JPH0459867B2 - - Google Patents
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- JPH0459867B2 JPH0459867B2 JP59151537A JP15153784A JPH0459867B2 JP H0459867 B2 JPH0459867 B2 JP H0459867B2 JP 59151537 A JP59151537 A JP 59151537A JP 15153784 A JP15153784 A JP 15153784A JP H0459867 B2 JPH0459867 B2 JP H0459867B2
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Landscapes
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は加工卵黄に係り、詳しくは改良された
使用特性、例えば耐熱性、を有する新規な加工卵
黄に関するものである。 従来の技術 卵黄はその乳化性のゆえに天然に存在する優れ
た乳化剤ともいわれている。従来、乳化剤として
の観点からこの卵黄の耐熱性、耐冷凍性などの物
理的性質(本発明において使用特性という)を改
善することを目的とし、種々の試みがなされてき
た。例えば、プレテアーゼにより卵黄を部分的に
加水分解するという試みがある(特開昭55−
13005号公報)。 発明が解決しようとする問題点 上記の試みにより得られた加工卵黄、即ち部分
加水分解卵黄は、乳化性、耐冷凍性、耐熱性など
の点である程度の改善が認められたが、未だ充分
に満足しうる程度まで改善されたものではなかつ
た。 ここにおいて耐冷凍性あるいは耐熱性とは、部
分加水分解卵黄自体のみならず、このような卵黄
を具体的に乳化剤として用いた乳化食品を含めて
これらが冷凍によつて、あるいは高温での加熱に
よつてもその乳化状態が崩れにくい性質を示して
いるが、使用特性の観点からは耐熱性の方が一般
的に重要視されている。 よつて、本発明の目的は、卵黄をプロテアーゼ
処理しただけの加工卵黄に比べ乳化性、耐冷凍
性、耐熱性等の使用特性の点で一段と優れた新規
な加工卵黄を提供することにある。 問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の目的に即して鋭意研究を重
ねた結果、プロテアーゼで部分的に加水分解し、
かつ食塩を添加して加工をした卵黄は、従来のプ
ロテアーゼ処理しただけの加工卵黄よりも上記し
たような使用特性に関して一段と優れたものであ
ることを見い出し、本発明に到達した。 本発明は、プロテアーゼ処理により部分的に加
水分解され、かつ食塩が添加されていることを特
徴とする加工卵黄を提供するものである。 本発明の加工卵黄は、プロテアーゼ処理により
部分的に加水分解されているものであるという点
では、従来のプロテアーゼ処理しただけの加工卵
黄(部分加水分解卵黄)と異なることはない。プ
ロテアーゼ処理の程度は部分加水分解卵黄が得ら
れる程度であることから、卵黄蛋白質が過多に分
解され、即ち、例えばプロテオーズ、ペプトン等
のオリゴペプタイドの単位にまで分解されて、そ
の結果熱凝固性を全く失うようになつたものは本
発明の加工卵黄には含まれない。 本発明の加工卵黄は更に食塩が添加されている
ものである。添加の割合は必ずしも限定的ではな
いが、耐熱性、その他の使用特性向上効果を実質
的に生じさせうる観点から、また、本発明の加工
卵黄を種々の食品の一原料として(乳化剤とし
て)使用する際のそれら食品の風味上の観点か
ら、全重量中1〜15%程度の範囲とするのが好ま
しい。更に保存性を考慮した観点からは8〜15%
程度が好ましいといえる。 本発明の加工卵黄は、一般的には例えば次のよ
うにして製造される。 加工原料の卵黄として卵黄液(生卵黄液以外の
卵黄、例えば乾燥状卵黄のときは水戻しをして生
卵黄液相当としたもの、また、凍結状卵黄のとき
は解凍したもの)を用い、好ましくは用いるプロ
テアーゼの至適PHに調整したのち下記の条件下で
プロテアーゼ処理して部分的に加水分解する。
尚、食塩の添加は、その添加量が前記の範囲内に
あつて、かつ添加後は充分に混和される限りこの
プロテアーゼ処理の前、処理中、あるいは処理後
のいずれの段階であつてもよい。処理前の添加の
場合に最終製品の耐熱性、その他の使用特性向上
効果は最も好ましく認められるので、処理の前の
添加が好ましいといえる。 プロテアーゼ処理条件: (イ) プロテアーゼ トリプシン、パパイン等、従来のいずれのプ
レテアーゼを用いてもよい。具体的には、プロ
