JPH0463570B2 - - Google Patents

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JPH0463570B2
JPH0463570B2 JP58143258A JP14325883A JPH0463570B2 JP H0463570 B2 JPH0463570 B2 JP H0463570B2 JP 58143258 A JP58143258 A JP 58143258A JP 14325883 A JP14325883 A JP 14325883A JP H0463570 B2 JPH0463570 B2 JP H0463570B2
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electrode
voltage
tuner
tuning
capacitor
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JP58143258A
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JPS6033729A (ja
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Joji Kane
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication of JPS6033729A publication Critical patent/JPS6033729A/ja
Publication of JPH0463570B2 publication Critical patent/JPH0463570B2/ja
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03JTUNING RESONANT CIRCUITS; SELECTING RESONANT CIRCUITS
    • H03J5/00Discontinuous tuning; Selecting predetermined frequencies; Selecting frequency bands with or without continuous tuning in one or more of the bands, e.g. push-button tuning, turret tuner
    • H03J5/24Discontinuous tuning; Selecting predetermined frequencies; Selecting frequency bands with or without continuous tuning in one or more of the bands, e.g. push-button tuning, turret tuner with a number of separate pretuned tuning circuits or separate tuning elements selectively brought into circuit, e.g. for waveband selection or for television channel selection

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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はラジオ、テレビの送信機や受信機、お
よびその他通信機全般に用いることができる同調
器に関するものである。
従来例の構成とその問題点 近年、ラジオやテレビの放送電波や通信機の通
信電波の数が増加しており、受信を希望する電波
の周波数選択をする同調器の性能においては、高
い安定性と信頼性が必要とされている。一方、同
調器を設置するそれら受信機、送信機や通信機の
製造コストの低減も大きな課題であり、特に合理
化が困難な高周波部の同調回路部品について抜本
的な新技術の開発が特に必要とされている。
以下図面を参照しながら従来の同調器について
説明する。第1図は基本的な同調回路であり、1
はインダクタ、2はキヤパシタである。そして、
それらインダクタ1とキヤパシタ2からなる並列
共振回路3にて構成される同調器は、従来におい
ては第2図もしくは第3図に示すような部品によ
る構成で実現されていた。すなわち第2図に示す
ようにインダクタ部品4とキヤパシタ部品5のそ
れぞれ別個の部品が回路導体6および7によつて
接続されて同調器を構成していた。また第3図に
示すような別の方法として、板状の誘電体8の表
面に平面インダクタ209を設置して、更に対向
する電極210および211それぞれよりなるキ
ヤパシタ212を設置し、それぞれ別個のインダ
クタ209とキヤパシタ212が回路導体213
および214によつて接続されて同調器を構成し
ていた。
更に第3図は基本的な従来の同調装置の回路図
であり入力端子8を有する可変インダクタ9、ト
リマキヤパシタ10、および電圧可変キヤパシタ
11を含む同調回路13が増巾器14を介して出
力端子15を有する可変インダクタ16、トリマ
キヤパシタ17および電圧可変キヤパシタ18を
含む同調回路19と接続されている。電圧可変キ
ヤパシタ11,18には抵抗20,21を介して
共通の電源22から制御電圧が供給されている。
同調回路13,19の同調周波数変化の連動性を
確保するために同調周波数範囲の両端付近でイン
ダクタ9,16およびトリマキヤパシタ10,1
7をそれぞれ調整していた。
しかしながら上記のような同調器回路部品およ
び調整方法による同調装置においては、 可変インダクタ部品および可変キヤパシタ部
品は他お高周波部品と比較してサイズが大き
く、特に高さ寸法が機器の小型化、薄型化を阻
害している。
可変インダクタ部品内のフエライトコアは機
械的振動によつてずれ易く、また透磁率の温度
依存性が大きくインダクタンス値が不安定であ
り同調周波数の変動が大きい。
可変インダクタと可変キヤパシタはそれぞれ
別個部品として存在し、導体の引き回し回路で
接続されているためリードインダクタンスやス
トレーキヤパシタが多く発生して回路動作が不
安定である。
独立した最小単位機能の別個部品の集合回路
であるため部品点数の削減や製造の合理化に限
界がある。
