JPH0455127B2 - - Google Patents

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JPH0455127B2
JPH0455127B2 JP14736585A JP14736585A JPH0455127B2 JP H0455127 B2 JPH0455127 B2 JP H0455127B2 JP 14736585 A JP14736585 A JP 14736585A JP 14736585 A JP14736585 A JP 14736585A JP H0455127 B2 JPH0455127 B2 JP H0455127B2
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sio
silica sol
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weight
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Yoshitane Watabe
Mikio Ando
Tsutomu Kagamya
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Nissan Chemical Corp
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Nissan Chemical Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、極小粒子径シリカゾルの製造方法の
改良に関する。
本発明の極小粒子径シリカゾルのコロイド粒子
は、アナリテイカルケミストリー(Amalytical
chemistry)第28巻第12号(1956年)第1981頁に
記載のシアーズ(Sears)滴定法によつてその径
が3〜7mμと測定される。このシリカゾルは活性
が高いために、その性質が利用される種々の用
途、例えば、金属表面処理剤、接着剤、結合剤、
抄紙工程における填料保持剤、繊維処理剤等に用
いられる。
従来の技術 電子顕微鏡によつて測定される粒子径が5〜
10mμである小粒子径シリカゾルの製造法として
は、米国特許第3711419号明細書に、SiO21〜7
重量%のアルカリ金属シリケート水溶液に粒子径
2mμ以下の2〜14重量%の酸性シリカゾルを25〜
35℃、25〜50℃、50〜90℃及び70〜100℃で分割
添加し、水を蒸発させることによりSiO2濃度19
〜36重量%のシリカゾルを得る方法が示されてい
る。
電子顕微鏡によつて測定される粒子径が5〜
10mμである小粒子径シリカゾルの他の方法とし
て、特開昭38−110416号公報に酸性のシリカゾル
水溶液を陰イオン交換樹脂で処理することにより
得られる活性な中性シリカゾル水溶液を70℃以上
でアルカリ水溶液に、1分間当りに加えられる
SiO2とアルカリ水溶液中のアルカリとのモル比
SiO2/R2Oが10以下となる速度で加え、限外過
去で濃縮することによりシリカゾルを得る方法が
示されている。
粒子径が2〜5mμである極小粒子径シリカゾル
の製造法としては、米国特許第3714064号明細書
に、アルカリ金属シリケート水溶液に粒子径5mμ
以下のSiO25〜10重量%の酸性シリカゾルを66℃
以下で水を蒸発させながら添加することにより
SiO2濃度10〜25重量%のシリカゾルを得る方法
が示されている。
発明が解決しようとする問題点 上記米国特許第3711419号明細書に記載の方法
及び米国特許第3714064号明細書に記載の方法で
は、高濃度シリカゾルを得るための濃縮に水の蒸
発法が用いられ、多大の熱エネルギーを要し工業
的生産方法として効率的でない。上記特開昭58−
110416号公報に記載の方法では、水の蒸発のため
の熱エネルギーは要しないが、酸性のシリカゾル
を陰イオン交換樹脂で処理する工程を要し、また
この方法で得られたシリカゾルの安定性も充分で
ない。上記米国特許第3714064号明細書に記載の
