JPH0472875B2 - - Google Patents
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- JPH0472875B2 JPH0472875B2 JP57114507A JP11450782A JPH0472875B2 JP H0472875 B2 JPH0472875 B2 JP H0472875B2 JP 57114507 A JP57114507 A JP 57114507A JP 11450782 A JP11450782 A JP 11450782A JP H0472875 B2 JPH0472875 B2 JP H0472875B2
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Description
本発明は液晶組成物に関し、特に特定の色素を
含む液晶組成物を対向する二枚の電極板間に介在
させ、液晶のゲスト・ホスト効果を利用して良好
なカラー表示を可能にした電気光学素子に用いる
液晶組成物に関する。 多色性色素と呼ばれる色素は大きく2つの種類
に分けることができる。第一の種類は、可視光の
吸収遷移モーメントの方向が分子の長軸方向と殆
ど平行であり、ゲスト分子として、ホストである
液晶中に溶解したとき色素分子長軸が液晶分子軸
の配列方向と同方向に配列する性質をもつた色素
である。このような色素は平行二色性を有する多
色性色素(またはP型色素)と呼ばれる。第二の
種類は、可視光の吸収遷移モーメントの方向は平
行二色性色素の場合とは異なり分子の長軸方向に
対して殆ど垂直であるが、ゲスト分子として液晶
中に溶解したときには平行二色性色素の場合と同
様に、色素分子長軸が液晶分子軸の配列方向と同
方向に配列する性質を持つた色素である。このよ
うな色素は垂直二色性を有する多色性色素(また
はN型色素)と呼ばれる。本発明はこのうち第1
のもの、すなわち平行二色性を有する多色性色素
及びこれを含有する液晶組成物に関する。 多色性色素の特徴は、色素分子の吸収遷移モー
メントと光の電気ベクトルとの相対的な方向に応
じて光の吸収強度が決まるという点にある。すな
わち、吸収遷移モーメントの方向が光の電気ベク
トルに対して平行になつたときが最も吸収強度が
大きく、垂直になつたときが最も吸収強度が小さ
い。 従つて、平行二色性を有する多色性色素の場合
には、第1図に示すように、矢印1で示す方向に
偏光した光2に対して3のような方向に色素分子
が向いているときに吸収強度が大きく、それに対
して4及び5のような方向を向いているときに吸
収強度が小さい。 このような多色性色素を含むネマチツク液晶、
コレステリツク液晶またはスメクチツク液晶を対
向する二枚の電極板間に介在させ、これに電圧を
印加すれば液晶の誘電特性や流動特性等に基づい
て、液晶分子は擾乱運動を起こしたり、あるいは
電場方向に揃つた分子配列をしたりする。このと
き多色性色素分子も液晶分子と伴に運動を起すの
で、多色性色素分子の吸収遷移モーメントと入射
光との相対的な方向に変化がひき起こされること
になり、結果的に液晶表示装置の光吸収特性に変
化が生じることになる。このような現象は「ゲス
ト・ホスト効果」として広く知られており、この
効果を利用して、電気的制御によるカラー表示装
置を構成することができる。(“Guest−Host
Interaction in Nematic Liquid Crystals:A
New Electro−Optic Effects”G.H.Heilmeier
and L.A.Zanoni,Appled Physics Letters,第
13巻、91ページ(1968年)参照。) 例えば、平行二色性を有する多色性色素を含み
かつ、誘電異方性が正であるネマチツク液晶を液
晶と接する面をホモジニアス配向処理を施し、互
いに平行に対向させた二枚の透明電極板間に介在
させると、液晶分子はその分子長軸が電極面に平
行かつ一定方向に配列するホモジニアス配向と呼
ばれる配向を形成する(第2図参照)。このとき
液晶中に溶解している多色性色素分子10も、そ
の長軸が電極面に平行かつ一定方向に配列する。
このような配列状態をとつているゲスト・ホスト
物質中を、電極面に垂直な方向に進行し、かつ、
偏光板13によつて液晶の配向方向と同方向に偏
光させた白色光11が伝播すると、その電気ベク
トルは多色性色素分子長軸と平行になるので、特
定の波長領域が多色性色素分子によつて特に強く
吸収され、結果としてゲスト・ホスト物質は強い
着色状態をとる。次にこのような配列をとつてい
る液晶物質に、前記透明電極板を通じて電界を加
えると、ホスト液晶の誘電異方性が正であるの
で、ホスト液晶分子9およびゲストの多色性色素
