JPH0474302B2 - - Google Patents

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JPH0474302B2
JPH0474302B2 JP58176360A JP17636083A JPH0474302B2 JP H0474302 B2 JPH0474302 B2 JP H0474302B2 JP 58176360 A JP58176360 A JP 58176360A JP 17636083 A JP17636083 A JP 17636083A JP H0474302 B2 JPH0474302 B2 JP H0474302B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は新規な窒化アルミニウム焼結体に関す
る。 窒化アルミニウムの焼結体は高い熱伝導性、耐
食性、高強度などの特性を有しているため各種高
温材料や電子部品、例えば基板材料として注目さ
れている物質である。しかし窒化アルミニウム焼
結体は従来その原料粉末となる窒化アルミニウム
粉末を高純度、微粉末の状態で調製することが困
難であり特に低酸素量含有の微粉末のものが得ら
れなかつたため、焼結体の物性は窒化アルミニウ
ム本来の性質を十分反映したものではなかつた。
しかし窒化アルミニウム焼結体の製造方法は種々
の方法が知られている。例えば代表的な方法は原
料となる窒化アルミニウム粉末に焼結促進剤とし
て酸化物を数%添加して焼結する方法と、窒化ア
ルミニウム粉末をそのままホツトプレス機などに
より加圧焼結して高密度化する方法がある。前者
の方法では添加した酸化物が焼結後焼結体の粒界
に偏析したり、あるいは該酸化物がAlNと反応
して化合物をつくつて偏析し、高温での特性を損
う欠点があつた。そこで後者の窒化アルミニウム
粉末をそのまま焼結して高密度化する方法が好適
であるとされている。そして、この後者の加圧焼
結法によつて窒化アルミニウム粉末を焼結した場
合の焼結体の最終密度は原料窒化アルミニウム粉
末中の酸素含有量に大きく依存することが知られ
ている。即ち、通常2重量%以上の酸素含有量の
粉末でないと理論密度近くまではち密化しないと
されている。例えば科学技術庁無機材質研究所研
究報告書第4号第37頁(1973)「窒化アルミニウ
ムに関する研究」に報告されている。即ち、アル
ミナの還元法、金属アルミニウムの窒化法、アー
ク放電法など種々の製法で合成された窒化アルミ
ニウム粉末を400Kg/cm2の圧力、1800〜2000℃の
温度でホツトプレス焼結した結果、焼結後の焼結
体中の酸素量が約2重量%以上存在しないと論理
密度近くにまで焼結しないという結果が報告され
ている。一般に焼結後の焼結体中の酸素量は原料
窒化アルミニウム粉末中の酸素量の1/2〜1/3にな
ると考えると、ち密化のためには比較的多量の酸
素含有粉末を必要とすることが理解できる。 本発明者等は高純度窒化アルミニウム粉末とそ
の焼結体について鋭意研究した結果、従来不可能
とされていた超微粉末で酸素含有量の少い高純粉
末を製造することに成功した。そしてこの粉末を
原料とする焼結体は従来知られていない全く新し
い焼結体となることを確認し、既に提案した。 本発明者らは、さらに窒化アルミニウム焼結体
の研究を重ねた結果、特定の金属の化合物を一成
分として含む窒化アルミニウム組成物は、焼結性
にすぐれ、得られる焼結体に透光性を付与出来る
ことを確認し、本発明を完成するに至つた。 即ち、本発明は、 () 窒化アルミニウムが90重量%以上、 () アルカリ土類金属、イツトリウム及びラン
タン族金属よりなる群から選ばれた少くとも1
種の金属の化合物が酸化物に換算して0.02〜
5.0重量%、 () 酸素原子が3.5重量%以下、 及び () 不可避的に混入する陽イオン不純物が金属
として0.5重量%以下 含まれ、且つ密度が3.0g/cm3以上である窒化ア
ルミニウム焼結体である。 本発明はまた、平均粒子径2μm以下で、且つ
窒化アルミニウムの純度90重量%以上で、酸素原
子を4.5重量%以下含有し、更に不可避的に混入
する陽イオン不純物が酸化物に換算して0.5重量
%以下含有する窒化アルミニウム粉末とアルカリ
土類金属、ランタン族金属及びイツトリウムより
なる群から選ばれた少なくとも1種の金属又は該
金属化合物の0.02〜5.0重量%とを混合し、非酸
化性雰囲気下に焼結することにより窒化アルミニ
ウムが90重量%以上、アルカリ土類金属、イツト
リウム及びランタン族金属よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の金属の化合物が0.02〜5.0重
量%、酸素原子が3.5重量%以下及び不可避的に
混入する金属化合物が金属として0.5重量%以下
含まれ、且つ密度が30g/cm3以上である窒化アル
ミニウム焼結体を製造する方法である。 以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明の窒化アルミニウム焼結体中の酸素含有
量及び不可避的な混入する陽イオン不純物の量