方法により得られたシリカゾルも高濃度では安定
性が充分でない。
シリカゾルは一般に、SiO2濃度が高い程、ま
た、粒子径が小さい程安定性に乏しくなる。シリ
カゾルの粒子径が7〜8mμより小さいと、電子顕
微鏡によつて粒子径を正しく測定することが困難
である。また、一般にシリカゾルの粒子径は、
BET法により比表面積を測定し、その値から換
算して求められるが、BET法はシリカゾルの乾
燥体について測定が行われるために、極小粒子径
シリカゾルの場合には、乾燥時に粒子間の結合が
起り、シリカゾル中に現実に分散している形態の
粒子の比表面積よりも小さい値として測定される
から正しい値として測定されない。これに対し、
シアーズ滴定法による粒子径の測定は、シリカゾ
ル中に分散されている状態のコロイダル粒子につ
いて行われるために、この方法によれば正しい粒
子径が求められるが、その粒子径は必ずしも安定
性と関連づけることができない。
シリカゾルの粒子径を測定する別の方法とし
て、ジヤーナルオブケミカルフイジツクス
(Journal of Chemical Physics)第57巻11号
(1972年)第4814頁に記載の動的光散乱法・準弾
性レーザー光散乱法(以下、レーザー散乱法とい
う。)も適切な方法であることが見出されたが、
この方法による測定値と、シアーズ滴定法による
測定値とは一般に一致しない。粒子径が10mμ以
上であるシリカゾルについて、電子顕微鏡による
方法、シアーズ滴定法、BET法及びレーザー散
乱法による粒子径測定値を対比すると、電子顕微
鏡による方法で球状粒子であるにもかゝわらず、
レーザー散乱法による測定粒子径の値がシアーズ
滴定法又はBET法による測定粒子径の数倍にも
達するものがあり、これはコロイダルシリカ粒子
が液中で2箇以上凝集したミクロ凝集体を形成し
ているためと考えられ、この傾向は粒子径が小さ
くなる程大きい。従つて、シアーズ滴定法による
測定粒子径とレーザー散乱法による測定粒子径の
比が1に近くなる程、コロイダルシリカ粒子は液
中で個々に独立して分散していると言える。
上記ミクロ凝集しているシリカゾルは、安定性
に乏しく、従つて、シリカゾルの安定性について
は、シアーズ滴定法による測定粒子径が同一で
も、この値に対するレーザー散乱法による測定粒
子径の値の比(以下、粒子径分散度という。)が
1に近い程安定性が高いと評価でき、また、上記
従来法による安定性に乏しい粒子径5〜10mμの
シリカゾル、或いは粒子径2〜5mμのシリカゾル
は、上記粒子径分散度が4〜5であることが見出
された。
本発明の目的は、シアーズ滴定法による測定粒
子径が3〜7mμであつて、上記粒子径分散度が
1.6以下である高濃度でも安定なシリカゾルを簡
単な工程により、かつエネルギー消費の少ない工
程によつて効率よく製造する方法を提供すること
にある。
問題点を解決するための手段 本発明のシリカゾルの製造法は、下記a、b、
c及びd工程を包含することを特徴とする。
a SiO2として1.5〜8重量%のアルカリ金属珪
酸塩水溶液に、PH2〜4、SiO22〜6重量%の
活性珪酸の水性コロイド溶液を、SiO2/M2O
(但し、Mは前記アルカリ金属珪酸塩のアルカ
リ金属原子であるK又はNaを表わす。)モル比
が20〜40となるまで30〜65℃で充分な撹拌下に
徐々に添加する工程 b a工程に引き続き、a工程により得られた反
応混合液を30〜65℃で撹拌下反応を完結せしめ
る工程 c b工程により得られた反応混合液に、該液中
の前記アルカリ金属珪酸塩に由来するアルカリ
当量の25〜75%に相当する当量の酸を添加した
後、得られた反応混合液を30〜65℃で熟成する
工程 d c工程により得られたシリカゾルを微細多孔
性膜により濃縮する工程 本発明のa工程に用いられるアルカリ金属珪酸
塩水溶液は、アルカリ金属珪酸塩を水に溶解させ
ることによつて容易に得られる強アルカリ性の液
である。アルカリ金属珪酸塩は、カリウム又はナ
トリウム等の珪酸塩であり、これらはSiO2
M2O(但し、Mは前記に同じであり、以下も同様
である。)モル比が異なる種々のものが知られて
いるが、水に溶解させたとき完全な溶液が得られ