可変キヤパシタ部品も機械的振動によつてキ
ヤパシタンス値が不安定であり同調周波数の変
動が大きい。
各々の同調器内の可変インダクタとトリマキ
ヤパシタを交互に調整するため、目的とする周
波数に収れんさせて調整を完了するのに長時間
と熟練を必要とする。
電圧可変キヤパシタの制御電圧は共通である
ため、電圧可変キヤパシタのキヤパシタンス変
化特性のバラツキ、回路のストレーキヤパシタ
のバラツキ、および可変インダクタのバラツキ
が原因して同調器間の完全なトラツキングが不
可能である。
同調回路を構成する部品を直接に可変調整す
るため調整治具や調整者の接近状態が高周波性
能に影響して調整精度を劣化させる。
発明の目的 本発明の目的は可変インダクタ部品と可変キヤ
パシタ部品を一体化した薄型の同調器を簡単な構
成と実現して同調器の形態を超薄型化と小型化
し、更に機械的振動に対しても同調が安定で、同
調周波数の温度依存性が小さく、同調回路の接続
リードの悪影響をなくして高周波的に安定で、ま
た、部品点数を削減して製造工程の合理化を可能
にする同調器を実現するとともに固定のインダク
タを用いてもトリマキヤパシタのキヤパシタンス
調整と電圧可変キヤパシタに供給する電圧の調整
によつて同調器間の完全なトラツキングを可能に
する同調装置を実現するものであり、調整時間の
短縮化、トラツキング性能の向上とその維持、お
よび遠隔調整を可能にする同調装置を提供するこ
とである。
発明の構成 本発明の同調装置は誘電体の同一面で対向設置
する電極それぞれのアース端子が互いに逆方向側
となるように設定した副同調器を複数個設け、そ
の副同調器それぞれに電圧可変リアクタンス素子
を設置して可変同調器とすると共に上記電圧可変
リアクタンス素子に供給する電圧を上記それぞれ
の可変同調器における可変周波数範囲に対して任
意に関連づけて供給制御するように構成したもの
である。副同調器の動作としては一方の電極がイ
ンダクタとして作用し、またこの電極と他方の電
極が対向して先端オープンの分布定数回路を形成
し、その等価長さを動作させる周波数波長のλ/
4長さ未満に設定することによつて、分布定数回
路端に発生する負リアクタンスによるキヤパシタ
を実現し、上記インダクタと並列に作用させるこ
とを基本とするものである。それぞれの可変同調
器は直接もしくは他の回路要素を介して接続され
るように構成したものであり、これにより電圧調
整器によつて変化範囲を任意に調整される電圧に
依存してリアクタンスが変化する電圧可変リアク
タンス素子が同調周波数の変化巾を調整するよう
に作用し、一方トリマキヤパシタが同調周波数の
絶対値を調整するように作用するものである。
実施例の説明 以下本発明の実施例について図面を参照しなが
ら説明する。
第5図は本発明の実施例におけるスーパヘテロ
ダイン受信機の同調装置の回路図を示すものであ
る。入力端子23を有するインダクタ24とトリ
マキヤパシタ25、および電圧可変キヤパシタ2
6を含む同調器27は増巾器28を介してインダ
クタ29とトリマキヤパシタ30、および電圧可
変キヤパシタ31を含む同調器32と接続され、
その出力は混合器33に入力される。一方インダ
クタ34とトリマキヤパシタ35、および電圧可
変キヤパシタ36より成る同調器を含み、PLL
回路37と抵抗38を介して接続されて構成され
るシンセサイザ式局部発振器39の出力が混合器
33に注入されて中間周波信号が出力端40に出
力される。PLL回路37の制御出力電圧は電圧
調整器41および42を介して、また抵抗43お
よび44を通して電圧可変キヤパシタ26および
31に供給される。ここで、PLL回路37の制
御出力電圧はインダクタ34と電圧可変キヤパシ
タ36のそれぞれのインダクタンスとキヤパシタ
ンスのバラツキによつて様々な変化範囲を呈する
ものであるが、本実施例においては電圧調整器4
1および42の調整によつて同調器27と同調器
32を構成するそれぞれの部品のバラツキの吸収
も含めて補償することを可能にしている。
次にこの補償作用について第6図および第7図
を参照しながら説明する。第6図は同調器(第5
図における同調器27もしくは32)と電圧調整
器(第5図における電圧調整器41もしくは4
2)を代表的に示したものである。同調器はイン
ダクタンスLを有するインダクタ45とキヤパシ
タンスCTを有するトリマキヤパシタ46とキヤ
パシタンスCSを有するストレーキヤパシタ47お
よび可変キヤパシタンスCVを有する電圧可変キ
ヤパシタ48で形成され、電圧可変キヤパシタ4
8には抵抗49を介してトリマレジスタ50とト
リマレジスタ51より成りポテンシオメータを構
成して構成して電圧供給端子52に入力される制
御電圧を調整する電圧調整器53の出力電圧が供
給される。インダクタ45とトリマキヤパシタ4
6の並列回路で副同調器54を構成する。ここで
同調周波数は によつて決定され、この同調周波数Oは任意に調
整できるトリマキヤパシタ46のキヤパシタンス
CTによつてその絶対値を更に調整できる電圧可
変キヤパシタ48のキヤパシタンスCVの変化巾
によつてその変化範囲を任意に設定できることが
わかる。一方調整する周波数変化範囲の最大値を
nax、最小値をnioとし、電圧可変キヤパシタの
キヤパシタンス変化範囲の最大値をCnax、最小値
をCnioとすると L=1/(2πnax2(Cnio+CS+CT)……(2) (CS+CT)=Cnax−Cniona×nio2/(na×
nio2−1……(3) なる関係式の定数設定によつて同調周波数Oを任
意に制御することができる。すなわち、第2式に
おいて個々の値を示すLとCSおよび特定のnax
Cnioに対してCTを任意に調整して第2式の関係条
件を満足させる。次に第3式において特定の
naxnio2と第2式で特定された(CS+CT)と
Cnioに対してCnaxを任意に調整して第3式の関係
条件を満足させる。ここでこの調整制御における
重要な要件としてCnaxの任意の調整に対してCnio
の変動を極めて小さくしなければならないことが
上げられる。本発明はこの要件を満足するように
したもので次にその動作について説明する。ここ
で電圧供給端子52に入力される電圧の変化範囲
を最大値V4および最小値V2とし、電圧調整器5
3で調整された出力電圧の変化範囲を最大値V3
および最小値V1とすると V3/V4=V1/V2 ……(4) なる関係を保つて電圧可変キヤパシタ48の供給
電圧を調整制御することができる。第7図に電圧