は、窒化アルミニウム焼結体の透光性に大きな影
響を与える。即ち、窒化アルミニウム焼結体中の
酸素含有量が多ければ焼結性が良好となるが、焼
結体の透光性は該酸素が多くなるともはや付与す
ることは出来ない。従つて本発明の焼結体中の酸
素含有量は3.5重量%以下である必要がある。 特に透光性の良い窒化アルミニウム焼結体を得
る場合には、該焼結体中の酸素含有量を3.0重量
%以下とすることが好ましい。 また、不可避的に混入する陽イオン不純物は
種々のものが考えられる。例えば窒化アルミニウ
ム焼結体の原料である窒化アルミニウム粉末中に
残存する未反応のアルミナ及びカーボンもその1
つであるし、上記の窒化アルミニウム粉末の製造
工程中の溶媒ニ、混合器、配管等で混入する不純
物成分等である。従つて、本発明で云う上記不可
避的に混入する陽イオン不純物は、得られる窒化
アルミニウム焼結体中のAlN及び積極的に添加
する添加剤に起因する化合物以外の化合物の陽イ
オンと考えることも出来る。前記窒化アルミニウ
ム焼結体中の酸素含有量を基準に本発明で得られ
る窒化アルミニウム焼結体中のAlN含有量を示
せば一般に90重量%以上で、特に高い透光性を要
求する場合は94重量%以上とすれば好ましい。 また、前記不可避的に混入する陽イオン不純物
の代表的なものを例示すると、鉄、クロム、ニツ
ケル、コバルト、銅、チタン、珪素等の窒化アル
ミニウム粉末の製造原料及び窒化アルミニウム粉
末の製造装置に基因して混入するものと窒化アル
ミニウム粉末合成後に残留する未反応のアルミ
ナ、カーボンとして含まれるものがある。これら
の不可避的に混入して来る陽イオン不純物のう
ち、未反応のアルミナ、カーボン或いは窒化アル
ミニウム粉末の表面が酸化されて酸化アルミニウ
ムに変化したもの等は極端に本発明の窒化アルミ
ニウム焼結体の性状を悪化させるものではなく、
例えばアルミナ、カーボン、シリカ等の陽イオン
不純物が0.3〜0.5重量%程度の混入でも、常圧焼
結性にはそれ程悪い影響を与えない場合もある。
ただ、焼結体に透光性を付与するためには上記ア
ルミナ、カーボン、シリカ等の陽イオン不純物の
含有量を0.5重量%以下好ましくは0.3重量%以下
に制御する必要がある。また特に鉄、クロム、ニ
ツケル、コバルト、銅及びチタンの各成分は窒化
アルミニウム焼結体の透光性に悪影響を与えるの
でこれらの成分の混入を出来るだけ減少させるの
がよい。従つて、本発明に於ける前記不可避的に
混入する陽イオン不純物の量は0.5重量%以下好
ましくは0.3重量%以下に制御するのがよい。ま
た窒化アルミニウム焼結体に十分な透光性を与え
るためには上記不可避的に混入する陽イオン不純
物のうち、鉄、クロム、ニツケル、コバルト、
銅、及びチタンの含有量合計が0.1重量%を越え
ないように制御するのが好ましい。 本発明で使用する前記添加剤はアルカリ土類金
属、イツトリウム及びランタン族金属よりなる群
から選ばれた少くとも1種の金属の化合物よりな
る添加剤である。該アルカリ土類金属は特に限定
されずベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム及びバリウムが使用出来る。上記
金属成分のうちベリリウム及びマグネシウムは上
記他のアルカリ土類金属成分に比べると透光性を
付与するための添加剤としての性能が劣る場合が
ある。従つて工業的には、カルシウム、ストロン
チウム及びバリウムを使用するのが好適である。
また上記ランタン族金属は特に限定されず使用出
来る。例えばランタン(La)、セリウム(Ce)、
プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメシ
ウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロビウム
(En)、ガドリウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジ
スプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビ
ウム(Er)、ツリウム(Tm)、イツテルビウム
(Yb)、ルテチウム(Lu)が好適に使用出来る。
特に工業的にはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Dy等が好適に使用される。 前記添加剤の使用量は窒化アルミニウム焼結体
中の酸素含有量、陽イオン不純物の含有量、原料
となる窒化アルミニウム粉末の粒子径等によつて
異なり、一概に限定出来ないが、一般には酸化物
に換算して0.02〜5.0重量%好ましくは0.05〜3.0
重量%の範囲から選べば十分である。 また、本発明の窒化アルミニウム焼結体は、焼
結密度が3.0g/cm3以上の焼結体である。特に焼
結密度が3.2g/cm3以上の焼結体は、焼結体の透
光性がより優れたものとなるために好ましい。 本発明の窒化アルミニウム焼結体に従来公知の
焼結体と比較して純度および密度の点で大幅に改
良されているために熱伝導性や耐熱性等熱的性
質、機械的性質において優れた性能を有する。さ
らにまた、本発明の窒化アルミニウム焼結体は、