レザー(天野製薬(株)製の細菌のプロテアーゼ)、
プロメンA(大和化成(株)製の細菌のプロテアー
ゼ)等を挙げることができる。 (ロ) プロテアーゼの使用量 卵黄液に対して0.05〜0.5%程度でよい。 尚、プロテアーゼを卵黄液に加えるに際し
て、添加すべき食塩の一部をプロテアーゼ量の
10〜30倍量の水で約3%程度の食塩水としたも
のに予定量のプロテアーゼを溶かして使用する
と混和がし易い等作業上便利である。 (ハ) プロテアーゼ処理温度及び処理時間 用いるプロテアーゼに依るが、一般的には液
温を25〜65℃にコントロールして3〜50時間酵
素処理を行えばよい。具体的には、トリプシン
を0.1%の割合で用いた場合は55℃×20時間の
程度で、また、パパインを0.1%の割合で用い
た場合は50℃×20時間の程度でよい。 (ニ) プロテアーゼによる部分加水分解処理の目安
処理液の粘度が、処理開始時の約3/4〜1/2程度
に低下しているのが認められる時点を部分加水
分解処理の目安とすればよい。 尚、この目安は食塩の添加の時点には依らず
適用されうる。 (ホ) プロテアーゼ処理後の処理 酵素処理が終了したときは、処理卵液を、用
いたプロテアーゼの失活温度にまで加熱したそ
の酵素の失活を計つておくのがよい。一般的に
は、60〜70℃で10〜20分間程度の加熱でよい。 尚、食塩の添加を酵素処理例に行う場合は、
予定量の食塩をこの失活後の時点で添加しても
何ら差し支えない。 こうして得られた本発明の加工卵黄はそのま
ま、例えば乳化剤として使用に供してもよいが、
また、例えば、重量を軽くして保存したときには
常法に準じて乾燥して乾燥品とすることも任意で
ある。 作 用 本発明の加工卵黄において添加された食塩が、
従来のプロテアーゼ処理しただけの加工卵黄に比
べて耐熱性その他の使用特性向上効果の点に関し
てどのような作用をしているのか定かでないが、
多分、食塩が卵黄蛋白質分子に近接して存在し、
この卵黄蛋白の水相系中への溶解を一層高めて卵
黄蛋白の乳化剤としての機能が一段と発揮できる
ように作用し、よつて、卵黄蛋白の乳化作用が外
部からの作用、例えば振動作用、熱作用、冷却作
用に対して提供され難くなるようにするのではな
いかと推定される。 発明の効果 本発明の加工卵黄は、従来のプロテアーゼ処理
しただけの加工卵黄と比べ耐熱性を初めとする使
用特性に関して一段と優れたものであり、よつて
卵黄を一原料とする食品、特に乳化食品に用いた
場合にその食品の乳化特性、その他の使用特性を
一段と改善する効果がある。 実施例 以下、本発明を実施例でもつて更に詳しく説明
する。尚、本発明において%および部はいずれも
重量基準である。 実施例 1および比較対照例 下記の配合割合の原料AおよびBを用い、以下
の通りにして本発明の加工卵黄を製造した。 原料A:生卵黄液 87.6部 食塩 9.9部 (両者を充分に混和したのちリン酸三ナトリウム
によつてPH7.0に調整した。) 原料B:トリプシン 0.1部 食塩 0.1部 清水 2.3部 (食塩水中にトリプシンを溶かし、充分に混和し
た。) 100.0部 まず、原料Aを55℃に加熱し、次いで撹拌下こ
のものに原料Bを加えて充分に混合した。混合後
品温を55℃に維持したまま20時間酵素処理をし
た。酵素処理後70℃で20分間加熱して酵素を失活
させ、直ちに5℃にまで冷却し、本発明の加工卵
黄を得た。 本発明の効果の一例を示すために対照として、
上記の方法において食塩を添加してない原料Aお
よびトリプシンのみからなる原料Bを用いたほか
はすべて同様にして対照の加工卵黄(従来のプロ
テアーゼ処理しただけのもの)を製造した。 尚、上記のようにして製造した本発明の加工卵
黄および対照の加工卵黄の製造過程中における粘
度はそれぞれ下記の通りであつた。
使用特性、例えば耐熱性、を有する新規な加工卵
黄に関するものである。 従来の技術 卵黄はその乳化性のゆえに天然に存在する優れ
た乳化剤ともいわれている。従来、乳化剤として
の観点からこの卵黄の耐熱性、耐冷凍性などの物
理的性質(本発明において使用特性という)を改
善することを目的とし、種々の試みがなされてき
た。例えば、プレテアーゼにより卵黄を部分的に
加水分解するという試みがある(特開昭55−
13005号公報)。 発明が解決しようとする問題点 上記の試みにより得られた加工卵黄、即ち部分
加水分解卵黄は、乳化性、耐冷凍性、耐熱性など
の点である程度の改善が認められたが、未だ充分
に満足しうる程度まで改善されたものではなかつ
た。 ここにおいて耐冷凍性あるいは耐熱性とは、部
分加水分解卵黄自体のみならず、このような卵黄
を具体的に乳化剤として用いた乳化食品を含めて