可変キヤパシタ48の電圧対キヤパシタンスの変
化特性を示し、電圧の調整によつてキヤパシタン
ス変化範囲が有効に制御できる様子を説明する。
調整前の電圧V4におけるキヤパシタンスをC4
電圧V2におけるキヤパシタンスをC2とし、また
調整後の電圧V3におけるキヤパシタンスをC3
電圧V1におけるキヤパシタンスをC1とする。こ
こで一般的に電圧可変キヤパシタが有する性能の
特徴として電圧の低い領域においてはキヤパシタ
ンス変化率が大きく、反対に電圧の高い領域にお
いてはキヤパシタンス変化率が小さい。したがつ
て調整された電圧の変化範囲の最小値における電
圧調整比V1/V2によるキヤパシタンス調整量
(C1−C2)は最大値における電圧調整比V3/V4
によるキヤパシタンス調整量(C3−C4)よりも
極めて大きく (C1−C2)≫(C3−C4) ……(5) となる。この作用によつて第3式におけるキヤパ
シタンスCnaxを電圧調整器53で任意に調整変化
させてもキヤパシタンスCnioの変動を極小にする
ことができて、一義的にキヤパシタンスCnaxを調
整することができる。
以上のように第5図に示す本実施例によれば電
圧可変キヤパシタのキヤパシタンス変化率が電圧
の低い領域では電圧の高い領域でよりも大きいこ
とを利用して、同調周波数の低い領域の調整を電
圧調整器41,42で調整し同調周波数の高い領
域の調整をトリマキヤパシタ25,30で調整す
ることによりシンセサイザ式局部発振器39の出
力電圧のバラツキと同調器27,32におけるイ
ンダクタ24,29、ストレーキヤパシタ(図示
せず)のバラツキを補償することを実現してい
る。
なお、上の実施においては局部発振器をPLL
シンセサイザ式としたが局部発振器はPLLシン
セサイザ式に限定されるものではなく電圧可変発
振器という機能を有するものであれば何でもよ
い。また電圧調整器をトリマレジスタで構成した
ポテンシオメータとしたが電圧調整器はレジス
タ・ポテンシオメータに限定されるものではなく
電圧調整という機能を有するものであれば何でも
よい。例えば半導体可変レジスタなどを用いるこ
とができる。更に電圧調整器を構成するトリマレ
ジスタはスライド接点移動型のものでもよく、印
刷レジスタをレーザカツターやサンドブラスター
等の非接触カツト手段を用いて調整するものでも
よい。
次に本発明の同調装置に用いる第6図に示す副
同調器54の実施例について図面を参照しながら
説明する。
第8図は本発明の同調装置における同調器の構
成図を示すものである。第8図においてaは表面
図、bは側面図、cは裏面図を示す。(以下、第
9図ないし第17図において同様)第8図それぞ
れにおいて55は誘電体基板であり、56はイン
ダクタを形成する電極であり、57の電極と相ま
つて分布定数回路を形成しキヤパシタを形成する
電極である。電極56の端子58はアース端子で
あり、端子59はオープン端子である。一方、電
極57においては端子60がアース端子であり、
端子61がオープン端子である。(オープン端子
59,61には第6図の電圧可変容量素子48の
ような他の同調回路部品を接続してもよい。)第
8図aに示す側、側と第7図cに示す側、
側が対応し(以下、第9図ないし17図におい
て同様)それぞれの電極56,57は同一パター
ンで対向している。
第9図は本発明の他の実施例における同調器の
構成図を示すものである。誘電体基板62に対す
る電極63と電極64の設置構成は第7図で説明
した実施例と同様であるが、電極63の端子65
はオープン端子であり、端子66はアース端子で
ある。一方電極64の端子67がアース端子であ
り、端子68がオープン端子である。
第10図は本発明の他の実施例における同調器
の構成図を示すものである。誘電体基板69の表
面側に電極70と電極71を設置しそれぞれの電
極が側面対向するように構成したものである。電
極70の端子72はアース端子であり端子73は
オープン端子である。一方電極71の端子74が
オープン端子であり端子75がアース端子であ
る。ここでそれぞれの電極70,71に対する端
子モードは第7図と第8図で説明したようにアー
ス端子とオープン端子がそれぞれ逆方向側になる
ようにすれば任意に設定できる。(以下、第11
図〜第17図において同様) 第11図は本発明の他の実施例における同調器
の構成図を示すものである。誘電体基板76に対
する電極77と電極78の設置構成および端子モ
ードは第7図で説明した実施例と同様であるが、
電極77と電極78の面積が同一でなく、またそ
れぞれの電極が部分的に対向するように設置した
構成である。
第12図ないし第14図は本発明の他の実施例
における同調器の構成図を示すものである。第1
2図における誘電体基板79に対する電極80と
電極81の設置構成および端子モード、第12図
における誘電体基板82に対する電極83と電極
84の設置構成および端子モード、および第13
図における誘電体基板85に対する電極86と電
極87の設置構成および端子モードは第8図で説
明した実施例と同様であるが、それぞれの電極は
少なくとも一ケ所以上の任意の屈曲角と屈曲方向
を示す屈曲部を有するものを用いる。
第15図は本発明の他の実施例における同調器
の構成図を示すものである。誘電体基板88に対
する電極89と電極90の設置構成および端子モ
ードは第7図で説明した実施例と同様であるが、
それぞれの電極はスパイラル形状を有するものを
用いる。
第16図は本発明の他の実施例における同調器
の構成図を示すものである。誘電体基板91に対
する電極92と電極93の設置構成および端子モ
ードは第8図で説明した実施例と同様であるが、
電極93は電極92の面積内に含まれた範囲内で
部分的に対向設置するように設置した構成であ
る。
第17図は本発明の他の実施例における同調器
の構成図を示すものである。誘電体基板94に対
する電極95と電極96の設置構成および端子モ
ードは第8図で説明した実施例と同様であるが、
それぞれの電極95,96は誘電体基板94の内
部に設けられている。
いうまでもなく第8図、第9図、第16図、お
よび第17図で説明した実施例におけるそれぞれ
の電極は第12図〜第15図で説明した実施例の
電極形状を有するものを用いてもよい。
次に本発明の同調装置に用いる同調器の動作原
理を説明する。
第18図a〜eは本発明の同調器における動作
を説明するための等価回路である。第14図aに
おいて、電気長lを有し、互いにアース端子を逆