可視光〜赤外光に対して従来公知の窒化アルミニ
ウム焼結体に比べると著しく高い透光性を有す
る。即ち、従来の窒化アルミニウム焼結体は黒色
の全く不透明のものしか知られていなかつたが、
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、白色乃至黄
白色の半透明のもの乃至透明のものである。 上記に述べた本発明の窒化アルミニウム焼結体
の中でも次に述べる焼結体は、特に透光性に優れ
ており、例えば、第1図に示すように0.5mmの厚
さの焼結体を通して下の文字が明瞭に見えるほど
の透光性能を有している。即ち、 () 窒化アルミニウムが94重量%以上、 () 透光性助剤としてアルカリ土類金属、イツ
トリウム及びランタン族金属よりなる群から選
ばれた少くとも1種の金属の化合物が酸化物に
換算して0.02〜3.0重量% () 酸素原子が3.0重量%以下、 () 鉄、クロム、ニツケル、コバルト、銅及び
チタンよりなる群から選ばれた金属化合物の含
有量が金属として0.1重量%以下 及び () 上記()以外の不可避的に混入する金属
化合物が金属として0.3重量%以下 含まれ、且つ密度が3.20g/cm3以上である窒化ア
ルミニウム焼結体である。 上記の窒化アルミニウム焼結体は、下記の
Lambert−Beerの式において6μmの波長の光に
対する吸収係数は60cm-1以下であり、優れた透光
性を有している。 また、上記の本発明の窒化アルミニウム焼結体
(厚さ0.5mm)についての光の透光率曲線は第2図
に示すとおりである。第2図で横軸は光の波長
(μm)、縦軸は光の直線透光率(%)を示す。 このような高い透光性をもつ窒化アルミニウム
焼結体が得られる理由は現在尚明確ではないが、
本発明者等は次のように推測している。即ち陽
イオン不純物が公知の焼結体に比べて非常に少な
くコントロールされているためこれら陽イオンに
よる光の吸収が少ない。酸素含有量が少ないた
め粒界への酸化物相の析出が少なく、粒界におけ
る光の散乱が抑制されている。高純度であるに
もかかわらず理論密度或いはその近辺の密度にま
で焼結しているので焼結体中の気孔による光の散
乱が少ない等の原因が推測される。 窒化物焼結体で透光性を有するものを合成しよ
うとする試みは近年多くの研究者によつてなされ
ている。これは窒化物焼結体のもつ優れた熱伝導
性高い耐熱性や絶縁性などを透光性という光学的
性質と組み合わせることにより新しい機能材料を
開発しようとする動きによるものである。そして
現在までにAl2O3−AlN系化合物(J.Am.Ceram.
Soc.62、476(1979))、(J.Materlals Sci.Lettere
1、25(1982))の透光性焼結体の例が報告されて
いる。しかし窒化アルミニウムについてはこれま
で透光性焼結体は得られておらず従来の焼結体は
灰〜黒色の不透明なものであつた。そのため透光
性の優れた窒化アルミニウム焼結体の出現が要望
されていた。本発明の窒化アルミニウム焼結体は
前記した如く可視光〜赤外光領域に広い透光範囲
をもつ画期的な材料である。従つて本発明の窒化
アルミニウム焼結体は高温の窓材料、光フイルタ
ー、周波数変換素子などの新しい窒化物材料とし
ても期待され、その工業的価値は極めて大きい。 本発明の窒化アルミニウム焼結体はその製法の
如何にかかわらず前記要件を満たすものであれば
特に限定されない。一般に好適に採用される代表
的な製造方法を例示すれば次の通りである。原料
とする窒化アルミニウム粉末は、平均粒子径2μ
m以下であり、純度90重量%以上で酸素含有量は
4.5重量%以下、不可避的に混入する陽イオン不
純物が酸化物に換算して0.5重量%以下である。 また本発明にあつては、このような窒化アルミ
ニウムに、助剤としてアルカリ土類金属、ランタ
ン族金属及びイツトリウムよりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の金属又は該金属化合物を添加
した窒化アルミニウム組成物を焼結する。 窒化アルミニウム組成物は、 () 窒化アルミニウムを90重量%以上含有し、 () アルカリ土類金属、ランタン族金属及びイ
ツトリウムよりなる群から選ばれた少くとも1
種の金属又は該金属化合物を酸化物に換算して
0.02〜5.0重量%を含有し、 () 酸素原子が4.5重量%以下含有し、且つ () 不可避的に混入する陽イオン不純物が酸化
物に換算して0.5重量%以下含有する 平均粒子径2μm以下の窒化アルミニウム組成
物が好適に使用される。 また、前記した特に透光性の優れた窒化アルミ
ニウム焼結体とするためには、原料とする窒化ア
ルミニウム組成物として下記のような窒化アルミ
ニウム組成物が好適に採用される。 即ち、原料窒化アルミニウムとして、平均粒子
径2μm如何で且つ(=)純度93重量%以上で、
()酸素原子を3.0重量%以下含有し、()鉄、
クロム、ニツケル、コバルト、銅及びチタンの各
化合物を金属分として0.1重量%以下含有し、更
に上記()以下の不可避的に混入する金属化合
物が金属分として0.3重量%以下含有する窒化ア
ルミニウム粉末を用い、次の組成物が好適に使用