るものが好ましく、通常上記モル比として1〜
4.5程度のものが用いられる。また、これら用い
られるアルカリ金属珪酸塩としては、シリカゾル
をゲル化せしめるような不純物を含有しないもの
が好ましく、純度が高ければ市販工業製品で充分
である。特に安価に入手し得る高純度のモル比2
〜4程度の珪酸ナトリウムが好ましい。
本発明のa工程に用いられる活性珪酸の水性コ
ロイド溶液は、溶解珪酸及び粒子径2mμ以下の珪
酸の低重合粒子が水中に共存する酸性の液であ
る。この液は反応活性が高く、従つてまた不安定
でもあり、本発明に用いられるものとしては製造
直後のものが好ましい。上記活性珪酸の水性コロ
イド溶液は、前記の如きアルカリ金属珪酸塩の希
薄水溶液からアルカリ金属イオンを除去すること
により、例えば、通常の水素型陽イオン交換樹脂
で上記アルカリ金属珪酸塩の希薄水溶液を処理す
ることにより容易に得られる。
本発明のc工程に用いられる酸としては、無機
酸、有機酸のいずれでもよいが、純度の高い市販
工業製品の硫酸、塩酸、硝酸等が好ましく、特に
反応容器がステンレス鋼製のときは硫酸が好まし
い。これら用いられる酸は2〜20%程度の水溶液
であるものが更に好ましい。
本発明のd工程に用いられる微細多孔性膜は、
通常コロイド粒子の分散液の濃縮に用いられる市
販工業製品でよく、孔径として2mμ以下の限外
過膜が好ましい。本発明のa工程〜d工程には、
耐酸性及び耐アルカリ性の反応容器、強力扁拌
機、温度制御装置、定量ポンプ等を備えた通常の
製造装置を用いることができる。
作 用 本発明のa工程は、珪酸の重合反応を起させて
シリカの微細な核粒子を析出させた後、この核粒
子の周りに更に珪酸を反応沈着させることにより
シリカ粒子を成長させ、ほぼ球形の径が揃つた3
〜7mμ程度のシリカ粒子を水中に生成せしめる工
程である。
本発明のb工程は、a工程で得られた反応混合
液中の未反応珪酸及び未成長シリカ粒子を消失せ
しめるための反応完結工程である。
本発明のc工程は、b工程で得られた反応混合
液から安定なシリカゾルをつくるための工程であ
る。このc工程で行なわれる酸の添加をそれに替
つてa工程又はb工程で行なつたり或いはその中
間で行なうと反応混合液の安定性が失なわれ、場
合によつてはゲル化が起ることもある。c工程で
の酸の添加によつて、反応混合液中に存するアル
カリを中和して塩を生成せしめると共に、所定粒
径のコロイダルシリカの安定化のためのアルカリ
のみを残存せしめることができる。従つて、c工
程での酸の添加により、この残存アルカリと液中
シリカのモル比がSiO2/M2Oとして30〜100に調
節される。
本発明のd工程は、c工程によつて得られた低
濃度のシリカゾルを高濃度の安定な製品シリカゾ
ルにするために、微細多孔性膜を通して水と共
に、製品シリカゾル中に残存していてはゾルの安
定化に妨げとなる量のアルカリ金属イオン及び酸
根を除去するための工程である。d工程によつて
得られたシリカゾルは安定なゾルであるから、そ
のまゝ製品として前記各種用途に使用できる他、
更にこのゾルには各種の変成を施すこともでき
る。
本発明の製造法は、径が3〜7mμでかつ揃つて
いるコロイダルシリカ粒子からなる高濃度かつ安
定なゾルを効率よくつくるために、a工程〜d工
程において更に条件を必要とする。a工程に用い
られるアルカリ金属珪酸塩の水溶液は、SiO2
度として1.5重量%以下では液中に存するアルカ
リが不足し、かゝる液に活性珪酸の水性コロイド
溶液を添加しても充分なシリカ粒子の成長が起ら
ず、またSiO2濃度8重量%以上の液を用いると
c工程において添加すべき酸の量が増大し、この
多量の酸を添加するとシリカゾル中に高濃度に塩
が生成するためにゾルの安定性が低下する。塩の
濃度を低下させるためにシリカゾルを水で薄める
とd工程において除去すべき水量が増大し好まし
くない。かくしてa工程には、SiO2濃度として
1.5〜8重量%のアルカリ金属珪酸塩水溶液が用
いられる。a工程に用いられる活性珪酸の水性コ
ロイド溶液は、珪酸以外の酸根を多量に含有しな
い場合にはPHが2以上を示すものであり、塩酸、
硫酸等の如き他の酸を多量に含有せしめると、ア