分子はその長軸が電極面に垂直に配列したホメオ
トロピツク配向をとる。(第3図参照。)このとき
多色性色素分子の長軸は入射白色偏光11の電気
ベクトルに垂直になるので、入射光は多色性色素
分子によつて殆ど吸収されず、ゲスト・ホスト物
質は弱く着色した状態に見える。このような強い
着色状態およい弱い着色状態の差を利用して、電
気的な駆動による表示が可能になる。 上記例はホスト液晶としてネマチツク液晶を利
用したものであつたが、ゲスト・ホスト型液晶表
示のもう一つの代表的な方式として、コレステリ
ツク−ネマチツクの相転移を利用したものがあ
る。これはホスト液晶としてコレステリツク状態
をとる液晶を用いる方式である。この方式では、
元来それ自体でコレステリツク状態をとつている
液晶を使え場合と、元来ネマチツク液晶であるも
のに、適当な施光性物質を添加してコレステリツ
ク状態をとらせた液晶を使う場合とがある。 例えば、平行二色性を有する多色性色素を含み
かつ、誘電異方性が正であるコレステリツク液晶
を、液晶と接する面をホモジニアス配向処理を施
し、互いに平行に対向させた二枚の透明電極間に
介在させると、液晶分子はらせん状の分子配列を
とる。このとき液晶中に溶解している多色性色素
分子も同様にらせん状の分子配列をとる。このよ
うな配列状態をとつているゲスト・ホスト物質中
を、電極面に垂直に、白色自然光が伝播すると色
素分子がさまざまな方向を向いているため、すべ
ての偏光成分の特定の波長領域が多色性色素分子
によつて特に強く吸収され、結果としてゲスト・
ホスト物質は強い着色状態をとる。次にこのよう
な配列をとつている液晶物質に、前記透明電極板
を通じて電界を加えるとらせん状の分子配列が解
け、ホスト液晶分子およびゲストの多色性色素分
子はその長軸が電界方向に平行に配列したホメオ
トロピツク配向をとる。このとき多色性色素分子
の長軸は入射白色光の電気ベクトルに垂直になる
ので、入射白色光は多色性色素分子によつて殆ど
吸収されず、結果的にゲスト・ホスト物質は、電
界を印加した部分が着色の弱い白抜けした状態に
見えることになり、表示が可能となる。 以上はホスト液晶としてネマチツク液晶および
コレステリツク液晶を使用したゲスト・ホスト型
液晶表示の例であつたが、ホスト液晶にスメクチ
ツク液晶を用いた場合でも、適当な素子構成と駆
動方法を用いれば、ネマチツク液晶およびコレス
テリツク液晶と同様に表示が可能になる。 上記のようなゲスト・ホスト効果を利用した液
晶表示にゲストとして用いる多色性色素にはホ
スト液晶中での高いオーダー・パラメーター目
的に応じた任意の色素ホスト液晶に対する十分
な溶解度高い安定性(光安定性、熱安定性、電
気的安定性)などの性能が要求される。 このうちのオーダー・パラメーター(通常、
記号Sで表わす)は、ホスト液晶分子の配向方向
に対する色素分子吸収軸の平行度を表わし、次の
ように定義される。 S=1/2(32−1) 式、cos2θの項は時間平均されており、θは色
素分子吸収軸とホスト液晶分子の配向方向とがな
す角度である。多色性色素分子のオーダー・パラ
メーターSは実験的には次式から求められる。 S=A−A⊥/2A⊥+A ここでAおよびA⊥は、それぞれ液晶の配向
方向に対して平行および垂直に偏光した光に対す
る色素の吸光度である。 オーダー・パラメーターSは具体的にはゲス
ト・ホスト型液晶素子の表示コントラストを支配
する量であり、平行二色性を有する多色性色素の
場合には、その値が理論上の最大値である1に近
づく程、白ぬけ部分の残色度が減少し、明るくコ
ントラストの大きい鮮明な表示が可能となる。 の色相については、表示情報量の増大、デザ
イン自由度の増大、装飾性の向上といつた表示の
カラー化の目的上、選択できる色相範囲ができる
だけ広いことが必要である。基本的にはイエロ
ー、マゼンタ、シアンの3原色を得ればこれらの
減法混色によりすべての色相が実現できる。従つ
て色相的にはイエロー、マゼンタ、シアンの3原
色が重要になる。 本発明の目的は上記、、の要求性能をす
べて満足する多色性色素及びこれを含む液晶組成
物を提供することにある。 多色性色素の分子構造と諸特性との関係につい
てはまだ十分究明されておらず、希望する色相に
おいて上記の要求性能をすべて満足する多色性色
素を選択することは困難な作業であり、公知の材
料から類推、選択することは容易ではない。 本発明者等はかかる従来技術に鑑み、鋭意検討
を進めた結果、シアン色を示し、かつオーダー・
パラメーター、溶解性、安定性の優れたアントラ
キノン系色素を見い出し、本発明を完成させるこ
とが出来た。 すなわち、本発明の要旨は、一般式〔I〕 〔式中、R1及びR2はそれぞれアルキル基もしく