される。 () 窒化アルミニウムを93重量%以上含有し、 () 透光性助剤としてアルカリ土類金属、ラン
タン族金属及びイツトリウムよりなる群から選
ばれた少くとも1種の金属又は該金属の化合物
を酸化物に換算して0.02〜5.0重量%を含有し、 () 酸素原子が3.0重量%以下含有し、 () 鉄、クロム、ニツケル、コバルト、銅及び
チタンよりなる群から選ばれた金属化合物の含
有量が金属として0.1重量%以下 及び () 上記()以外の不可避的に混入する金属
化合物が金属として0.3重量%以下含有する平
均粒子径が2μm以下の窒化アルミニウム粉末
が好適に使用される。 このような窒化アルミニウム粉末は、その製法
が特に限定されるものではないが、一般には特定
の純度と粒子径を有するアルミナおよびカーボン
を原料として特定の条件下で好適に合成される。
特に好適に採用される窒化アルミニウム組成物の
製造方法として次の2つの方法を例示することが
できる。 まず、第1番目の製造方法は、 (イ) 純度99.0重量%以上で、平均粒子径が2μm
以下のアルミナ、(ロ)灰分0.2重量%以下で、平
均粒子径が1μm以下のカーボン及び(ハ)アルカ
リ土類金属、イツトリウム及びランタン族金属
よりなる群から選ばれた少くとも1種の金属又
は金属化合物とよりなる各成分が(イ)のアルミナ
と(ロ)のカーボンとを重量比で1:0.36〜1:1
の範囲で且つ該(ハ)の金属又は金属化合物は得ら
れる窒化アルミニウム組成物中に酸化物に換算
して0.02〜5.0重量%の範囲で含まれるように、
液体分散媒体中で混合し、該混合物組成物を必
要により乾燥した後、窒素又はアンモニア雰囲
気下に1400〜1700℃の温度で焼成することを特
徴とする窒化アルミニウム組成物の製造方法で
ある。 次に、第2番目の製造方法は、 (イ) 純度99.0重量%以上で、平均粒子径が2μm以
下のアルミナと(ロ)灰分0.2重量%以下で、平均
粒子径が1μm以下のカーボンとを重量比で
1:0.36〜1:1の範囲で、液体分散媒体中で
混合し、該混合組成物を必要により乾燥した
後、窒素又はアンモニア雰囲気下に1400〜1700
℃の温度で焼成して窒化アルミニウムを得て、
該窒化アルミニウムに(ハ)アルカリ土類金属、イ
ツトリウム及びランタン族金属よりなる群から
選ばれた少くとも1種の金属又は金属化合物を
酸化物に換算して窒化アルミニウム組成物中に
0.02〜5.0重量%の範囲で含まれるように添加
することを特徴とする窒化アルミニウム組成の
製造方法である。 上記方法は原料を焼成して得られる窒化アルミ
ニウム又は窒化アルミニウム組成を粉砕する工程
を必要としない。そのために粉砕工程で混入する
不純物成分を除去出来るし、窒化アルミニウム又
は窒化アルミニウム組成物の表面が粉砕中に酸化
され、酸素含有量が増加することを防ぐことが出
来る。このように窒化アルミニウム又は窒化アル
ミニウム組成物の粉砕工程を省くメリツトは大き
い。上記粉砕工程を省きしかも良好な性状の窒化
アルミニウム組成物を得るには前記製造工程に於
ける原料間の混合を特定の材質の装置を用い、溶
媒中で行う所謂湿式混合することが重要である。
該湿式混合は原料相互の混合を均一に実施出来る
だけでなく、意外にも原料粒子が凝集して粗大化
する傾向を防ぐことが出来、結果的に細粒子で且
つ粒子がそろつた窒化アルミニウム組成物とな
る。しかも前記したように粉砕工程などで混入す
る不純物成分を完全に防ぐことが出来、また窒化
アルミニウム表面の酸化防止が出来るので、従来
法に比べれば焼結性にすぐれ、その焼結体も透光
性となるすぐれた性状の窒化アルミニウム組成物
となる。前記湿式混合で使用する溶媒は特に限定
されず、湿式混合溶媒として公知のものが使用出
来る。一般に工業的には水、アルコール、等が好
適に採用される。 また、上記湿式混合の条件及び装置は特に限定
されず、窒化アルミニウム組成物に不可避的に混
入する不純物成分を抑制出来るものであれば使用
出来る。一般に該湿式混合条件は常温、常圧下で
実施すればよく、温度及び圧力に影響をうけるこ
とはない。また混合装置は材質が不可避的に混入
する不純物成分とならないものを選ぶ限り、公知
の装置、手段が採用しうる。例えば、球状物又は
棒状物を内蔵したミルを使用するのが一般的であ
る。但し、上記混合装置、例えばミル内壁、球状
物又は棒状物等の材質は得られる窒化アルミニウ
ム組成物中に不可避的に混入する不純物成分を増
加させないために、窒化アルミニウム自身を使用
するか99.9重量%以上の高純度アルミナを使用す
るのが好ましい。またプラスチツクス製の材質を
用いることも出来る。即ち、原料と接する面を全
てプラスチツクス製とするかプラスチツクスでコ
ーテイングして使用する方法である。該プラスチ
ツクスとしては特に限定されず例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、
ポリウレタン等が使用出来るが、一般にプラスチ
ツクス中には安定剤として種々の金属成分を含む
場合があるので、予めチエツクして不可避的に混
入する不純物成分とならないようにするのがよ