方向側に設定したそれぞれの伝送路電極270,
271によつて形成される伝送路に対して、電圧
eを発生する信号源272が伝送路電極270に
接続されて信号を供給するものとする。そして、
それによつて伝送路電極270の先端におけるオ
プン端子には進行波電圧eAが励起されるものとす
る。一方、伝送路電極271は上記の伝送路電極
270に近接して対向設置もしくは並設されるの
で、相互誘導作用によつて電圧が誘起される。そ
の伝送路電極271の先端におけるオープン端子
に誘起される進行波電圧eBとする。
ここで伝送路電極270および271において
はそれぞれのアース端子が逆方向側に設定されて
いるので、誘起される進行波電圧eBは励起する進
行波電圧eAに対して逆位相となる。そして、それ
ぞれの進行波電圧eAおよびeBは伝送路の先端がオ
ープン状態であるので、伝送路電極270および
271より成る伝送路において電圧定在波を形成
することになる。ここで伝送路電極270におけ
る電圧定在波の分布態様を示す電圧分布係数をK
で表わすものとすると、伝送路電極271におけ
る電圧分布係数は(1−K)で表わすことができ
る。
ここで次に、伝送路電極270および271に
おいて任意の対向する部分において発生する電位
差Vを求めると V=KeA−(1−K)eB ……(1) で表わすことができる。ここで、それぞれの伝送
路電極270および271が同じく電気長lであ
るとすると eB=−eA ……(2) となり、それによつて第1式における電位差Vは V=KeA+(1−K)eA =eA ……(3) となる。すなわち伝送路電極270と271がそ
れぞれ対向する全ての部分において電位差Vを発
生させることができる。
ここで伝送路電極270および271はその電
極巾Wを有するものとし(電極の厚みは薄いもの
とする)、さらに誘電率εsを有する誘電体を介し
て間隔dと対向されているものとする。この場合
における伝送路の単位長当りに形成するキヤパシ
タンスCOは CO=Q/V=Q/eA ……(4) Q=εpεsW・V/d=εpεsW・eA/d ……(5) であり、故に CO=εpεsW/d ……(6) となる。
従つて、第18図aに示す伝送路は、第18図
bに示すような単位長当りにおいて第6式で求ま
るCOの分布キヤパシタ273を含んだ伝送路と
なる。さらに、この伝送路は第18図cに示すよ
うに、伝送路の分布インダクタ成分および伝送路
の屈曲形状により発生する集中インダクタ成分そ
れぞれによる総合的な分布インダクタ277およ
び278と分布キヤパシタ273よりなる分布定
数回路と等価に表わすことができる。
次に、この分布キヤパシタ273の形成におけ
る伝送路の電気長lとの関係について説明する。
第19図aに示すような平衡モード伝送路におけ
る単位長当りの特性インピーダンスZOは、第19
図bに示す等価回路で表わすことができる。その
特性インピーダンスZOは一般的に となる。ここで伝送路が無損失の場合は となる。本発明の同調器における実施例の多くは
この仮定を適用することができ、かつ説明の簡略
化のため以下第8式に示す特性インピーダンスZO
を用いる。第8式におけるキヤパシタンスCO
第6式において求めた伝送路における単位当りの
キヤパシタンスCOと同じものである。すなわち
伝送路における単位長当りの特性インピーダンス
ZOはキヤパシタンスCOの関数であり、それはま
たキヤパシタCOに関与する誘電体の誘電率εs、伝
送路電極の巾Wおよびそれぞれの伝送路電極の設
置間隔dの関数でもある。
以上のように、伝送路における単位長当りの特
性インピーダンスZOで、その電気長がlであり、
かつ先端がオープン状態である伝送路の端子に発
生する等価リアクタンスXは X=ZOcotθ ……(9) で表わすことができる。ここで θ=2πl/λ ……(10) であり、特に θ=O〜π/2 θ=π〜3/4π ……(11) の場合において等価リアクタンスXは X≦O ……(12) となる。すなわち伝送路の端子における等価リア
クタンスはキヤパシテイプリアクタンスとなり得
る。したがつて伝送路の電気長lによつてθが第
11式に該当する場合、すなわち例えば電気長lを
λ/4以下に設定することによりキヤパシタを形
成することができる。そして、その形成できるキ
ヤパシタのキヤパシタンスCは で表わされるように、θの変化によつて、すなわ
ち伝送路の電気長lの設定によつて任意のキヤパ
シタンスCを実現することができる。
以上第9式〜第13式において説明した伝送路の
動作様態について図に表わしたものが第20図で
ある。第20図では、先端がオープン状態の伝送
路において、その電気長lの変化に従つて端子に
発生する等価リアクタンスXが変化する様子を表
わしている。第17図から明らかなように、伝送
路の電気長lがλ/4以下もしくはλ/2〜
4λ/3などにおけるような場合には負の端子リ
アクタンスを形成することが可能であり、すなわ
ち等価的にキヤパシタを形成することができる。
さらに、負の端子リアクタンスを発生させる条件
において、伝送路の電気長lを任意に設定するこ
とによつて、キヤパシタンスCを任意の値に実現
することが可能である。
このようにして形成されるキヤパシタCは、第
18図dにおいて示す集中定数キヤパシタ279
として等価的に置換することができる。そして、
伝送路に存在する分布インダクタ成分および伝送
路の屈曲形成によつて発生する集中インダクタ成
分それぞれの総合によつて形成されるインダクタ
は、集中定数インダクタ280として等価的に置
換することができる。この第18図dにおいてア
ース端子を共通化して表わすと、明らかに最終的
には第18図eにおいて示すように、集中定数キ
ヤパシタ279および集中定数インダクタ280
より成る並列共振回路と等価になり、同調器を実
現することができる。
以上において説明した構成と動作により、本発
明の同調器を実現するものであるが、本発明の同
調器における構成とそれに係る動作原理は従来の
同調器におけるものとは全く異なるものである。
そこで、本発明による同調器が従来の同調器もし
くは本発明の同調器における伝送路と同様のもの
を用いても他の構成にしたものそれぞれと比較し
て全く異なるものであることを証明するために、
従来の同調器もしくは他の伝送路構成による同調
器における構成および動作を次に説明して対比す
る。それによつて本発明による同調器との差異を
明確にすると共に、本発明における同調器の新規
性を明らかにする。