はアルコキシ基で置換されたフエニル基を示す。〕 で表わされるアントラキノン系色素の少くとも1
種類を含むことを特徴とする液晶組成物にある。 本発明における一般式〔I〕で示されるアント
ラキノン系色素は特にオーダー・パラメーターお
よびホスト液晶に対する溶解性において好ましい
結果を与えた。 一般式〔I〕で示されるアントラキノン系色素
はたとえば1−アミノ−2−カルボキシ−4−ブ
ロモ−アントラキノンとNH2R2(R2は前記一般式
〔I〕におけると同意義を有する。)を公知の方法
により反応せしめ一般式〔〕 を得、更にR1OH(R1は前記一般式〔〕におけ
ると同意義を有する。〕で公知の方法によりエス
テル化することにより製造することができる。 前記一般式〔〕においてR1及びR2で表わさ
れる置換基の具体例としては、p−エチルフエニ
ル基、p−n−プロピルフエニル基、p−n−ブ
チルフエニル基、p−n−ペンチルフエニル基、
p−n−ヘキシルフエニル基、p−n−ヘプチル
フエニル基、p−n−オクチルフエニル基、p−
n−ドデシルフエニル基、p−n−プロポキシフ
エニル基、p−n−ブトキシフエニル基、p−n
−ペンチルオキシフエニル基、p−n−ヘプチル
オキシフエニル基等が挙げられる。 本発明で用いるネマチツク液晶としては、動作
温度範囲でネマチツク状態を示すものであれば、
かなり広い範囲で選択することができる。またこ
のようなネマチツク液晶に後述の施光性物質を加
えることにより、コレステリツク状態をとらせる
ことができる。ネマチツク液晶の例としては第1
表に示される物質、あるいはこれらの誘導体があ
げられる。
含む液晶組成物を対向する二枚の電極板間に介在
させ、液晶のゲスト・ホスト効果を利用して良好
なカラー表示を可能にした電気光学素子に用いる
液晶組成物に関する。 多色性色素と呼ばれる色素は大きく2つの種類
に分けることができる。第一の種類は、可視光の
吸収遷移モーメントの方向が分子の長軸方向と殆
ど平行であり、ゲスト分子として、ホストである
液晶中に溶解したとき色素分子長軸が液晶分子軸
の配列方向と同方向に配列する性質をもつた色素
である。このような色素は平行二色性を有する多
色性色素(またはP型色素)と呼ばれる。第二の
種類は、可視光の吸収遷移モーメントの方向は平
行二色性色素の場合とは異なり分子の長軸方向に
対して殆ど垂直であるが、ゲスト分子として液晶
中に溶解したときには平行二色性色素の場合と同
様に、色素分子長軸が液晶分子軸の配列方向と同
方向に配列する性質を持つた色素である。このよ
うな色素は垂直二色性を有する多色性色素(また
はN型色素)と呼ばれる。本発明はこのうち第1
のもの、すなわち平行二色性を有する多色性色素
及びこれを含有する液晶組成物に関する。 多色性色素の特徴は、色素分子の吸収遷移モー
メントと光の電気ベクトルとの相対的な方向に応
じて光の吸収強度が決まるという点にある。すな
わち、吸収遷移モーメントの方向が光の電気ベク
トルに対して平行になつたときが最も吸収強度が
大きく、垂直になつたときが最も吸収強度が小さ
い。 従つて、平行二色性を有する多色性色素の場合
には、第1図に示すように、矢印1で示す方向に
偏光した光2に対して3のような方向に色素分子
が向いているときに吸収強度が大きく、それに対
して4及び5のような方向を向いているときに吸
収強度が小さい。 このような多色性色素を含むネマチツク液晶、
コレステリツク液晶またはスメクチツク液晶を対
向する二枚の電極板間に介在させ、これに電圧を
印加すれば液晶の誘電特性や流動特性等に基づい
て、液晶分子は擾乱運動を起こしたり、あるいは
電場方向に揃つた分子配列をしたりする。このと
き多色性色素分子も液晶分子と伴に運動を起すの
で、多色性色素分子の吸収遷移モーメントと入射
光との相対的な方向に変化がひき起こされること
になり、結果的に液晶表示装置の光吸収特性に変
化が生じることになる。このような現象は「ゲス
ト・ホスト効果」として広く知られており、この
効果を利用して、電気的制御によるカラー表示装
置を構成することができる。(“Guest−Host
Interaction in Nematic Liquid Crystals:A
New Electro−Optic Effects”G.H.Heilmeier
and L.A.Zanoni,Appled Physics Letters,第
13巻、91ページ(1968年)参照。) 例えば、平行二色性を有する多色性色素を含み
かつ、誘電異方性が正であるネマチツク液晶を液
晶と接する面をホモジニアス配向処理を施し、互
いに平行に対向させた二枚の透明電極板間に介在
させると、液晶分子はその分子長軸が電極面に平
行かつ一定方向に配列するホモジニアス配向と呼
ばれる配向を形成する(第2図参照)。このとき