い。 また上記の窒化アルミニウム組成物はその製造
工程で粉砕工程を省き且つ焼結性のよい平均粒子
径が2μm以下の細粒とするために、或いは高純
度の窒化アルミニウム或いは窒化アルミニウム組
成物とするために、使用するアルミナとカーボン
は特定の性状のものを使用するのが好ましい。即
ち、原料のアルミナは不可避的に混入する不純物
成分を抑制するため、純度が99.0重量%以上好ま
しくは99.9重量%以上のものを用いるとよい。ま
た得られる窒化アルミニウム粉末の粒子径を制御
するため該アルミナの平均粒子径は2μm以下の
ものを用いるとよい。窒化アルミニウム粉末の他
の原料成分であるカーボンは窒化アルミニウム粉
末中の不可避的に混入する不純物成分を抑制する
ため灰分の含有量は0.2重量%以下好ましくは0.1
重量%以下の純度のカーボンを用いると好まし
い。また該カーボンの平均粒子径は得られる窒化
アルミニウム粉末の粒子径に影響を与えるので、
平均粒子径が1μm以下のカーボンを用いると好
ましい。該カーボンはカーボンブラツク、黒鉛化
カーボンブラツク等が使用されうるが一般にはカ
ーボンブラツクが好ましい。 前記アルミナとカーボンの原料使用割合は、ア
ルミナ、カーボンの純度、粒子径等の性状によつ
て異なるので、予め予備テストを行い決定すると
よいが、通常はアルミナとカーボンとを重量比で
1:0.36〜1:1の範囲で湿式混合すればよい。
該湿式混合された原料は必要により乾燥を経て、
窒素雰囲気下に1400〜1700℃の温度で焼成する。
焼成にはより得られた窒化物微粒子は次いで酸素
を含む雰囲気下で600〜900℃の温度で加熱処理さ
れ、該窒化物微粒子に含まれる未反応のカーボン
を酸化して除去し、未反応カーボンを減少させて
窒化アルミニウム粉末とすればよい。 前記添加剤を窒化アルミニウム粉末に混合する
方法は特に限定されず、窒化アルミニウムを製造
する原料と共に混合し焼成することにより該添加
剤を含む窒化アルミニウム組成物を得るか、アル
ミナとカーボンとを前記方法で焼成し窒化アルミ
ニウム粉末を得て、その後添加剤を加えるかのい
ずれの方法を採用するとよい。前者即ち、アルミ
ナ及びカーボンと共に原料中に前記添加剤を混合
する方法は該原料を焼成する温度が高温であるた
め、添加剤が昇華したり飛散し、その効果が発揮
出来ないと考えられがちであるが、意外にも効果
的な混合方法となりうる。該アルミナ及びカーボ
ンと添加剤とを原料時に混合して窒化アルミニウ
ム組成物を得る場合に、該添加剤がどのように結
合し或いは混合されているのか現在なお明白では
ないが、本発明者等は何らかの形で窒化アルミニ
ウム組成物中に結合されて存在するものと推定し
ている。 前記添加剤はその効果を十分に発揮させる意味
から一般に窒化アルミニウム粉末と添加剤とから
なる窒化アルミニウム組成物中に酸化物に換算し
て0.02〜5重量%の範囲で好ましくは0.05〜3.0重
量%の範囲で含まれるように混合すればよい。即
ち本発明で用いるアルミナのアルミニウム成分は
そのほとんどが窒化アルミニウムとなるし、添加
剤の混合割合は窒化アルミニウム粉末中に含まれ
る添加剤の割合とほとんど変わらないため、これ
らのアルミナ及び添加剤は添加混合量から得られ
る窒化アルミニウム組成を算出すればよい。 前記方法で得られた窒化アルミニウム組成物は
焼結性がすぐれているので、ホツトプレス焼結は
勿論、常圧焼結も可能である。ホツトプレス焼
結、常圧焼結に使用する装置は公知のものが特に
限定されず用いうる。また焼結条件は窒化アルミ
ニウム組成物の性状、焼結形式等によつて異なる
が一般には非酸化性雰囲気下例えば窒素雰囲気
下、真空下に下記のような条件を選べば十分であ
る。例えば常圧焼結に際しては、添加剤を混合し
ていない場合、論理密度の90%以上の焼結体を得
るためには、大気下で1850℃以上の温度を選ぶと
よい。 しかし、添加剤を混合した窒化アルミニウム組
成物を常圧焼結する場合は、該添加剤が焼結時の
助剤の効果も発揮しうるので上記より低温で焼結
が可能である。例れば約3重量%の添加剤を混合
したものは1700℃以上で理論密度の90%以上の焼
結体を得ることが出来る。 またホツトプレス焼結に際しては加圧モールド
の強度が限界圧力となり通常は350Kg/cm2以下の
圧力が選ばれる。工業的には一般に50〜300Kg/
cm2の圧力が最も好適に採用される。またホツトプ
レス温度については1600℃以上の温度で理論密度
の90%以上の焼結体を得ることが出来る。 以上述べた製造方法によつて得られる窒化アル
ミニウム焼結体は、 () 窒化アルミニウムが90重量%以上、 () アルカリ土類金属、イツトリウム及びラン
タン族金属よりなる群から選ばれた少くとも1
種の金属の化合物が酸化物に換算して0.02〜
5.0重量%、 () 酸素原子が3.5重量%以下、 及び () 不可避的に混入する陽イオン不純物が金属
として0.5重量%以下、 含まれ、且つ密度が3.0g/cm3以上である窒化ア
ルミニウム焼結体である。 窒化アルミニウム焼結体中の酸素含有量につい
ては一般に原料窒化アルミニウム粉末を加圧焼結
して高密度化した場合には原料粉末中の酸素量が