これらが冷凍によつて、あるいは高温での加熱に
よつてもその乳化状態が崩れにくい性質を示して
いるが、使用特性の観点からは耐熱性の方が一般
的に重要視されている。 よつて、本発明の目的は、卵黄をプロテアーゼ
処理しただけの加工卵黄に比べ乳化性、耐冷凍
性、耐熱性等の使用特性の点で一段と優れた新規
な加工卵黄を提供することにある。 問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の目的に即して鋭意研究を重
ねた結果、プロテアーゼで部分的に加水分解し、
かつ食塩を添加して加工をした卵黄は、従来のプ
ロテアーゼ処理しただけの加工卵黄よりも上記し
たような使用特性に関して一段と優れたものであ
ることを見い出し、本発明に到達した。 本発明は、プロテアーゼ処理により部分的に加
水分解され、かつ食塩が添加されていることを特
徴とする加工卵黄を提供するものである。 本発明の加工卵黄は、プロテアーゼ処理により
部分的に加水分解されているものであるという点
では、従来のプロテアーゼ処理しただけの加工卵
黄(部分加水分解卵黄)と異なることはない。プ
ロテアーゼ処理の程度は部分加水分解卵黄が得ら
れる程度であることから、卵黄蛋白質が過多に分
解され、即ち、例えばプロテオーズ、ペプトン等
のオリゴペプタイドの単位にまで分解されて、そ
の結果熱凝固性を全く失うようになつたものは本
発明の加工卵黄には含まれない。 本発明の加工卵黄は更に食塩が添加されている
ものである。添加の割合は必ずしも限定的ではな
いが、耐熱性、その他の使用特性向上効果を実質
的に生じさせうる観点から、また、本発明の加工
卵黄を種々の食品の一原料として(乳化剤とし
て)使用する際のそれら食品の風味上の観点か
ら、全重量中1〜15%程度の範囲とするのが好ま
しい。更に保存性を考慮した観点からは8〜15%
程度が好ましいといえる。 本発明の加工卵黄は、一般的には例えば次のよ
うにして製造される。 加工原料の卵黄として卵黄液(生卵黄液以外の
卵黄、例えば乾燥状卵黄のときは水戻しをして生
卵黄液相当としたもの、また、凍結状卵黄のとき
は解凍したもの)を用い、好ましくは用いるプロ
テアーゼの至適PHに調整したのち下記の条件下で
プロテアーゼ処理して部分的に加水分解する。
尚、食塩の添加は、その添加量が前記の範囲内に
あつて、かつ添加後は充分に混和される限りこの
プロテアーゼ処理の前、処理中、あるいは処理後
のいずれの段階であつてもよい。処理前の添加の
場合に最終製品の耐熱性、その他の使用特性向上
効果は最も好ましく認められるので、処理の前の
添加が好ましいといえる。 プロテアーゼ処理条件: (イ) プロテアーゼ トリプシン、パパイン等、従来のいずれのプ
レテアーゼを用いてもよい。具体的には、プロ
レザー(天野製薬(株)製の細菌のプロテアーゼ)、
プロメンA(大和化成(株)製の細菌のプロテアー
ゼ)等を挙げることができる。 (ロ) プロテアーゼの使用量 卵黄液に対して0.05〜0.5%程度でよい。 尚、プロテアーゼを卵黄液に加えるに際し
て、添加すべき食塩の一部をプロテアーゼ量の
10〜30倍量の水で約3%程度の食塩水としたも
のに予定量のプロテアーゼを溶かして使用する
と混和がし易い等作業上便利である。 (ハ) プロテアーゼ処理温度及び処理時間 用いるプロテアーゼに依るが、一般的には液
温を25〜65℃にコントロールして3〜50時間酵
素処理を行えばよい。具体的には、トリプシン
を0.1%の割合で用いた場合は55℃×20時間の
程度で、また、パパインを0.1%の割合で用い
た場合は50℃×20時間の程度でよい。 (ニ) プロテアーゼによる部分加水分解処理の目安
処理液の粘度が、処理開始時の約3/4〜1/2程度
に低下しているのが認められる時点を部分加水
分解処理の目安とすればよい。 尚、この目安は食塩の添加の時点には依らず
適用されうる。 (ホ) プロテアーゼ処理後の処理 酵素処理が終了したときは、処理卵液を、用
いたプロテアーゼの失活温度にまで加熱したそ
の酵素の失活を計つておくのがよい。一般的に
は、60〜70℃で10〜20分間程度の加熱でよい。 尚、食塩の添加を酵素処理例に行う場合は、
予定量の食塩をこの失活後の時点で添加しても
何ら差し支えない。 こうして得られた本発明の加工卵黄はそのま
ま、例えば乳化剤として使用に供してもよいが、
また、例えば、重量を軽くして保存したときには
常法に準じて乾燥して乾燥品とすることも任意で
ある。 作 用 本発明の加工卵黄において添加された食塩が、
従来のプロテアーゼ処理しただけの加工卵黄に比
べて耐熱性その他の使用特性向上効果の点に関し
てどのような作用をしているのか定かでないが、