液晶中に溶解している多色性色素分子10も、そ
の長軸が電極面に平行かつ一定方向に配列する。
このような配列状態をとつているゲスト・ホスト
物質中を、電極面に垂直な方向に進行し、かつ、
偏光板13によつて液晶の配向方向と同方向に偏
光させた白色光11が伝播すると、その電気ベク
トルは多色性色素分子長軸と平行になるので、特
定の波長領域が多色性色素分子によつて特に強く
吸収され、結果としてゲスト・ホスト物質は強い
着色状態をとる。次にこのような配列をとつてい
る液晶物質に、前記透明電極板を通じて電界を加
えると、ホスト液晶の誘電異方性が正であるの
で、ホスト液晶分子9およびゲストの多色性色素
分子はその長軸が電極面に垂直に配列したホメオ
トロピツク配向をとる。(第3図参照。)このとき
多色性色素分子の長軸は入射白色偏光11の電気
ベクトルに垂直になるので、入射光は多色性色素
分子によつて殆ど吸収されず、ゲスト・ホスト物
質は弱く着色した状態に見える。このような強い
着色状態およい弱い着色状態の差を利用して、電
気的な駆動による表示が可能になる。 上記例はホスト液晶としてネマチツク液晶を利
用したものであつたが、ゲスト・ホスト型液晶表
示のもう一つの代表的な方式として、コレステリ
ツク−ネマチツクの相転移を利用したものがあ
る。これはホスト液晶としてコレステリツク状態
をとる液晶を用いる方式である。この方式では、
元来それ自体でコレステリツク状態をとつている
液晶を使え場合と、元来ネマチツク液晶であるも
のに、適当な施光性物質を添加してコレステリツ
ク状態をとらせた液晶を使う場合とがある。 例えば、平行二色性を有する多色性色素を含み
かつ、誘電異方性が正であるコレステリツク液晶
を、液晶と接する面をホモジニアス配向処理を施
し、互いに平行に対向させた二枚の透明電極間に
介在させると、液晶分子はらせん状の分子配列を
とる。このとき液晶中に溶解している多色性色素
分子も同様にらせん状の分子配列をとる。このよ
うな配列状態をとつているゲスト・ホスト物質中
を、電極面に垂直に、白色自然光が伝播すると色
素分子がさまざまな方向を向いているため、すべ
ての偏光成分の特定の波長領域が多色性色素分子
によつて特に強く吸収され、結果としてゲスト・
ホスト物質は強い着色状態をとる。次にこのよう
な配列をとつている液晶物質に、前記透明電極板
を通じて電界を加えるとらせん状の分子配列が解
け、ホスト液晶分子およびゲストの多色性色素分
子はその長軸が電界方向に平行に配列したホメオ
トロピツク配向をとる。このとき多色性色素分子
の長軸は入射白色光の電気ベクトルに垂直になる
ので、入射白色光は多色性色素分子によつて殆ど
吸収されず、結果的にゲスト・ホスト物質は、電
界を印加した部分が着色の弱い白抜けした状態に
見えることになり、表示が可能となる。 以上はホスト液晶としてネマチツク液晶および
コレステリツク液晶を使用したゲスト・ホスト型
液晶表示の例であつたが、ホスト液晶にスメクチ
ツク液晶を用いた場合でも、適当な素子構成と駆
動方法を用いれば、ネマチツク液晶およびコレス
テリツク液晶と同様に表示が可能になる。 上記のようなゲスト・ホスト効果を利用した液
晶表示にゲストとして用いる多色性色素にはホ
スト液晶中での高いオーダー・パラメーター目
的に応じた任意の色素ホスト液晶に対する十分
な溶解度高い安定性(光安定性、熱安定性、電
気的安定性)などの性能が要求される。 このうちのオーダー・パラメーター(通常、
記号Sで表わす)は、ホスト液晶分子の配向方向
に対する色素分子吸収軸の平行度を表わし、次の
ように定義される。 S=1/2(32−1) 式、cos2θの項は時間平均されており、θは色
素分子吸収軸とホスト液晶分子の配向方向とがな
す角度である。多色性色素分子のオーダー・パラ
メーターSは実験的には次式から求められる。 S=A−A⊥/2A⊥+A ここでAおよびA⊥は、それぞれ液晶の配向
方向に対して平行および垂直に偏光した光に対す
る色素の吸光度である。 オーダー・パラメーターSは具体的にはゲス
ト・ホスト型液晶素子の表示コントラストを支配
する量であり、平行二色性を有する多色性色素の
場合には、その値が理論上の最大値である1に近
づく程、白ぬけ部分の残色度が減少し、明るくコ
ントラストの大きい鮮明な表示が可能となる。 の色相については、表示情報量の増大、デザ
イン自由度の増大、装飾性の向上といつた表示の
カラー化の目的上、選択できる色相範囲ができる
だけ広いことが必要である。基本的にはイエロ
ー、マゼンタ、シアンの3原色を得ればこれらの
減法混色によりすべての色相が実現できる。従つ
て色相的にはイエロー、マゼンタ、シアンの3原
色が重要になる。 本発明の目的は上記、、の要求性能をす
べて満足する多色性色素及びこれを含む液晶組成