焼結後1/2〜1/3程度になることが知られている。
本発明の窒化アルミニウム焼結体についても種々
の条件で焼結したものの酸素含有量を調べた結
果、原料窒化アルミニウム粉末中の酸素量の1/2
〜1/3が焼結体中に残存し、その量は一般に0.3〜
0.7重量%である。 本発明の窒化アルミニウム焼結体の最大の特徴
は、公知の窒化アルミニウム焼結体に比較して陰
イオン(酸素)および陽イオン不純物が非常に少
く、しかも高密度な焼結体であることある。該焼
結体は優れた熱的性質、化学的性質、機械的性質
を有し、また時に光学的特性(透光性)を備えた
画期的な材料である。 以下実施例により本発明を具体的に例示するが
本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 なお以下の実施例および比較例で用いた各種の
分析法又は分析装置は以下のものである。 陽イオン分析:プラズマ発光分光装置(第二精工
社製ICP−AES) 炭素分析:金属中炭素分析装置(堀場製作所製
EMIA−3200) 酸素分析:金属中酸素分析装置(堀場製作所製
EMGA−1300) 窒素分析:融解分離中和滴定法 x線回折装置:(日本電子 JRX−12VB) 走査型電子顕微鏡:(日本電子 J・M−T200) 比表面積測定装置:BET法(柴田化学機器SA−
1000迅速表面積測定装置) 平均粒子および粒度分布測定器:(堀場製作所
CAPA−500) 熱伝導率測定装置:理学電機 レーザー法熱定数
測定装置PS−7 光透過率測定装置:日立製作所製 自記分光光度計330型 赤外分光光度計260−30型 また、焼結体の光透過率は次の式で算出した。 I/I0=(1−R)2 e−μt (1) ここでI0は入射光の強さ、Iは透光光の強さ、R
は反射率、tは焼結体の厚み、μは吸収係数であ
る。Rは焼結体の屈折率によつて決まるもので屈
折率をnとすれば空気中の測定ではRは次式で表
わされる。 R=(1−n)2/(1+n)2 (2) (1)式中のμが焼結体の透光性を表す指標となる
もので、後述の実施例において示したμの値は(1)
式に従つて計算した。 実施例 1 純度99.99%(不純物分析値を表1に示す)で
平均粒子径が0.52μmで3μm以下の粒子の割合が
95vol%のアルミナ20gと、灰分0.08wt%で平均
粒子径が0.45μmのカーボンブラツク10gとを、
ナイロン製ポツトでナイロンコーテイングしたボ
ールを用いエタノールを分散媒体として均一にボ
ールミル混合した。得られた混合物を乾燥後、高
純度黒鉛製平皿に入れ電気炉内に窒素ガスを3
/minで連続的に供給しながら1600℃の温度で
6時間加熱した。得られた反応混合物を空気中で
750℃の温度で4時間加熱し、未反応のカーボン
を酸化除去した。 得られた白色の粉末はX線回析分析
(Xraydiffraction analysis)の結果単相
(singlephase)のAlNでありAl2O3の回折ピーク
は無かつた。また該粉末の平均粒子径は1.31μm
であり、3μm以下が90容量%を占めた。走査型
電子顕微鏡による観察ではこの粉末は平均0.7μm
程度の均一な粒子であつた。また比表面積の測定
値は4.0m2/gであつた。この粉末の分析値を表
2に示す。 【表】 【表】 【表】 上記で得た窒化アルニミウム粉末(10g)に
CaOとして0.2wt%となるようCa(NO32・4H2O
をエタノールを液体媒体として加えポリエチレン
製の乳鉢中でポリエチレン製の乳棒を用い混合し
た。この混合物を乾燥後、直径20mmのBN(窒化
ホウ素)でコーテイングした黒鉛ダイスに入れ高
周波誘導加熱炉を用い1気圧の窒素ガス中100
Kg/cm2の圧力下で2000℃の温度で2時間ホツトプ
レスして直径20mmの焼結体を得た。この焼結体の
密度は3.28g/cm3であり、X線回析分析によれば
単相のAlNであつた。この焼結体のAlN含有量
は97.8wt%、酸素含量は0.7wt%で熱伝導率は
79W/m・Kであつた。またこの焼結体を厚さ
0.5mmに加工研摩したものの光透過率は6μmの波
長の光に対して33%(吸収係数19cm-1)であつ
た。第1図にこの焼結体の透光性を示す写真を、
第2図にこの焼結体の光透過率の波長依存性を示
す。また、3点曲げ強度を測定した結果1200℃で
平均45.1Kg/cm2であつた。 実施例 2 実施例1と同様な方法で得た窒化アルミニウム
粉末(10g)に表3に示す種々の添加物を実施例
1と同様の方法で添加したものをホツトプレスし
て焼結体を得た。この結果を表3に示す。 【表】 実施例 3 実施例1と同様な方法で得た窒化アルミニウム
粉末(10g)にCaOとして3.0wt%となるようCa
(NO32・4H2Oをエタノールを溶媒として加え均
一に混合した。この混合物を乾燥後、直径20mmの
金型で一軸プレス(uniaxial pressing)し、次
いでこの成形体を1000Kg/cm2の圧力で静水圧プレ
ス(isostatic pressing)して密度1.56g/cm3の成
形体とした。 この成形体を窒化ホウ素製るつぼ(boron
nitride crucible)に入れ、高周波誘導加熱炉に
