ランバープレート９の中央部９ａ
から下側辺部９ｂにかけての表面形状に倣う円弧
状面と成され、また上部傾斜面１３ｃは、ランバ
ープレート９の中央部９ａから上側辺部９ｃにか
けての表面形状に倣う円弧状面と成されている。

このように構成することにより、ランバープレ
ート９はどのような回動位置にあつても常にパツ
ド３の裏面部３ａにその一部が当接している状態
となる。即ち、ランバープレート９がニユートラ
ル状態にある場合は、その中央部９ａが凸部１３
の頂部１３ａに当接し（第４図参照）、またラン
バープレート９が、その下側辺部９ｂが前方へ突
出するように上方へ回動されると、この下側辺部
９ｂから中央部９ａにかけての面が凸部１３の下
部傾斜面１３ｂに当接し（同図一点鎖線図示）、
また上側辺部９ｃが前方へ突出するように下方へ
回動されると、この上側辺部９ｃから中央部９ａ
にかけての面が凸部の上部傾斜面１３ｃに当接す
る（同図二点鎖線図示）如くなされる。従つて、
腰椎当接部１ａはランバープレート９がどのよう
な回動位置にあつても常にパツド３の裏面部３ａ
に密着状に当接して均等に支持されることにな
る。

尚、パツド３に形成する凸部１３は、ランバー
プレート９の中央部９ａに当接した状態でランバ
ープレート９の上下の回動において得られる弾力
と略等しい弾力が得られるように形成することが
望ましい。

以上のように本考案によれば、パツドの裏面部
におけるランバープレートの回動中心部に対応す
る箇所に凸部を形成し、この凸部の下部傾斜面と
上部傾斜面を夫々ランバープレートの下側辺部と
上側辺部の表面形状に倣つた形状に形成したこと
により常にランバープレートに当接するようにな
したので、ランバープレートがどのような回動位
置にあつても着座者は適度な安定した支持感を得
ることができ、またパツドの裏面部に凸部を形成
するだけで、従来のランバーサポート装置の機構
は何ら変更する必要はないので経済性の面でも有
効である等、実用的効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のランバーサポート装置を備えた
座席のシートバツクの一例を示す一部切断した斜
視図、第２図はその腰椎支持部の縦断側面図、第
３図は本考案によるパツド構造の一例を示す縦断
側面図、第４図は本考案のパツド構造を備えた座
席の腰椎支持部の縦断側面図である。 図中、３はパツド、３ａは裏面部、６はランバ
ーサポート装置、９はランバープレート、１３は
凸部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ランバープレートを回動させて支持位置の移動
   調節を行なうようになしたランバーサポート装置
   が備えられた車両等の座席において、 該座席のパツド裏面に上記ランバープレートと
   常に当接する凸部が形成され、 該凸部は、上記ランバープレートの回動中央部
   と当接する頂部と、上記ランバープレートの下側
   辺部の表面形状に倣う下部傾斜面と、上記ランバ
   ープレートの上側辺部の表面形状に倣う上部傾斜
   面とから成り、 上記ランバープレートの上方への回動時にはそ
   の下側辺部が上記凸部の下部傾斜面に当接し、上
   記ランバープレートの下方への回動時にはその上
   側辺部が上記凸部の上部傾斜面に当接されるよう
   にしたことを特徴とする車両等の座席のパツド構
   造。