物を提供することにある。 多色性色素の分子構造と諸特性との関係につい
てはまだ十分究明されておらず、希望する色相に
おいて上記の要求性能をすべて満足する多色性色
素を選択することは困難な作業であり、公知の材
料から類推、選択することは容易ではない。 本発明者等はかかる従来技術に鑑み、鋭意検討
を進めた結果、シアン色を示し、かつオーダー・
パラメーター、溶解性、安定性の優れたアントラ
キノン系色素を見い出し、本発明を完成させるこ
とが出来た。 すなわち、本発明の要旨は、一般式〔I〕 〔式中、R1及びR2はそれぞれアルキル基もしく
はアルコキシ基で置換されたフエニル基を示す。〕 で表わされるアントラキノン系色素の少くとも1
種類を含むことを特徴とする液晶組成物にある。 本発明における一般式〔I〕で示されるアント
ラキノン系色素は特にオーダー・パラメーターお
よびホスト液晶に対する溶解性において好ましい
結果を与えた。 一般式〔I〕で示されるアントラキノン系色素
はたとえば1−アミノ−2−カルボキシ−4−ブ
ロモ−アントラキノンとNH2R2(R2は前記一般式
〔I〕におけると同意義を有する。)を公知の方法
により反応せしめ一般式〔〕 を得、更にR1OH(R1は前記一般式〔〕におけ
ると同意義を有する。〕で公知の方法によりエス
テル化することにより製造することができる。 前記一般式〔〕においてR1及びR2で表わさ
れる置換基の具体例としては、p−エチルフエニ
ル基、p−n−プロピルフエニル基、p−n−ブ
チルフエニル基、p−n−ペンチルフエニル基、
p−n−ヘキシルフエニル基、p−n−ヘプチル
フエニル基、p−n−オクチルフエニル基、p−
n−ドデシルフエニル基、p−n−プロポキシフ
エニル基、p−n−ブトキシフエニル基、p−n
−ペンチルオキシフエニル基、p−n−ヘプチル
オキシフエニル基等が挙げられる。 本発明で用いるネマチツク液晶としては、動作
温度範囲でネマチツク状態を示すものであれば、
かなり広い範囲で選択することができる。またこ
のようなネマチツク液晶に後述の施光性物質を加
えることにより、コレステリツク状態をとらせる
ことができる。ネマチツク液晶の例としては第1
表に示される物質、あるいはこれらの誘導体があ
げられる。
【表】
【表】
【表】
上記表中、R′はアルキル基またはアルコキシ
基を、Xはニトロ基、シアノ基、またはハロゲン
原子を表わす。 第1表の液晶はいずれも誘電異方性が正である
が、誘電異方性が負の公知のエステル系、アゾキ
シ系、アゾ系、シツフ系、ピリミジン系、ジエス
テル系あるいはビフエニルエステル系の液晶も、
誘電異方性が正の液晶と混合して、全体として正
の液晶にして用いることができる。また、誘電異
方性が負の液晶でも、適当な素子構成および駆動
法を用いればそのまま使用できることは勿論であ
る。 本発明で用いるホスト液晶物質は第1表に示し
た液晶化合物またはそれらの混合物のいずれでも
よいが、次の4種類の液晶化合物 の混合物として、メルク社からZLI−1132という
商品名で販売されている液晶物質および、次の4
種類の液晶化合物 の混合物として、British Drug House社からE
−7という商品名で販売されている液晶物質が本
発明においては特に有用であることがわかつた。 本発明に用いる施光性物質としてはカイラルネ
マチツク化合物、例えば、2−メチルブチル基、
3−メチルブトキシ基、3−メチルペンチル基、
3−メチルペントキシ基、4−メチルヘキシル
基、4−メチルヘキトキシ基などの光学活性基を
ネマチツク液晶化合物に導入した化合物がある。
また特開昭51−45546号に示すl−メントール、
d−ボルネオール等のアルコール誘導体、d−シ
ヨウノウ、3−メチルシクロヘキサノン等のケト
ン誘導体、d−シトロネラ酸、l−シヨウノウ酸
等のカルボン酸誘導体、d−シトロネラール等の
アルデヒド誘導体、d−リノネン等のアルケン誘
導体、その他のアミン、アミド、ニトリル誘導体
などの光学活性物質は勿論使用できる。 本発明に使用する素子とは公知の液晶表示素子
を使用できる。すなわち、一般に少くとも一方が
透明な2枚のガラス基板上に任意のパターンの透
明電極を設け、電極面が対向するように適当なス
ペーサーを介して、2枚のガラス基板が平行にな
るように素子を構成したものが用いられる。この
場合、スペーサーにより素子のギヤツプが決めら
れる。素子ギヤツプとしては3〜100μm、特に
5〜50μmが実用的見地から好ましい。 以下に、本発明の液晶組成物に使用されるシア
ン色系の多色性アントラキノン系色素の例および
これらの色素を用いた液晶組成物について実施例
により具体的に説明する。 実施例 1 まず、本発明に使用される多色性アントラキノ