より黒鉛発熱体を用い、1気圧のN2ガス中1900
℃で3時間加熱した。焼結前の成形体の密度は
1.73g/cm3であつた。焼結体は黄味を帯びた半透
明体で密度は3.23g/cm3であつた。この焼結体の
AlN含有量は96.0wt%、酸素含有量は1.5wt%で
あつた。またこの焼結体の熱伝導率は64W/m・
Kであり、0.5mmの厚みに加工研摩したものに対
する6μmの光の透過率は28%(μ=23cm-1)であ
つた。 実施例 4 実施例1と同様の方法で得られた窒化アルミニ
ウム粉末(10g)に表4に示す、種々の添加物を
実施例3と同様の方法で添加した。該混合粉末を
実施例3で用いたのと同じ装置および焼結条件で
常圧焼結した。その結果を表4に示す。 【表】 実施例 5 実施例1で用いたものと同じアルミナ20gとカ
ーボン8gをナイロン製ポツトとボールを用いた
水を分散媒体として均一に混合した。得られた混
合物を乾燥後高純度黒鉛製平皿に入れ炉内に窒素
ガス3/minで連続的に供給しながら1550℃の
温度で6時間加熱した。得られた反応混合物を空
気中で800℃の温度で4時間加熱し未反応のカー
ボンを除去した。得られた粉末のAlN含有量は
95.8wt%で酸素含量は21wt%であつた。また該
AlN粉末の陽イオン不純物量は実施例1の表2
に示したものとほぼ同レベルであつた。またこの
粉末の平均粒子径は1.22μで、3μm以下が92容量
%を占めた。 上記で得られたAlN粉末(1g)を実施例1
で用いた装置および条件でホツトプレスした。得
られた焼結体はやや黄味を帯びた密度3.25g/cm3
の半透明体であり、AlN含量が96.8wt%、酸素含
量が1.3wt%であつた。この焼結体の熱伝導率は
52W/m・Kであり、また該焼結体を厚さ0.5mm
に加工研摩したものの光透過率は6μmの波長に
対して11%(μ=41cm-1)であつた。さらに該焼
結体の曲げ強度を実施例2と同条件で測定した結
果1200℃で平均35.5Kg/cm2であつた。 実施例 6 実施例5と同様な方法で得られたAlN粉末
(10g)にY2O3として0.5wt%となるようY
(NO33・6H2Oをエタノールを液体媒体として加
え均一に混合した。この混合物(1g)を乾燥後
実施例1で用いた装置を用い、真空中、200Kg/
cm2の圧力、1900℃の条件下で2時間ホツトプレス
した。得られた焼結体は密度3.27g/cm3の半透明
体でAlN含有量が96.5wt%、酸素含量が1.5wt%
であつた。該焼結体の熱伝導率は56W/m・Kま
た焼結体を0.5mmの厚みに加工研摩したものの6μ
mの光に対する透過率は20%(μ=29cm-1)であ
つた。 実施例 7 実施例5と同様な方法で得られたAlN粉末
(10g)にCaOとして4.0%となるようCa
(NO32・4H2Oをエタノールを液体媒体として加
え均一に混合した。この混合粉末(1g)を乾燥
後実施例3で用いたと同じ装置および焼結条件で
常圧焼結した。得られた焼結体は黄味を帯びた半
透明体で、密度が3.20g/cm3、AlN含有量が
94.2wt%、酸素含量が2.5wt%であつた。またこ
の焼結体の熱伝導率は42W/m・Kであり、0.5
mmの厚みに加工研摩したものの6μmの光の透過
率は10%(μ=43cm-1)であつた。 実施例 8 純度99.3%で平均粒子径が0.58μmのアルミナ
20gと灰分0.15wt%で平均粒子径が0.44μmのカ
ーボンブラツク16gとをナイロン製ポツトとボー
ルを用い、ヘキサンを分散媒体として均一に混合
した。得られた混合物を乾燥後高純度黒鉛製平皿
に入れ炉内にアンモニアガスを1/minで連続
的に供給しながら1650℃の温度で4時間加熱し
た。得られた反応物を空気中で750℃の温度で6
時間加熱し未反応のカーボンを酸化除去した。該
粉末の平均粒子径は1.42μmであり3μm以下が84
容量%を占めた。該粉末の分析結果を表5に示
す。 【表】 上記で得られたAlN粉末(1g)を実施例1
で用いたと同じ装置および焼結条件でホツトプレ
スした。得られた焼結体は灰色がかつた半透明体
で密度は3.26g/cm3、AlN含有量が97.9%、酸素
含有量が0.8%であつた。またこの焼結体の熱伝
導率は50W/m・Kであり、0.5mmの厚みに加工
研摩したもの6μmの光に対する透過率は6%
(μ=53cm-1)であつた。 実施例 9 実施例8と同様な方法で得られたAlN粉末
(10g)にBaOとして0.2wt%となるようBa
(NO32をエタノールを液体媒体として加え均一
に混合した。この混合粉末(1g)を乾燥後実施
例1で用いたのと同じ装置および焼結条件でホツ
トプレスした。得られた焼結体は灰色がかつた半
透明体で密度は3.27g/cm3、AlN含有量が97.9wt
%、酸素含有量が0.9wt%であつた。またこの焼
結体の熱伝導率は55W/m・Kであり、0.5mmの
厚さに研摩したものの6μmの光に対する透過率
は8%(μ=48cm-1)であつた。 実施例 10 実施例1で用いたのと同じ純度(99.99wt%)
のアルミナ130gと灰分0.08wt%のカーボンブラ
ツク65gおよび平均粒子径3μmの炭酸カルシウ