ルカリ金属珪酸塩との反応により塩が形成され、
反応混合液中のシリカ粒子の円滑な成長の妨げと
なり易い。また活性珪酸の水性コロイド溶液のPH
が5以上では、この液は安定性に乏しくなり、増
粘乃至ゲル化が起こり易い。この活性珪酸の水性
コロイド溶液は、増粘したものはシリカの核粒子
の生成及び成長に適さず、SiO2濃度についても
通常6重量%以上のものは適当でない。SiO2
度6重量%以上の活性珪酸のコロイド水溶液は、
アルカリ金属珪酸塩の水溶液を水素型陽イオン交
換樹脂で処理することによりつくる方法によつて
は、その際増粘が著るしくなり易いからである。
また、活性珪酸の水性コロイド溶液のSiO2濃度
が2重量%以下では、反応混合液中水分含量が高
くなり、d工程における除去すべき水量が増大し
生産効率が低下する。かくしてa工程には、PH2
〜5、SiO22〜6重量%の活性珪酸の水性コロイ
ド溶液が用いられる。a工程におけるアルカリ金
属珪酸塩に活性珪酸の水性コロイド溶液を添加す
ることを30℃以下で行なうと3mμ以上の径のコロ
イダルシリカ粒子を生成させ難く、また、70℃以
上で行なうと生成したコロイダルシリカ粒子径が
8mμ以上に成長し、7mμ以下の径の揃つたコロイ
ダルシリカ粒子からなるシリカゾルが得られな
い。かくしてa工程において活性珪酸の水性コロ
イド溶液の添加は30〜65℃で行なわれる。
a工程において、アルカリ金属珪酸塩に活性珪
酸の水性コロイド溶液を一時に又は短時間に添加
すると3mμ以上の径のシリカ粒子を生成させるこ
とができず、また、生成シリカ粒子の径も揃い難
いので、充分な撹拌下に少しづつ徐々に添加する
必要がある。添加すべき活性珪酸の水性コロイド
溶液の量は、反応混合液中SiO2/M2Oモル比が
20〜40となる量である。モル比が40となるまでに
2〜12時間を要する如き速度が好ましい。この活
性珪酸の水性コロイド溶液全量の添加によつて
SiO2濃度として2〜6重量%の反応混合液が得
られる。反応混合液中のモル比が20以下ではc工
程における添加すべき酸の量が増大し、また、モ
ル比40以上では7mμ以下のシリカゾルを得難い。
上記a工程に引き続き、b工程において上記反応
混合液をやはり充分な撹拌下に30〜65℃で反応を
続行させることにより、粒子径3〜7mμの径の揃
つたコロイダルシリカ粒子に成長を完結させるこ
とができる。この反応の完結は、0.5〜2時間程
度で終了し、PH9.8〜10.8の液が得られる。
上記a工程とb工程の終了によつてほゝ目的と
する粒径及び粒径分布を有するコロイダルシリカ
の反応混合液が得られるが、この液は尚多量のア
ルカリを含有し、この液を濃縮するのみでは安定
なシリカゾルは得られない。b工程で得られた反
応混合液には、a工程に用いられたアルカリ金属
珪酸塩に由来するアルカリが含まれ、このアルカ
リ当量の25〜75%に相当する当量の酸をc工程に
おいて添加することにより、シリカゾルの安定化
を妨害する過剰のアルカリを中和して塩に変化さ
せることができる。生成した塩の濃度は600〜
3000ppm程度であるから、この塩の存在は、d工
程におけるゾルの濃縮の際ゾルのゲル化を防いで
安定化せしめる作用もする。更に、上記酸の添加
によつて、中和されないで残存するアルカリ金属
とシリカのモル比をSiO2/M2Oモル比として30
〜100に調節することができ、3〜7mμのコロイ
ダルシリカ粒子の安定化に必要な上記モル比に相
当するアルカリを尚残存せしめることができる。
添加すべき酸の濃度が高過ぎても、また一時に或
いは短時間に添加してもゲル化が起り易く、2〜
20%程度の酸を充分な撹拌下徐々に上記反応混合
液に添加するのが好ましい。酸の添加後に30〜65
℃で熟成する必要があるので、上記酸の添加も
ほゞ上記温度で行なうのが好ましい。c工程にお
ける30〜65℃での熟成は、酸の添加による中和反
応、粒径及び形状を充分な安定状態に到達させ、
安定なゾルを形成させる作用をする。熟成はやは
り充分な撹拌下に行なうのが好ましく、0.5〜2
時間程度がよい。c工程の終了によつてSiO2
度2〜6重量%の安定なシリカゾルが得られる。