第21図は、伝送路電極として例えば本発明に
おける同調器に用いるものと同様なもので形成し
ても、アース端子が互いに同方向側に設定されて
いる点が異なる場合の動作を示すものである。第
21図aにおいて伝送路電極281および282
よりなる先端オープンの伝送路が、電圧eを発生
する信号源283によつてドライブされているも
のとする。それによつて伝送路電極281の先端
におけるオープン端子には定在波電圧eAが励起さ
れ、それと対向設置もしくは並設される伝送路電
極282の先端におけるオープン端子には定在波
電圧eBが誘起されるものとする。ここで、それぞ
れの伝送路電極281および282のアース端子
は互いに同方向側に設定されているので、それぞ
れの定在波電圧eAとeBは互いに同位相となる。従
がつて、伝送路電極281および282における
それぞれの電圧分布係数は同じKを有することに
なる。それによつて伝送路電極が対向する任意の
部分における電位差Vは V=KeA−eB ……(14) となる。ここで、それぞれの伝送路電極281お
よび282の電気長が同じ長さであるとすると eA=eB ……(15) となり、それによつて第14式における電位差Vは V=KeA−KeA=O ……(16) となる。すなわち伝送路のいずれの部分において
も電位差が発生しないことになる。第21図aに
おける信号源283を伝送路端に置換設定したも
のが第21図bであり、電圧e′を発生する不平衡
信号源284を設置したことと等価になる。そし
てこの等価回路においては互いに電位差を有しな
い平行伝送路が存在するのみである。つまりこれ
は第21図cに示すように、等価的に単なる一本
の伝送路電極285が存在する場合と同一である
ことは明らかである。そして、信号源283およ
びアース端子を第21図aに示したようにもとの
回路に等価置換することにより第21図dに示す
ようになる。つまり伝送路の分布インダクタ成分
および伝送路の屈曲形状により発生する集中イン
ダクタ成分それぞれより成る等価的な集中定数イ
ンダクタ286のみを形成するだけである。以上
より明らかなように、インダクタと並列にキヤパ
シタを形成することができないので、目的とする
並列共振回路の同調器は実現することができな
い。
第22図は、片側の伝送路電極として例えば本
発明の同調器におけるものと同じもので形成した
一般的なマイクロストリツプラインであるが、そ
の伝送路電極と対向する電極が充分に広いアース
となつている点が異なる場合の動作を示すもので
ある。第22図aにおいて伝送路電極287が充
分に広いアース電極288と対向し、電圧eを発
生する信号源289によつてドライブされ、伝送
路の先端におけるオープン端子に定在波電圧eA
励起されるものとし、その電圧分布係数をKとま
る。一方、アース電極288には仮想的に電圧分
布係数Kを有する定在波電圧eBが発生するものと
仮定すると、伝送路電極287とアース電極28
8が対向する任意の部分における電位差Vは V=KeA−KeB ……(17) で表わされる。しかし、アース電極288におけ
る定在波電圧eBは一様にアース電位(零電位)で
あり eB=O ……(18) となる。従つてアース電極288には電圧分布係
数も存在しない。その結果、電位差Vは V=KeA ……(19) となる。これによつて、伝送路電極287とアー
ス電極288の間に分布キヤパシタを形成するこ
とは可能である。しかしながら、伝送路電極28
7はアース電極288と近接して対向しているた
め、相互誘導作用によつて伝送路電極287にお
ける両先端がほとんどシヨート状態になつたもの
と等価になる。そのため伝送路電極287におけ
るインダクタ成分のQ性能を著しく劣化させるこ
とになる。すなわち、このマイクストリツプライ
ンは第22図bに示すように等価損失抵抗290
を含む集中定数インダクタ291および集中定数
キヤパシタ292それぞれより成る並列共振回路
を形成する。ここで等価損失抵抗290は実際に
は相当大きな抵抗値を有するものになるため、共
振回路における損失が非常に大きくなる。従つ
て、同調器としては明らかにQ性能が非常に低下
したものしか実現できず、実際的には実用に適す
るものではない。
第23図は従来において最も多く使用されてい
るλ/4共振器の回路構成を示し、その伝送路に
おける先端条件および伝送路の長さの設定と、更
にアースの設定におけるそれぞれの点で本発明の
同調器と全く異なることを示すものである。第2
3図において平衡モード伝送路電極293および
294は、その電気長lが共振周波数における
λ/4に等しく設定され、かつ先端がシヨートさ
れている。そして電圧eを発生する平衡信号29
5によつて、それぞれの伝送路電極が平衡モード
でドライブされているものとする。アース端子は
平衡信号源295の中性点に設定され、特に伝送
路電極におけるいずれかの端子にアースを設定す
るものではない。この場合における伝送路の端子
に発生する等価的な端子リアクタンスXは、伝送
路の特性インピーダンスをZOとすると X=ZOtanθ ……(20) となる。ここで特性インピーダンスZOは第9式に
おいて示したものと同じものであり、またθにつ
いても第10式において示したものと同じものであ
る。この共振器では伝送路の電気長lを l=λ/4 ……(21) としているので θ=π/2 ……(22) である。従つて第20式における端子リアクタンス
Xは X=ZOtanπ/2=∞ ……(23) となり、等価的に並列共振特性を得ることができ
るものである。しかしながら、このλ/4共振器
における構成を本発明の同調器における構成と比
較すると、まず伝送路の端子条件についてみると
本発明の同調器においてはオープン状態であるの
に対して、従来のλ/4共振器においてはシヨー
ト状態であり、従つて端子条件において全く異な
る構成であることが明らかである。更に伝送路の
電気長lの設定についてみると、本発明の同調器
においては同調周波数のλ/4以下に設定するも
のであり実際的にはλ/16程度の非常に短いもの
に設定して構成するものであるが、従来のλ/4
共振器においては厳密に共振周波数のλ/4に設
定するものであり、従つて伝送路の電気長lの設
定において根本的に異なる構成であることも明ら
かである。また、構成における伝送路の電気長l
の異いに起因して、両者において同一の同調周波
数もしくは共振周波数に設計しても、本発明の同
調器においては小型化することができるが、λ/
4共振器においては非常に長い伝送路を設ける必