ン系色素の例を、その最大吸収波長およびオーダ
ー・パラメーターとともに第2表に示す。
基を、Xはニトロ基、シアノ基、またはハロゲン
原子を表わす。 第1表の液晶はいずれも誘電異方性が正である
が、誘電異方性が負の公知のエステル系、アゾキ
シ系、アゾ系、シツフ系、ピリミジン系、ジエス
テル系あるいはビフエニルエステル系の液晶も、
誘電異方性が正の液晶と混合して、全体として正
の液晶にして用いることができる。また、誘電異
方性が負の液晶でも、適当な素子構成および駆動
法を用いればそのまま使用できることは勿論であ
る。 本発明で用いるホスト液晶物質は第1表に示し
た液晶化合物またはそれらの混合物のいずれでも
よいが、次の4種類の液晶化合物 の混合物として、メルク社からZLI−1132という
商品名で販売されている液晶物質および、次の4
種類の液晶化合物 の混合物として、British Drug House社からE
−7という商品名で販売されている液晶物質が本
発明においては特に有用であることがわかつた。 本発明に用いる施光性物質としてはカイラルネ
マチツク化合物、例えば、2−メチルブチル基、
3−メチルブトキシ基、3−メチルペンチル基、
3−メチルペントキシ基、4−メチルヘキシル
基、4−メチルヘキトキシ基などの光学活性基を
ネマチツク液晶化合物に導入した化合物がある。
また特開昭51−45546号に示すl−メントール、
d−ボルネオール等のアルコール誘導体、d−シ
ヨウノウ、3−メチルシクロヘキサノン等のケト
ン誘導体、d−シトロネラ酸、l−シヨウノウ酸
等のカルボン酸誘導体、d−シトロネラール等の
アルデヒド誘導体、d−リノネン等のアルケン誘
導体、その他のアミン、アミド、ニトリル誘導体
などの光学活性物質は勿論使用できる。 本発明に使用する素子とは公知の液晶表示素子
を使用できる。すなわち、一般に少くとも一方が
透明な2枚のガラス基板上に任意のパターンの透
明電極を設け、電極面が対向するように適当なス
ペーサーを介して、2枚のガラス基板が平行にな
るように素子を構成したものが用いられる。この
場合、スペーサーにより素子のギヤツプが決めら
れる。素子ギヤツプとしては3〜100μm、特に
5〜50μmが実用的見地から好ましい。 以下に、本発明の液晶組成物に使用されるシア
ン色系の多色性アントラキノン系色素の例および
これらの色素を用いた液晶組成物について実施例
により具体的に説明する。 実施例 1 まず、本発明に使用される多色性アントラキノ
ン系色素の例を、その最大吸収波長およびオーダ
ー・パラメーターとともに第2表に示す。
【表】
【表】
第2表に記載した各色素の特性は次のようにし
て調べた。すなわち、前述のフエニルシクロヘキ
サン系混合液晶ZLI−1132に、多色性色素とし
て、第2表に示す色素のいずれかを添加し、70℃
以上に加熱し、液晶が等方性液体になつた状態で
よくかきまぜた後、放置冷却する工程を繰返し行
ない、色素を溶解した。 このように調製した上記液晶組成物を、透明電
極を有し、液晶と接する面をポリアミド系樹脂を
塗布硬化後ラビングしてホモジニアス配向処理を
施した上下2枚のガラス基板からなる基板間ギヤ
ツプ10〜100μmの素子に封入した。上記配向処
理を施した素子内では電圧無印加のとき上記液晶
組成物は、第1図に示すようなホモジニアス配向
状態をとり、色素分子もホスト液晶に従つて同様
の配向をとる。 このようにして作製したゲスト・ホスト素子の
吸収スペクトルの測定を、液晶分子の配向方向に
対して平行に偏向した光及び垂直に偏光した光の
各々を用いて行ない、これら各偏光に対する色素
の吸光度A及びA⊥を求めた。色素の吸光度を
求めるにあたつては、ホスト液晶およびガラス基
板による吸収と、素子の反射損失に関して補正を
行なつた。このようにして求めた上記各偏光に対
する色素の吸光度の値AおよびA⊥の値を用い
て、前述の式 S=A−A⊥/2A⊥+A からオーダー・パラメーターSの値を算出した。 実施例 2 実施例1で用いたものと全く同様の液晶に、第
2表No.1の色素 を1.04重量パーセント添加した液晶組成物を実施
例1と全く同様の素子(但し、基板間ギヤツプは
約10μm)に封入し、実施例1と同様に吸収スペ
クトルを測定した。そのスペクトルを第4図に示
す。図中、曲線15はAを、曲線16はA⊥を
それぞれ示す。可視領域における最大吸収波長は
674nmであり、最大吸収波長におけるAは
0.622、A⊥は0.083であつた。従つて本実施例色
素のオーダー・パラメーターSは0.68となる。
て調べた。すなわち、前述のフエニルシクロヘキ
サン系混合液晶ZLI−1132に、多色性色素とし
て、第2表に示す色素のいずれかを添加し、70℃
以上に加熱し、液晶が等方性液体になつた状態で