しかし、このシリカゾルは、このまゝでは特殊な
用途を除き製品として用いることができない。こ
のシリカゾルを蒸発法によつて濃縮すると、前記
の如く多大の熱量を要するのみならず、液中に存
在する塩の濃度がゾルに増粘又はゲル化を起させ
る程に高まり好ましくない。d工程において、微
細多孔性膜を通して水を除去して濃縮すると同時
に、水の除去によつて次第にゾルの濃度は高まる
ので、その安定化を妨げる過剰の酸根とアルカリ
金属イオンを除去される水と共にゾルの外へ排出
させ、ゾルの安定化に要する量の酸根とアルカリ
金属イオンをゾル中に残存せしめることができ
る。c工程終了後のシリカゾルとしてSiO2濃度
2〜6重量%、SiO2/M2Oモル比30〜100及び塩
の濃度600〜3000ppmは上記効率的な微細多孔性
膜による濃縮を達成させるための要件である。c
工程終了後のゾル中に上記濃度以上の塩が存在す
ると、ゾルに水を加えて塩濃度を低下させながら
濃縮することを要したり、或いはc工程終了後の
ゾル中の塩濃度が上記濃度以下であるときは、安
定化に不足する量の塩をゾルに補給する必要があ
り、共に効率的でない。d工程における濃縮に
は、透析膜、逆浸透膜等も用い得るが、濃縮速度
が小さい。濃縮速度の大きい限外過膜を用いる
のが好ましい。d工程における濃縮は、室温〜65
℃程度で行なうことができる。d工程の終了によ
り、粒径3〜7mμのコロイダルシリカをSiO2
して15〜25重量%含有し、SiO2/M2Oモル比30
〜100、塩酸度300〜3000ppm、PH8.5〜10.0、粘
度20CP以下の安定なシリカゾルが得られる。勿
論濃縮度の低い段階で終了させることにより
SiO2として15重量%以下のシリカゾルも得られ
る。
実施例 実施例 1 撹拌機、コンデンサー及び滴下ロートを備えた
6のガラス製反応器にSiO2/Na2Oモル比3.23
の市販工業用ナトリウム水ガラスと水とを投入し
てSiO2として3.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液
600gを調製し、撹拌下加熱して50℃に保つた。
別途、希釈珪酸ナトリウム水溶液を水素型陽イオ
ン交換樹脂で処理することにより、SiO2濃度3.0
重量%、PH2.8の常温の活性珪酸の水性コロイド
溶液4400gを調製し、直ちにこれを50℃にある反
応器中の珪酸ナトリウム水溶液中へ50℃を保ちな
がら定量ポンプを用いて6時間を要して添加して
反応混合液を生成させた。引き続きこの反応混合
液を50℃に保ちながら0.5時間加熱を続けて反応
を完結させた。こゝに得られた反応混合液は
SiO2濃度3.0重量%、SiO2/Na2Oモル比22.4、PH
10.8であつた。次いで50℃のこの反応混合液に、
10重量%の硫酸水溶液43.3gを0.5時間を要して
添加した後、引き続き50℃で1時間熟成すること
によりSiO2濃度3.0重量%、硫酸ナトリウム濃度
1270ppmSiO2/Na2Oモル比39.8、PH9.73のシリ
カゾルを得た。このシリカゾルのシリカ粒子径を
シアーズ滴定法により測定したところ3.8mμであ
つた。次いで、このシリカゾルをポリサルホン製
管状限外過膜を使用した市販工業製品の限外
過装置を用いて、常温でSiO2濃度約20重量%と
なるまで濃縮した。濃縮中、液は安定であり、極
めて円滑であつた。得られた高濃度のゾルは、測
定の結果SiO2濃度20.6重量%、SiO2/全アルカリ
Na2Oモル比45.3、SiO2/滴定法Na2Oモル比
50.2、硫酸ナトリウム濃度820ppm、シアーズ滴
定法による粒子径3.8mμ、米国コールター社製の
製品名Coulter N4Aの装置を用いたレーザー散
乱法による粒子径は4.3mμであり、25℃の粘度
2.7CPであり、更に安定性について試験したとこ
ろ、50℃1ケ月の保存後にも、また室温で1年の
保存後にも粘度の変化が全く認められなかつた。
実施例 2 実施例1に用いられたものと同じ反応器に、
SiO2/Na2Oモル比3.23の市販工業用ナトリウム
水ガラスと水を投入し、SiO2として3.5重量%の
珪酸ナトリウム水溶液600gを調製し、撹拌下加