多分、食塩が卵黄蛋白質分子に近接して存在し、
この卵黄蛋白の水相系中への溶解を一層高めて卵
黄蛋白の乳化剤としての機能が一段と発揮できる
ように作用し、よつて、卵黄蛋白の乳化作用が外
部からの作用、例えば振動作用、熱作用、冷却作
用に対して提供され難くなるようにするのではな
いかと推定される。 発明の効果 本発明の加工卵黄は、従来のプロテアーゼ処理
しただけの加工卵黄と比べ耐熱性を初めとする使
用特性に関して一段と優れたものであり、よつて
卵黄を一原料とする食品、特に乳化食品に用いた
場合にその食品の乳化特性、その他の使用特性を
一段と改善する効果がある。 実施例 以下、本発明を実施例でもつて更に詳しく説明
する。尚、本発明において%および部はいずれも
重量基準である。 実施例 1および比較対照例 下記の配合割合の原料AおよびBを用い、以下
の通りにして本発明の加工卵黄を製造した。 原料A:生卵黄液 87.6部 食塩 9.9部 (両者を充分に混和したのちリン酸三ナトリウム
によつてPH7.0に調整した。) 原料B:トリプシン 0.1部 食塩 0.1部 清水 2.3部 (食塩水中にトリプシンを溶かし、充分に混和し
た。) 100.0部 まず、原料Aを55℃に加熱し、次いで撹拌下こ
のものに原料Bを加えて充分に混合した。混合後
品温を55℃に維持したまま20時間酵素処理をし
た。酵素処理後70℃で20分間加熱して酵素を失活
させ、直ちに5℃にまで冷却し、本発明の加工卵
黄を得た。 本発明の効果の一例を示すために対照として、
上記の方法において食塩を添加してない原料Aお
よびトリプシンのみからなる原料Bを用いたほか
はすべて同様にして対照の加工卵黄(従来のプロ
テアーゼ処理しただけのもの)を製造した。 尚、上記のようにして製造した本発明の加工卵
黄および対照の加工卵黄の製造過程中における粘
度はそれぞれ下記の通りであつた。
【表】
こうして得られた加工卵黄の両者を実際にマヨ
ネーズの製造における乳化剤としてそれぞれ用
い、得られた二種類のマヨネーズ製品に関して使
用特性の代表的なものとして耐熱性を各々調べ
た。その際のマヨネーズの製法、耐熱性試験法お
よび耐熱性試験の結果は以下の通りであつた。 マヨネーズの製法: 下記の配合割合の原料のうち大豆サラダ油を
除いたすべての原料をミキサー中で撹拌混合
後、このものに大豆サラダ油を注加して粗乳化
させ、次いでこの粗乳化物を更にコロイドミル
(クリアランス:12/1000インチ)に通して微細
乳化して二種類のマヨネーズを試作した。配合原料 部 大豆サラダ油 80.0 乳化剤(加工卵黄) 2.5 食 酢(酸度8%のモルト酢) 4.0 清 水 5.5 卵白液 5.0 砂 糖 1.0 食 塩 1.0 辛子粉 1.0 100.0 耐熱性試験法: 試作したマヨネーズの各10gを5mmの厚さで
紙上に塗布し、この塗布物を次いで庫内温度
が160℃のオーブン中に入れ、そのまま4分間
保持した後オーブンから取り出し、紙上に残
つたものの重量を測定した。加熱によりサラダ
油分がマヨネーズから分離するこの油分は紙
から漏れ出る。この場合加工卵黄の耐熱性が強
いと紙上の残存量が多くなる。 耐熱性試験の結果乳化剤 未分離による残存量(当 初重量に対する割合) 本発明の加工卵黄 8.0g(80%) 対照の加工卵黄 6.0g(60%) 尚、参考のために乳化剤として加工卵黄を用
いず、これに代えて卵黄液を同じ割合で使用し
て作つたマヨネーズは、上記耐熱性試験の結果
その残存量は3.5g(当初重量に対する割合は
35%)にすぎなかつた。 実施例 2 上記実施例1において、トリプシンに代えて
パパインを同量用い、酵素処理条件を50℃で20
時間とした他はすべて同様にして本発明の加工
卵黄を製造した。
ネーズの製造における乳化剤としてそれぞれ用
い、得られた二種類のマヨネーズ製品に関して使
用特性の代表的なものとして耐熱性を各々調べ
た。その際のマヨネーズの製法、耐熱性試験法お
よび耐熱性試験の結果は以下の通りであつた。 マヨネーズの製法: 下記の配合割合の原料のうち大豆サラダ油を
除いたすべての原料をミキサー中で撹拌混合
後、このものに大豆サラダ油を注加して粗乳化
させ、次いでこの粗乳化物を更にコロイドミル
(クリアランス:12/1000インチ)に通して微細
乳化して二種類のマヨネーズを試作した。配合原料 部 大豆サラダ油 80.0 乳化剤(加工卵黄) 2.5 食 酢(酸度8%のモルト酢) 4.0 清 水 5.5 卵白液 5.0 砂 糖 1.0 食 塩 1.0 辛子粉 1.0 100.0 耐熱性試験法: 試作したマヨネーズの各10gを5mmの厚さで
紙上に塗布し、この塗布物を次いで庫内温度
が160℃のオーブン中に入れ、そのまま4分間