よくかきまぜた後、放置冷却する工程を繰返し行
ない、色素を溶解した。 このように調製した上記液晶組成物を、透明電
極を有し、液晶と接する面をポリアミド系樹脂を
塗布硬化後ラビングしてホモジニアス配向処理を
施した上下2枚のガラス基板からなる基板間ギヤ
ツプ10〜100μmの素子に封入した。上記配向処
理を施した素子内では電圧無印加のとき上記液晶
組成物は、第1図に示すようなホモジニアス配向
状態をとり、色素分子もホスト液晶に従つて同様
の配向をとる。 このようにして作製したゲスト・ホスト素子の
吸収スペクトルの測定を、液晶分子の配向方向に
対して平行に偏向した光及び垂直に偏光した光の
各々を用いて行ない、これら各偏光に対する色素
の吸光度A及びA⊥を求めた。色素の吸光度を
求めるにあたつては、ホスト液晶およびガラス基
板による吸収と、素子の反射損失に関して補正を
行なつた。このようにして求めた上記各偏光に対
する色素の吸光度の値AおよびA⊥の値を用い
て、前述の式 S=A−A⊥/2A⊥+A からオーダー・パラメーターSの値を算出した。 実施例 2 実施例1で用いたものと全く同様の液晶に、第
2表No.1の色素 を1.04重量パーセント添加した液晶組成物を実施
例1と全く同様の素子(但し、基板間ギヤツプは
約10μm)に封入し、実施例1と同様に吸収スペ
クトルを測定した。そのスペクトルを第4図に示
す。図中、曲線15はAを、曲線16はA⊥を
それぞれ示す。可視領域における最大吸収波長は
674nmであり、最大吸収波長におけるAは
0.622、A⊥は0.083であつた。従つて本実施例色
素のオーダー・パラメーターSは0.68となる。
第1図多色性色素と光との相対的な方向関係を
示す略図。 1……光の偏光方向、2……光、3,4,5…
…多色性色素分子。 第2図本発明の実施例素子の電圧無印加状態の
略示的断面図。 6……観察者、7……透明ガラス基板、8……
ホモジニアス配向処理が施された透明電極、9…
…誘電異方性が正であるネマチツク・ホスト液晶
分子、10……多色性色素分子、11……入射白
色偏光、12……入射光の偏光方向、13……偏
光板、14……入射自然白色光。 第3図本発明の実施例素子の電圧印加状態の略
示的断面図。 6…観察者、7……透明ガラス基板、8……ホ
モジニアス配向処理が施された透明電極、9……
誘電異方性が正であるネマチツク・ホスト液晶分
子、10……多色性色素分子、11……入射白色
偏光、12……入射光の偏光方向、13……偏光
板、14……入射自然白色光。 第4図本発明の実施例2の表示素子の分光特
性。
示す略図。 1……光の偏光方向、2……光、3,4,5…
…多色性色素分子。 第2図本発明の実施例素子の電圧無印加状態の
略示的断面図。 6……観察者、7……透明ガラス基板、8……
ホモジニアス配向処理が施された透明電極、9…
…誘電異方性が正であるネマチツク・ホスト液晶
分子、10……多色性色素分子、11……入射白
色偏光、12……入射光の偏光方向、13……偏
光板、14……入射自然白色光。 第3図本発明の実施例素子の電圧印加状態の略
示的断面図。 6…観察者、7……透明ガラス基板、8……ホ
モジニアス配向処理が施された透明電極、9……
誘電異方性が正であるネマチツク・ホスト液晶分
子、10……多色性色素分子、11……入射白色
偏光、12……入射光の偏光方向、13……偏光
板、14……入射自然白色光。 第4図本発明の実施例2の表示素子の分光特
性。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式〔I〕 〔式中、R1及びR2はそれぞれアルキル基、もし
くはアルコキシ基で置換されたフエニル基を示
す。〕で表わされるアントラキノン系色素を少く
とも1種類含むことを特徴とする液晶組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11450782A JPS594651A (ja) | 1982-07-01 | 1982-07-01 | 液晶組成物 |
DE8383303771T DE3380931D1 (de) | 1982-07-01 | 1983-06-29 | Anthrachinonfarbstoffe und diese farbstoffe enthaltende fluessigkristalline zusammensetzungen. |
EP83303771A EP0098736B1 (en) | 1982-07-01 | 1983-06-29 | Anthraquinone dyes and liquid crystal compositions containing the dyes |