熱して50℃に保つた。別途、希釈珪酸ナトリウム
水溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理すること
により、室温のSiO2濃度3.0重量%、PH2.8の活性
珪酸の水性コロイド溶液4400gを調製した。直ち
に上記活性珪酸の水性コロイド溶液2200gを50℃
にある反応器の中の珪酸ナトリウム水溶液中へ50
℃を保ちながら定量ポンプを用いて3時間を要し
て添加して反応混合液を生成させた。次にこの反
応混合液を50℃から60℃に0.5時間を要して昇温
し、さらに残りの活性珪酸の水性コロイド溶液
2200gを60℃にある反応混合液中へ60℃を保ちな
がら定量ポンプを用いて3時間を要して添加し
た。引き続きこの反応混合液を60℃保ちながら
0.5時間加熱を続けて反応を完結させた。ここに
得られた反応混合液はSiO2濃度3.0重量%SiO2
Na2Oモル比22.4、PH10.2であつた。次いで、60
℃に保つた反応混合液に、10重量%の硫酸水溶液
46.4gを0.5時間を要して添加した後、引き続き
60℃1時間熟成することによりSiO2濃度3.0重量
%硫酸ナトリウム濃度1350ppm、SiO2/Na2Oモ
ル比41.7、PH9.69のシリカゾルを得た。このシリ
カゾルのシリカ粒子径をシアーズ滴定法により限
定したところ4.9mμであつた。
次いで、このシリカゾルを実施例1で使用した
限外過装置を用いて、常温でSiO2濃度約20重
量%となるまで濃縮した。濃縮中、液は安定であ
り、極めて円滑であつた。得られた高濃度のゾル
は測定の結果SiO220.0重量%、SiO2/全アルカリ
Na2Oモル比48.1、SiO2/滴定法Na2Oモル比
54.2、硫酸ナトリウム濃度850ppm、シアーズ滴
定法による粒子径4.9mμ、実施例1記載のレーザ
ー散乱法による粒子径5.2mμ25℃の粘度2.6CPで
あり、更に安定性について試験したところ、50℃
1ケ月の保存にも、また室温で1年の保存後にも
粘度の変化が全く認められなかつた。
実施例 3 実施例1に記載の反応器を使用し、これに
SiO2/Na2Oモル比3.23の市販工業用ナトリウム
と水とを投入してSiO2として、3.5重量%の珪酸
ナトリウム水溶液600gを調整し、撹拌下加熱し
て60℃に保つた。別途、希釈珪酸ナトリウム水溶
液を水素型陽イオン交換樹脂で処理することによ
り、SiO2濃度3.0重量%、PH2.8の常温の活性珪酸
の水性コロイド溶液4400gを調製し、直ちにこれ
を60℃にある反応器の中の珪酸ナトリウム水溶液
中へ60℃を保ちながら定量ポンプを用いて6時間
を要して添加し、反応混合液を60℃に保ちながら
0.5時間加熱を続けて反応を完結させた。こゝに
得られた反応混合液はSiO2濃度3.0重量%SiO2
Na2Oモル比22.4、PH10.3であつた。次いで、60
℃に保つた反応混合液に、10重量%の硫酸水溶液
51.4gを0.5時間を要して添加した後、引き続き
60℃1時間熟成することによりSiO2濃度3.0重量
%硫酸ナトリウム濃度1470ppm、SiO2/Na2Oモ
ル比44.8、PH9.65のシリカゾルを得た。このシリ
カゾルのシリカ粒子径をシアーズ滴定法により測
定したところ6.0mμであつた。
次いで、このシリカゾルを実施例1で使用した
限外過装置を用いて、常温でSiO2濃度約25重
量%となるまで濃縮した。濃縮中液は安定であ
り、極めて円滑であつた。得られた高濃度のゾル
は測定の結果SiO225.1重量%、SiO2/全アルカリ
Na2Oモル比52.6、SiO2/滴定法Na2O62.6、硫酸
ナトリウム濃度1310ppm、シアーズ滴定法による
粒子径6.0mμ、実施例記載のレーザー散乱法によ
る粒子径6.8mμ、25℃の粘度8.4CPであり、更に
安定性について試験したところ、50℃1ケ月の保
存にも、また室温で1年の保存後にも粘度の変化
が全く認められなかつた。
比較例 1 実施例1における製造方法において、硫酸の添
加を行なわず、他は実施例1と同様にして、
SiO23.0重量%、SiO2/Na2Oモル比22.4、PH10.4