要があり大型化する不都合があつた。従来のλ/
4共振器を小型化する目的で誘電率の非常に大き
な誘電体を介在させて伝送路の長さを短縮化した
ものもみられるが、それに用いる誘電率の高い誘
電体は一般に誘電体損失tanδが非常に大きく、従
つて共振器としてのQ性能が著しく低下する不都
合があつた。更に、誘電率の高い誘電体における
誘電率の温度依存性は一般に大きく、従つて共振
周波数の安定性を確保することが困難である不都
合もあつた。
次に、本発明の同調器における性能の優秀性を
明らかにするために、従来の同調器における性能
と比較した実験結果を示して説明する。第24図
は同調周波数の温度依存性を測定した実験結果を
表すグラフである。そして第25図は共振Qの温
度依存特性を測定した実験結果を表すグラフであ
る。第24図および第25図において、特性(A)は
本発明における同調器の温度依存性であり、誘電
体としてアルミナセラミツク材もしくは樹脂系プ
リント回路基板を使用した場合の実験結果であ
る。一方、特性(B)は第2図において示すような、
従来において最も多く用いられていた同調器にお
ける温度依存特性である。これらの実験結果か
ら、本発明の同調器においては一般的な誘電体を
用いて構成したものでもその同調周波数は極めて
安定であり、更に共振Qが高く、かつ安定である
ことが明らかである。一方、従来の同調器におい
ては、インダクタを構成するフエライト材のコア
における透磁率μとQの根本的な不安定性、およ
びコイル部分の膨張と収縮によるインダクタンス
の変化がそれぞれ原因して、同調周波数と共振Q
の安定性を確保することが困難であつた。それに
よつて、他の温度補償部品もしくは他の自動安定
化補償回路を付加して不安定性を補つていた。
次に第5図に示す同調装置に用いる第6図に示
す同調器を構成する副同調器54の同調周波数の
調整について第15図に示す実施例を代表してそ
の動作を説明する。まずインダクタは第15図a
に示すスパイラル形状電極89によつて形成され
る。次にキヤパシタは第14図aないしcに示す
スパイラル形状電極89と90の間に存在する誘
電体88によつて発生する分布キヤパシタンスに
よつて形成される。次に第26図にこの副同調器
の動作等価回路を示して説明する。第26図aの
100はインダクタを形成するスパイラル形状電
極と等価な伝送路であり、101は100のイン
ダクタ形成電極と共に作用して分布キヤパシタ1
02を形成させるスパイラル形状電極と等価な伝
送路である。ここでスパイラル形状電極101の
アースポイントはインダクタを形成するスパイラ
ル形状電極100のアースポイントとは逆方向側
に設定されているため、第26図bに示すように
スパイラル形状電極101のインダクテイブ成分
は打消されてアース面103と等価になりインダ
クタのスパイラル形状電極104と対向して分布
キヤパシタ105を形成する。これを分布定数回
路で示したものが第26図cであり、分布インダ
クタ106と分布キヤパシタ107による分布定
数回路を形成する。ここでアースとなる分布キヤ
パシタ電極108の任意の電極部位109でカツ
トすることにより、また分布インダクタ106の
任意の電極部位110でカツトすることによつて
分布キヤパシタンス107と分布インダクタンス
106のそれぞれの値を任意に変化させることが
可能である。第26図dはこれを集中定数等価回
路で示したもので可変インダクタ111と可変キ
ヤパシタ112の並列共振回路を形成することに
なる。
この同調器のインダクタが有するインダクタは
スパイラル形状電極の捲回数もしくは電極長さに
よつて任意に設計することができる。一方、分布
キヤパシタのキヤパシタンスは対向するスパイラ
ル形状電極の対向面積と誘電体の誘電率εおよび
厚みによつて任意に設計することができる。この
分布キヤパシタンスの形状について第27図と共
に説明する。対向するスパイラル形状電極の伝送
路等価長さをlとし、この伝送路等価長さlは使
用する誘電率εによつて定まる波長短縮率1/√
εを考慮した動作周波数におけるλ/4長よりも
短いものに設計する。このλ/4長に対する伝送
路等価長さlの割合いを任意に設計することによ
りキヤパシテイブリアクタンスXCの値を任意に
設計することが可能である。このキヤパシテイブ
リアクタンスXCと動作周波数Oによつてキヤパ
シタンスC=1/2πOXCが得られる。
今この伝送路等価長さlを伝送路等価長さl′に
短縮するとキヤパシテイブリアクタンスXCはキ
ヤシテイブリアクタンスXC′に変化する。このキ
ヤパシテイブリアクタンスXC′と動作周波数O
よつてキヤパシタンスC′=1/2πOXC′が得ら
れ、C′<Cとなつてキヤパシタンスを可変でき
る。このキヤパシタンスCを有するキヤパシタが
第26図dに示す可変キヤパシタ112と等価で
ある。ここでアースとなるキヤパシタ電極を形成
するスパイラル形状電極〔第15図cにおけるス
パイラル形状電極90〕の長さは、以上の説明に
おいてインダクタ電極を形成するスパイラル形状
電極〔第15図aにおけるスパイラル形状電極8
9〕と同じ長さとしたが、第11図の実施例にお
いて説明したようにインダクタ電極長さよりも短
い範囲で任意の長さに設計しても良く、またイン
ダクタ電極と対向する任意の位置に形成しても所
要の目的は達成できる。
第28図、第29図、第30図、第31図に第
15図に示す実施例を代表して可変キヤパシタと
可変インダクタの調整可変の様子を示す。第28
図、第29図はキヤパシタ電極のカツトによつて
可変キヤパシタを調整するモードの説明図であ
り、第28図に示すようにオープン端子を起点と
するカツト位置までの電極長さを電極カツト量d
とし、それに対する分布キヤパシタンスC、分布
インダクタンスL、および自己共振周波数Oの関
係は第29図のようなる。すなわち、電極カツト
量dの増大に対して分布キヤパシタンスCは減少
するが分布インダクタンスLは不要である。それ
にしたがつて自己共振周波数Oは高くなる。一
方、第30図、第31図はインダクタ電極のカツ
トによつて可変インダクタと可変キヤパシタを同
時に調整するモードの説明図であり、第30図に
示すようにオープン端子を起点とするカツト位置
までの電極長さを同じく電極カツト量dとし、そ
れに対する分布インダクタL、分布キヤパシタ
C、および自己共振周波数Oの関係は第31図の
ようになる。すなわち、電極カツト量dの増大に
対して分布インダクタンスLと分布キヤパシタン