保持した後オーブンから取り出し、紙上に残
つたものの重量を測定した。加熱によりサラダ
油分がマヨネーズから分離するこの油分は紙
から漏れ出る。この場合加工卵黄の耐熱性が強
いと紙上の残存量が多くなる。 耐熱性試験の結果乳化剤 未分離による残存量(当 初重量に対する割合) 本発明の加工卵黄 8.0g(80%) 対照の加工卵黄 6.0g(60%) 尚、参考のために乳化剤として加工卵黄を用
いず、これに代えて卵黄液を同じ割合で使用し
て作つたマヨネーズは、上記耐熱性試験の結果
その残存量は3.5g(当初重量に対する割合は
35%)にすぎなかつた。 実施例 2 上記実施例1において、トリプシンに代えて
パパインを同量用い、酵素処理条件を50℃で20
時間とした他はすべて同様にして本発明の加工
卵黄を製造した。
Claims (1)
- 1 プロテアーゼ処理により部分的に加水分解さ
れ、かつ食塩が添加されていることを特徴とする
加工卵黄。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15153784A JPS6131065A (ja) | 1984-07-21 | 1984-07-21 | 加工卵黄 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15153784A JPS6131065A (ja) | 1984-07-21 | 1984-07-21 | 加工卵黄 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6131065A JPS6131065A (ja) | 1986-02-13 |
JPH0459867B2 true JPH0459867B2 (ja) | 1992-09-24 |
Family
ID=15520677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15153784A Granted JPS6131065A (ja) | 1984-07-21 | 1984-07-21 | 加工卵黄 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6131065A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06104047B2 (ja) * | 1986-05-22 | 1994-12-21 | キユーピー株式会社 | ウニ添加用の増量材及びその製法 |
US20090246319A1 (en) | 2008-03-31 | 2009-10-01 | Kraft Foods Holdings, Inc. | Process And Formulation For Making An Egg Product With Increased Functionality And Flavor |
JP5869838B2 (ja) * | 2010-10-22 | 2016-02-24 | キユーピー株式会社 | 加工卵黄含有液の製造方法、加工卵黄含有液の冷凍品、食品の製造方法およびおにぎりの製造方法 |
CA3018403A1 (en) * | 2018-09-24 | 2020-03-24 | William A. Perrin | Hydrolysed phospholipid composition and method of making the same |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56137843A (en) * | 1980-03-31 | 1981-10-28 | Q P Corp | Liquid egg yolk composition |
-
1984
- 1984-07-21 JP JP15153784A patent/JPS6131065A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56137843A (en) * | 1980-03-31 | 1981-10-28 | Q P Corp | Liquid egg yolk composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6131065A (ja) | 1986-02-13 |
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Legal Events
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