の熟成後のシリカゾルを得た。このシリカゾルの
シリカ平均粒子径をシアーズ滴定法により測定し
たところ4.0mμであつた。
次いで、このシリカゾルを実施例1と同様に、
SiO2濃度約20重量%となるまで濃縮した。得ら
れた高濃度のゾルは測定の結果SiO220.1%、
SiO2/全アルカリNa2Oモル比29.6、SiO2/滴定
Na2Oモル比30.2、シアーズ滴定法による粒子径
4.0mμ、実施例1記載のレーザー散乱法による粒
子径7.1mμ、25℃の粘度3.3CPであつた。
安定性について試験したところ、50℃2日で増
粘、ゲル化が起つた。
別途、上記方法において、濃縮直前に塩濃度が
1270ppmとなるように硫酸ナトリウムの10重量%
水溶液を加えてから濃縮することにより、塩濃度
80ppmのシリカゾルを得たが、常温放置1ケ月後
に増粘した。
比較例 2 実施例1における製造方法において、硫酸の添
加に際してナトリウム水ガラスに由来するアルカ
リ分の全量が中和されるように、10重量%硫酸
41.0gを添加し、他は実施例1と同様にして、
SiO22.9重量%、硫酸ナトリウム濃度3000ppm、
PH4.7の熟成後のシリカゾルを得たが、1日室温
放置後、増粘が起つた。
比較例 3 実施例3における製造方法において、加熱温度
60℃を70℃とし、他は実施例3と同様にして
SiO23.0重量%、硫酸ナトリウム濃度1470ppm、
SiO2/Na2Oモル比44.8、PH9.80の熟成後のシリ
カゾルを得た。このゾルのシリカの粒子径はシア
ーズ滴定法により測定したところ7.5mμであつ
た。
実施例1記載のレーザー散乱法による平均粒子
径は8.4mμであつた。
発明の効果 上記の如く、蒸発法によらないで限外過法に
より効率よく濃縮して高濃度シリカゾルを製造す
るには、適量の塩をゾル中に存在せしめておく必
要があり、また7mμ以下の極小粒子径シリカゾル
をつくるには、塩を存在せしめる時期として製造
過程において一旦7mμ以下のコロイダルシリカ粒
子を生成せしめた後でなければならず、更に、
7mμ以下の極小粒子径シリカゾルをつくるには反
応混液中SiO2/M2Oモル比を20〜40に設定し、
更にこの粒子径のゾルが安定であるためにはモル
比を30〜100に高めねばならない。本発明の効果
は、上記モル比の調節と塩の存在効果を同時に満
足させるために反応完結後の反応混合液に酸量添
加することによつて効率的製造法を確立したこと
にある。
更に、本発明の方法によつて得られた高濃度の
極小粒子径シリカゾルは、極めて安定であり、こ
れに更にアルカリ金属水酸化物、アンモニア、第
4級アンモニウム水酸化物、水溶性アミン等を加
えることによりPH10以上の強アルカリ性の安定な
ゾルも得られ、また、陽イオン交換樹脂で処理す
ることによりPH4以下の安定なゾルも得られる。
このように種々に変成させたシリカゾルも、前
記用途の他各種の用途に更に性能を向上させ得る
ゾルとして極めて有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 a SiO2として1.5〜8重量%のアルカリ金
    属珪酸塩水溶液に、PH2〜5、SiO22〜6重量
    %の活性珪酸の水性コロイド溶液を、SiO2
    M2O(但し、Mは前記アルカリ金属珪酸塩のア
    ルカリ金属原子であるK又はNaを表わす。)モ
    ル比が20〜40となるまで30〜65℃で充分な撹拌
    下に徐々に添加する工程 b a工程に引き続き、a工程により得られた反
    応混合液を30〜65℃で撹拌下反応を完結せしめ
    る工程 c b工程により得られた反応混合液に、該液中
    の前記アルカリ金属珪酸塩に由来するアルカリ
    当量の25〜75%に相当する当量の酸を添加した
    後、得られた反応混合液を30〜65℃で熟成する
    工程 d c工程により得られたシリカゾルを微細多孔
    性膜により濃縮する工程 を包含することを特徴とする安定な高濃度極小粒
    子径シリカゾルの製造法。
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