スCは共に減少し、それにしたがつて自己共振周
波数Oは高くなる。
ここで電極をカツトする方法としてはレーザカ
ツターサンドブラスター等の調整時において同調
周波数に影響を与えない非接触カツト手段を用い
ると良い。
次に以上のように構成された実施例の同調器の
同調周波数を調整する別の方法について第15図
に示す実施例を代表して以下その動作を説明す
る。第32図aの113はインダクタを形成する
スパイラル形状電極と等価な伝送路であり、11
4は113はインダクタ形成電極と共に作用して
分布キヤパシタ115を形成させるスパイラル形
状電極と等価な伝送路である。ここで、伝送路電
極114のアースポイントは任意の電極部位11
6に設定されるため、第32図bに示すようにア
ースポイント117から電極114のアース側に
至る対向部のインダクテイブ成分は打消されてア
ース面118と等価になりインダクタを形成する
伝送路電極119と対向して分布キヤパシタ12
0を形成する。
これを分布定数回路で示したのが第32図cで
あり、分布インダクタ121と分布キヤパシタ1
22による分布定数回路を形成する。ここでアー
スとなる分布キヤパシタ電極123の電極端12
4を任意に調整することにより分布キヤパシタ1
22の値を任意に可変することが可能である。第
32図dはこれを集中定数等価回路で示したもの
で、インダクタ125と可変キヤパシタ126の
並列共振回路を形成することになる。また第33
図にこの同調器の別の動作等価回路を示して説明
する。第33図aの127はインダクタを形成す
る伝送路電極であり、任意の電極部位128をア
ース端子とし、129は電極127と共に作用し
て分布キヤパシタ130を形成する伝送路電極で
ある。これは第33図bに示すようにインダクタ
としてはアース端子を131とする伝送路132
のみが寄与することになり、伝送路132と対向
する部分のアース電極133との間の分布キヤパ
シタ134のみが形成される。これを分布定数回
路で示したのが第33図cであり、分布インダク
タ135と分布キヤパシタ136による分布定数
回路を形成する。ここでアースとなる分布インダ
クタ電極135の電極端138を任意に調整する
ことにより、分布インダクタ135および分布キ
ヤパシタ136の値を任意に同時に可変すること
が可能となる。第33図dはこれを集中定数等価
回路で示したもので、可変インダクタ139と可
変キヤパシタ140の並列共振回路を形成するこ
とになる。
第34図、第35図、第36図、第37図に第
15図に示す実施例を代表して可変キヤパシタと
可変インダクタの調整可変の様子を示す。第34
図、第35図はキヤパシタ電極のアース端子位置
の調整によつて可変キヤパシタを調整するモード
の説明図であり、第34図に示すようにオープン
端子141を起点とするアース端子位置までの電
極長さを電極有効長dとし、それに対する分布キ
ヤパシタンスCと、分布インダクタL、および自
己共振周波数Oの関係は第35図のようになる。
すなわち、電極有効長dの増大に対して分布キヤ
パシタンスCは増大するが分布インダクタンスL
は不変である。それにしたがつて自己共振周波数
Oは低くなる。一方、第36図、第37図はイン
ダクタ電極のアース端子位置の調整によつて可変
インダクタと可変キヤパシタを同時に調整するモ
ードの説明図であり、第36図に示すようにオー
プン端子142を起点とするアース端子位置まで
の電極長さを同じく電極有効長dとし、それに対
する分布インダクタL、分布キヤパシタC、およ
び自己共振周波数Oの関係は第37図のようにな
る。すなわち電極有効長dの増大に対して分布イ
ンダクタンスLと分布キヤパシタンスCは共に増
大し、それにしたがつて自己共振周波数Oは低く
なる。
以上に説明した構成と動作により所要の目的を
達成するものであるが、その構成の有効性を他の
電極構成にした場合と簡単に比較する。可変イン
ダクタを形成するスパイラル形状電極は上記の説
明のものと同様として、まず可変キヤパシタを形
成するスパイラル形状電極をスパイラル形状とせ
ずに全面アース電極とした場合は可変インダクタ
のQ性能が著しく低下して実用性はなくなる。次
に可変キヤパシタを形成するスパイラル形状電極
をスパイラル形状としてもアースポイントを可変
インダクタを形成するスパイラル形状電極と同方
向側に設定すると、両者は単一の可変インダクタ
として作用するのみで分布キヤパシタンスを形成
することは不可能となり所要の目的は達成できな
い。
以上のように本実施例の特徴としてインダクタ
電極をキヤパシタ電極と共用したこと、およびア
ースとなるキヤパシタ電極のインダクタンス成分
を打消したことにより可変インダクタと可変キヤ
パシタの一体化を実現している。
第38図に第15図の実施例および第17図な
いし第36図、第37図で説明した同調周波数の
調整を行なう同調器を代表して用いた本発明の同
調装置の構成実施例を示す。単層もしくは多層の
回路基板150を介して同調器151,152,
153および154(裏面電極もしくは中間層電
極は図示せず)がそれぞれ分散設置され、同調器
151および152は他の回路要素155を介し
て接続され、また同調器153および154は直
接接続されている。更に同調器152および15
4は他の回路要素156を介して接続されてい
る。ここで他の回路要素155,156としては
例えば増巾回路、発振回路、混合回路、変調回
路、復調回路、検波回路などが設置される。いう
までもなくそれぞれの同調器151,152,1
53および154と他の回路要素155および1
56の設置位置は回路基板150に対して任意に
設定することが可能であり、また同調器および他
の回路要素の設置個数も任意に設定することが可
能である。更にそれぞれの同調器151ないし1
54の同調周波数の調整は各々独立に設定するこ
とも可能である。それぞれの同調器151ないし
154の電極材料としては金属導体もしくは印刷
導体もしくは薄膜導体を使用することができ、更
に対向するそれぞれの電極をそれぞれ異種の導体
で形成しても良い。またそれらの電極は第17図
の実施例に示すように回路基板の表面のみならず
その内部に設置してもよく、多層回路基板の中間
層にも設置することもできる。ここで回路基板1
50としてはアルミナセラミツク、プラスチツ
ク、テフロン、ガラス、マイカ等を用いることが
できる。それぞれの同調器151ないし154の
形成方法としては、金属導体を用いた場合は回路