US06/510,111 US4507221A (en) | 1982-07-01 | 1983-07-01 | Anthraquinone dye and liquid crystal composition containing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11450782A JPS594651A (ja) | 1982-07-01 | 1982-07-01 | 液晶組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS594651A JPS594651A (ja) | 1984-01-11 |
JPH0472875B2 true JPH0472875B2 (ja) | 1992-11-19 |
Family
ID=14639483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11450782A Granted JPS594651A (ja) | 1982-07-01 | 1982-07-01 | 液晶組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS594651A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6252741U (ja) * | 1985-09-17 | 1987-04-02 | ||
US4883611A (en) * | 1987-09-16 | 1989-11-28 | Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporated | Dichroic coloring agents for liquid crystal displays |
US5755995A (en) * | 1996-05-09 | 1998-05-26 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Guest host liquid crystal composition |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52121584A (en) * | 1976-04-05 | 1977-10-13 | Basf Ag | Transfer dyeing |
JPS56145969A (en) * | 1980-03-21 | 1981-11-13 | Asulab Sa | Liquid crystal base composition for electrooptic device |
JPS56161488A (en) * | 1980-04-18 | 1981-12-11 | Bayer Ag | Liquid crystal substance containing anthraquinone dye |
JPS5792079A (en) * | 1980-11-28 | 1982-06-08 | Mitsui Toatsu Chem Inc | Liquid crystal composition for color display |
-
1982
- 1982-07-01 JP JP11450782A patent/JPS594651A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52121584A (en) * | 1976-04-05 | 1977-10-13 | Basf Ag | Transfer dyeing |
JPS56145969A (en) * | 1980-03-21 | 1981-11-13 | Asulab Sa | Liquid crystal base composition for electrooptic device |
JPS56161488A (en) * | 1980-04-18 | 1981-12-11 | Bayer Ag | Liquid crystal substance containing anthraquinone dye |
JPS5792079A (en) * | 1980-11-28 | 1982-06-08 | Mitsui Toatsu Chem Inc | Liquid crystal composition for color display |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS594651A (ja) | 1984-01-11 |
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