ム1.0gをポリウレタン樹脂でコーテイングした
ポツトとボールを用いてエタノールを分散媒体と
して均一にボールミル混合した。該混合物を乾燥
後実施例1と同じ条件で反応、酸化しAlN粉末
を得た。得られた粉末の平均粒子径は1.44μmで
あり、3μm以下が86容量%を占めた。この粉末
の分析値を表6に示す。 【表】 上記で得られたAlN粉末(1g)を実施例1
で用いたと同じ装置および条件でホツトプレスし
た。得られた焼結体はち密な半透明体で密度は
3.26g/cm3、AlN含有量が98.1%、酸素含有量が
0.7%であつた。またこの焼結体の熱伝導率は
60W/m・Kであり、0.5mmの厚みに研摩したも
の6μmの光に対する透過率は28%(μ=23cm-1
であつた。 実施例 11 実施例1で用いたのと同じ純度(99.99wt%)
のアルミナ130gと灰分0.08wt%のカーボンブラ
ツク65gおよび平均粒子径1μmのY2O30.52gを
ポリウレタン樹脂でコーテイングしたポツトとボ
ールを用いてエタノールを分散媒として均一にボ
ールミル混合した。この混合物を乾燥後実施例1
と同じ条件で反応、酸化しAlN粉末を得た。得
られた粉末の平均粒子径は1.50μmであり3μm以
下が83容量%を占めた。この粉末の分析値を表7
に示す。 【表】 上記で得られたAlN粉末(1g)を実施例1
で用いたと同じ装置および焼結条件でホツトプレ
スした。得られた焼結体は密度3.28g/cm3AlN含
有量が98.1wt%、酸素含有量が0.8wt%であつた。
また該焼結体の熱伝導率は63W/m・K、0.5mm
に研摩したもの6μmの光に対する透過率は30%
(μ=21cm-1)であつた。 実施例 12 実施例11に於けるY2O3の代りに表8に示す添
加物を用いた以外は実施例11と同様に実施した。
その結果は表8に示す通りであつた。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の窒化アルミニウム焼結体の透
光性を示すための写真で、第2図は光の透過率曲
線を示す図面である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 () 窒化アルミニウムが93重量%以上、 () アルカリ土類金属、イツトリウム及びラン
    タン族金属よりなる群から選ばれた少くとも1
    種の金属原子の化合物よりなる焼結助剤が0.02
    〜5.0重量% () 酸素原子が3.5重量%以下、 及び () 不可避的に混入する金属化合物が金属とし
    て0.5重量%以下で、特に鉄、クロム、ニツケ
    ル、コバルト、銅及びチタンについての合計が
    0.1重量%以下含まれ、且つ密度が3.0g/cm3
    上の透光性を有する窒化アルミニウム焼結体。 2 6μmの波長の光に対する吸収係数が60cm-1
    下である特許請求の範囲1記載の焼結体。 3 不可避的に混入する金属化合物中、鉄、クロ
    ム、ニツケル、コバルト、銅及びチタンの化合物
    の含有量の合計が金属として0.1重量%以下で、
    鉄、クロム、ニツケル、コバルト、銅及びチタン
    以下の金属化合物が金属として0.3重量%以下含
    まれている特許請求の範囲1記載の焼結体。 4 平均粒子径2μm以下で、窒化アルミニウム
    の純度93重量%以上で、酸素原子を4.5重量%以
    下含有し、更に不可避的に混入する陽イオン不純
    物が酸化物に換算して0.5重量%以下で、特に鉄、
    クロム、ニツケル、コバルト、銅及びチタンにつ
    いての合計が0.1重量%以下含有する窒化アルミ
    ニウム粉末にアルカリ土類金属、ランタン族金属
    及びイツトリウムよりなる群から選ばれた少なく
    とも1種の金属又は該金属化合物を0.02〜5.0重
    量%混合し、非酸化性雰囲気下に焼結することに
    より、窒化アルミニウムが93重量%以上、アルカ
    リ土類、イツトリウム及びランタン族金属よりな
    る群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物
    が0.02〜5.0重量%、酸素原子が3.5重量%以下及
    び不可避的に混入する金属化合物が金属として
    0.5重量%以下含まれ、且つ密度が3.0g/cm3以上
    である窒化アルミニウム焼結体を製造する方法。 5 平均粒子径が2μm以下で且つ窒化アルミニ
    ウムの純度が93重量%以上で、酸素原子を3.0重
    量%以下含有し、鉄、クロム、ニツケル、コバル
    ト、銅及びチタンの各化合物を金属分として0.1
    重量%以下、またその他の不可避的に混入する金
    属化合物を金属分として0.3重量%以下含有する
    窒化アルミニウム粉末を用いることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項記載の窒化アルミニウム焼
    結体を製造する方法。
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