基板150に一括接着し、一方印刷導体もしくは
薄膜導体を用いた場合は他の回路パターン形成と
同時に一括印刷処理することが可能である。それ
ぞれの同調器151ないし154に他の可変リア
クタンス素子(図示せず)を接続してそれぞれの
同調周波数の変化を関連づけるようにする。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明は電圧
可変キヤパシタのキヤパシタンス変化範囲をそれ
ぞれの同調器に対して独立にかつ任意に調整する
ように構成し、更に可変キヤパシタ電極と共用し
た可変インダクタ電極を誘電体回路基板を介して
インダクタ成分を打消したアースとなる可変キヤ
パシタ電極と近接して対向設置させた構成の同調
器を形成すると共にそれぞれの同調器の電極をカ
ツトもしくはアース端子位置の調整によつて同調
周波数を任意に設定するようにしているので 目的とする周波数に収れんさせる調整を短時
間で完了することができ、トラツキング調整の
スピードアツプが計れる。
それぞれの同調器を構成する部品のバラツキ
や、共通の制御電圧源の電圧のバラツキを補償
することができ、完全なトラツキング性能を実
現することができる。
同調回路に用いるインダクタは固定定数のも
のが使用できるので同調周波数の温度依存性が
小さく、また機械的振動に対しても安定な同調
装置が実現できる。
電圧可変キヤパシタの調整は直流電圧ライン
にある電圧調整器によつて行われるので遠隔調
整が可能となり、同調器に与える調整時の高周
波的妨害を階無にすることができて調整精度を
向上させることが可能である。
同調器をモジユール化でき機械的可動部品が
皆無となるので調整後の同調周波数は適めて安
定であり、特に機械的振動による同調周波数の
ずれを極小にできる。
可変インダクタと可変キヤパシタがリードレ
スで接続されるのでリードインダクタンスやス
トレーキヤパシタの影響がなくなり、従つて調
整後の回路動作が極めて安定になる。
同調器の同調周波数調整に電極カツト法を用
いる場合には非接触調整手段を用いることがで
きるので同調手段に影響を与えずに同調装置の
調整処理ができる。
またアース端子位置調整法を用いる場合には
電極の非破壊調整手段を用いることができるの
で同調装置の同調周波数をくり返し上下調整処
理ができる。
同調装置の同調周波数トリミングスピードが
速くなる等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は基本的な同調器の回路図、第2図およ
び第3図は従来の同調器における構成を示す斜視
図、第4図は従来の同調装置の回路図、第5図は
本発明の実施例における同調装置の回路図、第6
図は実施例における同調装置の同調器と電圧調整
器を代表的に示した回路図、第7図は実施例に用
いる電圧可変キヤパシタの一般的な電圧対キヤパ
シタンス特性図、第8図ないし第17図は実施例
における同調装置に用いる同調器の構成図であり
それぞれにおいてaは表面図、bは側面図および
cは裏面図、第18図a〜e、第19図a,b、
第20図は本発明の動作原理を示す説明図、第2
1図a〜d、第22図a,b、第23図は従来の
同調器における動作原理を示す説明図、第24
図、第25図は本発明と従来の同調器の温度変化
に対する同調周波数と共振Qの特性図、第26図
ないし第33図および第34図ないし第37図は
実施例の同調装置に用いる同調器の調整可変モー
ドの説明図、第38図は本発明の一実施例におけ
る同調装置の構成図である。 13,19,27,32,151〜154……
同調器、39……シンセサイザ式局部発振器、4
1,42,53……電圧調整器、54……副同調
器、55,62,69,76,79,82,8
5,88,91,94,150……誘電体基板、
56,57,63,64,70,71,77,7
8,80,81,83,84,86,87,8
9,90,92,93,95,96……可変イン
ダクタ用もしくは可変キヤパシタ用電極、50,
51……電圧調整用トリマレジスタ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 誘電体を介して対向設置するかもしくは誘電
    体の表面で並設する電極それぞれのアースに接続
    する端子が互いに対向しない相異対向位置関係と
    なるように設定した同調器を複数個設け、上記そ
    れぞれの同調器における所定の電極の所定の位置
    に電圧可変リアクタンス素子を接続して可変同調
    器とし、上記それぞれの同調器において所定の電
    極における所定の電極部分を切開するかもしくは
    アースに接続する端子を所定の電極部位に設定し
    て調整すると共に、上記電圧可変リアクタンス素
    子に供給する制御電圧を制御する電圧調整器を設
    置し、上記それぞれの可変同調器における可変同
    調周波数範囲において高い同調周波数で上記の同
    調器を調整した場合は低い同調周波数で上記の電
    圧調整器を調整し、反対に高い同調周波数で上記
    の電圧調整器を調整した場合は低い同調周波数で
    上記の同調器を調整することを特徴とする同調装
    置。 2 電極として少なくとも一個所以上の所定の屈
    曲角もしくは屈曲率および所定の屈曲方向を示す
    屈曲部を有するものを用いた特許請求の範囲第1
    項記載の同調装置。 3 電極としてスパイラル形状を有するものを用
    いた特許請求の範囲第1項記載の同調装置。 4 一方の電極における長さを他方の電極におけ
    る長さよりも任意に短かく設定し、かつ所定の部
    分で対向設置もしくは並設させた特許請求の範囲
    第1項ないし第3項のいずれかに記載の同調装
    置。 5 誘電体の内部においてそれぞれの電極もしく
    は所定の片側の電極における部分もしくは全部を
    設置した特許請求の範囲第1項ないし第4項のい
    ずれかに記載の同調装置。 6 それぞれの同調器の誘電体として共通の回路
    基板を用いた特許請求の範囲第1項ないし第5項
    のいずれかに記載の同調装置。 7 それぞれの電圧可変リアクタンス素子に対し
    て電圧調整器を介して共通の電圧供給源における
    出力電圧を供給する特許請求の範囲第1項ないし
    第6項のいずれかに記載の同調装置。
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